JPH08241717A - 二次電池 - Google Patents

二次電池

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JPH08241717A
JPH08241717A JP7085874A JP8587495A JPH08241717A JP H08241717 A JPH08241717 A JP H08241717A JP 7085874 A JP7085874 A JP 7085874A JP 8587495 A JP8587495 A JP 8587495A JP H08241717 A JPH08241717 A JP H08241717A
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lithium
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Toru Nagaura
亨 永浦
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HAIBARU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、非水電解液二次電池の安全性の
改善に関するものである。 【構成】 本発明ではリチウムマンガン酸化物(LiM
)を正極活物質とする非水電解液二次電池にお
いて、その負極材料として一般式LiA1−X
で示される化合物を使用する。負極活物質にLiA
1−Xを使用した場合は、充電後の開路電圧は
約2.7〜3Vとなり、平均放電電圧は2.4V以上で
作動できる。従来の炭素材料を負極活物質とするリチウ
ムイオン二次電池に比べて、電池電圧が適度に低くなる
ため、高温状態での安全性が高くなり、エネルギー密度
も180wh/l以上は確保されるので、安全性能と電
池性能がよくバランスした安価なリチウムイオン二次電
池が実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、非水電解液二次電池
の安全性の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化、軽量化が進められる
中、その電源として高エネルギー密度の二次電池の要望
がさらに強まっている。しかも既存の二次電池としては
これらの要望に辛うじて答えているのがニッケルカドミ
ウム二次電池であり、カドミウムにからむ環境問題等が
付きまとい、使用後の電池の回収等厄介な問題がある。
ニッケルカドミウム電池に代わる、無公害で、高性能な
二次電池の有力候補としては、非水電解液二次電池がも
っとも有望で、古くからその実用化が試みられてきた。
従来の水溶液系の電解液では金属亜鉛以上に卑な電位を
持つ物質は水を分解するため、負極活物質としては使用
できなかった。しかし非水電解液では最も卑な電位を持
つリチウム金属でも負極活物質として使用できるため、
非水電解液二次電池は素電池単位で電圧の高い電池が作
成可能となる。また正極活物質としても従来水溶液電解
液には溶解するために活物質としては使用できなかった
物質も、非水電解液には溶解しないものが多く、多くの
種類の物質が非水電解液電池の正極活物質候補となりう
る。既にこれまで主なものでも百種類を越える物質が非
水電解液二次電池用の活物質として検討された。しかし
微小容量のコイン型電池を除き、実用できる非水電解液
二次電池は出現しなかった。その理由は実用電池には電
気的特性だけでなく、その他に種々(例えば大きさや形
状、安全性、材料コスト、保存性能等)の必要欠くべか
らざる条件が要求され、何れかの特性や条件が致命的に
悪ければ実用電池とはならないからである。特に安全性
の確保は最優先されなければならない。実用可能な電池
は、いかなる公知の要素技術の組合せによって類推して
も、その完成の可否は類推不可能であり、結局、実用目
的に合致する大きさ、形で電池を作成し、実用可能か否
かの確認をする以外完成の道はない。特に実用化のため
の重要項目は安全性であり、安全性についての多くは理
論的に保証することの出来ない特性のひとつである。非
水電解液二次電池として、1990年以前に唯一実用化
が試みられたのは、金属リチウムを負極活物質とし、二
硫化モリブデンを正極活物質とする単3サイズの非水電
解液二次電池ただひとつであり、結局この電池は携帯電
話で使用中に発火するという事故を起こしてしまい、実
用化は断念されてしまった。ようやく最近になって、カ
ーボンへのリチウムイオンの出入りを利用するカーボン
電極を負極とする非水電解液二次電池が開発され、やっ
と非水電解液二次電池も実用化の段階に入った。この電
池は本発明者等によってリチウムイオン二次電池と名付
けて、1990年(雑誌Progress in Ba
tteries & Solar Cells,Vo
i.9.P.209)に初めて世の中に紹介されたもの
で、正極活物質にはリチウムイオンの離脱をともなって
電気化学的酸化還元反応が可能なリチウム含有化合物
(例えばLiCoOやLiMn等)を使用し、
負極には炭素質材料を使用する。この電池は充電するこ
とによって正極活物質中に含有されるリチウムイオンが
引き抜かれて、負極の炭素材料中にリチウムイオンが進
入(インタカレート)して蓄電される。炭素材料
(U.S.Pat.4,423,125参照)を非水電
解液電池の負極活物質とする提案やLiCoO(U.
