JPH0823042B2 - 金属の射出成形方法 - Google Patents

金属の射出成形方法

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JPH0823042B2 JP62186926A JP18692687A JPH0823042B2 JP H0823042 B2 JPH0823042 B2 JP H0823042B2 JP 62186926 A JP62186926 A JP 62186926A JP 18692687 A JP18692687 A JP 18692687A JP H0823042 B2 JPH0823042 B2 JP H0823042B2
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【発明の詳細な説明】 〔概要〕 金属粉末を射出成形して成形体を形成した後に高温焼
成して焼結体を得る射出成形体の製造方法に関し、 少量のバインダ使用で射出成形体を得ることを目的と
し、 前記金属粉末に前記バインダを混合する前に、前記金
属粉末の表面を界面活性剤で被覆して射出成形用の材料
を構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明は射出成形体の製造方法に関する。
金属を用いて寸法精度の高い成形体を得るには切削加
工を行うのが通例であるが、材質が硬く、また脆くて旋
盤加工が困難な場合がある。
例えば、鉄・珪素(Fe・Si)合金などの軟磁性合金を
用いて形成されるマグネット・ベースやモータのヨーク
などがこれに当たり、材質が硬くて脆いために切削加工
による場合には製造収率が低下する。
一方、金属粉末を熱可塑性樹脂と混合した後、必要と
する形状に射出成形し、これを炉中に置き、徐々に昇温
して熱可塑性樹脂を分解させて脱バインダ処理を行った
後に焼結するウイテック・プロセス(Witec−process)
があり、この方法は上記のような材料の加工に適し、製
造収率が高いと云う特徴がある。
〔従来の技術〕
金属粉末と熱可塑性樹脂との混合物を射出成形して成
形体を製造する場合に、熱可塑性樹脂(以下略してバイ
ンダ)の使用量はなるべく少ないことが必要であり、そ
の理由は樹脂の添加量が多いほど成形は容易であるが、
成形後に行う脱バインダ工程の歩留まりが低下するから
である。
すなわち、バインダとしてポリエチレン,ポリスチレ
ンなど軟化温度ならびに分解温度の低い高分子有機化合
物が使用されており、脱バインダ処理によりバインダを
除去した後に成形体を高温にまで加熱して焼結を行って
いる。
こゝで、脱バインダ法には成形体をそのまゝの状態で
炉の中に置き、徐々に昇温してバインダを加熱分解させ
る方法と、 銅(Cu)などの金属粉或いはアルミナ(Al2O3)のよ
うなセラミック粉末からなる充填材の中に埋没させた状
態で炉の中に置き、徐々に昇温してバインダを充填材に
吸収させながら分解する方法がある。
そして、熱分解温度の近くまで昇温した後は数℃/hou
r程度の速度で徐々に加温して分解を進行させるが、成
形体を露出させて行う場合は1〜2℃/hourの低速で行
うことが必要で、これよりも速くすると成形体の表面と
内部との間に生じる温度勾配によってクラックが生じ易
く、またバインダの分解の際に発生するガスによる膨れ
やバインダの粘度低下による崩れが起こり易い。
また、成形体を金属粉末や酸化物粉末中に埋没させる
場合は温度昇温の発生が緩和されるために昇温速度は上
げられるものゝ、通気性が悪いためにバインダの分解が
不完全で炭化が起こり易いと云う問題がある。
このように射出成形法によって金属の成形体を作り、
焼結法によって製品化する製造方法においては脱バイン
ダ処理が大きな問題である。
次に、焼結密度の高い焼結体を得るには粒径の小さな
金属粉を用いるとよいが、その場合には多量のバインダ
の使用が必要であり、脱バインダ処理が非常に困難にな
ると云う問題があり、対策が必要であった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上記したように金属粉末をバインダと混練して射出
成形し、脱バインダした後に焼結して製品化する工程で
は脱バインダ処理が製品の収率や品質の良否を左右して
おり、焼結密度の高い焼結体を得るには粒径の小さな金
属粉の使用が必要であるが、この場合はより多量のバイ
ンダが必要で、脱バインダが益々難しくなることが問題
である。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の問題は、熱可塑性樹脂からなるバインダと金属
粉末との混合物を射出成形して成形体を得た後、該成形
体を加熱して脱バインダし、高温に加熱して焼結体を得
る金属の射出成形方法において、該金属粉末を該バイン
