JPH08224963A - 情報の記録用部材 - Google Patents

情報の記録用部材

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JPH08224963A
JPH08224963A JP7326814A JP32681495A JPH08224963A JP H08224963 A JPH08224963 A JP H08224963A JP 7326814 A JP7326814 A JP 7326814A JP 32681495 A JP32681495 A JP 32681495A JP H08224963 A JPH08224963 A JP H08224963A
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元康 寺尾
Yasushi Miyauchi
靖 宮内
Kazuo Shigematsu
和男 重松
Shinkichi Horigome
信吉 堀籠
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本願発明は従来技術における相変化光ディスク
の不安定な非晶質状態を安定にし、製造プロセスが簡単
で再現性が良く、かつ、低い記録レーザパワーで高密度
記録を可能とする急冷積層構造を用いた長期間安定な情
報記録用媒体を提供することを目的とする。 【構成】記録光を透過し得る基板(25)上に保護層
(26)を介して形成された記録用ビームの照射を受け
てほとんど膜形状の変化を伴わずに原子配列変化を生ず
る無機物よりなる情報記録用薄膜(27)を有する情報
の記録用部材において、上記情報記録用薄膜(27)の
膜厚が30nm以上150nm以下であり、上記情報記
録用薄膜(27)の基板(25)と反対の側に無機物か
らなる中間層(28)を介して光反射層または光吸収層
(29)を有し、該中間層(28)の膜厚が1nm以
上、50nm以下であり、該中間層(28)が所定の組
成であり、上記反射層(29)の膜厚が5nm以上30
0nm以下であり、該反射層(29)が所定の組成であ
ることを特徴とする情報の記録用部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ光等の記録用ビー
ムによって、所定の基板上に設けられた情報記録用薄膜
に、たとえば映像や音声などのアナログ信号をFM変調
したものや、たとえば電子計算機のデータや、ファクシ
ミリ信号やディジタルオーディオ信号などのディジタル
情報を、リアルタイムで記録することを可能とする情報
の記録用部材に関する。
【0002】レーザ光によって薄膜に記録を行なう記録
原理は種々あるが、膜材料の相転移、フォトダークニン
グなどの原子配列変化による記録は、膜の変形をほとん
ど伴なわないので、2枚のディスクを直接貼り合せた両
面ディスクができるという長所をもっている。また、組
成を適当に選べば記録の書き換えを行なうこともでき
る。この種の記録に関する発明は多数出願されており、
最も早いものは特公昭47−26897号公報に開示さ
れている。ここではTe−Ce系、As−Te−Ge
系、Te−O系など多くの薄膜について述べられてい
る。また、特公昭50−3725号公報にもTe−O系
薄膜が、特開昭55−28530号公報にはTe−O−
Se系およびTe−O−S系薄膜について述べられてい
る。しかし、これらの材料はいずれも膜形成が極めて難
しく、非晶質状態の安定性も十分ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は上記した従来技術の欠点をなくし、製造プロセス
が簡単で再現性が良く、かつ長期間安定な情報の記録用
部材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の情報の記録用部材においては、情報記録用
