JPH08206953A - 研削・研磨方法及び研削・研磨用工具及びその製造方法 - Google Patents

研削・研磨方法及び研削・研磨用工具及びその製造方法

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JPH08206953A
JPH08206953A JP29006495A JP29006495A JPH08206953A JP H08206953 A JPH08206953 A JP H08206953A JP 29006495 A JP29006495 A JP 29006495A JP 29006495 A JP29006495 A JP 29006495A JP H08206953 A JPH08206953 A JP H08206953A
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JP
Japan
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polishing
grinding
tool
grindstone
cylindrical body
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Application number
JP29006495A
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English (en)
Inventor
Takashi Kosakai
隆 小堺
Toru Imanari
徹 今成
Hideaki Ueki
英明 植木
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】機械の稼働率の低下や機械の高価格化を招くこ
となく、レンズ等の被加工物の研削・研磨を高精度に行
うことができる研削・研磨用工具を提供する。 【解決手段】加工素材2の表面を球面形状に加工するに
あたり、この球面形状に対応する球面状の研磨面を加工
素材2の表面に接触させ、研磨面を球面形状の曲率中心
の回りに揺動させて加工素材2の研削・研磨を行うため
の略円柱状の研削・研磨用工具1であって、研磨面の外
周縁の直径d1を研削・研磨用工具1の外径と略一致さ
せた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばカメラ、ビ
デオ等に用いられる球面レンズをはじめとする、球面形
状の部品を加工するための研削・研磨方法及び研削・研
磨用工具及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レンズ等の光学素子の曲率球面を高精度
にしかも安価に加工する手法としては、所望とする曲率
球面と相対する曲率球面を有する砥石を回転させ、その
砥石の研磨面に被加工物であるレンズを押しつけ、場合
により工具又は被加工物を前記研磨面に沿って揺動させ
て加工するという手法等が知られている。このような方
法は、例えば、特開昭64−45557号等に開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来例では、多数のレンズを加工するにつれて被加工物の
形状が変化する場合があり、機械を止めて砥石の揺動条
件を変更したり、レンズの形状を自動測定し、砥石の揺
動条件にフィードバック補正をかける等の作業が必要と
なっており、機械の稼働率が低下することによるコスト
アップの問題があり、また研磨用の機械も高価になると
いう問題もあった。
【0004】したがって、本発明は上述した課題に鑑み
てなされたものであり、その目的は、機械の稼働率の低
下や機械の高価格化を招くことなく、レンズ等の被加工
物の研削・研磨を高精度に行うことができる研削・研磨
用工具及び研削・研磨方法を提供することである。
【0005】また、本発明の他の目的は、被加工物の研
削・研磨を高精度に行うことができる研削・研磨用工具
を製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し目
的を達成するために、本発明に係わる研削・研磨用工具
は、被加工面が球面を有する被加工物の研削・研磨に用
いる研削・研磨用工具であって、円柱体の端面に前記被
加工物の加工面を研磨する研磨面を形成し、該研磨面の
外径を前記円柱体の直径と略一致させたことを特徴とし
ている。
【0007】また、この発明に係わる研削・研磨用工具
において、前記円柱体の周縁部は、前記研磨面よりも軟
質の素材により皮膜されていることを特徴としている。
【0008】また、この発明に係わる研削・研磨用工具
において、前記円柱体の円筒度を20μm以下とし、前
記研磨面と前記円柱体の同軸度を30μm以下としたこ
とを特徴としている。
【0009】また、この発明に係わる研削・研磨用工具
において、被加工面が球面を有する被加工物の研削・研
磨に用いる研削・研磨用工具であって、ダイヤモンドの
砥粒及び金属材料または樹脂を主成分とし、焼結して円
柱体とし、該円柱体の端部を前記被加工物の加工すべき
加工面に相当した球面に加工したことを特徴としてい
る。
【0010】また、この発明に係わる研削・研磨用工具
において、前記円柱体の周縁部は、前記研磨面よりも軟
質の素材により皮膜されていることを特徴としている。
【0011】また、この発明に係わる研削・研磨用工具
において、前記円柱体の円筒度を20μm以下とし、前
記研磨面と前記円柱体の同軸度を30μm以下としたこ
とを特徴としている。
【0012】また、本発明にかかわる研削・研磨方法
は、被加工面が球面を有する被加工物の研削・研磨方法
であって、円柱体の端面に形成された研磨面の外径を前
記円柱体の直径と略一致させた研削・研磨用工具の前記
研磨面上に、前記被加工物の球面を対向させて配置し、
前記円柱体をその軸線回りに回転運動させると共に、前
記被加工物を前記円柱体の研磨面上で揺動運動させて研
削・研磨することを特徴としている。
【0013】また、本発明に係わる研削・研磨用工具の
製造方法は、円柱体の端面に球面状の研磨面を有する研
削・研磨用工具を製造するための研削・研磨用工具の製
造方法であって、前記円柱体の端面を球面状に加工し
て、前記研磨面を形成する研磨面形成工程と、前記研磨
面の球面の中心軸を基準として、前記円柱体の外周面を
