JPH0823992A - ヒアルロン酸の製造方法 - Google Patents
ヒアルロン酸の製造方法Info
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- JPH0823992A JPH0823992A JP6161574A JP16157494A JPH0823992A JP H0823992 A JPH0823992 A JP H0823992A JP 6161574 A JP6161574 A JP 6161574A JP 16157494 A JP16157494 A JP 16157494A JP H0823992 A JPH0823992 A JP H0823992A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ヒアルロン酸生産能を有し、コンドロイチナ
ーゼ非生産性でかつ非溶血性を示すストレプトコッカス
・エクイ変異株を培地に培養して、培養液中にヒアルロ
ン酸を生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とす
るヒアルロン酸の製造方法。 【効果】 本発明によるストレプトコッカス・エクイ変
異株を培養することにより、溶血素を含まずかつ高分子
量のヒアルロン酸を優れた収率で得ることができる。
ーゼ非生産性でかつ非溶血性を示すストレプトコッカス
・エクイ変異株を培地に培養して、培養液中にヒアルロ
ン酸を生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とす
るヒアルロン酸の製造方法。 【効果】 本発明によるストレプトコッカス・エクイ変
異株を培養することにより、溶血素を含まずかつ高分子
量のヒアルロン酸を優れた収率で得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒアルロン酸の製造方
法に関する。より詳細には、ヒアルロン酸生産能を有
し、コンドロイチナーゼ非生産性でかつ非溶血性を示す
ストレプトコッカス属に属する細菌を培地に培養して、
溶血素を含まずかつ高分子量のヒアルロン酸を効率よく
製造する方法に関する。
法に関する。より詳細には、ヒアルロン酸生産能を有
し、コンドロイチナーゼ非生産性でかつ非溶血性を示す
ストレプトコッカス属に属する細菌を培地に培養して、
溶血素を含まずかつ高分子量のヒアルロン酸を効率よく
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒアルロン酸は生体のあらゆる組織に存
在するムコ多糖である。ヒアルロン酸は生体中で単独あ
るいはタンパク質や、他のムコ多糖類と結合して複合体
を形成し、生体の水の保持、組織構造の維持、潤滑作
用、細菌侵入の防御などの働きをしている。このような
機能を利用してヒアルロン酸は医薬品(眼薬、関節炎治
療薬、創傷治癒剤等)、化粧品等に使用されている。工
業的には、鶏の鶏冠やサイ帯等の生体組織から抽出法に
よって得られている。近年、細菌を培養して、その培養
液からヒアルロン酸を得る方法も見られるようになって
いる。
在するムコ多糖である。ヒアルロン酸は生体中で単独あ
るいはタンパク質や、他のムコ多糖類と結合して複合体
を形成し、生体の水の保持、組織構造の維持、潤滑作
用、細菌侵入の防御などの働きをしている。このような
機能を利用してヒアルロン酸は医薬品(眼薬、関節炎治
療薬、創傷治癒剤等)、化粧品等に使用されている。工
業的には、鶏の鶏冠やサイ帯等の生体組織から抽出法に
よって得られている。近年、細菌を培養して、その培養
液からヒアルロン酸を得る方法も見られるようになって
いる。
【0003】しかしながら生体組織からの抽出によるヒ
アルロン酸の製造は、タンパク質、コンドロイチン硫酸
等の夾雑物が大量に存在するため、分離精製が大変煩雑
で、大量生産に不向きであった。そのため、得られたヒ
アルロン酸はきわめて高価なものとなり、ヒアルロン酸
の機能を十分に利用することができない状態である。
アルロン酸の製造は、タンパク質、コンドロイチン硫酸
等の夾雑物が大量に存在するため、分離精製が大変煩雑
で、大量生産に不向きであった。そのため、得られたヒ
