JPH0822825B2 - エチルベンゼンとスチレンの製造方法 - Google Patents

エチルベンゼンとスチレンの製造方法

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JPH0822825B2
JPH0822825B2 JP1016975A JP1697589A JPH0822825B2 JP H0822825 B2 JPH0822825 B2 JP H0822825B2 JP 1016975 A JP1016975 A JP 1016975A JP 1697589 A JP1697589 A JP 1697589A JP H0822825 B2 JPH0822825 B2 JP H0822825B2
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勉 鹿田
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、メタンとトルエンから、高分子有機化合物
の製造原料として有用なエチルベンゼンおよびスチレン
を製造する方法に関する。
[従来技術] 本発明の製造方法における原料の一つであるメタンは
天然ガスの主成分であり、化学品合成用の炭素資源とし
て活用できれば安価な原料である。また、もう一つの原
料であるトルエンは用途が限定されており、その大部分
は脱メチル反応によるベンゼンの製造に向けられてい
る。
一方、本発明の目的生成物であるスチレンは、ポリス
チレン、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン、不飽和ポリエステルなどの合
成樹脂、合成ゴムの原料として大量に使用されている。
工業的な製法としては、先ず、ベンゼンとエチレンを触
媒の存在下で反応させてエチルベンゼンにし、次いで、
触媒の存在下でエチルベンゼンを脱水素することによっ
て製造している。
このような状況下において、メタンとトルエンを原料
とし、エチルベンゼンとスチレンを直接合成する試みが
なされている。
例えば、ドイツ特許2,119,729号公報(1971年)には
トルエン、メタン、酸素、水を反応温度750℃、石英反
応管中で反応させて、スチレン、エチルベンゼンなどを
得たことが記載されている。また、Zn,Org,Khim,第12
巻,467頁(1976年)にもトルエン,メタン、酸素、水を
735℃で反応させて、スチレン、エチルベンゼンなどを
得たことが記載されている。これらの報告は気相酸化反
応(無触媒)の結果である。
一方、触媒存在下の結果としては、ソ連特許639,845
号公報(1978年)に、トルエン、メタン、酸素、水を60
0℃〜1000℃の温度で鉄またはチタンの酸化物に流通し
て、エチルベンゼン、スチレンを得たことが報告されて
おり、また、Neftekhim,第23巻,317頁(1983年)には石
英にバナジウムとニッケルを担持した触媒を用い、反応
温度600℃で、トルエン、メタン、酸素からエチルベン
ゼン、スチレンが得られたことが報告されている。
さらに最近、触媒学会、触媒討論会(A)予稿集、15
6頁(1986年)には次のような研究結果が発表されてい
る。この方法は、石英砂の担体にKBrを担持させた触媒
(1wt%KBr/石英)を用い、原料の供給比(容積比)
を、 メタン:酸素:水:トルエン:窒素=10:2:6:1:2、 W/F=7.2g−cat・h/g−mol、 温度:700℃〜750℃ の条件で反応させ、スチレンおよびエチルベンゼンを合
成している。
[発明が解決しようとする課題] しかし、前述の気相酸化反応および、酸化鉄または酸
化チタンを触媒とする反応、ニッケル−マナジウム−石
英を触媒として使用する反応においては、副反応が多く
起こり、目的生成物であるスチレン、エチルベンゼンの
生成選択率が低いとともに、重合物が生成する等の問題
がある。また、KBrなどのアルカリハライドを触媒とし
て使用する反応においては、反応中に重合物の生成や炭
素の析出があり、触媒活性が経時的に低下すると云う問
題がある。この際、KBrは厳密には触媒ではなく、反応
の進行とともにBr分が一部揮散してK2Oに変化する。こ
のため、触媒活性が経時的に低下する。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、使用する
触媒の活性を長期に持続させることができ、且つスチレ
ンおよびエチルベンゼンの生成選択率であるメチル化選
択率が高く、またその収率が高いエチルベンゼンとスチ
レンの製造方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、本発明の方法は、トル
エンとメタンを分子状酸素の存在下で触媒を用いて反応
させ、エチルベンゼンとスチレンを製造する方法におい
て、前記触媒が、Y2O3とCaOの複合酸化物よりなる担体
にアルカリ金属酸化物を担持させたものであることを特
徴とする。
なお、上記の説明において、酸化物で表示した触媒組
成は、複合化合物をつくる段階における化合物の形態を
示したものである。アルカリ金属酸化物はCO2を吸収し