薄膜の膜厚方向の平均組成が一般式MXTeYSeZOα
で表わされるものとする。ただし、X,Y,Zは、それ
ぞれ、2≦X≦40,30≦Y≦95,3≦Z≦45,
0≦α≦20の範囲の値であり、MはAs,Sb,B
i,S,Si,Ge,Sn,Pb,Al,Ga,In,
Tl,Zn,Cd,Au,Ag,Cu,Ni,Pd,R
h,Cr,Mo,WおよびTaからなる群から選ばれた
少なくとも一種の元素(ただし、InとGeの組合せは
除外する)を表わす。X,Y,Zおよびαのより好まし
い範囲は、5≦X≦25,40≦Y≦90,5≦Z≦3
5,α≒0である。
【0005】Mで表わされる元素のうちで特に好ましい
ものは、Sn,Inのうちの少なくとも一者、中でもS
nは非晶質状態の安定性を高くするので好ましい。ただ
し、膜形成はInの方が容易である。次いで好ましいも
のはSbである。Sn,In,Sbのうち少なくとも一
者と共存させて効果が得られる元素はGe,Si,B
i,S,Pb,Al,Zn,Cd,As,Au,Ag,
Cu,NiおよびPdのうち少なくとも一元素であっ
て、中でも特にGe,BiおよびPbのうちの一元素が
好ましい。
【0006】本発明の情報記録用薄膜のうちの酸素を含
む薄膜は酸素を含まないMXTeYSeZで示される薄膜
を形成後、この薄膜に高湿度の空気中または酸素中で熱
処理を行なうか、紫外照射を行なうことによって形成す
るのがよい。この場合、前記薄膜は少なくともその表面
付近で酸化され、場合によっては膜内部まで酸素が侵入
する。したがって、この薄膜の膜厚方向の平均組成は一
般式MXTeYSeZOαで表わされ、αは0でなく、2
0以下の値となる。このような方法で酸素を導入する
と、酸化物を蒸着したり、スパッタする場合より組成の
制御が容易である。
【0007】Mで表わされる元素が2元素以上共存する
と特性が向上する場合が多く、たとえば、InとSb,
SnとGe,PdとSn,SnとBi,SnとS,In
とPb,InとBi,SbとS,SbとPb,SbとS
n,SbとGe,の組合せが有効である。中でもSnと
他元素との組合せが好ましい。
【0008】Mで表わされる元素の含有量は、膜厚方向
にほぼ一様でもよいが、記録用薄膜のいずれか一方の表
面付近(他の層との界面である場合もある)において、
その内側よりも増加しているのが好ましい。これによっ
て酸化したり結晶核の発生しやすい膜界面付近からの自
然結晶化の防止などの効果が得られる。同様な理由でS
eの含有量も膜厚方向にほぼ一様でもよいが、表面(界
面)付近で増しているのが好ましい。
【0009】酸素を含有しない膜は、膜形成が容易であ
り、結晶化温度が高く、高い安定性が得られるという点
で優れている。
【0010】本発明の記録膜の少なくとも一方の面は他
の物質で密着して保護されているのが好ましい。これら
の保護層は、基板でもあるアクリル樹脂板やポリカーボ
ネート樹脂板など、あるいは紫外線硬化樹脂、エポキシ
樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などの有機物の
うちの少なくとも一者より形成されていてもよく、酸化
物、硫化物、弗化物、炭化物、窒化物あるいは炭素など
の無機物より形成されていてもよい。ガラスあるいは石
英、あるいはサファイアの基板は一方の無機物保護層と
して働き得る。無機物と密着している方が耐熱性の面で
好ましい。しかし、無機物層の厚さを厚くするのは、ク
ラック発生、透過率低下、感度低下を起こしやすいの
で、上記の無機物層の記録膜と反対の側には、厚い有機
物層が密着している方が好ましい。この有機物層は基板
であってもよい。これによって変形も起りにくくなる。
有機物としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ホットメ
タル接着剤として知られている、エチレン−酢酸ビニル
共重合体など、および粘着性接着剤などのうちの少なく
とも一者が用いられる。紫外線硬化樹脂でもよい。無機
