JPH08240701A - 光学薄膜 - Google Patents
光学薄膜Info
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- JPH08240701A JPH08240701A JP7067031A JP6703195A JPH08240701A JP H08240701 A JPH08240701 A JP H08240701A JP 7067031 A JP7067031 A JP 7067031A JP 6703195 A JP6703195 A JP 6703195A JP H08240701 A JPH08240701 A JP H08240701A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ポリカーボネイトを含有する合成樹脂の基体
に密着性のよい反射防止膜等を設ける。 【構成】 TiO膜等のチタン酸化物膜はポリカーボネ
イトを含有する合成樹脂に対してすぐれた密着性を有
し、しかも、有機溶剤や水分を透過し難い性質を有す
る。そこで、ポリカーボネイトを含有する合成樹脂の基
体B1 の表面にTiO膜11を第1層とする反射防止膜
10を設ける。各層の薄膜11〜16の成膜中基体B1
が無加熱であっても、密着性と耐環境性にすぐれた反射
防止膜を得ることができる。
に密着性のよい反射防止膜等を設ける。 【構成】 TiO膜等のチタン酸化物膜はポリカーボネ
イトを含有する合成樹脂に対してすぐれた密着性を有
し、しかも、有機溶剤や水分を透過し難い性質を有す
る。そこで、ポリカーボネイトを含有する合成樹脂の基
体B1 の表面にTiO膜11を第1層とする反射防止膜
10を設ける。各層の薄膜11〜16の成膜中基体B1
が無加熱であっても、密着性と耐環境性にすぐれた反射
防止膜を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラ、複写機、ファ
クシミリ、レーザビームプリンタ等の光学機器の光学系
に用いられる合成樹脂製光学部品の光学薄膜に関するも
のである。
クシミリ、レーザビームプリンタ等の光学機器の光学系
に用いられる合成樹脂製光学部品の光学薄膜に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】カメラ、複写機、ファクシミリ、レーザ
ビームプリンタ等の光学機器においては、これらの光学
系にできるだけ多くの合成樹脂製光学部品を用いること
で、部品コストの低減や軽量化、生産性の向上等を促進
する努力がなされている。
ビームプリンタ等の光学機器においては、これらの光学
系にできるだけ多くの合成樹脂製光学部品を用いること
で、部品コストの低減や軽量化、生産性の向上等を促進
する努力がなされている。
【0003】光学部品がガラス製で、その表面に反射防
止膜等の光学薄膜を設ける場合には、ガラス製の基体
(光学部品)を200℃以上に加熱して真空蒸着法によ
って単層または複数層の薄膜を成膜するのが一般的であ
り、この方法によって、基体に対する密着性が良好で優
れた光学特性を有し、かつ、高温高湿の環境下において
も密着性や光学特性が劣化するおそれのない良質の光学
薄膜を得ることができる。
止膜等の光学薄膜を設ける場合には、ガラス製の基体
(光学部品)を200℃以上に加熱して真空蒸着法によ
って単層または複数層の薄膜を成膜するのが一般的であ
り、この方法によって、基体に対する密着性が良好で優
れた光学特性を有し、かつ、高温高湿の環境下において
も密着性や光学特性が劣化するおそれのない良質の光学
薄膜を得ることができる。
【0004】ところが、合成樹脂製光学部品の場合には
ガラス製のものに比べて軟化温度が低い(略110℃以
下)ため、薄膜の成膜中に上記のような高温に加熱する
ことができず、このために、基体(合成樹脂製光学部
品)に対する光学薄膜の密着性が不充分であり、また光
学薄膜の表面硬度も低くて傷つきやすい等の難点が多
く、実用性に乏しいものとなる。
ガラス製のものに比べて軟化温度が低い(略110℃以
下)ため、薄膜の成膜中に上記のような高温に加熱する
ことができず、このために、基体(合成樹脂製光学部
品)に対する光学薄膜の密着性が不充分であり、また光
学薄膜の表面硬度も低くて傷つきやすい等の難点が多
く、実用性に乏しいものとなる。
【0005】低温で成膜した場合の密着性を向上させる
