JPH08217491A - 波長変換ガラス材 - Google Patents

波長変換ガラス材

Info

Publication number
JPH08217491A
JPH08217491A JP5178995A JP5178995A JPH08217491A JP H08217491 A JPH08217491 A JP H08217491A JP 5178995 A JP5178995 A JP 5178995A JP 5178995 A JP5178995 A JP 5178995A JP H08217491 A JPH08217491 A JP H08217491A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chloride
mol
glass
glass material
total amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5178995A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaharu Ishiwatari
正治 石渡
Akira Okubo
晶 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP5178995A priority Critical patent/JPH08217491A/ja
Publication of JPH08217491A publication Critical patent/JPH08217491A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 塩化ガドリニウムをガラス形成剤とし、ア
ルカリ土類塩化物をガラス形成助剤とする塩化物ガラス
母材に発光中心源の塩化ホルミウムおよび増感剤の塩化
イッテルビウムを含有させてなる波長変換ガラス材。 【効果】 従来のフッ化物系波長変換ガラス材よりも
緑色域の光変換効率が格段に優れており、しかも結晶体
の波長変換材料よりも製造が容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は赤外光(840〜1100nm) を
より短い波長の可視光に変換する波長変換材料に関す
る。より詳しくは、変換効率および取扱性に優れ、しか
も製造が容易であり、ディスプレイ用蛍光体、赤外光検
知体あるいはアップコンバージョンレーザーの材料等に
幅広い応用が可能である波長変換ガラス材に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】一般に蛍光発光においては放出
光は入射光(励起光)より波長が長くなるが、希土類イ
オン含有物質の中には励起光よりも短波長の光を放出す
るアップコンバージョンによる蛍光を示すものがある。
これは、希土類イオンの電子が光子の2段階吸収などに
よって励起されることによるものである。例えば、赤外
光を励起光とし可視光を発する蛍光体が知られており、
肉眼では見えない赤外光の光路を識別する材料として用
いられているほか、ディスプレイ用蛍光体、あるいは、
赤外ないし赤色域の半導体レーザーとの組合せによるコ
ンパクトな可視光レーザー光源としての利用が期待され
ている。
【0003】特に、最近では、光記憶の高密度化に対応
してより短波長の光を放出するアップコンバージョン材
料が求められ、赤外光あるいは赤色光を励起光として緑
或いは青色光を発する蛍光体の検討が進められている。
例えば、KYF4 単結晶にYb3+およびHo3+を含有さ
せた物質でアップコンバージョンによる緑色の発光が認
められている[SPIE(Society of Photo-Optical Instrum
entation Engineers)第1863巻第 123項〜第 130項] 。
しかし、結晶はファイバー等の任意の形態に成型するこ
とが困難であり、また、単結晶は大きなものを製造する
には困難が多い。さらに、結晶は配位子場の対称性が高
いために発光遷移確率が低く、また、吸収幅が狭いた
め、半導体レーザーのように励起光の波長が変動しやす
いレーザーで励起する場合には吸収効率の変動が大きい
という問題点がある。
【0004】このため、近年、非晶質の、すなわちガラ
ス質の蛍光体が提案されている。透明ガラス材料からな
る蛍光体は、(i) 結晶に比べて可視光発生の際の損失や
散乱が少ない材料を作製しやすい、(ii)ファイバー等の
