JPH08217487A - 波長変換ガラス材 - Google Patents

波長変換ガラス材

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JPH08217487A
JPH08217487A JP7051785A JP5178595A JPH08217487A JP H08217487 A JPH08217487 A JP H08217487A JP 7051785 A JP7051785 A JP 7051785A JP 5178595 A JP5178595 A JP 5178595A JP H08217487 A JPH08217487 A JP H08217487A
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JP
Japan
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chloride
mol
glass
wavelength conversion
glass material
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JP7051785A
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English (en)
Inventor
Masaharu Ishiwatari
正治 石渡
Akira Okubo
晶 大久保
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 塩化ガドリニウムを主成分のガラス形成剤と
しアルカリ土類塩化物をガラス形成助剤として含むガラ
ス母材に塩化ホルミウムを含有させてなる波長変換ガラ
ス材。 【効果】 従来のフッ化物系波長変換ガラス材よりも青
色域の光変換効率が各段に優れており、しかも結晶体の
波長変換材料よりも製造が容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は赤外光および赤色光をよ
り短い波長の可視光に変換する波長変換材料に関する。
より詳しくは、変換効率および取扱性に優れ、しかも製
造が容易であり、ディスプレイ用蛍光体、赤外光検知体
あるいはアップコンバージョンレーザーの材料等として
幅広い応用が可能である波長変換ガラス材に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】一般に蛍光発光においては放出
光は入射光(励起光)より波長が長くなるが、希土類イ
オン含有物質の中には励起光よりも短波長の光を放出す
るアップコンバージョンによる蛍光を示すものがある。
これは、希土類イオンの電子が光子の2段階吸収などに
よって励起されることによるものである。例えば、赤外
光を励起光とし可視光を発する蛍光体が知られており、
肉眼では見えない赤外光の光路を識別する材料として用
いられているほか、ディスプレイ用蛍光体、あるいは赤
外ないし赤色域の半導体レーザーとの組合せによるコン
パクトな可視光レーザー光源としての利用が期待されて
いる。
【0003】特に、最近では、光記憶の高密度化に対応
してより短波長の光を放出するアップコンバージョン材
料が求められ、赤外光あるいは赤色光を励起光として青
色光を発する蛍光体の検討が進められている。例えば、
YLiF4 結晶にTm3+をドープした結晶でアップコン
バージョンによる青色のレーザー発振が認められている
(Applied Optics, 28,17, 3553-3555, 1989)。しかし、
結晶はファイバー等の任意の形態に成型することが困難
であり、また大きな単結晶を製造するのも困難が多い。
さらに、結晶は配位子場の対称性が高いために発光遷移
確率が低く、また、吸収幅が狭いため、半導体レーザー
のように励起光の波長が変動しやすいレーザーで励起す
る場合には吸収効率の変動が大きいという問題点があ
る。
【0004】このため、近年、非晶質の、すなわちガラ
ス質の蛍光体が提案されている。透明ガラス材料からな
る蛍光体は、(i) 結晶にくらべて可視光発生の際の損失
や散乱が少ない材料を作製しやすい、(ii)ファイバー等
の任意の形態に成型できる、(iii) 励起光の波長ゆらぎ
に伴う吸収効率の変動が小さいので、温度や電流等の影
響により出力波長が変動しやすい半導体レーザーを励起
光として用いた場合でも比較的安定した出力が得られる
等の利点がある。この種のガラス蛍光体としては、フッ
化ジルコニウムガラスにHo3+をドープした蛍光体が知
られており、室温での緑色レーザー発振の報告例がある
(Electron. Lett., 26, 261-263,1990) 、あるいはフッ
化物ガラスにHo3+をドープし、さらにYb3+を増感剤
として添加した蛍光体(特開平6-219777号)が知られて
いる。また、ZBLAN(Zr,Ba,La,Al,Naの各フッ化物
を原料とするフッ化ジルコニウムを主成分とするガラ
ス)にTm3+をドープし、あるいはさらにEu3+を増感
剤として添加した蛍光体が提案されている(例えば、S.