物より成る保護層の場合は、そのままの形で形成しても
よいが、金属、半金属、半導体の少なくとも一元素より
なる膜を形成した後、酸素、硫黄、窒素のうちの少なく
とも一者と反応させるようにすると製造が容易である。
無機物保護層の例を挙げると、主成分がCeO2,La
2O3,SiO,SiO2,In2O3,Al2O3,
GeO,GeO2,PbO,SnO,SnO2,Bi2
O3,TeO2,WO2,WO3,CdS,ZnS,C
dSe,ZnSe,In2S3,In2Se3,Sb2
S3,Sb2Se3,Ga2S3,Ga2Se3,Mg
F2,CeF3,CaF2,GeS,GeSe,GeS
e2,SnS,SnSe,PbS,PbSe,Bi2S
e3,Bi2S3,TaNおよびCから選ばれる少なく
とも一者を主成分とするものである。
【0011】これらの中では真空蒸着が容易であり、表
面反射率があまり高くなく、膜が安定である点でGeO
2またはAl2O3に近い組成のものが好ましい。次い
で好ましいのはSiO2に近い組成のものである。相転
移によって記録を行なう場合、記録膜の全面をあらかじ
め結晶化させておくのが好ましいが、基板に有機物を用
いている場合には、基板を高温にすることができないの
で、他の方法で結晶化させる必要がある。その場合、紫
外線照射と加熱、フラッシュランプよりの光の照射など
を行なうのが好ましい。結晶化は記録トラック上のみで
起らせ、トラック間は非晶質のままとしてもよい。非晶
質状態の記録用薄膜に結晶化によって記録することもも
ちろん可能である。
【0012】一般に相転移などの原子配列変化によって
記録を行なう記録膜の場合、記録膜に近接して光反射
(吸収)層を設けると、読出し信号強度、あるいは変調
度を大きくできるという効果がある。しかし、多数回の
記録書替えや、高過ぎるパワーのビームで記録を行なっ
た場合には、記録膜と光反射層との相互拡散や反応も起
り得るので、光反射層と記録膜との間に安定な酸化物、
硫化物、弗化物、窒化物などのうちの少なくとも一者の
中間層を設けるのが好ましい。この層の融点および沸点
(昇華点)は少なくとも記録膜の融点より高いのが好ま
しい。記録膜の光吸収が少なく、光反射層で記録光を吸
収し、発生した熱を記録膜に伝えて記録を行なう場合に
は、熱伝達の効率を良くするために、上記の中間層の膜
厚は100nm(0.1μm)以下であるのが好まし
く、1nm以上、50nm以下であるのが特に好まし
い。中間層には、保護層として用いうるGeO2,Al2
O3などの無機物がすべて使用可能である。
【0013】各部の膜厚の好ましい範囲は下記のとおり
である。
【0014】記録膜:3nm以上、300nm以下 無機物保護層:1nm以上、5μm以下(ただし無機物
基板自体で保護する時は、0.1〜20mm) 有機物保護層:10nm以上、10mm以下 光反射層:5nm以上、300nm以下 以上の各層の形成方法は、真空蒸着、ガス中蒸着、スパ
ッタリング、イオンビーム蒸着、イオンプレーティン
グ、電子ビーム蒸着、射出成形、キャスティング、回転
塗布、プラズマ重合などのうちのいずれかを適宜選ぶも
のである。
【0015】本発明の記録用部分は、ディスク状として
ばかりでなく、テープ状などの他の形態でも使用可能で
ある。
【0016】
【作用】上記構成によれば、製造プロセスが簡単で、再
現性がよく、かつ長期間安定な情報の記録用部材を得る
ことができる。記録の書換えを行なうことも可能であ
る。
【0017】
【実施例】以下に本発明を実施例によって詳細に説明す
る。
【0018】(実施例1)直径30cm、厚さ1.2m
mのディスク状化学強化ガラス板の表面に紫外線硬化樹
脂とセルロースアセテートによってトラッキング用の溝
のレプリカを形成し、一周を64セクターに分割し、セ
クターの始まりに凹凸の形でセクターアドレスを入れた
基板14を図1に示したような内部構造の真空蒸着装置
中に配置した。蒸着装置中には、4つの蒸着用ボート
