JPH08229955A - 光学スケール成形用マスター型の製造方法、光学スケール成形用マスター型、光学スケール成形用スタンパーの製造方法及び光学スケールの製造方法 - Google Patents

光学スケール成形用マスター型の製造方法、光学スケール成形用マスター型、光学スケール成形用スタンパーの製造方法及び光学スケールの製造方法

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JPH08229955A
JPH08229955A JP3671295A JP3671295A JPH08229955A JP H08229955 A JPH08229955 A JP H08229955A JP 3671295 A JP3671295 A JP 3671295A JP 3671295 A JP3671295 A JP 3671295A JP H08229955 A JPH08229955 A JP H08229955A
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Osamu Shikame
修 鹿目
Hirofumi Kamitakahara
弘文 上高原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価に短時間でしかも精度良く光学スケール
成形用マスター型、光学スケール成形用スタンパーが得
られる光学スケール成形用マスター型の製造方法、光学
スケール成形用スタンパーの製造方法及び光学スケール
の製造方法を提供する。 【構成】 平滑な表面をもつ原盤上に原盤よりも硬度の
低い軟質層を設け、該軟質層を切削加工してスケールパ
ターンを形成することを特徴とする光学スケール成形用
マスター型の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形に用いられるマス
ター型に関し、特に光学エンコーダー等に適した光学ス
ケール製造用マスター型および光学スケール製造用スタ
ンパーおよび光学スケールの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンター等の情報機器におい
て、キャリッジ等の可動部の位置・速度を検出するため
に、光学式エンコーダーが多く用いられてきた。このよ
うな光学式エンコーダーは、通常可動部に固定され、光
学式符号が記録された光学スケールに光を投射し、変調
された光を光電変換することによって、前記可動部の位
置情報を符号化された電気信号として取り出すように構
成されていた。そして、光学スケールとしては、 (1)金属板にエッチングによってスリットを設けたも
の (2)ガラス、プラスチック等の透明基板上に銀、銅、
クロム、アルミニウムなどの金属を蒸着し、金属層のみ
をエッチングによってスリット状に削除したもの (3)マスクブランクスにレジストを用いてスリットパ
ターンを描き、エッチングによってスリット状に削除し
たフォトマスクをマスター型にして銀塩フィルムに露光
し、現像処理によりパターニングしたもの 等が用いられていた。しかし、(1)はエッチング可能
なスリット幅が金属の厚みの2倍以上に制限され、微細
な符号を記録することが困難であった。また、他のもの
は製作工程が複雑でしかもエッチングに高価な感光性樹
脂を用いるため、コストが高くなるといった欠点があっ
た。
【0003】また、銀塩フィルムを用いる方法でも銀塩
フィルムの価格が高いため、コストの低減には限界があ
った。
【0004】そこで、井垣らは特開昭62−3616号
公報に開示されたような形状のスケールとすることによ
ってインジェクション成形やコンプレッション成形によ
り安価な光学式スケールを提供できることを開示してい
る。キャリッジ等の可動部の位置・速度を検出するため
に上記形状の光学式エンコーダーをプリンターに搭載す
る場合スケールの長さは、A4縦対応で210mm以上
必要である。また、その幅は通常3〜15mm程度であ
る。このような細長い形状のスケールをインジェクショ
ン法で成形する場合には、厚みを厚くする必要があるう
えに枚葉処理なので生産性がよくない。一方、コンプレ
ッション法では一枚の型に多数のパターンを配置できる
が転写時間が長いのと枚葉処理であるので、これも生産
性が低い。
【0005】以上述べたように、従来用いられてきた光
学スケールは、どの製造方法を用いても製造コストが高
く、価格の低い汎用プリンター等に搭載することができ
なかった。
【0006】そこで、生産性が高くコストの低い光学ス
ケールの製造方法を検討した結果、本発明の押し出し成
形法に至った。
【0007】すなわち、透光性部材の一部に標識部を有