前記中心軸を中心とする円筒状に加工する外周加工工程
とを具備することを特徴としている。
【0014】また、この発明に係わる研削・研磨用工具
の製造方法において、前記外周加工工程において、前記
円柱体の円筒度を20μm以下に、前記研磨面と前記円
柱体の同軸度を30μm以下に加工することを特徴とし
ている。
【0015】また、この発明に係わる研削・研磨用工具
の製造方法において、前記外周加工工程の後に、前記円
柱体の外周に、前記研磨面よりも軟質の素材を付着させ
たことを特徴としている。
【0016】また、本発明にかかわる研削・研磨用工具
の製造方法は、円柱体の端面に球面状の研磨面を有する
研削・研磨用工具を製造するための研削・研磨用工具の
製造方法であって、前記円柱体の外周面を円筒度が所定
値以下となる様に加工する外周加工工程と、前記円柱体
の中心軸を基準として、該円柱体の端面に、前記中心軸
を中心とする球面状の研磨面を加工する研磨面形成工程
とを具備することを特徴としている。
【0017】また、この発明に係わる研削・研磨用工具
の製造方法において、前記外周加工工程において、前記
円柱体の外周面を円筒度が20μm以下となる様に加工
することを特徴としている。
【0018】また、この発明に係わる研削・研磨用工具
の製造方法において、前記研磨面形成工程において、前
記研磨面と前記円柱体の外周面の同軸度が30μm以下
となる様に、前記研磨面を加工することを特徴としてい
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】ここで、各実施形態について説明する前に
本発明の概略的な内容について説明する。
【0021】(第1の実施形態)まず、本発明に望み、
累積加工数と被加工物としてのレンズ等の形状変化の関
連性について検討した結果、曲率半径が一定のレンズを
継続して作り続けるためには、総型工具の半開角、すな
わち工具径の精度が高く、工具の加工に作用する面積が
変化しないことが重要であることを見出した。
【0022】一方、従来図22に示すような、円柱部の
直径と研磨面外周縁部の直径が異なる総型工具、あるい
は工具球面部分の外周縁を研磨皿の回転軸とは直角方向
に切断、あるいは面取りした総型工具では、多数のレン
ズを加工して、工具が同じ曲率半径を略維持して摩耗し
たとすると、工具の摩耗と共に球面部の直径が変化す
る、すなわち球面部の半開角が変化し、加工されたレン
ズの曲率半径の維持ができなくなる等の場合があった。
【0023】図22について説明を加えると、当初、曲
率半径R1、外周縁の直径d1であったものが、工具の摩
耗と共に、曲率半径がR1→R2→R3、外周縁の直径が
d1→d2→d3と変化する。このとき、曲率半径R1、R
2、R3が略変化しないとすると、外周縁の直径d1、d
2、d3は、凸面形状の工具(a)では徐々に小さくな
り、凹面形状の工具(b)では徐々に大きくなってい
く。このため、いずれの場合も総型工具の加工に作用す
る面積が変化し、加工されたレンズの曲率半径が変化し
やすくなってしまう。
【0024】そこで、図4に示す本実施形態の様に砥石
1の最外周d1 部まで所望とする曲率R1 にて加工し使
用したところ、砥石1が減耗しても研磨面積の変化はな
く、安定した為、加工形状の変化が少なくなり、砥石1
の減耗量分の補正(砥石の繰り出し)を行うだけで、安
定した加工を維持することが可能となった。図10に、
図2,図4に示す砥石1を用い同一加工条件にてレンズ
を200ケ連続加工した際のレンズ曲率形状の変化を示
す。図2の従来の砥石1’で加工したレンズはΔhがプ
ラス(凸レンズの曲率半径が小)に変化したのに対し、
図4の砥石1では曲率変化がほとんどなかった。
【0025】以上のような構成をとることにより、加工
形状の安定した加工が維持できるようになった。
【0026】以下に、一実施形態の研削・研磨用工具と
しての砥石についてより詳しく説明する。
【0027】図1は、本発明の特徴を最もよく表す図面
で、凸形状の被加工物を加工する場合の砥石1とその治
工具3,4の構成を示してある。
【0028】図2は凸形状の被加工物を加工する場合の
被加工物と従来の砥石形状、図6は凹形状の被加工物を
加工する場合の被加工物と砥石の形状を示す図である。
図5は凸形状の被加工物を加工する場合の本実施形態の
砥石構成・形状を示す図である。図3,図4,図8は、従
来の砥石1’と本実施形態の砥石1での砥石減耗過程で
の状態変化、及び被加工物が凸形状、凹形状の場合の砥
石減耗過程での状態変化を示す図である。図7は図4の
砥石1を上(砥石の研磨面)側から見た図である。
【0029】図1〜図8において、2は被加工物である
ところの硝子・金属等である。1は2の被加工物を所望
の曲率Rに研削・研磨加工する為の砥石で、加工に作用
する部分(研磨面)が、所望の曲率と相反するR(被加
工物が凸の場合、砥石は凹、逆に、被加工物が凹の場
合、砥石は凸)に加工されている。なお、砥石1の曲率
Rの中心は、砥石1の外径d1 と同芯となる様にする。
例えば、図9に示す様に、旋盤の三づめチャック10に
完成前の砥石1を保持し、軸OT まわりに矢印e方向に
回転させる。次に、切刃11を軸OT と平行な矢印f方
向に送り、砥石1の外径d1 を加工する。次に、チャッ
ク10のチャッキング状態を維持し、且つ砥石1をe方
向に回転させた状態のまま、砥石1の端面に所望とする
曲率Rが形成できる様、カップ砥石12をセットし、そ
の軸のまわり、すなわち矢印G方向に回転させて軸OT
方向に切り込んでいく。この様にして、砥石1は、外径
d1と曲率中心Rが同芯となるように加工される。
【0030】次に1dは、砥石1のエッジ部1cの強度
向上(欠け防止)目的の為に、付加させた補強材の層
で、材質は被加工物の加工に影響をきたさない為、砥石
1よりも軟質の材料を使用している。
【0031】このように砥石1の周囲に補強材の層を設
けるのは、以下のような理由による。図9に示すように
研磨面を所定の曲率に加工する際、砥石エッジ部1cに
対し、図11に示すX方向に研削力、ラップ圧力などが
作用する。このとき補強材1dが無い場合は、球面状の
研削面の接線と砥石1の外周面とのなす角度がθ、すな
わち180°よりも小さい角度となり、図12に示すよ
うにエッジ部1cに欠けが発生しやすくなる。これに対
し、補強材1dを付した場合は、補強材1dの上面が研
削面の延長面を形成するため、研削力を180°の面で