方法としては、合成樹脂との密着性が良好で硬度の高い
SiOx(シリコン酸化物)層を基体に接する第1層と
する反射防止膜(特公昭53−000306号公報参
照)や、無極性合成樹脂(弗素系プラスチックやオレフ
ィン系プラスチック)の表面にジルコニウム、ニッケ
ル、チタン等の酸化物を主成分とする金属酸化物を積層
したもの(特開平3−260052号公報参照)が開発
されている。
方法としては、合成樹脂との密着性が良好で硬度の高い
SiOx(シリコン酸化物)層を基体に接する第1層と
する反射防止膜(特公昭53−000306号公報参
照)や、無極性合成樹脂(弗素系プラスチックやオレフ
ィン系プラスチック)の表面にジルコニウム、ニッケ
ル、チタン等の酸化物を主成分とする金属酸化物を積層
したもの(特開平3−260052号公報参照)が開発
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、SiOx層を基体に接する第1層とす
るものは、ポリメチルメタアクリレート(アクリル)製
の基体に対しては有効であるが、基体がポリカーボネイ
ト(PC)やポリカーボネイトとポリスチレン等の混合
物である場合には、高温高湿の環境下(例えば、温度7
0℃以上で湿度85%以上)等において密着性が著しく
劣化する。従って、ポリカーボネイトを含む合成樹脂製
光学部品には不適である。
の技術によれば、SiOx層を基体に接する第1層とす
るものは、ポリメチルメタアクリレート(アクリル)製
の基体に対しては有効であるが、基体がポリカーボネイ
ト(PC)やポリカーボネイトとポリスチレン等の混合
物である場合には、高温高湿の環境下(例えば、温度7
0℃以上で湿度85%以上)等において密着性が著しく
劣化する。従って、ポリカーボネイトを含む合成樹脂製
光学部品には不適である。
【0007】また、ジルコニウム、ニッケル等の酸化物
を主成分とする金属酸化物を積層したものは、無極性の
合成樹脂製光学部品のために開発されたものであり、こ
れをそのまま、構造式の中にカルボニル基を有し従って
高い極性を示すポリカーボネイトを含有する合成樹脂製
光学部品に適用することは難しい。
を主成分とする金属酸化物を積層したものは、無極性の
合成樹脂製光学部品のために開発されたものであり、こ
れをそのまま、構造式の中にカルボニル基を有し従って
高い極性を示すポリカーボネイトを含有する合成樹脂製
光学部品に適用することは難しい。
【0008】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであって、ポリカーボネイトを含
有する合成樹脂の基体に対して高い密着性を有し、耐環
境性も充分である光学薄膜を提供することを目的とする
ものである。
に鑑みてなされたものであって、ポリカーボネイトを含
有する合成樹脂の基体に対して高い密着性を有し、耐環
境性も充分である光学薄膜を提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光学薄膜はポリカーボネイトを含有する基
体に積層された複数層の薄膜からなる多層膜を有し、前
記複数層の薄膜のうちで、前記基体に接する第1層がチ
タン酸化物膜であることを特徴とする。
め、本発明の光学薄膜はポリカーボネイトを含有する基
体に積層された複数層の薄膜からなる多層膜を有し、前
記複数層の薄膜のうちで、前記基体に接する第1層がチ
タン酸化物膜であることを特徴とする。
【0010】基体の表面から最も遠い最終層が珪素酸化
物膜であるとよい。
物膜であるとよい。
【0011】
【作用】TiO膜やTi2 O3 膜等のチタン酸化物膜
は、特にポリカーボネイトを含有する合成樹脂に対して
優れた密着性を有し、かつ、有機溶剤や水分が浸透し難
い性質を有する。そこで、ポリカーボネイトを含有する
合成樹脂を基体とする反射防止膜やハーフミラー等の光
学薄膜の第1層にチタン酸化物膜を用いることで、基体
に対する密着性が充分であり、しかも高温高湿の環境下
においても密着性が著しく劣化するおそれのない良質の
光学薄膜を実現する。該光学薄膜は、基体を無加熱で成
膜しても充分な密着性や耐環境性を得ることができる。
は、特にポリカーボネイトを含有する合成樹脂に対して
優れた密着性を有し、かつ、有機溶剤や水分が浸透し難
い性質を有する。そこで、ポリカーボネイトを含有する
合成樹脂を基体とする反射防止膜やハーフミラー等の光
学薄膜の第1層にチタン酸化物膜を用いることで、基体