し、該標識部に光透過部と、入射する光線に対しその入
射角が臨界角以上に設定された傾斜面からなる光非透過
部とが交互に形成された光学スケールを製造する方法に
おいて、 1.所望の光学スケールの対応するパターンよりも大き
い型をロール上に取付けてロール状スタンパーを作製す
る第1の工程 2.使用する波長における光線透過率が50%以上の熱
可塑性樹脂を押し出し機で熔融してTダイから押し出す
第2の工程 3.ロール状スタンパーと鏡面ロールとの間で熔融した
樹脂を挟み込み、シート化すると同時にスケールのパタ
ーンも転写する第3の工程 からなる一連の工程を含み、厚みが0.1〜1.0mm
のシート状の光学スケールを製造することを特徴とする
光学スケールの製造方法を用いることにより、従来では
不可能であった劇的なコストダウンが可能であることを
見いだした。
【0008】例えば、薄い板状の成形品を作成する場
合、従来のコンプレッション法では加熱、冷却のサイク
ルがあり、1回当たりの成形タクトは最短でも3分程度
はかかるために、たとえ1つの型に60本のスケールパ
ターンを設けたとしても、1分間の生産量は20本にし
かならない。一方、本発明のロータリーモルデイング法
(以下RM法という)では、1本の成形品の大きさが1
0×450mmでロール径が300mmφの成形機を用
いた場合、1枚の型に15本のスケールパターンを設け
たとしても1本のロール型には2枚の型を取付けられる
うえに、成形速度が1〜7m/minと高速成形可能で
あるために、1分間の生産量は30〜210本となりコ
ンプレッション法と比較して1.5〜7.5倍の生産性
がある。更に、1枚の型の取り個数を増やせば、その生
産性の差は非常に大きくなる。また、RM法は樹脂が熔
融している状態で成形が行なわれ、成形圧力はコンプレ
ッション法と比較して小さいので、型の耐久性も良いと
いうメリットもある。この方法で光学スケールを作成す
ると上記理由から、非常にローコストの製品を提供する
ことが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この方法で光学スケー
ルを作成するには、長尺のスタンパーを精度よく、しか
も安定してローコストで作成することが重要である。ま
た、そのためには、スタンパーを製造するためのマスタ
ー型を精度よく確実に作成しなければならない。しか
し、従来は、不純物の少ないリン青銅板を作成し、それ
を超精密加工機で切削加工してスケールパターンを作
り、マスター型としていた。例えば、100μmピッチ
以下の精密で、かつ長尺のスケールパターンを作ろうと
すると、マスター型の上記材料が比較的硬いので、ダイ
ヤモンドバイトを用いて少しづつ切削しなければならな
い。このため、加工時間が非常に長くなり、加工中の停
電や地震等の事故により、マスター型製作に失敗する危
険性が高くなる問題があった。
【0010】また、マスター型の材料である不純物の少
ない、剛性のある、厚くて大きいリン青銅板の価格も高
く、このためスタンパー製作のコストアップ要因にもな
っていた。
【0011】一方、マスター型からスタンパーを作るた
めに、従来は、マスター型に紫外線硬化樹脂(2P)を
塗布して、その上からガラス板をのせて紫外線を当てて
2Pを硬化させることによりレプリカをとり、そのレプ
リカ面に導電化処理をし、さらに電鋳をした後、裏面研
磨し、外形寸法をあわせてトリミングし、固定具を熔接
するという複雑な工程を必要としていた。
【0012】一方、大面積のスタンパーを作成する場
合、たとえば200×500mmの大きさのスタンパー
を製作する際には、膜厚を均一にするためにレプリカ原
盤を回転させながら成膜する必要があり、少なくともス
パッタ装置の内径は540mmφ以上となる。さらに大
きいものを作る場合にはますます大きな装置が必要とな
り、実用的でなくなってくる。また、上記例の様な細長
いスタンパーを作る場合には、スパッタ膜の応力も場所
による差が大きくなりやすく、電鋳工程で膜割れが生じ
やすくなる等の問題があった。
【0013】この一連の工程を簡略化することが、スタ
ンパーを確実かつ安価に供給するため、ひいてはより安
価で高精度な光学スケールを提供するために要求されて
いた。
【0014】本発明に係る第1〜8の発明(請求項1〜
8の発明)の目的は、光学スケール成形用マスター型を
短時間でしかも精度良く製造する方法を提供することに
ある。
【0015】本発明に係る第9の発明(請求項9の発
明)の目的は、精度が良くしかも安価な光学スケール成
形用マスター型を提供することにある。
【0016】本発明に係る第10及び第11及び12
(請求項10、11及び12の発明)の発明の目的は、
光学スケール成形用スタンパーを安価にしかも精度良く
