JPH08217824A - 架橋性光学材料 - Google Patents

架橋性光学材料

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JPH08217824A
JPH08217824A JP2282695A JP2282695A JPH08217824A JP H08217824 A JPH08217824 A JP H08217824A JP 2282695 A JP2282695 A JP 2282695A JP 2282695 A JP2282695 A JP 2282695A JP H08217824 A JPH08217824 A JP H08217824A
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JP
Japan
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monomer
polymer
polymerization
styrene
precipitation
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JP2282695A
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English (en)
Inventor
Koichiro Oka
紘一郎 岡
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】沈殿重合法で重合した重合体を含有しているこ
とを特徴とする架橋性光学材料。 【効果】本発明により、透明で、高屈折率かつ軽量な架
橋性の光学材料を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチックレンズ、
透明板などに好適に用いられる、軽量、高屈折率且つ耐
久性に富む架橋性光学材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズに代表される架橋性
光学材料は、通常はモールドに充填したモノマ類をキャ
スト重合してつくられる。
【0003】キャスト重合には、一般に2つの大きな問
題点がある。それは、モノマの浸透性が高いことによる
ガスケットや、ガスケットとして使用する粘着テープの
損耗とモノマが低粘度であるために、キャスト重合中に
液モレが生じやすいことである。
【0004】その対策として、モノマにオリゴマまたは
ポリマを溶解し、モノマ全体の粘度を上昇させる方法が
提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】モノマ全体の粘度を上
昇させるために加えられるオリゴマまたはポリマは、通
常は別途ラジカル重合され、モノマに溶解される。
【0006】オリゴマまたはポリマのラジカル重合方法
としては、溶液重合法、ケン濁重合法、乳化重合法、塊
状重合法、沈殿重合法などがある。溶液重合法は、重合
度が高くなりにくいのと、重合体からの脱溶媒を行ない
にくい問題がある。ケン濁重合法及び乳化重合法は、重
合体からケン濁剤や乳化剤の除去を行なうのが難しく、
光学材料として使用すると透明性が劣る結果を与える。
塊状重合法は、残留モノマが多くなりやすいことと少規
模生産には向かない問題がある。
【0007】本発明は、かかる従来技術の欠点を解消し
ようとするものであり、透明性の高い、軽量、高屈折率
かつ高強度の光学材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために下記の構成を有する。
【0009】「沈殿重合法で重合した重合体を含有して
いることを特徴とする架橋性光学材料。」本発明で用い
られる沈殿重合法とは、その前駆体である重合性単量体
を溶解するが重合体は溶解しない溶剤に該重合性単量体
を溶解し、その溶液を重合することにより、一定の重合
度に達した重合体を析出物として回収する重合法のこと
である。
【0010】本発明で用いられる沈殿重合法により重合
するための重合性単量体としては、ラジカル重合性単官
能単量体、エポキシ樹脂と硬化剤、イソシアネート化合
物とアルコール性水酸基やアミノ基を含有する化合物な
どの重合性化合物の組合わせが用いられるが、沈殿重合
のし易さや本発明での使用目的(光学材料)から、本発
明において好ましく用いられる重合性単量体はラジカル
重合性の単量体である。
【0011】以下に、かかるラジカル重合性単官能単量
体(以下単量体Aとする)の代表例を示す。
【0012】(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレートのようなアルキ
ル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
トのようなヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
類、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロニトリ
ル、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチ
ル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリ
