JPH0822732B2 - 溶解性の優れたピロ燐酸ナトリウムの製造法 - Google Patents

溶解性の優れたピロ燐酸ナトリウムの製造法

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JPH0822732B2
JPH0822732B2 JP27679686A JP27679686A JPH0822732B2 JP H0822732 B2 JPH0822732 B2 JP H0822732B2 JP 27679686 A JP27679686 A JP 27679686A JP 27679686 A JP27679686 A JP 27679686A JP H0822732 B2 JPH0822732 B2 JP H0822732B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、水に対する溶解性の優れたピロ燐酸ナトリ
ウムの製造法に関する。更に詳しくは、冷水に対しても
溶解性の優れたピロ燐酸ナトリウムの製造法に関する。
(従来の技術) ピロ燐酸ナトリウムは、食品添加物、清缶剤、硬水軟
化剤、合成洗剤、油脂系洗剤、ガラス添加剤等として巾
広く用いられている。そしてこれらの用途に使用される
ピロ燐酸ナトリウムは、鉄、アルミニウム、弗素等の不
純物を含有しない品質のものが要求されるので、原料で
ある燐酸水溶液は、乾式燐酸またはこれと同程度に精製
された高純度のものが要求される。
また、上記用途のうち食品添加物として使用されるも
のは、更に水に対する溶解性、特に冷水に対する溶解性
の優れた品質のものが要求されている。
前記各用途に使用されるピロ燐酸ナトリウムは、従
来、一般に次のような方法で製造されていた。即ち、水
酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのナトリウム化合
物と高純度の燐酸水溶液とを反応させて得た燐酸二ナト
リウム水溶液またはスラリーを、乾燥し無水塩とした
後、この燐酸二ナトリウムの無水塩を300〜330℃程度の
温度で焼成することにより製造された。
燐酸二ナトリウムは、下記(1)式で示す反応によっ
て生成する(但し、(1)式ではナトリウム化合物を水
酸化ナトリウムで表わした。)。
また、ピロ燐酸ナトリウムは、下記(2)式による脱
水縮合反応により得ることが出来る。
H3PO4+2NaOH→Na2HPO4+2H2O ……(1) 2Na2HPO4→Na4P2O7+H2O ……(2) 上記(1)式及び(2)式から判るように、ピロ燐酸
ナトリウムを得るためには、水酸化ナトリウム及び/ま
たは炭酸ナトリウムと燐酸水溶液は、モル比がNa2O/P2O
5として2.0の割合で反応させなければならない。
しかし、工業的規模の製造においては、連続操作によ
り反応を行うので、Na2O/P2O5のモル比の若干の変動は
避けられず、従って、高純度のピロ燐酸ナトリウムを得
る上でNa2O/P2P5のモル比は2.0以下の極力2.0に近い範
囲で反応させるのが好ましく、従来、1.990〜1.995のモ
ル比の範囲で上記反応が行われて来た。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このようにして得られたピロ燐酸ナト
リウムは、前記各用途、特に食品添加物として使用する
場合、水に対する溶解性、特に冷水に対する優れた溶解
性の要求に対処出来ないと云う問題がある。
(問題点を解決するための手段及び作用) 本発明者等は、水に対する溶解性、特に冷水に対する
溶解性の優れたピロ燐酸ナトリウムを得るため種々検討
を重ねた結果、水酸化ナトリウム及び/または炭酸ナト
リウムと燐酸とを特定のモル比で反応させればこれが可
能であることを見出し、本発明を完成させるに至ったも
のである。
即ち、本発明は、水酸化ナトリウム及び/または炭酸
ナトリウムと燐酸水溶液とを反応させて燐酸二ナトリウ
ム水溶液またはスラリーとした後、該燐酸二ナトリウム
水溶液またはスラリーを乾燥し焼成してピロ燐酸ナトリ
ウムを得る方法において、水酸化ナトリウム及び/また
は炭酸ナトリウムと燐酸水溶液とをモル比をNa2O/P2O5
として1.980〜1.985の範囲で反応させることを特徴とす
る溶解性の優れたピロ燐酸ナトリウムの製造法である。
本発明を更に詳細に説明する。
本発明では、水酸化ナトリウム及び/または炭酸ナト
リウムと燐酸水溶液のモル比は特に重要で、Na2O/P2O5
として1.980〜1.985の範囲でなければならない。
Na2O/P2O5モル比を2.0未満とすることは、その分生成
した燐酸二ナトリウム中に燐酸一ナトリウムが混在する
ことであり、燐酸二ナトリウム無水塩を焼成した場合、
その分下記(3)式が示す反応によりトリポリ燐酸ナト
リウムが生成し、ピロ燐酸ナトリウムの純度を低下させ
ることになる。
NaH2PO4+2Na2HPO4→Na5P3O10+2H2O ……(3) しかし、Na2O/P2O5モル比が1.980〜1.985の範囲であ
れば、トリポリ燐酸ナトリウムの生成量は僅かであるの
で、実用上何等差支えなく、また厚生省が定める食品添
加物等の規格基準(以下、食添規格と略称する。)の示
す純度97重量%以上の数値を充分維持することが出来
る。
Na2O/P2O5モル比が1.985より高くなると、本発明で問
題とする溶解性が悪化するので不都合である。逆に、Na
2O/P2O5モル比が1.980を下廻ると、トリポリ燐酸ナトリ
ウムの生成量の増加によるピロ燐酸ナトリウムの純度低
下を招き、食添規格を維持出来ない。また、下記(4)