製造する方法を提供することにある。
【0017】本発明に係る第13の発明(請求項13の
発明)の目的は、光学スケールを短時間でしかも精度良
く製造する方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、次に示す
手段により達成することができる。
【0019】即ち、本発明は平滑な表面をもつ原盤上に
原盤よりも硬度の低い軟質層を設け、該軟質層を切削加
工してスケールパターンを形成することを特徴とする光
学スケール成形用マスター型の製造方法を提案するもの
であり、原盤はガラスまたはセラミックス板であるこ
と、原盤は金属または合金板であること、軟質層は樹脂
であること、軟質層は軟質金属または軟質合金であるこ
と、更に原盤と軟質層の硬度の差がビッカース硬さで5
0以上あること、原盤と軟質層の両者にイオン化傾向が
電鋳に用いる金属より小さい金属または合金または導電
性物質を用いたこと、電鋳に用いる金属はニッケルであ
ることを含む。
【0020】また本発明は平滑な原盤上に原盤よりも硬
度の低い軟質層からなるパターンを有することを特徴と
する光学スケール成形用マスター型を提案するものであ
る。
【0021】更に本発明は平滑な表面を有し、イオン化
傾向が電鋳に用いる金属より小さい導電性原盤上に電鋳
に用いる金属よりもイオン化傾向の小さい導電性軟質層
を設け、次いで該軟質層を切削加工してスケールパター
ンを形成して光学スケール成形用マスター型を得た後、
前記形成したパターン面に金属の電鋳を直接ほどこすこ
とによりスタンパーを作成することを特徴とする光学ス
ケール成形用スタンパーの製造方法であり、電鋳に用い
る金属はニッケルであることを含む。また本発明は前記
光学スケール成形用マスター型のパターン面に紫外線硬
化樹脂層を積層後、紫外線照射することにより該樹脂層
を硬化させて紫外線硬化樹脂による凹凸スケールパター
ンが形成された転写原盤を得、次いで、該転写原盤のス
ケールパターン面に前記転写原盤よりも硬度の高い電鋳
を施すことによりスタンパーを作成することを特徴とす
る光学スケール成形用スタンパーの製造方法である。
【0022】また本発明は周面にスケールパターンを有
するロール型および該ロール型に対向配置されたロール
をそれぞれ所望の速度で回転させつつ熱可塑性樹脂を押
し出す手段により、所定の温度に加熱された熱可塑性樹
脂を該ロール型と該ロールとの間に供給する工程と、該
熱可塑性樹脂を該ロール型と該ロールとで挟圧して該ス
ケールパターンを転写せしめる工程とを有する光学式ス
ケールの連続製造方法において、前記のスタンパーを用
いてロール型を製造したものを用いて成形することを特
徴とする光学スケールの連続製造方法である。
【0023】
【作用】従来の金属板の切削加工によって光学スケール
のマスター型を製作する方法では、加工に非常に長い時
間を要していたが、本発明は、光学スケール用マスター
型を製作する際に、平滑な表面をもつ原盤上に原盤より
も硬度の低い軟質層を設け、該軟質層を切削加工してス
ケールパターンを形成することにより、光学スケール用
マスター型を精度良くしかも低コストで製造することが
できる。
【0024】また、上記マスター型のうち原盤及び軟質
層が共に導電性のものを用い、マスター型に直接あるい
は離型処理を施した後に電鋳−裏面研磨−剥離−トリミ
ング−固定具熔接の工程を有する製造方法により、スタ
ンパーを精度良くしかも低コストで製造することが出来
る。つまり、上記製造方法によって製造されたスタンパ
ーはマスター型表面の導電性が従来のスパッタ膜よりも
良いために、電鋳時の膜厚分布が狭く、研磨工程に要す
る時間も短く、ローコストであり、さらに研磨量が少な
くてすむので研磨による残留応力も小さいので耐久性も
よい。 また、上記製造方法によって製造された安価で
耐久性の良いスタンパーを用いて、押し出し成形法によ
って光学スケールを成形することにより、従来よりもさ
らに安価で精度の高い光学スケールを提供することが可
能となる。
【0025】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。
【0026】図1は本発明のマスター型の製造方法の一
例を示す模式図である。
【0027】本発明の光学スケール成形用マスター型を
製造するには図1−aに示すように平滑な表面をもつ原
盤2上に原盤2よりも硬度の低い軟質層1を設ける。
【0028】本発明に用いられる原盤2の材料として
は、鉄鋼、クロム鋼、アルミニウム合金、金型用鋼(マ
ルエージング鋼)、ステンレス鋼等の金属や合金類、あ
るいは、ガラス、アルミナ、ジルコニア等のセラミック
スを用いることができる。原盤2の表面は、研磨等によ
