JPH08225457A - 癌転移抑制用組成物 - Google Patents

癌転移抑制用組成物

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JPH08225457A
JPH08225457A JP7032097A JP3209795A JPH08225457A JP H08225457 A JPH08225457 A JP H08225457A JP 7032097 A JP7032097 A JP 7032097A JP 3209795 A JP3209795 A JP 3209795A JP H08225457 A JPH08225457 A JP H08225457A
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JP
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group
carbon atoms
substituted
fatty acid
acid residue
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JP7032097A
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English (en)
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Hideto Mori
英登 森
Naoyuki Nishikawa
尚之 西川
Masayoshi Kojima
政芳 小島
Naoto Oku
直人 奥
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 癌転移抑制用組成物であって、以下の成分:
(a) 下記の式:R1-Q-Z〔式中、 Qは細胞接着活性を有す
るフラグメントを示し、例えば([X]-Arg-Gly-Asp-[Y])n
で示されるペプチド鎖などを示し;R1は炭素数10〜25の
1または2以上の分岐を有するアルカノイル基を示す)
などの化合物と、(b) 炭素数14〜24の脂肪酸残基を有す
るホスファチジルコリンなどの脂質を含む組成物。 【効果】 生体内で長時間にわたり優れた癌転移抑制作
用を発揮し、かつ、毒性も軽減されているので、ヒトな
どの哺乳類動物の癌転移抑制抑のための医薬として有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、癌転移抑制用組成物に
関するものである。さらに詳しくいうと、細胞接着性蛋
白質の接着機能の基本単位である接着コアペプチド配列
あるいはそのアナログの一部または全部を含む化合物と
ホスファチジルコリン等の脂質とを含む癌転移抑制用組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フィブロネクチン、ラミニン、及びビト
ロネクチン等の蛋白質は、細胞と結合組織との結合に関
与しており、動物細胞の細胞機能に関連した種々の生物
活性を有するので細胞接着性蛋白質と総称されている。
例えばフィブロネクチンは肝臓で生合成され、ヒト血漿
中に約 0.3 mg/mlの濃度で存在する糖蛋白質である。
【0003】フィブロネクチンの1次構造が分子クロー
ニングを用いて決定されており(Koarnblihtt, A.R., et
al., EMBO Journal, 4, 2519, 1985)、分子量約250Kの
ポリペプチドであるA鎖と約240KのB鎖がC末端附近で
ジスルフィド結合した2量体蛋白質であることが明らか
にされている。ラミニンについても1次構造が決定され
ており (Sasaki, M., et al., Proc. Natl. Acad. Sci.
USA., 81, 935, 1987; 及び Sasaki, M., et al., J.
Biol. Chem., 262, 17111, 1987)、A鎖、B1鎖、B2
鎖とよばれる3本のポリペプチド鎖から構成され十字架
状の構造をとっていることが知られている。
【0004】これらの細胞接着性蛋白質の細胞接着性に
関与する結合部位の研究も行われており、フィブロネク
チンの細胞接着部のコア配列が Arg-Gly-Asp-Ser (一文
字標記ではRGDSで示され、以下、本明細書においてこの
配列を「RGDS配列」ということがある) からなるトリペ
プチドであることが報告されており(Pierschbacher,M.
D., et al., Nature, 309, 30, 1984) 、ラミニンの細
胞接着部位のコア配列が Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg (YIGSR
配列)からなるペンタペプチドであることが解明されて
いる(Graf, J., et al., Cell, 48, 989, 1987) 。
【0005】フィブロネクチンやラミニン等の細胞接着
性蛋白質は、上記のコア配列を介して細胞のレセプター
と結合することにより、各種の情報を細胞に伝達してい
る。一方、細胞接着性蛋白質は、上記のコア配列を介し
てヘパリン、コラーゲン、フィブリン等の生体高分子と
も結合して、細胞と結合組織との接着、細胞の分化及び
増殖などに関与しているものと考えられている。
【0006】近年、細胞接着性蛋白質は癌転移に関与す
る生体分子として注目されている。癌転移は、血管内に
侵入した原発癌組織から遊離した癌細胞が血流にのって
遠隔組織の血管内皮細胞に移動し、その後、血管内皮細
胞に接着して着床した癌細胞が増殖して血管内皮から脈
管外の組織に脱出し、増殖して転移組織を形成すること
により完成するものと考えられている。このような癌転
移のプロセスにおいて癌細胞は種々の宿主細胞や生体高
分子に接触するが、フィブロネクチンやラミニンのよう
な細胞接着性分子に接触すると、多細胞塊が形成されて
癌細胞の増殖や生存の可能性が高まると考えられてい
る。
【0007】この多細胞核の形成過程においては、癌細
胞と細胞接着性分子との接着が必須であり、このような
接着は、癌細胞表面に存在するレセプター(一般的には
インテグリンと呼ばれる)が細胞接着性分子表面のコア
配列をリガンドとして特異的に結合することにより行わ
れると考えられている。また、上記の癌細胞の接着過程
にフィブロネクチンの接着部位のコア配列に相当する配
列を含むオリゴペプチドを共存させると、このオリゴペ
プチドが拮抗的に癌細胞表面のフィブロネクチンレセプ
ターと結合するため、細胞接着がブロックされて癌転移
阻害作用を示すことが報告されている(Science, Vol.23
8, 467, 1986) 。
【0008】もっとも、RGDS配列を有するテトラペプチ
ド(あるいはその一部のRGD 配列を有するトリペプチ
ド)を癌転移抑制剤として投与した場合、Arg-Gly 結合
が酵素的に速やかに加水分解されてしまうことや、テト
ラペプチド自体が低分子であり速やかに排泄されてしま
うことから、有効な血中濃度を持続することができず、
医薬としての有効性はほとんど期待できないという問題
がある。このような問題を解決するために、これらのコ
ア配列を含む修飾ポリペプチドにより有効血中濃度の持
続をはかり、さらに、癌細胞表面レセプターに対する結
合力(細胞接着性)を高める試みがなされている。
【0009】例えば、上記のコア配列を含むオリゴペプ
チド、環状オリゴペプチド、あるいはその繰返し配列を
有するペプチドを用いて癌転移を制御する方法が提案さ
れている(Int. J. Biol. Macromol., Vol.11, 23, 198
9: 同誌, Vol.11, 226, 1989:Jpn. J. Cancer Res., Vo
l.60, 722, 1989; 及び、特開平2ー174798号公報な
ど)。また、このような修飾ペプチドにより腫瘍の再発
を防止する方法(特開平2-240020号公報)や、フィブロ
ネクチン分子中の細胞接着性ペプチドとヘパリン結合性
ペプチドとを構成単位とするペプチドを用いて癌転移を
抑制する方法(特開平3-127742号公報)なども提案され
ている。しかしながら、これらの修飾ペプチド類単独で
の癌転移抑制作用は、レセプター親和性や体内動態(血
中濃度半減期など)の観点からいまだ満足できるもので
はなかった。
【0010】一方、リポソームやミセル等の分子集合体
を薬物のキャリアーとして用いる方法が多数検討されて
いる(例えば、Cancer Res., Vol.43, 5328, 1983; J.