アルロン酸はきわめて高価なものとなり、ヒアルロン酸
の機能を十分に利用することができない状態である。
【0004】微生物によるヒアルロン酸の生産について
は、ストレプトコッカス属細菌のうちで、ランスフィー
ルド(Lansfield) 血清群のA、C及びD型菌、例えば、
ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptocossus pyoge
nes) 、ストレプトコッカス・ズーエピデミカス(Strept
ocossus zooepidemicus) 、ストレプトコッカス・エク
イ(Streptocossus equi)、ストレプトコッカス・エクイ
シミリス(Streptocossus equisimils)、ストレプトコッ
カス・ディスガラクティエ(Streptocossus dysgalactia
e)、パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)
等が知られているが、S. pyogenesと、Pasteurella は
ヒトに対する病原菌であるため、ヒアルロン酸の生産に
は不向きである。工業的にはストレプトコッカス属の細
菌を培養して、その培養液からヒアルロン酸を抽出・精
製する方法が、特開昭63−141594号等に開示さ
れている。しかしながら、これらの方法は得られるヒア
ルロン酸が低分子量であったり、収率が低いなどの問題
が存在する。
は、ストレプトコッカス属細菌のうちで、ランスフィー
ルド(Lansfield) 血清群のA、C及びD型菌、例えば、
ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptocossus pyoge
nes) 、ストレプトコッカス・ズーエピデミカス(Strept
ocossus zooepidemicus) 、ストレプトコッカス・エク
イ(Streptocossus equi)、ストレプトコッカス・エクイ
シミリス(Streptocossus equisimils)、ストレプトコッ
カス・ディスガラクティエ(Streptocossus dysgalactia
e)、パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)
等が知られているが、S. pyogenesと、Pasteurella は
ヒトに対する病原菌であるため、ヒアルロン酸の生産に
は不向きである。工業的にはストレプトコッカス属の細
菌を培養して、その培養液からヒアルロン酸を抽出・精
製する方法が、特開昭63−141594号等に開示さ
れている。しかしながら、これらの方法は得られるヒア
ルロン酸が低分子量であったり、収率が低いなどの問題
が存在する。
【0005】一方、細菌のコンドロイチナーゼはヒアル
ロニダーゼ活性を有するエンド−β−ヘキソサミニドエ
リミナーゼであることが知られており [科学と工業 4
9, 11(1975)]、本発明者らはこの知見に着目し、ヒアル
ロン酸を生産するストレプトコッカス属に属する菌株を
コンドロイチナーゼ非生産性とすることにより、高分子
量のヒアルロン酸を生産すると考えた。
ロニダーゼ活性を有するエンド−β−ヘキソサミニドエ
リミナーゼであることが知られており [科学と工業 4
9, 11(1975)]、本発明者らはこの知見に着目し、ヒアル
ロン酸を生産するストレプトコッカス属に属する菌株を
コンドロイチナーゼ非生産性とすることにより、高分子
量のヒアルロン酸を生産すると考えた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ヒア
ルロン酸を生産するストレプトコッカス属に属する菌株
のコンドロイチナーゼ非生産性株を得、これによって高
分子量のヒアルロン酸を大量に効率良く得ることのでき
る製造方法を提供することである。
ルロン酸を生産するストレプトコッカス属に属する菌株
のコンドロイチナーゼ非生産性株を得、これによって高
分子量のヒアルロン酸を大量に効率良く得ることのでき
る製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を達成するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ストレプトコッカ