受けることとなるのでエッジ部の機械的強度が向上す
る。その結果、砥石1のエッジ部1cに研削力、ラップ
圧力が作用しても欠けが発生しにくくなる。
【0032】もし、砥石1のエッジ部1cに欠けが存在
すると、図13に示すように欠けの部分でレンズに高い
圧力が作用することになり、レンズに傷をつけてしまう
ので、本実施形態の様に、砥石1の周囲に補強材1dを
付すことは、レンズの傷つき防止の上で大きな効果があ
る。
【0033】また、砥石1の研磨面に十文字状の溝を加
工する場合も、砥石1のエッジ部1cに欠けが生じやす
い。このような欠けを防止するためにも、砥石1の周囲
に補強材1dを付すことは効果的である。
【0034】また、補強材1dの表面の形状は、砥石1
の研磨面の曲率球面を延長した形状とする。レンズを研
削、研磨加工する場合、砥石の球面に沿ってレンズを揺
動させ、図14に示すように砥石1からレンズ2を大き
くはみ出させることがある。このとき、レンズ2には砥
石から離れるようなモーメント力が作用しやすく、砥石
エッジ部に大きな力が働く。従って、砥石エッジ部には
欠けが発生しやすくなり、結果的にレンズ傷も発生しや
すくなる。これに対し、補強材1dを付すことにより、
上記のモーメント力を補強材1dのエッジ部が受けるこ
ととなるため、砥石1のエッジ部1cは保護され、砥石
の欠けが生じにくくなる。
【0035】補強材1dとして、本実施形態では、2液
混合型のエポキシ系接着剤であるアラルダイト(日本チ
バガイギー株式会社製)を使用した。2種類の液体を混
合、撹拌した後、砥石1の側面に約1mmの厚さで塗布
した。その状態で数時間放置し、エポキシ系接着剤を完
全硬化させ、補強材1dとした。
【0036】次に、上記の様にして製造された砥石1に
より、レンズを研削した具体例について説明する。
【0037】まず、凸レンズを以下のような条件で研削
した。 研削前のレンズブランクの曲率半径 10.005mm 研削前のレンズブランクの軸線方向厚さ 6.100mm 砥石の研削面の曲率半径 10.000mm 円柱状の砥石の直径 φ17mm 砥石の回転数 3000rpm 研削時間 60秒 研削砥粒の種類 ダイヤモンド(粒径8〜15μm) 研削時に供給する液体 水 研削後のレンズの曲率半径 10.000mm 研削後のレンズの軸線方向厚さ 6.050mm(取り代50μm) レンズ表面粗さ 研削前 5μm 研削後 1μm 本実施形態の砥石1を使用して、上記のような研削条件
で200個のレンズの研削を行ったところ、図10に示
すように曲率半径の変化はほとんどみられなかった。
【0038】なお、上記の実施形態では、凸レンズを研
削、研磨する場合について説明したが、本発明は、凹レ
ンズの研削、研磨にも適用可能である。
【0039】すなわち、従来では、例えば図13に示す
ように上部の直径d1と下部の直径d2が異なる砥石を
凹レンズの研削、研磨に使用する場合があった。この場
合にも、砥石1の磨耗につれて、研削・研磨面の有効面
積が変化してしまうため形状精度が安定しない。従っ
て、このような凹レンズの研削・研磨を行う場合にも、
砥石の上部の直径d1=砥石の下部の直径d2とするこ
とにより、レンズの曲率半径の変化を防止することがで
きる。
【0040】以下に、凹レンズを研削した場合の例を示
す。 研削前のレンズブランクの曲率半径 24.990mm 研削前のレンズブランクの軸線方向厚さ 6.050mm 砥石の研削面の曲率半径 25.000mm 円柱状の砥石の直径 φ50mm 砥石の回転数 3000rpm 研削時間 60秒 研削砥粒の種類 ダイヤモンド(粒径8〜15μm) 研削時に供給する液体 水 研削後のレンズの曲率半径 25.000mm 研削後のレンズの軸線方向厚さ 6.000mm(取り代50μm) レンズ表面粗さ 研削前 5μm 研削後 1μm 上記のような研削条件で200個のレンズの研削を行っ
たところ、曲率半径の変化はほとんどみられなかった。
【0041】以上説明したように、上記の実施形態によ
れば、以下のような効果が得られる。
【0042】1.砥石が減耗しても、砥石の加工に作用
する面積に変化がない為、安定した加工(研削・研磨除
去能力、形状精度)が維持できる。
【0043】2.砥石外周部に軟質皮膜を施すことによ
り、砥石に十文字の溝を入れる際、また、砥石の曲率球
面を加工する際等に発生していた砥石エッジ部の欠けが
なくなり、加工中のレンズ傷発生もなくなる。
【0044】(第2の実施形態)図15は、第2の実施
形態の研削・研磨用工具の構成を示す横断面図である。
【0045】すなわち、凸球面形状の研削・研磨用工具
25を示す(a)、および凹面形状の研削・研磨用工具
26を示す(b)では、ダイヤモンド等の砥粒を、金
属、樹脂等の粉末と共に圧縮し、焼成して作られた砥石
研磨体31a,31bが、鋳鉄、真鍮等の金属製基台3
2a,32bに、接着剤33a,33bで接着されてい
る。砥石研磨体は、メタルボンドのものは、例えば特公
昭64−6909号に開示されている様に、金型に混合
粉末を充填して粉末プレス機により所定の圧力で圧縮成
形して得られたペレットを、還元雰囲気中で加熱燒結す
る。またレジンボンドのものは、例えば特開昭59−9
3264号に開示されている様に、樹脂粉末と微量の添
加物とダイヤモンド砥粒を分散混合し、焼成用金型に充
填し、所定の圧力、温度条件で焼成して製造する等の方
法で製造されたものを使用した。なお、接着剤33a,
33bには、2液混合型エポキシ系接着剤を使用した
が、接着剤の種類はこれに限定されるものではなく、加
工負荷に絶えて砥石研磨体と金属製基台が強固に接着で
きる種類の接着剤であれば、どのようなものでも構わな
い。本実施形態では、2液混合型のエポキシ系接着剤と
しては、日本チバガイギー社製のアラルダイト(登録商
標)スタンダードを使用し、接着剤と硬化剤を混合後、
金属製基台の接着面に塗布し、砥石研磨体を接着面に押
し付けて仮接着した後、オーブンで60°C1時間の条
件で加熱硬化させた。
【0046】図15において、それぞれの研削・研磨用
工具の研磨面となる球面部の曲率半径はRで示し、円柱
部の直径d0と、球面部外周縁の直径d1は略一致してい
る。
【0047】次に図16は、図15に示した研削・研磨
用工具の砥石研磨体の部分で、被削材を加工して工具が
摩耗したときの様子を示した図である。
【0048】工具が摩耗して、球面部がR1→R2→R3
の様にずれたとしても、球面部外周縁の直径d1は、円