に対する密着性が充分であり、しかも高温高湿の環境下
においても密着性が著しく劣化するおそれのない良質の
光学薄膜を実現する。該光学薄膜は、基体を無加熱で成
膜しても充分な密着性や耐環境性を得ることができる。
【0012】また、光学薄膜の最終層が、硬質で有機溶
剤や水分を透過し難い性質を有する珪素酸化物膜であれ
ば、摩擦等の機械的刺激によって傷つき難いという長所
が付加されるとともに、耐環境性もより一層向上する。
剤や水分を透過し難い性質を有する珪素酸化物膜であれ
ば、摩擦等の機械的刺激によって傷つき難いという長所
が付加されるとともに、耐環境性もより一層向上する。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0014】図1は第1実施例による光学薄膜である反
射防止膜10を示すもので、ポリカーボネイトをレンズ
形状に射出成形した基体B1 の表面に真空蒸着法によっ
て積層された6層の薄膜からなる多層膜を有し、基体B
1 の表面に成膜された第1層は膜厚5nmのチタン酸化
物膜であるTiO膜11であり、第2層は膜厚166n
mのSiO膜12、第3層は膜厚12nmのTiO膜1
3、第4層は膜厚21nmのSiO2 膜14、第5層は
膜厚106nmのTiO膜15、第6層は膜厚84nm
の珪素酸化物膜であるSiO2 膜16である。
射防止膜10を示すもので、ポリカーボネイトをレンズ
形状に射出成形した基体B1 の表面に真空蒸着法によっ
て積層された6層の薄膜からなる多層膜を有し、基体B
1 の表面に成膜された第1層は膜厚5nmのチタン酸化
物膜であるTiO膜11であり、第2層は膜厚166n
mのSiO膜12、第3層は膜厚12nmのTiO膜1
3、第4層は膜厚21nmのSiO2 膜14、第5層は
膜厚106nmのTiO膜15、第6層は膜厚84nm
の珪素酸化物膜であるSiO2 膜16である。
【0015】各層の薄膜11〜16の成膜は、いずれ
も、真空室に酸素ガスを導入して圧力1.33e〜2P
aの真空雰囲気のもとに所定の蒸発源を電子ビーム加熱
法によって加熱して蒸発させ、基体B1 は無加熱で行な
われたもので、各層の膜厚制御には単色光による反射率
測光法を採用した。
も、真空室に酸素ガスを導入して圧力1.33e〜2P
aの真空雰囲気のもとに所定の蒸発源を電子ビーム加熱
法によって加熱して蒸発させ、基体B1 は無加熱で行な
われたもので、各層の膜厚制御には単色光による反射率
測光法を採用した。
【0016】図2は反射防止膜10の分光反射率を測定
した結果を示すグラフである。このグラフから解るよう
に反射防止膜10は波長400〜700nmの範囲で反
射率が1%以下であり極めてすぐれた光学特性を有す
る。
した結果を示すグラフである。このグラフから解るよう
に反射防止膜10は波長400〜700nmの範囲で反
射率が1%以下であり極めてすぐれた光学特性を有す
る。
【0017】また、温度70℃湿度85%の高温高湿耐
久槽に100時間放置したうえで粘着テープによる密着
性のテストを行なったところ、基体B1 との間の密着性
は極めて良好であり、カメラレンズ等の光学部品の反射
防止膜として光学特性および耐環境性の双方が充分であ
ることが判明した。
久槽に100時間放置したうえで粘着テープによる密着
性のテストを行なったところ、基体B1 との間の密着性
は極めて良好であり、カメラレンズ等の光学部品の反射
防止膜として光学特性および耐環境性の双方が充分であ
ることが判明した。
【0018】本実施例は、基体の表面に成膜する第1層
がポリカーボネイト製の基体に対して極めて密着性にす
ぐれたTiO膜であるため、基体を無加熱で成膜しても
充分な密着性を得ることができる。また、TiO膜等の
チタン酸化物膜は有機溶剤や水分を透過し難い性質を有
するため、高温高湿の環境下において密着性が劣化する
のを回避できる。
がポリカーボネイト製の基体に対して極めて密着性にす
ぐれたTiO膜であるため、基体を無加熱で成膜しても
充分な密着性を得ることができる。また、TiO膜等の
チタン酸化物膜は有機溶剤や水分を透過し難い性質を有
するため、高温高湿の環境下において密着性が劣化する
のを回避できる。
【0019】さらに、反射防止膜の最終層(第6層)が
SiO2 膜であるために、水分や有機溶剤が反射防止膜
の内部へ侵入するのを防ぎ、前述のように耐環境性が大
きく向上するものと推察される。
SiO2 膜であるために、水分や有機溶剤が反射防止膜