レートのようなアミノアルキル(メタ)アクリレート
類、酢酸ビニル、フマル酸、フマル酸無水物、ベンジル
メルカプタンのチオールメタクリレート、メタクリロキ
シチオエチレンチオメチレンベンゼン、芳香族ビニル系
単量体などがある。特に芳香族ビニル系単量体なかでも
スチレン系化合物を用いる場合には、光学材料の軽量
(低比重)化という点で、本発明を好ましく達成でき
る。
【0013】このようなスチレン系化合物としては、ス
チレン及びメチルスチレン、エチルスチレン、プロピル
スチレン、ネオペンチルスチレンなどのアルキルスチレ
ン類である。さらには、メトキシスチレン、ブトキシス
チレン、イソブトキシスチレンのようなアルコキシスチ
レン類、モノクロロメチルスチレンのようなハロゲン化
アルキルスチレン類がある。またヒドロキシメチルスチ
レンのようなヒドロキシアルキルスチレン類がある。
【0014】さらには、α−メチルスチレン、メチルα
−メチルスチレン、エチルα−メチルスチレンのような
アルキルα−メチルスチレン類、メトキシα−メチルス
チレン、ブトキシα−メチルスチレン、イソブトキシα
−メチルスチレンのようなアルコキシα−メチルスチレ
ン類、モノクロロメチルα−メチルスチレンのようなハ
ロゲン化アルキルα−メチルスチレン類がある。またヒ
ドロキシメチルα−メチルスチレンのようなヒドロキシ
アルキルα−メチルスチレン類がある。これらは、単独
または混合して使用される。
【0015】本発明は、上記のような芳香族ビニル系単
量体が好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは7
0モル%以上の場合に、本発明の達成が特に容易にな
る。芳香族ビニル系単量体の使用量が60モル%未満の
場合には、屈折率または比重のいずれかにおいて不充分
である傾向がある。
【0016】上記した単量体Aは、単量体Aを溶解する
がその重合体は溶解しない溶剤に溶解して沈殿重合され
る。本発明で用いられる溶剤の代表例を以下に示す。
【0017】ヘキサン、オクタンのような脂肪族炭化水
素、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化
水素、メタノール、エタノール、エチレングリコールの
ようなアルコール類、エチルエーテルのようなエーテル
類、酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル類、2−
メトキシエタノール、アセトン、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルアミド、ジメチルアセトアミドなどで
ある。これらは、単量体Aとその重合体の溶解性を基準
にして、単独または混合して使用される。これらのうち
で水溶性溶剤においては、特に溶解性の調節剤として水
が有効であることがある。
【0018】単量体Aの重合は、上記した溶剤に単量体
Aを溶解し、ラジカル重合開始剤とともに、通常は加
熱、攪拌下で沈殿重合される。
【0019】沈殿重合法では、重合体は一般に粉末とし
て回収されるために、洗浄と脱溶剤が簡単であるうえ、
重合中に特に分散剤などを加える必要がないため、得ら
れる重合体の純度は一般に高い。このため、光学材料用
途には好適に用いられる。
【0020】単量体Aの沈殿重合体は、その数平均重合
度(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下、
GPCという)によるポリスチレン換算値)が、10程
度から8000程度、さらには20程度から5000程
度のものが本発明を実施する上で好ましい。平均重合度
が10未満の場合には、本発明の本来の目的であるガス
ケットや、ガスケットとして使用する粘着テープの損耗
や液モレ、透明性低下などを防止できにくくなる。一
方、平均重合度が8000を越えると、単量体Aの沈殿
重合体を、本発明で用いる単量体Aを溶解する単量体
(以下単量体Bとする)に溶解する速度が低下する傾向
があり、また、溶液の粘度が高くなりすぎるために、キ
ャスト重合用モノマとしては、適さなくなる傾向があ
る。
【0021】本発明は、単量体Aの重合体と、単量体B
との混合物の重合体である時、好ましく達成される。
【0022】単量体Bには、ラジカル重合性単量体やエ
ポキシ樹脂と硬化剤、イソシアネート化合物とアルコー
ル性水酸基やアミノ基を含有する化合物などを挙げるこ
とができるが、単量体Aの重合体の溶解性や、得られた
光学材料の軽量性などから、特にラジカル重合性単量体
が好ましく用いられる。
【0023】単量体Bであるラジカル重合性単量体とし
ては、単量体Aで用いられるものを一般的に使用するこ
とができるが、分子内にラジカル重合可能な二重結合を
2つ以上もつ化合物も、好ましく使用できる。このよう
な化合物の例を以下に挙げる。
【0024】ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロパンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ハイドロキノンやビスフェノ
ール類の両末端にエチレンオキサイドあるいはプロピレ
ンオキサイドを付加したもののジ(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリロイルオキシエチルスルフィド、
1,4−ビス[(メタ)アクリロイルチオエチルチオメ
チル]ベンゼンなどである。
【0025】本発明を達成するためには、単量体Bとし
て、官能基(ラジカル重合性二重結合)数2つ以上の化
合物を5重量%以上、さらには10重量%以上含んでい
ることが好ましい。官能基数2つ以上の化合物が5重量
未満の場合には、得られる光学材料の耐熱性が劣る傾向
がある。
【0026】また単量体Bとしては、より高い屈折率且
つより低い比重の光学材料を得る目的のために、前掲の
スチレン系化合物とジビニルベンゼンを主体にすること
が好ましい。特に、スチレン系化合物とジビニルベンゼ
ンの総和が、単量体Bの50重量%以上、さらには60
重量%以上の時、本発明は好ましく達成される。
【0027】本発明に用いられる単量体Aの沈殿重合体
と単量体Bとは相溶性を示す必要があるため、単量体A
と単量体Bとは、同一種であることが特に好ましい。
【0028】本発明の単量体Aの沈殿重合体は、単量体
Bとラジカル重合し得る官能基を持っている場合に、特
に本発明を達成する上で好適である。単量体Aの沈殿重
合体が、単量体Bと共重合し得る官能基を持っていない
場合は、重合前の段階において、単量体Aの沈殿重合体
が単量体Bに可溶性であっても、重合中に相分離が起こ
って、白濁した成形体になることがあるからである。
【0029】単量体Aの沈殿重合体が持つ単量体Bとラ
ジカル重合し得る官能基は、通常は単量体Aの沈殿重合
体を構成するモノマの1モル%以上、好ましくは2モル
%以上のときに好適に目的を達成できる。なお、モル%
とは、単量体Aの沈殿重合後の変性を含めた、全構成モ
ノマに対するモル割合を指す。
【0030】単量体Aの沈殿重合体に、単量体Bとラジ
カル重合し得る官能基を付与する方法としてラジカル重
合可能な官能基をペンダントとして付与する方法を以下
に挙げる。
【0031】第1段階として、単量体Aを沈殿重合する
際に、次に示すような方法で反応性基を導入する。
【0032】末端基として導入する方法 メルカプトエタノールのように、OH基を持つ連鎖移動
剤を用いて重合したり、ハロゲン系溶剤を用いてテロメ
リゼーション重合を行なうと、末端にOH基を持つか、
ハロゲンを持つ重合体を得ることができる。末端のハロ
ゲンは容易に加水分解してOHに変えることができる。
【0033】共重合成分として導入する方法 単量体Aと共重合させるモノマとして、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチルスチレ
ンなどを用いればOH基を導入することができる。モノ
クロロメチルスチレンや酢酸ビニルなどを用い、重合後
に加水分解すればOH基を導入することができる。2−
アミノエチル(メタ)アクリレートを用いればアミノ基
を導入することができる。(メタ)アクリル酸を用いれ
ばカルボキシル基を導入できる。フマル酸無水物を用い
れば無水カルボキシル基を導入することができる。メタ
クロイルイソシアネートや2−メタクロイルオキシエチ
ルイソシアネートを用いれば、イソシアネート基を導入
することができる。グリシジル(メタ)アクリレートを
用いれば、エポキシ基を導入することができる。
【0034】OH基、アミノ基はイソシアネート基と反
応可能である。またOH基、アミノ基、カルボキシル
基、無水カルボキシル基はエポキシ基と反応可能であ
る。さらにOH基はカルボキシル基と反応可能である。
【0035】第2段階として、OH基等の反応性基を利
用することにより、単量体Aの沈殿重合体に、ラジカル
重合可能な官能基をペンダントとして付与する。そのた
めに用いる化合物としては、次のようなものを挙げるこ
とができる。
【0036】A.イソシアネート基を持つ化合物として
は、メタクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイ
ルオキシエチルイソシアネート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレートとキシリレンジイソシアネートの1/1
(モル比)反応物などがある。
【0037】B.エポキシ基を持つ化合物としては、グ
リシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートなど
がある。
【0038】C.カルボキシル基を持つ化合物として
は、アクリル酸、メタクリル酸などがある。
【0039】D.OH基を持つ化合物としては、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチ
ルスチレン、アリルアルコールなどがある。
【0040】E.アミノ基を持つ化合物としては、2−
アミノエチル(メタ)アクリレートなどがある。
【0041】本発明では、単量体Bと単量体Aの沈殿重
合体とは、[単量体B]/[単量体Aの沈殿重合体]比
が、好ましくは重量比で0.2〜20、さらに好ましく
は、0.5〜15であるとき、本発明の目的を特に容易
に達成できる。[単量体B]/[単量体Aの沈殿重合
体]比が0.2未満の時は、キャスト重合用のモノマと
しては粘度が高くなりすぎるために、キャスト重合に適
さなくなる傾向がある。また、この比が20を越すと、
ガスケットに対するモノマの浸透性や、局所的な透明性
の低下、成形中の液モレ現象などが生じる可能性があ
る。
【0042】本発明のプラスチックレンズは、546.
