JPH08238301A - 薬剤バイアル保持組立体及びその関連技術 - Google Patents

薬剤バイアル保持組立体及びその関連技術

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JPH08238301A
JPH08238301A JP7074397A JP7439795A JPH08238301A JP H08238301 A JPH08238301 A JP H08238301A JP 7074397 A JP7074397 A JP 7074397A JP 7439795 A JP7439795 A JP 7439795A JP H08238301 A JPH08238301 A JP H08238301A
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忍 木下
Taro Takei
太郎 武井
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Morishita Pharmaceuticals Co Ltd
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MORISHITA ROUSSEL KK
Morishita Pharmaceuticals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薬剤バイアル内の薬剤に影響が及ぶことなく
外表面が電子線により効率良く而も確実に滅菌されたも
のの提供。 【構成】 バイアル10の外表面及び弾性栓体12の天
面に放射線耐性ポリプロピレン樹脂薄層を積層する。キ
ャップ体14の開口部の周縁部を折曲して栓体12天面
に気密的に圧着させる。保持体16の筒状部18の環状
底部18a上に接着した弾性環状板20を、キャップ体
14の天面に気密的に圧着させる。筒状部18の小径部
18bの内側にキャップ体14の外周部を保持する。バ
イアル10の胴部の外周面に、筒状部18の大径部18
dの内周部に装着した内側環状パッキン22を気密的に
圧着させる。薬剤バイアル保持組立体32の軸線方向両
方から電子線を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子線により外表面が
滅菌された薬剤バイアル保持組立体、その製造法、及
び、電子線による外表面の滅菌に適した薬剤バイアルに
関する。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】抗生物質や血
液製剤の中には、製剤学的安定性の問題から固体製剤と
して医療に供給され、使用直前に溶解させて注射剤とし
て経静脈的に投与されるものがある。この際の薬剤溶解
作業は、従来たとえば、それぞれゴム栓で密封された薬
剤バイアルと溶解液容器とを、両端に刃先を有する中空
の両頭針等で相互に連通させることによっ行なわれてい
た。もしも、このような連通操作が、両容器のゴム栓と
中空の両頭針が外気に触れた状態で行なわれるならば、
薬剤が汚染される危険性がある。そこで、薬剤バイアル
と溶解液容器との連通操作を密封系内でできるようにし
た種々の医療用容器(以下、医療用キットという)が提
案されている。例えば、特表昭61−501129号公
報には、薬剤バイアルを収納したカプセルと可撓性の溶
解容器とが導管手段で連結され、その導管手段に連通手
段が備えられた医療用キットが開示されている。また、
特開平2−1277号公報には、連通機構を改良して、
連通操作を簡単かつ確実に行なえるようにした医療用キ
ットが開示されている。
【0003】このように薬剤バイアルと溶解液容器との
連通操作を密封系内で行なわれるようにした医療用キッ
トについては、製造時における密封系内の微生物汚染を
防止し、密封系内の無菌性を保証しなければならない。
【0004】この医療用キットにおける密封系内の微生
物汚染防止は、医療用キットを構成する各部品を無菌的
に製造し、且つ各部品の組立工程を、清浄度が高く保た
れたクリーンルーム内における無人作業の一貫生産ライ
ンにより行うことによって可能となる。
【0005】医療用キットを構成する薬剤バイアル以外
の各部品を無菌的に製造する方法としては、放射線照射
や高圧蒸気滅菌による物理的滅菌方法やエチレンオキサ
イドガス(以下EOGという)等による化学的滅菌方法
を用いることができる。これらの方法により滅菌処理し
たものについて、無菌状態を保ちつつ組立工程へ供給す
ることが、密封系内の無菌性を保証する上で重要であ
る。
【0006】一方、薬剤バイアルの無菌的製造方法とし
て、乾熱滅菌処理したバイアルへ無菌的に薬剤を充填
し、ガンマー線滅菌等の放射線滅菌又は高圧蒸気滅菌等
により処理されたゴム栓を薬剤充填済の薬剤バイアル口
部に無菌的に嵌合させて口部を封止した後、ガンマー線
滅菌等の放射線滅菌、EOG滅菌等のガス滅菌又は高圧
蒸気滅菌等により滅菌処理されたアルミニウム製キャッ
プを、薬剤バイアルの首部からゴム栓にわたる部分に外
嵌してそれを巻締めする方法が考えられる。このように
して製造された薬剤バイアルの内面については、完成時
において無菌性が保証される。
【0007】しかしながら、医療用キットにおいては、
薬剤バイアルの外表面についても無菌性が要求される。
前述した滅菌処理済のアルミニウムキャップは、それを
解梱して薬剤バイアル製造装置に供給する際に、そのキ
ャップの表面が作業者又は外部環境からの微生物による
汚染を受ける可能性があるので、アルミニウムキャップ
が薬剤バイアル製造装置に供給された後、巻締め工程の
前に、その表面を滅菌処理することが必要となる。とこ
ろが、キャップ表面のみの滅菌を目的とした滅菌装置を
薬剤バイアル製造装置中へ組み入れることは、コストア
ップが大きいため困難である。前述した巻き締め工程の
前工程において、強力な紫外線ランプを用いてアルミニ
ウムキャップ表面の付着菌を殺菌する方法は、コスト面
で一番有利と考えられるが、紫外線照射装置による殺菌
では、表面にゴミ等が付着していると、その部分の殺菌
が行われないので、完全な殺菌は望めない。また、紫外
線照射はあくまでも殺菌の範疇に含まれる。滅菌とは異
なり、無菌性が保証されるわけではない。
【0008】また、前述した医療用キットの一貫生産が
行えない場合、例えば薬剤バイアル生産ラインと医療用
キット組立ラインが離れている場合や、薬剤バイアル製
造元と医療用キット製造元が異なる場合、すなわち医療
用キット製造元が薬剤バイアル製造元より医療用キット
に用いる薬剤バイアルの供給を受ける場合には、仮に完
成時に薬剤バイアルの内外面の無菌性が保証されたもの
であっても、搬送工程や解梱工程等において、作業者又
は外部環境からの微生物により、薬剤バイアルの表面や
キャップとバイアル及びゴム栓との間隙が汚染を受ける
可能性がある。
【0009】医療用キットを構成する各部品のうち薬剤
バイアルを除く部品について、委受託の関係においてガ
ンマー線滅菌やEOG滅菌等処理を行なう場合も、上記
したように搬送、解梱の工程が加わるため、搬送期間中
又は解梱操作時に、薬剤バイアルの外表面に対し作業者
又は外部環境から微生物による汚染を受ける可能性があ
る。
【0010】何れの場合でも、医療用キットの組立工程
へ薬剤バイアルを供給する際、又は組立中若しくは組立
