JPH08217613A - 歯科用硬化性組成物 - Google Patents
歯科用硬化性組成物Info
- Publication number
- JPH08217613A JPH08217613A JP7043526A JP4352695A JPH08217613A JP H08217613 A JPH08217613 A JP H08217613A JP 7043526 A JP7043526 A JP 7043526A JP 4352695 A JP4352695 A JP 4352695A JP H08217613 A JPH08217613 A JP H08217613A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- compound
- root canal
- calcium phosphate
- curable composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Dental Preparations (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 水和自己硬化性リン酸カルシウム化合物、特
にα−リン酸3カルシウム、X線造影剤、フッ素化合
物、特に水溶性フッ素化合物、酸及び水とを含有してな
り、上記X線造影剤に高分子化合物を担持させると共
に、上記フッ素化合物と上記酸とをフッ素原子と水和自
己硬化性リン酸カルシウム化合物のカルシウム原子との
モル比、酸と上記カルシウム原子とのモル比がそれぞれ
0.01〜0.4となる割合で使用することを特徴とす
る歯科用硬化性組成物。 【効果】 本発明の歯科用硬化性組成物は、根管に充填
されるに適当な付着性及び十分な操作性、特に流動性を
有し、生体中で適度な時間で完全に硬化し、更に硬化と
共にリン酸カルシウム化合物がアパタイトに転換するた
め生体中で極めて安定であり、刺激も全くなく、生体親
和性に優れた根管充填材である。
にα−リン酸3カルシウム、X線造影剤、フッ素化合
物、特に水溶性フッ素化合物、酸及び水とを含有してな
り、上記X線造影剤に高分子化合物を担持させると共
に、上記フッ素化合物と上記酸とをフッ素原子と水和自
己硬化性リン酸カルシウム化合物のカルシウム原子との
モル比、酸と上記カルシウム原子とのモル比がそれぞれ
0.01〜0.4となる割合で使用することを特徴とす
る歯科用硬化性組成物。 【効果】 本発明の歯科用硬化性組成物は、根管に充填
されるに適当な付着性及び十分な操作性、特に流動性を
有し、生体中で適度な時間で完全に硬化し、更に硬化と
共にリン酸カルシウム化合物がアパタイトに転換するた
め生体中で極めて安定であり、刺激も全くなく、生体親
和性に優れた根管充填材である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に糊材根管充填材或
いは根管充填シーラーとして好適に使用される歯科用硬
化性組成物に関する。
いは根管充填シーラーとして好適に使用される歯科用硬
化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】根管充
填は歯科保存領域における根管治療の最終処置であり、
その目的は抜髄後、或いは感染根管治療後の根管腔に根
管充填材を気密に充填して根管を封鎖することにより、
口腔内及び歯根膜と根管とを遮断し、再感染防止、根尖
部治癒促進及び根尖創傷部を保護することであり、その
予後を左右する重要な治療行為である。
填は歯科保存領域における根管治療の最終処置であり、
その目的は抜髄後、或いは感染根管治療後の根管腔に根
管充填材を気密に充填して根管を封鎖することにより、
口腔内及び歯根膜と根管とを遮断し、再感染防止、根尖
部治癒促進及び根尖創傷部を保護することであり、その
予後を左右する重要な治療行為である。
【0003】従来、根管充填材は大きく固形根管充填材
と糊材根管充填材とに大別される。前者は物理的な根管
腔の閉鎖を目的とし、ガッタパーチャポイントや金属ポ
イント等が使用されているが、固形根管充填材だけでは
封鎖性が十分でないため、糊材根管充填材を根管充填シ
ーラーとして併用している根管充填法が現在一般的な治
療法である。一方、糊材根管充填材は、そのペースト
(スラリー)のみを充填する材料である。
と糊材根管充填材とに大別される。前者は物理的な根管
腔の閉鎖を目的とし、ガッタパーチャポイントや金属ポ
イント等が使用されているが、固形根管充填材だけでは
封鎖性が十分でないため、糊材根管充填材を根管充填シ
ーラーとして併用している根管充填法が現在一般的な治
療法である。一方、糊材根管充填材は、そのペースト
(スラリー)のみを充填する材料である。
【0004】糊材根管充填材には硬化性糊材と非硬化性
糊材とがある。硬化性糊材には、酸化亜鉛−ユージノー
ル系、ヨードホルム系及び高分子化合物系等があり、非
硬化性糊材には、ヨードホルム系及び水酸化カルシウム
系等があるが、これらには以下の問題点がある。
糊材とがある。硬化性糊材には、酸化亜鉛−ユージノー
ル系、ヨードホルム系及び高分子化合物系等があり、非
硬化性糊材には、ヨードホルム系及び水酸化カルシウム
系等があるが、これらには以下の問題点がある。
【0005】即ち、非硬化性糊材は、生体に徐々に吸収
され、場合によっては完全になくなることもある。つま
り根管内に死腔ができたり、封鎖性がなくなることによ
り、再感染や炎症の原因となったりする。また、根管充
填材は歯根膜組織に接するため組織刺激性は絶対にあっ
てはならないが、近年この刺激性が特に問題となってい
る。例えば、各根管充填材に配合されているユージノー
ル等の物質が溶出し、刺激性を示すことが問題となって
いる。更に、水酸化カルシウム系製剤では、水酸化カル
シウムにより局所のpHが上昇し、組織刺激性を示して
いることが問題となっている。
され、場合によっては完全になくなることもある。つま
り根管内に死腔ができたり、封鎖性がなくなることによ
り、再感染や炎症の原因となったりする。また、根管充
填材は歯根膜組織に接するため組織刺激性は絶対にあっ
てはならないが、近年この刺激性が特に問題となってい
る。例えば、各根管充填材に配合されているユージノー
ル等の物質が溶出し、刺激性を示すことが問題となって
いる。更に、水酸化カルシウム系製剤では、水酸化カル
シウムにより局所のpHが上昇し、組織刺激性を示して
いることが問題となっている。
【0006】しかも、生体に適応する以上、生体親和性
は必要であるが、上記根管充填材は生体成分とは全くか
け離れた材料であり、全く生体親和性はない。
は必要であるが、上記根管充填材は生体成分とは全くか
け離れた材料であり、全く生体親和性はない。
【0007】このような問題を解決するため近年、生体
親和性に優れるリン酸カルシウムを成分とする糊材根管
充填材が提案されている(特開昭60−225568、
同60−253454、同61−236644、同62
−19507、同62−19508、特開平4−230
612号公報等)。これらは、水和自己硬化性リン酸カ
ルシウム或いは歯や骨の無機成分であるハイドロキシア
パタイトを配合した製剤である。
親和性に優れるリン酸カルシウムを成分とする糊材根管
充填材が提案されている(特開昭60−225568、
同60−253454、同61−236644、同62
−19507、同62−19508、特開平4−230
612号公報等)。これらは、水和自己硬化性リン酸カ
ルシウム或いは歯や骨の無機成分であるハイドロキシア
パタイトを配合した製剤である。
【0008】しかしながら、例えば前者では、その操作
性や硬化性を向上させるためにポリアクリル酸等の不飽
和カルボン酸重合体を高濃度含有する酸性練和液を使用
しており、pHが低いために刺激性がある。また、pH
が中性のものであっても、不飽和カルボン酸重合体が高
濃度で配合されているので、生体への溶出による組織為