の内部へ侵入するのを防ぎ、前述のように耐環境性が大
きく向上するものと推察される。
【0020】加えて、表面層が硬度の高いSiO2 膜で
あるために、摩擦等の外部からの機械的刺激に対して傷
つきにくいという利点を有する。
あるために、摩擦等の外部からの機械的刺激に対して傷
つきにくいという利点を有する。
【0021】比較のために図3に示す反射防止膜20を
製作してその分光反射率を測定し、測定結果を図4に示
す。
製作してその分光反射率を測定し、測定結果を図4に示
す。
【0022】図3の反射防止膜20は、第1実施例と同
様のポリカーボネイトの基体B2 にそれぞれ第1実施例
と同様の真空蒸着法によって成膜された膜厚170nm
のSiO膜21からなる第1層と、膜厚15nmのTi
O膜22からなる第2層と、膜厚30nmのSiO2 膜
23からなる第3層と、膜厚120nmのTiO膜24
からなる第4層と、膜厚87nmのSiO2 膜25から
なる第5層を有する。
様のポリカーボネイトの基体B2 にそれぞれ第1実施例
と同様の真空蒸着法によって成膜された膜厚170nm
のSiO膜21からなる第1層と、膜厚15nmのTi
O膜22からなる第2層と、膜厚30nmのSiO2 膜
23からなる第3層と、膜厚120nmのTiO膜24
からなる第4層と、膜厚87nmのSiO2 膜25から
なる第5層を有する。
【0023】この反射防止膜20は、図4に示すよう
に、波長400〜700nmの範囲で反射率が1%以下
であるが、温度70℃湿度85%の高温高湿耐久槽に1
00時間放置したうえで粘着テープによる密着性のテス
トを行なったところ、反射防止膜が基体B2 から剥離
し、密着性の劣化が確認された。従って、カメラレンズ
等光学部品の反射防止膜として用いるのは好ましくな
い。
に、波長400〜700nmの範囲で反射率が1%以下
であるが、温度70℃湿度85%の高温高湿耐久槽に1
00時間放置したうえで粘着テープによる密着性のテス
トを行なったところ、反射防止膜が基体B2 から剥離
し、密着性の劣化が確認された。従って、カメラレンズ
等光学部品の反射防止膜として用いるのは好ましくな
い。
【0024】耐環境試験によって密着性が劣化した理由
は、基体に接触する第1層がSiO膜であり、基体に対
する密着性がTiO膜に比べて低いためと推察される。
は、基体に接触する第1層がSiO膜であり、基体に対
する密着性がTiO膜に比べて低いためと推察される。
【0025】図5は第2実施例による光学薄膜である反
射防止膜30を示すもので、これは、ポリカーボネイト
をレンズ形状に射出成形した基体B3 の表面に真空蒸着
法によって成膜された6層の薄膜からなり、第1層は、
Tiをターゲットとして、Arを0.7Paまで真空室
に導入した後、O2 を5sccmの流量で同真空室に導
入し、高周波マグネトロンスパッタ法によって成膜した
膜厚16nmのチタン酸化物膜31であり、第2層は、
SiO2 をターゲットとして、Arを0.7Paまで真
空室に導入し、高周波マグネトロンスパッタ法によって
成膜した膜厚29nmのSiO2 膜32であり、第3層
は、第1層のチタン酸化物膜31と同様に成膜された膜
厚58nmのチタン酸化物膜33であり、第4層は、第
2層のSiO2 膜32と同様に成膜されたSiO2 膜3
4であり、第5層は、第1層のチタン酸化物膜31と同
様に成膜された膜厚45nmのチタン酸化物膜35であ
り、第6層は、第2層のSiO2 膜32と同様に成膜さ
れた膜厚91nmのSiO2 膜36である。各層の薄膜
31〜36の膜厚は、スパッタレートよりスパッタ時間
を逆算し、時間により制御した。このようにして得られ
た反射防止膜30の分光反射率を測定した結果を図6に
示す。
射防止膜30を示すもので、これは、ポリカーボネイト
をレンズ形状に射出成形した基体B3 の表面に真空蒸着
法によって成膜された6層の薄膜からなり、第1層は、
Tiをターゲットとして、Arを0.7Paまで真空室
に導入した後、O2 を5sccmの流量で同真空室に導
入し、高周波マグネトロンスパッタ法によって成膜した
膜厚16nmのチタン酸化物膜31であり、第2層は、
SiO2 をターゲットとして、Arを0.7Paまで真
空室に導入し、高周波マグネトロンスパッタ法によって
成膜した膜厚29nmのSiO2 膜32であり、第3層
は、第1層のチタン酸化物膜31と同様に成膜された膜
厚58nmのチタン酸化物膜33であり、第4層は、第