S.Pat.4,302,518参照)あるいはLiM
(U.S.Pat.4,312,930参照)
を非水電解液電池の正極活物質とする提案は、個々には
何れも1980年代初めには既に提案れている公知の事
実であった。本発明者等による前記リチウムイオン二次
電池の実用化のポイントは個々の提案を合体し、実用目
的に合致する大きさ、形で電池を作成し、実用可能か否
かの確認をしたところにある。特に実用に対して充分な
安全性が確保されるかどうかが大きな確認事項であった
ことはいうまでもない。しかし正極活物質にLiCoO
を使用し、負極活物質に炭素材料を使用する前記リチ
ウムイオン二次電池は、まだ既存の電池の代替に成りえ
ないいくつかの問題が残されている。ひとつは電池価格
であり、もうひとつは安全性である。正極活物質とする
LiCoOがCoの資源的理由からきわめて高価な材
料であり電池価格を引き上げる。LiCoOに代わる
正極材料としてスピネル型リチウムマンガン酸化物(L
iMn)が提案されているが、容量的にはややL
iCoOより少なくなるので、まだ価格差以上に性能
重視の用途に限られたリチウムイオン二次電池の使用範
囲では歓迎されず、実用化にいたってはいない。さらに
現状のリチウムイオン二次電池はいかなる状況でも安全
と言うものではない。もし電池温度が150℃以上に達
すると、電池は激しく発熱して発煙したり、発火したり
する。従って、前記リチウムイオン二次電池の本発明者
らによる実用化は、内部ショートや外部短絡事故に際し
ても自己発熱により電池温度か150℃を越えない程度
の小型の電池(1〜1.5Ah以下)に限定して可能で
あったのである。前記リチウムイオン二次電池が高温で
発火するメカニズムは、最終的には充電状態にある正極
活物質が分解して電池容器内で多量の酸素を発生し、電
池内容物が燃焼すると考えられる。正極活物質にLiC
oOを使用した場合、充電状態の正極活物質は約半分
のリチウムが引き抜かれた状態(LiCoO、Y≒
0.5)になっていて、分解温度以上では(1)式のよ
うに分解すると考えられる。分解温度は約260℃であ
ると報告されている。 Li0.5CoO→0.5LiCoO+0.5CoO+0.25O・・ ・(1) 負極活物質として炭素材料を使用しているリチウムイオ
ン二次電池では、充電によって正極よりリチウムイオン
が引き抜かれ、負極活物質の炭素の層間にリチウムイオ
ンがインタカレートする。リチウムイオンがインタカレ
ートした炭素(LiC)は比較的安定な化合物ではあ
るが、やはり金属リチウムに近いかなり卑な単極電位を
もつだけに、かなり活性であり、基本的には電解液とも
反応する。しかし常温では電解液との反応生成物がカー
ボン表面を被い、これが電解液との反応を抑制する働き
をするため、常温ではなんとか安全に機能する。しかし
高温では電解液との反応は激しくなり、結局150℃以
上では熱暴走してしまうものと考えられる。こうして電
解液とLiCが反応して電池内温度がさらに上昇して
正極活物質の分解温度に達すれば、電池内は酸素で充満
され、電池内容物が燃焼して電池は発火するに至る。電
池内部の温度は取り出す電流が大きい場合には内部発熱
によってかなり上昇するので、現在のリチウムイオン二
次電池は大電流を取り出す用途には使用すべきではな
い。また大きいサイズのリチウムイオン二次電池はもし
内部ショートや外部短絡などの事故に際しては、ショー
ト電流は電池容量に比例して大きくなり、電池内発熱量
がおおくなり、電池内部温度が上昇するので危険であ
る。リチウムイオン二次電池をもっと安全な電池とする
ためには、まずは正極活物質としてその充電状態での分
解温度が高い材料が好ましい。正極活物質にスピネル型
リチウムマンガン酸化物(LiMn)を使用した
場合、充電状態では正極活物質中のリチウムはほぼ全量
が引き抜かれた状態(λMnO)になる。もちろんλ
MnOも分解温度以上ではやはり(2)式のように分
解すると考えられるが、分解温度は約460℃以上であ
ると報告されている。 λMnO→0.5Mn+0.25O・・・(2) 前述の価格的特徴に加えてLiMnはLiCoO
に比べその充電状態での分解温度が200℃も高く、
安全性の高いリチウムイオン二次電池の実現に好都合な
正極材料と言える。しかし実際正極活物質にLiMn
を使用し、負極に炭素材料を使用したリチウムイオ
ン二次電池でも、電池を押し潰したりした場合には発火
してしまう。このことは電池がいったん電解液とLiC