害性が問題となる上、このように不飽和カルボン酸重合
体が多量に配合されていると、リン酸カルシウムが生体
内で唯一安定なアパタイトに転換することを阻害し、そ
の転換を極めて遅くしたり、転換させないといった問題
を生じさせる。
性や硬化性を向上させるためにポリアクリル酸等の不飽
和カルボン酸重合体を高濃度含有する酸性練和液を使用
しており、pHが低いために刺激性がある。また、pH
が中性のものであっても、不飽和カルボン酸重合体が高
濃度で配合されているので、生体への溶出による組織為
害性が問題となる上、このように不飽和カルボン酸重合
体が多量に配合されていると、リン酸カルシウムが生体
内で唯一安定なアパタイトに転換することを阻害し、そ
の転換を極めて遅くしたり、転換させないといった問題
を生じさせる。
【0009】一方、ハイドロキシアパタイトを配合した
製剤は、ハイドロキシアパタイトそのものは生体親和性
があるが、これにグアヤコール、ロジン等の生体親和性
がない非生体成分を多量に配合するため、ハイドロキシ
アパタイト使用の特性を減じ、実質的に生体親和性をな
くしてしまうのである。
製剤は、ハイドロキシアパタイトそのものは生体親和性
があるが、これにグアヤコール、ロジン等の生体親和性
がない非生体成分を多量に配合するため、ハイドロキシ
アパタイト使用の特性を減じ、実質的に生体親和性をな
くしてしまうのである。
【0010】従って、リン酸カルシウムを成分とする糊
材根管充填材の問題を解消するためには、リン酸カルシ
ウムとして水和自己硬化性リン酸カルシウムを配合した
製剤とし、仮に不飽和カルボン酸重合体等の高分子化合
物を配合するとしても、その配合量は極少量とし、水和
自己硬化性リン酸カルシウムを主成分とした根管充填材
とすることが考えられる。
材根管充填材の問題を解消するためには、リン酸カルシ
ウムとして水和自己硬化性リン酸カルシウムを配合した
製剤とし、仮に不飽和カルボン酸重合体等の高分子化合
物を配合するとしても、その配合量は極少量とし、水和
自己硬化性リン酸カルシウムを主成分とした根管充填材
とすることが考えられる。
【0011】一方、本発明者は、特開昭62−1821
46号公報及び特開平5−839号公報において、硬化
時間、硬度、破砕強度等に優れた硬化性組成物を提案し
ている。これらの硬化性組成物は、骨補充材や歯牙充填
セメント等として用いる場合は優れた特性を示すが、根
管充填材等のように細い根管等に充填する材料として使
用する場合、該組成物のスラリーは象牙質、充填器具、
ポイント等に対する付着性が十分でないので適当ではな
い。
46号公報及び特開平5−839号公報において、硬化
時間、硬度、破砕強度等に優れた硬化性組成物を提案し
ている。これらの硬化性組成物は、骨補充材や歯牙充填
セメント等として用いる場合は優れた特性を示すが、根
管充填材等のように細い根管等に充填する材料として使
用する場合、該組成物のスラリーは象牙質、充填器具、
ポイント等に対する付着性が十分でないので適当ではな
い。
【0012】根管充填材の要求特性としては、滑らかで
均一なスラリーであって操作性、特に流動性に優れ、生
体刺激性がなく、生体親和性に優れ、適度な硬化時間を
有し、且つ硬化性で、造影性があること等が挙げられる
が、従来提案されている根管充填材は、これらの性能を
いずれも兼備したものはなく、このためかかる性能を兼
備した根管充填材が望まれている。
均一なスラリーであって操作性、特に流動性に優れ、生
体刺激性がなく、生体親和性に優れ、適度な硬化時間を
有し、且つ硬化性で、造影性があること等が挙げられる
が、従来提案されている根管充填材は、これらの性能を
いずれも兼備したものはなく、このためかかる性能を兼
備した根管充填材が望まれている。
【0013】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、上記の性質を全て兼備し、優れた根管充填材として
使用される歯科用硬化性組成物を提供することを目的と
するものである。
で、上記の性質を全て兼備し、優れた根管充填材として
使用される歯科用硬化性組成物を提供することを目的と
するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を行った結果、水和自己硬
化性リン酸カルシウム化合物を主成分とし、X線造影
剤、フッ素化合物、酸及び水を配合するリン酸カルシウ
ム系の歯科用硬化性組成物において、X線造影剤に高分
子化合物を担持させ、かつフッ素化合物中のフッ素原子
と水和自己硬化性リン酸カルシウム化合物中のカルシウ
ム原子とのモル比及び酸と上記カルシウム原子とのモル
比がそれぞれ0.01〜0.4となるようにフッ素化合
物及び酸を配合することにより、糊材根管充填材として
適度な付着性を有すると共に、優れた操作性、特に流動
性を示し、根管への充填性及びその硬化性が良好である
上に、生体刺激性がなく、かつ生体親和性にも優れる歯
科用硬化性組成物が得られることを見い出した。
目的を達成するため鋭意検討を行った結果、水和自己硬
化性リン酸カルシウム化合物を主成分とし、X線造影
剤、フッ素化合物、酸及び水を配合するリン酸カルシウ
ム系の歯科用硬化性組成物において、X線造影剤に高分
子化合物を担持させ、かつフッ素化合物中のフッ素原子
と水和自己硬化性リン酸カルシウム化合物中のカルシウ
ム原子とのモル比及び酸と上記カルシウム原子とのモル
比がそれぞれ0.01〜0.4となるようにフッ素化合
物及び酸を配合することにより、糊材根管充填材として
適度な付着性を有すると共に、優れた操作性、特に流動
性を示し、根管への充填性及びその硬化性が良好である
上に、生体刺激性がなく、かつ生体親和性にも優れる歯
科用硬化性組成物が得られることを見い出した。
【0015】即ち、水和自己硬化性リン酸カルシウム化
合物、酸及び水からなる系のスラリーはアパタイト化に
よる硬化が遅い。そこで、アパタイト化促進剤としてフ
ッ素化合物を上記系に配合することにより、そのスラリ
ーの速やかなアパタイト化が進行する。
合物、酸及び水からなる系のスラリーはアパタイト化に
よる硬化が遅い。そこで、アパタイト化促進剤としてフ
ッ素化合物を上記系に配合することにより、そのスラリ
ーの速やかなアパタイト化が進行する。
【0016】一方、水和自己硬化性リン酸カルシウム化
合物、X線造影剤、フッ素化合物、酸及び水からなる系
のスラリーは、上述したように、象牙質、充填器具、ポ
イント等への付着性が不足する。この付着性を改善する
ためには、上記系に高分子化合物を少量添加することが
一つの解決策であるが、例えばそのような目的で添加さ
れる高分子化合物として一般的なポリアクリル酸等を通
常の状態で添加すると、スラリーの付着性は向上する
が、ポリアクリル酸等による速やかなキレート作用によ
りスラリーが短時間で硬化したり、均一で滑らかなスラ
リーを得ることができないという事態が生じる。また、
きめ細やかな粉末になりにくい高分子化合物の場合(例
えばPVA)、その添加によってスラリーにザラツキが
生じ、やはり均一で滑らかなスラリーを得ることができ
ない。そして、均一で滑らかなスラリーにならなけれ
ば、根管充填時に死腔が生じやすくなってしまう。
合物、X線造影剤、フッ素化合物、酸及び水からなる系
のスラリーは、上述したように、象牙質、充填器具、ポ
イント等への付着性が不足する。この付着性を改善する
ためには、上記系に高分子化合物を少量添加することが
一つの解決策であるが、例えばそのような目的で添加さ
れる高分子化合物として一般的なポリアクリル酸等を通
常の状態で添加すると、スラリーの付着性は向上する
が、ポリアクリル酸等による速やかなキレート作用によ
りスラリーが短時間で硬化したり、均一で滑らかなスラ
リーを得ることができないという事態が生じる。また、
きめ細やかな粉末になりにくい高分子化合物の場合(例
えばPVA)、その添加によってスラリーにザラツキが
生じ、やはり均一で滑らかなスラリーを得ることができ
ない。そして、均一で滑らかなスラリーにならなけれ