2層のSiO2 膜32と同様に成膜されたSiO2 膜3
4であり、第5層は、第1層のチタン酸化物膜31と同
様に成膜された膜厚45nmのチタン酸化物膜35であ
り、第6層は、第2層のSiO2 膜32と同様に成膜さ
れた膜厚91nmのSiO2 膜36である。各層の薄膜
31〜36の膜厚は、スパッタレートよりスパッタ時間
を逆算し、時間により制御した。このようにして得られ
た反射防止膜30の分光反射率を測定した結果を図6に
示す。
【0026】本実施例による反射防止膜30は、可視域
全域にわたって反射率が1%以下であり、特に波長41
0〜680nmの範囲では0.5%以下の反射率で極め
て高性能な反射防止膜である。また、温度70℃湿度8
5%の高温高湿耐久層に100時間放置したうえで粘着
テープによる密着性のテストを実施したとろこ、基体に
対する密着性は良好であり、カメラやビデオの光学系や
メガネレンズ等の反射防止膜として好適であることが判
明した。
全域にわたって反射率が1%以下であり、特に波長41
0〜680nmの範囲では0.5%以下の反射率で極め
て高性能な反射防止膜である。また、温度70℃湿度8
5%の高温高湿耐久層に100時間放置したうえで粘着
テープによる密着性のテストを実施したとろこ、基体に
対する密着性は良好であり、カメラやビデオの光学系や
メガネレンズ等の反射防止膜として好適であることが判
明した。
【0027】図7は第3実施例による光学薄膜であるハ
ーフミラー40を示すもので、これは、ポリカーボネイ
トとポリスチレンの混合物を平板状に射出成形した基体
B4と、その表面に真空蒸着法により積層された5層の
薄膜からなり、第1層は真空室の圧力を1.33e〜2
Paに制御して136nmの膜厚に成膜されたチタン酸
化物膜であるTi2 O3 膜41であり、第2層は真空室
の圧力が1.33e〜2Paになるように酸素ガスを導
入して、78nmの膜厚に成膜されたSiO2膜42で
あり、第3層は第1層のTi2 O3 膜41と同様の方法
で51nmの膜厚に成膜されたTi2 O3 膜43であ
り、第4層は第2層のSiO2 膜42と同様の方法で8
0nmの膜厚に成膜されたSiO2 膜44であり、第5
層は第1層のTi2 O3 膜41と同様の方法で89nm
の膜厚に成膜されたTi2 O3 膜45である。
ーフミラー40を示すもので、これは、ポリカーボネイ
トとポリスチレンの混合物を平板状に射出成形した基体
B4と、その表面に真空蒸着法により積層された5層の
薄膜からなり、第1層は真空室の圧力を1.33e〜2
Paに制御して136nmの膜厚に成膜されたチタン酸
化物膜であるTi2 O3 膜41であり、第2層は真空室
の圧力が1.33e〜2Paになるように酸素ガスを導
入して、78nmの膜厚に成膜されたSiO2膜42で
あり、第3層は第1層のTi2 O3 膜41と同様の方法
で51nmの膜厚に成膜されたTi2 O3 膜43であ
り、第4層は第2層のSiO2 膜42と同様の方法で8
0nmの膜厚に成膜されたSiO2 膜44であり、第5
層は第1層のTi2 O3 膜41と同様の方法で89nm
の膜厚に成膜されたTi2 O3 膜45である。
【0028】各層の薄膜41〜45の成膜はいずれも所
定の蒸発源を電子ビーム加熱法によって加熱し、基体B
4 は無加熱で行なわれ、また、膜厚制御には単色光によ
る反射率測光法を採用した。このようにして得られた反
射防止膜40の分光反射率を測定した結果を図8に示
す。
定の蒸発源を電子ビーム加熱法によって加熱し、基体B
4 は無加熱で行なわれ、また、膜厚制御には単色光によ
る反射率測光法を採用した。このようにして得られた反
射防止膜40の分光反射率を測定した結果を図8に示
す。
【0029】本実施例によるハーフミラー40は、可視
域全域の平均反射率が約50%であり、温度70℃湿度
85%の高温高湿耐久槽に100時間放置したうえで粘
着テープによる密着性のテストを実施したところ、基体
に対する密着性は良好であり、耐久性にすぐれたハーフ
ミラーであることが判明した。
域全域の平均反射率が約50%であり、温度70℃湿度
85%の高温高湿耐久槽に100時間放置したうえで粘
着テープによる密着性のテストを実施したところ、基体
に対する密着性は良好であり、耐久性にすぐれたハーフ
ミラーであることが判明した。
【0030】比較のために図9に示すハーフミラー50
を製作してその分光反射率を測定した。図9のハーフミ