後に、薬剤バイアルの外表面及び他の必要個所を滅菌処
理すれば、問題は解決される。
【0011】その場合の滅菌方法として、現在医薬品お
よび医療用器具等に用いられる代表的な滅菌方法である
EOG滅菌、放射線滅菌、高圧蒸気滅菌等を採用するこ
とが考えられる。
【0012】ところがEOG滅菌の場合、エチレンオキ
サイドの毒性が問題となるので、薬剤バイアルを封止す
るゴム栓及び医療用キットの他の構成部品におけるEO
G残留量や毒性の強い二次生成物について、化学的試
験、生物学的試験を行ない、人体に対する影響が無いこ
とを保証する必要がある。また、EOG滅菌では、作業
者による微生物汚染防止のため、滅菌のバッチ処理や残
留ガス除去操作等を無人で行なう必要があるので、製造
ラインにおいてインライン化するためには、製造環境を
維持するための設備が必要となり、全体の設備費用が嵩
むこととなる。
【0013】EOG滅菌に代わる方法として、最近は放
射線滅菌が多く用いられ始めた。通常、医療用器具等を
滅菌するには、コバルト60によるガンマー線滅菌が用
いられる。その吸収線量は、日本では通常25kGyで
ある。医療用キットを構成する各部品が高分子材料製な
らば、この吸収線量で滅菌すると、ガンマー線により、
高分子鎖の分解や架橋及び材質劣化を生ずるので、物理
的、化学的、生物学的各試験を実施し、ガンマー線照射
後の機能性及び人体に対する安全性を保証しなければな
らない。また、ガンマー線はバイアルを透過して内部の
薬剤にも照射され、薬剤の有効成分等に対し悪影響を与
える可能性があるので、既存の医療品に対してこの方法
を用いれば、新薬開発時と同レベルの再申請を厚生省に
対して行ない、化学的に有効成分等に影響がないという
保証が必要となる。更に、バイアル中のイオン原子価を
転換させる等して、バイアルを着色若しくは変色させる
ため、透明バイアルには使用できない。製造設備面で
は、ガンマー線滅菌施設を前述した組立ラインにつなげ
ればインライン化は可能であるが、ガンマー線滅菌施設
は非常に高価であるから、医療用キットのコストアップ
を招く。
【0014】このように、EOGやガンマー線を用いて
薬剤バイアル及びその他の医療用キットを構成する各部
品を滅菌する方法では、開発コスト及び設備費用が嵩
み、延いては医療用キットのコストアップを招く。
【0015】放射線として電子線を用いる電子線滅菌の
場合、インライン化してもコストが比較的抑えられ、而
も、バイアルを透過して内部の薬剤に照射されることを
回避しつつ薬剤バイアルの外表面を滅菌し得る。照射方
向から影になっている部分や隙間内も、電子線の回り込
みや反射により、ある程度のものについては滅菌が可能
である。しかしながら、アルミニウムキャップとゴム栓
及びバイアル外周面との間隙については、十分な滅菌は
困難である。また、薬剤バイアルの外表面に付着した菌
を死滅させる吸収線量では、理論上、電子線が薬剤バイ
アル内に透過することはないが、電子線の照射により、
バイアル中のイオン原子価が転換してバイアルが変色又
は着色すること、及びゴム栓が劣化することが生じ得
る。
【0016】比較的コストが安価な高圧蒸気滅菌で薬剤
バイアル表面を滅菌する方法も考えられ、これによれ
ば、アルミニウムキャップとゴム栓及びバイアル外周面
との間隙の滅菌も可能であるが、薬剤バイアル内の薬剤
に対して高温処理による熱変質が十分起こり得、而も、
特に医療用キットに用いる薬剤は熱変質しやすいものが
多いので、この方法は採用し得ない。
【0017】その他、過酸化水素等による化学的殺菌方
法や紫外線照射による物理的殺菌方法も考えられるが、
過酸化水素等の薬剤による殺菌方法も、残留薬剤や毒性
の高い二次生成物が問題となる場合があり、紫外線照射
による殺菌方法も、薬剤バイアルに付随するアルミキャ
ップとゴム栓及びバイアル外周面との間隙に影ができて
殺菌効果が低下することがある。而も、これらの殺菌方
法はあくまで殺菌の範疇に含まれるので、たとえ一貫生
産ラインにおいてこれらの方法により殺菌された部品で
あっても、必ずしも無菌性を保証し得ない。
【0018】本発明は、従来技術に存した上記のような
問題点に鑑み行われたものであって、その目的とすると
ころは、薬剤バイアル内の薬剤に影響が及ぶことなく外
表面が電子線により効率良く而も確実に滅菌された薬剤
バイアル保持組立体、その薬剤バイアル保持組立体を確
実に而も効率良く製造し得る製造方法、及び、電子線を
利用して効率的に滅菌するのに好適な薬剤バイアルを提
供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の薬剤バイアル保
持組立体は、薬剤バイアルが保持体により保持されてな
る組立体であって、前記薬剤バイアルは、弾性材料から
なる栓体により口部が封止され、栓体の天面の少なくと
も一部に露出部を残して栓体の天面の少なくとも外周部
から薬剤バイアル外周面の括れ部に至る部分を覆うよう
にキャップ体により巻き締められることによってその栓
体の封止状態が維持され、且つ、キャップ体における前
記露出部の周縁部が、栓体の天面に気密的に圧着されて
なり、前記保持体は、前記露出部よりも外側において全
周にわたりキャップ体に気密的に圧着した第1環状密封
部と、キャップ体よりも底部側において薬剤バイアルの
外周面に全周にわたり気密的に圧着した第2環状密封部
と、少なくとも第1環状密封部から第2環状密封部に至
る薬剤バイアルの外部を全周にわたって覆った筒状部と
を有してなり、組立体の全ての外表面が電子線により滅
菌されており、キャップ体と薬剤バイアルの外周面及び
栓体との間隙、並びに第1環状密封部と第2環状密封部
の間に密封された部分は、電子線による滅菌が施されて
いない。
【0020】また本発明の別の薬剤バイアル保持組立体
は、薬剤バイアルが保持体により保持されてなる組立体
であって、前記薬剤バイアルは、弾性材料からなる栓体
により口部が封止され、且つ、栓体の天面の少なくとも
一部に非被覆部を残して栓体の天面の少なくとも外周部
から薬剤バイアル外周面の括れ部に至る部分を覆うよう
にキャップ体により巻き締められることによってその栓
体の封止状態が維持されてなり、前記保持体は、前記非
被覆部の少なくとも一部に露出部を残してその非被覆部
に気密的に圧着した第1環状密封部と、キャップ体より
も底部側において薬剤バイアルの外周面に全周にわたり
気密的に圧着した第2環状密封部と、少なくとも第1環
状密封部から第2環状密封部に至る薬剤バイアルの外部
を全周にわたって覆った筒状部とを有してなり、組立体
の全ての外表面が電子線により滅菌されており、キャッ
プ体と薬剤バイアルの外周面及び栓体との間隙、並びに
第1環状密封部と第2環状密封部の間に密封された部分
は、電子線による滅菌が施されていない。
【0021】また、本発明の医療用容器は、電子線によ
り滅菌された前記薬剤バイアル保持組立体と、密封され
た連結口部を有する溶解液容器と、薬剤バイアル保持組
立体の栓体の露出部と溶解液容器の連結口部の間を外部
に対し密封するための密封手段と、その密封手段により
密封された空間内で薬剤バイアル内部と溶解液容器内部
とを連通させるための連通手段とを備えてなる。
【0022】次に、本発明の薬剤バイアル保持組立体の
製造方法は、弾性材料からなる栓体により口部が封止さ
れ、栓体の天面の少なくとも一部に露出部を残して栓体
