JPH08241634A - 化合物系超電導線 - Google Patents

化合物系超電導線

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JPH08241634A
JPH08241634A JP7045283A JP4528395A JPH08241634A JP H08241634 A JPH08241634 A JP H08241634A JP 7045283 A JP7045283 A JP 7045283A JP 4528395 A JP4528395 A JP 4528395A JP H08241634 A JPH08241634 A JP H08241634A
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JP
Japan
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superconducting wire
filament
compound
region
diameter
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JP7045283A
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English (en)
Inventor
Kazuya Daimatsu
一也 大松
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分な臨界電流を有しかつ交流損失の小さな
交流用超電導線を提供する。 【構成】 超電導線の断面構造において、常電導の母相
を含む第1領域(2,3,4;12)とその母相に埋込
まれた複数のフィラメントを含む第2領域(1;11)
とを含み、母相は1×10-7Ωm以上の抵抗率の高抵抗
領域(3;12)を含み、フィラメントの各々は0.5
μm以下の直径を有し少なくとも一部が超電導性のA1
5型化合物にされており、フィラメントの各々の間には
少なくとも高抵抗領域(3;12)が介在していること
を特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導トランス,超電
導発電機,超電導限流器などの電力応用分野で使用され
る超電導線材に関し、特に、化合物系超電導線の改善に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】超電導分路リアクトルや超電導変圧器な
どに用いられる超電導線として、交流損失の低減のため
に、1μm以下の直径のNbTi超電導フィラメントを
複数本含む超電導線が実用されつつある。NbTi超電
導線の具体例として、常電導の母相中に約0.1〜0.
2μmの直径のNbTi超電導フィラメントを複数本含
みかつ0.2mmの線径を有する超電導素線の7本を1
次撚りし、その1次撚り線の7本を2次撚りした2次撚
り線が開発されており、このような2次撚り線は1kA
級の交流臨界電流値を有し得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、NbTi系
の超電導線材の場合には、フィラメント径の低減ととも
に、交流損失は0.5Tの磁界と50Hzの交流の条件
の下において数10kW/m3 のレベルまで低減できる
が、臨界磁界や臨界温度が低下するので、線材の交流臨
界電流値は交流通電時の発熱や素線間の相対的な動きに
起因して直流の臨界電流値と比べて約50%程度低下す
るという問題があり、この問題は1kAを超える交流臨
界電流値を有する実用的な交流用線材の開発のネックと
なっている。
【0004】この問題を解決するために、Nb3 Sn化
合物系超電導線材の開発が進められており、たとえば、
常電導の母相中に約0.5μmの直径のNb3 Sn超電
導フィラメントを複数本含む超電導素線が開発されてい
る。0.2mmの直径を有するこの超電導素線の7本を
1次撚りし、その1次撚り線の7本を2次撚りした2次
撚り線は2kA級の交流臨界電流を有し得る。しかし、
そのようなNb3 Sn系2次撚り線の交流損失は0.5
Tの磁界と50Hzの交流の条件の下で200〜400
kW/m3 であり、200kW/m3 以下の交流損失を
有する実用的な超電導線材は未だ開発されていない。限
流器や交流発電機などへ超電導線材を用いるためには、
交流損失が100kW/m3 以下であることが望まれ、
さらには数10kW/m3 以下であることが好ましい。
【0005】以上のような先行技術の課題に鑑み、本発
明は、NbTi系超電導線材で達成できないようなコン
パクトな構成で高い電流密度を有し、かつNbTi系線
材で達成されているのと同等な低い交流損失を有する超
電導線材であって、kA級の臨界電流を有する実用規模
の化合物系交流用超電導線材を提供することを目的とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による化合物系超
電導線は、超電導線の横断面構造において、常電導の母