G.Grubb et al., Electron. Lett., 28, 1243, 1992)。
【0005】しかし、可視光レーザー発振への応用を考
えた場合、上記ガラス材料では励起光からアップコンバ
ージョン蛍光への波長変換効率が不十分である。すなわ
ち、フッ化物ガラスでは、格子振動の最大エネルギーが
上記ZBLANでも400〜500cm-1と大きいが、一
般に格子振動エネルギーが大きいと多フォノン緩和時間
が短くなるという問題が生じる(J. P. van der Ziel et
al. J. Appln. Phys.60, (1986) 4262-67) 。つまり、
発光源イオンの電子は、励起光によって直接または増感
剤を介してエネルギーを受け励起されるが、格子振動エ
ネルギーが大きい場合には励起準位での平均滞留時間が
短く、このため、さらに励起エネルギーを吸収してより
高いエネルギー準位にまで励起される2段階励起の過程
が起こり難くなりアップコンバージョン効率が低下す
る。
【0006】
【発明の解決課題】本発明は、波長変換材料として有用
なアップコンバージョンガラスにおける上記問題を解決
し、ガラス化が容易で、かつ発光強度が強く、赤外ない
し赤色波長域の半導体レーザー光を励起光としても実用
に耐える強度および安定性で緑色ないし青色光を生じる
波長変換ガラス材の提供を目的とする。
【0007】
【課題の解決手段】本発明は従来知られているフッ化物
ガラスに代えて塩化物ガラスを母材とし、しかも単独で
はガラス化しない塩化ガドリニウム(塩化Gd)をガラ
ス母材に用い、これに発光中心としてをホルミウム(H
o)イオン含有させることにより青色発光強度の強い波
長変換ガラス材を達成したものである。塩化Gdは単独
ではガラス化しないため、従来、塩化Gdを母材とする
塩化物ガラスは知られていないが、本発明者等はガラス
形成助剤としてアルカリ土類塩化物を塩化Gdに加える
ことにより塩化物ガラスが得られることを見出した(特
願平6-95477 号)。本発明は、上記知見に基づき、この
塩化Gd−アルカリ土類塩化物系ガラスに発光中心とし
てHoイオンを含有させることにより、赤外光ないし赤
色光を励起光として発光強度の強い緑色ないし青色光を
生じる塩化物ガラス材を得たものである。
【0008】すなわち本発明によれば以下の構成からな
る波長変換ガラス材が提供される。 (1)塩化ガドリニウムをガラス形成剤とし、アルカリ
土類塩化物をガラス形成助剤とする塩化物ガラス母材に
塩化ホルミウムを含有させてなる波長変換ガラス材。 (2)上記ガラス形成助剤が、塩化バリウム、塩化スト
ロンチウム、塩化カルシウムの1種または2種以上の組
合せである上記(1) の波長変換ガラス材。 (3)塩化ガドリニウム35〜93モル%、塩化バリウ
ム6〜49モル%および塩化ホルミウム0.01〜33
モル%からなる上記(2) の波長変換ガラス材。 (4)塩化ガドリニウム48〜83モル%、塩化ストロ
ンチウム15〜47モル%および塩化ホルミウム0.0
1〜20モル%からなる上記(2) の波長変換ガラス材。 (5)塩化ガドリニウム51〜82モル%、塩化カルシ
ウム16〜47モル%および塩化ホルミウム0.01〜
18モル%からなる上記(2)の波長変換ガラス材。 (6)塩化ガドリニウム35〜90モル%、塩化バリウ
ム1〜48モル%、塩化ストロンチウム1〜46モル%
および塩化ホルミウム0.01〜28モル%からなり、
塩化バリウムと塩化ストロンチウムの合計量が6〜49
モル%である上記(2) の波長変換ガラス材。 (7)塩化ガドリニウム40〜90モル%、塩化バリウ
ム1〜48モル%、塩化カルシウム1〜46モル%、お
よび塩化ホルミウム0.01〜28モル%からなり、塩
化バリウムと塩化カルシウムの合計量が6〜49モル%
である上記(2) の波長変換ガラス材。 (8)塩化ガドリニウム50〜83モル%、塩化ストロ
ンチウム1〜46モル%、塩化カルシウム1〜46モル
%および塩化ホルミウム0.01〜20モル%からな
り、塩化ストロンチウムと塩化カルシウムの合計量が1
