JPH08205901A - 獣毛調植毛靴およびその製造方法 - Google Patents

獣毛調植毛靴およびその製造方法

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JPH08205901A
JPH08205901A JP7042431A JP4243195A JPH08205901A JP H08205901 A JPH08205901 A JP H08205901A JP 7042431 A JP7042431 A JP 7042431A JP 4243195 A JP4243195 A JP 4243195A JP H08205901 A JPH08205901 A JP H08205901A
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piles
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BAAKO KK
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    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B3/00Footwear characterised by the shape or the use
    • A43B3/0036Footwear characterised by the shape or the use characterised by a special shape or design
    • A43B3/0078Footwear characterised by the shape or the use characterised by a special shape or design provided with logos, letters, signatures or the like decoration
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形靴やスラッシュ成形靴のようにアッ
パーとソールとが一体成形された靴に植えられた毛が獣
毛に近似している獣毛調の植毛靴とその製造方法を提供
する。 【構成】 アッパーとソールとが一体成形された靴本体
1の少なくともアッパー部の少なくとも一部に、水系接
着剤層Bが形成され、該層Bに短いパイルPSが密に植
毛され、該短パイル間に長いパイルPLが植毛され所定
方向に傾斜している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植毛靴とその製造方法
に関し、詳しくは、射出成形靴やスラッシュ成形靴のよ
うにアッパーとソールとが一体成形された靴に植えられ
た毛が獣毛に近似している獣毛(毛皮)調の植毛靴とそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】射出
成形靴やスラッシュ成形靴においては、従来から、天然
皮革の起毛調に近似させるべく、フロック加工(植毛)
を施したものが種々開発され、実用化されている。ま
た、最近、天然皮革の起毛調の中でも、獣毛(毛皮)調
の素材(例えば、アザラシ、ビーバー、チンチラ、ミン
ク、ウサギなどの毛皮調素材)が注目されるようになっ
て来ている。
【0003】ところで、獣毛は、首から尾側に向けて傾
斜し、かつ長さや太さが種々異なった毛が密生している
のが一般的である。このような獣毛調の植毛靴として、
従来は、手縫い靴や手貼り靴の分野において、原反と称
されるシート状物に、長さや太さの異なるパイル(繊
維)を斜植(基材に対し斜めに植えること)したり、あ
るいは直毛状態に植毛した後に物理処理や熱処理により
傾斜させて獣毛調の原反とし、これをアッパーに取り付
けたものが知られているが、アッパーとソールとが一体
成形される射出成形靴やスラッシュ成形靴の分野では、
これまで獣毛調のものは知られていない。
【0004】ただ、射出成形靴やスラッシュ成形靴にお
いても、植毛したパイルを傾斜させる技術(特開平6−
311903号公報)、長さや太さが異なるパイルを植
毛する技術(実願平5−72547号明細書)は、知ら
れている。しかし、これらいずれの技術も、バックスキ