が反応するに十分な温度にまで上昇すると、熱暴走を
はじめ、電池内温度がさらに上昇して(2)式の分解温
度にまで達してしまうことになると考えられる。リチウ
ムイオン二次電池を安全な電池とするためには、負極活
物質と電解液の反応を阻止しなければ、たとえ分解温度
の高いリチウムマンガン酸化物を正極活物質に採用して
も、その効果が実際上現れにくい。従って既存の二次電
池の代替となりうる安価で、安全なリチウムイオン二次
電池の実現には、 1.正極材料としてリチウムマンガン酸化物等の安価な
材料をを使用し、 2.負極材料にはその充電状態での電極電位がLiC
よりももっと貴な電位である物質を使用することによっ
て、負極活物質と電解液の反応を阻止することが必要で
ある。 当然貴な負極電位は電池電圧を低くするため、安全性は
よくなっても、エネルギー密度は低下する。しかし、重
要なことは安全性とエネルギー密度をよくバランスする
ことであり、その達成にはリチウムマンガン酸化物と組
み合わせるべき新しい負極材料の発掘が重要な鍵であ
る。米国特許4,983、476には正極活物質として
LiCoO、LiFeO、LiMnO、LiCr
等のリチウム含有化合物を使用し、負極にはTiS
、VS、CdS、NbS、FeS等の遷移金
属の硫化物を使用する二次電池が提案さているが、電池
電圧は1〜1.2V程度となってしまい、エネルギー密
度は100wh/l以下となってしまう。これでは既存
の二次電池以下の値であり、エネルギー密度の点で満足
できるものではない。既存のニッケルカドミウム二次電
池のエネルギー密度は100〜150wh/lであり、
リチウムイオン二次電池に対して安全性の高さを強く要
求すれども、そのエネルギー密度は150wh/l以
上、好ましくは180wh/lを達成しなければ、既存
の電池の代替とはなりえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は既存の電池以
上のエネルギー密度を確保して、安全性が高く、且つ安
価な非水電解液二次電池を完成しようとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】課題解決の手段は、正極
の活物質材料にスピネル型リチウムマンガン酸化物を使
用し、一般式LiA1−X(但し、AはNi、
Co、Feの何れかであり、BはAと置換された3価の
イオンであり、0≦X≦0.5)で示されるリチウム含
有遷移金属複合酸化物を負極活物質として使用する。
【0005】
【作用】電池のエネルギー密度(wh/l)は電流容量
密度(Ah/l)と電池電圧(v)の積で与えられる。
正極にスピネル型リチウムマンガン酸化物を使用するリ
チウムイオン二次電池では、75〜85Ah/l程度の
電流容量密度が得られる。従って180wh/lのエネ
ルギー密度を持つリチウムイオン二次電池は、平均放電
電圧2.4V以上で作動する必要がある。また安全性を
向上すると言う点からは電池電圧は低いほうが好ましい
わけであるから、本発明者は電池電圧を2.4〜3.5
Vの範囲に目標を定め、種々の化合物について負極材料
としての可能性を鋭意検討した結果、層状構造をもつ一
般式LiA1−X(但し、AはNi、Co、F
eの何れかであり、BはAと置換された3価のイオンで
あり、0≦X≦0.5)で示されるリチウム含有遷移金
属複合酸化物が目的に合致する良好な負極材料となりう
ることを見いだし本発明に至った。層状構造をもつ一般
式LiA1−X(但し、AはNi、Co、Fe
の何れかであり、BはAと置換された3価のイオンであ
り、0≦X≦0.5)で示されるリチウム含有遷移金属
複合酸化物は、元来前述のリチウムイオン二次電池の正
極材料として近年盛んに研究されている材料であるが、
これを負極活物質として使用すると正極活物質としての
電極反応とはまったく異なる電気化学的反応がおこる。
負極活物質に層状構造の前記リチウム含有遷移金属複
合酸化物を使用し、正極活物質にスピネル型リチウムマ
ンガン酸化物(LiMn)を使用したリチウムイ
オン二次電池は充電後の開路電圧は約2.7〜3.0V
となり、平均放電電圧は2.4V以上で作動できる。層
状構造をもつ一般式LiA1−Xで示される化
合物の負極活物質としての電気化学的酸化還元反応の反
応機構は定かではないが、例えばLiNiOの場合、
次の(3)式で充放電が進行するものと考えられる。 一般式LiA1−Xで示される化合物が、負極
における充電状態で示す電極電位は、リチウムイオンが