て炭酸塩になり易く、また、アルカリ土類金属酸化物
も、その差はあるがCO2を吸収し易いものがある。した
がって、上記反応の過程においても、条件によっては触
媒の一部が炭酸塩になることもあるが、著しい支障を生
ずるものではない。
また、本発明における触媒と反応ガスとの接触方法
は、固定床、流動床のいずれをも採用することができ
る。
[作用] 本発明は、トルエンの側鎖に、さらにメチル基を導入
する酸化メチル反応を行わせることによってエチルベン
ゼンとスチレンの製造方法である。
本発明において使用する触媒の構成部分である担体
は、メタンの酸化的二量化反応によるエタン、エチレン
を生成させる段階において、メタンがCOまたはCO2にな
ってしまう完全酸化反応を抑制し、メチルラジカルを選
択的に生成させる作用をなす。また、同時に、この担体
はアルカリ土類金属酸化物、希土類酸化物等からなる塩
基性酸化物等であるので、触媒表面は電子供与性を示
す。したがって、電子が少ないトルエンのメチル基が選
択的に攻撃される。このような理由から、トルエンのメ
チル基は活性化され、メタンから生成したメチルラジカ
ルと反応しやすくなる。
そして、触媒のもう一つの構成成分であるアルカリ金
属酸化物は、担体の構成成分だけではトルエンの脱水素
の進み過ぎによって生ずる炭素の析出を抑制すると共
に、メチル化の選択性を向上させる。
触媒中のアルカリ金属酸化物の含有量が0.5wt%未満
であると、上記の効果が著しく低くなる。また、7wt%
を超えて含有させても、さらなる効果は発揮しない。
反応温度は650℃〜850℃であるのがよく、さらに好ま
しくは700℃〜800℃であるのがよい。反応温度は得られ
る合計収率の値によって決めたものである。スチレン、
エチルベンゼンの生成温度以上の範囲で或る温度を超え
ると、合計収率は低下する。これは、反応温度の上昇と
ともに脱メチル反応が優先するようになり、生成したエ
チルベンゼンおよびスチレンの側鎖が脱アルキルされる
ものと考えられる。具体的には、合計収率は、800℃を
超えた条件においては次第に低下するようになる。した
がって、合計収率が特に高い温度範囲は700℃〜800℃で
ある。
[実施例] 以下本発明の実施例について説明する。
(実施例1) (1)触媒の調製 酸化イットリウム(Y2O3)2mmolと炭酸カルシュウム
(CaCO3)18mmolを硝酸で溶解し、この水溶液にシュウ
酸50mmolを加え、さらにアンモニア水で中和(pH5〜
7)してイットリウムとカルシウムのシュウ酸塩共沈物
を生成させた。この生成物を濾過、水洗し、110℃で一
昼夜乾燥した。次に空気中で800℃3時間焼成し、10mol
%Y2O3−CaO(Y2O310mol%、CaO90mol%の組成物である
ことをを示し、以下同様に表示する)の組成物を得た。
これをX線回折した結果、Y2O3とCaOの複合酸化物であ
ることが確認された。この組成物10mol%Y2O3−CaOを担
体とし、これに、炭酸リチウムを希硝酸で溶解した水溶
液の所定量を加えて浸漬した後、加熱真空脱気した。そ
して、空気中で700℃3時間焼成し、3wt%Li2O/10mol%
Y2O3−CaO(担体97wt%にLi2O3wt%を含浸担持したもの
であることを示し、以下同様に表示する)の触媒をえ
た。使用に際しては、加圧成型したのち粉砕し、30〜50
メッシュに整粒した。
(2)反応 内径12mmの石英製反応管に上記触媒1.0gを充填し、そ
の反応管を電気炉に取り付け、He流通下で、700℃に昇
温した。次に、CH4、O2、Heの各ガスをそれぞれ25、4、
5.5Nml/分で混合したガスを供給し、さらにトルエンと
水をそれぞれ2.5、19Nml/分に相当する量を反応部手前
の予熱部に供給して気化させ、上記混合ガスに混合して
反応させた。
生成系の排出ガスを、ドライアイスメタノールトラッ
プ(約−70℃)を通過させて液状成分を凝縮させた。ト
ラップを経たガス成分をガスクロマトグラフィーで分析
したところ、H2,O2,CO,CO2,CH4,C2H6,C2H4,C3H8,C3H6
あった。
反応継続3.5時間後、液状成分全量を溶媒(アセト
ン)で回収し、これをガスクロマトグラフィーによりN,
Nジメチルフォルムアミドを内部標準として分析した。
ここで得られた成分はトルエン、ベンゼン、エチルベン
ゼン、スチレンであった。
なお、生成した炭化水素類としては、上記の外に、極
微量のイソブテン、イソプロピルベンゼンも検出され
た。
目的生成物であるスチレンとエチルベンゼン、および
目的生成物ではないが、比較的多量に含まれるトルエン
の脱メチル生成物であるベンゼンについて転化したトル
エン基準の選択率および収率を計算し、第1表にまとめ
て示した。
この結果を第1表に示す。
第1表のごとく、エチルベンゼンとスチレンの合計選
択率((エチルベンゼン+スチレン)/転化したトルエ
ン、で示し、以下単に合計選択率と云う)は36.0%、エ
チルベンゼンとスチレンの合計収率((エチルベンゼン
+スチレン)/原料トルエン、で示し、以下単に合計収
率と云う)は10.3%と高い値を示した。
これに対し、ベンゼンの選択率、収率はそれぞれ11.1