1nmの波長(e線)で測定した屈折率が1.55以
上、23℃で測定した比重が1.15以下であることが
好ましく、本発明に使用される単量体Bと該モノマに可
溶な単量体Aの沈殿重合体は、上記屈折率及び比重の範
囲におさまるように選択することが好ましい。
【0043】本発明のプラスチックレンズを得るには、
通常はキャスト重合法が用いられる。キャスト重合法に
おいては、一般的に2枚の対向するガラスモールドとそ
の周囲を一定の厚みでシールする合成樹脂のガスケット
とで構成される空間に、単量体Aの沈殿重合体と単量体
Bを主体とする組成物を充填し、加熱または光重合する
が、これらに限定されるものではない。
【0044】熱重合条件としては、室温から徐々に昇温
する方法をとるのが一般的であり、最高温度として14
0℃程度、重合時間を10〜60時間程度とする。光重
合の場合は、活性光線に秒ないし分オーダの時間、露光
してから、加熱によるアフターキュアを行なうのが一般
的である。
【0045】重合後のプラスチックレンズは、モールド
から離型された後、ハードコートや反射防止コートされ
るのも好ましい。
【0046】本発明のプラスチックレンズは、眼鏡用レ
ンズ、サングラスレンズ、ファッションレンズ、カメラ
用レンズなど光学用途に好ましく用いられる。
【0047】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0048】実施例、比較例で使用する重合体を下記の
通り調製した。
【0049】参考例1 単量体Aとしてスチレン300g、メタノール750
g、水100gの相溶混合物に過硫酸カリウム2.0g
を溶解した。窒素気流下で加熱し、65℃で30時間攪
拌した。析出した沈殿重合体をろ過、回収し、減圧乾燥
によって、残留モノマ及び分散媒を除去した。GPCに
よるポリスチレン換算の数平均重合度が1600の沈殿
重合体を得た。回収された沈殿重合体は粉末であり、取
扱い性が非常に良好であった。
【0050】参考例2 単量体Aとして、スチレン290g、ヒドロキシエチル
メタアクリレート10g、メタノール750g、水10
0gの相溶混合物に、過硫酸カリウム0.7gを溶解し
た。窒素気流下で加熱し、65℃で20時間攪拌した。
析出した沈殿重合体をろ過、回収し、減圧乾燥によっ
て、残留モノマ及び分散媒を除去した。GPCによるポ
リスチレン換算の数平均重合度が1200である重合体
を得た。沈殿重合体は粉末であり、取扱い性が非常に良
好であった。
【0051】参考例3 スチレン1700g、ヒドロキシエチルメタアクリレー
ト60g及びトルエン1800gの混合物に、アゾビス
イソブチロニトリル(AIBN)16gを溶解し、窒素
気流下、85℃で20時間溶液重合し、GPCによるポ
リスチレン換算の数平均分子量が140の共重合体を含
む重合体溶液を得た。
【0052】上記重合体溶液から、下記のような各種の
方法で溶液重合体を回収することを試みた。
【0053】回収方法1 重合体溶液をメタノール及びアセトンに滴下し、いわゆ
る再沈殿処理を行なったところ、皮膜の固い良好な再沈
殿体にならず、モチ状のネバネバする沈殿物となった。
このため、これ以後の操作、即ちろ過、洗浄、乾燥を行
ない、溶液重合体として回収することができなかった。
【0054】回収方法2 重合体溶液をバットに拡げ、減圧乾燥した。溶液に流動
性がある段階までは順調に脱溶媒ができたが、粘性の増
加とともに発泡し始め、容器から横溢した。また、残留
溶媒の減少に伴う固体状化によって、脱溶媒速度が低下
し、残留溶媒を目標である1重量%以下にするまでに数
日かかった。
【0055】かくして得られた溶液重合体の形状は不定
形であり、保管、計量、溶解等での取扱い性が悪かっ
た。
【0056】回収方法3 重合体溶液を減圧加熱可能なニーダに入れ、攪拌しつつ
脱溶媒を行なった。残留溶媒が10重量%以下になった
時点で、ベント付きのエクストルーダへフィードしてペ
レットとして回収した。エクストルーダ1回処理では目
標とする残留溶媒1重量%以下にならなかったので、ベ
ント付きエクストルーダで合計3回の反復通過処理し
た。ペレット状に回収された溶液重合体は、高温での熱
履歴を多く受けたために、沈殿重合体(参考例1,2)
と比べると黄着色しており、光学用途には適していなか
った。
【0057】参考例4 スチレン100g、ヒドロキシエチルメタクリレート
3.4g、水250g、30重量%の過酸化水素0.2
g、オレイン酸ナトリウム1gを混合し、窒素気流下
で、80℃、12時間乳化重合した。生じたラテックス
に塩酸を加え、乳化状態を破壊して塊状の乳化重合体を
回収した。振りかけ洗浄後、乾燥した。GPCによるポ
リスチレン換算の数平均分子量が2000であった。
【0058】参考例5 スチレン57g、ヒドロキシエチルメタクリレート1.