相を含む第1領域とその母相に埋込まれた複数のフィラ
メントを含む第2領域とを含み、母相は1×10-7Ωm
以上の抵抗率を有する高抵抗領域を含み、フィラメント
の各々は0.5μm以下の直径を有し少なくとも一部が
超電導性のA15型化合物にされており、フィラメント
の各々の間には少なくとも高抵抗領域が介在しているこ
とを特徴としている。
【0007】超電導線は、A15型化合物を構成する少
なくとも1つのA15型化合元素を含む第3領域をさら
に含み、その第3領域に含まれるA15型化合元素は母
相を介してフィラメントと拡散反応を起こし得る。
【0008】フィラメントはNbとNb合金とのいずれ
かを含み、高抵抗領域はCu合金であることが好まし
い。
【0009】Nb合金は、Ti,Ta,Zr,およびH
fから選択された少なくとも1つを含み得る。
【0010】高抵抗領域のCu合金は、Ni,Mn,S
i,V,およびSnから選択された少なくとも1つを含
み得る。
【0011】第3領域に含まれるA15型化合元素とし
て、Sn,Al,Si,およびGeから少なくとも1つ
を選択し得る。
【0012】母相内において、高抵抗領域とフィラメン
トとの間にCuの領域をさらに含んでもよい。
【0013】母相は、フィラメントの外周上に順次積層
された第1,第2,および第3の被覆層を含んでもよ
く、第1と第3の被覆層はCuであり、第2の被覆層は
高抵抗領域であり得る。
【0014】フィラメントの各々は、その直径の1〜5
倍の範囲内の距離で互いに隔てられていることが望まし
い。
【0015】また、フィラメントの各々は、0.2〜
2.0μmの範囲内の距離で互いに隔てられていること
も望ましい。
【0016】第3領域のA15型化合元素としてSnを
含む場合は、超電導線は500〜700℃の範囲内の温
度で熱処理されたものであることが好ましい。
【0017】第3領域に含まれるA15型化合元素がA
lの場合、超電導線は700〜900℃の範囲内の温度
で熱処理されたものであることが好ましい。
【0018】
【作用】本発明による化合物系超電導線においては、
0.5μm以下の直径を有し少なくとも一部が超電導性
のA15型化合物にされたフィラメントが1×10-7Ω
m以上の抵抗率の高抵抗層によって仕切られているの
で、交流損失が小さくなるという最も重要な特徴を生じ
得る。このA15型化合物超電導フィラメントは、A1
5型化合物の主要元素を含む金属フィラメントとその金
属フィラメントと化合してA15型化合物を形成するた
めのA15型化合元素が高抵抗層を含む母相を介して拡
散反応することによって形成され得る。
【0019】従来では、A15型化合物超電導フィラメ
ントは、いわゆる内部拡散法またはブロンズ法などによ
って形成されている。すなわち、従来の内部拡散法にお
いては、低抵抗率(3.4×10-10 Ωm)のCu母相
を介して、たとえばNbフィラメントとA15型化合元
素のSnとを拡散反応させることによってA15型超電
導フィラメントが形成される。また、ブロンズ法におい
ては、Nbフィラメントと5wt%以下のSnを含むC
u−Sn合金の母相(8.6×10-8Ωm以下の抵抗
率)とを反応させることによってA15型超電導フィラ
メントが形成される。したがって、CuまたはCu−S
nの母相の比抵抗が低いので、交流損失の原因となる特
にヒステリシス損失は、拡散反応によるフィラメント径
の増大の割合に比べて非常に大きくなるという問題があ
る。
【0020】しかし、本発明においては、フィラメント
径が0.5μm以下に低減されれば、母相がたとえば高
濃度のNiを含む高抵抗層を含んでも、その母相を介し
て金属フィラメントとA15型化合元素とを拡散反応さ
せてA15型化合物超電導フィラメントが形成され得る
ことが見出された。このように、超電導フィラメントが
細いことと母相が1×10-7Ωm以上の高抵抗層を含む
ことによって、超電導フィラメント間の電磁的な結合
(近接効果)が抑制されて交流損失の低い交流用超電導
線を得ることが可能となる。
【0021】より具体的には、金属フィラメントとし
て、NbまたはNb合金を用いることができ、母相はC
u合金層またはCu/Cu合金の複合層,またはCu/
Cu合金/Cuの複合層を含むことができる。たとえ
ば、金属フィラメントとしてNbを用い、母相としてC
u−Ni合金を用い、そしてA15型化合元素としてS
nを用いることによって本発明による超電導線を得るこ
とができる。
【0022】上述の先行技術による内部拡散法は本発明
による超電導線を得る方法に類似しているが、従来の内
部拡散法では本発明で用いられ得るCu−Ni合金のよ
うな1×10-7Ωm以上の高抵抗層を母相が含んでいな
いので、フィラメント間の電磁的結合が生じて、フィラ
メント径を小さくしても交流損失を低減することができ
ない。従来の内部拡散法においてCu−Ni合金を含む
母相が用いられなかったのは、NbとNiはNb3 Sn
が形成される約600〜700℃の温度範囲でNb3
nの生成より優先して反応してしまうというのが理由で
あった。
【0023】本発明においては、フィラメント径とフィ
ラメント間隔(フィラメント間の隙間)との双方を0.