ラー50は、ポリカーボネイトとポリスチレンの混合物
を平板角形状に射出成形した基体B5 と、その表面に真
空蒸着法により成膜された6層の薄膜からなり、第1層
は真空室の圧力が1.33e〜2Paになるように酸素
ガスを導入して5nmの膜厚に成膜したSiO膜51、
第2層は真空室の圧力を1.33e〜2Paに制御して
136nmの膜厚に成膜したTi2 O3 膜52、第3層
は真空室の圧力が1.33e〜2Paになるように酸素
ガスを導入して75nmの膜厚に成膜したSiO2 膜5
3、第4層は第2層のTi2 O3 膜52と同様の方法で
51nmの膜厚に成膜されたTi2 O3 膜54、第5層
は第3層のSiO2 膜53と同様の方法で80nmの膜
厚に成膜されたSiO2 膜55、第6層は第2層のTi
2 O3 膜52と同様の方法で89nmの膜厚に成膜され
たTi2 O3 膜56であり、第1層のSiO膜51の成
膜は蒸発源を抵抗加熱法で加熱し、残りの薄膜52〜5
6の成膜はいずれも蒸発源を電子ビーム加熱法によって
加熱することによって行なわれた。
を製作してその分光反射率を測定した。図9のハーフミ
ラー50は、ポリカーボネイトとポリスチレンの混合物
を平板角形状に射出成形した基体B5 と、その表面に真
空蒸着法により成膜された6層の薄膜からなり、第1層
は真空室の圧力が1.33e〜2Paになるように酸素
ガスを導入して5nmの膜厚に成膜したSiO膜51、
第2層は真空室の圧力を1.33e〜2Paに制御して
136nmの膜厚に成膜したTi2 O3 膜52、第3層
は真空室の圧力が1.33e〜2Paになるように酸素
ガスを導入して75nmの膜厚に成膜したSiO2 膜5
3、第4層は第2層のTi2 O3 膜52と同様の方法で
51nmの膜厚に成膜されたTi2 O3 膜54、第5層
は第3層のSiO2 膜53と同様の方法で80nmの膜
厚に成膜されたSiO2 膜55、第6層は第2層のTi
2 O3 膜52と同様の方法で89nmの膜厚に成膜され
たTi2 O3 膜56であり、第1層のSiO膜51の成
膜は蒸発源を抵抗加熱法で加熱し、残りの薄膜52〜5
6の成膜はいずれも蒸発源を電子ビーム加熱法によって
加熱することによって行なわれた。
【0031】また、このようにして得られたハーフミラ
ー50の分光反射率を測定した結果を図10に示す。ハ
ーフミラー50は、可視域全域で平均反射率が50%と
なるものの、温度70℃湿度85%の高温高湿耐久槽に
100時間放置したうえで、粘着テープによる密着性の
テストを実施したところ、基体から膜が剥離した。これ
は、基体50に接触する第1層がチタン酸化物に比べて
密着性の低いSiO膜51であることに起因すると考え
られる。
ー50の分光反射率を測定した結果を図10に示す。ハ
ーフミラー50は、可視域全域で平均反射率が50%と
なるものの、温度70℃湿度85%の高温高湿耐久槽に
100時間放置したうえで、粘着テープによる密着性の
テストを実施したところ、基体から膜が剥離した。これ
は、基体50に接触する第1層がチタン酸化物に比べて
密着性の低いSiO膜51であることに起因すると考え
られる。
【0032】図11は第4実施例による光学薄膜である
ハーフミラー60を示すもので、これは、ポリカーボネ
イトを平板角形状に射出成形した基体B6 と、その表面
に真空蒸着法により成膜された6層の薄膜からなり、第
1層は真空室を1.33e〜2Paの圧力に制御して1
23nmの膜厚に成膜されたTiO膜61、第2層は真
空室の圧力が1.33e〜2Paになるように酸素ガス
を導入して、81nmの膜厚に成膜されたSiOx膜6
2、第3層は第1層のTiO膜61と同様の方法で54
nmの膜厚に成膜されたTiO膜63、第4層は第2層
のSiOx膜62と同様の方法で86nmの膜厚に成膜
されたSiOx膜64、第5層は第1層のTiO膜61
と同様の方法で膜厚59nmに成膜されたTiO膜6
5、第6層は第2層のSiOx膜62と同様の方法で5
7nmの膜厚に成膜された珪素酸化物膜であるSiOx
膜66である。
ハーフミラー60を示すもので、これは、ポリカーボネ
イトを平板角形状に射出成形した基体B6 と、その表面
に真空蒸着法により成膜された6層の薄膜からなり、第
1層は真空室を1.33e〜2Paの圧力に制御して1
23nmの膜厚に成膜されたTiO膜61、第2層は真
空室の圧力が1.33e〜2Paになるように酸素ガス
を導入して、81nmの膜厚に成膜されたSiOx膜6