ドープされた状態のカーボン材料の電極電位に比べる
と、相当(少なくとも1.0V以上)貴な電位であるた
め、電解液と反応することがなく、悪条件においても電
池自身の発熱によって電池内温度が正極活物質(λMn
)の分解温度(≒460℃)に達することが無いの
で、電池が発火するような好ましからざる事態を招くこ
とがなくなる。層状構造をもつ一般式LiA1−X
で示される化合物は基本的にはLiNiO、Li
CoO、LiFeOの3つであるが、Ni3+、C
3+、Fe3+(つまり一般式中のA3+)を他の3
価のイオン(B3+)で置換した形の数多くの化合物が
存在する。例えば、LiN1−YCo(O<Y<
1)、LiNi0.8Mn0.2、LiNi3/4
Al1/4等がその例であるが、これらも前記3つ
の基本的化合物と同様に負極活物質として本発明を実施
可能である。
【0006】
【実施例】以下、本発明によるリチウムイオン二次電池
の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0007】実施例1 負極活物質してリチウムコバルト複合酸化物(LiCo
)を使用した実施例を説明する。まず負極活物質と
するリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)は次
のようにして用意した。市販の炭酸リチウム(Li
)と炭酸コバルト(CoCO)をLiとCoの原
子比が1.03:1の組成比になるように混合し、空気
中で900℃約10時間焼成してLiCoOを得る。
焼成後のLiCoOは非常に固い塊として得られるの
で、これを紛砕機にかけて平均粒径10ミクロンの粉末
状とする。
【0008】この粉末状LiCoOを91重量部、導
電剤としてグラファイトを6重量部、結合剤としてポリ
フッ化ビニリデン3重量部を溶剤であるN−メチルー2
−ピロリドンと湿式混合してスラリー(ペースト状)に
する。次に、このスラリーを正極集電体となる厚さ0.
02mmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、乾燥
後ローラープレス機で加圧成型してシート状の電極とし
た。このシート状電極からは電極幅を54mmに調整し
て帯状の負極(11)を作り、真空乾燥器中、100℃
で12時間乾燥した。
【0009】次に正極活物質とするスピネル系リチウム
マンガン酸化物を合成する。二酸化マンガン(Mn
)と炭酸リチウム(LiCO)を1:0.27
のモル比でよく混合し、これをを空気中850℃で12
時間焼成し、室温まで温度が下がった時点で、これを平
均粒径25ミクロンの紛末として調整し、正極活物質と
するリチウムマンガン酸化物(LiMn)を用意
した。但しここで合成したリチウムマンガン酸化物はX
線回折ではスピネル型LiMnの回折パターンと
よく一致するものであるが、マンガンの価数分析から判
断して、より正確にはマンガンの一部がリチウムで置換
されたLi1.05Mn1.95と考えられる。
【0010】用意したリチウムマンガン酸化物の90重
量部をカーボンブラックの3重量部、グラファイト4重
量部および結合剤としてポリフッ化ビニリデン4重量部
とともに溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンと湿式
混合してスラリー(ペースト状)にする。このスラリー
を正極集電体とする厚さ0.02mmのアルミニウム箔
の両面に均一に塗布し、乾燥後ローラープレス機で加圧
成型してシート状の電極とした。このシート状電極も電
極幅を54mmに調整して帯状の正極(2)を作り、真
空乾燥器中、100℃で12時間乾燥した。
【0011】電池(A)の作成 帯状の負極(1)と正極(2)はその間に幅58mmの
帯状の多孔質ポリプロピレン製セパレータ(3)を挟ん
でロール状に巻き上げて、図2に示すような巻回体とし
て、外径で17.1mm、高さ58mmの電池素子を作
成した。次にアルミニウム製の電池缶(4)の底部に絶
縁シート(14)を設置し、上記電池素子を収納する。
電池素子より取り出した負極リード(5)を上記電池缶
の底に溶接し、電池缶の中に電解液として1モル/リッ
トルのLiPFを溶解したエチレンカーボネイト(E
C)とジエチルカーボネート(DEC)の混合溶液を注
入する。その後電池素子の上部にも絶縁シート(14)
を設置し、ガスケット(6)を嵌め、防爆弁(8)を図
3に示すように電池内部に設置する。電池素子より取り