任意の形態に成型できる、また(iii) 励起光の波長ゆら
ぎに伴う吸収効率の変動が小さいので、温度や電流等の
影響により出力波長が変動しやすい半導体レーザーを励
起光として用いた場合でも比較的安定した出力が得られ
る等の利点がある。この種のガラス蛍光体としては、フ
ッ化ジルコニウムガラスにHo3+をドープした蛍光体が
知られており、室温での緑色レーザー発振の報告例があ
る(Electron. Lett., 26, 261-263,1990) 、あるいはフ
ッ化物ガラスにHo3+をドープし、さらにYb3+を増感
剤として添加した蛍光体(特開平6-219777号)が知られ
ている。
【0005】しかし、可視光レーザー発振への応用を考
えた場合、上記ガラス材料では励起光からアップコンバ
ージョン蛍光への波長変換効率が不十分である。すなわ
ち、フッ化物ガラスでは、格子振動の最大エネルギーが
上記ZBLANでも400〜500cm-1と大きいが、一
般に格子振動エネルギーが大きいと多フォノン緩和時間
が短くなるという問題が生じる(J. P. van der Ziel et
al. J. Appln. Phys.60, (1986) 4262-67) 。つまり、
発光源イオンの電子は、励起光によって直接または増感
剤を介してエネルギーを受け励起されるが、格子振動エ
ネルギーが大きい場合には励起準位での平均滞留時間が
短く、このため、さらに励起エネルギーを吸収してより
高いエネルギー準位にまで励起される2段階励起の過程
が起こり難くなりアップコンバージョン効率が低下す
る。
【0006】
【発明の解決課題】本発明は、波長変換材料として有用
なアップコンバージョンガラスにおける上記問題を解決
し、ガラス化が容易で、かつ発光強度が強く、840〜
1100nmの赤外レーザー光を励起光としても実用に耐
える強度および安定性で緑色光を生じる波長変換ガラス
材の提供を目的とする。
【0007】
【課題解決の手段】本発明は従来知られているフッ化ガ
ラスに代えて塩化物ガラスを母材とし、しかも単独では
ガラス化しない塩化ガドリニウム(GdCl3 :塩化G
d)をガラス母材に用い、これに発光中心となるホルミ
ウム(Ho)イオンおよび増感剤となるイッテルビウム
(Yb)イオンを含有させることにより緑色発光強度の
強い波長変換ガラス材を達成したものである。塩化Gd
は単独ではガラス化しないため、従来、塩化Gdを母材
とする塩化物ガラスは知られていないが、本発明者等は
ガラス形成助剤としてアルカリ土類塩化物を用いること
により塩化物ガラスが得られることを見出した(特願平
6-95477 号)。本発明は、上記知見に基づき、この塩化
Gd−アルカリ土類塩化物系ガラスに発光中心のHoイ
オンと増感剤のイッテルビウム(Yb)イオンを含有さ
せることにより、緑色波長域の発光強度が高いガラス材
が得られることを見出した。本発明は上記知見に基づ
き、従来の問題を解決した波長変換ガラス材を提供する
ものである。
【0008】すなわち、本発明によれば以下の波長変換
ガラス材が提供される。 (1)塩化ガドリニウムをガラス形成剤とし、アルカリ
土類塩化物をガラス形成助剤とする塩化物ガラス母材に
発光中心源の塩化ホルミウムおよび増感剤の塩化イッテ
ルビウムを含有させてなる波長変換ガラス材。 (2)塩化ホルミウムの含有量が0.01〜5モル%、
塩化イッテルビウムの含有量が1〜25モル%であり、
かつ塩化イッテルビウムが塩化ホルミウムに対して5〜
2500倍量である上記(1) の波長変換ガラス材。 (3)上記ガラス形成助剤が、塩化バリウム、塩化スト
ロンチウム、塩化カルシウムの1種または2種以上の組
合せである請求項1の波長変換ガラス材。 (4)塩化ガドリニウム40〜88モル%、塩化バリウ
ム10〜45モル%および塩化ホルミウムと塩化イッテ
ルビウムの合計量1.01〜30モル%からなる上記
(2) の波長変換ガラス材。 (5)塩化ガドリニウム50〜78モル%、塩化ストロ
ンチウム20〜40モル%および塩化ホルミウムと塩化
イッテルビウムの合計量1.01〜19モル%からなる
上記(2) の波長変換ガラス材。 (6)塩化ガドリニウム50〜78モル%、塩化カルシ
ウム20〜40モル%および塩化ホルミウムと塩化イッ
テルビウムの合計量1.01〜17モル%からなる上記
(2) の波長変換ガラス材。 (7)塩化ガドリニウム40〜88モル%、塩化バリウ
ムと塩化ストロンチウムの合計量10〜45モル%、お
よび塩化ホルミウムと塩化イッテルビウムの合計量1.