5μm以下にすることによって、Nb3 Snの生成反応
がNbとNiとの反応より優先され得ることが見出され
た。このとき、熱処理温度が高くなれば、Nbフィラメ
ントの界面にCu層を配置し、そのCu層の周囲をCu
−Ni合金層で囲むことが好ましい。また、Snの拡散
媒体にはCuが適しているので、NbフィラメントはC
u/Cu−Ni/Cu複合層で囲まれることが最も好ま
しい。すなわち、Cuをベースとする合金の高抵抗層を
含む母相を介してNbフィラメントとSnとを拡散反応
させる熱処理条件を最適化することにより、臨界電流が
高くかつ交流損失が低い超電導線材を得ることが可能と
なる。
【0024】また、超電導線における近接効果は、フィ
ラメントの相互間隔をそれらのフィラメント径の1倍以
上にするか、または0.2μm以上にすることによって
抑制することができる。
【0025】さらに、超電導線における交流損失は、フ
ィラメントの相互間隔がフィラメント径の5倍以下また
は2μm以下にすることによって、十分な臨界電流値を
確保しつつ交流損失を低減することができる。しかし、
フィラメント間隔が5倍を超えるかまたは2ミクロンを
超えて大きくなれば、超電導線における電流密度の大幅
な低下を招くので好ましくない。
【0026】なお、本発明は、Nb3 Sn系超電導線の
みならず、Nb3 Al系のように他のA15型化合物系
超電導線にも適用し得ることは言うまでもない。
【0027】
【実施例】
【0028】
【表1】
【0029】表1は、Nb3 Sn系の種々の超電導線に
おける臨界電流Ic(A)と交流損失(kW/m3 )を
示している。なお、本明細書において、臨界電流と交流
損失は、いずれの場合にも4.2Kの温度,0.5Tの
磁界,および50Hzの交流の条件の下で測定されてい
る。
【0030】まず、図1を参照しつつ、表1中の試料1
の製造方法を説明する。フィラメント用の素材として、
10mmの直径を有するNb−1at%Taのロッド1
が、15mmの外径と12mmの内径を有するCuパイ
プ2内に挿入され、そのCuパイプ2の外径が13mm
になるまでダイスによって引抜き加工された。引抜き加
工されたNb−1at%Taロッド1とCuパイプ2
は、18mmの外径と14mmの内径を有する高抵抗の
Cu−30wt%Niパイプ3に挿入されて、Cu−3
0wt%Niパイプ3の外径が16mmになるまで引抜
き加工された。引抜き加工されたNb−1at%Taロ
ッド1,Cuパイプ2,およびCu−30wt%Niパ
イプ3はさらに、19mmの外径と17mmの内径を有
するCuパイプ4に挿入され、Cuパイプ4の外径が1
8mmになるまで引抜き加工された。この単一のフィラ
メント用素材を含む複合ロッドは、対辺の距離が4mm
である六角形の断面のロッドになるようにさらに引抜き
加工された。
【0031】その後、この六角形の断面を有する320
本のロッドが、110mmの外径と80mmの内径を有
する円筒状のCuビレット5内に挿入されて1次スタッ
クA1にされ、この1次スタックA1は一昼夜の間真空
排気された後に両端部を封止するために電子ビーム溶接
された。電子ビーム溶接によって封止された1次スタッ
クA1は外径が50mmになるまで熱間押出しされ、そ
の後に外径が4.6mmになるまで引抜き加工された。
この段階の1次スタックの状態において、フィラメント
1の直径とフィラメント間の間隔(隙間)は1:1.6
であった。
【0032】1次スタックA1とは別に、Snの中央部
6とCuの外周部7とを含むSn−Cu複合ロッドが用