ば、根管充填時に死腔が生じやすくなってしまう。
【0017】そこで、上記のような高分子化合物をX線
造影剤に担持させたところ、その系のスラリーの付着性
が向上すると共に、ザラツキがなく、均一で滑らかなス
ラリーが得られることを知見した。ところが、かかる系
はそのスラリー性状は優れているが、スラリーの粘度が
高くなる場合が多く、根管充填時の操作性、特に流動性
に問題が生じてしまった。
造影剤に担持させたところ、その系のスラリーの付着性
が向上すると共に、ザラツキがなく、均一で滑らかなス
ラリーが得られることを知見した。ところが、かかる系
はそのスラリー性状は優れているが、スラリーの粘度が
高くなる場合が多く、根管充填時の操作性、特に流動性
に問題が生じてしまった。
【0018】かかる問題を解決するために、更に鋭意検
討を行ったところ、上記系において水和自己硬化性リン
酸カルシウム化合物が自己硬化によりアパタイトに転換
する化学反応に着目するに至り、フッ素化合物のフッ素
原子と水和自己硬化性リン酸カルシウム化合物のカルシ
ウム原子とのモル比、更に酸と上記カルシウム原子との
モル比について種々検討をしたところ、上記モル比がい
ずれも0.01〜0.4の範囲となるようにフッ素化合
物及び酸を配合することにより、その系のスラリーの粘
度が低下することを見い出した。
討を行ったところ、上記系において水和自己硬化性リン
酸カルシウム化合物が自己硬化によりアパタイトに転換
する化学反応に着目するに至り、フッ素化合物のフッ素
原子と水和自己硬化性リン酸カルシウム化合物のカルシ
ウム原子とのモル比、更に酸と上記カルシウム原子との
モル比について種々検討をしたところ、上記モル比がい
ずれも0.01〜0.4の範囲となるようにフッ素化合
物及び酸を配合することにより、その系のスラリーの粘
度が低下することを見い出した。
【0019】つまり、本発明者は、水和自己硬化性リン
酸カルシウム化合物、高分子化合物を担持したX線造影
剤、フッ素化合物、酸及び水からなる歯科用硬化性組成
物は、水和自己硬化性リン酸カルシウム化合物のカルシ
ウム原子とフッ素化合物のフッ素原子及び酸との配合割
合をある限られた範囲とすることにより、根管充填時に
優れた操作性を示すスラリーとなり、そのスラリーは充
填器具やポイント等を用いて根管に容易に充填し得るこ
と、その上、かかるスラリーは根管充填後には容易に硬
化してアパタイトに転換するので、上記組成物が生体に
吸収されることもなく、しかも充填後の速やかなリン酸
カルシウムのアパタイト化により、生体刺激性もなく、
生体親和性にも優れ、糊材根管充填材として非常に良好
な性能を兼備する歯科用硬化性組成物となることを知見
し、本発明をなすに至った。
酸カルシウム化合物、高分子化合物を担持したX線造影
剤、フッ素化合物、酸及び水からなる歯科用硬化性組成
物は、水和自己硬化性リン酸カルシウム化合物のカルシ
ウム原子とフッ素化合物のフッ素原子及び酸との配合割
合をある限られた範囲とすることにより、根管充填時に
優れた操作性を示すスラリーとなり、そのスラリーは充
填器具やポイント等を用いて根管に容易に充填し得るこ
と、その上、かかるスラリーは根管充填後には容易に硬
化してアパタイトに転換するので、上記組成物が生体に
吸収されることもなく、しかも充填後の速やかなリン酸
カルシウムのアパタイト化により、生体刺激性もなく、
生体親和性にも優れ、糊材根管充填材として非常に良好
な性能を兼備する歯科用硬化性組成物となることを知見
し、本発明をなすに至った。
【0020】即ち、本発明は、水和自己硬化性リン酸カ
ルシウム化合物、X線造影剤、フッ素化合物、酸及び水
を含有してなり、上記X線造影剤に高分子化合物を担持
させると共に、上記フッ素化合物をそのフッ素原子が上
記水和自己硬化性リン酸カルシウム化合物のカルシウム
原子に対してF/Ca=0.01〜0.4(モル比)と
なる割合で使用し、更に上記酸を上記カルシウム原子に
対して酸/Ca=0.01〜0.4(モル比)となる割
合で使用することを特徴とする歯科用硬化性組成物を提
供する。
ルシウム化合物、X線造影剤、フッ素化合物、酸及び水
を含有してなり、上記X線造影剤に高分子化合物を担持
させると共に、上記フッ素化合物をそのフッ素原子が上
記水和自己硬化性リン酸カルシウム化合物のカルシウム
原子に対してF/Ca=0.01〜0.4(モル比)と
なる割合で使用し、更に上記酸を上記カルシウム原子に
対して酸/Ca=0.01〜0.4(モル比)となる割
合で使用することを特徴とする歯科用硬化性組成物を提
供する。
【0021】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の歯科用硬化性組成物は、水和自己硬化性リン酸カル
シウム化合物、高分子化合物を担持したX線造影剤、フ
ッ素化合物、酸及び水を含有してなるものである。
明の歯科用硬化性組成物は、水和自己硬化性リン酸カル
シウム化合物、高分子化合物を担持したX線造影剤、フ
ッ素化合物、酸及び水を含有してなるものである。
【0022】ここで、本発明の組成物は、使用時にこれ
ら成分を混合して水スラリーとすることができるが、予
め粉剤と液剤とを調製しておき、使用時にこれら粉剤と
液剤とを混合する態様が使用性等の点から好適である。
この場合、粉剤としては、上記水和自己硬化性リン酸化
合物、高分子化合物を担持したX線造影剤、その他の水
不溶性又は難溶性成分を混合することによって調製し
得、液剤としては、水に上記酸、その他の水溶性成分を
溶解することによって調製し得る。また、上記フッ素化
合物は、水不溶性又は難溶性のものは粉剤中に混合し
得、水溶性フッ素化合物の場合は粉剤中に配合してもよ
いが、通常液剤中に混合、溶解される。なお、微量成分
は粉剤又は液剤に適宜混合される。
ら成分を混合して水スラリーとすることができるが、予
め粉剤と液剤とを調製しておき、使用時にこれら粉剤と
液剤とを混合する態様が使用性等の点から好適である。
この場合、粉剤としては、上記水和自己硬化性リン酸化
合物、高分子化合物を担持したX線造影剤、その他の水
不溶性又は難溶性成分を混合することによって調製し
得、液剤としては、水に上記酸、その他の水溶性成分を
溶解することによって調製し得る。また、上記フッ素化
合物は、水不溶性又は難溶性のものは粉剤中に混合し
得、水溶性フッ素化合物の場合は粉剤中に配合してもよ
いが、通常液剤中に混合、溶解される。なお、微量成分
は粉剤又は液剤に適宜混合される。
【0023】本発明で用いる水和自己硬化性リン酸カル
シウム化合物としては、公知のものを使用することがで
き、例えばα−リン酸3カルシウム(α−TCP)、リ
ン酸4カルシウム(4CP)、第2リン酸カルシウム・
2水和物(DCPD)、第2リン酸カルシウム・無水物
(DCPA)、リン酸8カルシウム(OCP)等が挙げ
られるが、これらの中でもα−TCPを単独で又は上記
他のリン酸カルシウム化合物を併用して用いるのが特に
好ましい。これらリン酸カルシウム化合物はその1種を
単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
シウム化合物としては、公知のものを使用することがで
き、例えばα−リン酸3カルシウム(α−TCP)、リ
ン酸4カルシウム(4CP)、第2リン酸カルシウム・
2水和物(DCPD)、第2リン酸カルシウム・無水物
(DCPA)、リン酸8カルシウム(OCP)等が挙げ
られるが、これらの中でもα−TCPを単独で又は上記
他のリン酸カルシウム化合物を併用して用いるのが特に
好ましい。これらリン酸カルシウム化合物はその1種を
単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
【0024】上記水和自己硬化性リン酸カルシウム化合
物の製造方法は特に制限されるものではなく、公知の方
法を採用することができる。例えばα−TCPの場合、
第1リン酸カルシウムからγピロリン酸カルシウムを製
造し、このγピロリン酸カルシウムと炭酸カルシウムと