7gの混合物にAIBN0.6gを溶解したものを、ポ
リビニルアルコール(日本合成化学社“ゴーセノール”
GL05)3g、ラウリル硫酸ナトリウム0.05g及
び硫酸ナトリウム2.5gを溶解する200gの水へ分
散させた。85℃の温度を維持したまま、窒素気流下で
20時間ケン濁重合した。重合後のケン濁粒子をろ別、
洗浄して減圧乾燥した。GPCによるポリスチレン換算
の数平均分子量が650であった。
【0059】実施例1 参考例1で調製した沈殿重合法のポリスチレン10重量
部を、スチレン80重量部、市販ジビニルベンゼン(ジ
ビニルベンゼン約55重量%、エチルビニルベンゼン約
45重量%の混合物)10重量部に溶解した。重合開始
剤として“パーチブルIB”(t−ブチルパーオキシイ
ソブチレート、日本油脂会社製造)0.1重量部を加え
てから、3mm間隔で対向するガラス平板の周縁を粘着
テープでシールしたモールドに充填した。室温から60
℃まで1時間、60℃で8時間、60℃から110℃ま
では4時間かけ、110℃の状態で3時間おく条件でキ
ャスト重合した。重合中に粘着テープのシール部分から
液モレを起こすことなく得られた成形体(3mm厚の
板)は、いずれの部位も透明であった。546.1nm
の波長(e線)で測定した屈折率(以下neと略す)は
1.60、23℃で測定した比重(以下ρと略す)は
1.06であった。
【0060】比較例1 スチレン90重量部、市販ジビニルベンゼン10重量部
に“パーブチルIB”0.33重量部を加えて、実施例
1と同様の方法で厚さ3mmの板をキャスト成形した。
【0061】成形中に粘着テープのシール部分から若干
の液モレがあったほか、成形体の周縁部から中心部にか
けて、糸筋状のモヤモヤした白化部がみられた。
【0062】実施例2 参考例2で調製したスチレン系沈殿重合体30重量部
を、スチレン35重量部、市販ジビニルベンゼン35重
量部に溶解した。この溶解液に、2−メタクリロイルオ
キシエチルイソシアネートを、[OH]/[NCO]=
1/1(モル比)になる量だけ加え、さらにウレタン化
触媒としてジラウリン酸ジ−n−ブチルすずを0.05
重量部加えて、50℃で4時間ウレタン反応させた。
【0063】重合開始剤“パーチブルIB”を0.15
重量部加えてから、実施例1と同様にして透明なキャス
ト成形板を得た。成形中の液モレ、成形体の白化現象は
みられなかった。成形体のne=1.60、ρ=1.0
6であった。
【0064】比較例2 実施例2のスチレン系沈殿重合体のかわりに、参考例3
の回収方法3で調製したスチレン系溶液重合体を用い、
実施例2と同様にしてキャスト成形板を得た。成形体は
黄着色しており、光学材料としては不適切なものであっ
た。
【0065】比較例3 実施例2のスチレン系沈殿重合体のかわりに、参考例4
で調製したスチレン系乳化重合体を用い、実施例2と同
様にしてキャスト成形板を得た。成形板には、スチレン
系乳化重合体に含まれる乳化剤に起因すると考えられる
濁り(ヘイズ)があり、光学材料としては不適切なもの
であった。
【0066】比較例4 実施例2のスチレン系沈殿重合体のかわりに、参考例5
で調製したスチレン系ケン濁重合体を用い、実施例2と
同様にしてキャスト成形板を得た。成形板には、スチレ
ン系ケン濁重合体に含まれている分散剤などに起因する
と考えられるヘイズがあり、光学材料として不適切なも
のであった。
【0067】実施例3〜4,比較例5〜6 重合度、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合
モル%、沈殿重合体とスチレンおよび市販ジビニルベン
ゼンの使用量等が異なる以外は、実施例2と同様にして
キャスト成形板を得た。成形結果を表1に示す。
【0068】
【表1】 実施例5〜6 GPCで測定したポリスチレン換算重合度がおよそ10