出した正極リード(7)はこの防爆弁に電解液を注入す
る前に溶接しておく。防爆弁の上には正極外部端子とな
る閉塞蓋体(9)を重ね、電池缶の縁をかしめて、図3
に示す電池構造で、外径18.1mm、高さ65mmの
電池(C)を作成した。
【0012】実施例2 負極活物質してリチウムニッケル複合酸化物(LiNi
)を使用した実施例を説明する。まず負極活物質と
するリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)は次
のようにして用意される。水酸化リチウム〔LiOH・
O〕と水酸化ニッケル〔Ni(OH)〕をLiと
Niの原子比が1:1の組成比になるように混合し、酸
素雰囲気下で780℃約20時間焼成してLiNiO
を得る。焼成後に粉砕機にかけて平均粒径10ミクロン
の紛末状とする。
【0013】この粉末状のLiNiOを91重量部、
導電剤としてグラファイトを6重量部、結合剤としてポ
リフッ化ビニリデン3重量部を溶剤であるN−メチル−
2−ピロリドンと湿式混合してスラリー(ペースト状)
にする。次にこのスラリーを厚さ0.02mmのアルミ
ニウム箔の両面に均一に塗布し、乾燥後ローラープレス
機で加圧成型してシート状の電極とした。このシート状
電極から電極幅を54mmに調整して帯状の負極(1
b)を作り、真空乾燥器中100℃で12時間乾燥し
た。
【0014】正極は実施例1で作成した、電極幅を54
mmに調整した帯状の正極(2)をここでも使用する。
帯状の負極(1b)と正極(2)はその間に幅58mm
の帯状の多孔質ポリプロピレン製セパレータ(3)を挟
んでロール状に巻き上げて、外径で17.1mm、高さ
58mmの電池素子を作成した。あとは実施例1と同じ
にして、図3に示す電池構造で、外径18.1mm、高
さ65mmの電池(B)を作成した。
【0015】実施例3 リチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi0.9
Mn0.1)を負極活物質とする実施例を説明す
る。まず負極活物質とするリチウムニッケルマンガン複
合酸化物は次のようにして用意される。LiOH・H
OとNi(OH)とγ−MnOOHをLiとNiとM
nの原子比が1:0.9:0.1の組成比になるように
混合し、酸素雰囲気下で800℃約20時間焼成してL
iNi0.9Mn0.1を得る。焼成後に紛砕機に
かけて平均粒径が約10ミクロンの紛末状とする。
【0016】この粉末状のLiNi0.9Mn0.1
を90重量部、導電財としてグラファイトを6重量
部、結合剤としてポリフッ化ビニリデン4重量部を溶剤
であるN−メチル−2−ピロリドンと湿式混合してスラ
リー(ペースト状)にする。このスラリーを厚さ0.0
2mmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、乾燥後
ローラープレス機で加圧成型してシート状の電極とし
た。このシート状電極から電極幅を54mmに調整して
帯状の負極(1c)を作り、真空乾燥器中、100℃で
12時間乾燥した。
【0017】正極は実施例1で作成した、電極幅を54
mmに調整した帯状の正極(2)をここでも使用する。
帯状の負極(1C)と正極(2)はその間に幅58mm
の帯状の多孔質ポリプロピレン製セパレータ(3)を挟
んでロール状に巻き上げて、外径で17.1mm、高さ
58mmの電池素子を作成した。後は実施例1と同じに
して、図3に示す電池構造で、外径18.1mm、高さ
65mmの電池(C)を作成した。
【0018】比較例1 本発明による電池と比較するため、負極活物質してグラ
ファイトを使用した従来型のリチウムイオン二次電池を
試作する。まず負極活物質とするグラファイト(KS1
5、ロンザ社製)の86重量部にアセチレンブラック4
重量部と結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVD
F)10重量部を加え、溶剤であるN−メチル−2−ピ
ロリドンと湿式混合してスラリー(ペースト状)にし
た。このスラリーを集電体となる厚さ0.01mmの銅
箔の両面に均一に塗布し、乾燥後ローラープレス機で加
圧成型してシート状電極とし、このシート状電極から電
極幅を54mmに調整して帯状の負極(1d)を作成
し、真空乾燥器中、100℃で12時間乾燥した。
【0019】正極は実施例1で作成した、電極幅を54
mmに調整した帯状の正極(2)をここでも使用する。