柱部の直径d0と略一致しているから、研磨面有効部の
直径は変化しない。すなわち球面部の曲率半径R1,R
2,R3は略変化しないとすれば、工具球面部の半開角は
変化しない。
【0049】次に図17は、図15に示した研削・研磨
用工具を製作する工程を段階的に示した図である。
【0050】図17(a)は、研削・研磨用工具の材料
となる、砥石研磨体31と、金属製基台32を示す図
で、いずれも形状は略円柱状の形状である。ここで、砥
石研磨体31は、外周面、研磨面となる部分のいずれも
燒結したままの表面であり、形状精度は非常に悪い状態
である。また、砥石研磨体31は、#1500の人工ダ
イヤモンド砥粒を銅−錫系のメタルボンドで固めたもの
である。
【0051】図17(b)は、(a)で示した2つの材
料を接着剤33で貼り合わせた図である。この時、特別
の治具を使用せずに接着すると、砥石研磨体31の円柱
の中心軸34と、金属製基台32の中心軸35は、一致
するとは限らず、数μm〜0.1mm程度ずれる場合が
ある。
【0052】図17(c)は、図17(b)で示した、
接着剤33で金属製基台32に貼り合わされた砥石研磨
体31の表面を、球面形状に追加工した後の図である。
砥石研磨体31の表面を、球面形状に加工する方法は、
砥石研磨体または、作りたい球面形状の凹凸反転した曲
率半径を有する鋳鉄製の合わせ皿のいずれか一方を、回
転軸に取り付けて回転し、砥石研磨体と合わせ皿の間に
SiC等の砂と呼ばれる研磨材を供給しながら、もう一
方を回転している砥石研磨体または合わせ皿に押しつ
け、いわゆる「共摺り」と呼ばれる方法により球面形状
を創成する。具体的には、砥石研磨体31と金属製基台
32を接着したものを、研磨機回転軸に取り付けて、回
転数300rpm、研磨材として#1500のSiC砥
粒を使用して共摺り加工を行った。また、砥石研磨体3
1の表面の曲率半径は、例えば加工すべきレンズの形状
が凹面R10.00mmであれば、同じR10.00mm
の凸面とする。この時創成された球面部の中心軸36
は、砥石研磨体31の円柱の中心軸34、金属製基台3
2の中心軸35のいずれとも、一致するとは限らず、数
μm〜0.1mm程度ずれる場合がある。
【0053】なお砥石研磨体球面部の形状創成は、必ず
しも砥石研磨体を金属製基台に接着した後行なう必要は
なく、砥石研磨体単体の状態で、同様の方法により球面
形状の創成を行ない、その後砥石研磨体を金属製基台に
接着しても構わない。但しこの場合にも、図17(c)
で説明した中心軸のずれは発生する場合がある。
【0054】図17(d)は、図17(c)で説明した
中心軸のずれを修正するために、砥石研磨体31及び金
属製基台32の外周部を図18に示す方法で、加工した
後の図である。すなわち、砥石研磨体31の球面部の中
心軸を基準として、砥石研磨体31及び金属製基台32
外周面を旋盤で加工することにより、研削・研磨用工具
25の円柱の中心軸、砥石研磨体31の球面中心軸が略
一致し、また研削・研磨用工具25の外周部の真円度、
及び円筒度も加工しない場合に比べて格段に向上する。
但し図18の方法では、金属製基台32の、旋盤にチャ
ックしている部分は同時には削れないため、あらかじめ
チャックする分長めに金属製基台32を作っておき、外
周部の大部分を加工後、未加工部を突っ切りバイトで切
り離す等の方法により工具を製作する。
【0055】なお、このとき金属製基台32の外周部は
必ずしも同時加工する必要はないが、極端に中心軸がず
れていると、研削・研磨用工具を研磨機の主軸に取り付
けて回転した時に動バランスが悪くなるため、砥石研磨
体31の外周部と同時加工した場合の方が、より好適で
ある。
【0056】次に、図18について説明する。図18
は、金属製基台32に貼りつけた砥石研磨体31の外周
面、及び金属製基台32の外周面を旋盤で加工する場合
の、旋盤主要部及び加工方法の概略を示す図である。
【0057】金属製基台32に接着剤33で貼り付けら
れた砥石研磨体31は、チャック62の爪でくわえられ
て主軸61に固定されている。砥石研磨体31を主軸に
固定する際には、砥石研磨体31の球面部にダイヤルゲ
ージ57を接触させ、球面部の振れが最小となる様に、
すなわち球面部の中心軸56が主軸の中心軸64と一致
するように、振れが2μm以下となる様に、チャックの
爪63を調節して固定する。
【0058】一方、砥石研磨体31を加工するためのバ
イト71は、固定ボルト73で刃物台72に固定され、
刃物台72は切り込みステージ75と共に、主軸と直角
方向に移動可能である。また切り込みステージ75は、
図示しない送りステージ上にあり、送りステージで主軸
と平行な方向への移動も可能である。
【0059】以上の構成の旋盤で、少なくとも砥石研磨
体外周面全面が、バイト71で削られ、所定の直径とな
るまで刃物台を切り込み、送りステージで送りを与え、
砥石研磨体31の外周面及び金属製基台32の外周面を
旋削する。
【0060】なお、本実施形態ではバイト71として、
金属製シャンクに多結晶ダイヤモンドチップを鑞付けし
た、多結晶ダイヤモンドバイトを使用したが、バイトの
種類はこれに限定されるものではなく、例えば加工され
る砥石研磨体31が比較的軟質のレジンボンド砥石の場
合などには超硬合金や、高速度工具鋼のバイト等も使用
可能である。
【0061】また、加工される砥石研磨体31が多結晶
ダイヤモンドバイトでも加工できないくらいの硬質の組
成の場合、旋盤ではなく円筒研削盤等に同様の方法で砥
石研磨体及び金属製基台を取り付け、砥石で外周面を研
削加工しても良い。
【0062】図18に示す装置、方法、バイトにより、
実際に研削・研磨用工具25の外周面を加工し、外周部
の真円度2μm、円筒度4μm、球面部と外周部の同軸
度5μmに加工することができた。
【0063】なお、比較例として図17(c)の工程ま
で行ない、外周面の加工は行わなかった工具は、外周部
の真円度25μm、円筒度30μm、球面部と外周部の
同軸度75μmであった。
【0064】以上のようにして製作した研削・研磨用工
具を用いて、実際に球面レンズを加工する方法と、その
効果について述べる。
【0065】図19は研削・研磨用工具25を用いて球
面レンズを加工する研磨機の一例を示す図である。
【0066】図19に示す研磨機は主軸を傾けて、上軸
の支持部材を揺動する傾斜軸タイプの研磨機である。砥