00である、ヒドロキシメチルスチレン15モル%を共
重合したp−メチルスチレン系沈殿重合体を、p−メチ
ルスチレンと市販ジビニルベンゼンに溶解した。硫酸ナ
トリウムで十分に脱水してから、乾燥・窒素ガス雰囲気
下でメタクリロイルイソシアネートを加えて室温で1時
間ウレタン反応させた。“パーブチルIB”0.15重
量部を加え、実施例1と同様にしてキャスト成形板を得
た。結果を表2に示す。
【0069】
【表2】 実施例7 GPCで測定したポリスチレン換算重合度がおよそ30
0である、α−メチルスチレン20モル%、アミノエチ
ルメタクリレート5モル%を共重合したスチレン系沈殿
重合体40重量部を、スチレン35重量部、市販ジビニ
ルベンゼン25重量部に溶解した。アミノエチルメタク
リレートと当量のグリシジルメタクリレートを加え、5
0℃で6時間、アミノ基とエポキシ基を反応させた。
“パーブチルIB”0.1重量部を加えて、実施例1と
同様にしてキャスト成形板を得た。成形中の液モレおよ
びキャスト板の白化現象はなかった。成形体のne=
1.60、ρ=1.06であった。
【0070】実施例8 メタノール/水系溶媒中で沈殿重合した、ポリメチルメ
タクリレート(GPCによるポリスチレン換算の数平均
分子量2100)20重量部をメチルメタアクリレート
75重量部、エチレングリコールジメタクリレート5重
量部に溶解し、AIBN0.1重量部を加えてから、3
mm間隔で対向するガラス平板の周縁を粘着テープでシ
ールしたモールドに充填した。室温から50℃まで1時
間、50℃で8時間、50℃から95℃まで4時間、9
5℃で2時間おく条件でキャスト重合した。
【0071】重合中に粘着テープのシール部分から液モ
レを起こすことなく、得られた成形のいずれの部位も透
明であった。
【0072】
【発明の効果】本発明により、透明で、高屈折率かつ軽
量な架橋性の光学材料を提供できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沈殿重合法で重合した重合体を含有してい
    ることを特徴とする架橋性光学材料。
  2. 【請求項2】該沈殿重合法で重合した重合体と、該重合
    体を溶解するラジカル重合性単量体との溶液を重合して
    なることを特徴とする請求項1記載の架橋性光学材料。
  3. 【請求項3】該沈殿重合法で重合した重合体が、ラジカ
    ル重合可能な官能基を、該沈殿重合体中1モル%以上含
    んでいることを特徴とする請求項1記載の架橋性光学材
    料。
  4. 【請求項4】該沈殿重合法で重合した重合体が、スチレ
    ン系単量体を主成分としていることを特徴とする請求項
    1記載の架橋性光学材料。
  5. 【請求項5】該沈殿重合法で重合した重合体を溶解する
    ラジカル重合性単量体が、スチレン系化合物またはジビ
    ニルベンゼンであることを特徴とする請求項2記載の架
    橋性光学材料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100812671B1 (ko) * 2007-03-16 2008-03-13 인하대학교 산학협력단 새로운 반응용매를 사용한 침전중합으로 가교된 폴리스티렌입자를 제조하는 방법
JP2010209279A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Nippon Steel Chem Co Ltd 末端変性可溶性多官能ビニル芳香族共重合体、その製造方法、硬化性樹脂組成物及び硬化物
JP2015114272A (ja) * 2013-12-13 2015-06-22 東ソー株式会社 重合性モノマー及びその用途

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