JPH08203119A - 記録媒体ディスク用基板 - Google Patents

記録媒体ディスク用基板

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JPH08203119A
JPH08203119A JP7014812A JP1481295A JPH08203119A JP H08203119 A JPH08203119 A JP H08203119A JP 7014812 A JP7014812 A JP 7014812A JP 1481295 A JP1481295 A JP 1481295A JP H08203119 A JPH08203119 A JP H08203119A
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disk substrate
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Toshikazu Kishino
敏和 岸野
Shunichi Murakawa
俊一 村川
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Abstract

(57)【要約】 【構成】X線回折の強度において、YAGの面指数(4
20)の強度に対する、YAPの面指数(121)+Y
AMの面指数(−122)の強度比が10%以下であ
り、平均ボイド径1.5μm以下で、理論密度の98%
以上の密度を持つイットリウム−アルミニウム−ガーネ
ット焼結体で記録媒体ディスク用基板を構成する。 【効果】HIP処理を施すことなく極めてボイドの少な
い記録媒体ディスク用基板を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスク装置や磁気
ディスク装置において、情報を記録する記録媒体ディス
クである光ディスクまたは磁気ディスクを構成する基板
に関し、特にイットリウム−アルミニウム−ガーネット
(Y3 Al5 12、以下YAGと称す)焼結体や透光性
アルミナ焼結体を支持体とした記録媒体ディスク用基板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置はコンピュータの情報
処理システムの中で情報記憶の中心的な役割を果たして
いるが、近時、この磁気記録は高密度化及び大容量化の
傾向にあるため、スパッタリングなどの薄膜技術を利用
して磁気記録媒体の薄層化及び高面精度化を行い、その
要求に答えようとしている。
【0003】かかる磁気記録媒体が形成される基板には
アルミニウム合金が使用され、その表面を酸化して得ら
れたアルマイト層が2μm位の厚みで被覆されており、
このアルマイト層によって基板表面の硬度を大きくして
ある。しかし、この硬質アルマイト層の厚みが小さく、
且つアルミニウム合金とアルマイト層の熱膨張係数が異
なっているため、基板温度が上昇するに伴い、基板に歪
が発生し易かった。
【0004】例えば、スパッタリングによって基板上に
磁気記録媒体を形成する際には、スパッタ粒子や電子が
基板上に衝突するため、その衝突エネルギーによって基
板温度が上昇し、更にγ−Fe23 から成る磁気記録媒
体の場合では、通常300℃以上に加熱処理することが
行われている。これらの温度上昇に伴ってアルミニウム
基板に歪みが発生し易くなり、そのためアルミニウム基
板に磁気記録媒体を形成して高密度磁気記録に用いた場
合、正確な書き込みや読み取りが出来にくいという問題
があった。
【0005】更に、磁気ディスク装置は、同一の回転軸
に複数の磁気ディスクを配置して1000〜3000r
pm程度の高速回転をさせて、読み取り及び書き込みの
データ処理を行っているが、この磁気ディスク用基板が
アルミニウム合金から形成されていると、基板自体が遠
心力によって伸び易くなり、これによっても、高密度磁
気記録に適した正確な書き込み及び読み取りが出来なか
った。
【0006】しかも、アルミニウム合金製磁気ディスク
用基板には、表面がアルマイト処理されていても、通常
その基板表面の片面全面に亘って2〜3μmのボイドが
100個以上もあるため、高密度記録用磁気ディスク装
置にとっては、このボイド欠陥に起因して正確な書き込
み及び読み取りが出来ないという問題もあり、ボイド欠
陥の少ない磁気ディスク用基板材料が望まれていた。
【0007】そこで、他の磁気ディスク用基板材料とし
てプラスチックやガラスが検討されているが、プラスチ
ックは透湿性が高いこと、ガラスは割れ易いことと割れ
た場合の危険性が高いという問題点がある。しかも、こ
れらの材料はヤング率が小さいため、基板を高速回転さ