ス・エクイATCC9527株(Streptococcus equi A
TCC9527)から変異処理によって得たコンドロイチナーゼ
非生産株を、再度変異処理することにより、溶血性を欠
如し、高分子ヒアルロン酸の生産性が極めて高い菌株、
ストレプトコッカス・エクイNC930627(Strept
ococcus equi NC930627)を得、該菌株を培養することに
より、高分子量のヒアルロン酸が製造できることを見い
だし、本発明を完成した。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ストレプトコッカ
ス・エクイATCC9527株(Streptococcus equi A
TCC9527)から変異処理によって得たコンドロイチナーゼ
非生産株を、再度変異処理することにより、溶血性を欠
如し、高分子ヒアルロン酸の生産性が極めて高い菌株、
ストレプトコッカス・エクイNC930627(Strept
ococcus equi NC930627)を得、該菌株を培養することに
より、高分子量のヒアルロン酸が製造できることを見い
だし、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、ヒアルロン酸生産能を有
し、コンドロイチナーゼ非生産性でかつ非溶血性を示す
ストレプトコッカス属に属する細菌を培地に培養して、
培養液中にヒアルロン酸を生成蓄積せしめ、これを採取
することを特徴とするヒアルロン酸の製造方法である。
し、コンドロイチナーゼ非生産性でかつ非溶血性を示す
ストレプトコッカス属に属する細菌を培地に培養して、
培養液中にヒアルロン酸を生成蓄積せしめ、これを採取
することを特徴とするヒアルロン酸の製造方法である。
【0009】以下、本発明を詳しく説明する。
【0010】(1)変異株の取得 本発明にいうコンドロイチナーゼ非生産性変異株は、ヒ
アルロン酸を生産するストレプトコッカス属に属する菌
株、例えばストレプトコッカス・エクイATCC952
7株を紫外線や化学薬品(N−メチル−N’−ニトロ−
N−ニオロソグアニジン(NTG)、メチルメタンスル
ホン酸等で変異処理し、この処理菌体をGYP寒天培地
(グルコース2%、酵母エキス1%、ポリペプトン1
%、リン酸一カリウム0.2%、寒天1.5%、pH
6.3)に植菌・培養後、生育の良い菌株をさらにコン
ドロイチン硫酸寒天培地(酵母エキス0.2%、ポリペ
プトン0.2%、炭素源としてコンドロイチン硫酸0.
4%、リン酸一カリウム0.1%)に植菌し、生育して
いない菌株として得ることができる。
アルロン酸を生産するストレプトコッカス属に属する菌
株、例えばストレプトコッカス・エクイATCC952
7株を紫外線や化学薬品(N−メチル−N’−ニトロ−
N−ニオロソグアニジン(NTG)、メチルメタンスル
ホン酸等で変異処理し、この処理菌体をGYP寒天培地
(グルコース2%、酵母エキス1%、ポリペプトン1
%、リン酸一カリウム0.2%、寒天1.5%、pH
6.3)に植菌・培養後、生育の良い菌株をさらにコン
ドロイチン硫酸寒天培地(酵母エキス0.2%、ポリペ
プトン0.2%、炭素源としてコンドロイチン硫酸0.
4%、リン酸一カリウム0.1%)に植菌し、生育して
いない菌株として得ることができる。
【0011】次に、この菌株を再び常法により変異処理
し、処理菌体をウマ脱繊維素血液寒天培地に植菌・培養
し、非溶血性(ストレプトリシン−s欠落)の変異株を
取得する。本菌株は血液寒天培地に穿刺培養しても溶血
環を生じないことより溶血素の一つであるストレプトリ
シン−oの生産能も欠落していると考えられ、より安全
な非溶血性株であると言える。
し、処理菌体をウマ脱繊維素血液寒天培地に植菌・培養
し、非溶血性(ストレプトリシン−s欠落)の変異株を
取得する。本菌株は血液寒天培地に穿刺培養しても溶血
環を生じないことより溶血素の一つであるストレプトリ
シン−oの生産能も欠落していると考えられ、より安全
な非溶血性株であると言える。
【0012】(2)菌学的性質 (1)で得られたストレプトコッカス・エクイの変異株