5〜47モル%である上記(2) の波長変換ガラス材。 (9)塩化ガドリニウム35〜91モル%、塩化バリウ
ム1〜47モル%、塩化ストロンチウム1〜46モル
%、塩化カルシウム1〜46モル%及び塩化ホルミウム
0.01〜30モル%からなり、塩化バリウムと塩化ス
トロンチウムと塩化カルシウムの合計量が7〜49モル
%である上記(2) の波長変換ガラス材。
【0009】
【発明の具体的な開示】本発明のガラス材では、塩化ガ
ドリニウム(GdCl3 )をガラス形成剤とする。塩化
Gdは、ガラス母材の主成分としての量が必要であり、
ガラス材の全組成中、少なくとも約40モル%、通常は
50モル%以上の割合を占める。塩化物ガラスはフッ化
物ガラスよりも多フォノン緩和速度が小さいので、可視
光変換において高い変換効率が実現される。なお従来知
られている塩化物ガラスの代表例は塩化亜鉛(ZnCl
2 )をガラス母材とするものであるが、ZnCl2 を母
材とするガラスは潮解性が著しいという実用上の難点が
ある。本発明の塩化Gdを母材とするガラス材はこのよ
うな欠点を有しない。
【0010】すでに述べたように塩化Gdは単独ではガ
ラス化しないが、本発明者等が特願平6-95477 号で明ら
かにしたように、塩化Gdと共に一定量のアルカリ土類
塩化物をガラス形成助剤として併用することにより塩化
Gdをガラス化することができる。併用されるアルカリ
土類塩化物としては、塩化Ba、塩化Sr、塩化Caが
好適である。これらは2種以上併用しても良い。これら
を2種以上用いたものはさらに安定なガラス材を得るこ
とができる。塩化BaはZnCl2 系ガラスなどにおい
てガラス形成助剤として常用されているが、塩化Ba自
体はガラス化せず、塩化Gdとの併用例も従来は知られ
ていない。塩化Gdと塩化Baとからなるガラス材は本
発明者等により初めて提案された(上記特願平6-95477
号)。塩化Srはガラス形成助剤として従来使用されて
いるが、塩化Gdと併用した例は知られていない。塩化
Caについても同様である。これらのガラス形成助剤の
中では、ガラス転移点の最も高く安定なガラス材料が得
られるBaCl2 が最も好ましい。
【0011】発光中心として上記ガラス材中にHoイオ
ンが含有される。Hoイオンは赤色波長域の励起光(波
長 640〜 665nm)によって青色光(波長約410 〜490nm
)を生じる発光中心となる。Hoイオンの含有量が過
少であると発光強度が微弱となるため塩化Ho換算で
0.01モル%以上が好ましく、0.05モル%以上が
より好ましい。一方、Hoイオンの量が過剰であるとイ
オン間のエネルギー伝達が支配的となって濃度消光によ
り発光効率が低下し、またガラス化を妨げるため、その
含有量は塩化Ho換算で最大約30モル%が適当であ
り、8モル%以下が好ましい。また、励起光源を赤外光
( 810〜 840nm)によって緑色光( 520〜 560nm)を得
ることもできる。
【0012】本発明に係る青色発光ガラス材の組成範囲
の一例を図1に示す。図1はGdCl3 −BaCl2
HoCl3 からなるガラス材の組成範囲を示す3元系グ
ラフであり、本発明のガラス材は図1の斜線部の組成範
囲において得られる。斜線部の組成範囲から外れると、
結晶化速度が非常に大きくなるため、原料を加熱溶融後
に急冷してもガラス化が困難となり、失透(結晶化)す
る。斜線部に示すガラス化範囲の各成分の上限・下限値
は、GdCl3 35〜93モル%、BaCl26〜49
モル%、HoCl3 0.01〜33モル%である。とく
に、塩化Gd52〜89モル%、塩化Ba10〜40モ
ル%、および塩化Ho0.05〜8モル%の範囲で青色
光および緑色光の発光強度が高く、また比較的安定にガ
ラスを作製することができるため、この組成範囲が最も
好適である。
【0013】なお、本明細書および添付図面においてガ
ラス組成をGdCl3 、BaCl2およびHoCl3
の塩化物により表記しているが、これはガラス中の陽イ
オン(Gdイオン、BaイオンおよびHoイオン)およ
び陰イオン(塩化物イオン)の含有比を塩化物換算で示