帯状の負極(1d)と正極(2)はその間に幅58mm
の帯状の多孔質ポリプロピレン製セパレータ(3)を挟
んでロール状に巻き上げて、外径で17.1mm、高さ
58mmの電池素子を作成した。
【0020】ここではアルミニウム製の電池缶ではな
く、ニッケルメッキを施した鉄製の電池缶(4d)を使
用し、電池缶(4d)の底部に絶縁シート(14)を設
置して上記電池素子を収納する。その後はすべて実施例
1と同じにして、図3に示す電池構造で、外径18.1
mm、高さ65mmの従来型のリチウムイオン二次電池
(D)を作成した。
【0021】電池の充放電試験 こうして作成した電池(A)〜(D)は電池内部の安定
化を目的に12時間のエージング時間を経過させた後、
電池(A)〜(C)は充電電圧3.0Vに設定し、8時
間の充電を行い、電池(D)は充電電圧4.2Vに設定
し、8時間の充電を行った。そのあと100mAの定電
流で終始電圧2.0Vまで放電を行ったところ、電池
(A)〜(D)は何れも約1250mAhの容量が得ら
れた。その後同様な充放電を3回繰り返した。3回の充
放電において充電電圧、放電電圧、充電容量、放電容量
にはほとんど変化はなかった。図1に本発明による電池
の代表的充放電カーブを示す。充電後の電池電圧は、電
池(A)〜(C)が約2.9Vであり、従来型リチウム
イオン二次電池(D)は4.15Vで、本発明による電
池は従来型に比べ、1.25Vも電圧が低いものであっ
た。これは本発明の電池の負極活物質は充電状態におい
てもリチウムがドープされたグラファイト(LiC
に比べると1.2V以上も貴な電極電位であることを意
味する。しかし、容量×平均放電電圧÷電池体積からエ
ネルギー密度を計算すれば、電池(A)〜(C)のエネ
ルギー密度は180wh/1であり、十分既存のニッケ
ルカドミウム電池のそれを上回るものである。
【0022】各電池の安全試験(圧壊試験) 前述の充電方法にて完全充電をした後に電池(A)〜
(D)は図4に示す装置で、本来の電池径の1/4の厚
さになるまで押しつぶして“電池の圧壊テスト”を行っ
た。図4は圧壊装置の原理を示すもので、直径16mm
の丸棒(22)が油圧プレス機で下降して、電池(3
0)を押しつぶすものである。各電池の圧壊テスト結果
は表1の通りである。従来のリチウムイオン二次電池の
負極活物質である炭素材料(グラファイト)を使用した
電池(D)は圧壊テストの結果、すべてが発火してしま
った。これは電池が押し潰されたとき、電池内部で内部
ショートが起こり、電池内の全ての電極で発電される電
流がショート個所に集中し、ショート個所ではショート
抵抗(R)とショート電流(I)の二乗との積 (I
R)で発熱するため、局部的には非常に高温に達する。
高温に達した部分ではリチウムがドープされたグラファ
イト(LiC)は電解液と反応し、電池内温度はさら
に上昇し、正極活物質が分解して酸素を発生するため電
池内容物が燃焼して発火してしまう。
【0023】本発明による電池(A)〜(C)も押し潰
されれば、電池内部で当然内部ショートは起こる。しか
し本発明の負極活物質は充電状態においても、リチウム
がドープされたグラファイト(LiC)に比べ1.2
V以上も貴な電極電位であるため、たとえショート箇所
が高温に達しても電解液とは反応しない。従って電池内
温度がさらに上昇することはなく、正極活物質は分解し
ない。電池内での酸素ガスは極めて少ない状態にあるた
め電池内容物が燃焼することはない。
【0024】安全性試験(ホットボックス試験) 前記と同様な充電条件で充電を済ませた完全充電状態の
電池(A)〜(C)をオーブン中に入れ、オーブンの温
度を徐々に上げて、オーブン温度が160℃に達した後
は、オーブンを一定温度(160℃)に2時間保った。
電池(A)〜(C)には何れの電池においても発煙、発
火などは起こらなかった。
【0025】一方本発明による電池との比較のため、前
記実施例での試作電池とほぼ同サイズ(18650サイ
ズ)の市販のリチウムイオン二次電池(X)を入手し、
これについて同様の、高温での安全性テストを行った。
電池(X)は負極活物質として炭素材料が使用され、正
極活物質としてリチウムコバルト酸化物が使用されてい
るものである。まずこの電池(X)は充電電圧を4.2
Vに設定し、8時間の充電を行い、充電完了後24時間
開路状態のまま放置した後、電池電圧を測定した。電池
電圧は4.15Vであり、本発明による電池より1.2
5Vも高い開路電圧であった。その後、高温での安全性