1,2,3,4が配置されている。これらのボートは、
基板14に情報を記録しようとする部分の下であって、
基板回転の中心軸5と中心を同一にする円周上にほぼ位
置する。4つのボートにはそれぞれ、Te,Se,Snお
よびGeO2を入れた。各ボートと基板の間にはそれぞ
れ、扇形のスリットをもつマスク6,7,8,9とシャ
ッター10,11,12,13が配置されている。基板
14を120rpmで回転させておいて、各ボートに電
流を流し、ボート中の蒸着原料を蒸発させた。
【0019】各ボートからの蒸発量ま水晶振動子式膜厚
モニター15,16,17,18で検出し、蒸発速度が
一定になるようにボートに流す電流を制御した。
【0020】図2に示したように、まず基板19上にG
eO2に近い組成の膜厚約80nmの保護層20を形成
した。次にSn10Te65Se25の組成の記録用膜2
1を約50nmの膜厚に蒸着した。続いて再びGeO2
に近い組成の保護層22を約80nmの膜厚に蒸着し
た。同様にしてもう1枚の同様な基板19′上にGeO
2に近い組成の保護層20′Sn10Te65Se25の
記録用膜21′、GeO2に近い組成の保護層22′を
蒸着した。このようにして得た2枚の基板19,19′
のそれぞれの蒸着膜上にポリスチレン層23,23′を
約0.5μmの厚さに塗布、乾燥して形成した後、両者
をポリスチレン層側を内側にして有機物接着剤層24に
よって貼り合せてディスクを作製した。
【0021】上記のようにして作製したディスクには、
両面からフラッシュランプの光を反復照射してSn10
Te65Se25記録膜21,21′を十分結晶化させ
る。記録は次のようにして行なった。ディスクを180
0rpmで回転させ、半導体レーザ(波長820nm)
の光を記録が行なわれないレベルに保って、記録ヘッド
中のレンズで集光して基板を通して一方の記録膜に照射
し、反射光を検出することによって、トラッキング用の
溝の中心と光スポットの中心が常に一致するようにヘッ
ドを駆動した。このようにトラッキングを行ないながら
さらに記録膜上に焦点が来るように自動焦点合わせを行
ない、レーザパワーを情報信号に従って強めたり、元の
レベルに戻したりすることによって記録を行なった。ま
た、必要に応じて別の溝にジャンプして記録を行なっ
た。上記の記録によって、記録膜には非晶質に変化した
ことによると思われる反射率変化を生じた。この記録膜
では、トラック方向の長さが記録光スポットよりも長
く、隣接するトラック方向への広がりは記録光スポット
と同程度のレーザ光を照射することによって記録を消去
することもできる。ただし、消去光を別のヘッドから照
射する場合は、消去光スポットによってもトラックやセ
クターのアドレスが読めるように、アドレスを表わすピ
ットの最隣接ピット間の距離は、消去用光スポットのト
ラック方向の長さの1/2以上とするのが良い。そし
て、消去用光スポットの2倍以下の長さとするのが好ま
しい。アドレスを表わすビットの長さも、消去光スポッ
トのトラック方向の長さの1/2以上であるのが好まし
い。ヘッダー部に設けられるその他のピットも同様であ
る。
【0022】読出しは次のようにして行なった。ディス
クを1800rpmで回転させ、記録時と同じようにト
ラッキングと自動焦点合わせを行ないながら、記録や消
去が起らないようなレーザパワーで反射光の強弱を検出
し、情報を再生した。本実施例では約1×10−6のエ
ラーレイトが得られた。さらに、60℃、相対湿度95
%、6ヶ月の寿命試験で、エラーレイトは2×10−6
に増加したが、実用上問題はない。
【0023】SnXTeYSeZ系記録膜において、その組
成を変化させた時、60℃、湿度95%、6ヶ月の寿命
試験後のエラーレイトは次のようになった。XをSnの
原子数パーセント、ZをSeの原子数パーセントとし
て、X=10のとき、 Z=0:〜5〜10−5,Z=3:〜1×10−5 Z=5:〜2×10−6,Z=35:〜2×10−6 Z=45:〜1×10−5,Z=60:〜5×10−5 Zの値が小さいところでエラーレイトが大きいのは酸化