Controlled Release, Vol. , 269, 1990; 成書として、
「リポソーム」, 南江堂発行、pp.245-271, 1988な
ど)。しかしながら、これらの分子集合体と上記の癌転
移抑制剤とを組み合わせて医薬として用いた例は未だ知
られていない。例えば、RGD 配列含有ペプチドにミリス
チン酸を導入した化合物が PCT国際公開 WO 90/11297号
に開示されているが、癌転移抑制剤としての有用性は未
知である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は癌転移
抑制用組成物を提供することにある。より具体的にいう
と、本発明の目的の一つは、上記のコア配列をリガンド
とする癌細胞表面レセプターに対して特異的に結合する
ことができる上記コア配列を部分構造として含む化合物
を有効成分の一つとして含む癌転移抑制用組成物を提供
することにある。また、本発明の他の目的は、上記のよ
うな特徴を有し、かつ、生体に投与した場合に優れた癌
転移抑制作用を発揮できるような化合物を有効成分の一
つとする癌転移抑制用組成物を提供することにある。
【0012】別の観点からは、本発明の目的は、癌転移
抑制作用を有する上記の化合物と、そのような化合物の
癌転移抑制作用を増強する物質とを有効成分として含
み、癌転移抑に有用な医薬組成物を提供することにあ
る。さらに、癌転移抑制作用を有する上記の化合物の癌
転移抑制作用を増強する作用増強剤、並びに上記の医薬
組成物を用いて癌転移を抑制する方法を提供することも
本発明の目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者ら上記の課題を
解決すべく鋭意努力した結果、分子中に少なくとも1の
分岐を有する中級又は高級アルキル鎖の部分構造と上記
RGDS ペプチド配列又はその繰り返し配列からなる部分
構造とを有する化合物が優れた癌転移抑制作用を有して
いること、並びに、特定の脂質が上記化合物の癌転移抑
制作用を著しく増強することを見い出した。さらに本発
明者は、上記化合物と特定の脂質とを含む組成物が優れ
た癌転移抑制作用を示し、癌転移抑制用組成物として有
用であることを見い出した。本発明は上記の知見を基に
して完成されたものである。
【0014】すなわち本発明は、癌転移抑制用組成物で
あって、以下の成分: (a) 下記の式: R1-Q-Z (I) H-Q-W-R2 (II) 及び H-Q-NHCH2CH2O-PO(OH)-0CH2CH(OR3)CH2OR3 (III) (式中、Q は細胞接着活性を有するフラグメントを示
し、R1は該フラグメントの末端アミノ基上に置換した炭
素数10〜25の1または2以上の分岐を有するアルカノイ
ル基を示し;R2は炭素数10〜25の1または2以上の分岐
を有するアルキル基を示し;R3はそれぞれ独立に炭素数
10〜25の1または2以上の分岐を有するアルキル基また
はアルカノイル基を示し;W は上記フラグメントの末端
カルボニル基上に置換した -O-基又は-NH-基を示し;Z
は上記フラグメントのC-末端カルボニル基上に置換した
水酸基又は置換若しくは無置換のアミノ基を示す)で示
される化合物からなる群から選ばれる化合物、及び(b)
炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジルコリ
ン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジル
エタノールアミン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有する
ホスファチジルセリン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有
するホスファチジルグリセロール、炭素数14〜24の脂肪
酸残基を有するホスファチジン酸、スフィンゴ脂質類、
コレステロールからなる群より選ばれる脂質を含む組成
物を提供するものである。
【0015】本発明の好ましい態様によれば、 上記フラグメントQ が下記の式: ([X1]-Arg-Gly-Asp-[X2])n (式中、Arg, Gly, Asp はそれぞれアルギニン、グリシ
ン、及びアスパラギン酸残基を示し;[X1]及び[X2]はそ
れぞれX1及びX2が存在しても存在しなくてもよいことを
示し;X1及びX2はそれぞれ独立にセリン、グリシン、バ
リン、アスパラギン、プロリン、システイン、及びスレ
オニン残基からなる群から選ばれるアミノ酸残基を示
し;n は1〜5の整数を示す)で示されるペプチド鎖で
あり、R1が上記ペプチド鎖のN-末端アミノ基上に置換し
ており、W が上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上に
置換しており、Z は上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル
基上に置換した上記組成物;上記フラグメントQ が下記
の式: ([Y1]-Arg-Y2-Asp-[Y3])n (式中、Arg 及び Aspはそれぞれアルギニン及びアスパ
ラギン酸を示し;[Y1]及び[Y3]はそれぞれY1及びY3が存
在しても存在しなくてもよいことを示し;Y1はアスパラ
ギン酸を示し;Y2はロイシン又はイソロイシンを示し;
Y3はセリン又はスレオニンを示し;n は1〜5の整数を
示す)で示されるペプチド鎖であり、R1が上記ペプチド
鎖のN-末端アミノ基上に置換しており、W が上記ペプチ
ド鎖のC-末端カルボニル基上に置換しており、Z は上記
ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上に置換した上記組成
物;及び上記フラグメントQ が下記の式: ([Z]-Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg)n (式中、Tyr, Ile, Gly, Ser, Arg はそれぞれチロシ
ン、イソロイシン、グリシン、セリン及びアルギニンを
示し;[Z] はZ が存在しても存在しなくてもよいことを
示し;Z はアルパラギン酸又はグルタミン酸を示し、n
は1〜5の整数を示す)で示されるペプチド鎖であり、
R1が上記ペプチド鎖のN-末端アミノ基上に置換してお
り、W が上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上に置換
しており、Z は上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上
に置換した上記組成物が提供される。
【0016】さらにこれらの発明の好ましい態様とし
て、R1が1または2以上のメチル基分岐を有するアルカ
ノイル基であり、R2が1または2以上のメチル基分岐を
有するアルキル基であり、及び/又は、R3がそれぞれ独
立に1または2以上のメチル基分岐を有するアルキル基
又はアルカノイル基である上記組成物;R1がH-[CH2-CH
(CH3)-(CH2)2]k -CH2-CH(CH3)-CH2-CO- (k は 1〜3 の
整数を示す)であり、R2がH-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]l -
(l は 2〜4 の整数を示す)であり、及び/又は、R3がH
-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]m -(m は 2〜4 の整数を示す)
若しくはH-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]s -CH2-CH(CH3)-CH2-C
O-(sは 1〜3 の整数を示す)である上記組成物;R1が3,
7,11-トリメチルドデカノイル基、3,7,11,15-テトラメ
チルヘキサデカノイル基、及び5,9,13,17-テトラメチル
オクタデカノイル基からなる群から選ばれる基であり、
R2が3,7,11- トリメチルドデシル基、3,7,11,15-テトラ
メチルヘキサデシル基、及び5,9,13,17-テトラメチルオ
クタデシル基からなる群から選ばれる基であり、及び/
又はR3がそれぞれ独立に3,7,11- トリメチルドデシル
基、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデシル基、5,9,13,1
7-テトラメチルオクタデシル基、3,7,11-トリメチルド
デカノイル基、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデカノイ
ル基、及び5,9,13,17-テトラメチルオクタデカノイル基
からなる群から選ばれる基である上記組成物が提供され
る。
【0017】また、これらの発明の好ましい態様とし
て、脂質が炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファ
チジルコリン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホス
ファチジルエタノールアミン、炭素数14〜24の脂肪酸残
基を有するホスファチジルセリン、炭素数14〜24の脂肪
酸残基を有するホスファチジルグリセロール、炭素数14
〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジン酸、及びコレ
ステロールからなる群より選ばれる脂質である上記組成
物;脂質が炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファ
チジルコリン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホス
ファチジルグリセロール、及びコレステロールからなる
群より選ばれる脂質である上記組成物;脂質がジステア
ロイルホスファチジルコリン、コレステロール、及びジ
パルミトイルホスファチジルグリセロールの混合物であ
る上記組成物、並びに、制癌性化合物を含む上記の組成
物が提供される。
【0018】また、本発明の別の態様によれば、下記の
式: R1-Q-Z (I) H-Q-W-R2 (II) 及び H-Q-NHCH2CH2O-PO(OH)-0CH2CH(OR3)CH2OR3 (III) (式中、Q は細胞接着活性を有するフラグメントを示
し、R1は該フラグメントの末端アミノ基上に置換した炭
素数10〜25の1または2以上の分岐を有するアルカノイ
ル基を示し;R2は炭素数10〜25の1または2以上の分岐
を有するアルキル基を示し;R3はそれぞれ独立に炭素数
10〜25の1または2以上の分岐を有するアルキル基また
はアルカノイル基を示し;W は上記フラグメントの末端
カルボニル基上に置換した -O-基又は-NH-基を示し;Z
は上記フラグメントのC-末端カルボニル基上に置換した
水酸基又は置換若しくは無置換のアミノ基を示す)で示
される化合物からなる群から選ばれる化合物の癌転移抑
制作用の増強剤であって、炭素数14〜24の脂肪酸残基を
有するホスファチジルコリン、炭素数14〜24の脂肪酸残
基を有するホスファチジルエタノールアミン、炭素数14
〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジルセリン、炭素
数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジルグリセロ
ール、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジ
ン酸、スフィンゴ脂質類、コレステロールからなる群よ
り選ばれる脂質を有効成分として含む増強剤が提供され
る。
【0019】この発明の好ましい態様によれば、上記フ
ラグメントQ が下記の式: ([X1]-Arg-Gly-Asp-[X2])n (式中、Arg, Gly, Asp はそれぞれアルギニン、グリシ
ン、及びアスパラギン酸残基を示し;[X1]及び[X2]はそ
れぞれX1及びX2が存在しても存在しなくてもよいことを
示し;X1及びX2はそれぞれ独立にセリン、グリシン、バ
リン、アスパラギン、プロリン、システイン、及びスレ
オニン残基からなる群から選ばれるアミノ酸残基を示
し;n は1〜5の整数を示す)で示されるペプチド鎖で
あり、R1が上記ペプチド鎖のN-末端アミノ基上に置換し
ており、W が上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上に
置換しており、Z は上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル
基上に置換した上記増強剤;上記フラグメントQ が下記
の式: ([Y1]-Arg-Y2-Asp-[Y3])n (式中、Arg 及び Aspはそれぞれアルギニン及びアスパ
ラギン酸を示し;[Y1]及び[Y3]はそれぞれY1及びY3が存
在しても存在しなくてもよいことを示し;Y1はアスパラ
ギン酸を示し;Y2はロイシン又はイソロイシンを示し;
Y3はセリン又はスレオニンを示し;n は1〜5の整数を
示す)で示されるペプチド鎖であり、R1が上記ペプチド
鎖のN-末端アミノ基上に置換しており、W が上記ペプチ
ド鎖のC-末端カルボニル基上に置換しており、Z は上記
ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上に置換した上記増強
剤;上記フラグメントQ が下記の式: ([Z]-Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg)n (式中、Tyr, Ile, Gly, Ser, Arg はそれぞれチロシ
ン、イソロイシン、グリシン、セリン及びアルギニンを
示し;[Z] はZ が存在しても存在しなくてもよいことを
示し;Z はアルパラギン酸又はグルタミン酸を示し、n
は1〜5の整数を示す)で示されるペプチド鎖であり、
R1が上記ペプチド鎖のN-末端アミノ基上に置換してお
り、W が上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上に置換
しており、Z は上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上
に置換した上記増強剤が提供される。
【0020】また、上記の発明の好ましい態様によれ
ば、R1が1または2以上のメチル基分岐を有するアルカ
ノイル基であり、R2が1または2以上のメチル基分岐を
有するアルキル基であり、及び/又は、R3がそれぞれ独
立に1または2以上のメチル基分岐を有するアルキル基
又はアルカノイル基である上記増強剤;R1がH-[CH2-CH
(CH3)-(CH2)2]k -CH2-CH(CH3)-CH2-CO- (k は 1〜3 の
整数を示す)であり、R2がH-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]l -
(l は 2〜4 の整数を示す)であり、及び/又は、R3がH