2、第3層は第1層のTiO膜61と同様の方法で54
nmの膜厚に成膜されたTiO膜63、第4層は第2層
のSiOx膜62と同様の方法で86nmの膜厚に成膜
されたSiOx膜64、第5層は第1層のTiO膜61
と同様の方法で膜厚59nmに成膜されたTiO膜6
5、第6層は第2層のSiOx膜62と同様の方法で5
7nmの膜厚に成膜された珪素酸化物膜であるSiOx
膜66である。
【0033】各層の薄膜61〜66の成膜は所定の蒸発
源を抵抗加熱法によって加熱して行なわれ、また、各層
の膜厚は、単色光による反射率測光法により制御した。
このようにして得られたハーフミラー60の分光反射率
を測定した結果を図12に示す。本実施例によるハーフ
ミラー60は、可視域全域の平均反射率が45%とな
る。また、温度70℃湿度85%の高温高湿耐久槽に1
00時間放置したうえで粘着テープによる密着性のテス
トを実施したところ、基体に対する密着性は良好であっ
た。さらに、メタノールとエーテルの混合液をレンズク
リーニングペーパーに浸して500gの加重をかけて表
面を50往復擦ったが、ハーフミラーの表面には傷や膜
剥離といった変化も認められず、機械的刺激に対する耐
久性も充分であることが判明した。
源を抵抗加熱法によって加熱して行なわれ、また、各層
の膜厚は、単色光による反射率測光法により制御した。
このようにして得られたハーフミラー60の分光反射率
を測定した結果を図12に示す。本実施例によるハーフ
ミラー60は、可視域全域の平均反射率が45%とな
る。また、温度70℃湿度85%の高温高湿耐久槽に1
00時間放置したうえで粘着テープによる密着性のテス
トを実施したところ、基体に対する密着性は良好であっ
た。さらに、メタノールとエーテルの混合液をレンズク
リーニングペーパーに浸して500gの加重をかけて表
面を50往復擦ったが、ハーフミラーの表面には傷や膜
剥離といった変化も認められず、機械的刺激に対する耐
久性も充分であることが判明した。
【0034】比較のために本実施例のハーフミラーと同
様のハーフミラーをアクリル基板に形成し、温度70℃
湿度85%の高温高湿耐久槽に100時間放置したうえ
で、粘着テープによる密着性のテストを実施したとこ
ろ、基板より膜が剥離しているのが観察された。アクリ
ル基板に対してはチタン酸化物が良好な密着性を持たな
いためと推察される。
様のハーフミラーをアクリル基板に形成し、温度70℃
湿度85%の高温高湿耐久槽に100時間放置したうえ
で、粘着テープによる密着性のテストを実施したとこ
ろ、基板より膜が剥離しているのが観察された。アクリ
ル基板に対してはチタン酸化物が良好な密着性を持たな
いためと推察される。
【0035】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載するような効果を奏する。
で、次に記載するような効果を奏する。
【0036】ポリカーボネイトを含有する合成樹脂の基
体に対して高い密着性を有し、耐環境性も充分であって
しかも安価な反射防止膜やハーフミラー等の光学薄膜を
実現できる。
体に対して高い密着性を有し、耐環境性も充分であって
しかも安価な反射防止膜やハーフミラー等の光学薄膜を
実現できる。
【0037】このような合成樹脂製光学部品を用いるこ
とで、各種光学機器の軽量化や低コスト化を大きく促進
できる。
とで、各種光学機器の軽量化や低コスト化を大きく促進
できる。
【図1】第1実施例による反射防止膜の膜構成を示す図
である。
である。
【図2】図1の反射防止膜の分光反射率を測定した結果
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図3】第1実施例の一比較例の膜構成を示す図であ
る。
る。
【図4】図3の反射防止膜の分光反射率を測定した結果
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図5】第2実施例による反射防止膜の膜構成を示す図
である。
である。
【図6】図5の反射防止膜の分光反射率を測定した結果
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図7】第3実施例によるハーフミラーの膜構成を示す
図である。
図である。
【図8】図7のハーフミラーの分光反射率を測定した結
果を示すグラフである。
果を示すグラフである。
【図9】第3実施例の一比較例の膜構成を示す図であ
る。
る。
