JPH08243103A - 超音波血流測定方法および装置 - Google Patents

超音波血流測定方法および装置

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JPH08243103A
JPH08243103A JP5447595A JP5447595A JPH08243103A JP H08243103 A JPH08243103 A JP H08243103A JP 5447595 A JP5447595 A JP 5447595A JP 5447595 A JP5447595 A JP 5447595A JP H08243103 A JPH08243103 A JP H08243103A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 運動している組織からの反射波成分の除去が
血流速度の影響を受けることなく行なえ、血流を正しく
測定できる超音波血流測定方法および装置を実現するこ
とである。 【構成】 直交検波して得られる同相成分Iと直交成分
Qをローパスフィルタ401,402を通して自己相関
装置403に入力し、自己相関で求まる被検体内の反射
体の運動速度をルックアップ・テーブル404を通じて
位相偏移量信号として位相偏移装置406に与え、位相
偏移装置406で直交検波の同相成分Iと直交成分Qの
位相を引き戻し、それをハイパスフィルタ407,40
8を通じて自己相関装置5に入力し、パワー、分散およ
び速度を求める構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波血流測定方法お
よび装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、運動し
ている被検体内の組織からの反射波の影響を除いて血流
を測定する超音波血流測定方法および装置である。
【0002】
【従来の技術】医用超音波映像機器においては、被検体
内に照射した超音波の反射波のドプラ(Doppler) 現象に
よる位相偏移に基づいて、血流速度やその分散あるいは
パワー(power) を測定することが行なわれる。その際、
静止している反射体、例えば、消化器官のような運動を
していない組織からの反射波成分を除去し、運動してい
る反射体からの反射波成分だけを抽出するためにMTI
フィルタ(Moving TargetIndication Filter) が用いら
れる。
【0003】しかし、MTIフィルタが抽出した運動し
ている反射体からの反射波成分には、血球からの反射波
成分の他に、例えば、心臓弁や心筋あるいは大動脈血管
壁のような運動している組織からの反射波成分も含ま
れ、これが血流速度の正確な測定を妨げる。
【0004】そこで、MTIフィルタを改良し、運動し
ている組織からの反射波成分を除去できるようにしたも
のがあり、その一例が特開平4−256740号公報に
記載されている。
【0005】同公報記載のフィルタ装置は、図6に示す
ように、自己相関演算装置40、スイッチ42、比較器
44、複素変調器46およびIIRハイパスフィルタ(I
nfinite Impulse Response High-pass Filter)48で構
成される。ここで、IIRハイパスフィルタ48がMT
Iフィルタであって、静止反射体からの反射波成分が属
する周波数0を含む低周波帯域を阻止帯域とするもので
ある。
【0006】受信信号を直交検波して得られる同相成分
Iと直交成分Qが、複素変調器46でそれぞれ位相偏移
され、IIRハイパスフィルタ48を通じてそれぞれ次
段に出力される。複素変調器46での位相偏移量はスイ
ッチ42を通じて自己相関演算装置40から与えられ
る。
【0007】自己相関演算装置40は、入力信号I,Q
について自己相関演算を行い、運動している反射体の平
均速度に相当する位相偏移量ω1 と、入力信号のパワー
を出力する。比較器44は、パワーを閾値と比較し、比
較結果に応じてスイッチ42の開閉制御を行う。閾値
は、組織からの強い反射と血球からの弱い反射を区別す
る値となっている。
【0008】パワーが閾値より大きいとき、スイッチ4
2が閉じられて位相偏移量ω1 が複素変調器46に与え
られ、複素変調器46により、入力信号I,Qについて
位相偏移量ω1 だけ位相の引き戻しが行なわれる。パワ
ーが閾値より小さいくてスイッチ42が開いているとき
は、位相偏移量は0であり、位相の引き戻しは行なわれ
ない。
【0009】運動している組織からの強い反射があると
きは、自己相関演算装置40が出力する位相偏移量ω1
は、ほぼ、組織の運動速度に相当するものとなる。そし
て、複素変調器46で入力信号I,Qの位相がω1 だけ
引き戻されることにより、図7に示すように、運動して
いる組織からの反射波成分をIIRハイパスフィルタ4
8の阻止帯域に移動させた出力信号が得られる。したが