式が示す反応によりメタ燐酸ナトリウムを生成する場合
があるので不都合である。
このメタ燐酸ナトリウムは水に難溶性であるので、ピ
ロ燐酸ナトリウムを水に溶解させ水溶液とした際に水溶
液が白濁する。
NaH2PO4→NaPO3+H2O ……(4) 水酸化ナトリウム及び/または炭酸ナトリウムと燐酸
水溶液との反応温度は特に限定はなく、通常90〜105℃
の温度で実施される。
得られた燐酸二ナトリウム水溶液またはスラリーは、
スプレードライヤー、パドルドライヤー等通常公知の乾
燥機により、100〜110℃程度の温度で乾燥し無水塩とす
ることが出来る。
次いで、この無水塩は、焼成炉、カルサイナー等、こ
れも通常公知の焼成装置を使用して焼成することによ
り、容易にピロ燐酸ナトリウムとすることが出来る。
本発明のピロ燐酸ナトリウムの製造法は、以上に述べ
たように、水酸化ナトリウム及び/または炭酸ナトリウ
ムと燐酸水溶液とを反応させる際、Na2O/P2O5モル比を
1.980〜1.985という特定の範囲で反応させて得た燐酸一
ナトリウムを少量含有する燐酸二ナトリウム水溶液また
はスラリーを焼成するという極めて簡単な方法であり、
この方法によって得られたピロ燐酸ナトリウムは極めて
水に対する、特に冷水に対する溶解性が優れているの
で、特に食品添加物として好適に使用し得る。
(実施例) 以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明
する。尚、実施例及び比較例中の%は重量%を示す。
実施例1 容積300の攪拌機及び冷却用ジャケット付反応槽
へ、湿式燐酸を有機溶媒抽出法により精製して得た濃度
75.2%の高純度燐酸水溶液150Kgを仕込み、これに濃度4
8.5%の市販の水酸化ナトリウム水溶液180.0Kgを徐々に
加え反応させて、Na2O/P2O5モル比が1.981の燐酸一ナト
リウムを少量含有した燐酸二ナトリウム水溶液338Kgを
得た(反応時間約50分)。この水溶液を68Kg/hrの流量
でパドルドライヤーに供給し、熱風を熱源としてパドル
ドライヤー出口排風温度約105℃で乾燥して、燐酸一ナ
トリウムを少量含量した燐酸二ナトリウム無水塩とし
た。次いで、この無水塩をカルサイナーに供給し、熱風
を熱源としてカルサイナー出口排風温度約310℃にて脱
水縮合反応を行い、ピロ燐酸ナトリウムを152Kg得た。
得られたピロ燐酸ナトリウムの物性を第1表に示す。
実施例2 水酸化ナトリウムの添加量を188.3Kg(Na2O/P2O5モル
比 1.984)に変更した以外は、実施例1と全く同様に
してピロ燐酸ナトリウム152.5Kgを得た。得られたピロ
燐酸ナトリウムの物性を第1表に示す。
比較例1〜2 水酸化ナトリウムの添加量を189.1Kg(Na2O/P2O5モル
比 1.993)及び187.4Kg(Na2O/P2O5モル比 1.975)に
変更した以外は、実施例1と同様にしてピロ燐酸ナトリ
ウムを夫々153Kg及び152Kg得た。得られたピロ燐酸ナト
リウムの物性を第1表に示す。
(註)−1)第1表に示す溶解速度は下記の方法によっ
て測定した。
1)溶解速度(1) 100mlの広口ビーカーに温度25℃の水を100ml入れ、中
央部の水位迄の水量が75mlになる様な強度にマグネチッ
クスターラーで攪拌し、これにピロ燐酸ナトリウム5gを
添加し、完溶する迄の時間で表わした。
2)溶解速度(2) 水温を5℃、ピロ燐酸ナトリウムの添加量を1gとした
以外は、溶解速度(1)と同一の方法で測定し、ピロ燐
酸ナトリウムの完溶する迄の時間で表わした。
(註)−2)第1表に示すピロ燐酸ナトリウムの純度は
食品添加物公定書に定める定量法(HClによる中和滴定
法)により測定した。従って、滴定時不純物として含ま
れるトリポリ燐酸ナトリウムもHClを消費するので、そ
の分ピロ燐酸ナトリウムの純度は実際の純度より高い値
を示す。また、トリポリ燐酸ナトリウムの含有量の測定
は樹脂分離法によった。このため、ピロ燐酸ナトリウム
の純度とトリポリ燐酸ナトリウムの含有量の合計量が10
0%以上となる数値を示した。
(発明の効果) Na2O/P2O5モル比が1.985より高くして製造したピロ燐
酸ナトリウムは、水に対する溶解速度、特に冷水に対す
る溶解速度が著しく悪化する。逆に上記Na2O/P2O5モル
比が1.980より低い場合は、水に対する溶解速度がまず
まずのものの純度は食添規格を維持出来ない。
しかしながら、Na2O/P2O5モル比を本発明で特定する
範囲(1.980〜1.985)で、水酸化ナトリウム及び/また
は炭酸ナトリウムと燐酸水溶液とを反応させて得た、燐
酸一ナトリウムを少量含有する燐酸二ナトリウムを焼成
して製造したピロ燐酸ナトリウムは、実施例1及び2が
示すように、水に対する、特に冷水に対する溶解速度が
速く、しかも食添規格に定める純度(97%以上)も維持
することが出来る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸化ナトリウム及び/または炭酸ナトリ
    ウムと燐酸水溶液とを反応させて燐酸二ナトリウム水溶
    液またはスラリーとした後、該燐酸二ナトリウム水溶液
    またはスラリーを乾燥し焼成してピロ燐酸ナトリウムを
    得る方法において、水酸化ナトリウム及び/または炭酸
    ナトリウムと燐酸水溶液とをモル比をNa2O/P2O5として
    1.980〜1.985の範囲で反応させることを特徴とする溶解
    性の優れたピロ燐酸ナトリウムの製造法。
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