り平滑に処理されていることが好ましく、平坦度は、1
00mm角で100μm以下が好ましく、30μm以下
がさらに好ましい。その厚みも均一なほうがよく、原盤
の厚みが10mmの場合、100mm角あたり0.5m
m以下が好ましい。
【0029】また軟質層1の材料としては、アクリル樹
脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコー
ン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリサルフォン樹脂等の樹
脂や、鉛、亜鉛、金、銀、白金、錫、マグネシウム、純
鉄、純銅、アルミニウム、インジウム等の軟質金属やハ
ンダ、リン青銅、真鍮、快削黄銅、22金等の合金、そ
の他アルミニウム、カーボンブラック等の微粒子を樹脂
で固めたものや融点が100℃以上のワックス類などが
挙げられる。
【0030】原盤2上に軟質層1を設けるに際しては原
盤2と軟質層1との接着性を高めるために原盤2の表面
を研磨し、この表面に表面処理剤をコートしてもよい。
このような表面処理剤としては例えばシランカップリン
グ剤等が挙げられる。
【0031】次いでオーブン等で25℃〜200℃で3
0分〜3時間ベーキング処理した後軟質層を20〜30
0μm厚みで積層する。
【0032】原盤2と軟質層1の硬度差はビッカース硬
さで50以上あることが好ましい。
【0033】次いで図1−bに示すようにスケールパタ
ーンを形成するように軟質層1を切削する。
【0034】軟質層1を切削するには、ダイヤモンド、
超高硬度鋼、焼結炭化物、工具鋼、アルミナセラミック
ス、BN、Co−Cr−W−Mo合金等で作成された工
具が用いられる。切削工具の硬さは、軟質層1よりビッ
カース硬さで50以上、好ましくは100以上硬いもの
がよい。
【0035】軟質層1と原盤2の硬度が違うことによ
り、バイトを傾けて切削することで軟質層1のみを選択
的に切削することができ、バイトの送り量を制御するだ
けで容易にスケールパターンの深さをも制御できるよう
になる。
【0036】かくして図1−cに示すように光学スケー
ル成形用マスター型4が得られる。
【0037】図2は、本発明の導電性マスター型を用い
てスタンパーを作成する工程の一部の概略図である。導
電性マスター型を作成するには、上記マスター型の製造
方法が好適に使用できる。この場合に軟質層1及び原盤
2の材料は、イオン化傾向が後述する電鋳に用いる金属
よりも小さい金属または合金または導電性物質が好まし
い。軟質層及び原盤の材料にはイオン化傾向がニッケル
よりも小さいものを使用することが特に好ましい。導電
性物質としては金属、合金、炭素、導電性高分子等が挙
げられる。イオン化傾向がニッケルより小さい金属とし
て好ましいものとしてはニッケルのほか、錫、銅、銀、
白金、パラジウム等が挙げられる。導電型マスター型を
用いてスタンパーを作成するには原盤と軟質層の両者に
イオン化傾向が電鋳に用いる金属より小さい金属または
合金または導電性物質を用いて図1−a〜図1−cと同
様の方法でマスター型4が得られる(図2−a)。
【0038】次いでマスター型を電鋳ホルダーに取付
け、厚み50〜500μmの電鋳層5を形成する(図2
−b)。
【0039】なお、電鋳層5としてはニッケルが特に好
ましい。
【0040】次いで裏面研磨を行ない、凹凸のない平面
性良好な積層体が得られる(図2−c)。
【0041】次いで電鋳層5を上記積層体よりクリーン
ルーム内で剥離することによって電鋳層5からなるスタ
ンパーが得られる。
【0042】マスター型4と電鋳層5との密着が良すぎ
ると電鋳層5を剥離する際にマスター型4を痛めるので
マスター型4の表面を酸化処理や窒化処理等の公知の離
型処理によって、両者の密着性を下げておくほうが好ま
しい。
【0043】本発明のスタンパーの作成方法では、マス
ター型を導電性物質で構成したものを用いているため
に、従来必要であった導電化処理が不要となり、工程の
簡略化を実現すると共に、従来、スパッタ等で導電化膜
を作成していたために発生するピンホールや応力のため
生じる膜割れやしわの発生等の欠陥も低減できる。
【0044】かくして得られたスタンパーは図6に示す
ようにスタンパー7の両端に固定具8,9を設け、図7
に示すようにスタンパーロールに取付けられる。
【0045】図2の例では導電性マスター型を用いたス
タンパーの製造方法を説明したが導電マスター型を用い
なくても以下に示すような方法によって前記と同様のス
タンパーを得ることができる。この場合は図1−a〜図
1−cの工程によって得られたマスター型4の表面に公
知の離型剤を塗布した後、その上に紫外線硬化樹脂層を
設ける。