したものであり、各成分は通常のガラス構造と同様に相
互に結合した網目構造を形成している。
【0014】本発明のガラス材について、塩化Baに代
えて塩化Srおよび塩化Caをガラス形成助剤として用
いた場合の好適な組成範囲を以下に示す。(1)GdCl3 −SrCl2 −HoCl3 塩化Gd:48〜83モル%、好ましくは52〜79モ
ル% 塩化Sr:15〜47モル%、好ましくは20〜40モ
ル% 塩化Ho:0.01〜20モル%、好ましくは0.05
〜8モル%
【0015】(2)GdCl3 −CaCl2 −HoCl3 塩化Gd:51〜82モル%、好ましくは52〜79モ
ル% 塩化Ca:16〜47モル%、好ましくは20〜40モ
ル% 塩化Ho:0.01〜18モル%、好ましくは0.05
〜8モル%
【0016】ガラス形成助剤を2種以上用いることによ
りさらに安定なガラス材を得ることができる。但し、ガ
ラス形成助剤の合計量は50モル%未満である。このよ
うなガラス材としては、Gd−Ba−Sr−Ho、Gd
−Ba−Ca−HoもしくはGd−Sr−Ca−Hoの
各塩化物からなる4元系ガラス、あるいはGd−Ba−
Sr−Ca−Hoの各塩化物からなる5元系ガラスが挙
げられる。
【0017】本発明のガラス材について、これら2種以
上のガラス形成助剤を有する場合の好適な組成範囲を以
下に示す。(3)GdCl3 −BaCl2 −SrCl2 −HoCl
3 塩化Gd:35〜90モル%、好ましくは52〜89モ
ル% 塩化Ho:0.01〜28モル%、好ましくは0.05
〜8モル% 塩化Baと塩化Srの合計量:6〜49モル%、好まし
くは10〜40モル%
【0018】(4)GdCl3 −BaCl2 −CaCl
2 −HoCl3 塩化Gd:40〜90モル%、好ましくは52〜89モ
ル% 塩化Ho:0.01〜28モル%、好ましくは0.05
〜8モル% 塩化Baと塩化Caの合計量:6〜49モル%、好まし
くは10〜40モル%
【0019】(5)GdCl3 −SrCl2 −CaCl2 −HoCl
3 塩化Gd:50〜83モル%、好ましくは52〜79モ
ル% 塩化Ho:0.01〜20モル%、好ましくは0.05
〜8モル% 塩化Srと塩化Caの合計量:15〜47モル%、好ま
しくは20〜40モル%
【0020】(6)GdCl3 −BaCl2 −SrCl
2 −CaCl2 −HoCl3 塩化Gd:35〜91モル%、好ましくは52〜89モ
ル% 塩化Ho:0.01〜30モル%、好ましくは0.05
〜8モル% 塩化Ba、塩化Srおよび塩化Caの合計量:7〜49
モル%、好ましくは10〜40モル%
【0021】上記ガラス形成助剤(BaCl2 、SrCl2 、Ca
Cl2 )と共にLiCl、NaCl、KCl、RbCl、
CsCl、PbCl2 およびTlClを併用すれば更に
安定なガラス材を得ることができる。これらの添加量は
約40モル%以下である。また上記ガラス形成助剤(Ba
Cl2 、SrCl2 、CaCl2 )と共にこれらLiCl、NaC
l、KCl、RbCl、CsCl、PbCl2 およびT
lClをガラス組成内に導入するとガラス転移点が低く
なる。
【0022】本発明の塩化物ガラス材は、精製乾燥した
原料の塩化物粉末を所定量調合した混合粉末を塩素ガス
雰囲気または真空下で加熱溶融し、ガラス転移点以下に
急冷して得られる。冷却速度は、60 K/s以上である。
冷却速度が上記値未満であると一部に結晶が生じるなど
して失透する場合がある。得られた急冷体のX線回折曲
線は、図2に例示するように、結晶体に見られるような
特定のピークが認められず、ガラス質であることがわか
る。また各原料塩の組成に対応するピークも認められ
ず、これらの単なる混合物ではないことが確認できる。
さらに図3の示差熱分析曲線に例示されるようにガラス
転移点が認められ、これによってもガラス質であること
がわかる。なお、本発明のガラスは、上記のような融液
の冷却過程による他、例えば、気相成長法等の既知の非
晶質形成方法によっても製造することができる。
【0023】
【実施例および比較例】以下に本発明の実施例を比較例