石研磨体31と金属製基台32から構成される研削・研
磨用工具25は、工具ホルダ103を介して主軸104
に固定されている。研削・研磨用工具の工具ホルダへの
取付は、ホルダ103に金属製基台32が収まる穴があ
いており、図示しないネジにより横から締め付けられ固
定されている。主軸104を軸支する主軸ハウジング1
05は、ネジ106で主軸傾斜プレート107に固定さ
れ、軸の傾斜を調節可能である。また主軸104は、研
削・研磨用工具25とは反対の端部にプーリ108が取
り付けられており、工具回転モータ110に取りつけら
れたプーリ109との間で、Vベルト111が架け回さ
れ、工具回転モータ110の回転により主軸が回転する
構造となっている。また、主軸傾斜プレート107は、
図示しない回転軸の回りにスイング可能で、傾斜角設定
後、ロックネジ112で架台100に固定される。
【0067】一方、被加工材料であるレンズ材料121
は、ゴム等の保持材122を介してホルダ123内にお
さめられ、ホルダ123の凹部に支持部材124の先端
の球状部がはまり、ホルダ123は支持部材124に対
して回転、傾斜自在となっている。加工中レンズ材料1
21は研削・研磨用工具25の回転に伴ってレンズ自身
の自転トルクが発生し、ホルダ123と共に回転する。
【0068】支持部材124はネジ126で支持部材延
長アーム125に長さを調整して取り付けられる。支持
部材延長アーム125は、ネジ128で支持部材アーム
127に長さを調整して取り付けられる構造となってい
る。また支持部材アーム127は揺動プレート130に
ピボット129を中心に回転自在に取り付けられてお
り、支持部材アーム127、支持部材延長アーム12
5、及び支持部材124の荷重と、場合により重り、バ
ネ、エアシリンダ等によって調整された荷重がホルダ1
23に加えられ、レンズ材料121が研削・研磨用工具
25に押しつけられる。
【0069】揺動プレート130はリンク131を介し
て揺動回転軸133と結合され、揺動回転軸133の回
転に伴って図示左右方向に揺動運動する、もしくは揺動
回転軸133の回転を停止して研削・研磨用工具の中心
軸とレンズ材料の中心軸の相対角度を一定にしたまま加
工を行なう。この揺動プレート130の揺動運動にとも
ない、支持部材124が図示左右方向に揺動運動し、レ
ンズ材料121が研削・研磨用工具25の表面を揺動す
る、もしくは一定の位置に停止する。なお揺動回転軸1
33はモータ135との間で、プーリ136,137を
介して、Vベルト138が架け回されており、一定回転
数で回転可能である。
【0070】以上の構造の研磨機により、研削・研磨用
工具25の回転とレンズ材料121の連れ回り、レンズ
材料121の研削・研磨用工具25に対する加圧力、場
合により研削・研磨用工具25の接線方向へのレンズ材
料121の揺動運動によってレンズ材料121が研削・
研磨用工具25によって加工され、被加工面が工具形状
を凹凸反転した球面に加工される。
【0071】前記傾斜軸タイプの研磨機を使用して、本
実施形態の工具と、比較例として円柱部外周の直径が小
さく、工具が磨耗すると直径が徐々に小さくなる従来の
工具について、それぞれレンズを実際に加工し、安定性
を比較した結果について次に述べる。
【0072】加工したレンズは、曲率半径R=10m
m、半開角30°の凹レンズで、材質は光学ガラスLa
K14(株式会社オハラ製)である。工具として、曲率
半径R=10mm、外径16mm(半開角53.13
°)、高さ10mmのメタルボンド砥石を、真鍮製の基
台に貼り付け、球面部を共摺り加工し、その後本実施形
態の方法で外周部を旋削加工した「工具A」と、工具円
柱部の外周の直径が12mmで、球面部外周縁の初期の
直径16mmよりも小さい、従来型の「工具B」の2つ
を準備し、図19の研磨機に取り付け、それぞれ500
個のレンズ材料を加工した。
【0073】加工条件は、工具回転数1500rpm、
荷重1.2kgf、工具傾斜角31°、加工時間20s
ecである。
【0074】この条件で500個のレンズを加工し続
け、加工されたレンズ材料の曲率半径の変化が、工具外
周縁の直径が徐々に小さくなる「工具B」では1個目の
R10.000mmが、500個目ではR10.015
mmと、Rが15μm変化したのに対し、工具外周縁の
直径の変化がない「工具A」では、1個目のR10.0
00mmが、500個目ではR10.001mmと、R
の変化がわずか1μmであった。
【0075】以上説明したように、本実施形態の方法に
よれば、研削・研磨用工具の外周部の精度が高く、磨耗
しても加工面となる球面部の直径が変化しないから、加
工されるレンズの曲率半径の変化が少なく、長時間安定
して曲率半径が一定のレンズを生産し続けることができ
た。
【0076】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態について、説明する。
【0077】第3の実施形態では、第2の実施形態とは
異なる方法で、研削・研磨用工具を製作した場合の例に
ついて述べる。
【0078】図20は第2の実施形態とは異なる方法で
図15に示した研削・研磨用工具25を製作する工程を
段階的に示した図である。
【0079】図20(a)は、研削・研磨用工具の材料
となる、砥石研磨体31と、金属製基台32を示す図
で、いずれも形状は略円柱状の形状である。ここで、砥
石研磨体31は、外周面、研磨面となる部分のいずれも
燒結したままの表面であり、形状精度は非常に悪い状態
である。
【0080】図20(b)は、(a)で示した2つの材
料を接着剤33で貼り合わせた図である。この時、特別
の治具を使用せずに接着すると、砥石研磨体31の円柱
の中心軸34と、金属製基台322の中心軸35は、一
致するとは限らず、数μm〜0.1mm程度ずれる場合
がある。
【0081】本実施形態では砥石研磨体31と金属製基
台32の接着後、球面部の形状創成を行なう前に、砥石
研磨体31の円柱部の外周面及び金属製基台32の円柱
部外周面を旋削あるいは研削加工する。
【0082】図20(c)は、砥石研磨体31の外周部
の精度を高めることと、図20(b)で説明した砥石研
磨体31と金属製基台32の中心軸のずれを修正するた
めに、砥石研磨体31及び金属製基台32の外周部を第
2の実施形態と同様の方法で、加工した後の図である。
すなわち、研削・研磨用工具25を旋盤に取り付け、砥
石研磨体31及び金属製基台32の外周面を旋盤で加工