【0046】次いで前記硬化樹脂層上に基板を重ねる。
前記基板は表面処理剤で表面処理し、25℃〜200
℃、30分〜3時間ベーキング処理した、ガラス板、セ
ラミック等からなるものが好ましく、表面処理面を下に
して前記マスター型4の紫外線硬化樹脂層上に重ね合せ
る。その後紫外線照射して樹脂を硬化させる。紫外線照
射手段としては紫外線蛍光燈、水銀燈、メタルハライド
ランプ等が挙げられる。
【0047】かくして紫外線硬化樹脂による凹凸スケー
ルパターンが形成された転写原盤が作成される。該転写
原盤に該転写原盤よりも硬度の高い電鋳例えばニッケル
を施す。この電鋳型を剥離することによって極めて精度
の良いスタンパーを得ることができる。このものは、可
撓性があり、ロール等に取付けてロールスタンパーとし
て使用することもできる。
【0048】次に前記のようにして得られるスタンパー
をロールに取付けて光学スケールを製造する方法につい
て説明する。
【0049】図3は、本発明の光学スケールの製造方法
の一例を示す模式図である。
【0050】11は第1ロール、12はロールスタンパ
ー、13は第3ロール、14はTダイである。光学スケ
ールの成形材料は、ガラス転移温度以上〜分解温度以下
の温度で熔融されてTダイ14のスリットからほぼ均一
な厚みで押し出される。押し出された熔融状態の成形材
料は、第1ロール11とロールスタンパー12とで挟圧
され、シート状に成形されると同時にロールスタンパー
12の表面に取付けられたスタンパー15表面のスケー
ルパターンを転写される。このようにして成形された光
学スケールシート16は、第3ロール13によって搬送
され、次の工程に運ばれる。この光学スケールの模式図
が図6である。
【0051】本発明の光学スケールの製造に用いられる
成形材料としては、使用する光の波長における光線透過
率が50%以上のものであればよいが、光の利用率の点
からは70%以上のものが好適に用いられる。なかで
も、機械的強度や光学特性等の面から、ポリイミド樹
脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン
樹脂、ポリカーボネート樹脂、アモルファスポリオレフ
ィン樹脂、アクリル樹脂、スチロール樹脂、ビニル樹
脂、PET樹脂、ABS樹脂等が好適に用いられる。さ
らに、本発明において、ロールスタンパーおよび第1、
第3ロールの基材としては、硬度が高く、熱伝導率が良
く、また、周囲の鏡面加工の容易なものが好ましく、例
えば、鉄鋼、クロム鋼、アルミニウム、アルミニウム合
金、金型用鋼(マルエージング鋼)、燐青銅、ステンレ
ス鋼等を用いることができる。さらに、ロールスタンパ
ーおよび第1、第3ロールの基材の表面は、クロムやニ
ッケル鍍金等を施して、鏡面研磨仕上げをしたものを用
いるとよい。
【0052】
【実施例】以下に実施例を用いて、本発明をさらに詳し
く説明する。但し、本発明は、本実施例によって何ら限
定されるものではない。
【0053】(第1の実施例)マスター型の原盤の材料
として480×200×20mmの両面研磨した硬度4
65のガラス板を用意し、この表面にシランカップリン
グ剤の1vol%メタノール溶液(商品名:A−17
4;日本ユニカー(株)製)をスピンコートし、70℃
のオーブンで2時間ベーキング処理した後、軟質層とし
て硬度17のアクリル樹脂を約50μmの厚さで積層し
た。こうして得られたマスター型の材料の価格は、従来
の型材料の10分の1程度であった。
【0054】次に、図4に示すような先端が35.3μ
mの幅で平坦な台形ダイヤモンドバイト6を用いて送り
ピッチ70.6μmで4700本の台形溝を研削して、
図5に示すような形状のマスター型10を作製した。加
工に要した時間は、16時間で従来の約5分の1程度で
あった。この表面に、離型剤を塗布した後、ウレタンア
クリレート30部、ネオペンチルグリコール変性トリメ
チロールプロパンジアクリレート67部、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン3部の組成比の紫外線
硬化樹脂を十分脱気したものを30g滴下した。
【0055】次に、片面にシランカップリング剤の1v
ol%メタノール溶液(商品名:A−174;日本ユニ
カー(株)製)をスピンコートし、70℃のオーブンで
2時間ベーキング処理した大きさ500×220×15
のガラス板を用意し、上記紫外線硬化樹脂の上にシラン
カップリング処理面を下にして、端からゆっくり重ね合
わせ、紫外線硬化樹脂が外周部まで広がった時点でメタ
ルハライドランプ(商品名:UVC−2533;ウシオ
電機(株)製)を用いて160W/cm2 、ランプ距離
130mmの条件で紫外線を照射して樹脂を硬化させ