って、この出力信号をIIRハイパスフィルタ48に通
すことにより運動している組織からの反射波成分が除か
れる。
【0010】パワーが閾値より小さくなるのは、運動し
ている組織からの反射がほとんど無く、反射波の大部分
が血球から来る場合である。このとき、自己相関演算装
置40が出力する位相偏移量ω1 は、血流速度に相当す
るものとなるが、比較器44によってスイッチ42が開
かれていることにより、複素変調器46には与えられ
ず、位相の引き戻しは行なわれない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】自己相関演算装置40
で求める位相偏移量ω1 は、被検体内の運動している反
射体の平均速度すなわち組織の運動速度と血流速度との
モーメント平均に相当するから、組織からの反射があま
り強くない場合、あるいは組織からの反射が強くても血
流速度が極めて高速な場合は、血流速度のモーメントが
相対的に大きくなり、その影響で位相偏移量ω1 が血流
速度側に移動する。このため、複素変調器46で位相偏
移を行なったとき、図8に示すように、位相の引き戻し
が行き過ぎて組織からの反射波成分がIIRハイパスフ
ィルタ48の通過帯域に入り込み、組織からの反射波成
分が阻止できなくなるという問題がある。
【0012】本発明は上記問題を解決するためになされ
たもので、その目的は、運動している組織からの反射波
成分の除去が血流速度の影響を受けることなく行なえ、
血流を正しく測定できる超音波血流測定方法および装置
を実現することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する第
1の手段は、被検体内で反射した超音波の受信信号を直
交検波して得られる同相成分と直交成分をローパスフィ
ルタに通し、前記ローパスフィルタを経た後の同相成分
と直交成分に基づいて被検体内の反射体の運動速度を求
め、前記被検体内で反射した超音波の受信信号を直交検
波して得られる同相成分と直交成分の位相を前記被検体
内の反射体の運動速度に相当する位相偏移量分引き戻
し、前記位相引き戻しされた同相成分と直交成分をハイ
パスフィルタに通し、前記ハイパスフィルタを経た後の
同相成分と直交成分に基づいて血流速度を求めることを
特徴とする超音波血流測定方法である。
【0014】前記の課題を解決する第2の手段は、被検
体内で反射した超音波の受信信号を直交検波して同相成
分信号と直交成分信号を得る直交検波手段と、前記直交
検波手段から出力される同相成分信号と直交成分信号に
ついてそれぞれ低域の周波数成分を通過させるローパス
フィルタ手段と、前記ローパスフィルタ手段を経た後の
同相成分信号と直交成分信号に基づいて被検体内の反射
体の運動速度を表す信号を求める速度算出手段と、前記
速度算出手段によって得られた被検体内の反射体の運動
速度を表す信号が位相偏移量信号として与えられ、前記
直交検波手段から与えられる同相成分信号と直交成分信
号の位相を前記位相偏移量信号に基づいて引き戻す位相
偏移手段と、前記ハイパスフィルタ手段を経た後の同相
成分信号および直交成分信号に基づいて血流速度を求め
る速度算出手段とを具備することを特徴とする超音波血
流測定装置である。
【0015】前記の課題を解決する第3の手段は、被検
体内で反射した超音波の受信信号を直交検波して同相成
分信号と直交成分信号を得る直交検波手段と、後記速度
算出手段から出力される被検体内の反射体の運動速度を
表す信号が位相偏移量信号として与えられ、前記直交検
波手段から与えられる同相成分信号と直交成分信号の位
相を位相偏移量信号に基づいて引き戻す位相偏移手段
と、前記位相偏移手段から出力される同相成分信号と直
交成分信号について、低域の周波数成分を通過させるロ
ーパス状態と高域の周波数成分を通過させるハイパス状
態とを交互に繰り返すローパス/ハイパスフィルタ手段
と、前記ローパス/ハイパスフィルタ手段から出力され
る同相成分信号および直交成分信号に基づいて被検体内
の反射体の運動速度を表す信号を出力する速度算出手段
とを具備する超音波血流測定装置である。
【0016】
【作用】課題を解決する第1の手段では、ローパスフィ
ルタを通した同相成分および直交成分に基づいて組織の
の運動速度が求まり、組織の運動速度に基づく位相引き
戻しにより、運動している組織からの反射波成分はハイ
パスフィルタ手段で阻止される。
【0017】課題を解決する第2の手段では、ローパス
フィルタ手段により組織からの反射波成分だけが速度算
出手段に入力されることにより、位相偏移手段に与えら
れる位相偏移量信号は、組織の運動速度を表す信号とな
り、それに基づく位相の引き戻しにより、運動している
組織からの反射波成分がハイパスフィルタ手段で阻止さ
れる。
【0018】課題を解決する第3の手段では、ローパス
状態にあるローパス/ハイパスフィルタ手段により組織