することにより、砥石研磨体31の円柱の中心軸、金属
製基台32の中心軸が略一致し、また砥石研磨体31の
外周部の真円度、及び円筒度も加工しない場合に比べて
格段に向上する。
【0083】なお、この時金属製基台32の外周部は必
ずしも同時加工する必要はないが、極端に中心軸がずれ
ていると、砥石を研磨機の主軸に取り付けて回転した時
に、動バランスが悪くなるため、砥石研磨体31の外周
部と同時加工した方が、より好適である。
【0084】次に本実施形態では、砥石研磨体31の円
柱部の中心軸を基準として、すなわち外周部の振れを基
準として、砥石の加工面となる球面部の形状創成を行な
う。
【0085】第2の実施形態では、球面部の形状創成は
「共摺り」で実施したが、「共摺り」では、砥石研磨体
31の外周の振れを基準として球面部を加工することは
できないため、本実施形態では球面形状創成用の球面研
削盤である、カーブジェネレータを使用して、砥石研磨
体31の外周部の振れを基準として少なくとも概略の球
面形状を加工する必要がある。
【0086】図21にカーブジェネレータでの研削・研
磨用工具の球面部の加工方法を示す。
【0087】研削・研磨用工具の球面部の加工方法は、
先ず砥石研磨体31と、金属製基台32を、接着剤33
で接着した研削・研磨用工具25の、外周部を加工した
ものを、カーブジェネレータのワーク軸211のチャッ
ク212に取り付け、砥石研磨体外周部分にダイヤルゲ
ージ207を接触させて外周部の振れが最小になるよう
に、振れが2μm以下となるように、チャック212の
爪213で調節しておく。研削・研磨用工具25を加工
するカップ型砥石222は、予め先端部を半径r0のR
形状に成形されており、工具軸221に取り付けられ
る。
【0088】この時、研削・研磨用工具球面の目標とす
る曲率半径をR0、カップ型工具の直径を2×r1とすれ
ば、ワーク軸と工具軸の傾き角θを、 sin θ = r1 ÷ (R0±r0) (ただし、±の符号は、凸面の場合+、凹面の場合−で
ある)に固定し、研削・研磨用工具25を図示しないワ
ークスライドで、ワーク軸方向に移動して、カップ型砥
石に切り込んでゆけば、研削・研磨用工具は曲率半径R
0の球面に加工される。
【0089】図20(d)は、カーブジェネレータを使
用して、砥石研磨体31の球面部を加工した後の図であ
るが、研削・研磨用工具25は、外周面の振れを基準と
してカーブジェネレータのワーク軸に取り付けられてか
ら球面部を加工しているから、円柱部の外周面の中心軸
と、球面部の中心軸36は略一致する。
【0090】また、本実施形態では、砥石研磨体31の
球面部の形状創成は、カーブジェネレータを使用して、
球面研削加工により行ったが、この時研磨体球面部の表
面が、レンズ加工に適さない、すなわち砥石内の砥粒の
突き出し量が非常に小さくなってしまうような場合もあ
る。このような場合には、最後に第2の実施形態と同様
の「共摺り」加工を行って砥粒の突き出し量を増やして
も良い。すなわち、カーブジェネレータで概略の球面形
状創成を実施してあるため、「共摺り」による砥石研磨
体の加工量はわずかで済むため、円柱部と球面部の同軸
度は大きくずれることはない。
【0091】以上のようにして製作された研削・研磨用
工具(A)と、比較例として、外周部を旋削加工した
後、カーブジェネレータを使用せずに共摺りで球面部を
加工した工具(B)、円柱外周部の直径は球面部の直径
と略一致している円柱型の工具であるが、円柱の外周面
は燒結したままで加工していない工具(C)、従来型の
円柱部の直径が小さい工具(D)により、形状精度の評
価と、第2の実施形態と同様の方法で、実際に球面レン
ズを加工し評価した結果について次に述べる。
【0092】評価した工具は、曲率半径R8.0mm凸
面、外径15.7mm(半開角78.9°)を目標とし
て作られたもので、工具Dのみ円柱部の直径は12.0
mmである(すなわち図22に示すような形状)。
【0093】このA〜Dの工具について、3次元測定器
を使用して、外周部の真円度、円筒度及び外周部と球面
部の同軸度を測定した。その測定結果を図23に示す。
【0094】次に、それぞれの工具を使用して、第2の
実施形態と同様の傾斜軸タイプの研磨機により、それぞ
れレンズを実際に加工し、加工結果の安定性を比較した
結果について述べる。
【0095】加工したレンズは、R8.0mm、半開角
50degの凹レンズで、材質は光学ガラスLaSF0
16(株式会社オハラ製)である。工具は、高さ10m
mのメタルボンド砥石を、真鍮製の基台に貼りつけたも
ので、これを図19の研磨機に取り付けて、それぞれ5
00個のレンズ材料を加工した。
【0096】加工条件は、工具回転数1500rpm、
荷重1.2kgf、工具傾斜角40deg、加工時間2
0secである。
【0097】この条件で500個のレンズ材料を加工し
続けた時の、加工されたレンズ材料の曲率半径の変化
は、「工具B」では1個目の曲率半径が8.000m
m、500個目の曲率半径が8.005mmで、加工さ
れたレンズのRの差が5μm、「工具C」では14μ
m、「工具D」では30μmであったのに対し、工具外
周の直径の変化がなく、直径の正確な「工具A」では、
1個目の曲率半径が8.000mm、500個目の曲率
半径が8.0003mmで、加工されたレンズのRの差
が、わずか0.3μmであった。
【0098】以上説明したように、本実施形態の方法に
よれば、研削・研磨用工具の外周部の精度が高く、工具
が磨耗しても加工面となる球面部の直径が変化しないか
ら、加工されるレンズの曲率半径の変化が少なく、長時
間安定して曲率半径が一定のレンズを生産し続けること
ができた。
【0099】(第4の実施形態)次に、本発明の第4の
実施形態について、説明する。
【0100】第4の実施形態では、研削・研磨用工具の
エッジ部の「欠け」防止のため、円柱の外周部に球面部
よりも軟質の素材を被覆した場合の例について述べる。
【0101】図24は凸面型の研削・研磨用工具
(a)、凹面型の研削・研磨用工具(b)の円柱部の外
周面に、球面部すなわち砥石研磨体部分よりも軟質の素
材を被覆した場合の構造の例を示す図である。
【0102】図中51a,51bは砥石研磨体、52
a,51bは金属製基台、53a,53bは砥石研磨体
と金属製基台を貼り付けるための接着剤、54a,54
bは軟質素材、55a,55bは砥石研磨体と軟質素材