ンやヌバック等のような“皮革”に近似させる技術であ
って、“毛皮(獣毛)”に近似させたものではなく、獣
毛調の表現からは程遠いものしか製造することができな
い。
【0005】本発明は、以上の諸点を考慮し、射出成形
靴やスラッシュ成形靴のようにアッパーとソールとが一
体成形された靴であって獣毛調に植毛された靴と、その
製造方法とを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために検討を重ねた結果、先ず、 (1)前述のように、獣毛は、長さの異なる毛が密生し
ているが、一般には、短い毛が密生し、この密の短毛の
間から長い毛が突出しかつ所定方向に傾斜している傾向
にあり、したがって短いパイルを密に植毛し、長いパイ
ルを粗くかつ所定方向に斜植すれば、獣毛調の表現が可
能となること、 (2)ところが、長いパイルをアッパーとソールとの一
体成形靴に斜植することは現在の植毛技術では不可能で
あり、一旦直毛状態で植毛したものを傾斜させると言う
工程を経ざるを得ないこと、の知見を得た。
【0007】そこで、本発明者らは、直毛状態で植毛さ
れている長いパイルを傾斜させる技術を開発するため
に、さらに検討を重ねた結果、 (3)射出成形靴やスラッシュ成形靴などの植毛技術に
おいては、静電植毛技術を利用するため、靴本体へのパ
イルの固定のための接着剤として、静電気の放電による
着火の危険のある溶剤系の接着剤ではなく、安全な水系
の接着剤を使用すること望ましいこと、 (4)ところで、短いパイルは、靴本体に接着し易いと
言う特徴があり、接着剤の使用量を必ずしも多くするこ
となく、大量に、言い換えれば密に、植毛することがで
き、しかも容易に接着することができるが、長いパイル
は、短いパイルに比べて接着し難く、また脱落し易いた
め、接着剤を多量に使用する必要があること、 (5)したがって、長短パイルを植毛する場合には、あ
る程度多量の接着剤が必要であり、長い乾燥時間を余儀
無くされること、 (6)この長時間の乾燥工程中に、言い換えれば接着剤
が完全に乾燥する前に、パイルの傾斜工程を加えたとこ
ろ、意外にも、 植毛されたパイルが、極めて容易に、かつ極めて良好
に、斜植様の状態に傾斜されること、 接着剤層が厚いため、長いパイルも、深く斜植され、
しかも傾斜された状態にしっかり保持されること、 乾燥時間が長いため、傾斜工程がタイミングよくと
れ、作業が安定されること、 の知見を得た。
【0008】本発明の獣毛調植毛靴およびその製造方法
は、上記の知見に基づくもので、先ず、獣毛調植毛靴
は、アッパーとソールとが一体成形された靴本体の少な
くともアッパー部の少なくとも一部に、短いパイルが密
に植毛され、該短パイル間に長いパイルが植毛されて所
定方向に傾斜していることを特徴とする。このとき、短
いパイルは、平均長さが1〜8mmで、植毛密度が50
〜200g/m、長いパイルは、平均長さが3〜20
mmで、植毛密度が30〜150g/mであり、短い
パイルが長いパイルよりも暗い色調を有することが好ま
しい。
【0009】本発明の獣毛調植毛靴の製造方法は、アッ
パーとソールとが一体成形された靴本体の少なくともア
ッパー部の被植毛部に水系接着剤をウェット状態で10
0〜450μmの厚さに塗布し、長いパイルと短いパイ
ルを混合して植毛するか、またはどちらか一方のパイル
を植毛し、続いて他方のパイルを植毛した後、前記接着
剤の乾燥途中または乾燥終了後にパイルを所定の方向に
傾斜させることを特徴とする。また、パイルを所定の方
向に傾斜させるに先立ち、植毛部を樹脂処理することが
好ましい。
【0010】本発明における靴本体は、アッパーとソー
ルとが一体成形されたもの(以下、一体成形靴と称する
こともある)であり、射出成形やスラッシュ成形などに
より成形されたものが好ましく使用できる。靴本体の材
質は、特に制限されず、これらの成形技術に使用されて
いる通常の重合体、共重合体、これらのブレンド物であ
ってよい。
【0011】本発明の獣毛調植毛靴は、上記靴本体の少
なくともアッパー部の少なくとも一部に、短いパイルが
密に植毛され、長いパイルが該短パイル間に植毛され所
定方向に傾斜されたものである。
【0012】上記の短いパイルは、平均長さが1〜8m
mのもの、長いパイルは、平均長さが5〜20mmのも
のが、天然の獣毛に近似させる上で好ましい。なお、こ
れら長短パイルの太さは、特に制限されないが、あまり