からα−TCPを製造しても良く、又は上記反応を1段
階で行っても良い。また、その粒径も特に制限されるも
のではなく、組成物の使用目的等により適宜選択するこ
とができるが、平均粒径は0.3〜15μm、特に1〜
10μmであることが好ましく、最大粒径は2〜30μ
m、特に5〜20μmの範囲であることが好ましい。平
均粒径が上記範囲未満であると表面積が大きくなるた
め、溶解反応が速すぎて硬化時間が短かすぎる場合があ
り、上記範囲を超えると表面積が小さくなるため、溶解
反応が遅すぎて硬化時間が必要以上に長くなる場合があ
る。また、最大粒径が上記範囲未満であると平均粒径が
小さくなりすぎ、一方上記範囲を超えると細い根幹の中
で粗大粒子がつまるため死腔ができやすくなる場合があ
る。
物の製造方法は特に制限されるものではなく、公知の方
法を採用することができる。例えばα−TCPの場合、
第1リン酸カルシウムからγピロリン酸カルシウムを製
造し、このγピロリン酸カルシウムと炭酸カルシウムと
からα−TCPを製造しても良く、又は上記反応を1段
階で行っても良い。また、その粒径も特に制限されるも
のではなく、組成物の使用目的等により適宜選択するこ
とができるが、平均粒径は0.3〜15μm、特に1〜
10μmであることが好ましく、最大粒径は2〜30μ
m、特に5〜20μmの範囲であることが好ましい。平
均粒径が上記範囲未満であると表面積が大きくなるた
め、溶解反応が速すぎて硬化時間が短かすぎる場合があ
り、上記範囲を超えると表面積が小さくなるため、溶解
反応が遅すぎて硬化時間が必要以上に長くなる場合があ
る。また、最大粒径が上記範囲未満であると平均粒径が
小さくなりすぎ、一方上記範囲を超えると細い根幹の中
で粗大粒子がつまるため死腔ができやすくなる場合があ
る。
【0025】本発明の歯科用硬化性組成物における上記
水和自己硬化性リン酸カルシウム化合物の配合量は特に
制限されないが、上記粉剤全体の20〜95%(重量
%、以下同様)、特に50〜80%であることが好まし
い。20%未満であるとリン酸カルシウムから生成する
アパタイトの連続層が少なすぎて硬化しない場合があ
り、95%を超えると十分な造影力を付与するだけの造
影剤が配合できない場合がある。
水和自己硬化性リン酸カルシウム化合物の配合量は特に
制限されないが、上記粉剤全体の20〜95%(重量
%、以下同様)、特に50〜80%であることが好まし
い。20%未満であるとリン酸カルシウムから生成する
アパタイトの連続層が少なすぎて硬化しない場合があ
り、95%を超えると十分な造影力を付与するだけの造
影剤が配合できない場合がある。
【0026】ここで、本発明においては、必要に応じ、
上記水和自己硬化性リン酸カルシウム化合物に加えて、
第1リン酸カルシウム・無水塩、第1リン酸カルシウム
・1水和物、ハイドロキシアパタイト、フッ素アパタイ
ト、フッ素化アパタイト、β−リン酸3カルシウム、C
aCO3、MgO、CaO、Ca(OH)2等を1種単独
で又は2種以上を組み合わせて併用することもできる。
この場合、これらの配合量は特に制限されないが、上記
粉剤全体の1〜60%であることが好ましい。
上記水和自己硬化性リン酸カルシウム化合物に加えて、
第1リン酸カルシウム・無水塩、第1リン酸カルシウム
・1水和物、ハイドロキシアパタイト、フッ素アパタイ
ト、フッ素化アパタイト、β−リン酸3カルシウム、C
aCO3、MgO、CaO、Ca(OH)2等を1種単独
で又は2種以上を組み合わせて併用することもできる。
この場合、これらの配合量は特に制限されないが、上記
粉剤全体の1〜60%であることが好ましい。
【0027】次に、X線造影剤は、歯科医が充填後に十
分に充填されたか否かを判断するための必要成分であ
り、公知のX線造影剤が用いられるが、特に次炭酸ビス
マス、硫酸バリウム、ヨードホルムが好ましく、これら
は必要に応じ3成分併用系で用いることができる。
分に充填されたか否かを判断するための必要成分であ
り、公知のX線造影剤が用いられるが、特に次炭酸ビス
マス、硫酸バリウム、ヨードホルムが好ましく、これら
は必要に応じ3成分併用系で用いることができる。
【0028】上記X線造影剤の粒径は、特に制限される
ものではなく、歯科用硬化性組成物の使用目的等により
適宜選択することができるが、細い根管の隅々まで充填
することを考慮すれば、平均粒径は0.3〜15μm、
特に0.5〜8μmであることが好ましく、また、最大
粒径は2〜30μm、特に5〜15μmの範囲であるこ
とが好ましい。平均粒径が上記範囲未満であると高分子
の担持(コーティング)が不均一になりやすく、上記範
囲を超えると根幹の隅々まで充填することが困難になる
場合がある。また、最大粒径が上記範囲未満であると平
均粒径が小さくなりすぎ、一方上記範囲を超えると細い
根幹の中で粗大粒子がつまるため死腔ができやすくなる
場合がある。
ものではなく、歯科用硬化性組成物の使用目的等により
適宜選択することができるが、細い根管の隅々まで充填
することを考慮すれば、平均粒径は0.3〜15μm、
特に0.5〜8μmであることが好ましく、また、最大
粒径は2〜30μm、特に5〜15μmの範囲であるこ
とが好ましい。平均粒径が上記範囲未満であると高分子
の担持(コーティング)が不均一になりやすく、上記範
囲を超えると根幹の隅々まで充填することが困難になる
場合がある。また、最大粒径が上記範囲未満であると平
均粒径が小さくなりすぎ、一方上記範囲を超えると細い
根幹の中で粗大粒子がつまるため死腔ができやすくなる
場合がある。
【0029】本発明の歯科用硬化性組成物における上記
X線造影剤の配合量は特に制限されないが、上記粉剤全
体の3〜70%、特に20〜50%であることが好まし
い。3%未満であると組成物のスラリーが根管に十分に
充填されたか否かを判断することが困難となる場合があ
り、70%を超えるとリン酸カルシウム化合物の量が少
なくなり、アパタイトの連続層が少なくなって硬化しな
くなる場合がある。
X線造影剤の配合量は特に制限されないが、上記粉剤全
体の3〜70%、特に20〜50%であることが好まし
い。3%未満であると組成物のスラリーが根管に十分に
充填されたか否かを判断することが困難となる場合があ
り、70%を超えるとリン酸カルシウム化合物の量が少
なくなり、アパタイトの連続層が少なくなって硬化しな
くなる場合がある。
【0030】本発明の歯科用硬化性組成物において上記
X線造影剤に担持される高分子化合物としては、公知の
ものが用いられ、例えばポリカルボン酸類、、ポリビニ
ルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース
(CMC)及びこれらの誘導体などが挙げられるが、こ
れらの中でもPVAを用いるのが特に好ましい。これら
高分子化合物はその1種を単独で又は2種以上を併用し
て用いることができる。
X線造影剤に担持される高分子化合物としては、公知の
ものが用いられ、例えばポリカルボン酸類、、ポリビニ
ルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース
(CMC)及びこれらの誘導体などが挙げられるが、こ
れらの中でもPVAを用いるのが特に好ましい。これら
高分子化合物はその1種を単独で又は2種以上を併用し
て用いることができる。
【0031】上記高分子化合物を上記X線造影剤に担持
させる方法は特に制限されるものではなく、公知の方法
を採用することができる。例えば、使用する高分子化合
物の水溶液を調製し、その中に上記X線造影剤の1種単
独又は2種以上の混合物を懸濁させ、得られた懸濁液に
アルコール類や塩等を添加してX線造影剤の表面に上記
高分子化合物を析出させるコアセルベーション法等が好
適に採用される。
させる方法は特に制限されるものではなく、公知の方法
を採用することができる。例えば、使用する高分子化合
物の水溶液を調製し、その中に上記X線造影剤の1種単
独又は2種以上の混合物を懸濁させ、得られた懸濁液に