(以下、本菌という)は、ブレイン・ハート・インフュ
ージョン寒天培地上で極めて強い粘性を有する透明な集
落を形成し、非溶血性(β−溶血性:陰性)、コンドロ
イチナーゼ非生産性、ランスフィールド血清群C型に属
する連鎖状球菌である。本菌の菌学的性質は下記の通り
である。
(以下、本菌という)は、ブレイン・ハート・インフュ
ージョン寒天培地上で極めて強い粘性を有する透明な集
落を形成し、非溶血性(β−溶血性:陰性)、コンドロ
イチナーゼ非生産性、ランスフィールド血清群C型に属
する連鎖状球菌である。本菌の菌学的性質は下記の通り
である。
【0013】 (a)グラム染色性:陽性 (b)10℃増殖性:陰性 (c)45℃増殖性:陰性 (d)0.1%メチレンブルー抵抗性:陰性 (e)6.5%食塩抵抗性:陰性 (f)40%胆汁酸抵抗性:陰性 (g)バシトラシン抵抗性:陰性 (h)pH9.6抵抗性:陰性 (i)60℃、30分抵抗性:陰性 (j)ゼラチン分解性:陰性 (k)でんぷん分解性:陽性 (l)エスクリン分解性:陰性 (m)糖発酵性:グルコース(+)、ガラクトース
(−)、シュクロース(+)、ラクトース(−)、マル
トース(+)、ソルビトール(−)、サリシン(+)、
グリセリン(−)、マンニトール(−)、トレハロース
(−) (n)ビタミン要求性:ビタミンB1 (+)、リボフラ
ビン(+)、パントテン酸カルシウム(−)、ピリドキ
シン塩酸塩(+)、ニコチン酸(+)、p−アミノ安息
香酸(+)、葉酸(−)、ビオチン(−)、ビタミンB
12(−) (o)アミノ酸要求性:DL−アラニン(−)、L−ア
ルギニン(−)、DL−アスパラギン酸(+)、L−シ
ステイン(−)、L−グルタミン酸(−)、グリシン
(+)、L−ヒスチジン(+)、DL−イソロイシン
(+)、DL−ロイシン(+)、L−リジン塩酸塩
(−)、DL−メチオニン(+)、DL−フェニルアラ
ニン(−)、L−プロリン(+)、DL−セリン
(−)、DL−スレオニン(+)、DL−トリプトファ
ン(+)、L−チロシン(−)、DL−バリン(+) 本菌は平成6年5月27日付けで工業技術院微生物工業
技術研究所にFERMP−14341として寄託されて
いる。
(−)、シュクロース(+)、ラクトース(−)、マル
トース(+)、ソルビトール(−)、サリシン(+)、
グリセリン(−)、マンニトール(−)、トレハロース
(−) (n)ビタミン要求性:ビタミンB1 (+)、リボフラ
ビン(+)、パントテン酸カルシウム(−)、ピリドキ
シン塩酸塩(+)、ニコチン酸(+)、p−アミノ安息
香酸(+)、葉酸(−)、ビオチン(−)、ビタミンB
12(−) (o)アミノ酸要求性:DL−アラニン(−)、L−ア
ルギニン(−)、DL−アスパラギン酸(+)、L−シ
ステイン(−)、L−グルタミン酸(−)、グリシン
(+)、L−ヒスチジン(+)、DL−イソロイシン
(+)、DL−ロイシン(+)、L−リジン塩酸塩
(−)、DL−メチオニン(+)、DL−フェニルアラ
ニン(−)、L−プロリン(+)、DL−セリン
(−)、DL−スレオニン(+)、DL−トリプトファ
ン(+)、L−チロシン(−)、DL−バリン(+) 本菌は平成6年5月27日付けで工業技術院微生物工業
技術研究所にFERMP−14341として寄託されて
いる。
【0014】(3)本菌によるヒアルロン酸の製造 本発明に用いる培地は、通常の培養に用いるものでよ
く、グルコース、フラクトース、ガラクトース、シュク
ロース等の炭素源、リン酸一カリウム、リン酸二カリウ
ム、硫酸マグネシウム、亜硫酸ソーダ、チオ硫酸ソー
ダ、リン酸アンモニウム等の無機塩、ポリペプトン、酵
母エキス、カザミノ酸、コーンスティープリカー等の有
機栄養源の他、各種アミノ酸、ビタミン類等が適宜用い
られる。これらの培地成分は一括仕込み、または分割添
加のいずれに於いてもよい。
く、グルコース、フラクトース、ガラクトース、シュク
ロース等の炭素源、リン酸一カリウム、リン酸二カリウ
ム、硫酸マグネシウム、亜硫酸ソーダ、チオ硫酸ソー
ダ、リン酸アンモニウム等の無機塩、ポリペプトン、酵
母エキス、カザミノ酸、コーンスティープリカー等の有
機栄養源の他、各種アミノ酸、ビタミン類等が適宜用い
られる。これらの培地成分は一括仕込み、または分割添