せると遠心力によって基板が伸び易くなるという問題点
もあった。
【0008】また、近年、セラミック基板の提案も成さ
れているが、通常の構造材料として使われているセラミ
ックスではボイドが多く、前述のアルミニウム合金製と
同様の問題がある。そこで、特公平6−22055号公
報に示すようにセラミックスをHIP(熱間静水圧加
圧)処理することによってボイドを小さくすることが提
案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、セラミックス
にHIP処理を施すことは工程が煩雑になり、製造コス
トが高くなるものであった。また、HIP処理を施すこ
とによって硬度が高くなるため、焼成後の研磨等の後加
工が困難になるという問題点もあった。
【0010】一方、HIP処理を施さないセラミックス
では、ボイドが多いため磁気ディスク用基板として使用
した場合に、高密度記録への対応が困難であった。
【0011】一方、CDや光磁気ディスク等の光ディス
ク装置においては、ディスク用基板としてポリカーボネ
ート等の樹脂が用いられているが、この場合も回転数が
大きくなると反りや撓み等が生じるという問題があっ
た。
【0012】本発明は上述の問題点を解消するために成
されたもので、HIP処理をすることなく基板表面にボ
イド欠陥を少なくし、またスパッタリングや熱処理に対
して基板に何等歪が発生せず、且つ基板に加えられる遠
心力に対して基板自体の伸びが生じることもなく、高密
度記録に適した書き込みや読み取りが出来る記録媒体デ
ィスク用基板を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の記録媒体ディス
ク用基板は、X線回折の強度において、Y3 Al5 12
(YAG)の面指数(420)の強度に対する、YAl
3 (以下YAPと称す)の面指数(121)+Y4
2 9 (以下YAMと称す)の面指数(−122)の
強度比が10%以下であるイットリウム−アルミニウム
−ガーネット焼結体を用いたことを特徴とする。
【0014】また、本発明の記録媒体ディスク用基板
は、平均ボイド径1.5μm以下、かつ理論密度の98
%以上の密度を持つイットリウム−アルミニウム−ガー
ネット焼結体を用いたことを特徴とする。
【0015】さらに、本発明の記録媒体ディスク用基板
は、平均ボイド径1.5μm以下、かつ理論密度の98
%以上の密度を持つ透光性アルミナ焼結体を用いたこと
を特徴とする。
【0016】即ち、上述のYAG焼結体または透光性ア
ルミナ焼結体で作製された記録媒体ディスク用基板は、
アルミニウム等の金属やプラスチック等に比べて弾性率
が小さく、かかる基板を高速に回転しても基板自体が被
る遠心力によって基板に伸びが生じにくいものである。
【0017】更に、YAG焼結体または透光性アルミナ
焼結体の密度を理論密度の98%以上と高くしてボイド
を少なくすれば、HIP処理を施すことなく平均ボイド
径を1.5μm以下とすることができ、表面を研磨する
ことによって平滑な鏡面を得られ、その結果スパッタリ
ングなどによって形成された磁気記録媒体が著しく薄く
なっても記録媒体の表面が粗れることなく高密度磁気記
録に向くディスク基板を得ることができる。
【0018】また、YAG焼結体の機械的物性はビッカ
ース硬度1300kg/mm2 、曲げ強度30kg/m
2 程度、透光性アルミナ焼結体の機械的物性はビッカ
ース硬度1800kg/mm2 、曲げ強度38kg/m
2 程度であり、いずれもHIP処理したアルミナ(ビ
ッカース硬度2100kg/mm2 )等の高硬度セラミ
ックに比べれば、硬度が低いために焼成後の加工が容易
であり、加工コストを低く抑えられる。一方、ガラス
(曲げ強度10kg/mm2 、ビッカース硬度1000
kg/mm2 以下)に比べて硬度及び強度が高いため、
表面に傷がつきにくく割れにくい記録媒体用ディスク基
板を得ることができる。
【0019】また、本発明のYAG焼結体においてX線
回折の強度比を限定したのは以下の理由による。
【0020】即ち、Al2 3 −Y2 3 系の結晶構造
は、3Y2 3 ・5Al2 3 組成のざくろ石構造、Y
2 3 ・Al2 3 組成のペロブスカイト構造、及び2
23 ・Al2 3 組成の単斜型構造の3種の化合物
の存在が知られており、これらの結晶構造はそれぞれ立
方晶、斜方晶及び単斜晶系に属したものである。そし
て、立方晶及び単斜型は安定相であるが、斜方晶のペロ
ブスカイト型化合物は準安定相である。
【0021】ここで、YAGは安定な立方晶であり、そ
れ故にボイドを小さく、少なくして透光性を有すること
ができるのである。このYAG焼結体中に、結晶系の違
う斜方晶や単斜晶の結晶が存在すればボイドが大きく、