アルコール類や塩等を添加してX線造影剤の表面に上記
高分子化合物を析出させるコアセルベーション法等が好
適に採用される。
【0032】本発明の歯科用硬化性組成物における上記
高分子化合物の配合量は特に制限されないが、上記粉剤
全体の0.01〜5%、特に0.1〜3%とすることが
好ましい。0.01%未満であると上記歯科用硬化性組
成物のスラリーの付着性が不足する場合があり、5%を
超えると上記スラリーの粘度が上がりすぎたり、均一性
が損なわれる場合がある。
高分子化合物の配合量は特に制限されないが、上記粉剤
全体の0.01〜5%、特に0.1〜3%とすることが
好ましい。0.01%未満であると上記歯科用硬化性組
成物のスラリーの付着性が不足する場合があり、5%を
超えると上記スラリーの粘度が上がりすぎたり、均一性
が損なわれる場合がある。
【0033】フッ素化合物は、根管充填材の硬化促進と
リン酸カルシウムのアパタイトへの転換を促進するため
に配合される。ここで、生成したアパタイトはフッ素化
アパタイトであり、これはハイドロキシアパタイトより
溶解性が低く、より安定である。
リン酸カルシウムのアパタイトへの転換を促進するため
に配合される。ここで、生成したアパタイトはフッ素化
アパタイトであり、これはハイドロキシアパタイトより
溶解性が低く、より安定である。
【0034】本発明のフッ素化合物としては、上記目的
を達成し得る限りその種類は特に制限はされず、公知の
フッ素化合物を使用することができ、例えばBaF2、
CaF2、SrF2、MgF2、SnF2、ZnF2、Al
F3、LiF、KF、NaF、KFHF、NaFHF、
MFP、PbF4、NiF4及びケイフッ化物等が挙げら
れるが、これらの中では水溶性フッ素化合物を用いるの
が特に好ましい。これらフッ素化合物はその1種を単独
で又は2種以上を併用して用いることができる。
を達成し得る限りその種類は特に制限はされず、公知の
フッ素化合物を使用することができ、例えばBaF2、
CaF2、SrF2、MgF2、SnF2、ZnF2、Al
F3、LiF、KF、NaF、KFHF、NaFHF、
MFP、PbF4、NiF4及びケイフッ化物等が挙げら
れるが、これらの中では水溶性フッ素化合物を用いるの
が特に好ましい。これらフッ素化合物はその1種を単独
で又は2種以上を併用して用いることができる。
【0035】ここで、特開昭62−182146号公報
には、歯科用硬化性組成物の硬化体の強度を上げるため
に水難溶性のフッ素化合物を配合することが提案されて
いるが、根管充填材の場合は補填材や歯科用セメントと
は異なり、その硬化体が高強度を有する必要はない。従
って、本発明の歯科用硬化性組成物の場合、上記のよう
に水難溶性のフッ素化合物を配合することは必須ではな
い。しかし、本発明は水難溶性のフッ素化合物の配合を
禁ずるものではなく、必要に応じて水難溶性のフッ素化
合物を配合することができる。この場合、上記X線造影
剤と同様に高分子化合物を担持させてから配合すると好
適である。
には、歯科用硬化性組成物の硬化体の強度を上げるため
に水難溶性のフッ素化合物を配合することが提案されて
いるが、根管充填材の場合は補填材や歯科用セメントと
は異なり、その硬化体が高強度を有する必要はない。従
って、本発明の歯科用硬化性組成物の場合、上記のよう
に水難溶性のフッ素化合物を配合することは必須ではな
い。しかし、本発明は水難溶性のフッ素化合物の配合を
禁ずるものではなく、必要に応じて水難溶性のフッ素化
合物を配合することができる。この場合、上記X線造影
剤と同様に高分子化合物を担持させてから配合すると好
適である。
【0036】上記フッ素化合物の配合方法は、特に制限
されず、上記粉剤、液剤のいずれに配合しても良く、両
方に配合しても良い。ここで、上記液剤に配合する場合
はフッ素化合物を塩の形として加えるのが一般的である
が、その他にも例えばフッ酸とアルカリ金属及び/又は
アルカリ土類金属水酸化物等を上記液剤に加えて、次い
でその液剤を中和することにより液剤中にフッ化物を生
成させたり、又は中和に代えて分解反応を生ぜしめて液
剤中にフッ化物を生成させても良い。
されず、上記粉剤、液剤のいずれに配合しても良く、両
方に配合しても良い。ここで、上記液剤に配合する場合
はフッ素化合物を塩の形として加えるのが一般的である
が、その他にも例えばフッ酸とアルカリ金属及び/又は
アルカリ土類金属水酸化物等を上記液剤に加えて、次い
でその液剤を中和することにより液剤中にフッ化物を生
成させたり、又は中和に代えて分解反応を生ぜしめて液
剤中にフッ化物を生成させても良い。
【0037】本発明の歯科用硬化性組成物における上記
フッ素化合物の配合量は、上記水和自己硬化性リン酸カ
ルシウム化合物のカルシウム原子1モルに対してフッ素
化合物のフッ素原子が0.01〜0.4モル(F/Ca
=0.01〜0.4)の割合となることが必要であり、
好ましくは0.05〜0.3モルである。F/Caが
0.01未満であるとその硬化促進効果が十分発揮され
ず、またF/Caが0.4を超えると上記スラリーの硬
化が速すぎて十分な流動性が得られない。このようなフ
ッ素化合物の具体的な配合量は、フッ素化合物が例えば
水溶性フッ素化合物の場合は上記液剤中の濃度として
0.5〜20重量/容量%、特に5〜15重量/容量%
であり、水難溶性フッ素化合物の場合には粉剤全体の
0.05〜30%、特に0.5〜15%である。
フッ素化合物の配合量は、上記水和自己硬化性リン酸カ
ルシウム化合物のカルシウム原子1モルに対してフッ素
化合物のフッ素原子が0.01〜0.4モル(F/Ca
=0.01〜0.4)の割合となることが必要であり、
好ましくは0.05〜0.3モルである。F/Caが
0.01未満であるとその硬化促進効果が十分発揮され
ず、またF/Caが0.4を超えると上記スラリーの硬
化が速すぎて十分な流動性が得られない。このようなフ
ッ素化合物の具体的な配合量は、フッ素化合物が例えば
水溶性フッ素化合物の場合は上記液剤中の濃度として
0.5〜20重量/容量%、特に5〜15重量/容量%
であり、水難溶性フッ素化合物の場合には粉剤全体の
0.05〜30%、特に0.5〜15%である。
【0038】本発明の酸としては有機酸類や無機酸類等
の公知の酸を使用することができ、例えば有機酸類とし
てギ酸、酢酸及びプロピオン酸等の一塩基酸;クエン
酸、リンゴ酸、グリコール酸、糖酸、アスコルビン酸及
び乳酸等のヒドロキシカルボン酸;グルタミン酸及びア
スパラギン酸等の酸性アミノ酸;蓚酸、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸及びイタコン酸等の二塩
基酸;ピルビン酸、アセト酢酸及びレブリン酸等のケト
酸;芳香族カルボン酸及びポリカルボン酸類などの有機
酸やそれらの誘導体などが挙げられ、無機酸としてリン
酸、塩酸及び硝酸などが挙げられるが、これらの中では
クエン酸、リンゴ酸を用いるのが特に好ましい。これら
酸はその1種を単独で又は2種以上を併用して用いるこ
とができる。
の公知の酸を使用することができ、例えば有機酸類とし
てギ酸、酢酸及びプロピオン酸等の一塩基酸;クエン
酸、リンゴ酸、グリコール酸、糖酸、アスコルビン酸及
び乳酸等のヒドロキシカルボン酸;グルタミン酸及びア
スパラギン酸等の酸性アミノ酸;蓚酸、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸及びイタコン酸等の二塩
基酸;ピルビン酸、アセト酢酸及びレブリン酸等のケト
酸;芳香族カルボン酸及びポリカルボン酸類などの有機
酸やそれらの誘導体などが挙げられ、無機酸としてリン
酸、塩酸及び硝酸などが挙げられるが、これらの中では
クエン酸、リンゴ酸を用いるのが特に好ましい。これら
酸はその1種を単独で又は2種以上を併用して用いるこ
とができる。
【0039】本発明の歯科用硬化性組成物における酸の
配合量は、上記水和自己硬化性リン酸カルシウム化合物
中のカルシウム原子1モルに対して酸が0.01〜0.