01〜30モル%からなる上記(2) の波長変換ガラス
材。 (8)塩化ガドリニウム40〜88モル%、塩化バリウ
ムと塩化カルシウムの合計量10〜45モル%、および
塩化ホルミウムと塩化イッテルビウムの合計量1.01
〜30モル%からなる上記(2) の波長変換ガラス材。 (9)塩化ガドリニウム50〜78モル%、塩化ストロ
ンチウムと塩化カルシウムの合計量20〜40モル%、
および塩化ホルミウムと塩化イッテルビウムの合計量
1.01〜19モル%からなる上記(2) の波長変換ガラ
ス材。 (10)塩化ガドリニウム40〜88モル%、塩化バリ
ウムと塩化ストロンチウムと塩化カルシウムの合計量1
0〜45モル%、および塩化ホルミウムと塩化イッテル
ビウムの合計量1.01〜30モル%からなる上記(2)
の波長変換ガラス材。
【0009】
【具体的な説明】本発明のガラス材では、塩化Gdをガ
ラス形成剤とする。塩化Gdは、ガラス母材の主成分と
しての量が必要であり、ガラス材の全組成中、少なくと
も約35モル%、通常は50モル%以上の割合を占め
る。塩化物ガラスはフッ化物ガラスよりも多フォノン緩
和速度が小さいので、可視光変換において高い変換効率
が実現される。なお従来知られている塩化物ガラスの代
表例は塩化亜鉛(ZnCl2 )をガラス母材とするものであ
るが、塩化亜鉛は潮解性が著しいという実用上の難点が
ある。本発明の塩化Gdを母材とするガラス材はこのよ
うな欠点を有しない。
【0010】すでに述べたように塩化Gdは単独ではガ
ラス化しないが、本発明者らが特願平6-95477 号で明ら
かにしたように、塩化Gdと共に一定量のアルカリ土類
塩化物をガラス形成助剤として併用することにより塩化
Gdをガラス化することができる。併用されるアルカリ
土類塩化物としては、塩化Ba、塩化Sr、塩化Caが
好適である。これらは2種以上併用しても良い。これら
を2種以上用いたものはさらに安定なガラス材を得るこ
とができる。塩化Baは塩化亜鉛系ガラスなどにおいて
ガラス形成助剤として常用されているが、塩化Ba自体
はガラス化せず、塩化Gdとの併用例も従来は知られて
いない。塩化Gdと塩化Baとからなるガラス材は本発
明者等により初めて提案された(上記特願平6-95477
号)。塩化Srはガラス形成助剤として従来使用されて
いるが、塩化Gdと併用した例は知られていない。塩化
Caについても同様である。これらのガラス形成助剤の
中では、ガラス転移点の最も高く安定なガラス材料が得
られる塩化Baが最も好ましい。
【0011】上記ガラス材は発光中心としてHoイオン
を含有し、緑色の増感剤としてYbイオンを含有する。
Hoイオンは緑色光(約530nm 〜560nm )を生じる発光
中心となる。Ybイオンは入射光の捕獲能が大きく、ま
たHoイオンにエネルギー伝達するため、本発明のガラ
ス材では840 〜1100nmの赤外光を励起光として緑色発光
が実現される。Hoイオン含有量は塩化Ho換算で0.
01モル%以上5モル%以下が好ましい。0.01モル
%より少ないと濃度稀薄なため十分な発光強度が得られ
ず、5モル%を越えると濃度消光を生じる。通常は0.
05モル%以上3モル%以下が好ましい。一方、塩化Y
bは1モル%以上25モル%以下が好ましい。塩化Yb
が1モル%より少ないと十分な増感効果は得られない。
また25モル%を越えるとYbどうしのエネルギー移動
による損失が大きくなり、Hoへのエネルギーの移動の
効率が低下する。通常は4モル%以上20モル%以下が
好ましい。また、塩化Hoと塩化Ybの合計量は30モ
ル%以下が好ましい。30モル%を越えると結晶化速度
が急激に速くなり、ガラス透明体を得るのが難しくな
る。増感効果等を踏まえると通常4.05モル%以上23モ
ル%以下が好ましい。
【0012】塩化Hoに対する塩化Ybの量比は5倍量