【図10】図9のハーフミラーの分光反射率を測定した
結果を示すグラフである。
結果を示すグラフである。
【図11】第4実施例によるハーフミラーの膜構成を示
す図である。
す図である。
【図12】図12のハーフミラーの分光反射率を測定し
た結果を示すグラフである。
た結果を示すグラフである。
11,13,15,22,24,61,63,65
TiO膜 12,21,51 SiO膜 14,16,23,25,32,34,36,42,4
4,53,55 SiO2 膜 31,33,35 チタン酸化物膜 41,43,45,52,54,56 Ti2 O3 膜 62,64,66 SiOx膜
TiO膜 12,21,51 SiO膜 14,16,23,25,32,34,36,42,4
4,53,55 SiO2 膜 31,33,35 チタン酸化物膜 41,43,45,52,54,56 Ti2 O3 膜 62,64,66 SiOx膜
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリカーボネイトを含有する基体に積層
された複数層の薄膜からなる多層膜を有し、前記複数層
の薄膜のうちで、前記基体に接する第1層がチタン酸化
物膜であることを特徴とする光学薄膜。 - 【請求項2】 基体の表面から最も遠い最終層が珪素酸
化物膜であることを特徴とする請求項1記載の光学薄
膜。 - 【請求項3】 多層膜が反射防止膜であることを特徴と
する請求項1または2記載の光学薄膜。 - 【請求項4】 多層膜がハーフミラーであることを特徴
とする請求項1または2記載の光学薄膜。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7067031A JPH08240701A (ja) | 1995-03-01 | 1995-03-01 | 光学薄膜 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7067031A JPH08240701A (ja) | 1995-03-01 | 1995-03-01 | 光学薄膜 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08240701A true JPH08240701A (ja) | 1996-09-17 |
Family
ID=13333111
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7067031A Pending JPH08240701A (ja) | 1995-03-01 | 1995-03-01 | 光学薄膜 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08240701A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006058854A (ja) * | 2004-07-20 | 2006-03-02 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 吸収型多層膜ndフィルター |
| JP2009282088A (ja) * | 2008-05-20 | 2009-12-03 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 吸収型多層膜ndフィルタ及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-03-01 JP JP7067031A patent/JPH08240701A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006058854A (ja) * | 2004-07-20 | 2006-03-02 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 吸収型多層膜ndフィルター |
| JP2009282088A (ja) * | 2008-05-20 | 2009-12-03 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 吸収型多層膜ndフィルタ及びその製造方法 |
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