4モル(酸/Ca=0.01〜0.4)となる割合とな
ることが必要であり、好ましくは0.05〜0.3モル
である。酸/Ca=0.01未満であるとその組成物を
スラリーとする際にリン酸カルシウム化合物が十分溶解
しないために十分な流動性が得られず、酸/Ca=0.
4を超えるとスラリーの硬化が速すぎて十分な流動性が
得られない。酸の具体的な配合量は、例えば上記液剤中
に配合する場合は、液剤中の濃度として3〜60重量/
容量%、特に25〜45重量/容量%である。
配合量は、上記水和自己硬化性リン酸カルシウム化合物
中のカルシウム原子1モルに対して酸が0.01〜0.
4モル(酸/Ca=0.01〜0.4)となる割合とな
ることが必要であり、好ましくは0.05〜0.3モル
である。酸/Ca=0.01未満であるとその組成物を
スラリーとする際にリン酸カルシウム化合物が十分溶解
しないために十分な流動性が得られず、酸/Ca=0.
4を超えるとスラリーの硬化が速すぎて十分な流動性が
得られない。酸の具体的な配合量は、例えば上記液剤中
に配合する場合は、液剤中の濃度として3〜60重量/
容量%、特に25〜45重量/容量%である。
【0040】本発明の歯科用硬化性組成物は、上記のよ
うにフッ素化合物と酸とを組み合わせて配合することに
より、それぞれを単独で配合した場合の作用効果に比し
て加成性な作用効果を得るものである。
うにフッ素化合物と酸とを組み合わせて配合することに
より、それぞれを単独で配合した場合の作用効果に比し
て加成性な作用効果を得るものである。
【0041】本発明の歯科用硬化性組成物には、更に上
記成分に加えて、アルミナ、シリカ、ジルコニア等の生
体中で溶解しない安定なフィラーなど、また、上記のよ
うにX線造影剤に担持させることなく少量のポリカルボ
ン酸類、PVA、CMC及びこれらの誘導体等の高分子
化合物の1種単独又は2種以上を組み合わせたものを本
発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
このような高分子化合物の種類は目的に応じて選択する
ことができるが、例えば本発明の歯科用硬化性組成物の
スラリーの操作性を更に向上させるならば、非架橋型、
或いは架橋型のポリアクリル酸、CMC及びそれらの誘
導体を1種単独で又は2種以上を併用して用いるのが特
に好ましい。これらの高分子化合物は、水に溶解して上
記液剤に添加しても良く、他の水溶性成分と共に上記液
剤として調製しても良い。また、上記粉剤に直接配合し
ても良い。
記成分に加えて、アルミナ、シリカ、ジルコニア等の生
体中で溶解しない安定なフィラーなど、また、上記のよ
うにX線造影剤に担持させることなく少量のポリカルボ
ン酸類、PVA、CMC及びこれらの誘導体等の高分子
化合物の1種単独又は2種以上を組み合わせたものを本
発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
このような高分子化合物の種類は目的に応じて選択する
ことができるが、例えば本発明の歯科用硬化性組成物の
スラリーの操作性を更に向上させるならば、非架橋型、
或いは架橋型のポリアクリル酸、CMC及びそれらの誘
導体を1種単独で又は2種以上を併用して用いるのが特
に好ましい。これらの高分子化合物は、水に溶解して上
記液剤に添加しても良く、他の水溶性成分と共に上記液
剤として調製しても良い。また、上記粉剤に直接配合し
ても良い。
【0042】本発明の歯科用硬化性組成物は、上記各成
分を別々に準備しておき、使用時に全成分を混合、練和
しても良く、或いは上述したように、上記各成分中の水
難溶性又は水不溶性の成分は予め混合撹拌して粉剤とし
て、また水溶性の成分は予め水に溶解して液剤として調
製しておき、使用時にこれら粉剤と液剤とを練和しても
良い。ここで、上記液剤は、pH=5〜中性付近、特に
pH=5.5〜6.5に調整しておくことが好ましい。
pHが低いと硬化が早すぎるため操作時間に余裕がなく
なる場合がある。一方、pHが高い場合については酸の
緩衝作用のためこれ以上には上がりづらい。pH調整剤
としてはアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物
等、更にその他のアルカリ性を示す物質が挙げられる。
分を別々に準備しておき、使用時に全成分を混合、練和
しても良く、或いは上述したように、上記各成分中の水
難溶性又は水不溶性の成分は予め混合撹拌して粉剤とし
て、また水溶性の成分は予め水に溶解して液剤として調
製しておき、使用時にこれら粉剤と液剤とを練和しても
良い。ここで、上記液剤は、pH=5〜中性付近、特に
pH=5.5〜6.5に調整しておくことが好ましい。
pHが低いと硬化が早すぎるため操作時間に余裕がなく
なる場合がある。一方、pHが高い場合については酸の
緩衝作用のためこれ以上には上がりづらい。pH調整剤
としてはアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物
等、更にその他のアルカリ性を示す物質が挙げられる。
【0043】本発明の歯科用硬化性組成物の使用方法は
公知の方法に準じて行うことができ、得られたスラリー
をレンツロ等の充填器具で、或いは固形根管充填材と共
に、容易且つ十分気密に根管に充填されるが、この際十
分な流動性を有すると共に、その付着性も良好であり、
適度な時間で水和自己硬化性反応により完全に硬化し、
更に硬化と共にリン酸カルシウム化合物がアパタイトに
転換するため、生体中で極めて安定であり、刺激性も全
くなく、生体親和性に優れたものである。この優れた生
体親和性は、根尖部において創傷治癒を阻害することも
なく、石灰化を促し、生物学的組織封鎖がなされるもの
である。
公知の方法に準じて行うことができ、得られたスラリー
をレンツロ等の充填器具で、或いは固形根管充填材と共
に、容易且つ十分気密に根管に充填されるが、この際十
分な流動性を有すると共に、その付着性も良好であり、
適度な時間で水和自己硬化性反応により完全に硬化し、
更に硬化と共にリン酸カルシウム化合物がアパタイトに
転換するため、生体中で極めて安定であり、刺激性も全
くなく、生体親和性に優れたものである。この優れた生
体親和性は、根尖部において創傷治癒を阻害することも
なく、石灰化を促し、生物学的組織封鎖がなされるもの
である。
【0044】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。 (1)α−TCPの製造 γ−Ca2P2O7とCaCO3とを混合し、1250℃で
4時間加熱した後、冷却し、α−TCPを得た。このα
−TCPの平均粒径は4μmであった。 (2)高分子化合物担持X線造影剤の製造 表1に示す高分子化合物(担持させる高分子化合物)の
3%水溶液をそれぞれ400ml調製し、各水溶液に塩
基性炭酸ビスマスを36gづつ添加して懸濁させた。次
に、各懸濁液にそれぞれメタノールを2000mlづつ
徐々に添加した。各懸濁液を濾過後乾燥して粒子状とし
高分子化合物担持X線造影剤を得た。得られた各高分子
化合物担持X線造影剤を電子顕微鏡で観察したところ、
それぞれ表1に示す高分子化合物を担持していることが
確認された。また、各高分子化合物担持X線造影剤の平
均粒径はいずれも2μmであった。 (3)粉剤の調製 上記α−TCP、更にDCPD、上記各高分子化合物担
持X線造影剤及びその他の添加剤を表1に示す通り撹拌
混合して粉剤を得た。なお、表1のPVA担持フッ化カ
ルシウムは、上記高分子化合物担持X線造影剤と同様に
してフッ化カルシウムに高分子化合物(PVA)を担持
させたものである。また、表1において各成分は以下の
ように略記している。 PVA :ポリビニルアルコール PAA :ポリアクリル酸 Bi :塩基性次炭酸ビスマス Ba :硫酸バリウム HA :ハイドロキシアパタイト CMC :カルボキシメチルセルロース CaF2* :PVA担持フッ化カルシウム Cit :クエン酸 Mal :リンゴ酸 Gly :グリコール酸 PAA・粉:粉剤添加のPAA PAA・液:液剤添加のPAA PVA・粉:粉剤添加のPVA そして、表1の添加物における%は、粉剤添加の場合は
粉剤全体に対する配合量(重量%)を示し、液剤添加の
場合は、液剤中の濃度(重量/容量%)を示している。 (4)液剤の調製 表1に示すフッ素化合物、酸及びその他の添加物を水に
溶解し、表1に示す通りpH調整して液剤を得た。 (5)歯科用硬化性組成物の調製 上記粉剤と液剤とを表1のL/Pに示す液剤/粉剤比
(ml/g)の割合で練和し、実施例1〜16及び比較
例1〜6の歯科用硬化性組成物(練和スラリー)を得
た。 (6)評価 上記各練和スラリーの性能を下記試験法に従って評価し