た。次いでこれを剥離して、硬度465のガラス基板上
に硬度25の紫外線硬化樹脂による凹凸スケールパター
ンが転写、形成されたガラス原盤を得た。該ガラス原盤
をスパッタ装置(商品名:SPF−530H;日電アネ
ルバ(株)製)の試料ステージに乗せた。チャンバー内
を真空引きし、到達真空度4.0×10Pa、Arガス
圧1.2Pa、RFパワー1kW、ガラス原盤回転数1
0rpmの条件で逆スパッタを5分間行なった。次い
で、同条件でDCパワー0.5kWで0.11μmの厚
さにのニッケルをスパッタ成膜した。その後、200μ
mの厚さまでのニッケルを電鋳し、裏面研磨を行なっ
た。このニッケル型をクリーンルーム内で剥離し、保護
フィルムをパターンの有効部分に貼り付けた後、470
×180mmの大きさに切断し、両端の短辺に固定具
8,9を取付けて図7に示すような形状のロールスタン
パー12を得た。
【0056】その後、保護フィルムを剥離し、大きさ4
70×178mm厚み100μmのポリイミドフィルム
を介して前記形状のスタンパー2枚を固定具取付け用溝
2本を設けた直径320mmφの溝付きロールに取付け
た後、固定具間の溝をシリコーン樹脂(商品名:KE1
204A、B;信越化学工業(株)製)を充填して10
0℃で30分間硬化した後、余分にはみでた樹脂をカッ
ターで除去してロールスタンパー12を作製した。
【0057】このロールスタンパー12を図3に示すよ
うな装置に取付けると共に、Tダイ14からビスフェノ
ールA系ポリカーボネート(商品名:S−2000R;
三菱ガス化学(株)製)の樹脂シートを押し出して、厚
さ0.3mm×幅250mmの連続した光学スケールシ
ート16を製造した。
【0058】成形条件としては、Tダイ14の温度32
5℃、ロールスタンパー12の表面温度140℃、樹脂
シートの搬送速度4m/min、樹脂の押し出し量22
kg/hとなるように調整して4時間の連続成形を行な
った。こうして成形された光学スケールについて幅8m
m長さ450mmの大きさに打ち抜き、信号評価テスト
を行なったが、信号振幅の振れ幅は±5%以内に収まっ
ていた。
【0059】また、転写精度は95%以上であり、非常
に高品質な光学スケールを短時間にしかも大量に得るこ
とができた。
【0060】なお、本実施例において転写精度は、触針
式段差測定機(商品名:アルファステップ200;テン
コール・インスツルメンツ(株)製)で針圧3mg、ス
キャン範囲400μm、スキャン時間40秒の設定でガ
ラス原盤の光透過部の幅を測定した値Aを基準として、
成形したスケールでの光透過部の幅の測定値aとの比a
/Aの値で評価した。
【0061】(第2の実施例)マスター型の原盤の材料
として480×200×10mmの両面研磨した硬度9
0のニッケル板を用意し、この表面全体をメッキによっ
て銅で覆い、その上の片面に軟質層として硬度20の金
を約30μmの厚みで被覆した。次に、先端が直角なダ
イヤモンドバイトを用い、送りピッチ70.6μmで4
700本のV溝を研削して、図1のような形状をもつマ
スター型4を作成した。加工に要した時間は、16時間
であった。
【0062】このマスター型を電鋳ホルダーに取付け
て、200μmの厚さまでニッケルを電鋳し、図2−b
のような形状のものを得た。この時の厚みムラは、従来
の方法に比べて10μm程少なかった。また、従来のガ
ラス原盤を使用した際に発生する反りもほとんどなく、
裏面研磨を行なうときも、研磨機へのセッティングも容
易であり、加工費の低減を実現できた。この後、第1の
実施例と同様にしてスタンパーを作成し、さらにロール
スタンパーを作成し、成形機に取付けた。
【0063】樹脂に、ビスフェノールA系ポリカーボネ
ート(商品名:H−3000R;三菱ガス化学(株)
製)を用い樹脂シートの搬送速度を1.2m/min樹
脂の押し出し量を13kg/hとした以外は実施例1と
同様の条件で厚さ0.6mm×幅250mmの連続した
光学スケールシートを6時間連続して製造した。こうし
て成形された光学スケールについて幅8mm長さ480
mmの大きさに打ち抜き、信号評価テストを行なった
が、信号振幅の振れ幅は±4%以内に収まっておりかな
り安定していた。
【0064】また、転写精度は96%以上であり、非常
に高品質な光学スケールを短時間にしかも大量に得るこ
とができた。
【0065】(第3の実施例)マスター型の原盤の材料
として490×200×10mmの両面研磨した硬度2
20の耐酸性ステンレス鋼を用意し、その上の片面に軟
質層としてハンダを約30μmの厚みで被覆した。次
に、先端が直角な超硬剣先バイトを用い、送りピッチ4
2.4μmで9,000本のV溝を研削して、第2の実
施例と同様な形状でピッチの細かいマスター型を作製し