テストを行った。前記同様(充電電圧4.2Vで充電時
間8時間)の充電条件で充電した完全充電状態の電池
(X)を、オーブン中に入れ、オーブンの温度を徐々に
上げていったところ、オーブン温度が155℃に達した
時点で、電池(X)は発火し、激しく発煙した。以上の
結果から本発明の電池は大きく安全性において改善され
ることがわかる。しかし電池(A)は安全な電池として
の目的は達成されているが、せつかく正極活物質として
安価なリチウムマンガン酸化物を使用しているのに、負
極には高価なリチウムコバルト酸化物を使用しているの
で、安価なリチウムイオン二次電池の実現には適切では
ないかも知れない。その意味では電池(B)および電池
(C)が好ましいわけであるが、本発明のための負極活
物質は層状構造をもつ一般式LiA1−Xで示
される化合物であり、この化合物はLiNiO、Li
CoO、LiFeOの3つが基本的な化合物である
が、Ni3+、Co3+、Fe3+(つまり一般式中の
3+)を他の3価のイオン(B3+)で置換した形の
数多くの化合物が存在するので、より安価な材料を見い
だすことも可能である。
【0026】
【発明の効果】以上のように市販のリチウムイオン二次
電池が155℃で発火してしまうのに対して、本発明に
よる電池は160℃に長時間保管されても安全である。
これまで、正極活物質にリチウムマンガン酸化物使用す
るリチウムイオン二次電池は、リチウムコバルト酸化物
を正極活物質とする電池に比べ、性能がやや低いと言う
理由で、性能優先の用途には特徴を発揮できなかった。
しかし負極活物質として層状構造をもつ一般式LiA
1−Xで示される化合物を使用することによ
り、従来の炭素材料を負極活物質とするリチウムイオン
二次電池に比べて、放電電圧が適度に低くなるため、高
温状態での安全性が高くなり、且つエネルギー密度も1
80wh/l以上は確保されるので、安全性能と電池性
能がよくバランスした安価なリチウムイオン二次電池が
実現する。この結果、広範囲な用途で既存の電池に代わ
って使用できる、無公害で、高容量の二次電池が提供で
きるようになり、その工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電池の充放電カーブ。
【図2】巻回電極構造の電池素子断面図。
【図3】円筒型電池の模式的断面図。
【図4】圧壊装置の原理図
【符号の説明】
1は負極、2は正極、3はセパレータ、4は電池缶、5
は負極リード、6はガスケット、7は正極リード、8は
防爆弁、14は絶縁シート、22は圧壊丸棒、30は試
験電池である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極活物質にスピネル型リチウムマンガン
    酸化物を使用する非水電解液二次電池において、一般式
    LiA1−X(但し、AはNi、Co、Feの
    何れかであり、BはAと置換された3価のイオンであ
    り、O≦X≦0.5)で示されるリチウム含有遷移金属
    複合酸化物が負極活物質として使用されることを特徴と
    する非水電解液二次電池。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009301893A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Ntt Docomo Inc 電池試験装置及び電池試験方法
JP2011129269A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Toyota Central R&D Labs Inc 非水系二次電池用負極活物質、非水系二次電池及び使用方法
CN103915647A (zh) * 2014-03-31 2014-07-09 上虞安卡拖车配件有限公司 一种低温锂离子电池
US10818969B2 (en) 2018-09-27 2020-10-27 University Of Maryland, College Park Borate compounds as Li super-ionic conductor, solid electrolyte, and coating layer for Li metal battery and Li-ion battery

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