の天面の少なくとも外周部から薬剤バイアル外周面の括
れ部に至る部分を覆うようにキャップ体により巻き締め
られることによってその栓体の封止状態が維持され、且
つ、キャップ体における前記露出部の周縁部が、栓体の
天面に気密的に圧着された薬剤バイアルが保持体により
保持され、外表面が滅菌されてなる組立体の製造方法で
あって、前記保持体の第1環状密封部を、前記露出部よ
りも外側において全周にわたりキャップ体に気密的に圧
着させ、保持体の第2環状密封部をキャップ体よりも底
部側において薬剤バイアルの外周面に全周にわたり気密
的に圧着させ、且つ、保持体の筒状部により、少なくと
も第1環状密封部から第2環状密封部に至る薬剤バイア
ルの外部を全周にわたって覆うことによって、第1環状
密封部と第2環状密封部の間を密封した状態で保持体に
より薬剤バイアルを保持する工程と、薬剤バイアルが保
持体により保持されてなる組立体の全ての外表面を電子
線により滅菌する工程とを有し、キャップ体と薬剤バイ
アルの外周面及び栓体との間隙、並びに第1環状密封部
と第2環状密封部の間に密封された部分には、電子線に
よる滅菌を施さない。
【0023】また、本発明の別の薬剤バイアル保持組立
体の製造方法は、弾性材料からなる栓体により口部が封
止され、且つ、栓体の天面の少なくとも一部に非被覆部
を残して栓体の天面の少なくとも外周部から薬剤バイア
ル外周面の括れ部に至る部分を覆うようにキャップ体に
より巻き締められることによってその栓体の封止状態が
維持された薬剤バイアルが保持体により保持され、外表
面が滅菌されてなる組立体の製造方法であって、前記保
持体の第1環状密封部を、前記非被覆部の少なくとも一
部に露出部を残してその非被覆部に気密的に圧着させ、
保持体の第2環状密封部をキャップ体よりも底部側にお
いて薬剤バイアルの外周面に全周にわたり気密的に圧着
させ、且つ、保持体の筒状部により、少なくとも第1環
状密封部から第2環状密封部に至る薬剤バイアルの外部
を全周にわたって覆うことによって、第1環状密封部と
第2環状密封部の間を密封した状態で保持体により薬剤
バイアルを保持する工程と、薬剤バイアルが保持体によ
り保持されてなる組立体の全ての外表面を電子線により
滅菌する工程とを有し、キャップ体と薬剤バイアルの外
周面及び栓体との間隙、並びに第1環状密封部と第2環
状密封部の間に密封された部分には、電子線による滅菌
を施さない。
【0024】更に、本発明の薬剤バイアルは、口部が弾
性材料からなる栓体により封止された薬剤バイアルであ
って、その栓体の露出部の表面に、放射線耐性樹脂組成
物層が積層されたものである。
【0025】また、本発明の別の薬剤バイアルは、外表
面に放射線耐性樹脂組成物層が積層されたものである。
【0026】本明細書において滅菌とは、滅菌保証レベ
ルが6D値(10−6)の殺菌率が保証できることをい
う。D値(Decimal reduction va
lue)とは、滅菌前に存在した微生物の数を滅菌終了
後に1/10に減少させる値、換言すれば、微生物を9
0%殺すのに要する滅菌処理単位(吸収線量)である。
【0027】電子線は放射線の1種であるから、殺菌効
果を見るための指標菌として、放射線に対して最も強い
抵抗性を示す常在菌であるBacillus pumi
lus(spores) が用いられる。この指標菌の
D値は1.7kGyである。例えば、滅菌処理前の1個
当たりの製品に付着している生菌数が10 個とする
と、これを滅菌するには1.7kGy×(2+6)=1
3.6kGyの吸収線量が必要である。
【0028】但し、これはあくまで表面に付着している
指標菌に対して6D値が保証される吸収線量である。例
えば、通常の薬剤バイアルの場合、アルミニウムキャッ
プとゴム栓及びバイアル外周面との僅かな間隙の奥に付
着している微生物については、表面に付着している指標
菌に対して6D値が保証できる吸収線量を薬剤バイアル
の上下方向から照射しても減菌できないことが分かっ
た。アルミキャップに覆われた部分を含むゴム栓天面部
に対して6D値を保証するための吸収線量は、加速電圧
値250kVにおいて300kGyであり、通常の薬剤
バイアルに用いられるゴム栓では、溶融する。
【0029】本発明の薬剤バイアルが保持体により保持
されてなる組立体においても、電子線が直接照射されな
い個所や隙間が生ずる、そのような個所の表面に付着し
ている指標菌に対しても6D値が保証できるようにする
には、加速電圧値を比較的高くして吸収線量を比較的多
くする必要がある。本発明における滅菌対象物に対する
吸収線量及びその加速電圧の好ましい範囲は、それぞれ
50kGy乃至500kGy、及び、150kV乃至5
MVである。電子線を薬剤バイアル内に透過させること
を十分に回避しつつ薬剤バイアル及び薬剤バイアル保持
組立体の外表面の滅菌を行うことができるからである。
より好ましい範囲は、吸収線量が250kGy乃至40
0kGy、加速電圧は、X線遮蔽を装置自体で行える範
囲として、150kV乃至500kVである。
【0030】ゴム等の弾性材料からなる栓体により封止
された薬剤バイアルの表面に電子線を照射すると、その
栓体の天面の穿刺部(キャップ体及び第1環状弾性部に
より覆われていない露出部であって、内部の薬剤を導出
するために中空針を穿刺すべき部分。)に、電子線によ
る劣化が生じ得る。穿刺部の劣化状態は、吸収線量と加
速電圧値により異なるが、劣化が激しい場合には栓体天
面の穿刺部が溶融することも起こる。そのため、栓体の
天面に放射線耐性樹脂組成物が積層されたものや、特開
昭62−176455号公報に記載された耐放射線性医
療用ゴム部品のように、栓体自体が放射線耐性の弾性材
料により形成されたものを用いることが望まれる。
【0031】本発明における栓体を形成するのに用い得
る弾性材料の例としては、天然ゴム、イソプレンゴム、
ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソブチ
レン・イソプレン共重合体、ハロゲン化ゴム、熱可塑性
エラストマー等の、架橋したゴム状弾性材料を挙げるこ
とができる。
【0032】架橋したゴム状弾性材料製の栓体の表面に
放射線耐性樹脂組成物を積層して本発明における栓体を
形成するには、放射線耐性を有するポリエチレン樹脂又
はポリプロピレン樹脂のできる限り薄いフイルムを積層
すること、或はポリスチレンゴムを積層することが好ま
しい。樹脂フィルムを積層する場合、厚すぎると、バイ
アル内部の薬剤を導出するための中空針が合成樹脂製で
ある場合、栓体に穿刺することが困難となることがあ
る。また、放射線耐性が低い樹脂の薄いフィルムを積層
すると、電子線照射によりその薄層が架橋あるいは劣化
するおそれがある。架橋されたものは樹脂強度が増大す
るため、中空針が合成樹脂製である場合、栓体に穿刺す
ることが困難となるおそれがある。また、劣化が進行し
た場合、中空針を栓体に穿刺した際にその薄層が剥離
し、薬剤バイアル内に異物として混入する危険性があ
る。
【0033】架橋したゴム状弾性体の表面に樹脂フィル
ムを積層するには、例えば次に列挙するような公知技術
を利用することができる。すなわち、加硫ゴムにポリプ
ロピレンのフイルムを積層する技術(実公昭44−57
51号公報、同44−27753号公報)、特性の優れ
たフッ素樹脂を全面に被覆してなる栓(実公昭45−1