た。加工に要した時間は、34時間であった。
【0066】このマスター型を電鋳ホルダーに取付け
て、200μmの厚さまでニッケルを電鋳した。この時
の厚みムラは、従来の方法に比べて10μm程少なかっ
た。また、従来のガラス原盤を使用した際に発生する反
りもほとんどなく、裏面研磨を行なうときも、研磨機へ
のセッティングも容易であり、加工費の低減を実現でき
た。この後、第1の実施例と同様にしてスタンパーを作
成し、さらにロールスタンパーを作成し、成形機に取付
けた。
【0067】樹脂シートの搬送速度を2.0m/mi
n、樹脂の押し出し量を22kg/hとした以外は第1
の実施例と同様の条件で厚さ0.6mm×幅250mm
の連続した光学スケールを製造した。こうして成形され
た光学スケールについて幅8mm長さ480mmの大き
さに打ち抜き、信号評価テストを行なったが、信号振幅
の振れ幅は±4%以内に収まっておりかなり安定してい
た。
【0068】また、転写精度は96%以上であり、非常
に高精度かつ高品質な光学スケールを短時間にしかも大
量に得ることができた。
【0069】こうして得られた光学スケールを用いて光
学エンコーダーを作成したところ、信号出力も安定して
おり、出力も従来の銀塩フィルムを用いたものよりも2
0%以上向上していた。そのために、発光ダイオードの
出力が従来の8割以下で十分となり、動作電流を下げて
使うことにより長寿命化がはかれる。あるいは、安価な
低出力発光ダイオードを使用することで、高性能で安価
な光学エンコーダーが製造できる等、光学エンコーダー
の設計範囲が広がり、種々の機器に光学エンコーダーを
使用できるようになった。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学スケ
ールのマスター型の製造方法によれば、光学スケール用
マスター型を製作する際に、平滑な表面をもつ原盤上に
原盤よりも硬度の低い軟質層を設け、該軟質層を切削加
工してスケールパターンを形成することにより、軟質層
のみを選択的に切削し得るので、光学スケール用マスタ
ー型を精度良くしかも低コストで製造することが出来
る。
【0071】また、上記マスター型のうち原盤及び軟質
層が共にイオン化傾向が電鋳に用いる金属より小さい導
電性のものを用い、マスター型に直接あるいは離型処理
を施した後に電鋳−裏面研磨−剥離−トリミング−固定
具熔接の工程を有する製造方法により、導電性が従来の
スパッタ膜より良好であり、かつ電鋳時には導電化処理
を特に必要としないので、スタンパーを精度良くしかも
低コストで製造することが出来る。
【0072】さらに、上記製造方法によって製造された
スタンパーはマスター型表面の導電性が従来のスパッタ
膜よりも良いために、電鋳時の膜厚分布も良好であり研
磨工程に要する時間も短く、ローコストであり、さらに
研磨によるストレスも小さいので耐久性もよいというメ
リットもある。また原盤上に原盤よりも硬度の低い軟質
層からなるパターンを有するマスター型から転写して得
られる紫外線硬化樹脂による凹凸スケールパターンが形
成された転写原盤のパターン面に該転写原盤よりも硬度
の高い電鋳を施すことによっても精度の良いスタンパー
が安価に得られる。
【0073】また、上記製造方法によって製造されたス
タンパーを用いて、押し出し成形法によって光学スケー
ルを成形することにより、従来よりもさらに安価で精度
の高い光学スケールを提供することが可能となった。
【0074】また、上記光学スケールを用いることによ
り、従来よりも光学系のコストも下げることが可能にな
り、非常に安価な光学式エンコーダーの提供もでき、安
価な汎用プリンター等の機器にも光学式エンコーダーを
搭載することが可能となり、より一層コストパフォーマ
ンスの良い機器を提供できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1−a,1−b,1−cは本発明のマスター
型の製造方法の一例を示す模式図である。
【図2】図2−a,2−b,2−cは本発明の光学スケ
ール成形用スタンパーの製造工程の一例を示す模式図で
ある。
【図3】本発明の光学スケール成形用スタンパーを用い
て光学スケールを成形する装置の一例を示す模式的斜視
図である。
【図4】本発明のマスター型を作成するのに用いるダイ
ヤモンドバイトの形状の一例を示す模式図である。
【図5】本発明の光学スケール成形用スタンパーを作成
するのに用いるマスター型の形状の一例を示す模式的斜
視図である。
【図6】本発明の光学スケール成形用ロールスタンパー
を作成するのに用いるスタンパーの全体形状の一例を示
す模式図である。
【図7】光学スケールを成形する装置に用いる光学スケ