意された。このSn−Cu複合ロッドは4.6mmの外
径を有し、SnとCuとの断面積比は9:1であった。
【0033】17mmの外径と14mmの内径を有する
Cuパイプ8内において、芯材としてのSn−Cu複合
ロッドとその周囲に配置された6本の1次スタックA1
とが挿入されて2次スタックB1にされ、この2次スタ
ックB1は外径が2.3mmになるまで引抜き加工され
た。
【0034】引抜き加工された19本の2次スタックB
1を含む束が、0.2mmの厚さを有するTaシートの
2層によって巻かれた後に、19mmの外径と16mm
の内径を有するCu−30wt%Niパイプ10内に挿
入されて3次スタックC1が形成された。この3次スタ
ックC1は、0.3〜0.1mmの外径(試料1(A)
〜1(C)に対応する外径)になるまで伸線加工され
た。
【0035】Taシートは、3次スタックのCu−30
wt%Ni外皮10へSnが拡散して内部のSn濃度が
低下することを防止するためのSn拡散防止バリアであ
る。3.5×10-7Ωmの高い抵抗率を有するCu−3
0wt%Niの外皮10は、通電容量の増大のための撚
り線における素線間の電磁結合損失の防止を目的として
いる。
【0036】試料2〜4は、試料1と同様な方法で作製
されているが、フィラメント周囲の常電導層が変えられ
ている。なお、試料4は本発明による試料1〜3に対す
る比較のための試料であり、フィラメント周囲の常電導
層がCu−30wt%Niの高抵抗層(3.5×10-7
Ωmの抵抗率)を含んでいない。
【0037】0.3〜0.1μmの外径まで線引きされ
た超電導素線は、600℃において50時間熱処理され
た。そのように熱処理された超電導素線は、4.2kの
温度で0.5Tの磁界と50Hzの交流の下において臨
界電流と交流損失が測定された。
【0038】表1からわかるように、同一の素線径の条
件の下に比較すれば、本発明による試料1〜3において
は、比較試料4と比べれば臨界電流はほぼ同等である
が、交流損失は1桁小さくなっている。
【0039】比較試料4においては、フィラメント間隔
が0.34μmの場合に既に大きな交流損失が認めら
る。さらに、フィラメント間隔が0.11μmになれば
交流損失が急激に増大しており、電磁的結合(近接効
果)が発生していることが明らかである。
【0040】これに対して、本発明による試料1〜3に
おいては、交流損失はフィラメント径の低減とともに減
少し、近接効果が顕在化していないことがわかる。しか
し、フィラメント間隔が0.22μmから0.11μm
に減少した場合の交流損失の減少割合は、フィラメント
間隔が0.34μmから0.22μmに減少した場合の
交流損失の減少割合に比べてかなり小さくなっている。
すなわち、フィラメント間隔が0.2μmより小さくな
れば若干の近接効果の発生が推定されるので、フィラメ
ント間隔を0.2μm未満にしても交流損失の効率的な
改善が得られず、したがって0.2μm以上のフィラメ
ント間隔が好ましいことがわかる。
【0041】
【表2】
【0042】表2は、Nb3 Al系の種々の超電導線に
おける臨界電流と交流損失を示している。
【0043】まず、図2を参照しつつ試料5の作製方法
を説明する。フィラメント用の素材として10mmの直
径を有する99.9%純度のNbロッド11が、18m
mの外径と12mmの内径を有する高抵抗のCu−0.
7wt%Mnパイプ12内に挿入され、そのCu−0.
7wt%Mnパイプ12の外径が16mmになるまで引
抜き加工された。なお、Cu−0.7wt%Mnは1.