7831号公報)、薬液面を三フッ化エチレン樹脂で包
んでなるゴム栓(実公昭49−21246号公報)、ゴ
ム栓表面特に薬液面をフッ素樹脂フイルムにて積層する
ゴム栓の製造法(特公昭52−1355号公報、同54
−9119号公報、同57−53184号公報、特開昭
61−272134号公報、特開平2−23961号公
報)、イソブチレン・イソプレン共重合体にフッ素ゴム
を積層してなるゴム栓(特公昭63−4310号公報、
実開昭55−47850号公報)、超高分子ポリエチレ
ンシートで表面を包んだゴム栓(特開平3−14344
6号公報、同3−270928号公報、同3−9632
8号公報)等である。
【0034】薬剤バイアルというのは、バイアル内に薬
剤を収容したものを言う。
【0035】薬剤バイアルの外表面に放射線耐性を有す
るポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等による放
射線耐性樹脂組成物層を積層するには、例えば、ガラス
瓶外表面に高分子物液状体を被着させる方法(特開昭5
3−49586号公報)、ガラス瓶の表面をガラスを侵
食するフッ化物の水溶液で処理した後、プラスチックコ
ーティングする方法(特開昭54−54124号公
報)、及び粉体静電塗装によるガラス瓶プラスチックコ
ーティング時における口部保護方法(特開昭54−11
3639号公報)等の公知技術を利用することができ
る。
【0036】
【作用】請求項1及び請求項2の発明において、キャッ
プ体と薬剤バイアルの外周面及び栓体との間隙について
は、電子線による滅菌が困難である。
【0037】ところが請求項1の発明においては、キャ
ップ体における露出部の周縁部が栓体の天面に気密的に
圧着し、保持体の第1環状密封部が露出部よりも外側に
おいて全周にわたりキャップ体に気密的に圧着し、保持
体の第2環状密封部がキャップ体よりも底部側において
薬剤バイアルの外周面に全周にわたり気密的に圧着し、
保持体の筒状部が少なくとも第1環状密封部から第2環
状密封部に至る薬剤バイアルの外部を全周にわたって覆
っているため、前記間隙は、外部及び薬剤バイアル内部
に対し密封された状態となっている。従って、組立体の
全ての外表面を電子線により滅菌する場合、その間隙及
び第1環状密封部と第2環状密封部の間に密封された部
分には、滅菌を施す必要がない。
【0038】また、請求項2の発明においては、保持体
の第1環状密封部が栓体における非被覆部の少なくとも
一部に露出部を残してその非被覆部に気密的に圧着し、
保持体の第2環状密封部がキャップ体よりも底部側にお
いて薬剤バイアルの外周面に全周にわたり気密的に圧着
し、保持体の筒状部が少なくとも第1環状密封部から第
2環状密封部に至る薬剤バイアルの外部を全周にわたっ
て覆っているため、前記間隙は、外部及び薬剤バイアル
内部に対し密封された状態となっている。従って、組立
体の全ての外表面を電子線により滅菌する場合、その間
隙及び第1環状密封部と第2環状密封部の間に密封され
た部分には、滅菌を施す必要がない。
【0039】請求項3の発明においては、医療用容器を
滅菌された状態で製造するに際し、少なくとも薬剤バイ
アル保持組立体の全ての外表面については、薬剤バイア
ルが保持体により保持された組立体を電子線により容易
に滅菌することができる。滅菌された医療用容器におけ
る密封手段で密封された空間内で連通手段により薬剤バ
イアル内部と溶解液容器内部とを連通させれば、無菌状
態を維持しつつ薬剤バイアル内の薬剤を溶解液容器内の
溶解液と混合することができる。
【0040】請求項4の発明において、キャップ体と薬
剤バイアルの外周面及び栓体との間隙については、電子
線による滅菌が困難である。
【0041】ところが、キャップ体における露出部の周
縁部が栓体の天面に気密的に圧着しており、而も、保持
体の第1環状密封部を、前記露出部よりも外側において
全周にわたりキャップ体に気密的に圧着させ、保持体の
第2環状密封部をキャップ体よりも底部側において薬剤
バイアルの外周面に全周にわたり気密的に圧着させ、且
つ、保持体の筒状部により、少なくとも第1環状密封部
から第2環状密封部に至る薬剤バイアルの外部を全周に
わたって覆うことによって、第1環状密封部と第2環状
密封部の間を密封した状態で保持体により薬剤バイアル
を保持することにより、前記間隙は、外部及び薬剤バイ
アル内部に対し密封された状態となる。
【0042】そのため、その間隙及び第1環状密封部と
第2環状密封部の間に密封された部分には、滅菌を施す
必要がない。従って、組立体の全ての外表面を電子線に
より滅菌することにより、十分な滅菌を達成し得る。
【0043】請求項5の発明において、キャップ体と薬
剤バイアルの外周面及び栓体との間隙については、電子
線による滅菌が困難である。
【0044】ところが、保持体の第1環状密封部を、栓
体の非被覆部の少なくとも一部に露出部を残してその非
被覆部に気密的に圧着させ、保持体の第2環状密封部を
キャップ体よりも底部側において薬剤バイアルの外周面
に全周にわたり気密的に圧着させ、且つ、保持体の筒状
部により、少なくとも第1環状密封部から第2環状密封
部に至る薬剤バイアルの外部を全周にわたって覆うこと
によって、第1環状密封部と第2環状密封部の間を密封
した状態で保持体により薬剤バイアルを保持することに
より、前記間隙は、外部及び薬剤バイアル内部に対し密
封された状態となる。
【0045】そのため、その間隙及び第1環状密封部と
第2環状密封部の間に密封された部分には、滅菌を施す
必要がない。従って、組立体の全ての外表面を電子線に
より滅菌することにより、十分な滅菌を達成し得る。
【0046】請求項6の発明においては、薬剤バイアル
の口部を封止した弾性材料からなる栓体の露出部の表面
に放射線耐性樹脂組成物層が積層されているので、栓体
により封止された薬剤バイアルに電子線を照射した場合
に、放射線耐性樹脂組成物層によって、栓体が劣化する
ことが防止されると共に、放射線耐性樹脂組成物層自体
が劣化したり架橋により強度が増大しすぎることが防止
される。
【0047】請求項7の発明においては、外表面に放射
線耐性樹脂組成物層が積層されているので、口部を栓体
で封止した薬剤バイアルの外表面に電子線を照射して
も、放射線耐性樹脂組成物層によって、薬剤バイアルが
変色又は着色することが防止される。
【0048】
【実施例】本発明の実施例を、図面を参照しつつ説明す
る。
【0049】図1及び図2は本発明の一実施例としての
薬剤バイアル保持組立体についてのものであって、その
うち図1は一部破砕組立図、図2は、電子線照射状態を
示す薬剤バイアル保持組立体の一部破砕正面図である。
【0050】薬剤バイアル10は、薬剤(粉末製剤、凍
結乾燥剤等の固体製剤、及びその他の製剤)を収容した
ガラス製のバイアルである。バイアル10は、その外周
部が、口部の外周部から、括れ部10a、肩部、及び胴
部を経て底部に続き、図1における上下方向の軸線を中
心としてほぼ回転対称形状をなす。バイアル10の外表
面には、放射線耐性を有するポリプロピレン樹脂からな
る薄層が積層されている。
【0051】バイアル10の口部は弾性材料(例えばイ
ソプレンゴム)からなる栓体12により口部が封止され
ている。栓体12は、口部に嵌入する嵌入部12aと、
嵌入部12aよりも径方向外方に張り出した円板状部1