ール成形用ロールスタンパーの全体形状を示す模式図で
ある。
【図8】本発明の光学スケール成形用スタンパーを用い
て光学スケールを成形する装置の一例を示す模式的断面
図である。
【符号の説明】
1 軟質層 2 原盤 3 バイト 4 マスター型 5 電鋳層 6 ダイヤモンドバイト 7 スタンパー 8,9 固定具 10 マスター型 11 第1ロール 12 ロールスタンパー 13 第3ロール 14 Tダイ 15 スタンパー 16 成形された光学スケールシート

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平滑な表面をもつ原盤上に原盤よりも硬
    度の低い軟質層を設け、該軟質層を切削加工してスケー
    ルパターンを形成することを特徴とする光学スケール成
    形用マスター型の製造方法。
  2. 【請求項2】 原盤は、ガラスまたはセラミックス板で
    ある請求項1に記載の光学スケール成形用マスター型の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 原盤は、金属または合金板である請求項
    1に記載の光学スケール成形用マスター型の製造方法。
  4. 【請求項4】 軟質層は樹脂である請求項1に記載の光
    学スケール成形用マスター型の製造方法。
  5. 【請求項5】 軟質層は軟質金属または軟質合金である
    請求項1に記載の光学スケール成形用マスター型の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 原盤と軟質層の硬度の差がビッカース硬
    さで50以上ある請求項1に記載の光学スケール成形用
    マスター型の製造方法。
  7. 【請求項7】 原盤と軟質層の両者にイオン化傾向が電
    鋳に用いる金属よりも小さい金属または合金または導電
    性物質を用いた請求項1に記載の光学スケール成形用マ
    スター型の製造方法。
  8. 【請求項8】 電鋳に用いる金属はニッケルである請求
    項7に記載の光学スケール成形用マスター型の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 平滑な原盤上に原盤よりも硬度の低い軟
    質層からなるパターンを有することを特徴とする光学ス
    ケール成形用マスター型。
  10. 【請求項10】 平滑な表面を有し、イオン化傾向が電
    鋳に用いる金属よりも小さい導電性原盤上に電鋳に用い
    る金属よりもイオン化傾向の小さい導電性軟質層を設
    け、次いで該軟質層を切削加工してスケールパターンを
    形成して光学スケール成形用マスター型を得た後、前記
    形成したパターンの表面に金属の電鋳を直接ほどこすこ
    とを特徴とする光学スケール成形用スタンパーの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の光学スケール成形用
    マスター型のパターン面に紫外線硬化樹脂層を積層後、
    紫外線照射することにより樹脂層を硬化させて紫外線硬
    化樹脂による凹凸スケールパターンが形成された転写原
    盤を得、次いで該転写原盤のスケールパターン面に前記
    転写原盤よりも硬度の高い金属の電鋳を施すことを特徴
    とする光学スケール成形用スタンパーの製造方法。
  12. 【請求項12】 電鋳に用いる金属はニッケルである請
    求項10記載の光学スケール成形用スタンパーの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 周面にスケールパターンを有するロー
    ル型および該ロール型に対向配置されたロールをそれぞ
    れ所望の速度で回転させつつ熱可塑性樹脂を押し出す手
    段により、所定の温度に加熱された熱可塑性樹脂を該ロ
    ール型と該ロールとの間に供給する工程と、該熱可塑性
    樹脂を該ロール型と該ロールとで挟圧して該スケールパ
    ターンを転写せしめる工程とを有する光学式スケールの
    連続製造方法において、請求項10また11のスタンパ
    ーを用いてロール型を製造したものを用いて成形するこ
    とを特徴とする光学スケールの連続製造方法。
JP3671295A 1995-02-24 1995-02-24 光学スケール成形用マスター型の製造方法、光学スケール成形用マスター型、光学スケール成形用スタンパーの製造方法及び光学スケールの製造方法 Pending JPH08229955A (ja)

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