細すぎるものでは、取扱が困難であるばかりか、機械的
強度が低いものもあり、また獣毛調とする上で大量を植
毛しなければならないなどの問題がある。逆に、あまり
太すぎるものでは、天然の獣毛に近似したものとなり難
い。したがって、本発明では、短いパイルで平均2〜2
0デニール、長いパイルで平均4〜60デニール程度の
ものを使用することが好ましい。
【0013】また、上記の短いパイルは、植毛密度50
〜200g/m、長いパイルは、植毛密度30〜15
0g/mが、天然の獣毛に近似させる上で好ましい。
【0014】さらに、上記長短パイルの色調は、短いパ
イルが、長いパイルよりも暗い色調とすることが、天然
の獣毛に近似させる上で好ましい。
【0015】そして、長いパイルは、好ましくは上記の
植毛密度で密に植毛されている短いパイル間に、好まし
くは上記の植毛密度で植毛され、しかも所定方向に傾斜
している。この所定方向とは、靴の種類あるいは靴のデ
ザインにより異なり一概には決められないが、例えば、
ブーツであって、アッパーの全体に植毛するデザインの
場合には、筒部および胛被の後側部では履口部からソー
ル側に向かう(すなわち上から下への)方向、胛被の前
側部では筒部の下端から爪先側に向かう(すなわち後か
ら前への)方向などを言う。また、シューズであって、
アッパーの全体に植毛するデザインの場合には、胛被の
前側部では履口部から爪先側に向かう(すなわち後から
前への)方向、他の部分では履口部からソール側に向か
う(すなわち上から下への)方向などを言う。
【0016】なお、上記の長短パイルの材質は、特に制
限されず、上記の一体成形靴に植毛する際に通常使用さ
れているナイロン、アクリル、ポリウレタン、ポリエス
テル、ビニロン、レーヨンなど製のパイル、あるいはこ
れらの混紡パイルなどを、単独であるいは2種以上を混
合して使用される。
【0017】ただし、長いパイルは、異形断面糸(横断
面形状が、三角形、四角形、オレンジ形、星形、歯車形
などを呈する糸のこと)を用いることが好ましい。異形
断面糸は、鋭い光輝を放ち、本発明の獣毛調植毛靴を、
天然の獣毛(毛皮)により近似させる作用をなす。
【0018】加えて、上記の長短パイルにおいて、太
さ、長さ、材質などを適宜選定することにより、ミンク
やウサギのような柔毛感に富む獣毛調のものから、アザ
ラシやクマのような剛毛感に富む獣毛調のものまで、様
々な感触と外観を呈する獣毛調植毛靴を得ることができ
る。
【0019】以上のような構成を有する本発明の獣毛調
植毛靴を製造するには、先ず、被植毛部に水系接着剤を
塗布する。この水系接着剤としては、特に制限されず、
射出成形やスラッシュ成形などにより成形される一体成
形靴における従来の植毛技術において通常使用されてい
る水を溶媒とする接着剤、例えば、アクリル系エマルジ
ョン、アクリルウレタン系エマルジョン、ウレタン系エ
マルジョン、塩化ビニル系エマルジョン、天然ゴム系エ
マルジョン、合成ゴム系エマルジョン、エポキシ系エマ
ルジョンなどが好ましく使用される。
【0020】水系接着剤の塗布厚さは、薄すぎる(少な
すぎる)と、長いパイルの靴本体への固着が不十分とな
るばかりか、後述する長パイルの傾斜が良好に行われ
ず、逆に厚すぎる(多すぎる)ても、この効果は飽和し
てしまうばかりか、乾燥時間が長時間となりすぎて、生
産効率が低下してしまうため、本発明では、ウェット状
態で100〜450μmとすることが重要である。
【0021】上記の接着剤が乾燥する前に、長いパイル
と短いパイルを混合して同時に植毛するか、またはどち
らか一方のパイルを植毛し、続いて他方のパイルを植毛
する。
【0022】長いパイルと短いパイルを混合して同時に
植毛する場合、短いパイルは長いパイルに比べて植毛さ
れ易いため、短いパイルは、大量に(すなわち密に)植
毛され、長いパイルは、該密な短パイル間に粗に植毛さ
れることとなる。
【0023】このとき、短いパイルの植毛密度を50〜
200g/mとし、長いパイルの植毛密度を30〜1
50g/mとするためには、これら両パイルを混合す
る際に、両パイルの混合割合を、これら両パイルの植毛
密度を考慮して、調節しておけばよい。
【0024】また、長いパイルか短いパイルのいずれか
一方を先に植毛し、続いて他方のパイルを植毛する場合
には、それぞれのパイルを植毛するに際して、上記の植