2bからなる。栓体12の天面には、放射線耐性を有す
るポリプロピレン樹脂からなる薄層12cが積層されて
いる。
【0052】アルミニウム製のキャップ体14は、栓体
12の天面の中央部を露出部12dとして残し、栓体1
2の天面の外周部から円板状部12bの側周面を経て薬
剤バイアル10外周面の括れ部10aに至る部分を覆う
ように巻き締められ、それによって栓体12の封止状態
が維持されている。栓体12の露出部12dを露出させ
るためのキャップ体14の開口部14aの周縁部は、全
周にわたり栓体12側に折曲され、栓体12の天面に対
し、食い込んだ状態で気密的に圧着されている。
【0053】保持体16は、筒状部18と、キャップ体
14の天面にほぼ一致する環状をなす弾性環状板20
(第1環状密封部)と、内側環状パッキン22(第2環
状密封部)と、2つの外側環状パッキン24・26と、
フランジ部28と、一対の鍔部30からなる。筒状部1
8、フランジ部28、及び鍔部30の材料は、硬質のプ
ラスチックやゴム等が好ましい。弾性環状板20、内側
環状パッキン22、及び外側環状パッキン24・26の
材料は、シリコンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴ
ム等のゴム状弾性材料が好ましい。
【0054】筒状部18は、図1及び図2における下端
に、キャップ体14の開口部14aにほぼ一致する開口
部を有する環状底部18aを有し、その上側に、キャッ
プ体14の外周部に外嵌して薬剤バイアル10の首部を
保持する小径部18bを有し、その上方に、拡径部18
cを挟んで大径部18dを有する。
【0055】図1及び図2における環状底部18aの上
面には、弾性環状板20がその環状底部18aと同軸状
に接着されている。小径部18bの上部外周にフランジ
部28が設けられており、フランジ部28には、軸線方
向(図1及び図2における上下方向)の4つの通気孔2
8aが設けられている。また、フランジ部28の外周部
には、外側環状パッキン24が装着されている。大径部
18dの下部内周部には内側環状パッキン22が装着さ
れ、それと同心状に、大径部18dの外周部に外側環状
パッキン26が装着されている。また大径部18dの上
部に、上方開口の一対の切欠部18d1が設けられ、そ
れによる一対の残部18d2の外周面には軸線方向の突
条18d3を有し、残部18d2の上端部には鍔部30
を有する。
【0056】保持体16の大径部18d側から、口部側
を先頭にして薬剤バイアル10を筒状部18内に十分に
挿入すると、図2に示されるように、キャップ体14の
天面が弾性環状板20の上側にほぼぴったりと気密的に
圧着し、キャップ体14の外周部が小径部18bの内側
に保持されると共に、バイアル10の胴部の外周面が内
側環状パッキン22に全周にわたり気密的に圧着した状
態で保持され、薬剤バイアル保持組立体32が完成す
る。
【0057】薬剤バイアル保持組立体32の外表面の滅
菌は、図2に示されるように、電子線加速装置34によ
り、薬剤バイアル保持組立体32の軸線方向両側から同
時に、或は片側毎に順に、薬剤バイアル保持組立体32
に対しほぼ軸線方向に満遍なく電子線を照射することに
より行い得る。
【0058】キャップ体14と薬剤バイアル10の外周
面及び栓体12との間隙については、電子線による滅菌
は困難である。ところが、キャップ体14の開口部の周
縁部は、全周にわたり栓体12の天面に対し気密的に圧
着し、保持体16の内側環状パッキン22が薬剤バイア
ル10の胴部の外周面に全周にわたり気密的に圧着し、
保持体16の筒状部18が弾性環状板20から内側パッ
キンに至る薬剤バイアル10の外部を全周にわたって覆
っている。このように、キャップ体14と薬剤バイアル
10の外周面及び栓体12との間隙は、外部及び薬剤バ
イアル10内部に対し密封された状態となっているの
で、その間隙には、滅菌を施す必要がない。更に、その
間隙を含めて、弾性環状板20と内側環状パッキン22
の間に密封された部分には、滅菌を施す必要がない。そ
のため、バイアル10、栓体12、キャップ体14及び
保持体16を透過し得ず、薬剤バイアル10、栓体1
2、キャップ体14及び保持体16の各材料や薬剤バイ
アル10内の薬剤の劣化や変質が生じない程度の電子線
を、図2のように照射することにより、薬剤バイアル保
持組立体32の全ての外表面を確実に滅菌することがで
きる。バイアル10の外表面及び弾性栓体12の天面に
放射線耐性ポリプロピレン樹脂薄層が積層されているの
で、電子線によって栓体12が劣化したり、バイアル1
0が変色又は着色することが防がれる。フランジ部28
や外側環状パッキン24・26によって影になる部分の
外表面も、薬剤バイアル保持組立体32の軸線方向両方
から電子線を照射することにより、電子線が回り込んで
滅菌される。このようにして、全ての外表面が電子線に
より滅菌され、キャップ体14と薬剤バイアル10の外
周面及び栓体12との間隙、並びに弾性環状板20と内
側環状パッキン22の間に密封された部分は、電子線に
よる滅菌が施されていない薬剤バイアル保持組立体32
を得ることができる。薬剤バイアル10を保持体16に
より保持した後、電子線により滅菌し得るので、滅菌を
別々に行って無菌的に組み立てるのに比し、効率が良
い。
【0059】図3は、本発明の薬剤バイアル保持組立体
の別の実施例についての、電子線照射状態を示す一部破
砕正面図である。
【0060】この実施例では、図1及び図2の実施例に
おける弾性環状板20に代えて、キャップ体14の天面
にほぼ一致する環状底部36aを有する有底円筒状弾性
体36が用いられている。すなわち、筒状部18の環状
底部18aの上面に、有底円筒状弾性体36の環状底部
36aが筒状部18の環状底部18aと同軸状に接着さ
れており、有底円筒状弾性体36の周壁36bの外周面
が、保持体16の小径部18bの内周面に接着されてい
る。薬剤バイアル10のキャップ体14の天面は、有底
円筒状弾性体36の環状底部18aの上側にほぼぴった
りと気密的に圧着し、キャップ体14の外周部は、有底
円筒状弾性体36の周壁36bの内側に圧着保持される
ので、キャップ体14の外周部の保持がより強いものと
なる。そのため、有底円筒状弾性体36と内側環状パッ
キン22の間にキャップ体14と薬剤バイアル10の外
周面及び栓体12との間隙を密封した状態での、保持体
16による薬剤バイアル10の保持が、一層確実にな
る。この有底円筒状弾性体36の材料としては、弾性環
状板20のものと同様のものを好適に用いることができ
る。
【0061】この実施例は、以上を除き、図1及び図2
の実施例と実質的に同一である。共通部分については同
一番号を付して説明を省略する。
【0062】図4は、本発明の薬剤バイアル保持組立体
の更に別の実施例についての、電子線照射状態を示す一
部破砕正面図である。
【0063】この実施例では、キャップ体38は、栓体
12の天面の中央部を非被覆部として残すための開口部
38aを有しており、その開口部38aの周縁部は、栓
体12の天面上に当接しているが、特に気密的には圧着
されていない。
【0064】筒状部18の環状底部18aの開口部は、
キャップ体38の開口部38aよりも一回り小さく形成
されている。その環状底部18aの上面に、内周縁同士
がほぼ一致するように弾性環状板40が接着されてい