-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]m -(m は 2〜4 の整数を示す)
若しくはH-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]s -CH2-CH(CH3)-CH2-C
O-(sは 1〜3 の整数を示す)である上記増強剤;R1が3,
7,11-トリメチルドデカノイル基、3,7,11,15-テトラメ
チルヘキサデカノイル基、及び5,9,13,17-テトラメチル
オクタデカノイル基からなる群から選ばれる基であり、
R2が3,7,11- トリメチルドデシル基、3,7,11,15-テトラ
メチルヘキサデシル基、及び5,9,13,17-テトラメチルオ
クタデシル基からなる群から選ばれる基であり、及び/
又は、R3がそれぞれ独立に3,7,11- トリメチルドデシル
基、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデシル基、5,9,13,1
7-テトラメチルオクタデシル基、3,7,11-トリメチルド
デカノイル基、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデカノイ
ル基、及び5,9,13,17-テトラメチルオクタデカノイル基
からなる群から選ばれる基である上記増強剤が提供され
る。
【0021】さらにこれらの発明の好ましい態様とし
て、脂質が炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファ
チジルコリン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホス
ファチジルエタノールアミン、炭素数14〜24の脂肪酸残
基を有するホスファチジルセリン、炭素数14〜24の脂肪
酸残基を有するホスファチジルグリセロール、炭素数14
〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジン酸、及びコレ
ステロールからなる群より選ばれる脂質である上記増強
剤;脂質が炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファ
チジルコリン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホス
ファチジルグリセロール、及びコレステロールからなる
群より選ばれる脂質である上記増強剤;脂質がジステア
ロイルホスファチジルコリン、コレステロール、及びジ
パルミトイルホスファチジルグリセロールの混合物であ
る上記増強剤、並びに、上記組成物をヒトを含む哺乳類
に投与する工程を含む癌転移抑制方法が提供される。
【0022】上記一般式において、Q は例えば Arg-Gly
-Asp-Serなどの細胞接着活性を有するペプチド鎖やこれ
らの同等の作用を有するペプチド・アナログなどを示
す。ペプチド・アナログとしては、ペプチド結合の窒素
原子が炭素原子に置換されたものや、アミド結合のカル
ボニル基がチオカルボニル基となったものなどを例示す
ることもできる。好ましくは、Q は、([X1]-Arg-Gly-As
p-[X2])n(式中、Arg, Gly, Asp はそれぞれアルギニ
ン、グリシン、及びアスパラギン酸残基を示し;[X1]及
び[X2]はそれぞれX1及びX2が存在しても存在しなくても
よいことを示し;X1及びX2はそれぞれ独立にセリン、グ
リシン、バリン、アスパラギン、プロリン、システイ
ン、及びスレオニン残基からなる群から選ばれるアミノ
酸残基を示し;n は1〜5の整数を示す)で示されるペ
プチド鎖;([Y1]-Arg-Y2-Asp-[Y3])n (式中、Arg 及び
Aspはそれぞれアルギニン及びアスパラギン酸を示し;
[Y1]及び[Y3]はそれぞれY1及びY3が存在しても存在しな
くてもよいことを示し;Y1はアスパラギン酸を示し;Y2
はロイシン又はイソロイシンを示し;Y3はセリン又はス
レオニンを示し;n は1〜5の整数を示す)で示される
ペプチド鎖;又は、([Z]-Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg)n(式
中、Tyr, Ile, Gly, Ser, Arg はそれぞれチロシン、イ
ソロイシン、グリシン、セリン及びアルギニンを示し;
[Z] はZ が存在しても存在しなくてもよいことを示し;
Z はアルパラギン酸又はグルタミン酸を示し、n は1〜
5の整数を示す)で示されるペプチド鎖を示す。
【0023】これらのフラグメントについて-[X1]-Arg-
Gly-Asp-[X2]- を例にとって説明すると、アルギニン、
グリシン、及びアスパラギン酸残基が結合したトリペプ
チドのN末端及びC末端にそれぞれ任意にX およびY で
示されるアミノ酸残基が結合していることを示し、より
具体的には、-X1-Arg-Gly-Asp-X2-, -X1-Arg-Gly-Asp-,
-Arg-Gly-Asp-X2-, または-Arg-Gly-Asp- のいずれか
のペプチド鎖を示す(本明細書において、ペプチド鎖を
上記のように記載した場合には、左端がペプチド鎖のN
末端、右端がペプチド鎖のC末端である)。また、 (-
[X1]-Arg-Gly-Asp-[X2]-)n は、上記の-X1-Arg-Gly-Asp
-X2-, -X1-Arg-Gly-Asp-, -Arg-Gly-Asp-X2-, または-
Arg-Gly-Asp- からなる群からそれぞれ独立に選ばれる
n個(n は1 〜5 の整数を示す)のペプチド鎖が結合し
たペプチド鎖を示す。例えば、同一の上記ペプチド鎖が
n個結合して繰り返し配列を形成したペプチド鎖は本発
明の化合物の好ましい部分構造である。
【0024】X1及び/又はX2が存在する場合、X1及びX2
は同一でも異なっていてもよいが、X1が Gly、Y が Se
r、 Thrあるいは Valであることが好ましい。また、こ
れらのペプチド鎖を構成するアミノ酸残基(グリシン残
基は除く)はD-体又はL-体、あるいはラセミ体のいずれ
でもよいが、好ましくはL-体を用いることができる。例
えば、Y1としてはL-アスパラギン酸又はD-アスパラギン
酸を用いることができ、Y2がL-ロイシン、D-ロイシン、
またはD-イソロイシンであり、Y3がL-セリン又はL-スレ
オニンであることが好ましい。さらに、Z はL-アスパラ
ギン酸、D-アルパラギン酸、L-グルタミン酸、又はD-グ
ルタミン酸のいずれでもよい。
【0025】R1は上記フラグメントの末端アミノ基、好
ましくは上記ペプチド鎖のN-末端アミノ基上に置換した
炭素数10〜25のアルカノイル基であって、1または2以
上の分岐を有するアルカノイル基を示す。分岐として炭
素数 1〜4 の低級アルキル基、好ましくはメチル基を 1
または2 以上、好ましくは 1〜4 個有するアルカノイル
基を用いることができる。このようなアルカノイル基と
して鎖状テルペン様構造を有するアシル基を用いること
が好ましい。このようなアルカノイル基は、例えば、H-
[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]k -CH2-CH(CH3)-CH2-CO- (k は 1
〜3 の整数を示す)で示すことができ、鎖状テルペン様
構造としては、天然鎖状テルペン由来のものの他、合成
テルペンから誘導されたものを用いてもよい。これらは
ジテルペンであるフィトールやイソフィトール、セスキ
テルペンであるファルネソール等から当業者に周知の方
法により官能基変換し、さらにテルペン内に存在する2
重結合を還元して製造することができ、その詳細は以下
の実施例に記載されている。より具体的には、このよう
なアルカノイル基として、3,7,11-トリメチルドデカノ
イル基、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデカノイル基、
5,9,13,17-テトラメチルオクタデカノイル基等を用いる
ことができる。
【0026】R2は炭素数10〜25の1または2以上の分岐
を有するアルキル基を示す。分岐として炭素数 1〜4 の
低級アルキル基、好ましくはメチル基を 1または2 以
上、好ましくは 1〜4 個有するアルキル基を用いること
ができる。このようなアルキル基として、鎖状テルペン
様構造を有するアルキル基を用いることが好ましい。こ
のようなアルキル基は、例えば、H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)
2]l -(l は 2〜4 の整数を示す)で示すことができ、鎖
状テルペン様構造としては、天然鎖状テルペン由来のも
のの他、合成テルペンから誘導されたものを用いてもよ
い。これらのアルキル基は上記のアルカノイル基と同様
に製造することができる。例えば、3,7,11- トリメチル
ドデシル基、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデシル基、
5,9,13,17-テトラメチルオクタデシル基などを用いるこ
とができる。
【0027】W は上記フラグメントの末端カルボニル
基、好ましくは上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上
に置換した -O-基又は-NH-基を示し、より具体的には、
W が-O- 基を示し、上記フラグメントがペプチド鎖であ
る場合、上記ペプチド鎖のC末端はR2とともにエステル
(-COOR2)を形成しており、W が-NH-基を示す場合には上
記ペプチド鎖のC末端は窒素原子上にR2が置換したアミ
ド基(-CONHR2) を示す。Z は上記ペプチド鎖のC-末端カ
ルボニル基上に置換した水酸基又は置換若しくは無置換
のアミノ基を示し、より具体的には、Z が水酸基を示す
場合には上記ペプチド鎖のC末端はカルボキシル基を形
成しており、Z が置換若しくは無置換のアミノ基を示す
場合には置換若しくは窒素原子上に置換基を有するアミ
ド基を示す。Z が置換アミノ基を示す場合、置換基とし
ては炭素数 1〜4 程度の低級アルキル基を用いることが
できる。
【0028】R3はそれぞれ独立に炭素数10〜25の1また
は2以上の分岐を有するアルキル基又はアルカノイル基
を示す。分岐として炭素数 1〜4 の低級アルキル基、好
ましくはメチル基を 1または2 以上、好ましくは 1〜4
個有するアルキル基を用いることができる。このような
アルキル基又はアルカノイル基のアルキル部分として、
鎖状テルペン様構造を有するアルキル基を用いることが
好ましい。このようなアルキル基は、例えば、H-[CH2-C
H(CH3)-(CH2)2]m -(m は 2〜4 の整数を示す)で示すこ
とができ、鎖状テルペン構造としては、天然鎖状テルペ
ン由来のものの他、合成テルペンから誘導されたものを
用いてもよい。これらのアルキル基は上記のアルカノイ
ル基と同様に製造することができる。R3として、例え
ば、3,7,11- トリメチルドデシル基、3,7,11,15-テトラ
メチルヘキサデシル基、5,9,13,17-テトラメチルオクタ
デシル基、3,7,11-トリメチルドデカノイル基、3,7,11,
15-テトラメチルヘキサデカノイル基、又は5,9,13,17-
テトラメチルオクタデカノイル基などを用いることがで
きる。
【0029】上記式(I), (II), 及び(III) で示される
化合物群の一部は特開平4-208295号公報に開示されてお
り、この刊行物に記載された方法により容易に製造する
ことが可能である。また、上記式(I), (II), 及び(II
I) で示される化合物の細胞接着活性を有するフラグメ
ントの構造や特性、並びに製造方法については、特開平
4-208295号公報の他、特願平5-111716号明細書、特願平
5-111717号明細書などに詳細に説明されている。なお、
本発明の上記化合物群には新規化合物が包含されている
が、これらは上記刊行物及び従来の技術で説明した刊行
物などを参照し、または、本明細書の実施例を参照する
ことにより当業者が容易に製造可能な化合物である。な
お、上記の化合物は、使用する原料アミノ酸の種類や側
鎖の分岐の数や種類に応じて、複数の不斉炭素を有して
いることは当業者に自明である。従って、上記化合物の
範囲には、任意の光学活性体や任意のジアステレオ異性
体などの異性体の他、これらの異性体の任意の混合物や
ラセミ体などの全てが包含される。
【0030】本発明の組成物に含まれる化合物のうち、
細胞接着活性を有するフラグメントが([X1]-Arg-Gly-As
p-[X2])nで示される化合物について、好ましい化合物を
例示するが、本発明の組成物に含まれる化合物はこれら
に限定されることはない。なお、〔-([X1]-Arg-Gly-Asp
-[X2])n-〕について、AA:-Arg-Gly-Asp-;BB:-Gly-Arg-
Gly-Asp-;CC:-Arg-Gly-Asp-Ser-;DD:-Arg-Gly-Asp-Th
r-;EE:-Arg-Gly-Asp-Val-;FF:-Gly-Arg-Gly-Asp-Ser
-;GG:-Gly-Arg-Gly-Asp-Thr-;HH:-Gly-Arg-Gly-Asp-V
al-の略号を用いる。