からの反射波成分だけが速度算出手段に入力されること
により、位相偏移手段に与えられる位相偏移量信号は、
組織の運動速度を表す信号となり、その信号に基づく位
相の引き戻しにより、運動している組織からの反射波成
分がハイパス状態にあるローパス/ハイパスフィルタ手
段で阻止される。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は本発明実施例の装置の要部の構成を
示すブロック図、図2は全体構成を示すブロック図であ
る。なお、本発明実施例の方法は、本発明実施例の装置
の動作で示される。
【0020】先ず、全体構成について説明すれば、図2
において、1は超音波プローブ、2は送受信回路、3は
直交検波回路、4はフィルタ装置、5は自己相関装置、
6はディジタル・スキャンコンバータ、7は表示装置、
8は制御装置である。
【0021】超音波プローブ1は、図示しない被検体に
当接され、送受信回路2から与えられる駆動信号に従っ
て超音波を被検体内に照射し、被検体内から返ってくる
反射波信号を検出するものである。
【0022】送受信回路2は、制御装置8による制御の
下、超音波プローブ1に駆動信号を与えると共に、検出
された反射波信号を受信および増幅し、直交検波回路3
に入力するものである。
【0023】直交検波回路3は、制御装置8による制御
の下、受信信号を直交検波し、同相成分信号Iおよび直
交成分信号Qをそれぞれ生じるものであり、本発明にお
ける直交検波手段の一実施例である。
【0024】フィルタ装置4は、制御装置8による制御
の下、同相成分信号Iおよび直交成分信号Qを入力信号
とし、それらの信号について、組織からの反射波成分を
取り除く処理を行なうものである。なお、フィルタ装置
4については、図1により後に詳しく説明する。
【0025】自己相関装置5は、制御装置8による制御
の下、フィルタ装置4のから出力される処理済みの同相
成分信号Iおよび直交成分信号Qを入力信号とし、自己
相関演算を行って、入力信号のパワー、血流速度の分散
および血流の速度を求めるものである。この自己相関装
置5は、本発明における速度算出手段の一実施例であ
る。
【0026】ディジタル・スキャンコンバータ6は、制
御装置8による制御の下、自己相関装置5から与えられ
るパワー、分散および速度を示す信号をそれぞれ記憶手
段(不図示)に記憶するとともに、それらを制御装置8
による読出制御に応じて出力するものである。
【0027】表示装置7は、ディジタル・スキャンコン
バータ6の出力信号を画像等の可視情報として表示する
ものである。制御装置8は、以上の各回路および装置の
動作を制御するものである。
【0028】図1は、フィルタ装置4と自己相関装置5
からなる部分についての詳細を示すブロック図である。
図1において、一点鎖線で囲んだ部分がフィルタ装置4
であり、このフィルタ装置4において、401,402
はローパスフィルタ(Low-pass Filter)、403は自己
相関装置、404はルックアップ・テーブル、406は
位相偏移装置、407,408はハイパスフィルタ(Hig
h-pass filter)である。
【0029】ローパスフィルタ401,402は、同相
成分信号Iおよび直交成分信号Qの周波数0を含む低域
の周波数成分をそれぞれ通過させるものであり、その通
過帯域は、運動している組織からの反射波成分の周波数
範囲を包含するように定められる。これらローパスフィ
ルタ401,402は、本発明におけるローパスフィル
タ手段の一実施例である。
【0030】これらローパスフィルタ401,402は
IIRフィルタまたはFIRフィルタ(Finte Impulse R
esponse Filter) によって実現できる。IIRフィルタ
はカットオフ周波数が急峻になる点で好ましい。FIR
フィルタは所定の周波数特性に達するまでの整定時間が
短い点で好ましい。
【0031】自己相関装置403は、ローパスフィルタ
401,402を通過した同相成分信号Iと直交成分信
号Qについての自己相関演算によって、パワーおよび速
度を求め、それらの信号を出力する。この自己相関装置
403は、本発明における速度算出手段の一実施例であ
る。
【0032】ルックアップ・テーブル404は、自己相
関装置403から出力される速度とパワーを入力信号と
し、それら入力信号の組合せに応じた位相偏移量信号を
出力するものである。ルックアップ・テーブル404
は、例えば、パワーが所定の閾値以上ある入力信号の組
合せに対しては、入力信号に含まれている速度データに
相当する位相偏移量信号を出力し、パワーが所定の閾値
に達しない入力信号の組合せに対しては、入力信号に含
まれる速度データに無関係に位相偏移量信号0を出力す
るように、テーブルの内容が構成されている。
【0033】位相偏移装置406は、同相成分信号Iお
よび直交成分信号Qを入力信号とし、それらの位相を、
ルックアップ・テーブル404から与えられる位相偏移