加のいずれに於いてもよい。
【0015】本発明の培養は、使用する菌は通性嫌気性
菌であることより、通気培養または嫌気培養のいずれで
もよく、培養温度は25〜40℃、好ましくは30〜3
5℃が望ましい。
菌であることより、通気培養または嫌気培養のいずれで
もよく、培養温度は25〜40℃、好ましくは30〜3
5℃が望ましい。
【0016】培養液のpHは菌の生育と共に低下するた
め、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等
の塩基によりpH6.5〜8.5、好ましくはpH7〜
7.5にコントロールする。
め、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等
の塩基によりpH6.5〜8.5、好ましくはpH7〜
7.5にコントロールする。
【0017】本菌は高分子量のヒアルロン酸を極めて高
い収率、生産性で生産する菌株であるが、炭素源として
特にグルコースを用いると良い結果が得られる。糖の添
加量が1%では対糖収率17%であるが、添加量を増す
に従い対糖収率は減少する。糖の添加を6%以上にする
と、培養液の粘性は35℃で8000センチポイズ(c
p)となり、培養液は流動性がなく、攪拌数を増しても
効果はない。培養は、使用している炭素源が培養液中で
完全に消費される時点まで行う。
い収率、生産性で生産する菌株であるが、炭素源として
特にグルコースを用いると良い結果が得られる。糖の添
加量が1%では対糖収率17%であるが、添加量を増す
に従い対糖収率は減少する。糖の添加を6%以上にする
と、培養液の粘性は35℃で8000センチポイズ(c
p)となり、培養液は流動性がなく、攪拌数を増しても
効果はない。培養は、使用している炭素源が培養液中で
完全に消費される時点まで行う。
【0018】培養液中に蓄積されたヒアルロン酸の分
離、精製は容易で、既に公知の分離法を用いればよい。
すなわち、培養終了後、ヒアルロン酸濃度が0.5〜
1.0g/Lになるように培養液を希釈し、トリクロロ
酢酸、塩酸、または硫酸等の酸でpHを酸性に調整す
る。本操作中に、夾雑する蛋白質と低分子量のヒアルロ
ン酸がムチンクロットと呼ばれる複合体を形成して析出
するので、例えば遠心分離、あるいは精密濾過や活性炭
あるいはセライトを濾過助材とする濾過等による除菌お
よび除蛋白質が可能となり、以後の精製操作を容易なら
しめる。
離、精製は容易で、既に公知の分離法を用いればよい。
すなわち、培養終了後、ヒアルロン酸濃度が0.5〜
1.0g/Lになるように培養液を希釈し、トリクロロ
酢酸、塩酸、または硫酸等の酸でpHを酸性に調整す
る。本操作中に、夾雑する蛋白質と低分子量のヒアルロ
ン酸がムチンクロットと呼ばれる複合体を形成して析出
するので、例えば遠心分離、あるいは精密濾過や活性炭
あるいはセライトを濾過助材とする濾過等による除菌お
よび除蛋白質が可能となり、以後の精製操作を容易なら
しめる。
【0019】除菌・除蛋白後、透析処理による低分子化
合物の除去、精密濾過処理による水不溶微粒子の除去を
行った後、ヒアルロン酸含有液にアルコール、アセト
ン、ジオキサンなどの水溶性有機溶媒を添加してヒアル
ロン酸を得るか、あるい凍結乾燥、スプレードライ等で
直接ヒアルロン酸を得る。
合物の除去、精密濾過処理による水不溶微粒子の除去を
行った後、ヒアルロン酸含有液にアルコール、アセト
ン、ジオキサンなどの水溶性有機溶媒を添加してヒアル
ロン酸を得るか、あるい凍結乾燥、スプレードライ等で
直接ヒアルロン酸を得る。
【0020】このようにして上記培養液から抽出精製し
て得たヒアルロン酸について標品と対比しながら検討し
た結果、得られたものがヒアルロン酸であることを確認
できる。以下にその性質を示す。
て得たヒアルロン酸について標品と対比しながら検討し
た結果、得られたものがヒアルロン酸であることを確認
できる。以下にその性質を示す。
【0021】(1)酢酸セルロース膜を用いる電気泳動
において標品と同じ位置にバンドを有する。 (2)放線菌ヒアルロニダーゼによって分解される。 (3)D−グルクロン酸及びN−アセチル−D−グルコ