【表1】 式(I) の化合物 ─────────────────────────────────── No. ペプチド部分 Z R1 ─────────────────────────────────── I-1 AA OH CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-CH2-CO- I-2 FF OH CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-CH2-CO- I-3 AA-AA OH CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-CH2-CO- I-4 AA-FF OH CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-CH2-CO- I-5 AA-EE-AA OH CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-CH2-CO- I-6 HH-AA-AA OH CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-CH2-CO- I-7 AA-AA-FF-AA OH CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-CH2-CO- I-8 AA-AA-AA-AA-AA OH CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-CH2-CO- I-9 AA-BB-AA-CC-AA OH CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-CH2-CO- I-10 AA-BB-DD-AA-FF OH CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-CH2-CO- I-11 AA OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]2-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-12 AA-FF OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]2-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-13 GG-FF OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]2-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-14 AA OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-15 BB OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-16 CC OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-17 DD OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-18 EE OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-19 FF OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-20 GG OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-21 HH OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-22 AA-CC OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-23 GG-FF OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-24 AA-CC-GG OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-25 AA-DD-BB-CC OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-26 CC-DD-AA-GG-HH OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-27 CC-CC-CC-CC-CC OH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-28 FF OH C2H5-CH(C2H5)-(CH2)3-CH(CH3)-CH2-CO- I-29 FF OH C2H5-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-CH2-CO- I-30 AA OH CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(C2H5)-CH2-CO- I-31 CC NH2 H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-32 DD NH2 H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- I-33 EE NH2 H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3-CH2-CH(CH3)-CH2-CO- ───────────────────────────────────
【0031】
【表2】 式(II)の化合物 ─────────────────────────────────── No. ペプチド部分 W R2 ─────────────────────────────────── II-1 AA -O- CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- II-2 FF -O- CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- II-3 AA-AA -O- CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- II-4 AA-FF -O- CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- II-5 AA-EE-AA -O- CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- II-6 HH-AA-AA -O- CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- II-7 AA-AA-FF-AA -O- CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- II-8 AA-AA-AA-AA-AA -O- CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- II-9 AA-BB-AA-CC-AA -O- CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- II-10 AA-BB-DD-AA-FF -O- CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- II-11 AA -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3- II-12 AA-FF -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3- II-13 GG-FF -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3- II-14 AA -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-15 BB -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-16 CC -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-17 DD -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-18 EE -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-19 FF -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-20 GG -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-21 HH -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-22 AA-CC -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-23 GG-FF -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-24 AA-CC-GG -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-25 AA-DD-BB-CC -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-26 CC-DD-AA-GG-HH -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-27 CC-CC-CC-CC-CC -O- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-28 FF -O- C2H5-CH(C2H5)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- II-29 FF -O- C2H5-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- II-30 AA -O- CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(C2H5)-(CH2)2- II-31 CC -NH- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-32 DD -NH- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- II-33 EE -NH- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- ───────────────────────────────────
【0032】
【表3】 式(III) の化合物 ─────────────────────────────────── No. ペプチド部分 R3(上段はグリセロール2-位;下段3-位) ─────────────────────────────────── III-1 AA CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- III-2 FF CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3- III-3 AA-AA CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- CH3-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- III-4 AA H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3- III-5 AA-FF H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-6 GG-FF-BB H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3- III-7 AA H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-8 AA H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3- III-9 AA H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]3- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-10 BB H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-11 CC H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-12 DD H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-13 EE H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-14 FF H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-15 GG H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-16 HH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-17 AA-CC H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-18 AA-CC-GG H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-19 AA-DD-BB-CC H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-20 CC-DD-AA-GG-HH H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-21 CC-CC-CC-CC-CC H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-22 FF H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- C2H5-CH(C2H5)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- III-23 FF C2H5-CH(C2H5)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- H-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]4- III-24 FF C2H5-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- C2H5-CH(CH3)-(CH2)3-CH(CH3)-(CH2)2- ───────────────────────────────────
【0033】また、([Y1]-Arg-Y2-Asp-[Y3])n で示され
るペプチド鎖としては、Asp-Arg-Leu-Asp-Ser(アミノ酸
残基はすべてL-体) などが好ましく、([Z]-Tyr-Ile-Gly
-Ser-Arg)nで示されるペプチド鎖としては Asp-Tyr-Ile
-Gly-Ser-Arg- r(アミノ酸残基はすべてL-体) などが好
ましい。上記の表1〜3に示した化合物において、ペプ
チド部分が上記のAsp-Arg-Leu-Asp-Ser(アミノ酸残基は
すべてL-体) または Asp-Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg- に置換
された化合物は本発明の好ましい化合物である。本発明
の癌転移抑制用組成物は、上記の式(I), (II), 及び(I
II) で示される化合物群から選択される1または2以上
の化合物、及び、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホ
スファチジルコリン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有す
るホスファチジルエタノールアミン、炭素数14〜24の脂
肪酸残基を有するホスファチジルセリン、炭素数14〜24
の脂肪酸残基を有するホスファチジルグリセロール、炭
素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジン酸、ス
フィンゴ脂質類、コレステロールからなる群より選ばれ
る脂質の1種または2種以上を含むことを特徴とする医
薬組成物である。本発明の組成物中における上記の式
(I), (II), 及び(III) で示される化合物の含有率(重
量%)は特に限定されないが、通常の場合、組成物全重
量に対して 0.1〜80 %、好ましくは 1〜40 %、さらに好
ましくは 3〜25%の範囲である。
【0034】また、本発明の作用増強剤は、上記の上記
の式(I), (II), 及び(III) で示される化合物の癌転移
抑制作用を増強するために用いられ、炭素数14〜24の脂
肪酸残基を有するホスファチジルコリン、炭素数14〜24
の脂肪酸残基を有するホスファチジルエタノールアミ
ン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジル
セリン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチ
ジルグリセロール、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有する
ホスファチジン酸、スフィンゴ脂質類、コレステロール
からなる群より選ばれる脂質の1種または2種以上を含
むことを特徴としている。本発明の作用増強剤は、上記
の式(I), (II), 及び(III) で示される化合物と本発明
の作用増強剤の総重量に対して、上記の式(I), (II),
及び(III)で示される化合物が 0.1〜80 %、好ましくは
1〜40 %、さらに好ましくは 3〜25%の範囲となるように
用いられる。
【0035】本発明の組成物に含まれるの式(I), (II),
及び(III) で示される化合物、及び、炭素数14〜24の
脂肪酸残基を有するホスファチジルコリン、炭素数14〜
24の脂肪酸残基を有するホスファチジルエタノールアミ
ン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジル
セリン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチ
ジルグリセロール、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有する
ホスファチジン酸、スフィンゴ脂質類に存在するイオン
性基は、適当な対イオンと塩を形成していてもよく、ま
た、分子内で塩を形成していてもよい。塩としては生理
学的及び薬理学的に許容されるものを用いるべきであ
り、より具体的には、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸
塩の様な無機酸との塩、酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩等の
有機酸との塩、さらにナトリウム塩、カリウム塩などを
用いればよい。これらのうち、塩酸塩、酢酸塩、ナトリ
ウム塩が好ましい。この様な塩への変換は慣用手段によ
り行うことができる。
【0036】いかなる特定の理論に拘泥するわけではな
いが、本発明の癌転移抑制用組成物の作用は以下のよう
に説明できる。上記の脂質は血中に投与された後に2分
子膜構造のミセルを形成し、上記の式(I) 〜(III) で示
される化合物の長鎖アルキル部分 (R1の一部,R2, 及び
R3) が脂質2重膜の疎水部分に埋め込まれる。上記化合
物はミセルに半固定状態で保たれたまま上記ミセルとと
もに末梢血管に輸送される。一方、ミセルに半固定され
た上記化合物のフラグメント部分(例えばペプチド鎖)
はミセルの外部に露出しており、このフラグメント部分
に存在する細胞接着性ペプチドまたはそのアナログが癌
細胞表面上のレセプターと結合し、細胞接着をブロック
して癌転移阻害作用を示す。
【0037】また、いかなる特定の理論に拘泥するわけ
ではないが、本発明の癌転移抑制組成物はこのような作
用を発揮するにあたり、以下の特徴を有している。上記
化合物の長鎖アルキル部分 (R1の一部,R2, 及びR3) は
分岐を有しているので、直鎖状のアルキルに比べて立体
的障害が大きく、いったんミセル内に埋め込まれると容
易に脱落することがない。従って、上記フラグメント部
分が血中のペプチド分解酵素等によって容易に加水分解
されることがなく、生体内で癌転移抑制作用が長期にわ
たって持続される。一方、ミセル内の疎水部分に埋め込
まれた上記化合物の長鎖アルキル部分 (R1の一部,R2,
及びR3) には分岐が存在するので、この分岐の作用によ
りミセルの構造が脆弱になり、ミセル自体が有する界面
活性作用が低下する。従って、ミセルの界面活性作用に
よる毒性を軽減することができる。さらに、ミセル表面
に露出したフラグメント部分(好ましくはペプチド鎖)
には細胞接着性ペプチド配列が複数個存在するので、癌
細胞上のレセプターに多点で作用できるという特徴があ
る。
【0038】従って、本発明の癌転移抑制用組成物は、
癌細胞のフィブロネクチンへの結合を阻害することによ
り、癌細胞の接着、コロニー化、破壊的浸食を阻止して
癌転移抑制作用を示すので、ヒトを含む哺乳類において
癌の転移を抑制するための医薬として有用である。例え
ば、乳癌、表皮癌、筋線メラノーマ(muscle line mela
noma)、表皮線神経芽細胞腫x グリオマ(epidermal li
ne neuroblastoma x glioma)、軟骨細胞、フィブロザ
ルコーマを含め種々の細胞の接着及び転移を阻止するの
に有効である。また、本発明の癌転移抑制用組成物は、
マウスを用いた毒性試験によっては全く毒性が認めら
ず、極めて毒性が低いという特徴を有している。
【0039】本発明の癌転移抑制用組成物の投与量は、
使用の目的、適用対象となる患者の年齢や体重、転移を
抑制すべき癌の種類などに応じて適宜増減すればよい
が、一般的には、成人一日当たり、式(I), (II), 又は
(III)で示される化合物の投与量が 0.2μg/kgから200
mg/kg の範囲となるように投与することができる。投与
経路としては、静脈内投与や腹腔内投与などの非経口投
与によることが望ましい。また、原発癌組織を摘出する
ための手術において、原発癌組織から離散する癌細胞の
着床を抑制する目的で、本発明の癌転移抑制用組成物を
手術野に持続的又は単回あるいは数回に分けて投与して
もよい。
【0040】非経口投与用の製剤は、一般には、注射用
蒸留水、滅菌生理食塩水、滅菌緩衝液などに上記の2成
分を溶解した液体状の単位投与量製剤として用いられ
る。このような製剤は、例えば、上記の2成分を上記の
媒体に溶解して滅菌濾過し、適当なバイアル又はアンプ
ルに充填して密封することにより製造することができ
る。また、安定性を高めるために、凍結乾燥された組成
物をバイアル中に充填した形態の製剤を用いてもよい。
このような製剤は、使用時に注射用蒸留水、滅菌生理食
塩水、滅菌緩衝液など所定の媒体を添加して溶解して用
いることができる。非経口懸濁液は、実質的に非経口溶
液の場合と同じ方法で製造されるが、有効成分を媒体に
懸濁させてエチレンオキシドなどにより滅菌することに
より好適に製造できる。また、有効成分が均一分布とな
るように、必要に応じて界面活性剤、湿潤剤等を添加し
てもよい。
【0041】本発明の癌転移抑制用組成物は、水中で2
分子膜構造を基本とするミセル(分子集合体)を形成す
ることから、そのミセル内の水相あるいは脂質2重膜層
の疎水部分に他の薬理作用を有する化合物、より具体的
には抗癌性化合物を保持させることも可能である。従っ
て、1または2以上の抗癌性化合物を含む上記組成物も
本発明の組成物として好ましいものである。例えば、抗
癌性化合物として、癌化学療法において通常用いられる
アドリアマイシンやマイトマイシンなどの抗癌性抗生物
質、シスプラチンなどの抗癌性白金誘導体などを用いる
ことができる。従来の化学療法においては、癌転移抑の
目的で副作用の強い制癌剤が用いられる場合もあるが、
上記の態様の本発明の組成物を投与することにより、癌
転移を有効に抑制するとともに、制癌剤の投与量を減ら
し、制癌剤による副作用を軽減することも可能である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるこ
とはない。
【0042】
【実施例】
例1:化合物1および2の合成 本発明の癌転移抑制用組成物の有効成分として用いるた
めに、下記式で示される化合物1および2を以下のよう
にして製造した。
【化1】
【0043】化合物1の合成経路を以下のスキームに示
す。なお、スキーム中の略号は以下のとおりである。 Boc :t-ブトキシカルボニル Bn :ベンジル AcoEt :酢酸エチル Z :ベンジルオキシカルボニル HOBt :1ーヒドロキシベンゾトリアゾール DCC :ジシクロヘキシルカルボジイミド iPr2NEt :ジイソプロピルエチルアミン Et3N :トリエチルアミン AcOH :酢酸 DMF :ジメチルホルムアミド CDI :カルボニルジイミダゾール TFA :トリフルオロ酢酸 EtOH :エタノール p-TsCl :p-トルエンスルホニルクロリド t-BuOK :t-ブトキシカリウム Ph :フェニル
【0044】
【化2】
【0045】
【化3】
【0046】化合物1の合成 (1) 中間体1の合成 Boc-Ser(Bn)-OH (20.4 g, 69 mmol)、ベンジルブロミド
(13 g, 76 mmol) 、ジイソプロピルエチルアミン(9.8
g, 76 mmol)を酢酸エチル(100 ml)に溶解し、反応混合
物を5時間加熱還流した。室温まで放冷した後、生成し
た塩を濾過して除き、濾液を水、1 M クエン酸溶液、飽
和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。この溶液を減圧濃縮して中間体1を無色油状
物として得、精製することなく次の反応に用いた。
【0047】(2) 中間体2の合成 中間体1の塩化メチレン(80 ml) 溶液にトリフルオロ酢
酸(80 ml) を加え、反応混合物を室温で40分間攪拌し
た。反応終了後、反応液を減圧濃縮して大部分の溶媒を
留去し、残渣を酢酸エチルで希釈して飽和重曹水、飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。この
溶液を減圧濃縮してアミン体を無色油状物として得た。
得られたアミン体とBoc-Asp(Bn)-OH (22.6 g, 70 mmo
l)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール (10.7 g, 70 mmo
l)をDMF (80 ml) 及び塩化メチレン (80 ml)の混合溶媒
に溶解し、氷冷しながらDCC (14.4 g, 70 mmol) を加え
た。反応混合物を氷冷下2時間攪拌し、さらに室温まで
昇温しながら終夜攪拌した。反応混合物をセライト濾過
して生成した沈殿を除去した。濾液を適当量の酢酸エチ
ルで希釈した後、水、5 % 炭酸ナトリウム溶液、1 M ク
エン酸溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。この溶液を減圧濃縮して油状物を得
た。シリカゲルカラムクロマトグフラフィーで精製(溶
出液:ヘキサン/酢酸エチル=4/1 )し、中間体2(35.
8 g)を無色結晶として得た(3段階で収率87 %)。
【0048】(3) 中間体3の合成 中間体2 (35.7 g, 60.5 mmol)の塩化メチレン (100 m
l) 溶液にトリフルオロ酢酸 (100 ml) を加え、反応混
合物を室温で40分間攪拌した。反応終了後溶媒を留去
し、残渣をエーテルから結晶化させてトリフルオロ酢酸
塩 32.5 g を得た。得られたトリフルオロ酢酸塩 (18.9
g, 31.3 mmol)とBoc-Gly-OH (5.75 g, 33 mmol)、1-ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール (5.04 g, 33 mmol)、ジイ
ソプロピルエチルアミン (4.45 g, 34.4 mmol)をDMF (2
0 ml) 及び塩化メチレン(50 ml) の混合溶媒に溶解し、
氷冷しながらDCC(6.8 g, 33 mmol) を加えた。反応混合
物を氷冷下に2時間、更に室温まで昇温しながら終夜攪
拌した後、セライト濾過して生成した沈殿を除去した。
濾液を適当量の酢酸エチルで希釈し、水、5 % 炭酸ナト
リウム溶液、1 M クエン酸溶液、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。この溶液を減圧濃
縮して無色固形物を得、さらにヘキサン/酢酸エチル(2
/1) から再結晶して中間体3(17.9 g)を得た(87 %)。
【0049】(4) 中間体4の合成 中間体3(17.9 g, 27 mmol) の塩化メチレン(60 ml) 溶
液にトリフルオロ酢酸(60 ml) を加え、反応混合物を室
温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去し、残渣
をエーテルから結晶化させてトリフルオロ酢酸塩 15.9
g を得た。一方Boc-Arg(Z)2-OH (5.0 g, 9.2 mmol)をDM
F (20 ml) に溶解し、この溶液に氷冷しながらCDI (1.5
1 g, 9.3 mmol)のDMF (10 ml) 溶液を加えた。反応混合
物を氷冷しながら1時間攪拌したのち、上記操作により
得られたトリフルオロ酢酸塩(6.22 g, 9.2 mmol)とジイ
ソプロピルエチルアミン(1.32 g, 9.5 mmol)のDMF(20 m
l) 溶液を加えた。反応混合物を氷冷下に2時間、更に
室温まで昇温しながら終夜攪拌した後、減圧下に溶媒を
留去した。得られた固形物をエーテルから再結晶し、中
間体4(10.8 g)を無色結晶として得た(定量的)。FAB-
MS: (M+H)+ 1072.
【0050】(5) 中間体5の合成 中間体4(11.5 g, 11 mmol) の塩化メチレン(40 ml) 溶
液にトリフルオロ酢酸(40 ml) を加え、反応混合物を室
温で1時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去し、残渣
を酢酸エチルに溶解した。酢酸エチル層を飽和重曹水、
飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た後、溶液を減圧濃縮した。残渣をエーテルから再結晶
して中間体5(11.5 g)を得た(定量的)。FAB-MS: (M+
H)+ 972, (M+Na)+ 994.