によるもの、Zの値が大きいところでエラーレイトが大
きいのは記録部分の結晶化によるものである。Zは一定
値25として、Xを変化させて、Xが40を越えると結
晶から非晶質への変化が困難となった。Xが2未満では
結晶粒が大きく、ノイズのためにエラーレイトが10−
6台に達しなかった。また、非晶質状態の安定性も悪
い。また、Xが5以上では、エラーレイトが2×10−
6以下となった。なお、Xが25、Zが35までの範囲
では、XとZのいずれか一方または両方が大きくなると
結晶化温度が高くなり、安定化した。
【0024】Sn−Te−Se系記録膜の膜厚は安定性と
読出しに必要なコントラストを得るために3nm以上が
必要であり、300nm以下にしないと熱伝導のために
感度が低くなる。より好ましい範囲は30nm以上、1
50nm以下の範囲である。GeO2による保護層の厚
さは、効果を得るために1nm以上が必要であり、クラ
ックの発生などを防ぐために5μm以下であるのがよ
い。苛酷な条件下の保管にも耐えられる膜厚範囲は、2
0nm以上、200nm以下の範囲である。GeO2層
の外側の有機物層は、効果を発揮するためには10nm
以上の膜厚が必要であり、10μm以上の厚さであるの
が特に好ましい。さらに、レンズによる光の集光が可能
であるように、10mm以下である必要がある。GeO
2層の代わりにAl2O3層を用いると、膜形成は困難
であるが記録書換え時に高い保護効果が得られる。次い
で好ましいのはSiO2層である。
【0025】Sn−Te−Se系記録用膜はその蒸着中に
各シャッタの開き角を変えることによって基板側のGe
O2に近い組成の保護層との界面付近および基板と反体
側のGeO2に近い組成の保護層との界面付近のうちの
少なくとも一方でSnおよびSeのうちの少なくとも一方
の含有量が増した領域を形成することによって耐酸化性
を増し、かつ保管中の結晶化を防ぐことができた。
【0026】Snの一部または全部を置換して、In,A
s,Bi,S,Si,Ge,Pb,Al,Ga,Sb,Tl,Z
n,Cd,Au,Ag,Cu,Ni,Pd,Rh,Cr,Mo,W
およびTaのうち少なくとも一者が添加可能であり、そ
の添加可能量はSnの場合に準ずるが、元素によって長
所,短所がある。たとえばGeおよびSiの場合には再現
性の良い真空蒸着が困難であり、Asの場合には再現性
の良い真空蒸着が困難である上毒性も強く、蒸着時に粉
塵が発生し易い、Biの場合には非晶質状態の安定性も
悪い、In,Ge,Tl,Zn,Cd,Pb,Asの場合には
酸化され易い。Sの場合には蒸着が難しい。Sbの場合
には酸化すると毒性が強い、などの問題点がある。Au
等の他の金属元素は膜の熱伝導率を高くして感度を低下
させるという問題がある。しかし、In,Sb,As,Ge
およびSiは非晶質状態の安定化に役立つ。InはSnよ
りも真空蒸着が容易であるという長所がある。
【0027】少なくとも一方の上記GeO2保護層の代
わりに、主成分が先に述べたAl2O3およびSiO2の
他、CeO2,La2O3,SiO,SiO2,In2
O3,Al2O3,GeO,GeO2,PbO,Sn
O,SnO2,Bi2O3,TeO2,WO2,WO
3,CdS,ZnS,CdSe,ZnSe,In2S
3,In2Se3,Sb2S3,Sb2Se3,Ga2
S3,Ga2Se3,MgF2,CeF3,CaF2,
GeS,GeSe,GeSe2,SnS,SnSe,P
bS,PbSe,Bi2Se3,Bi2S3,TaNお
よびCから選ばれる少なくとも一者よりなる層を用いて
もよい。ただし、炭素等を光入射側に用いる時は膜を薄
くしなければならない。
【0028】(実施例2)基板として、射出成形法によ
ってアクリル樹脂板の表面にトラッキング用の溝を形成
したものを用い、実施例1と同様にして基板上にGeO