かつ多くなって透光性も低下してしまうことになる。従
って、YAG焼結体中に存在するYAPやYAM等の結
晶系の違う化合物を極力減少させることが重要となる。
【0022】そこで、X線回折による分析において、Y
AGの面指数(420)の強度に対して、YAPの面指
数(121)+YAMの面指数(−122)の強度の比
を10%以下と少なくすれば、ボイドを小さく、少なく
できるのである。
【0023】
【実施例】次に本発明実施例として記録媒体ディスク用
基板の一例である磁気ディスク用基板をYAG焼結体で
形成した例を説明する。
【0024】純度が99%以上、BET比表面積5m2
/g以上のAl2 3 粉末とY2 3 粉末を水で混合
し、バインダーとしてPVAを加えスラリーを作製し
た。これをスプレードライヤーで造粒し、電気炉で13
50℃で仮焼した。これに溶媒として水と高純度アルミ
ナボールを加え回転ミルにて粉砕を行い、平均粒径(D
50)を2μm以下にした後、バインダーとしてPEG、
アクリル樹脂、PVAを添加し混合攪拌した。
【0025】このスラリーを再度スプレードライヤーで
噴霧し造粒を行った。更に、この造粒体を金型プレス及
び冷間静水圧プレスを用い、2.5g/cm3 以上の生
密度の成形体を作製した。この成形体を真空中1700
〜1880℃で、好ましくは1800〜1860℃で焼
成しYAG焼結体を得た。
【0026】このYAG焼結体をX線回折で分析したと
ころ、表1に示すように、前述のYAGの面指数(42
0)の強度に対する、YAPの面指数(121)+YA
Mの面指数(−122)の強度比が0〜15%であるY
AG焼結体を得ることができた。なお、X線回折による
YAGの面指数(420)のピークは2θ=33.3°
に、YAMの面指数(−121)のピークは2θ=2
9.6°に、YAPの面指数(121)のピークは2θ
=34.3°にそれぞれ現れる。したがって、2θ=3
0°近傍を拡大して分析し、上記各ピークの強度を測定
すれば容易に前述した強度比を求めることができる。
【0027】このYAG焼結体をラップし、ポリッシュ
して磁気ディスク用基板を得た後、まず平均ボイド径と
対理論密度比を測定した。なお、平均ボイド径は、基板
の表面を画像回折装置(ルーゼックス製、ルーゼックス
500型)で測定して求めた。
【0028】次に、各磁気ディスク用基板上に、それぞ
れCoを含んだFeをターゲットとした反応スパッタリ
ングによってα−Fe23 膜(厚さ0.2μm)を被
着し、次いで、Fe34 膜に変換し、空気中にて32
0℃で酸化してγ−Fe23 膜に変換し、高密度磁気
ディスクを作成した。このようにして得られた磁気ディ
スクについて、浮上量0.2μmで磁気ヘッドを浮上さ
せて使用テストを行い、信号エラー発生のあったものを
×、無かったものを○として評価した。
【0029】結果は表1に示す通りである。この結果よ
り、比較例であるNo.6ではX線回折の強度比が15
%と大きいため、平均ボイド径が3μmを超え、対理論
密度比が98%未満と低いことから、磁気ディスクとし
ての使用試験で信号エラーが発生しやすかった。
【0030】これに対し、本発明実施例であるNo.1
〜5では、X線回折の強度比を10%以下としたことに
より、平均ボイド径1.5μm以下で対理論密度比98
%以上とできることから、磁気ディスクとしての使用試
験で信号エラーが発生しなかった。また、X線回折の強
度比が小さいほど、平均ボイド径を小さく、対理論密度
比を大きくでき、より好ましい磁気ディスク用基板が得
られることがわかった。
【0031】
【表1】
【0032】次に、透光性アルミナ焼結体を用いた磁気
ディスク用基板の実施例を説明する。
【0033】純度99.9%以上で比表面積が3〜15
m/gのアルミナ粉末に0.1重量%以下のMgOを添
加して水で混合し、回転ミルにて粉砕した後、有機バイ
ンダーを4〜7重量%加え、よく混合してスプレードラ
イヤーにて造粒した。
【0034】この粉末をプレス成形して生密度2.3g
/cm3 以上の成形体を得た。次に大気中1000〜1
250℃で仮焼し、その後真空炉で1650〜1750
℃の温度で焼結することによって透光性アルミナ焼結体
を得た。
【0035】この透光性アルミナ焼結体を前述のYAG
焼結体と同様に加工して磁気ディスク用基板を得た。こ
れを画像解析装置で測定して平均ボイド径を求め、対理
論密度比も求めた。次に、この基板を上記実施例と同じ
方法で磁気ディスクとしての評価を行い、信号エラーの
あったものを×なかったものを○とした。
【0036】結果を表2に示すように、No.2〜4の
焼成温度を1650〜1750℃の範囲内としたもの
は、対理論密度比が98%以上で、平均ボイド径を0.