と共に示す。なお本実施例は例示であり、本発明の範囲
を限定するものではない。
【0024】実施例1 ガラス母材のGdCl3 および発光物質であるHoCl
3 粉末は、それぞれ市販のGd2 3 またはHo2 3
から常法により合成した後に加熱溶融して塩素ガスを吹
き込み完全に脱水精製したものを用いた。また、ガラス
形成助剤のBaCl2 は320℃の乾燥容器中で2日間
乾燥した高純度の無水結晶を用いた。これらの原料粉末
を、GdCl3 70.6モル%、BaCl2 28.0モ
ル%、およびHoCl3 1.4モル%の割合に調合した
混合粉末を透明石英ガラス管(内径1.5mm,肉厚0.6mm,長
さ200mm )に真空封入してアンプルを作成し、これを加
熱炉にて600℃で15分間溶融させた。得られた融液
をアンプルごと直ちに250℃まで冷却し(冷却速度80
K/s)、2時間のアニール後そのまま1 K/minで徐冷を
行なってうす橙色の透明体を得た。
【0025】得られた透明体を肉眼で確認したところ、
内部および表面に結晶の析出は認められなかった。ま
た、この透明体をX線回折により測定したところ、その
散乱強度のグラフは図2に示すように、結晶体に見られ
るような鋭いピークが認められず、ガラス質であること
が確認された。さらに、この透明体の示差熱分析曲線に
は図3に示すように250℃付近でガラス転移点(Tg)が
認められ、この測定からもガラス質であることが確認さ
れた。
【0026】実施例2〜38 実施例1と同一のGdCl3 およびHoCl3 粉末を用
い、実施例1と同様に処理したSrCl2 及びCaCl
2 粉末を表1に示すモル比に調合し、この混合粉末を実
施例1と同様にして処理して以下のガラス材を得た。 GdCl3 −BaCl2 −HoCl3 GdCl3 −SrCl2 −HoCl3 GdCl3 −CaCl2 −HoCl3 GdCl3 −BaCl2 −SrCl2 −HoCl3 GdCl3 −SrCl2 −CaCl2 −HoCl3 GdCl3 −CaCl2 −BaCl2 −HoCl3 得られたガラス材は透明であり、肉眼で観察したとこ
ろ、内部にも表面にも結晶の析出は認められなかった。
実施例1と同様にして透明体がガラス体であることを確
認した。
【0027】
【表1】
【0028】発光スペクトルの測定 実施例1で得られたガラス材を石英アンプルから取り出
して長さ約5mmの円柱状に切断し、切断部を面研磨した
試料に波長650nmの半導体レーザ(5mW) を照射したと
ころ、ガラス材内部で青色発光することが確認された。
この発光スペクトルを図4に実線で示す。また、常法に
従って製造したフッ化物ガラス(52ZrF4・20BaF 4 ・4La
F3 ・3AlF3 ・20NaF ・1HoF3 )を同一形状に作製し、
切断して面研磨して得た比較試料についても同様に測定
した。結果は図4(破線)に示す通りであり、本実施例
のガラス材は波長490nm付近において強い青色発光を
示し、この強度は従来のフッ化物ガラス(波線)に比べ
て約20倍も高い。一方、Hoイオンを含有する従来の
フッ化物ガラスは、550nmの緑色波長域の発光強度が
最も強く、青色発光を生じない。他の実施例の各試料に
ついても同様に測定を行なったところ、波長490nm付
近の青色光強度は実施例1と同様に上記フッ化物ガラス
の数倍〜20倍近くであった。
【0029】比較例1〜7 実施例で用いたものと全く同じ原料を表2に示すモル比
に調合して得た混合粉末を実施例1と全く同様の条件で
加熱溶融し、急冷して透明なガラス材を得た。得られた
透明体を肉眼で観察したところ、内部および表面に結晶
の析出は認められなかった。また、実施例1と同様にし
て透明体がガラス質であることを確認した。しかし、得
られたガラスを実施例1と同一の形状に切断して、同様
にスペクトル測定を行なったところ、波長490nm付
近の青色強度はフッ化物ガラスの約1/20倍であっ
た。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明の波長変換材はガラス材であるの