2膜、記録膜の蒸着を行なうが、厚さ約80nmのSn
10Te65Se25記録膜を形成した後、基板を一たん
真空槽から取り出し、25℃、湿度80%の雰囲気中で
紫外線を照射することによって膜を酸化させた。酸化は
当然表面付近ほど強く起り、この部分でSnやSeの含有
量が減少するが、膜内部も酸化され、膜厚方法の平均組
成はおよそSn9Te59Se22O10となった。続い
て再び基板を真空蒸着装置内に入れ、記録膜上にGeO
2に近い組成の膜を約80nmの膜厚に蒸着した。同様
にしてさらにもう一枚の基板を作製し、それぞれのGe
O2に近い組成の蒸着膜上にアクリル樹脂を約0.5μ
mの厚さに塗布した後、塗布したアクリル樹脂層を内側
にして両基板を有機接着剤により貼り合せてディスクを
作製した。
【0029】結晶化方法、記録方法、消去方法、読出し
方法は実施例1とほぼ同様である。記録膜中への酸素の
導入は、Teの蒸発原料の代りにTe酸化物を用いること
によって行なってもよいが、蒸着の再現性が悪く、制御
が難しい。
【0030】記録膜の平均組成をSeXTeYSeZOαと
したとき、XおよびZの好ましい範囲は実施例1とほぼ
同じである。ただし、αをおよそ10に固定して実験を
行なった。αの好ましい範囲は20%以下であって、2
0%を越え、35%以下では膜の内部応力増加によると
思われるシワやクラックの発生が起り易くなるが、記
録、再生、消去特性は使用可能なレベルである。酸素量
が35%を越すと著しく感度が低下する。
【0031】Snの一部または全部を置換してSbなどの
他の元素のうちの少なくとも一者が添加可能であること
やGeO2層の代りにAl2O3層などが使用可能である
ことは実施例1と同様である。
【0032】また、各膜の好ましい膜厚も実施例1と同
様である。
【0033】本実施例で得られた記録用部材も実施例1
のものと同様長寿命であった。
【0034】(実施例3)図3に示したように、実施例
2と同様な基板25上に実施例2と同様にしてGeO2
層26と厚さ約40nmのSn10Te65Se25膜を
形成した上これを酸化してSn−Te−Se−O膜とした
後、この上に再びGeO2膜28を形成するが、この上
部のGeO2膜28は厚さを約10nmとし、この上に
厚さ約30nmのBI2Te3に近い組成の層29を形成
した。この上さらにGeO2層30を約80nmの厚さ
に蒸着した。ここまでの膜形成は真空蒸着法によって行
なった。同様な方法でもう一枚の基板を作製し、両基板
の最上部のGeO2層30,30′上にそれぞれ紫外線
硬化樹脂層31,31′を約50μmの厚さに塗布して
硬化させた後、塗布した紫外線硬化樹脂層側を内側にし
て粘着性有機物で両基板を貼り合せてディスクを作製し
た。
【0035】結晶化方法、記録方法、消去方法、読出し
方法は実施例1とほぼ同様である。本実施例の膜におい
ては記録膜はGeO2層との界面付近においてTeの選択
的な酸化によりSnおよびSeの含有量は減少している。
【0036】本実施例ではSn−Te−Se−O層の光吸
収は少ないので、記録光はBI2Te3層で多く吸収さ
れ、発生した熱がSn−Te−Se−O膜に伝えられる。
Sn−Te−Se−O膜とBI2Te3層との中間のGeO2
層は記録の書込み、消去を繰り返す時、これらの層が相
互拡散するのを防止するために設けられており、この層
をあまり厚くするとBI2Te3層からSn−Te−Se−
O膜への熱の伝達効率が悪くなり、記録感度が低下す
る。実用的な記録感度を得るのには、GeO2層の膜厚
は50nm以下であるのが好ましい。この層にAl2O
3,SiO2等の他の透明物質を用いた場合にもほぼ同
様であり、GeO2層の代りに主成分がGeO2などから
なる層を用いてもよいこととは実施例1と同様である。
また、この実施例ではSn−Te−Se−O膜の代りに半
導体レーザ光の吸収がほとんど無い相転移による記録が
可能な膜、たとえばSb2Se3を主成分とする膜を使用