2〜1.5μmとすることができ、磁気ディスク試験に
おいて信号エラーは全くなかった。
【0037】
【表2】
【0038】次に、本発明のYAG焼結体または透光性
アルミナ焼結体からなる磁気ディスク用基板と、比較例
として他材料からなる磁気ディスク用基板について、平
均ボイド径とビッカース硬度を比較した結果を表3に示
す。
【0039】この結果より、平均ボイド径について見て
みると、本発明のYAG焼結体または透光性アルミナ焼
結体からなる基板は、アルミナセラミックスやアルミニ
ウム等に比べて格段にボイド径を小さくでき、HIP処
理を施したアルミナセラミックスと同程度のボイドレベ
ルであることがわかる。つまり、本発明のYAG焼結体
または透光性アルミナ焼結体からなる磁気ディスク用基
板は、従来のHIP処理を施したアルミナセラミックス
製基板と同程度のボイドレベルをHIP処理なしで達成
できるのである。
【0040】そのため、本発明の磁気ディスク用基板に
対してさらにHIP処理を行えば、よりボイドを小さく
してさらに高密度記録に対応することも可能である。
【0041】また、ビッカース硬度について見てみる
と、本発明のYAG焼結体や透光性アルミナ焼結体はガ
ラスやアルミニウムよりも硬度が高いことから傷がつき
にくく、一方HIPしたアルミナセラミックスよりも硬
度が低いため、焼成後の加工が容易であり、磁気ディス
ク用基板として最適な硬度を有している。なお、このよ
うな効果を奏するためにはYAG焼結体のビッカース硬
度を1200〜1400kg/mm2 の範囲とすること
が好ましい。
【0042】さらに、本発明のYAG焼結体または透光
性アルミナ焼結体からなる磁気ディスク用基板は透光性
を有するため、表面の傷等を容易に視認しやすい等の効
果もある。
【0043】
【表3】
【0044】なお、以上の実施例では磁気ディスク用基
板についてのみ述べたが、光ディスク用基板にも同様に
本発明を適用することができる。
【0045】
【発明の効果】このように本発明によれば、X線回折の
強度において、YAGの面指数(420)の強度に対す
る、YAPの面指数(121)+YAMの面指数(−1
22)の強度比が10%以下であり、平均ボイド径1.
5μm以下で、理論密度の98%以上の密度を持つYA
G焼結体で記録媒体ディスク用基板を構成したことによ
って、極めてボイドの少ない基板をHIP処理を施すこ
となく容易に得ることができる。
【0046】また本発明によれば、平均ボイド径1.5
μm以下で、理論密度の98%以上の密度を持つYAG
焼結体で記録媒体ディスク用基板を構成したことによっ
て、極めてボイドの少ない基板をHIP処理を施すこと
なく容易に得ることができる。
【0047】さらに、本発明の記録媒体ディスク用基板
は、適度な硬度を有することから加工が容易であり、磁
気記録媒体の形成時に基板自体に歪が発生せず、かつ基
板に加わる遠心力に対して基板自体が伸びることもな
い。
【0048】したがって、本発明によれば、正確に高密
度記録の書き込みや読み取りができる高信頼性の記録媒
体ディスク用基板を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線回折の強度において、Y3 Al5 12
    の面指数(420)の強度に対する、YAlO3 の面指
    数(121)とY4 Al2 9 の面指数(−122)の
    合計の強度比が10%以下であるイットリウム−アルミ
    ニウム−ガーネット焼結体から成ることを特徴とする記
    録媒体ディスク用基板。
  2. 【請求項2】平均ボイド径1.5μm以下で、理論密度
    の98%以上の密度を持つイットリウム−アルミニウム
    −ガーネット焼結体からなることを特徴とする記録媒体
    ディスク用基板。
  3. 【請求項3】平均ボイド径1.5μm以下で、理論密度
    の98%以上の密度を持つ透光性アルミナ焼結体からな
    ることを特徴とする記録媒体ディスク用基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115443253A (zh) * 2020-05-12 2022-12-06 日本钇股份有限公司 成膜用或烧结用粉末

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