【0051】(6) 中間体6の合成 天然ジテルペンであるフィトール(200 g)をエタノール
(1000 ml)に溶解し、酸化白金(1 g) を加えた後、反応
混合物を水素雰囲気下に6時間室温で攪拌した。反応終
了後、不溶性物質をセライト濾過して除き、濾液を減圧
濃縮してフィタノール 201 gを油状物として得た。IR
νmax (film) 3340 (br s), 2960 (s), 2930 (s), 2870
(s), 1465 (s), 1380 (s), 1370 (m), 1060 (s), 735
(w) cm-1
【0052】フィタノール(40 g)を四塩化炭素:アセ
トニトリル:水= 2:2:3 の混合溶媒(700 ml)に溶解
し、この溶液に三塩化ルテニウムn水和物(500 mg)と
メタ過ヨウ素酸ナトリウム(70 g)を加えた後、反応混
合物を室温で四時間激しく攪拌した。反応終了後、不溶
性物質をセライト濾過して除き、濾液を塩化メチレンで
希釈し、有機層を分取したのち水層を塩化メチレンで抽
出した。有機層をあわせて水で1回洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムを濾過して除き、
濾液を減圧濃縮してフィタン酸 39 g を油状物として得
た。IR νmax (film) 3600-2400 (br m), 2960 (s), 2
930 (s), 2870 (s), 1715 (s), 1465 (m), 1380 (m), 1
370 (w), 1300 (m), 940 (w) cm -1
【0053】フィタン酸(30 g)のトルエン(150 ml)
溶液に塩化チオニル(18 g)を加え、反応混合物を40時
間攪拌した。ガスの発生が止り反応が終了した後、溶媒
と過剰の塩化チオニルを常圧で留去した。残渣を減圧下
乾燥し、中間体6(フィタノイルクロリド)32 gを油状
物として得た。IR νmax (film) 2960 (s), 2930
(s), 2870 (s), 1800 (s), 1465 (s), 1380(s), 1370
(m), 990 (m), 825 (s) cm -1
【0054】(7) 中間体7の合成 中間体5(1.5 g, 1.5 mmol)とジイソプロピルエチルア
ミン(1 ml)の塩化メチレン(15 ml)溶液に、中間体6
(550 mg)の塩化メチレン(5 ml)溶液を加えた。反応
混合物を氷冷下2時間攪拌の後、室温まで昇温しながら
終夜放置した。減圧下溶媒を留去し、残渣をエーテルか
ら結晶化させて、目的とする中間体7を無色ロウ状固体
として1.8 g (定量的)得た。FAB-MS: (M+H) + 1266.
【0055】(8) 化合物1の合成 中間体7(1.5 g)の酢酸(40 ml)溶液に10 % Pd-C (200
mg)を加え、反応混合物を水素雰囲気下40℃で20時間攪
拌した。触媒をセライト濾過して除き、セライト層は少
量の酢酸で洗浄した。濾液及び洗液をあわせて減圧濃縮
し、得られた残渣の水溶液を凍結乾燥して、化合物1(8
00 mg)を無色粉末として得た。 FAB-MS: (M+H)+ 728.
【0056】化合物2の合成 化合物2の合成経路を以下に示す。
【0057】
【化4】
【0058】
【化5】
【0059】(9) 中間体8の合成 フィタノール(30.5 g, 0.1 mol)とトリエチルアミン
(15 g, 0.15 mol)のクロロホルム(200 ml)溶液に、
p-トルエンスルホニルクロリド(22.9 g, 0.12 mol)の
クロロホルム(150 ml)溶液を滴下した。反応混合物を
氷冷下2時間攪拌した後、室温まで昇温しながら終夜放
置した。反応混合物に水を加えて1時間攪拌した後、適
当量のクロロホルムで希釈して有機層を分取した。有機
層を水、1M クエン酸溶液、飽和重曹水、飽和食塩水で
順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、この溶
液を減圧濃縮してトシレートを油状物として得た。
【0060】得られたトシレート(24g, 53 mmol)のア
セトン(250 ml)溶液にヨウ化ナトリウム(12 g, 80 m
mol)を加え、反応混合物を6時間加熱還流した。室温
まで冷却したのち生成した沈殿をセライト濾過して除
き、セライト層をヘキサンで洗浄した。濾液及び洗液を
あわせて減圧濃縮した。残渣をヘキサンで希釈したのち
水、5 % チオ硫酸ナトリウム溶液、飽和食塩水で洗浄、
無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮して油状物を得
た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶
出液:ヘキサン)、目的とするヨウ化物 21 g を無色油
状物として得た。
【0061】得られたヨウ化物(4.1 g, 10 mmol)と3-ベ
ンジル-sn-グリセロール(720 mg,4 mmol, 文献[Synth
esis 503頁,1985年]記載の方法により調製)のDMF(10
ml)及びテトラヒドロフラン(10 ml) 溶液に、カリウム
t-ブトキシド(1.1 g, 10 mmol)を加え、反応混合物を
室温で3日間攪拌した。反応混合物を適当量のヘキサン
で希釈した後、水、5 % チオ硫酸ナトリウム溶液、飽和
食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
この溶液を減圧濃縮して油状物を得た。シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製し(溶出液:ヘキサン/酢
酸エチル=40/1)、目的とするアルキル化体 2.5 gを無
色油状物として得た。
【0062】得られたアルキル化体(2.5 g, 3.4 mmol)
の酢酸エチル(50 ml)溶液に10 % Pd-C (300 mg)を加
え、反応混合物を水素雰囲気下40℃で16時間攪拌した。
触媒をセライト濾過して除き、セライト層は酢酸エチル
で洗浄した。濾液及び洗液をあわせて減圧濃縮し、目的
とする中間体8(2.1 g) を無色油状物として得た。 FAB-MS: M+ 652.
【0063】(10)中間体9の合成 フェニルリン酸ジクロリド(890 mg, 4.2 mmol)のテト
ラヒドロフラン(10 ml)溶液に、3-ニトロー1H-1,2,4-ト
リアゾール(960 mg, 8.4 mmol)及びトリエチルアミン
(850 mg, 8.4 mmol)のテトラヒドロフラン(20 ml)溶
液を氷冷しながら滴下した。反応混合物を室温まで昇温
しながら30分攪拌した後、中間体8(2.5 g, 3.8 mmol)
のテトラヒドロフラン(15 ml)溶液を10分かけて加え、
反応混合物を室温で1時間攪拌した。引続きN-t-ブトキ
シカルボニルエタノールアミン(620 mg, 3.8 mmol)と
N-メチルイミダゾール(330 mg, 4.0 mmol)のテトラヒ
ドロフラン(15 ml)溶液を滴下した。反応混合物を室温
で3時間攪拌した後、反応液に適当量の水を加えて有機
層を分取し、さらに水層を酢酸エチルで抽出した。有機
層をあわせて水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た後、この溶液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製し(溶出液:ヘキサン/酢
酸エチル=40/1→8/1)、中間体9(3.3 g) を得た(収率
91.3 %)。 FAB-MS: (M+Na)+ 974.
【0064】(11)中間体10の合成 中間体9(1.45 g, 1.5 mmol)の塩化メチレン(10 ml)
溶液にトリフルオロ酢酸(5 ml)を加え、反応混合物を
室温で30分間攪拌した。反応終了後減圧濃縮して大部分
の溶媒を留去した。残渣を適当量の酢酸エチルで希釈
し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。この溶液を減圧濃縮してアミン体を油
状物として得た。得られたアミン体(1.33 g)とBoc-As
p(Bn)-OH(550 mg, 1.7 mmol)、1-ヒドロキシベンゾト
リアゾール(260 mg, 1.7 mmol)をDMF(5 ml)及び塩化
メチレン(5 ml)の混合溶媒に溶解し、氷冷しながらDC
C(350 mg, 1.6 mmol) を加えた。反応混合物を氷冷下に
2時間、さらに室温まで昇温しながら終夜攪拌した後、
セライト濾過して生成した沈殿を除去した。セライト層
を酢酸エチルで洗浄し、濾液及び洗液をあわせて水、5
% 炭酸ナトリウム溶液、1 M クエン酸溶液、飽和食塩水
で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。この溶
液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製し(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1
→4/1 )、中間体10(1.7 g) を得た(収率96.7 %)。 FAB-MS: (M+Na)+ 1179.
【0065】(12)中間体11の合成 中間体10(1.15 g, 1.0 mmol)の塩化メチレン(10 ml)
溶液にトリフルオロ酢酸(5 ml)を加え、反応混合物を
室温で30分間攪拌した。反応終了後減圧濃縮して大部分
の溶媒を留去した。残渣を適当量の酢酸エチルで希釈
し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥ののち減圧濃縮してアミン体を油状物として得
た。得られたアミン体(940 mg)とBoc-Gly-OH(180 m
g, 1.0 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(155
mg, 1.0 mmol)をDMF(5 ml)及び塩化メチレン(5 ml)
の混合溶媒に溶解し、氷冷しながらDCC(210 mg, 1.0 mm
ol) を加えた。反応混合物を氷冷下2時間、更に室温ま
で昇温しながら終夜攪拌した後、セライト濾過して生成
した沈殿を除去した。セライト層を酢酸エチルで洗浄
し、濾液及び洗液をあわせて水、5 % 炭酸ナトリウム溶
液、1 M クエン酸溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。この溶液を減圧濃縮し、残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して
(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=5/1 →1/1 )、中間
体11(950 mg)を得た(収率78.3 %)。 FAB-MS: (M+H)+ 1214.