で、結晶体の波長変換材料よりも製造が容易であり、フ
ァイバー等の種々の形状の製品に加工することが可能で
ある。また、結晶体よりも希土類イオンの吸収がブロー
ドであるために、励起光の波長ゆらぎがあっても吸収効
率の変動が小さく、よって発光効率の変動が少ない。従
って、温度や電流等の影響により出力波長が変動しやす
い半導体レ−ザーを励起光として用いた場合でも、比較
的安定した出力が得られる。また、本発明ではガラス母
材として塩化Gdおよびアルカリ土類金属の塩化物を用
いており、ガラス転移点が200℃以上であるため、従
来の塩化物ガラス(ガラス転移点が175 ℃程度)に比べ
てガラス転移点が格段に高く、安定である。さらに本発
明の波長変換ガラス材は、最大の特長として、従来のフ
ッ化物系波長変換ガラス材よりも青色域の光変換効率が
各段に優れている。このためにディスプレイやアップコ
ンバージョン方式による青色レーザー等、幅広い分野へ
の応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塩化Gd−塩化Ba−塩化Hoの
3元系ガラス化範囲を示すグラフ。
【図2】実施例1のガラス材のX線回折チャート。
【図3】実施例1のガラス材の示差熱分析曲線を示すグ
ラフ。
【図4】実施例1のガラス材と従来のフッ化物ガラスの
発光強度を示すスペクトル図。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ガドリニウムをガラス形成剤とし、ア
    ルカリ土類塩化物をガラス形成助剤とする塩化物ガラス
    母材に塩化ホルミウムを含有させてなる波長変換ガラス
    材。
  2. 【請求項2】上記ガラス形成助剤が、塩化バリウム、塩
    化ストロンチウム、塩化カルシウムの1種または2種以
    上の組合せである請求項1の波長変換ガラス材。
  3. 【請求項3】塩化ガドリニウム35〜93モル%、塩化
    バリウム6〜49モル%および塩化ホルミウム0.01
    〜33モル%からなる請求項2の波長変換ガラス材。
  4. 【請求項4】塩化ガドリニウム48〜83モル%、塩化
    ストロンチウム15〜47モル%および塩化ホルミウム
    0.01〜20モル%からなる請求項2の波長変換ガラ
    ス材。
  5. 【請求項5】塩化ガドリニウム51〜82モル%、塩化
    カルシウム16〜47モル%および塩化ホルミウム0.
    01〜18モル%からなる請求項2の波長変換ガラス
    材。
  6. 【請求項6】塩化ガドリニウム35〜90モル%、塩化
    バリウム1〜48モル%、塩化ストロンチウム1〜46
    モル%および塩化ホルミウム0.01〜28モル%から
    なり、塩化バリウムと塩化ストロンチウムの合計量が6
    〜49モル%である請求項2の波長変換ガラス材。
  7. 【請求項7】塩化ガドリニウム40〜90モル%、塩化
    バリウム1〜48モル%、塩化カルシウム1〜46モル
    %および塩化ホルミウム0.01〜28モル%からな
    り、塩化バリウムと塩化カルシウムの合計量が6〜49
    モル%である請求項2の波長変換ガラス材。
  8. 【請求項8】塩化ガドリニウム50〜83モル%、塩化
    ストロンチウム1〜46モル%、塩化カルシウム1〜4
    6モル%および塩化ホルミウム0.01〜20モル%か
    らなり、塩化ストロンチウムと塩化カルシウムの合計量
    が15〜47モル%である請求項2の波長変換ガラス
    材。
  9. 【請求項9】塩化ガドリニウム35〜91モル%、塩化
    バリウム1〜47モル%、塩化ストロンチウム1〜46
    モル%、塩化カルシウム1〜46モル%及び塩化ホルミ
    ウム0.01〜30モル%からなり、塩化バリウムと塩
    化ストロンチウムと塩化カルシウムの合計量が7〜49
    モル%である請求項2の波長変換ガラス材。
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