5×10-7Ωmの抵抗率を有している。このNb/Cu
−Mn単芯複合線はさらに、対辺の距離が4mmの六角
形断面のロッドになるように引抜き加工された。六角形
断面のロッドの320本が、110mmの外径と80m
mの内径を有する円筒状のCuビレット13内に挿入さ
れて1次スタックA2にされ、その1次スタックA2は
一昼夜の間真空排気された後に両端部を封止するために
電子ビーム溶接された。封止された1次スタックA2は
外径が50mmになるまで熱間押出しされ、その後に外
径が4.6mmになるまで引抜き加工された。この段階
で、フィラメント11の断面直径とフィラメント間隔と
の比率は1:1.2であった。
【0044】1次スタックA2とは別に、4.6mmの
外径を有する99.99%純度のAlロッド14が用意
された。16mmの外径と14mmの内径を有するTa
パイプ15内においてAlロッド14を芯材としてその
周囲に6本の1次スタックA2が配置され、そのTaパ
イプ15はさらに、19mmの外径と17mmの内径を
有するCuパイプ16内に挿入されて、2次スタックB
2が形成された。2次スタックB2は、外径が2.3m
mになるまで引抜き加工された。
【0045】引抜き加工された19本の2次スタックB
2が、19mmの外径と16mmの内径を有するCuパ
イプ17内に挿入されて、3次スタックC2が形成され
た。この3次スタックC2は、外径が0.5〜0.1m
m(試料5(A)〜5(E)に対応する外径)になるま
で伸線加工された。
【0046】2次スタックにおいて用いられたTaパイ
プ15は、安定化材としての役目を果たす2次スタック
のCu外皮16と3次スタックのCu外皮17がAlの
拡散によって汚染されることを防止するとともに、内部
のAl濃度が減少してフィラメント11中のNb3 Al
の生成度合いが低下することを防止するための拡散防止
バリア材としての役目を果たす。
【0047】試料6と試料7は、試料5と同様な方法で
作製されているが、フィラメント11の材質がNb−1
at%Tiに変更されている。さらに、試料7において
は、フィラメント11の間隔がフィラメント径に対して
1.0未満の0.8の割合にされている。
【0048】伸線加工された3次スタックは、800℃
において10時間熱処理された後に、表1の場合と同様
に臨界電流と交流損失が測定された。
【0049】表2から明らかなように、試料5と試料6
は優れた臨界電流値と小さな交流損失を示している。交
流損失はNb3 Sn系線材の場合と同様にフィラメント
径の低減とともに減少しており、フィラメント相互間の
電磁的結合(近接効果)が顕在化されていないことがわ
かる。一方、フィラメント間隔が狭くてフィラメント径
の0.8倍である試料7(B)と7(C)における交流
損失は、それぞれ試料5(D)と5(E)および試料6
(B)と6(C)に比べて約2倍の値を示している。こ
のことから、フィラメント間隔はフィラメント径の1倍
以上であることが望まれる。しかし、フィラメント間隔
が0.24μmである試料7(A)においては、交流損
失が試料5(C)および6(A)とほぼ同等である。す
なわち、フィラメント間隔が0.2μm以上であれば、
その間隔がフィラメント径の1倍以下であっても、交流
損失が好ましく小さくなり得ることがわかる。
【0050】試料5(A)は比較的大きな0.5μmの
フィラメント径を有しており、交流損失が比較的大きな
100kW/m3 になっている。したがって、フィラメ
ント径が0.5μmを超えることは好ましくないことが
わかる。
【0051】
【表3】
【0052】表3は、表1中の試料1(B)と表2中の
試料5(D)において熱処理条件が臨界電流と交流損失
に及ぼす影響を示している。
【0053】表3から明らかなように、Nb3 Sn系の
超電導線では、十分な臨界電流を得るためには熱処理温
度が500℃以上であることが望まれ、交流損失を十分
小さくするためには熱処理温度が700℃以下であるこ
とが望まれることがわかる。500℃未満の熱処理温度
では十分な臨界電流が得られない理由としては、フィラ
メント1内にNb3 Snが十分に形成されないためであ
ると考えられる。他方、熱処理温度が700℃を超えれ
ば交流損失が大きくなる理由としては、近接効果が発生
するためであると考えられる。
【0054】Nb3 Al系の線材である試料5(D)に
おいては、十分な臨界電流を得るためには熱処理温度が
700〜900℃であることが望ましく、交流損失を十
分に小さくするためには熱処理温度が900℃以下であ
ることが望ましい。これは、熱処理温度が700℃未満
ではフィラメント11中のNb3 Alの生成が不十分と
なり、熱処理温度が900℃を超えればA15型化合物
の結晶粒の肥大化によって臨界電流が減少するからであ
る。このA15型結晶粒の肥大化に伴って、交流損失も
急激に増大する。
【0055】なお、以上の実施例において、金属フィラ
メントの材質として純Nb,Nb−Ta合金,およびN
b−Ti合金が例示されたが、ZrまたはHfを含むN
b合金をも同様に用いることができる。
【0056】また、Nbと化合してA15型化合物を生
成するA15型化合元素としてSnとAlが例示した
が、SiまたはGeをも同様に用いることができる。
【0057】さらに、母相中の高抵抗層の材質としてC
u−Ni合金およびCu−Mn合金が例示されたが、S
i,V,またはSnを含むCu合金をも同様に用いるこ
とができる。ここで、従来のブロンズ法では、母相のブ