以上2500倍量以下が好ましい。塩化Ybが5倍量よ
り少ないと、塩化Ybによる緑色増感効果は大きく発揮
されない。塩化Ybが2500倍量を越えると上記理由
により緑色増感効果は大きく発揮されない。通常は10
倍量以上2000倍量以下が好ましい。
【0013】本発明に係る青色発光ガラス材の組成範囲
の一例を図1に示す。図1はGdCl3 −BaCl2
(Ho,Yb)Cl3 からなる系におけるガラス化範囲
を示す3元系グラフであり、本発明のガラス材は図1の
斜線部の組成範囲において得られる。同図から明らかな
ように、HoイオンおよびYbイオンは発光中心ないし
増感剤である。この含有量が増すと系のガラス化が妨げ
られる。ガラス形性能に対する影響はHoイオンもYb
イオンも大きな差がないため、図1ではこれらの合計量
を示した。HoイオンとYbイオンの含有比によっては
多少の変動はあるが、斜線部の組成範囲から外れると結
晶化速度が非常に大きくなるため、原料を加熱溶融後に
急冷してもガラス化が困難となり失透(結晶化)する。
上記範囲のうち、GdCl3 :40〜88モル%、Ba
Cl2 :10〜45モル%、HoCl3 とYbCl3
合計量:1.01〜30モル%以下が好適である。とく
に塩化Gd42〜 75.95モル%、塩化Ba20〜35モ
ル%および塩化Ho+塩化Yb4.05〜23モル%の
範囲で緑色光の発光強度が高く、ガラスも比較的安定に
作製できるためこの組成範囲が最も好適である。
【0014】なお、本明細書および添付図面においてガ
ラス組成をGdCl3 、BaCl2およびHoCl3
の塩化物により表記しているが、これはガラス中の陽イ
オン(GdイオンおよびBaイオン等ならびにHoイオ
ンおよびYbイオン)と陰イオン(塩化物イオン)の含
有比を塩化物換算で示したものであり、ガラス形成成分
は通常のガラス構造と同様に相互に結合した網目構造を
形成している。
【0015】本発明のガラス材について、塩化Baに代
えて塩化Srおよび塩化Caをガラス形成助剤として用
いた場合の好適な組成範囲を以下に示す。(1) GdCl3 −SrCl2 −HoCl3 −YbCl3 塩化Gd:50〜78モル%、好ましくは51〜70モ
ル% 塩化Sr:20〜40モル%、好ましくは20〜30モ
ル% 塩化Ho+塩化Yb:1.01〜19モル%、好ましくは4.05
〜19モル%
【0016】(2) GdCl3 −CaCl2 −HoCl3 −YbCl3 塩化Gd:50〜78モル%、好ましくは53〜70モ
ル% 塩化Ca:20〜40モル%、好ましくは20〜30モ
ル% 塩化Ho+塩化Yb:1.01〜17モル%、好ましくは4.05
〜17モル%
【0017】ガラス形成助剤を2種以上用いることによ
りさらに安定なガラス材を得ることができる。但しガラ
ス形成助剤の合計量は50モル%未満である。このよう
なガラス材としてはGd−Ba−Sr−Ho−Yb、G
d−Ba−Ca−Ho−YbもしくはGd−Sr−Ca
−Ho−Ybの各塩化物からなる5元系ガラス、あるい
はGd−Ba−Sr−Ca−Ho−Ybの各塩化物から
なる6元系ガラスが挙げられる。
【0018】本発明のガラス材について、これら2種以
上のガラス形成助剤を有する場合の好適な組成範囲を以
下に示す。(3) GdCl3 −BaCl2 −SrCl2 −HoCl3 −YbCl3 塩化Gd:40〜88モル%、好ましくは42〜 75.95
モル% 塩化Ho+塩化Yb:1.01〜30モル%、好ましくは4.
05〜23モル% 塩化Ba+塩化Sr:10〜45モル%、好ましくは2
0〜35モル%
【0019】(4) GdCl3 −BaCl2 −CaCl2 −HoCl3 −YbCl3 塩化Gd:40〜88モル%、好ましくは42〜 75.95
モル% 塩化Ho+塩化Yb:1.01〜30モル%、好ましくは4.