サミンがモル比1:1で存在する。 (4)薄膜法による赤外吸収スペクトルは標品と同じで
ある。 (5)極限粘度法による分子量測定(T.C.Laurent et a
l., Biochim. Biophys.Acta, 42, 476-485, 1960)の結
果、150万である。
において標品と同じ位置にバンドを有する。 (2)放線菌ヒアルロニダーゼによって分解される。 (3)D−グルクロン酸及びN−アセチル−D−グルコ
サミンがモル比1:1で存在する。 (4)薄膜法による赤外吸収スペクトルは標品と同じで
ある。 (5)極限粘度法による分子量測定(T.C.Laurent et a
l., Biochim. Biophys.Acta, 42, 476-485, 1960)の結
果、150万である。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定される
ものではない。
明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0023】〔実施例1〕 (i)変異株の取得 ストレプトコッカス・エクイATCC9527株をGY
P培地中、30℃で10時間培養し、対数増殖期の菌体
を遠心分離によって集菌し、5℃で0.05Mリン酸緩
衝液(pH6.5)を用いて無菌的に洗浄した後、1×
108 個/mlの菌濃度になるように同緩衝液に懸濁
し、これにNTGを200μg/mlとなるように添加
し、30℃にて30分間振とうした。処理後速やかに遠
心分離機にて集菌し、0.05Mリン酸緩衝液(pH
6.5)で2回洗浄した後、GYP培地に植菌して37
℃、2時間培養し、培養液を希釈後、GYP寒天培地に
再度植菌した。30℃、72時間培養後、増殖の活発な
コロニーから釣菌し、コンドロイチンを炭素源とする寒
天培地上に再度植菌・同条件で培養し、生育してこない
菌株をコンドロイチナーゼ非生産株として取得した。な
お、上記コンドロイチナーゼ生産・非生産菌の識別法
は、本発明者らの考案によるものである。
P培地中、30℃で10時間培養し、対数増殖期の菌体
を遠心分離によって集菌し、5℃で0.05Mリン酸緩
衝液(pH6.5)を用いて無菌的に洗浄した後、1×
108 個/mlの菌濃度になるように同緩衝液に懸濁
し、これにNTGを200μg/mlとなるように添加
し、30℃にて30分間振とうした。処理後速やかに遠
心分離機にて集菌し、0.05Mリン酸緩衝液(pH
6.5)で2回洗浄した後、GYP培地に植菌して37
℃、2時間培養し、培養液を希釈後、GYP寒天培地に
再度植菌した。30℃、72時間培養後、増殖の活発な
コロニーから釣菌し、コンドロイチンを炭素源とする寒
天培地上に再度植菌・同条件で培養し、生育してこない
菌株をコンドロイチナーゼ非生産株として取得した。な
お、上記コンドロイチナーゼ生産・非生産菌の識別法
は、本発明者らの考案によるものである。
【0024】得られた菌株はβ−溶血性(溶血素:スト
レプトリシン−s)を示していたので、再度上記と同様
に変異処理を行った。処理後、ウマ脱繊維素血液寒天培
地上に植菌・培養し、溶血性を示されない菌株を取得し
た(ストレプトコッカス・エクイNC930627,F
ERM P−14341)。
レプトリシン−s)を示していたので、再度上記と同様
に変異処理を行った。処理後、ウマ脱繊維素血液寒天培
地上に植菌・培養し、溶血性を示されない菌株を取得し
た(ストレプトコッカス・エクイNC930627,F
ERM P−14341)。
【0025】(ii) 変異株によるヒアルロン酸の製造 グルコース2%、ポリペプトン1.5%、酵母エキス
0.5%、リン酸一カリウム0.2%、硫酸マグネシウ
ム七水塩0.05%、アデカノールLG−109(消泡
剤;旭電化工業製)0.005%の組成の培地(pH
7.0)3Lを5L容のジャファーメンターに入れ、滅
菌後、前培養したストレプトコッカス・エクイNC93
0627を1%接種し、6N−水酸化ナトリウム水溶液
で培養pH7に常時コントロールしながら30℃で48
時間通気(1vvm)攪拌培養した。
0.5%、リン酸一カリウム0.2%、硫酸マグネシウ
ム七水塩0.05%、アデカノールLG−109(消泡
剤;旭電化工業製)0.005%の組成の培地(pH