る。この弾性環状板40の内周部は、栓体12に向けて
立ち上げられ、キャップ体38の開口部よりも内方にお
いて栓体12の天面に全周にわたり気密的に圧着されて
いる。このようにして、キャップ体38の開口部38a
が栓体12に気密的に圧着されていなくても、キャップ
体38と薬剤バイアル10の外周面及び栓体12との間
隙が、弾性環状板40と内側環状パッキン22の間に密
封される。
【0065】この実施例は、以上を除き、図1及び図2
の実施例と実質的に同一である。共通部分については同
一番号を付して説明を省略する。
【0066】図5乃至図8は、本発明の医療用容器の一
実施例についてのものであって、図5は要部分解斜視
図、図6は連通操作前の状態を示す一部破砕要部正面
図、図7は、連通操作中の状態を示す一部破砕要部正面
図、図8は、連通操作完了後の状態を示す一部破砕要部
正面図である。
【0067】この医療用容器は、全ての外表面が電子線
により滅菌された薬剤バイアル保持組立体32(上記図
1及び図2に示されたもの)と、ケース42と、両頭針
44と、溶解液容器46からなる。
【0068】有底円筒状をなすケース42の上端にはフ
ランジ部を有し、外壁上部には吊り具44が回動可能に
連結されている。ケース42の内周壁における上部、中
間部及び下部に、それぞれ全周にわたり、径方向内方開
口の上環状溝42a、中環状溝42b、及び下環状溝4
2cが設けられており、中環状溝42bにおける相対す
る2個所に、ケース42の内外を連通する小排気孔47
が設けられている。ケース42の底部下側には、下方開
口の環状嵌合溝48aを備えた連結管部48を有し、そ
の連結管部48を介してケース42内外が連結されてい
る。連結管部48にはゴム栓50が嵌着されている。ゴ
ム栓50は、周縁部が上向きに立ち上げられた天板部5
0aと、天板部50aに上向きに設けられた円筒部50
bからなり、円筒部50bは連結管部48に内嵌し、周
縁部は環状嵌合溝48aの内周部に嵌合している。な
お、ケース42の材料としては、硬質のプラスチックや
ゴム等が好ましい。
【0069】溶解液容器46は、熱可塑性のポリオレフ
ィン系樹脂、軟質の塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等により形成された可撓性の容器である。
この溶解液容器46は、図における上部に、薄膜部52
aにより封止され、環状嵌合壁52bにより囲繞されて
なる連結口部52を有する。溶解液容器46の下部に
は、ゴム栓で密封された薬液取り出し口部を有し(図示
を略す。)、内部には溶解液が充填されている。環状嵌
合壁52bは、その上部外周部に有する環状突部52b
1がケース42の環状嵌合溝48aの上部外周部に有す
る径方向内方開口の環状溝部48a1と嵌合した状態
で、環状嵌合溝48aに気密的に嵌合し、それによって
ケース42と溶解液容器46が連結されている。
【0070】両頭針44(連通手段)は、両端に尖端を
有する中空の本体の中間部に、薬剤バイアル10の口部
を封止する栓体12を刺通する際にその刺通深さを一定
に保つためのハブ44aを有する。このハブ44aから
径方向外方に向けて数本の折曲可能な腕部44bが設け
られている。その腕部44bの外端部がケース42の下
環状溝42cに嵌合することにより、両頭針44は、ケ
ース42内の下部にケース42と同軸状に保持されてい
る。両頭針44のうち、ハブ44aと下端部との間の部
分は拡径されて液漏れ防止部44cに形成され、ゴム栓
50の円筒部50b内に、摺動可能なように内嵌されて
いる。なお、両頭針44の材料は、ステンレススチール
や硬質プラスチック等が好ましい。
【0071】薬剤バイアル保持組立体32は、環状底部
18aを先頭にケース42内に嵌挿され、両外側環状パ
ッキン24・26がそれぞれ中環状溝42b及び上環状
溝42aに嵌合してケース42内壁との間を密封してい
る。このような密封手段によって、保持体16とケース
42の間及び小排気孔47が閉塞され、ケース42の連
結管部48に連結された溶解液容器46の連結口部52
と、薬剤バイアル保持組立体32の栓体12の露出部1
2dとの間が外部に対し密封されて気密空間が形成され
ると共に、ケース42に対し薬剤バイアル保持組立体3
2が位置決めされている。薬剤バイアル保持組立体32
をケース42内に嵌挿する際の両者間の余分な空気等の
気体は、外側環状パッキン24により閉塞される前の小
排気孔47を通じて外部へ排出される。両頭針44は、
その気密空間内に保持される。
【0072】このようにして、図6に示される状態の医
療用容器が完成する。ケース42、両頭針44、ゴム栓
50及び溶解液容器46の外表面を電子線等により滅菌
した後、滅菌された薬剤バイアル保持組立体32も合わ
せて、それらを無菌的に組み立てれば、図6に示される
状態で、前記気密空間内の無菌性が維持され、輸送及び
保管等が行われる。ケース42内の所定位置に両頭針4
4を保持した状態で電子線を軸線方向の両方向から照射
することにより、両頭針44の内部を含む全ての表面を
滅菌することが可能であり、滅菌を別々に行って両者を
無菌的に組み立てるのに比し、効率が良い。なお、電子
線滅菌を施す場合は、ケース42や両頭針44等を、放
射線耐性を有する材料により形成するか、或はその表面
に放射線耐性を有する材料を積層することが望ましい。
【0073】薬剤バイアル10と溶解液容器46の内部
同士を連通させるためには、薬剤バイアル10の底部を
下方へ押圧する。それによって、図7に示されるよう
に、両外側環状パッキン24・26は、それぞれ上環状
溝42a及び中環状溝42bから外れ、ケース42内壁
との間の気密性をその両外側環状パッキン24・26に
より維持しつつ薬剤バイアル保持組立体32全体が溶解
液容器46に向け下降する。それにつれて、ケース42
内下部の余分な空気等の気体は、保持体16のフランジ
部28に設けられた通気孔28a及びケース42の小排
気孔47を経てケース42の外部へ排出される。従っ
て、余分な空気等の気体により薬剤バイアル保持組立体
32の下降が妨げられずに円滑に連通が行われる。その
ため、余分な空気等の気体は前記のような通気孔28a
及び小排気孔47を通じて一方的に排出されるので、ケ
ース42内下部の空間が外気等により汚染されることは
ない。
【0074】また、両頭針44の上部が薬剤バイアル1
0の栓体12の露出部12dを穿刺しつつ栓体12によ
り両頭針44が下向きに押され、腕部44bが折曲して
その外端部がケース42の下環状溝42cから外れ、液
漏れ防止部44cがゴム栓50の円筒部50b内を摺動
して両頭針44の下部がゴム栓50の天板部50a及び
薄膜部52aを穿刺する。
【0075】薬剤バイアル保持組立体32をケース42
内で完全に押し下げると、図8に示されるように、両頭
針44の上下部がそれぞれ完全に薬剤バイアル10及び
溶解液容器46内に刺通され、両者の内部同士が両頭針
44により連通される。また、下環状溝42c及び中環
状溝42bにそれぞれ両外側環状パッキン24・26が
嵌合し、小排気孔47は閉塞されるので、ケース42の
下部が再び密閉されると共に、薬剤バイアル保持組立体
32は、ケース42内のその位置で保持される。その
際、保持体16の突条18d3がケース42の内壁面に
よって内方に押され、一対の残部18d2が薬剤バイア
ル10を内向きに保持する。