毛密度となるように植毛時間や供給する静電気量などを
調節すればよい。
【0025】なお、上記のように、短いパイルは長いパ
イルに比べて植毛され易い、言い換えれば、長いパイル
は短いパイルに比べて植毛され難いため、短いパイルを
密に植毛した後に長いパイルを植毛しようとしても、長
いパイルは良好に植毛されない場合がある。したがっ
て、本発明では、先ず長いパイルを粗に植毛した後に、
短いパイルを密に植毛した方が、良好な植毛状態を容易
に得ることができ、好ましい。
【0026】以上のようにして長短パイルを植毛したな
ら、上記接着剤の乾燥途中または乾燥終了後に、パイル
を所定の方向に傾斜させる。傾斜は、パイルに外圧を加
える方法、あるいは外圧とともに熱を加える方法などに
より行うことができる。
【0027】外圧を加える方法には、例えば、植毛部の
表面にローラーを押し付けつつ該ローラーを所定の方向
に回転させる方法、所定の方向にブラッシングする方
法、アイロンを当て所定の方向に移動させる方法、靴本
体内部に該靴本体の内部形状と一致する形状を有する剛
性の型を挿入して回転中の一対のローラー間を通過させ
る方法、あるいは該型を挿入したものを靴本体の外側寸
法(径)よりやや大きめの内径を有する筒(トンネル)
の内部に通過させる方法などがある。
【0028】上記の外圧とともに熱を加えるには、傾斜
させようとするパイルの軟化点より10〜20℃低い温
度に、該パイルを加熱する。加熱方法は、外圧を加える
のに先立って加熱し外圧を加えている間中上記温度を保
つ方法、上記のローラー、アイロン、ブラシあるいは筒
(トンネル)としてヒーター内蔵のものを使用し外圧と
同時に熱を加える方法、外圧を加える雰囲気を上記の温
度に加熱しておく方法などがある。
【0029】なお、上記のような外圧を加えて、あるい
は外圧とともに熱を加えてパイルを傾斜させると、主と
して長いパイルが傾斜するが、長いパイルとともに短い
パイルも一部傾斜されることがあることは言うまでもな
い。
【0030】外圧のみを加える場合、パイル(ここでは
長いパイルPLで説明する)は、図1(A)に模式的に
示すように、接着剤層B内に埋め込まれている下端部か
ら傾斜するが、外圧とともに熱を加える場合は、図1
(B)に模式的に示すように、接着剤層Bのやや上方部
から上側が傾斜し、該上方部から下側の部分は傾斜しな
い。図1(B)に示す傾斜状態が天然の獣毛により近似
した結果を得ることができるため、本発明においては、
傾斜は、外圧とともに熱をも加えて行うことが好まし
い。
【0031】上記のようにして行う傾斜を、接着剤の乾
燥途中で行う場合は、接着剤をある程度乾燥させる言わ
ば予備乾燥を行い、この後、傾斜させ、次いで本乾燥を
行う。予備乾燥および本乾燥の際の温度や時間は、使用
する水系接着剤の種類や塗布厚さにより異なり一概には
決められないが、例えば、70℃で30分間の加熱で接
着剤の乾燥が終了する場合において、70℃で10分間
の予備乾燥を行った後、上記のようにして傾斜を行い、
次いで70℃で20分間の本乾燥を行うなどすればよ
い。
【0032】また、接着剤の乾燥終了後に行う場合は、
特に説明するまでもないが、例えば、上記の70℃で3
0分間の加熱で接着剤の乾燥が終了する場合において
は、70℃で30分間の加熱乾燥の後に、上記の傾斜を
行えばよい。
【0033】ところで、前述のように、接着剤の乾燥工
程中に、言い換えれば接着剤が完全に乾燥する前に、パ
イルの傾斜工程を加える場合に、特に長いパイルが、極
めて良好な斜植様の状態で植毛されるため、接着剤の乾
燥途中でパイルの傾斜を行うことが好ましい。
【0034】ただし、接着剤の乾燥終了後であっても、
傾斜を行うに先立って、植毛部を樹脂処理すれば、上記
の乾燥途中で傾斜を行う場合とほぼ近似した状態での傾
斜を実現でき、極めて良好な斜植様の傾斜状態を得るこ
とができる上、傾斜耐久性(上記の良好な傾斜状態を長
期間にわたって保持することができる性質)を向上させ
ることができる。また、接着剤の乾燥途中で傾斜を行う
場合であっても、傾斜に先立ち樹脂処理を行うと、やは
り極めて良好な斜植様の傾斜状態を得ることができ、か
つ傾斜耐久性が向上する。したがって、本発明では、傾
斜に先立ち植毛部を樹脂処理することが好ましい。
【0035】このとき使用する樹脂としては、水系ある
いは溶剤系のウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキ
シ系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂による処理
は、スプレー、ディップ、その他適宜の手段により植毛
部に塗布することにより行われる。
【0036】処理量は、特に制限されないが、上記の乾
燥途中の状態を得たり、傾斜耐久性を向上させるために
は、樹脂分が7〜40g/m付着するような量とする
ことが好ましい。
【0037】
【実施例】
実施例1 図2(A)〜(C)に模式的に示す工程に沿って本発明
の製造方法を実施し、本発明の獣毛調植毛靴(ブーツ)
を製造した。先ず、図2(A)に示すように、ポリ塩化
ビニルからなるスラッシュ成形ブーツのアッパー部1の
全面に、水系接着剤としてアクリル系エマルジョンをウ
ェット状態で約200μmとなるようにスプレー塗布し
て接着剤層Bを形成した。
【0038】次いで、同じく図2(A)に示すように、
淡い茶色に着色された、横断面形状が三角形の異形断面
糸で、太さ30デニール、長さ6mmのナイロン製の長
いパイルPLを、植毛密度が約70g/mとなるよう
に粗く植毛した。
【0039】この直後に、図2(B)に示すように、濃
い茶色に着色された、横断面形状が円形の通常の糸で、
太さ10デニール、長さ3mmのナイロン製の短いパイ
ルPSを、植毛密度が約90g/mとなるように密に
植毛した。
【0040】続いて、接着剤層Bを70℃×10分間で
予備乾燥した後、ステンレス製のローラー(ヒーターを
内蔵したローラーであるが、ヒーター加熱用スイッチは
オフにして使用)を植毛表面に押付け、ブーツの筒部お
よび胛被の後側部では履口部からソール側に向けて、お
よび胛被の前側部では筒部下端から爪先側に向けて、転
がしながら移動させて、パイル(主として長いパイルP
L)を傾斜させた。
【0041】この後、接着剤層Bを70℃×20分間で
本乾燥し、仕上げ処理としてパイルの傾斜方向に沿って
ブラッシングして、接着剤層Bに固着されていないパイ
ルを除毛し、図2(C)に模式的に示すような状態の製
品を得た。
【0042】すなわち、図2(C)に示すように、主と
して長いパイルPLが一方方向に傾斜して斜植様の外観
を呈するとともに、短いパイルPSも一部傾斜し、全体
として剛毛感の有る獣毛調の植毛ブーツを得ることがで
きた。
【0043】実施例2 実施例1と同じスラッシュ成形ブーツ1、接着剤、長短
パイルPL,PSを使用し、実施例1と同じ条件で接着
剤層Bの形成、長短パイルPL,PSの植毛を行った
後、70℃×30分間で接着剤層Bの乾燥を終了させ、
実施例1と同様にして除毛した。
【0044】続いて、樹脂処理として、ウレタン系樹脂
による表面処理剤(坂井化学《株》製商品名“BA−1
500”/メチルエチルケトン/トルエン=100/1
00/100《重量部》)をウェット状態で約10μm
となるようにスプレー塗布した。
【0045】この直後に、実施例1と同じ条件でパイル
(主として長いパイルPL)を傾斜させた。
【0046】この後、表面処理剤を60℃×20分で乾
燥し、図3に模式的に示すような状態の製品を得た。
【0047】すなわち、図3に示すように、一方方向に
傾斜している長短パイルPL,PSのほぼ根元部に表面
処理剤によるウレタン系樹脂の滴Rが散在しており、該
樹脂滴Rが長短パイルPL,PSの斜植様の外観を長期
間維持する作用をなし、傾斜耐久性を向上させるものと
推測される。
【0048】因みに、実施例1で得られた製品と、実施
例2で得られた製品とを、左右に履き、川砂利の堆積場
(ブーツが10〜20cm程度潜る程度の密度の堆積
場)にて、3時間/1日で1ヶ月間の履用実験を行った
ところ、実施例1および実施例2の製品いずれの外観も
肉眼上の目立った損傷は無いが、植毛部を子細に観察し
たところ、実施例1の製品の一部において、長いパイル
PLに直毛状態への復帰箇所が有るのが認められた。
【0049】実施例3 ステンレス製ローラー内のヒーターのスイッチをオンと
し、該ローラー表面を170℃に保持してパイルの傾斜
を行う以外は、実施例1と全く同じにして、図4に模式
的に示すような状態の製品を得た。
【0050】すなわち、図4に示すように、長いパイル
PLは、大部分において、接着剤層Bのやや上方部から
上側が傾斜し、短パイルPSは、一部において、長いパ