【0066】(13)中間体12の合成 中間体11(940 mg, 0.75 mmol)の塩化メチレン(10 ml)
溶液にトリフルオロ酢酸(5 ml)を加え、反応混合物を
室温で30分間攪拌した。反応終了後減圧濃縮して大部分
の溶媒を留去した。残渣を適当量の酢酸エチルで希釈
し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥ののち減圧濃縮してアミン体を油状物として得
た。得られたアミン体(920 mg)とBoc-Arg(Z)2-OH(49
0 mg, 0.9 mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
(140 mg, 0.9 mmol)をDMF(5 ml)及び塩化メチレン
(5 ml)の混合溶媒に溶解し、氷冷しながらDCC(190 m
g, 0.9 mmol) を加えた。反応混合物を氷冷下に2時
間、更に室温まで昇温しながら終夜攪拌した後、セライ
ト濾過して生成した沈殿を除去した。セライト層を酢酸
エチルで洗浄し、濾液及び洗液を合わせて水、5 % 炭酸
ナトリウム溶液、1 M クエン酸溶液、飽和食塩水で順次
洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。この溶液
を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製して(溶出液:ヘキサン/酢酸エチル=4/1
→2/1 )、中間体12(970 mg)を得た(収率79.0 %)。 FAB-MS: (M+H)+ 1638.
【0067】(14)化合物2の合成 中間体12(900 mg, 0.55 mmol)の塩化メチレン(10 ml)
溶液にトリフルオロ酢酸(5 ml)を加え、反応混合物
を室温で1時間間攪拌した。反応終了後、反応液を減圧
濃縮して大部分の溶媒を留去した。残渣を適当量のクロ
ロホルムで希釈し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。この溶液を減圧濃縮し
てアミン体を得た。得られたアミン体の酢酸(40 ml) 溶
液に酸化白金(80 mg) を加え、反応混合物を水素雰囲気
下40℃で20時間攪拌した。触媒をセライト濾過して除
き、セライト層は少量の酢酸で洗浄した。濾液及び洗液
をあわせて減圧濃縮し、得られた残渣を水溶液として凍
結乾燥し、化合物2(540 mg)を無色粉末として得た。 FAB-MS: (M+H)+ 1136.
【0068】例2:本発明の組成物の製造 ジステアロイルホスファチジルコリン/コレステロール
/ジパルミトイルホスファチジルグリセロール/化合物
1(重量比=20/20/5/6)を充分に混合し、本発明の組
成物1を調製した。同様にして、ジステアロイルホスフ
ァチジルコリン/コレステロール/ジパルミトイルホス
ファチジルグリセロール/化合物2(重量比=20/20/5/
6)から本発明の組成物2を調製した。また、ジステア
ロイルホスファチジルコリン/コレステロール/ジパル
ミトイルホスファチジルグリセロール/化合物1(重量
比=20/20/5/1.5)を充分に混合し、本発明の組成物3
を調製した。同様にして、ジステアロイルホスファチジ
ルコリン/コレステロール/ジパルミトイルホスファチ
ジルグリセロール/化合物2(重量比=20/20/5/1.5)
から本発明の組成物4を調製した。さらに、ジステアロ
イルホスファチジルコリン/コレステロール/ジパルミ
トイルホスファチジルグリセロール/化合物1/アドリ
アマイシン(協和発酵工業社製アドリアシン注)(重量
比=20/20/5/1.5/0.5)を充分に混合し、本発明の組成物
5を調製した。
【0069】例3:メラノーマ細胞を用いた実験的肺転
移モデル系による癌転移抑制作用 上記の本発明の組成物を用いて、実験的肺転移モデル系
により癌転移抑制作用を検討した。比較のためにフィブ
ロネクチンの接着コア配列テトラペプチドであるArg-Gl
y-Asp-Serを用いた。上記組成物1、組成物2、及び比
較化合物 Arg-Gly-Asp-Serを各々200 μg と、非常に転
移性の強い癌細胞であるB16-BL6 メラノーマ細胞(対数
増殖期のもの 5×104 個)とを各々PBS 中で混合した。
各混合物を1群5匹のC57BL/6 の雌マウス(5週令)に
尾静脈注射により投与した。投与後14日目にマウスを屠
殺、解剖し、肺に転移した癌のコロニー数を計測して対
照のPBS投与群と比較した。癌転移阻害結果を以下の表
4に示す。
【0070】
【表4】 ────────────────────── 投与薬物 癌転移抑制率(%) ────────────────────── PBS(未処理) − 組成物1 83.1 組成物2 47.7 Arg-Gly-Asp-Ser 0 ──────────────────────
【0071】この結果によれば、本発明の癌転移抑制用
組成物(組成物1及び2)の投与によって肺への癌転移
は顕著に抑制された。これに対して、フィブロネクチン
の接着コア配列ペプチドであるArg-Gly-Asp-Ser は、本
実験の投与量では転移抑制効果を示さなかった。
【0072】例4:メラノーマ細胞を用いた自然肺転移
モデル系による癌転移抑制作用 本発明の癌転移抑制用組成物の転移抑制作用を、より現
実的な病態治療モデルである自然肺転移抑制試験により
検討した。本発明の組成物として組成物3及び組成物4
を用い、比較化合物としてフィブロネクチンの接着コア
配列テトラペプチドであるArg-Gly-Asp-Ser を用いた。
1群7匹のC57BL/6 の雌マウス(5週令)の右足かかと
部分にB16-BL6メラノーマ細胞(対数増殖期のもの 5×1
04/50μl)を移植した。移植後 7、10、13、16、19、2
2、25日めに被試験薬物を尾静脈注射により1回あたり5
00 μg となるように投与し、移植癌を21日目に外科的
に切除した。メラノーマ移植後35日目にマウスを屠殺、
解剖し、肺に転移した癌のコロニー数を計測して対照の
PBS 投与群と比較した。癌転移阻害結果を以下の表5に
示す。
【0073】
【表5】 ────────────────────── 投与薬物 癌転移抑制率(%) ────────────────────── PBS(未処理) − 組成物1 58.5 組成物2 76.1 Arg-Gly-Asp-Ser 0 ──────────────────────
【0074】これらの結果は、本発明の癌転移抑制剤
(組成物3及び4)の投与によって、現実的な病態治療
モデルである自然肺転移抑制試験においても癌の転移数
は顕著に抑制されることを示している。これに対し、従
来から知られているフィブロネクチンの接着コア配列ペ
プチドであるArg-Gly-Asp-Serには、癌転移の抑制効果
は全く観察されなかった。従って本発明の癌転移抑制剤
の転移抑制効果、およびその有用性は明白である。
【0075】
【発明の効果】本発明の組成物は、生体内で長時間にわ
たり優れた癌転移抑制作用を発揮するので、ヒトなどの
哺乳類動物の癌転移抑制抑のための医薬として有用であ
る。また、本発明の組成物は毒性が軽減されており、医
薬としての有用性が極めて高いものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 5/09 C07K 5/103 5/103 5/11 5/11 7/06 7/06 7/08 7/08 A61K 37/22 //(A61K 38/00 ADU 31:685 31:575) (A61K 38/00 ADU 31:66 31:575) (72)発明者 奥 直人 静岡県清水市河原町21−11

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 癌転移抑制用組成物であって、以下の成
    分: (a) 下記の式: R1-Q-Z (I) H-Q-W-R2 (II) 及び H-Q-NHCH2CH2O-PO(OH)-0CH2CH(OR3)CH2OR3 (III) (式中、Q は細胞接着活性を有するフラグメントを示
    し、R1は該フラグメントの末端アミノ基上に置換した炭
    素数10〜25の1または2以上の分岐を有するアルカノイ
    ル基を示し;R2は炭素数10〜25の1または2以上の分岐
    を有するアルキル基を示し;R3はそれぞれ独立に炭素数
    10〜25の1または2以上の分岐を有するアルキル基また
    はアルカノイル基を示し;W は上記フラグメントの末端
    カルボニル基上に置換した -O-基又は-NH-基を示し;Z
    は上記フラグメントのC-末端カルボニル基上に置換した
    水酸基又は置換若しくは無置換のアミノ基を示す)で示
    される化合物からなる群から選ばれる化合物、及び(b)
    炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジルコリ
    ン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジル
    エタノールアミン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有する
    ホスファチジルセリン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有
    するホスファチジルグリセロール、炭素数14〜24の脂肪
    酸残基を有するホスファチジン酸、スフィンゴ脂質類、
    コレステロールからなる群より選ばれる脂質を含む組成
    物。
  2. 【請求項2】 上記フラグメントQ が下記の式: ([X1]-Arg-Gly-Asp-[X2])n (式中、Arg, Gly, Asp はそれぞれアルギニン、グリシ
    ン、及びアスパラギン酸残基を示し;[X1]及び[X2]はそ
    れぞれX1及びX2が存在しても存在しなくてもよいことを
    示し;X1及びX2はそれぞれ独立にセリン、グリシン、バ
    リン、アスパラギン、プロリン、システイン、及びスレ
    オニン残基からなる群から選ばれるアミノ酸残基を示
    し;n は1〜5の整数を示す)で示されるペプチド鎖で
    あり、R1が上記ペプチド鎖のN-末端アミノ基上に置換し
    ており、W が上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上に
    置換しており、Z は上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル
    基上に置換した請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 上記フラグメントQ が下記の式: ([Y1]-Arg-Y2-Asp-[Y3])n (式中、Arg 及び Aspはそれぞれアルギニン及びアスパ
    ラギン酸を示し;[Y1]及び[Y3]はそれぞれY1及びY3が存
    在しても存在しなくてもよいことを示し;Y1はアスパラ
    ギン酸を示し;Y2はロイシン又はイソロイシンを示し;
    Y3はセリン又はスレオニンを示し;n は1〜5の整数を
    示す)で示されるペプチド鎖であり、R1が上記ペプチド
    鎖のN-末端アミノ基上に置換しており、W が上記ペプチ
    ド鎖のC-末端カルボニル基上に置換しており、Z は上記
    ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上に置換した請求項1
    に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 上記フラグメントQ が下記の式: ([Z]-Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg)n (式中、Tyr, Ile, Gly, Ser, Arg はそれぞれチロシ
    ン、イソロイシン、グリシン、セリン及びアルギニンを
    示し;[Z] はZ が存在しても存在しなくてもよいことを
    示し;Z はアルパラギン酸又はグルタミン酸を示し、n
    は1〜5の整数を示す)で示されるペプチド鎖であり、
    R1が上記ペプチド鎖のN-末端アミノ基上に置換してお
    り、W が上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上に置換
    しており、Z は上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上
    に置換した請求項1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 R1が1または2以上のメチル基分岐を有
    するアルカノイル基であり、R2が1または2以上のメチ
    ル基分岐を有するアルキル基であり、及び/又は、R3
    それぞれ独立に1または2以上のメチル基分岐を有する