を貼り付けるための接着剤である。
【0103】本実施形態で実際に製作した凹面型の工具
(b)は、砥石研磨体51bとして、R15.0mm、
外径26.0mm、エッジの高さ15mm、#1500
のレジンボンド砥石を使用し、第2の実施形態と同様の
方法で砥石研磨体を真鍮製基台52bに接着し、球面部
及び外周部を加工した後、軟質素材54bとして外径2
7.0mm、内径26.1mm、高さ15.0mmの円
筒形のポリアセタール樹脂(デュポン社製デルリン(登
録商標))を、砥石研磨体外周部にかぶせるように接着
したものである。接着剤53b、55bは本実施形態で
は、2液混合型のエポキシ系接着剤を使用した。
【0104】外周部を被覆していない研削・研磨用工具
では、特に凹面型で開角が大きく、外周縁のエッジ部が
鋭利になる形状のもの、あるいはレジンボンド砥石のよ
うに、比較的脆い材質のものについて、上記の実施形態
のように球面部外周縁と円柱部外周部の直径を略一致さ
せると、外周縁のエッジ部が欠け易くなる等の問題が発
生する場合があるため、本実施形態の如く、砥石研磨体
外周部に、球面部よりも軟質で加工に支障をきたさない
程度の材質の素材を貼り付けて補強すると、エッジ部の
欠け等の工具破損を防止できて好適であった。
【0105】また、本実施形態では円筒形のポリアセタ
ール樹脂を、砥石研磨体外周部に接着した例を示した
が、本発明はこれに限定されることなく、例えばシート
状のポリエチレン、ポリプロピレン樹脂等を砥石研磨体
外周部に巻付けるように接着する、あるいは接着剤を塗
布して硬化させる等の方法により、砥石研磨体外周部の
補強を行っても良い。
【0106】また、砥石研磨体と被加工物の間の研削液
の流れを確保するために、砥石研磨体表面に例えば十文
字に溝を加工することがあるが、この際にも開角が大き
い凹面型の工具では、鋭利な外周縁のエッジ部が欠けて
しまうことが多かったが、本実施形態の方法で研削・研
磨用工具の円柱の外周部に軟質の素材を被覆してから砥
石研磨体表面に溝を加工すれば、溝を加工する際の砥石
研磨体外周縁のエッジ部の欠けを防止することができ
る。
【0107】また、第3の実施形態の方法で、研削・研
磨用工具の円柱の外周部を加工後、カーブジェネレータ
で球面部を加工する場合にも、外周縁のエッジが欠けて
しまう場合が多かったが、本実施形態の方法を併用し
て、砥石研磨体の円柱の外周部を加工した後、加工した
外周面に軟質の素材を被覆してから球面部を加工すれ
ば、球面部加工時の砥石研磨体外周縁のエッジ部の欠け
を防止することができる。
【0108】また、第2乃至第4の実施形態では、研削
・研磨用工具の砥石研磨体部分が一体になっている場合
を例に述べてきたが、加工するレンズが大きい場合、多
数のレンズを同時に加工する場合などに、比較的小さい
「ペレット」と呼ばれる砥石研磨体片を、鋳鉄などでで
きた「皿」と呼ばれる基台に3〜100個程度貼り付け
て研削・研磨用工具として使用する場合もあるが、この
際にも最外周に並んでいるペレットの外周部を第1及び
第2の実施形態と同様の方法で旋盤等で加工すれば、同
様の効果が得られる。
【0109】また、上記実施形態では、砥石について詳
述してあるが、本発明は従来から用いられている鋳鉄皿
にも同様に適用可能である。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の研削・研
磨用工具は、工具が磨耗しても加工面となる球面部の直
径が変化しないから、常に研削・研磨用工具の作用面積
が一定であり、加工されるレンズの曲率半径の変化が少
なく、長時間安定して曲率半径が一定のレンズを生産し
続けることができる。
【0111】すなわちレンズの曲率半径がほとんど変化
しないから、従来の球面レンズ生産で行われてきたよう
に、製造途中での加工し終わったレンズ材料の曲率半径
の測定を、ほとんど行なう必要がなく、省力化と同時
に、レンズの製造コストを大幅に下げることができる。
【0112】また、本発明の研削・研磨用工具は、外周
の直径、真円度等の精度が高いから、工具を交換した場
合にも加工機の各軸の位置関係を変更する「段取り」を
行なう必要がなく、この点でも省力化と同時に、レンズ
の製造コストを大幅に下げることができる。
【0113】また、本発明の研削・研磨用工具で、砥石
研磨体外周部を軟質素材で補強した場合には、砥石研磨
体外周縁部欠け等の工具破損を防止することができる。
【0114】また、本発明で示した工具製作方法によれ
ば、容易に外周部の精度の高い研削・研磨用工具を得る
ことができる。
【0115】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の研削・研磨工具とそれを用
いた加工法を示す図である。
【図2】従来用いてきた凹形状砥石を示す図である。
【図3】図2の凹形状砥石を使用した時の砥石の摩耗状
態を示す図である。
【図4】一実施例の工具を用いた時の砥石の摩耗状態を
示す図である。
【図5】一実施例の研削・研磨用工具の側断面図であ
る。
【図6】凸形状の砥石を示した図である。
【図7】砥石の曲率球面に十文字の溝を設けた図であ
る。
【図8】図6の研削・研磨砥石の摩耗を示した図であ
る。
【図9】図4及び図5の本実施例の工具の製作方法を示
した図である。
【図10】図2と図4に示した砥石で、レンズを連続加
工した際のレンズ曲率の変化を示した図である。
【図11】砥石の外周部が欠ける理由を説明するための
図である。
【図12】砥石の外周部に欠けが生じた様子を示す図で
ある。
【図13】欠けが生じた部分でガラスにかかる力を示し
た図である。
【図14】従来の上部と下部で直径の異なる砥石の形状
を示した図である。
【図15】研削・研磨用工具の構成を示す横断面図であ
る。
【図16】研削・研磨用工具の摩耗過程を示す図であ
る。
【図17】研削・研磨用工具の製造方法の一例を示す階
段工程図である。
【図18】研削・研磨用工具の製造に使用する旋盤の主
要部の構成を示す図である。
【図19】研削・研磨用工具を使用してレンズを加工す
るための研磨機の一例を示す図である。
【図20】研削・研磨用工具の製造方法の別の一例を示
す階段工程図である。
【図21】研削・研磨用工具の製造に使用するカーブジ
ェネレータの主要部の構成を示す図である。
【図22】従来の研削・研磨用工具の形状を示す図であ
る。
【図23】4種類の工具について、3次元測定器を使用