7.0)3Lを5L容のジャファーメンターに入れ、滅
菌後、前培養したストレプトコッカス・エクイNC93
0627を1%接種し、6N−水酸化ナトリウム水溶液
で培養pH7に常時コントロールしながら30℃で48
時間通気(1vvm)攪拌培養した。
【0026】グルコースは別に滅菌しておき、培養開始
時に添加するか、培養途中においても、グルコースの残
存量を測定しながら適時添加していき、トータルで6%
を添加した。培養の経過と共にヒアルロン酸が蓄積し、
培養32時間で培養液の粘性は8000センチポイズに
達し、攪拌が効かなくなった。培養48時間後、グルコ
ースが完全に消費されたので培養を終了した。
時に添加するか、培養途中においても、グルコースの残
存量を測定しながら適時添加していき、トータルで6%
を添加した。培養の経過と共にヒアルロン酸が蓄積し、
培養32時間で培養液の粘性は8000センチポイズに
達し、攪拌が効かなくなった。培養48時間後、グルコ
ースが完全に消費されたので培養を終了した。
【0027】ブロスアウトした培養液は高粘度のため水
で100センチポイズ以下になるように希釈し、トリク
ロロ酢酸でpH4以下に調整した。析出してきたムチン
クロット及びその他の夾雑物を菌体と共にマイクロフィ
ルターモジュール(PW−103旭化成製)で除去し、
更に限外濾過モジュールに通して低分子物質を除去し
た。その後エタノールを添加し、沈殿してきた固形物を
減圧乾燥して30g(培養液1L当たり6g)のヒアル
ロン酸を得た。得られたヒアルロン酸は電気泳動におい
て標品と同じ位置にバンドを有し、かつ、赤外線吸収ス
ペクトル、ストレプトミセスのヒアルロニダーゼによる
分解、D−グルクロン酸及びN−アセチル−D−グルコ
サミンが、モル比で1:1で存在すること等でヒアルロ
ン酸であることが確認された。なお、極限根度法による
分子量測定の結果、150万であった。
で100センチポイズ以下になるように希釈し、トリク
ロロ酢酸でpH4以下に調整した。析出してきたムチン
クロット及びその他の夾雑物を菌体と共にマイクロフィ
ルターモジュール(PW−103旭化成製)で除去し、
更に限外濾過モジュールに通して低分子物質を除去し
た。その後エタノールを添加し、沈殿してきた固形物を
減圧乾燥して30g(培養液1L当たり6g)のヒアル
ロン酸を得た。得られたヒアルロン酸は電気泳動におい
て標品と同じ位置にバンドを有し、かつ、赤外線吸収ス
ペクトル、ストレプトミセスのヒアルロニダーゼによる
分解、D−グルクロン酸及びN−アセチル−D−グルコ
サミンが、モル比で1:1で存在すること等でヒアルロ
ン酸であることが確認された。なお、極限根度法による
分子量測定の結果、150万であった。
【発明の効果】本発明によるストレプトコッカス・エク
イ変異株を培養することにより、これまで報告されてい
るストレプトコッカス属細菌を用いたヒアルロン酸の製
造法における収率、収量を上回り、さらに高分子量で、
かつ溶血素として知られているストレプトリシン−sお
よびストレプトリシン−oの混入のないヒアルロン酸を
安価に得ることができる。このようにして得られたヒア
ルロン酸は化粧品、医薬品原料として使用できる。
イ変異株を培養することにより、これまで報告されてい
るストレプトコッカス属細菌を用いたヒアルロン酸の製
造法における収率、収量を上回り、さらに高分子量で、
かつ溶血素として知られているストレプトリシン−sお
よびストレプトリシン−oの混入のないヒアルロン酸を
安価に得ることができる。このようにして得られたヒア
ルロン酸は化粧品、医薬品原料として使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畠中 芳郎 大阪市東淀川区相川2−11−14 (72)発明者 酒匂 正幸 大阪市西淀川区福町1−8−7 日精化学 工業株式会社内 (72)発明者 岡部 征七 大阪市西淀川区福町1−8−7 日精化学 工業株式会社内 (72)発明者 秋風 裕 大阪市西淀川区福町1−8−7 日精化学 工業株式会社内 (72)発明者 矢田 智昭 大阪市西淀川区福町1−8−7 日精化学 工業株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 ヒアルロン酸生産能を有し、コンドロイ