ロンズを引抜き加工する必要があったので5wt%以下
のSnを含むCu−Sn合金(8.6×10-8Ωm以下
の抵抗率を有する)を用いる必要があったが、本発明に
おいては、引抜加工後の熱処理によってCu−Sn合金
の濃度を8wt%以上(1.1×10-7Ωm以上の抵抗
率を有する)に高めることが可能である。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、超電導
線は直径0.5μm以下のA15型化合物系超電導フィ
ラメントが1×10-7Ωmの抵抗率の高抵抗層で仕切ら
れた構造を有しているので、十分な臨界電流を有しかつ
交流損失の小さな超電導線を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超電導線の製造方法の一例を説明
するための断面図である。
【図2】本発明による超電導線の製造方法のもう1つの
例を説明するための断面図である。
【符号の説明】
A1,A2 1次スタック B1,B2 2次スタック C1,C2 3次スタック 1 超電導用フィラメント 2,4 Cuパイプ 3 Cu−30wt%Niパイプ 5 1次スタックAlのCu外皮 6 Snロッド 7 Cu外皮 8 2次スタックB1のCu外皮 9 Ta層 10 3次スタックC1のCu−30wt%Ni外皮 11 超電導用フィラメント 12 Cuパイプ 13 1次スタックA2のCu外皮 14 Alロッド 15 Taパイプ 16 2次スタックB2のCu外皮 17 3次スタックC2のCu外皮

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導線の横断面構造において、超電導
    線の母相を含む第1領域と前記母相に埋込まれた複数の
    フィラメントを含む第2領域とを含み、 前記母相は1×10-7Ωm以上の抵抗率を有する高抵抗
    領域を含み、 前記フィラメントの各々は0.5μm以下の直径を有し
    少なくとも一部が超電導性のA15型化合物にされてお
    り、 前記フィラメントの各々の間には少なくとも前記高抵抗
    領域が介在していることを特徴とする化合物系超電導
    線。
  2. 【請求項2】 前記横断面構造において、前記A15型
    化合物を構成する少なくとも1つのA15型化合元素を
    含む第3領域をさらに含み、前記第3領域に含まれるA
    15型化合元素は前記母相を介して前記フィラメントと
    拡散反応を起こし得ることを特徴とする請求項1に記載
    の化合物系超電導線。
  3. 【請求項3】 前記フィラメントはNbとNb合金との
    いずれかを含み、前記高抵抗領域はCu合金であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の化合物系超電導
    線。
  4. 【請求項4】 前記Nb合金は、Ti,Ta,Zr,お
    よびHfから選択された少なくとも1つを含むことを特
    徴とする請求項3に記載の化合物系超電導線。
  5. 【請求項5】 前記Cu合金は、Ni,Mn,Si,
    V,およびSnから選択された少なくとも1つを含むこ
    とを特徴とする請求項3または4に記載の化合物系超電
    導線。
  6. 【請求項6】 前記第3領域は、Sn,Al,Si,お
    よびGeから選択された少なくとも1つのA15型化合
    元素を含むことを特徴とする請求項2ないし5のいずれ
    かの項に記載された化合物系超電導線。
  7. 【請求項7】 前記母相内において、前記高抵抗領域と
    前記フィラメントとの間にCuの領域をさらに含むこと
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれかの項に記載さ
    れた化合物系超電導線。
  8. 【請求項8】 前記母相は前記フィラメントの外周上に
    順次積層された第1,第2および第3の被覆層を含み、
    前記第1と第3の被覆層はCuであり、前記第2の被覆
    層は前記高抵抗領域であることを特徴とする請求項1な
    いし6のいずれかの項に記載された化合物系超電導線。
  9. 【請求項9】 前記フィラメントの各々は、その直径の
    1〜5倍の範囲内の距離で互いに隔てられていることを
    特徴とする請求項1ないし8のいずれかの項に記載され
    た化合物系超電導線。
  10. 【請求項10】 前記フィラメントの各々は、0.2〜
    2.0μmの範囲内の距離で互いに隔てられていること
    を特徴とする請求項1ないし9のいずれかの項に記載さ
    れた化合物系超電導線。
  11. 【請求項11】 前記第3領域はA15型化合元素とし
    てSnを含み、前記超電導線は500〜700℃の範囲
    内の温度で熱処理されたものであることを特徴とする請
    求項2ないし10のいずれかの項に記載された化合物系
    超電導線。
  12. 【請求項12】 前記第3領域は前記A15型化合元素
    としてAlを含み、前記超電導線は700〜900℃の
    範囲内の温度で熱処理されたものであることを特徴とす
    る請求項2ないし10のいずれかの項に記載された化合
    物系超電導線。
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