することが可能である。もちろん、実施例1と同様にS
n−Te−Se−O膜あるいはSn−Te−Se膜のSnをIn
などの他元素のうちの少なくとも一者で置換したものや
主成分がGe−Te−Se系材料の記録用膜なども使用可
能である。
【0037】BI2Te3層の膜厚は、光反射および吸収
の効果を発揮するために5nm以上が必要であり、熱伝
導による感度低下を小さくするために300nm以下で
ある必要がある。その他の層の好ましい膜厚は、実施例
1の対応する層と同じである。
【0038】BI2Te3層の代りに、Bi,Te,Sn,
Sb,Al,Au,Pdなど、多くの半導体、半金属、金属
やそれらの混合物、化合物が使用可能である。
【0039】(実施例4)直径約35.5cmのアルミ
合金ディスク上に厚さ約4μmのポリスチレン層をスピ
ン塗布法によって形成した。次に、この上に実施例1と
同様にしてGeO2−Sn10Te65Se25−GeO2
積層膜を形成し、さらにその上に弗素系のプラズマ重合
膜を約200μmの厚さに形成した。このディスクでは
記録、再生、消去光はアルミ合金板とは反対の側から入
射させる。
【0040】各元素の好ましい含有量範囲は実施例1と
同様である。Snの一部または全部をInなどの他の元素
のうちの少なくとも一者で置換してもよいこと、GeO
2の代りにCeO2等を用いてもよいことは実施例1と
同様である。また、実施例3で述べたような反射層を基
板側のGeO2層とSn−Te−Se膜との間に形成しても
よい。この場合は反射層と記録層との間に実施例3で述
べたような中間層を設けるのがより好ましい。
【0041】各層の好ましい膜厚は実施例1と同様であ
る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
製造プロセスが簡単で、再現性がよく、かつ長期間安定
な情報の記録用部材を得ることができる。記録の書換え
を行なうことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録用部材の作製に用いる真空蒸着装
置の内部構造を示す図である。
【図2】本発明の実施例における記録用部材の構造を示
す断面図である。
【図3】本発明の実施例における記録用部材の構造を示
す断面図である。
【符号の説明】
1,2,3,4…ボート、6,7,8,9…扇形スリッ
トを持ったマスク、10,11,12,13…シャッタ
ー、14…基板、15,16,17,18…水晶振動子
式膜厚モニター、19,19′…基板、20,20′,
22,22′…GeO2層、21,21′…Sn15Te
75Se10記録膜、23,23′…ポリスチレン層、
24…有機接着剤層、25,25′…基板、26,2
6′,28,28′,30,30′…GeO2層、2
7,27′…記録膜、29,29′…BI2Te3膜、
31,31′…紫外線硬化樹脂層、32…有機接着剤
層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀籠 信吉 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地株 式会社日立製作所中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録光を透過し得る基板上に直接もしくは
    無機物または有機物からなる保護層を介して形成された
    記録用ビームの照射を受けてほとんど膜形状の変化を伴
    わずに原子配列変化を生ずる無機物よりなる情報記録用
    薄膜を有する情報の記録用部材において、上記情報記録
    用薄膜の膜厚が30nm以上150nm以下であり、上
    記情報記録用薄膜の基板と反対の側に無機物からなる中
    間層を介して光反射層または光吸収層を有し、該中間層
    の膜厚が1nm以上、50nm以下であり、該中間層が
    CeO2,La2O3,SiO2,In2O3,Al2