チナーゼ非生産性でかつ非溶血性を示すストレプトコッ
カス属に属する細菌を培地に培養して、培養液中にヒア
ルロン酸を生成蓄積せしめ、これを採取することを特徴
とするヒアルロン酸の製造法。 - 【請求項2】 ストレプトコッカス属に属する細菌がス
トレプトコッカス・・エクイである特許請求の範囲第1
項記載のヒアルロン酸の製造方法。 - 【請求項3】 ストレプトコッカス属に属する細菌がス
トレプトコッカス・エクイNC930627である特許
請求の範囲第1項もしくは第2項記載のヒアルロン酸の
製造方法。 - 【請求項4】 ヒアルロン酸生産能を有し、コンドロイ
チナーゼ非生産性でかつ非溶血性を示すストレプトコッ
カス属に属する変異株。 - 【請求項5】 ストレプトコッカス属に属する変異株
が、ストレプトコッカス・エクイNC930627であ
る請求項4記載の変異株。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6161574A JPH0823992A (ja) | 1994-07-13 | 1994-07-13 | ヒアルロン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6161574A JPH0823992A (ja) | 1994-07-13 | 1994-07-13 | ヒアルロン酸の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0823992A true JPH0823992A (ja) | 1996-01-30 |
Family
ID=15737707
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6161574A Pending JPH0823992A (ja) | 1994-07-13 | 1994-07-13 | ヒアルロン酸の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0823992A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100472007B1 (ko) * | 2002-08-19 | 2005-03-10 | 주식회사 코오롱 | 히아루론산 생산 균주 및 상기 균주를 이용한 히아루론산 생산방법 |
| US7575914B2 (en) | 2002-08-19 | 2009-08-18 | Kolon Life Science, Inc. | Microorganism producing hyaluronic acid and purification method of hyaluronic acid |
| JP2020528000A (ja) * | 2017-07-18 | 2020-09-17 | フィディア ファーマチェウティチ エス.ピー.エー. | ヒアルロン酸の精製プロセス |
-
1994
- 1994-07-13 JP JP6161574A patent/JPH0823992A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100472007B1 (ko) * | 2002-08-19 | 2005-03-10 | 주식회사 코오롱 | 히아루론산 생산 균주 및 상기 균주를 이용한 히아루론산 생산방법 |
| US7575914B2 (en) | 2002-08-19 | 2009-08-18 | Kolon Life Science, Inc. | Microorganism producing hyaluronic acid and purification method of hyaluronic acid |
| JP2020528000A (ja) * | 2017-07-18 | 2020-09-17 | フィディア ファーマチェウティチ エス.ピー.エー. | ヒアルロン酸の精製プロセス |
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