    アルキル基又はアルカノイル基である請求項1または4
    のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 R1がH-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]k -CH2-CH
    (CH3)-CH2-CO- (k は 1〜3 の整数を示す)であり、R2
    がH-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]l -(l は 2〜4 の整数を示
    す)であり、及び/又は、R3がH-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]
    m -(m は 2〜4 の整数を示す)若しくはH-[CH2-CH(CH3)
    -(CH2)2]s -CH2-CH(CH3)-CH2-CO-(sは 1〜3 の整数を示
    す)である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組
    成物。
  7. 【請求項7】 R1が3,7,11-トリメチルドデカノイル
    基、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデカノイル基、及び
    5,9,13,17-テトラメチルオクタデカノイル基からなる群
    から選ばれる基であり、R2が3,7,11- トリメチルドデシ
    ル基、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデシル基、及び5,
    9,13,17-テトラメチルオクタデシル基からなる群から選
    ばれる基であり、及び/又はR3がそれぞれ独立に3,7,11
    - トリメチルドデシル基、3,7,11,15-テトラメチルヘキ
    サデシル基、5,9,13,17-テトラメチルオクタデシル基、
    3,7,11-トリメチルドデカノイル基、3,7,11,15-テトラ
    メチルヘキサデカノイル基、及び5,9,13,17-テトラメチ
    ルオクタデカノイル基からなる群から選ばれる基であ
    る、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 脂質が炭素数14〜24の脂肪酸残基を有す
    るホスファチジルコリン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を
    有するホスファチジルエタノールアミン、炭素数14〜24
    の脂肪酸残基を有するホスファチジルセリン、炭素数14
    〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジルグリセロー
    ル、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジン
    酸、及びコレステロールからなる群より選ばれる脂質で
    ある請求項1ないし7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 脂質が炭素数14〜24の脂肪酸残基を有す
    るホスファチジルコリン、炭素数14〜24の脂肪酸残基を
    有するホスファチジルグリセロール、及びコレステロー
    ルからなる群より選ばれる脂質である請求項1ないし7
    のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 さらに制癌性化合物を含む請求項1な
    いし9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 下記の式: R1-Q-Z (I) H-Q-W-R2 (II) 及び H-Q-NHCH2CH2O-PO(OH)-0CH2CH(OR3)CH2OR3 (III) (式中、Q は細胞接着活性を有するフラグメントを示
    し、R1は該フラグメントの末端アミノ基上に置換した炭
    素数10〜25の1または2以上の分岐を有するアルカノイ
    ル基を示し;R2は炭素数10〜25の1または2以上の分岐
    を有するアルキル基を示し;R3はそれぞれ独立に炭素数
    10〜25の1または2以上の分岐を有するアルキル基また
    はアルカノイル基を示し;W は上記フラグメントの末端
    カルボニル基上に置換した -O-基又は-NH-基を示し;Z
    は上記フラグメントのC-末端カルボニル基上に置換した
    水酸基又は置換若しくは無置換のアミノ基を示す)で示
    される化合物からなる群から選ばれる化合物の癌転移抑
    制作用の増強剤であって、炭素数14〜24の脂肪酸残基を
    有するホスファチジルコリン、炭素数14〜24の脂肪酸残
    基を有するホスファチジルエタノールアミン、炭素数14
    〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジルセリン、炭素
    数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジルグリセロ
    ール、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジ
    ン酸、スフィンゴ脂質類、コレステロールからなる群よ
    り選ばれる脂質を有効成分として含む癌転移作用増強
    剤。
  12. 【請求項12】 上記フラグメントQ が下記の式: ([X1]-Arg-Gly-Asp-[X2])n (式中、Arg, Gly, Asp はそれぞれアルギニン、グリシ
    ン、及びアスパラギン酸残基を示し;[X1]及び[X2]はそ
    れぞれX1及びX2が存在しても存在しなくてもよいことを
    示し;X1及びX2はそれぞれ独立にセリン、グリシン、バ
    リン、アスパラギン、プロリン、システイン、及びスレ
    オニン残基からなる群から選ばれるアミノ酸残基を示
    し;n は1〜5の整数を示す)で示されるペプチド鎖で
    あり、R1が上記ペプチド鎖のN-末端アミノ基上に置換し
    ており、W が上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上に
    置換しており、Z は上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル
    基上に置換した請求項11に記載の増強剤。
  13. 【請求項13】 上記フラグメントQ が下記の式: ([Y1]-Arg-Y2-Asp-[Y3])n (式中、Arg 及び Aspはそれぞれアルギニン及びアスパ
    ラギン酸を示し;[Y1]及び[Y3]はそれぞれY1及びY3が存
    在しても存在しなくてもよいことを示し;Y1はアスパラ
    ギン酸を示し;Y2はロイシン又はイソロイシンを示し;
    Y3はセリン又はスレオニンを示し;n は1〜5の整数を
    示す)で示されるペプチド鎖であり、R1が上記ペプチド
    鎖のN-末端アミノ基上に置換しており、W が上記ペプチ
    ド鎖のC-末端カルボニル基上に置換しており、Z は上記
    ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上に置換した請求項11
    に記載の増強剤。
  14. 【請求項14】 上記フラグメントQ が下記の式: ([Z]-Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg)n (式中、Tyr, Ile, Gly, Ser, Arg はそれぞれチロシ
    ン、イソロイシン、グリシン、セリン及びアルギニンを
    示し;[Z] はZ が存在しても存在しなくてもよいことを
    示し;Z はアルパラギン酸又はグルタミン酸を示し、n
    は1〜5の整数を示す)で示されるペプチド鎖であり、
    R1が上記ペプチド鎖のN-末端アミノ基上に置換してお
    り、W が上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上に置換
    しており、Z は上記ペプチド鎖のC-末端カルボニル基上
    に置換した請求項11に記載の増強剤。
  15. 【請求項15】 R1が1または2以上のメチル基分岐を
    有するアルカノイル基であり、R2が1または2以上のメ
    チル基分岐を有するアルキル基であり、及び/又は、R3
    がそれぞれ独立に1または2以上のメチル基分岐を有す
    るアルキル基又はアルカノイル基である請求項11または
    14のいずれか1項に記載の増強剤。
  16. 【請求項16】 R1がH-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]k -CH2-C
    H(CH3)-CH2-CO- (k は 1〜3 の整数を示す)であり、R2
    がH-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]l -(l は 2〜4 の整数を示
    す)であり、及び/又は、R3がH-[CH2-CH(CH3)-(CH2)2]
    m -(m は 2〜4 の整数を示す)若しくはH-[CH2-CH(CH3)
    -(CH2)2]s -CH2-CH(CH3)-CH2-CO-(sは 1〜3の整数を示
    す)である請求項11ないし14のいずれか1項に記載の増
    強剤。
  17. 【請求項17】 R1が3,7,11-トリメチルドデカノイル
    基、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデカノイル基、及び
    5,9,13,17-テトラメチルオクタデカノイル基からなる群
    から選ばれる基であり、R2が3,7,11- トリメチルドデシ
    ル基、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデシル基、及び5,
    9,13,17-テトラメチルオクタデシル基からなる群から選
    ばれる基であり、及び/又は、R3がそれぞれ独立に3,7,
    11- トリメチルドデシル基、3,7,11,15-テトラメチルヘ
    キサデシル基、5,9,13,17-テトラメチルオクタデシル
    基、3,7,11-トリメチルドデカノイル基、3,7,11,15-テ
    トラメチルヘキサデカノイル基、及び5,9,13,17-テトラ
    メチルオクタデカノイル基からなる群から選ばれる基で
    ある、請求項11ないし14のいずれか1項に記載の増強
    剤。
  18. 【請求項18】 脂質が炭素数14〜24の脂肪酸残基を有
    するホスファチジルコリン、炭素数14〜24の脂肪酸残基
    を有するホスファチジルエタノールアミン、炭素数14〜
    24の脂肪酸残基を有するホスファチジルセリン、炭素数
    14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジルグリセロー
    ル、炭素数14〜24の脂肪酸残基を有するホスファチジン
    酸、及びコレステロールからなる群より選ばれる脂質で
    ある請求項11ないし17のいずれか1項に記載の増強剤。
  19. 【請求項19】 脂質が炭素数14〜24の脂肪酸残基を有
    するホスファチジルコリン、炭素数14〜24の脂肪酸残基
    を有するホスファチジルグリセロール、及びコレステロ
    ールからなる群より選ばれる脂質である請求項11ないし
    17のいずれか1項に記載の増強剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999033522A3 (en) * 1997-12-31 1999-09-16 Univ Texas Use of a phosphatidylserine/polypeptide conjugate for inducing autoimmunity in the treatment of cancer
EP1792625A1 (en) * 1997-12-31 2007-06-06 Board of Regents, The University of Texas System Use of a phosphatidylserine/polypeptide conjugate for inducing autoimmunity in the treatment of cancers
WO2021125484A1 (ko) * 2019-12-17 2021-06-24 (주)수파드엘릭사 아릴 탄화수소 수용체의 활성을 억제하는 폡타이드 및 이를 이용하는 화장료 조성물

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