【0076】薬剤バイアル10と溶解液容器46の内部
同士を連通させた後は、これらを水平にするか薬剤バイ
アル10よりも溶解液容器46を持ち上げて、溶解液容
器46の壁面を押圧し、溶解液を薬剤バイアル10内に
移行させて薬剤を溶解させる。薬剤を完全に溶解させた
後、溶液を溶解液容器46に戻し、吊り具44を輸液ス
タンドのフックに吊して溶解液容器46の薬液取り出し
口部54に輸液セットを取り付け、患者に点滴静注す
る。勿論、これ以外の使用方法を実施することもでき
る。
【0077】本実施例の医療用容器を使用した後は、鍔
部30によって薬剤バイアル保持組立体32をケース4
2から取り出すことができる。取り出した薬剤バイアル
保持組立体32からも、切欠部18d1から露出してい
る薬剤バイアル10の胴部を把持して薬剤バイアル10
を保持体16から取り出すことができる。
【0078】[電子線滅菌確認試験] 1.培養容器(図9)の作成 ポリプロピレン製の円筒体80の一方の開口部を約20
μm厚のナイロン樹脂フィルム82(電子線透過性が高
い)により密封して培養容器を作成した。円筒体80の
一端に対するナイロン樹脂フィルム82の接着は、塩化
ビニル系接着剤を用いて行った。
【0079】滅菌試験の対象物のうち、aは、アルミニ
ウム製キャップ体の開口部の周縁部が、栓体の天面上に
当接しているが、特に気密的には圧着されていないバイ
アル、bは、アルミニウム製キャップ体の開口部の周縁
部が、全周にわたり栓体側に折曲され、栓体の天面に対
し、食い込んだ状態で気密的に圧着されたバイアル、c
は、保持体、dは、バイアルを保持体により保持してな
るバイアル保持組立体、eは、ケース内の所定位置に両
頭針を保持してなるもの、fは、ゴム栓、gは、溶解液
容器46の連結口部52側の切断物である。
【0080】各対象物と、円筒体80と、円筒体80の
他端を密封するための約20μm厚のナイロン樹脂フィ
ルム84と、後記封止テープに対し、25kGyのγ線
を照射してそれらを滅菌し、初発菌数を0個とした。 2.菌液(原液)の調製 Bacillus pumilus をSCD寒天
培地にて大量培養(7日間)し、芽胞体(spore
s)を形成させた。
【0081】 大量培養した菌体の一定量を、減菌し
た蒸留水に混濁させ、それを65℃で30分間加温し、
遠心分離後、上澄液を捨てた。
【0082】 の操作を3回繰り返した後、滅菌蒸
留水を加えて65℃で30分間加温後、この液の菌数を
確認し(SCD培地:3日間)、これを菌原液とした。 3.サンプル調製(菌体付着) 菌原液を滅菌蒸留水で希釈し、1000個/50μ
lの菌濃度の菌液を調製した。
【0083】 クリーンベンチ内において、各対象物
にの菌液を50μl(付着菌数:約1000)塗布し
た。
【0084】 塗布した菌液を乾燥させた後、各対象
物を、その軸線方向が円筒体80の軸線方向と平行にな
るように各培養容器内に収容し、培養容器の他方の開口
部を塩化ビニル系接着剤を用いて前記ナイロン樹脂フィ
ルム84により密封することによりサンプルを調製し
た。 4.電子線照射 電子線加速装置86を用いて、サンプルに対し、その軸
線方向上方及び下方から順に、表1に示される加速電圧
値にて、同表に示される吸収線量を与える電子線を照射
した(図9)。 5.無菌試験 培養容器の外表面を殺菌剤で殺菌した後、無菌室
(クラス1000)に入れ、無菌室内のクリーンベンチ
内で、輸液用連結管を用いて培養容器内に液体培地(チ
オグリコール酸培地)を無菌充填し、充填後、上記の滅
菌済封紙テープにて充填用の孔を塞いだ。
【0085】 これをインキュベータにより30℃で
3日間培養し、白濁したならば(+)、培地の色が充填
した時のままならば(−)と判定した。表1には、同一
条件で3回繰り返して全て(−)の場合にのみ(−)と
記載し、それ以外は(+)と記載した。
【0086】
【表1】
【0087】
【発明の効果】請求項1及び請求項2の薬剤バイアル保
持組立体では、電子線滅菌を行うのが困難なキャップ体
と薬剤バイアルの外周面及び栓体との間隙、並びに第1
環状密封部と第2環状密封部の間に密封された部分に
は、滅菌を施す必要がない。そのため、組立体の全ての
外表面を、薬剤バイアル、栓体、キャップ体及び保持体
の各材料や薬剤の劣化や変質が生じない程度の電子線に
より確実に滅菌することができる。また、薬剤バイアル
を保持体により保持した組立体についての電子線による
滅菌を容易に行うことができるものであるから、薬剤バ
イアル及び保持体をそれぞれ単独で滅菌する場合に比
し、滅菌処理を一度に行い得るのみならず、滅菌後のク
リーンルーム内での両者の組立工程が省かれ、全体とし
て極めて効率的に而も確実に滅菌を施して製造すること
ができる。
【0088】請求項3の医療用容器では、少なくとも薬
剤バイアル保持組立体の全ての外表面については、保持
体により薬剤バイアルを保持して組立体とした後、各材
料や薬剤の劣化や変質が生じない程度の電子線により確
実に滅菌することができる。従って、滅菌された状態の
医療用容器の製造を効率化することができる。
【0089】請求項4及び請求項5の薬剤バイアル保持
組立体の製造方法によれば、保持体により薬剤バイアル
を保持することにより、キャップ体と薬剤バイアルの外
周面及び栓体との間隙を外部及び薬剤バイアル内部に対
し密封するので、その間隙及び第1環状密封部と第2環
状密封部の間に密封された部分には、滅菌を施す必要が
ない。従って、保持体により薬剤バイアルを保持して組
立体とした後、その全ての外表面を各材料や薬剤の劣化
や変質が生じない程度の電子線により滅菌することによ
り、十分に滅菌された薬剤バイアル保持組立体を確実に
而も効率良く製造し得る。
【0090】請求項6の薬剤バイアルでは、口部が栓体
により封止された薬剤バイアルの外表面に電子線を照射
しても、放射線耐性樹脂組成物層によって、栓体が劣化
することが防止される。また、放射線耐性樹脂組成物層
自体も、劣化してその層が剥離したり、架橋して強度が
増大しすぎることが防がれるので、薬剤導出用の中空針
を栓体に穿刺した際に剥離物が薬剤バイアル内に異物と
して混入する危険性や、中空針の穿刺が困難になるおそ
れが回避される。それゆえ、口部が栓体により封止され
た薬剤バイアルの外表面を、電子線を利用して効率的に
滅菌するのに好適である。栓体の天面の少なくとも一部
に露出部を残してキャップ体により巻き締められたもの
や、薬剤バイアルが保持体により保持されたもの等にお
いても同様である。
【0091】請求項7の薬剤バイアルでは、薬剤バイア
ルの外表面に電子線を照射した場合に、放射線耐性樹脂
組成物層によって、薬剤バイアルが変色又は着色するこ
とが防止されるので、口部が栓体により封止された薬剤
バイアルの外表面を、電子線を利用して効率的に滅菌す
るのに好適である。キャップ体により巻き締められたも
のや、薬剤バイアルが保持体により保持されたもの等に
おいても同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬剤バイアル保持組立体の一部破砕組立図であ
る。
【図2】電子線照射状態を示す薬剤バイアル保持組立体
の一部破砕正面図である。
【図3】別の実施例についての、電子線照射状態を示す
一部破砕正面図である。
【図4】更に別の実施例についての、電子線照射状態を
示す一部破砕正面図である。