た。結果を表1に併記する。
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。 (1)α−TCPの製造 γ−Ca2P2O7とCaCO3とを混合し、1250℃で
4時間加熱した後、冷却し、α−TCPを得た。このα
−TCPの平均粒径は4μmであった。 (2)高分子化合物担持X線造影剤の製造 表1に示す高分子化合物(担持させる高分子化合物)の
3%水溶液をそれぞれ400ml調製し、各水溶液に塩
基性炭酸ビスマスを36gづつ添加して懸濁させた。次
に、各懸濁液にそれぞれメタノールを2000mlづつ
徐々に添加した。各懸濁液を濾過後乾燥して粒子状とし
高分子化合物担持X線造影剤を得た。得られた各高分子
化合物担持X線造影剤を電子顕微鏡で観察したところ、
それぞれ表1に示す高分子化合物を担持していることが
確認された。また、各高分子化合物担持X線造影剤の平
均粒径はいずれも2μmであった。 (3)粉剤の調製 上記α−TCP、更にDCPD、上記各高分子化合物担
持X線造影剤及びその他の添加剤を表1に示す通り撹拌
混合して粉剤を得た。なお、表1のPVA担持フッ化カ
ルシウムは、上記高分子化合物担持X線造影剤と同様に
してフッ化カルシウムに高分子化合物(PVA)を担持
させたものである。また、表1において各成分は以下の
ように略記している。 PVA :ポリビニルアルコール PAA :ポリアクリル酸 Bi :塩基性次炭酸ビスマス Ba :硫酸バリウム HA :ハイドロキシアパタイト CMC :カルボキシメチルセルロース CaF2* :PVA担持フッ化カルシウム Cit :クエン酸 Mal :リンゴ酸 Gly :グリコール酸 PAA・粉:粉剤添加のPAA PAA・液:液剤添加のPAA PVA・粉:粉剤添加のPVA そして、表1の添加物における%は、粉剤添加の場合は
粉剤全体に対する配合量(重量%)を示し、液剤添加の
場合は、液剤中の濃度(重量/容量%)を示している。 (4)液剤の調製 表1に示すフッ素化合物、酸及びその他の添加物を水に
溶解し、表1に示す通りpH調整して液剤を得た。 (5)歯科用硬化性組成物の調製 上記粉剤と液剤とを表1のL/Pに示す液剤/粉剤比
(ml/g)の割合で練和し、実施例1〜16及び比較
例1〜6の歯科用硬化性組成物(練和スラリー)を得
た。 (6)評価 上記各練和スラリーの性能を下記試験法に従って評価し
た。結果を表1に併記する。
【0045】<流動性(フロー)試験法>練和スラリー
を0.5ml取り、約20gのガラス板上に乗せた。練
和開始3分後に該スラリーの上にもう一枚の上記と同じ
ガラス板を乗せ、更にすぐに静かに100gの分銅を乗
せた。練和開始10分後に重りを外し、スラリーの広が
りを最大、最小直径の平均値(mm)として算出し、こ
れをフロー値とした。フロー値は、練和スラリーを根管
充填材として実使用する場合、25mm以上となること
が必要である。 <硬化性試験法>練和直後の練和スラリーを抜去歯に充
填し、37℃,相対湿度95%以上の恒温槽に入れ、2
4時間後の練和スラリーの硬化性を下記の評価基準によ
り官能評価した。 [評価基準] ○:全体にわたって均一に硬化している △:部分的に未硬化の部分があるか、又は全体にまだ柔
らかい ×:硬化していない 練和スラリーを根管充填材として実使用する場合、上記
評価基準において△又は○の評価を得ることが必要であ
る。 <付着性試験法>練和スラリーをレンツロ及びポイント
に付着させ、その付着性を下記の評価基準により官能評
価した。 [評価基準] ○:充填に必要な量が十分に付着している △:充填に必要な量がほぼ付着している ×:充填に必要な量が付着していない 各練和スラリーを根管充填材として実使用する場合、上
記評価基準において△又は○の評価を得ることが必要で
ある。
を0.5ml取り、約20gのガラス板上に乗せた。練
和開始3分後に該スラリーの上にもう一枚の上記と同じ
ガラス板を乗せ、更にすぐに静かに100gの分銅を乗
せた。練和開始10分後に重りを外し、スラリーの広が
りを最大、最小直径の平均値(mm)として算出し、こ
れをフロー値とした。フロー値は、練和スラリーを根管
充填材として実使用する場合、25mm以上となること
が必要である。 <硬化性試験法>練和直後の練和スラリーを抜去歯に充
填し、37℃,相対湿度95%以上の恒温槽に入れ、2
4時間後の練和スラリーの硬化性を下記の評価基準によ
り官能評価した。 [評価基準] ○:全体にわたって均一に硬化している △:部分的に未硬化の部分があるか、又は全体にまだ柔
らかい ×:硬化していない 練和スラリーを根管充填材として実使用する場合、上記
評価基準において△又は○の評価を得ることが必要であ
る。 <付着性試験法>練和スラリーをレンツロ及びポイント
に付着させ、その付着性を下記の評価基準により官能評
価した。 [評価基準] ○:充填に必要な量が十分に付着している △:充填に必要な量がほぼ付着している ×:充填に必要な量が付着していない 各練和スラリーを根管充填材として実使用する場合、上
記評価基準において△又は○の評価を得ることが必要で
ある。
【0046】
【表1】
【0047】表1の結果より、本発明の歯科用硬化性組
成物は、その練和スラリーが根管充填材として十分な流
動性及び付着性を有し、その上適度な時間で硬化するの
で、特に根管充填材の材料として有用であることが認め
られた。
成物は、その練和スラリーが根管充填材として十分な流
動性及び付着性を有し、その上適度な時間で硬化するの
で、特に根管充填材の材料として有用であることが認め
られた。
【0048】それに対し、リン酸カルシウム化合物中の
カルシウム原子とフッ素化合物中のフッ素原子及び/又
は酸とのモル比が本発明の範囲に含まれない場合(比較
例1〜5)、その練和スラリーは十分な流動性や適当な
硬化性が得られないことが認められる。更に、高分子化
合物を添加しない場合(比較例5)、十分な付着性が得
られないことが認められる。そして、極少量以上の高分
子化合物をX線造影剤に担持されていない状態で添加し
た場合(比較例6)、その歯科用硬化性組成物を練和し
たものはザラツキが激しく、十分な付着性が得られない
ことが認められる。
カルシウム原子とフッ素化合物中のフッ素原子及び/又
は酸とのモル比が本発明の範囲に含まれない場合(比較
例1〜5)、その練和スラリーは十分な流動性や適当な
硬化性が得られないことが認められる。更に、高分子化
合物を添加しない場合(比較例5)、十分な付着性が得
られないことが認められる。そして、極少量以上の高分
子化合物をX線造影剤に担持されていない状態で添加し
た場合(比較例6)、その歯科用硬化性組成物を練和し
たものはザラツキが激しく、十分な付着性が得られない
ことが認められる。
【0049】
【発明の効果】本発明の歯科用硬化性組成物は、根管に
充填されるに適当な付着性及び十分な操作性、特に流動
性を有し、生体中で適度な時間で完全に硬化し、更に硬
化と共にリン酸カルシウム化合物がアパタイトに転換す
るため生体中で極めて安定であり、刺激も全くなく、生
体親和性に優れた根管充填材である。
充填されるに適当な付着性及び十分な操作性、特に流動
性を有し、生体中で適度な時間で完全に硬化し、更に硬
化と共にリン酸カルシウム化合物がアパタイトに転換す
るため生体中で極めて安定であり、刺激も全くなく、生
体親和性に優れた根管充填材である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】上記水和自己硬化性リン酸カルシウム化合
物の製造方法は特に制限されるものではなく、公知の方
法を採用することができる。例えばα−TCPの場合、
第1リン酸カルシウムからγピロリン酸カルシウムを製
造し、このγピロリン酸カルシウムと炭酸カルシウムと
からα−TCPを製造しても良く、又は上記反応を1段
階で行っても良い。また、その粒径も特に制限されるも
のではなく、組成物の使用目的等により適宜選択するこ
とができるが、平均粒径は0.3〜15μm、特に1〜
10μmであることが好ましく、最大粒径は2〜30μ
m、特に5〜20μmの範囲であることが好ましい。平
均粒径が上記範囲未満であると表面積が大きくなるた
め、溶解反応が速すぎて硬化時間が短かすぎる場合があ
り、上記範囲を超えると表面積が小さくなるため、溶解
反応が遅すぎて硬化時間が必要以上に長くなる場合があ
る。また、最大粒径が上記範囲未満であると平均粒径が
小さくなりすぎ、一方上記範囲を超えると細い根管の中
で粗大粒子がつまるため死腔ができやすくなる場合があ
る。
物の製造方法は特に制限されるものではなく、公知の方
法を採用することができる。例えばα−TCPの場合、
第1リン酸カルシウムからγピロリン酸カルシウムを製