して、外周部の真円度、円筒度及び外周部と球面部の同
軸度を測定した結果を示す図である。
【図24】研削・研磨用工具の別の一例の構成を示す横
断面図である。
【符号の説明】
1 砥石 1d 補強材 2 被加工物 11 切刃 12 カップ砥石 21a 砥石研磨体(凸面工具) 21b 砥石研磨体(凹面工具) 22a,22b 金属製基台 23a,23b 接着剤 25 研削・研磨用工具 R,R1,R2,R3 砥石研磨体球面部の曲率半径 d0 砥石研磨体円柱部外周面の直径 d1 砥石研磨体球面部外周縁の直径 31 砥石研磨体 32 金属製基台 33 接着剤 34 砥石研磨体円柱部の中心軸 35 金属製基台の中心軸 36 砥石研磨体球面部の中心軸 51a 砥石研磨体(凸面工具) 51b 砥石研磨体(凹面工具) 52a,52b 金属製基台 53a,53b 接着剤 54a,54b 軟質素材 55a,55b 接着剤 57 ダイヤルゲージ 61 主軸 62 チャック 63 爪 64 主軸の中心軸 71 バイト 72 刃物台 73 固定ボルト 74 ロックハンドル 75 切り込みステージ 100 架台 103 工具ホルダ 104 主軸 105 主軸ハウジング 106 ネジ 107 主軸傾斜プレート 108 プーリ 109 プーリ 110 工具軸回転モータ 111 ベルト 112 ロックネジ 121 レンズ材料 122 保持材 123 ホルダ 124 支持部材 125 支持部材延長アーム 126 ネジ 127 支持部材アーム 128 ネジ 129 ピポット 130 揺動プレート 131 リンク 133 揺動回転軸 134 軸受 135 モータ 136 プーリ 137 プーリ 138 ベルト 211 ワーク軸 212 チャック 213 爪 221 工具軸 222 カップ型砥石 r0 カップ型砥石先端部Rの曲率半径 r1 カップ型砥石の半径

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工面が球面を有する被加工物の研削
    ・研磨に用いる研削・研磨用工具であって、 円柱体の端面に前記被加工物の加工面を研磨する研磨面
    を形成し、 該研磨面の外径を前記円柱体の直径と略一致させたこと
    を特徴とする研削・研磨用工具。
  2. 【請求項2】 前記円柱体の周縁部は、前記研磨面より
    も軟質の素材により皮膜されていることを特徴とする請
    求項1に記載の研削・研磨用工具。
  3. 【請求項3】 前記円柱体の円筒度を20μm以下と
    し、前記研磨面と前記円柱体の同軸度を30μm以下と
    したことを特徴とする請求項1または2に記載の研削・
    研磨用工具。
  4. 【請求項4】 被加工面が球面を有する被加工物の研削
    ・研磨に用いる研削・研磨用工具であって、 ダイヤモンドの砥粒及び金属材料又は樹脂を主成分と
    し、焼結して円柱体とし、 該円柱体の端部を前記被加工物の加工すべき加工面に相
    当した球面に加工したことを特徴とする請求項1に記載
    の研削・研磨用工具。
  5. 【請求項5】 前記円柱体の周縁部は、前記研磨面より
    も軟質の素材により皮膜されていることを特徴とする請
    求項4に記載の研削・研磨用工具。
  6. 【請求項6】 前記円柱体の円筒度を20μm以下と
    し、前記研磨面と前記円柱体の同軸度を30μm以下と
    したことを特徴とする請求項4または5に記載の研削・
    研磨用工具。
  7. 【請求項7】 被加工面が球面を有する被加工物の研削
    ・研磨方法であって、 円柱体の端面に形成された研磨面の外径を前記円柱体の
    直径と略一致させた研削・研磨用工具の前記研磨面上
    に、前記被加工物の球面を対向させて配置し、 前記円柱体をその軸線回りに回転運動させると共に、前
    記被加工物を前記円柱体の研磨面上で揺動運動させて研
    削・研磨することを特徴とする研削・研磨方法。
  8. 【請求項8】 円柱体の端面に球面状の研磨面を有する
    研削・研磨用工具を製造するための研削・研磨用工具の
    製造方法であって、 前記円柱体の端面を球面状に加工して、前記研磨面を形
    成する研磨面形成工程と、 前記研磨面の球面の中心軸を基準として、前記円柱体の
    外周面を前記中心軸を中心とする円筒状に加工する外周
    加工工程とを具備することを特徴とする研削・研磨用工
    具の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記外周加工工程において、前記円柱体
    の円筒度を20μm以下に、前記研磨面と前記円柱体の
    同軸度を30μm以下に加工することを特徴とする請求
    項8に記載の研削・研磨用工具の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記外周加工工程の後に、前記円柱体
    の外周に、前記研磨面よりも軟質の素材を付着させたこ
    とを特徴とする請求項8に記載の研削・研磨用工具の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 円柱体の端面に球面状の研磨面を有す
    る研削・研磨用工具を製造するための研削・研磨用工具
    の製造方法であって、 前記円柱体の外周面を円筒度が所定値以下となる様に加
    工する外周加工工程と、 前記円柱体の中心軸を基準として、該円柱体の端面に、
    前記中心軸を中心とする球面状の研磨面を加工する研磨
    面形成工程とを具備することを特徴とする研削・研磨用
    工具の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記外周加工工程において、前記円柱
    体の外周面を円筒度が20μm以下となる様に加工する
    ことを特徴とする請求項11に記載の研削・研磨用工具
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記研磨面形成工程において、前記研
    磨面と前記円柱体の外周面の同軸度が30μm以下とな
    る様に、前記研磨面を加工することを特徴とする請求項
    11に記載の研削・研磨用工具の製造方法。
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