05〜23モル% 塩化Ba+塩化Ca:10〜45モル%、好ましくは2
0〜35モル%
【0020】(5) GdCl3 −SrCl2 −CaCl2 −HoCl3 −YbCl3 塩化Gd:50〜78モル%、好ましくは51〜70モ
ル% 塩化Ho+塩化Yb:1.01〜19モル%、好ましくは4.05
〜19モル% 塩化Sr+塩化Ca:20〜40モル%、好ましくは2
0〜30モル%
【0021】(6) GdCl3 −BaCl2 −SrCl2 −CaCl2 −HoCl3 −YbCl3 塩化Gd:40〜88モル%、好ましくは42〜 75.95
モル% 塩化Ho+塩化Yb:1.01〜30モル%、好ましくは4.05
〜23モル% 塩化Ba、塩化Sr、塩化Ca合計量:10〜45モル%、好まし
くは20〜35モル%
【0022】上記ガラス形成助剤(BaCl2 、SrCl2 、Ca
Cl2 )と共にLiCl、NaCl、KCl、RbCl、
CsCl、PbCl2 およびTlClを併用すれば、更
に安定なガラス材を得ることができる。これらの添加量
は約40モル%以下である。上記ガラス形成助剤(BaCl
2 、SrCl2 、CaCl2 )と共にこれらLiCl、NaC
l、KCl、RbCl、CsCl、PbCl2 およびT
lClをガラス組成に導入するとガラス転移点が低くな
る。
【0023】本発明の塩化物ガラス材は、精製乾燥した
原料の塩化物粉末を所定量調合した混合粉末を塩素ガス
雰囲気または真空下で加熱溶融し、ガラス転移点以下に
急冷して得られる。冷却速度は、60 K/s以上である。
冷却速度が上記値未満だと一部に結晶が生じるなどして
失透する場合がある。得られた急冷体のX線回折曲線
は、図2に例示するように、結晶体に見られるような特
定のピークが認められず、ガラス質であることがわか
る。また各原料塩の組成に対応するピークも認められ
ず、これらの単なる混合物ではないことが確認できる。
さらに図3の示差熱分析曲線に例示されるようにガラス
転移点が認められ、これによってもガラス質であること
が分かる。なお、本発明のガラスは、上記のような融液
の冷却過程による他、例えば、気相成長法等の既知の非
晶質形成方法によっても製造することができる。
【0024】
【実施例および比較例】以下に本発明の実施例を比較例
と共に示す。なお、本実施例は例示であり、本発明の範
囲を限定するものではない。
【0025】実施例1 ガラス母材のGdCl3 およびHoCl3 粉末とYbC
3 粉末は、それぞれ市販のGd2 3 ,Ho2 3
たはYb2 3 から常法により合成した後に加熱溶融し
て塩素ガスを吹き込み完全に脱水精製したものを用い
た。またガラス形成助剤のBaCl2 は320℃の乾燥
容器中で2日間乾燥した高純度の無水結晶を用いた。こ
れらの原料粉末をGdCl3 40.5モル%、BaCl
2 44.5モル%、HoCl3 0.1モル%、YbCl
3 14.9モル%の割合に調合した混合粉末を透明石英
ガラス管(内径1.5mm,肉厚0.6mm,長さ200mm )に真空封
入してアンプルを作成し、これを加熱炉にて600℃で
15分間溶融させた。得られた融液をアンプルごと直ち
に250℃まで冷却し(冷却速度80 K/s)、2時間の
アニール後そのまま1K/min で徐冷を行なってうす橙
色の透明体を得た。
【0026】得られた透明体を肉眼で確認したところ、
内部及び表面に結晶の析出は認められなかった。また、
この透明体をX線回折により測定したところ、その散乱
強度の曲線は図2に示すように、結晶体に見られるよう
な鋭いピークが認められず、ガラス質であることが確認
された。さらに、この透明体の示差熱分析曲線は、図3
に示すように250℃付近でガラス転移点(Tg)が認めら
れ、この測定からもガラス質であることが確認された。
【0027】実施例2〜37 実施例1と同一のGdCl3 、BaCl2 、HoCl3
およびYbCl3 粉末を用い、実施例1と同様に処理し
たSrCl2 及びCaCl2 粉末を表1に示すモル比に
調合し、この混合粉末を実施例1と同様にして処理して
以下のガラス材を得た。 GdCl3 −BaCl2 −HoCl3 −YbCl3 GdCl3 −SrCl2 −HoCl3 −YbCl3 GdCl3 −CaCl2 −HoCl3 −YbCl3 GdCl3 −BaCl2 −SrCl2 −HoCl3 −Y
bCl3 GdCl3 −SrCl2 −CaCl2 −HoCl3 −Y
bCl3 GdCl3 −CaCl2 −BaCl2 −HoCl3 −Y
bCl3 得られたガラス材は透明であり、肉眼で観察したとこ
ろ、内部にも表面にも結晶の析出は認められなかった。
実施例1と同様にして透明体がガラス体であることを確
認した。
【0028】
【表1】
【0029】発光スペクトルの測定 実施例5で得られたガラス材を石英アンプルから取り出
して長さ約5mmの円柱状に切断し、切断部を面研磨した
試料に波長980nmの半導体レーザ(20mW)を照射したと
ころ、ガラス材内部で緑色発光することが確認された。
この発光スペクトルを図4に実線で示す。また、常法に
従って製造したフッ化物ガラス(53ZrF4・22BaF 2 ・4La
F3 ・3AlF3 ・7.3NaF・4NaCl ・0.6InF3 ・0.1HoF3 ・6
Yb 3 )を同一形状に作製し、切断して面研磨して得た
比較試料についても同様に測定した。結果は図4に示す
通りであり、本実施例のガラス材は波長530〜560
nm付近において強い緑色発光を示し、この強度は従来の
フッ化物ガラスに比べて約10倍も高い。他の実施例の
試料についても同様に測定を行なったところ、波長53
0〜560nm付近の緑色光強度は実施例1と同様に上記
フッ化物ガラスの3〜10倍近くであった。この結果を
纏めて表1に示した。
【0030】
【発明の効果】本発明の波長変換材はガラス材であるの
で、結晶体の波長変換材料よりも製造が容易であり、フ