造し、このγピロリン酸カルシウムと炭酸カルシウムと
からα−TCPを製造しても良く、又は上記反応を1段
階で行っても良い。また、その粒径も特に制限されるも
のではなく、組成物の使用目的等により適宜選択するこ
とができるが、平均粒径は0.3〜15μm、特に1〜
10μmであることが好ましく、最大粒径は2〜30μ
m、特に5〜20μmの範囲であることが好ましい。平
均粒径が上記範囲未満であると表面積が大きくなるた
め、溶解反応が速すぎて硬化時間が短かすぎる場合があ
り、上記範囲を超えると表面積が小さくなるため、溶解
反応が遅すぎて硬化時間が必要以上に長くなる場合があ
る。また、最大粒径が上記範囲未満であると平均粒径が
小さくなりすぎ、一方上記範囲を超えると細い根管の中
で粗大粒子がつまるため死腔ができやすくなる場合があ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】上記X線造影剤の粒径は、特に制限される
ものではなく、歯科用硬化性組成物の使用目的等により
適宜選択することができるが、細い根管の隅々まで充填
することを考慮すれば、平均粒径は0.3〜15μm、
特に0.5〜8μmであることが好ましく、また、最大
粒径は2〜30μm、特に5〜15μmの範囲であるこ
とが好ましい。平均粒径が上記範囲未満であると高分子
の担持(コーティング)が不均一になりやすく、上記範
囲を超えると根管の隅々まで充填することが困難になる
場合がある。また、最大粒径が上記範囲未満であると平
均粒径が小さくなりすぎ、一方上記範囲を超えると細い
根管の中で粗大粒子がつまるため死腔ができやすくなる
場合がある。
ものではなく、歯科用硬化性組成物の使用目的等により
適宜選択することができるが、細い根管の隅々まで充填
することを考慮すれば、平均粒径は0.3〜15μm、
特に0.5〜8μmであることが好ましく、また、最大
粒径は2〜30μm、特に5〜15μmの範囲であるこ
とが好ましい。平均粒径が上記範囲未満であると高分子
の担持(コーティング)が不均一になりやすく、上記範
囲を超えると根管の隅々まで充填することが困難になる
場合がある。また、最大粒径が上記範囲未満であると平
均粒径が小さくなりすぎ、一方上記範囲を超えると細い
根管の中で粗大粒子がつまるため死腔ができやすくなる
場合がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落合 良仁 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 田中 隆夫 山口県下関市彦島迫町七丁目1番1号 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 和知 浩子 山口県下関市彦島迫町七丁目1番1号 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 諸隈 辰馬 山口県下関市彦島迫町七丁目1番1号 三 井東圧化学株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 水和自己硬化性リン酸カルシウム化合
物、X線造影剤、フッ素化合物、酸及び水を含有してな
り、上記X線造影剤に高分子化合物を担持させると共
に、上記フッ素化合物をそのフッ素原子が上記水和自己
硬化性リン酸カルシウム化合物のカルシウム原子に対し
てF/Ca=0.01〜0.4(モル比)となる割合で
使用し、更に上記酸を上記カルシウム原子に対して酸/
Ca=0.01〜0.4(モル比)となる割合で使用す
ることを特徴とする歯科用硬化性組成物。 - 【請求項2】 上記水和自己硬化性リン酸カルシウム化
合物がα−リン酸3カルシウムを含有する請求項1記載
の歯科用硬化性組成物。 - 【請求項3】 上記フッ素化合物が水溶性フッ素化合物
を含有する請求項1又は2記載の歯科用硬化性組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7043526A JPH08217613A (ja) | 1995-02-08 | 1995-02-08 | 歯科用硬化性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7043526A JPH08217613A (ja) | 1995-02-08 | 1995-02-08 | 歯科用硬化性組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08217613A true JPH08217613A (ja) | 1996-08-27 |
Family
ID=12666199
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7043526A Pending JPH08217613A (ja) | 1995-02-08 | 1995-02-08 | 歯科用硬化性組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08217613A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN115020100A (zh) * | 2022-06-09 | 2022-09-06 | 昆山磁通新材料科技有限公司 | 软磁复合材料固化曲线的制定方法 |
-
1995
- 1995-02-08 JP JP7043526A patent/JPH08217613A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN115020100A (zh) * | 2022-06-09 | 2022-09-06 | 昆山磁通新材料科技有限公司 | 软磁复合材料固化曲线的制定方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP0520690B1 (en) | Calcium phosphate type hardening material for repairing living hard tissue | |
| JP2621622B2 (ja) | 水硬性リン酸カルシウムセメント | |
| JP3110762B2 (ja) | 吸収可能な生体活性リン酸塩含有セメント | |
| JP5307547B2 (ja) | 骨修復のための2相セメント前駆体系 | |
| US20030078317A1 (en) | Process for preparing a paste from calcium phosphate cement | |
| CN100540068C (zh) | 接合剂配制物、骨替代物材料以及形成接合剂配制物的方法 | |
| US9259439B2 (en) | Dual-phase cement precursor systems for bone repair | |
| JPH05168692A (ja) | 生体硬組織修復用硬化性材料 | |
| JPS6219508A (ja) | 歯科用根管充填材 | |
| JP4668172B2 (ja) | プレミックスされた自硬性の骨移植ペースト | |
| JP2006522641A5 (ja) | ||
| JPH08217613A (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
| JP2537121B2 (ja) | 硬化性組成物 | |
| JPH06219917A (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
| JPH08217614A (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
| JP2754245B2 (ja) | 根管充填材 | |
| JPH059383B2 (ja) | ||
| JP2544073B2 (ja) | 医科歯科用硬化型セメント | |
| JPH06219918A (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
| JPH08245331A (ja) | 歯科用硬化性組成物 | |
| JP3000719B2 (ja) | 水硬性リン酸カルシウムセメント | |
| JPH0534300B2 (ja) | ||
| JPH03267067A (ja) | 水硬性リン酸カルシウムセメント硬化液 | |
| JPH07114804B2 (ja) | 医療用硬化性組成物 | |
| JPH03128062A (ja) | 水硬性リン酸カルシウムセメント組成物 |