ダと混合する前に、該金属粉末の表面を界面活性剤で被
覆する金属の射出成形方法によって解決される。
〔作用〕
焼結密度の高い焼結体を得るには粒径の小さな粉体の
使用が必要であるが、この場合に粒径の大きな粉体を使
用する場合よりもより多くのバインダを必要とする理由
は粉体の粒径を小さくすることによって単位体積あたり
の表面積が増加するからであるが、発明者等はバインダ
の粉体に対する密着性(濡れ性)を向上すれば、バイン
ダの増加が避け得るのではないかと思い、次のような実
験を行った。
すなわち、一方の試料としては粉体として粒径が4〜
5μmの鉄(Fe)粉を用い、またバインダとしてポリエ
チレンを用い、50:50の容積比のポリエチレンをFe粉に
加え、ニーダ(混練機)で2時間に亙って混練した。
また、他方の試料には界面活性剤としてステアリン酸
を用い、Feとポリエチレンと界面活性剤の容量比を50:4
9:1とし、ステアリン酸をエタノールに溶解させてFe粉
と混合した後、エタノールを蒸発させてFe粉にステアリ
ン酸を被覆した。
この後、先と同様にポリエチレンと混練した。
この両者の粉体を比較すると前者はFe粉とポリエチレ
ンが半分以上分離しているのに対し、後者はポリエチレ
ンが被覆したFe粉が粒状に凝集しているのが観察され
た。
一方、前者について後者と同様な状態にまで凝集させ
るには粉体とバインダとの構成比を30:70以上とバイン
ダの添加量を増す必要がある。
すなわち、界面活性剤の添加によりポリエチレンの表
面張力が減少し濡れ性が改善されるため、少量のバイン
ダ添加によっても粉体への被覆が行われて潤滑性が向上
するのである。
こゝで、界面活性剤の必要条件は融点が作業性のよい
温度範囲で、構造が簡単で熱分解が起こり易く、また炭
素(C),酸素(O),水素(H)以外の元素を含まな
いことが必要で、これに該当するものは飽和脂肪酸〔CH
3(CH2nCOOH〕や不飽和脂肪酸である。
例えば、 パルミチン酸 C15H31COOH 融点63〜64℃ ヘプタデシル酸 C16H33COOH 〃60〜61℃ ステアリン酸 C17H35COOH 〃71〜72℃ ノナデカン酸 C18H37COOH 〃68.7 ℃ ペヘン酸 C21H43COOH 〃81〜82℃ など各種のものを挙げることができる。
このように本発明は粒径の小さな金属粉体を使用する
場合でも界面活性剤を使用することにより従来よりも少
量のバインダ添加で射出成形性のよい成形体を得るもの
で、バインダ量が少ないために脱バインダ性も良好であ
る。
〔実施例〕
実施例1: Fe・Si合金からなり、粒径が4〜5μmの金属粉末と
バインダとして平均分子量が3000のポリエチレンを、ま
た界面活性剤としてステアリン酸を用い、これらを55:4
4:1の体積比にとり、ステアリン酸をエタノールに溶解
させてFe・Si合金粉末と混合した後、エタノールを蒸発
させてFe・Si合金粉末の表面にステアリン酸を被覆し
た。
次に、これにポリエチレンを加え、ニーダで2時間に
亙って混練した。
この材料を用いて射出成形したところ良好なラインプ
リンタ用ハンマの成形体を得ることができた。
次に、この成形体をAlN粉からなる充填材の中に埋没
させ、120℃の温度に保持してポリエチレンとステアリ
ン酸からなるバインダを溶出させた後、N2雰囲気中で21
0〜400℃まで20℃/hの条件で昇温し脱バインダしたとこ
ろ崩れ,亀裂,膨れなどのない脱バインダ成形体を得る
ことができた。
比較例1: 実施例1と同じ金属粉末とポリエチレンとを体積比で
55:45となるようにとり、実施例1と同様にして混練し
た。
これを射出成形したところゲート部で詰まってしまい
良好な成形体を得ることはできなかった。
また、良好な成形体は45:55以上の容量比の場合に得
ることができるが、この条件で得られる成形体は脱バイ
ンダ処理で何れも崩れてしまった。
〔発明の効果〕
本発明の実施により平均粒径の小さな粉体を用いても
従来よりも少ないバインダ添加量で射出成形を行うこと
ができ、バインダ量が少ないために脱バインダ処理も製
造歩留まりよく行うことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂からなるバインダと金属粉末
    との混合物を射出成形して成形体を得た後、該成形体を
    加熱して脱バインダし、高温に加熱して焼結体を得る金
    属の射出成形方法において、 前記金属粉末を前記バインダと混合する前に、前記金属
    粉末の表面を界面活性剤で被覆する ことを特徴とする金属の射出成形方法。
JP62186926A 1987-07-27 1987-07-27 金属の射出成形方法 Expired - Fee Related JPH0823042B2 (ja)

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