ァイバー等の種々の形状の製品に加工することが可能で
ある。また、吸収幅がブロードであるために、励起光の
波長ゆらぎがあっても吸収効率の変動が小さく、よって
発光効率の変動が少ない。従って、温度や電流等の影響
により出力波長が変動しやすい半導体レ−ザーを励起光
として用いた場合でも、比較的安定した出力が得られ
る。また、本発明ではガラス母材として塩化Gdおよび
アルカリ土類金属の塩化物を用いているため、かつガラ
ス転移点が200℃以上であり、従来の塩化物ガラス
(ガラス転移点が175 ℃程度)に比べてガラス転移点が
格段に高く、安定である。さらに本発明の波長変換ガラ
ス材は、最大の特長として、従来のフッ化物系波長変換
ガラス材よりも緑色域の光変換効率が格段に優れてい
る。このためにディスプレイやアップコンバージョン方
式による緑色レーザー等、幅広い分野への応用が可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塩化Gd2 −塩化Ba−塩化(H
o,Yb)のガラス化範囲を示すグラフ。
【図2】実施例1のガラス材のX線回折チャート。
【図3】実施例1のガラス材の示差熱分析曲線を示すグ
ラフ。
【図4】実施例5のガラス材と従来のフッ化物ガラスの
発光強度を示すスペクトル図。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ガドリニウムをガラス形成剤とし、ア
    ルカリ土類塩化物をガラス形成助剤とする塩化物ガラス
    母材に発光中心源の塩化ホルミウムおよび増感剤の塩化
    イッテルビウムを含有させてなる波長変換ガラス材。
  2. 【請求項2】塩化ホルミウムの含有量が0.01〜5モ
    ル%、塩化イッテルビウムの含有量が1〜25モル%で
    あり、かつ塩化イッテルビウムが塩化ホルミウムに対し
    て5〜2500倍量である請求項1の波長変換ガラス
    材。
  3. 【請求項3】上記ガラス形成助剤が、塩化バリウム、塩
    化ストロンチウム、塩化カルシウムの1種または2種以
    上の組合せである請求項1の波長変換ガラス材。
  4. 【請求項4】塩化ガドリニウム40〜88モル%、塩化
    バリウム10〜45モル%および塩化ホルミウムと塩化
    イッテルビウムの合計量1.01〜30モル%からなる
    請求項2の波長変換ガラス材。
  5. 【請求項5】塩化ガドリニウム50〜78モル%、塩化
    ストロンチウム20〜40モル%および塩化ホルミウム
    と塩化イッテルビウムの合計量1.01〜19モル%か
    らなる請求項2の波長変換ガラス材。
  6. 【請求項6】塩化ガドリニウム50〜78モル%、塩化
    カルシウム20〜40モル%および塩化ホルミウムと塩
    化イッテルビウムの合計量1.01〜17モル%からな
    る請求項2の波長変換ガラス材。
  7. 【請求項7】塩化ガドリニウム40〜88モル%、塩化
    バリウムと塩化ストロンチウムの合計量10〜45モル
    %、および塩化ホルミウムと塩化イッテルビウムの合計
    量1.01〜30モル%からなる請求項2の波長変換ガ
    ラス材。
  8. 【請求項8】塩化ガドリニウム40〜88モル%、塩化
    バリウムと塩化カルシウムの合計量10〜45モル%、
    および塩化ホルミウムと塩化イッテルビウムの合計量
    1.01〜30モル%からなる請求項2の波長変換ガラ
    ス材。
  9. 【請求項9】塩化ガドリニウム50〜78モル%、塩化
    ストロンチウムと塩化カルシウムの合計量20〜40モ
    ル%、および塩化ホルミウムと塩化イッテルビウムの合
    計量1.01〜19モル%からなる請求項2の波長変換
    ガラス材。
  10. 【請求項10】塩化ガドリニウム40〜88モル%、塩
    化バリウムと塩化ストロンチウムと塩化カルシウムの合
    計量10〜45モル%、および塩化ホルミウムと塩化イ
    ッテルビウムの合計量1.01〜30モル%からなる請
    求項2の波長変換ガラス材。
JP5178995A 1995-02-16 1995-02-16 波長変換ガラス材 Withdrawn JPH08217491A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5178995A JPH08217491A (ja) 1995-02-16 1995-02-16 波長変換ガラス材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5178995A JPH08217491A (ja) 1995-02-16 1995-02-16 波長変換ガラス材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08217491A true JPH08217491A (ja) 1996-08-27

Family

ID=12896719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5178995A Withdrawn JPH08217491A (ja) 1995-02-16 1995-02-16 波長変換ガラス材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08217491A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN118239688A (zh) * 2024-03-19 2024-06-25 中国科学院福建物质结构研究所 一种含BaCl2纳米晶的中红外发光硫卤玻璃陶瓷及其制备方法与应用