イルPLと同様に、接着剤層Bのやや上方部から上側が
傾斜していた。
【0051】実施例4 ステンレス製ローラー内のヒーターのスイッチをオンと
し、該ローラー表面を170℃に保持してパイルの傾斜
を行う以外は、実施例2と全く同じにして、図5に模式
的に示すような状態の製品を得た。
【0052】すなわち、図5に示すように、長いパイル
PLは、大部分において、接着剤層Bのやや上方部から
上側が傾斜し、かつ表面処理剤によるウレタン系樹脂の
滴Rがこの長いパイルPLと接着剤層Bとを固定して、
耐久性の高い斜植状態の製品となっていた。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
天然の獣毛(毛皮)に近似した言わゆる獣毛調の植毛靴
を得ることができる。また、このとき、植毛するパイル
の太さや長さ、あるいは材質を種々選定することによ
り、ミンクやウサギのような柔毛感に富む獣毛調のもの
から、アザラシやクマのような剛毛感に富む獣毛調のも
のまで、様々な感触の獣毛調植毛靴を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法におけるパイルの傾斜態様を
模式的に示す図であり、(A)が外圧のみを加えて傾斜
させた際の態様、(B)が外圧と熱とを加えて傾斜させ
た際の態様を示している。
【図2】本発明の実施例1における製造工程を工程順に
模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施例2で得られた製品の状態を模式
的に示す図である。
【図4】本発明の実施例3で得られた製品の状態を模式
的に示す図である。
【図5】本発明の実施例4で得られた製品の状態を模式
的に示す図である。
【符号の説明】
1 靴本体 B 接着剤層 PL 長いパイル PS 短いパイル R 樹脂滴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 1/14 1/16 3/12 Z 7/00 K

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アッパーとソールとが一体成形された靴
    本体の少なくともアッパー部の少なくとも一部に、短い
    パイルが密に植毛され、該短パイル間に長いパイルが植
    毛されて所定方向に傾斜していることを特徴とする獣毛
    調植毛靴。
  2. 【請求項2】 短いパイルは、平均長さが1〜8mm
    で、植毛密度が50〜200g/m、長いパイルは、
    平均長さが3〜20mmで、植毛密度が30〜150g
    /mであり、短いパイルが長いパイルよりも暗い色調
    を有していることを特徴とする請求項1記載の獣毛調植
    毛靴。
  3. 【請求項3】 アッパーとソールとが一体成形された靴
    本体の少なくともアッパー部の被植毛部に水系接着剤を
    ウェット状態で100〜450μmの厚さに塗布し、長
    いパイルと短いパイルを混合して植毛するか、またはど
    ちらか一方のパイルを植毛し、続いて他方のパイルを植
    毛した後、前記接着剤の乾燥途中または乾燥終了後にパ
    イルを所定の方向に傾斜させることを特徴とする獣毛調
    植毛靴の製造方法。
  4. 【請求項4】 パイルを所定の方向に傾斜させるに先立
    ち、植毛部を樹脂処理することを特徴とする請求項3記
    載の獣毛調植毛靴の製造方法。
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JP2006181402A (ja) * 2004-12-24 2006-07-13 Chubu Pile Kogyosho:Kk 積層フロック加工方法及び積層フロック加工物
EP2110165A1 (de) * 2008-04-17 2009-10-21 Tödi Sport AG Verfahren zum Herstellen eines Steigfells, Einrichtung zum Durchführen des Verfahrens sowie ein Steigfell hergestellt nach diesem Verfahren

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