【図5】医療用容器の要部分解斜視図である。
【図6】医療用容器の連通操作前の状態を示す一部破砕
要部正面図である。
【図7】医療用容器の連通操作中の状態を示す一部破砕
要部正面図である。
【図8】医療用容器の連通操作完了後の状態を示す一部
破砕要部正面図である。
【図9】電子線滅菌確認試験についての説明図である。
【符合の説明】
10 バイアル 12 弾性栓体 14 キャップ体 16 保持体 18 筒状部 18a 環状底部 18b 小径部 18d 大径部 20 弾性環状板 22 内側環状パッキン 42 ケース 44 両頭針 46 溶解液容器 48 連結管部 50 ゴム部 52 連結口部
フロントページの続き (72)発明者 武井 太郎 埼玉県行田市壱里山町1丁目1番地 岩崎 電気株式会社埼玉製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬剤バイアルが保持体により保持されてな
    る組立体であって、前記薬剤バイアルは、弾性材料から
    なる栓体により口部が封止され、栓体の天面の少なくと
    も一部に露出部を残して栓体の天面の少なくとも外周部
    から薬剤バイアル外周面の括れ部に至る部分を覆うよう
    にキャップ体により巻き締められることによってその栓
    体の封止状態が維持され、且つ、キャップ体における前
    記露出部の周縁部が、栓体の天面に気密的に圧着されて
    なり、前記保持体は、前記露出部よりも外側において全
    周にわたりキャップ体に気密的に圧着した第1環状密封
    部と、キャップ体よりも底部側において薬剤バイアルの
    外周面に全周にわたり気密的に圧着した第2環状密封部
    と、少なくとも第1環状密封部から第2環状密封部に至
    る薬剤バイアルの外部を全周にわたって覆った筒状部と
    を有してなり、組立体の全ての外表面が電子線により滅
    菌されており、キャップ体と薬剤バイアルの外周面及び
    栓体との間隙、並びに第1環状密封部と第2環状密封部
    の間に密封された部分は、電子線による滅菌が施されて
    いない薬剤バイアル保持組立体。
  2. 【請求項2】薬剤バイアルが保持体により保持されてな
    る組立体であって、前記薬剤バイアルは、弾性材料から
    なる栓体により口部が封止され、且つ、栓体の天面の少
    なくとも一部に非被覆部を残して栓体の天面の少なくと
    も外周部から薬剤バイアル外周面の括れ部に至る部分を
    覆うようにキャップ体により巻き締められることによっ
    てその栓体の封止状態が維持されてなり、前記保持体
    は、前記非被覆部の少なくとも一部に露出部を残してそ
    の非被覆部に気密的に圧着した第1環状密封部と、キャ
    ップ体よりも底部側において薬剤バイアルの外周面に全
    周にわたり気密的に圧着した第2環状密封部と、少なく
    とも第1環状密封部から第2環状密封部に至る薬剤バイ
    アルの外部を全周にわたって覆った筒状部とを有してな
    り、組立体の全ての外表面が電子線により滅菌されてお
    り、キャップ体と薬剤バイアルの外周面及び栓体との間
    隙、並びに第1環状密封部と第2環状密封部の間に密封
    された部分は、電子線による滅菌が施されていない薬剤
    バイアル保持組立体。
  3. 【請求項3】請求項2記載の薬剤バイアル保持組立体
    と、密封された連結口部を有する溶解液容器と、薬剤バ
    イアル保持組立体の栓体の露出部と溶解液容器の連結口
    部の間を外部に対し密封するための密封手段と、その密
    封手段により密封された空間内で薬剤バイアル内部と溶
    解液容器内部とを連通させるための連通手段とを備えて
    なる医療用容器。
  4. 【請求項4】弾性材料からなる栓体により口部が封止さ
    れ、栓体の天面の少なくとも一部に露出部を残して栓体
    の天面の少なくとも外周部から薬剤バイアル外周面の括
    れ部に至る部分を覆うようにキャップ体により巻き締め
    られることによってその栓体の封止状態が維持され、且
    つ、キャップ体における前記露出部の周縁部が、栓体の
    天面に気密的に圧着された薬剤バイアルが保持体により
    保持され、外表面が滅菌されてなる組立体の製造方法で
    あって、前記保持体の第1環状密封部を、前記露出部よ
    りも外側において全周にわたりキャップ体に気密的に圧
    着させ、保持体の第2環状密封部をキャップ体よりも底
    部側において薬剤バイアルの外周面に全周にわたり気密
    的に圧着させ、且つ、保持体の筒状部により、少なくと
    も第1環状密封部から第2環状密封部に至る薬剤バイア
    ルの外部を全周にわたって覆うことによって、第1環状
    密封部と第2環状密封部の間を密封した状態で保持体に
    より薬剤バイアルを保持する工程と、薬剤バイアルが保
    持体により保持されてなる組立体の全ての外表面を電子
    線により滅菌する工程とを有し、キャップ体と薬剤バイ
    アルの外周面及び栓体との間隙、並びに第1環状密封部
    と第2環状密封部の間に密封された部分には、電子線に
    よる滅菌を施さないことを特徴とする薬剤バイアル保持
    組立体の製造方法。
  5. 【請求項5】弾性材料からなる栓体により口部が封止さ
    れ、且つ、栓体の天面の少なくとも一部に非被覆部を残
    して栓体の天面の少なくとも外周部から薬剤バイアル外
    周面の括れ部に至る部分を覆うようにキャップ体により
    巻き締められることによってその栓体の封止状態が維持
    された薬剤バイアルが保持体により保持され、外表面が
    滅菌されてなる組立体の製造方法であって、前記保持体
    の第1環状密封部を、前記非被覆部の少なくとも一部に
    露出部を残してその非被覆部に気密的に圧着させ、保持
    体の第2環状密封部をキャップ体よりも底部側において
    薬剤バイアルの外周面に全周にわたり気密的に圧着さ
    せ、且つ、保持体の筒状部により、少なくとも第1環状
    密封部から第2環状密封部に至る薬剤バイアルの外部を
    全周にわたって覆うことによって、第1環状密封部と第
    2環状密封部の間を密封した状態で保持体により薬剤バ
    イアルを保持する工程と、薬剤バイアルが保持体により
    保持されてなる組立体の全ての外表面を電子線により滅
    菌する工程とを有し、キャップ体と薬剤バイアルの外周
    面及び栓体との間隙、並びに第1環状密封部と第2環状
    密封部の間に密封された部分には、電子線による滅菌を
    施さないことを特徴とする薬剤バイアル保持組立体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】口部が弾性材料からなる栓体により封止さ
    れた薬剤バイアルであって、その栓体の露出部の表面
    に、放射線耐性樹脂組成物層が積層されたことを特徴と
    する薬剤バイアル。
  7. 【請求項7】外表面に放射線耐性樹脂組成物層が積層さ
    れたことを特徴とする薬剤バイアル。
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