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN118239688A (zh) * 2024-03-19 2024-06-25 中国科学院福建物质结构研究所 一种含BaCl2纳米晶的中红外发光硫卤玻璃陶瓷及其制备方法与应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Man et al. Upconversion luminescence of Er 3+ in alkali bismuth gallate glasses
Zou et al. Spectroscopic properties and mechanisms of excited state absorption and energy transfer upconversion for Er3+-doped glasses
US5955388A (en) Transparent oxyflouride glass-ceramic composition and process of making
De Sousa et al. On the observation of 2.8 μm emission from diode-pumped Er 3+-and Yb 3+-doped low silica calcium aluminate glasses
JP4179641B2 (ja) Tb又はEuを含有するフツ燐酸塩蛍光ガラス
Hayashi et al. 1.4 μm band emission properties of Tm 3+ ions in transparent glass ceramics containing PbF 2 nanocrystals for S-band amplifier
US7637124B2 (en) Bismuth containing fluorophosphate glass and method for making thereof
US6015765A (en) Rare earth soluble telluride glasses
Ravangvong et al. Dy3+ ions doped (Na2O/NaF)-Gd2O3–P2O5 glasses for solid state lighting material applications
Lakshminarayana et al. Spectral analysis of RE3+ (RE= Er, Nd, Pr and Ho): GeO2–B2O3–ZnO–LiF glasses
Baesso et al. Rare-earth doped low silica calcium aluminosilicate glasses for near and mid infrared applications
Pardo et al. Spectroscopic properties of Er3+ and Nd3+ doped glasses with the 0.8 CaSiO3–0.2 Ca3 (PO4) 2 eutectic composition
Namboothiri et al. Impact of Sm3+ ions concentration on the luminescence features of aluminium incorporated tri-former glasses for photonic applications
Kesavulu et al. Optical and upconversion properties of Er3+-doped oxyfluoride transparent glass-ceramics containing SrF2 nanocrystals
Tanabe et al. Improved Fluorescence from Tm‐Ho‐and Tm‐Ho‐Eu‐Codoped Transparent PbF2 Glass‐Ceramics for S+‐Band Amplifiers
US5439616A (en) Infrared light-excited light-emitting substance
Anjaiah et al. Concentration dependent luminescence and energy transfer properties of samarium doped LLSZFB glasses
AbouDeif et al. Characterization of absorption, emission cross section and gain coefficient of tellurite glasses doped with Er3+ ions for fiber amplifier
Zhou et al. Effects of TeO2 and CaCl2 network modifiers on the Er3+: 4I11/2→ 4I13/2 transition in fluoroaluminate multi-component glasses
JPH08217490A (ja) 波長変換ガラス材
JPH08217489A (ja) 波長変換ガラス材
Chialanza et al. The effect of cation modifier on improving the luminescent properties of borate glasses doped with Yb3+ and Er3+
JPH0986958A (ja) 波長変換ガラス材
JPH08217488A (ja) 波長変換ガラス材
JPH08217487A (ja) 波長変換ガラス材

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020507