    O3,GeO,GeO2,PbO,SnO,SnO2,
    Bi2O3,TeO2,WO2,WO3,CdS,Zn
    S,CdSe,ZnSe,In2S3,Sb2S3,S
    b2Se3,Ga2S3,Ga2Se3,MgF2,C
    eF3,CaF2,GeS,GeSe,GeSe2,S
    nS,SnSe,PbS,PbSe,Bi2Se3,B
    i2S3,TaNおよびCから選ばれる少なくとも一者
    を主成分とするものであり、上記光反射層または光吸収
    層の膜厚が5nm以上300nm以下であり、該反射層
    がBi2Te,Bi,Te,Sn,Sb,Al,Auお
    よびPdから選ばれる一者あるいはこれらを含む混合物
    または化合物であることを特徴とする情報の記録用部
    材。
  2. 【請求項2】記録光を透過し得る基板上に直接もしくは
    無機物または有機物からなる保護層を介して形成された
    記録用ビームの照射を受けてほとんど膜形状の変化を伴
    わずに原子配列変化を生ずる無機物よりなる情報記録用
    薄膜を有する情報の記録用部材において、上記情報記録
    用薄膜の基板と反対の側に無機物からなる中間層を介し
    て光反射層または光吸収層および無機物保護層を有し、
    該中間層の膜厚が1nm以上、50nm以下であり、該
    中間層がCeO2,La2O3,SiO2,In2O
    3,Al2O3,GeO,GeO2,PbO,SnO,
    SnO2,Bi2O3,TeO2,WO2,WO3,C
    dS,ZnS,CdSe,ZnSe,In2S3,In
    2Se3,Sb2S3,Sb2Se3,Ga2S3,G
    a2Se3,MgF2,CeF3,CaF2,GeS,
    GeSe,GeSe2,SnS,SnSe,PbS,P
    bSe,Bi2Se3,Bi2S3,TaNおよびCか
    ら選ばれる少なくとも一者を主成分とするものであり、
    上記光反射層または光吸収層の膜厚が5nm以上300
    nm以下であり、該光反射層または光吸収層がBi2T
    e3,Bi,Te,Sn,Sb,Al,AuおよびPd
    から選ばれる一者あるいはこれらを含む混合物または化
    合物であることを特徴とする情報の記録用部材。
  3. 【請求項3】最上層無機物層である上記無機物保護層の
    上にさらに厚い有機物層が密着していることを特徴とす
    る特許請求の範囲第2項に記載の情報の記録用部材。
  4. 【請求項4】上記厚い有機物層が、ポリスチレン樹脂、
    アクリル樹脂、ポリカーボネット樹脂、エポキシ樹脂、
    ホットメルト接着剤、粘着性接着剤および紫外線硬化樹
    脂から選ばれる少なくとも一者であることを特徴とする
    特許請求の範囲第3項に記載の情報の記録用部材。
  5. 【請求項5】基板上に直接もしくは無機物または有機物
    からなる保護層を介して形成された記録用ビームの照射
    を受けてほとんど膜形状の変化を伴わずに原子配列変化
    を生ずる無機物よりなる情報記録用薄膜を有する情報の
    記録用部材において、基板上の無機物層のうちの最上層
    の上にポリスチレン層、アクリル樹脂層、弗素系プラズ
    マ重合層および紫外線硬化樹脂層から選ばれる少なくと
    も一つの層を有することを特徴とする特許請求の範囲第
    3項または第4項記載の情報の記録用部材。
  6. 【請求項6】上記のポリスチレン層またはアクリル樹脂
    層または弗素系プラズマ重合層または紫外線硬化樹脂層
    の上に接着剤または粘着剤層を介してもう1枚のディス
    クが密着していることを特徴とする特許請求の範囲第3
    項から第5項までのいずれかに記載の情報の記録用部
    材。
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