%、3.2%と低い値を示した。
メチル化選択率((エチルベンゼン+スチレン)/
(エチルベンゼン+スチレン+ベンゼン)は76.4%と高
い値を示した。
なお、反応終了後の触媒には炭素状析出物は全く認め
られなかった。
(実施例2〜5) (1)触媒の調製 実施例1と同様の方法により、第2表に示すような各
種の触媒を調製した。
(2)反応 第2表の実施例2〜5の触媒を使用し、それぞれ実施
例1と同様の方法でメタンとトルエンを反応させた。こ
の結果を第1表に示す。
第1表において、合計選択率、合計収率およびメチル
化選択率は、それぞれ実施例1の場合と同様に良好であ
った。また、それぞれ反応終了後の触媒について観察し
たところ、いずれの実施例においても、炭素状析出物は
全く認められなかった。
(実施例12) 実施例1の触媒(3wt%Li2O/10mol%Y2O3−CaO)を用
い、反応温度を650℃,750℃,800℃に変え、実施例1と
同様の方法によりメタンとトルエンを反応させた。この
結果を図に示す。図において、(a)はスチレンとエチ
ルベンゼンの合計収率、(b)はベンゼン収率、(c)
はトルエン転化率を示す。
この図のように、トルエンの転化および脱メチル生成
物であるベンゼンの生成は650℃付近から起こり、トル
エン転化率およびベンゼン収率は反応温度とともに上昇
する。そして、スチレンとエチルベンゼンの合計収率
は、反応温度が650℃付近から増加し、750℃付近で最大
になり、約750℃を超えると次第に低下する。したがっ
て、より好ましい反応温度範囲は700℃〜800℃である。
なお、反応終了後の触媒には炭素状析出物は全く認め
られなかった。
(比較例1〜5) 実施例1と同様の方法により、5種類の触媒を調製し
た。触媒の組成は第2表に示す。これらの触媒を用い、
実施例1と同様の方法でメタンとトルエンを反応させ
た。この結果を第1表に示す。
反応終了後の触媒には炭素状析出物は認められなかっ
たが、本発明の目的生成物であるエチルベンゼンとスチ
レンの収率は、実施例の値より低い値であった。
(比較例6〜7) 実施例1と同様の方法により、2種類の触媒を調製し
た。触媒組成は第2表に示す。
これらの触媒を用い、実施例1と同様の方法でメタン
とトルエンを反応させた。この結果を第1表に示す。
比較例6(触媒はアルカリ金属酸化物を含浸しないも
の)の結果は、反応後の触媒が白色から黒色に変化して
おり、明らかに炭素状物質が析出していることが認めら
れた。また、反応成績は、メチル化選択率は18.9%、合
計収率は6.6%であり、実施例の結果に比べて極めて低
い値であった。
比較例7(担体がSiO2)の結果は、反応後の触媒が異
変しており、明らかに炭素状物質が析出していることが
認められた。また、メチル化選択率はおよび合計収率の
値は比較例6の場合よりさらに低く、特に、スチレンは
生成されなかった。
(比較例8) 実施例1の触媒(3wt%Li2O/10mol%Y2O3−CaO)を用
い、反応温度600℃で実施例1と同様の方法によりメタ
ンとトルエンを反応させた。この結果を第1表に示す。
この場合、トルエンの転化率および合計収率は極めて
低い値であった。
[発明の効果] 本発明は、Y2O3とCaOの複合酸化物よりなる担体にア
ルカリ金属酸化物を担持させた触媒を使用する方法であ
り、上記担体は、メタンからメチルラジカルを選択的に
生成させるとともに、トルエンのメチル基を活性化させ
るので、スチレンとエチルベンゼンの生成率であるメチ
ル化選択率およびその合計収率が極めて高い。また、触
媒のもう一つの構成部分であるアルカリ金属酸化物は、
トルエンの脱水素反応の進み過ぎを抑制するので、炭素
の析出がなく、触媒活性が長期間に亘って持続する。
したがって、安価なメタンと用途が限られたトルエン
を原料とし、スチレンとエチルベンゼンを高収率でかつ
安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である実験結果の説明図であ
り、図中、(a)はスチレンとエチルベンゼンの合計収
率、(b)はベンゼン収率、(c)はトルエンの転化率
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 脇村 善一 (56)参考文献 特開 平1−242535(JP,A) 特開 平1−284338(JP,A) 特表 昭62−503101(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トルエンとメタンを分子状酸素の存在下で
    触媒を用いて反応させ、エチルベンゼンとスチレンを製
    造する方法において、前記触媒が、Y2O3とCaOの複合酸
    化物よりなる担体にアルカリ金属酸化物を担持させたも
    のであることを特徴とするエチルベンゼンとスチレンの
    製造方法。
JP1016975A 1989-01-26 1989-01-26 エチルベンゼンとスチレンの製造方法 Expired - Lifetime JPH0822825B2 (ja)

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