量信号に応じてそれぞれ偏移させるものである。この位
相偏移装置406は、前記図6の従来例における複素変
調器46に相当するものであり、本発明における位相偏
移手段の一実施例である。
【0034】ハイパスフィルタ407,408は、位相
偏移装置406によって位相が偏移させられた同相成分
信号Iおよび直交成分信号Qについて、所定の周波数以
上の成分を通過させるものである。逆にいえば周波数0
を含む所定の低周波数領域を阻止帯域とするものであ
る。これらハイパスフィルタ407,408は、本発明
におけるハイパスフィルタ手段の一実施例である。
【0035】ハイパスフィルタ407,408はMTI
フィルタとして機能する。このフィルタもIIRフィル
タまたはFIRフィルタによって実現するのが好まし
い。これらハイパスフィルタ407,408を通過した
同相成分信号Iおよび直交成分信号Qが自己相関装置5
に入力され、自己相関装置5においてパワー、分散およ
び速度が求められる。
【0036】このように構成された装置の動作を次に説
明する。超音波プローブ1が検出した反射波信号は、送
受信回路2によって受信、増幅され、直交検波回路3に
よって直交検波され、同相成分信号Iおよび直交成分信
号Qとしてフイルタ装置4に入力される。
【0037】このときの入力信号は、図3に示すよう
に、運動している組織からのあまり強くない反射波成分
と血球からの反射波成分を含んでいるものとする。な
お、この受信信号は、前記の従来例において不都合を生
じる図8の信号と同じものである。ローパスフィルタ4
01,402の帯域特性を2点鎖線で示し、ハイパスフ
ィルタ407,408の帯域特性を一点鎖線で示す。
【0038】ローパスフィルタ401,402により、
入力信号I,Qにおける運動している組織からの反射波
成分だけが自己相関装置403に入力される。このた
め、自己相関装置403によって求められるパワーおよ
び速度は、運動している組織からの反射波成分のものと
なる。したがって、このとき、速度は組織の運動速度と
なる。
【0039】ルックアップ・テーブル404は、パワー
が閾値より大きいことにより、組織の速度信号を位相偏
移装置406に位相偏移量として与える。位相偏移装置
406は、この位相偏移量信号に従って、組織の運動速
度に対応した偏移量だけ同相成分信号Iおよび直交成分
信号Qの位相を引き戻す。これによって、位相偏移装置
406の出力信号に含まれる運動している組織からの反
射波成分は、図3に破線の波形で示すように、ハイパス
フィルタ407,408の阻止帯域に移動する。
【0040】このため、ハイパスフィルタ407,40
8を通じて自己相関装置5に与えられる信号は運動して
いる組織からの反射波成分を含まないものとなる。した
がって、血球からの反射波成分だけに基づく自己相関演
算がおこなわれ、血流に関してパワー、分散および速度
の正しい値を得ることができる。
【0041】すなわち、従来なら不都合が生じた、組織
からの反射が弱い場合あるいは組織からの反射が強くか
つ血流速度が極めて高速な場合でも、正しく血流に関す
るパワー、分散および速度を求めることができる。
【0042】このようなパワー、分散および速度がディ
ジタル・スキャンコンバータ6を通じて表示装置7に与
えられ、画像等の可視情報として表示される。心臓周辺
や腹部の太い血管の血流を測定する場合等で、図4のよ
うに、組織からの反射波成分がほとんど無い受信信号に
ついては、次のような動作が行なわれる。
【0043】組織からの反射波成分がほとんど無いこと
により、ローパルフィルタ401,402を通過する信
号は小さいため、自己相関装置403が出力するパワー
が小さい。
【0044】ルックアップ・テーブル404は、そのよ
うなパワーに基づいて、位相偏移装置406に速度信号
を与えず、位相偏移を行なわせない。したがって、入力
信号I,Qに含まれる血球からの反射波成分は位相引き
戻しされないので、ハイパスフィルタ407,408を
通過して自己相関装置5に入力される。
【0045】上記図1の実施例では、フィルタ装置4に
おいても自己相関装置を使用するので、全体で自己相関
装置が2つ必要になるが、図5のような構成にすれば、
自己相関装置を共用することによりその使用量を1個に
することができ、経済的となるので好ましい。また、A
SIC(Application Specified Integrated Circuit)と
して一体に構成するにも便利である。
【0046】図5において、51,52はローパス/ハ
イパスフィルタ、53はファーストイン・ファーストア
ウト(First-in First-out)蓄積装置(以下FIFO装置
という)である。その他、図1と同様のものは同一の記
号で示し、説明を省略する。
【0047】位相偏移装置406は、入力信号I,Qを
それぞれ位相偏移させてローパス/ハイパスフィルタ5
1,52にそれぞれ入力する。ローパス/ハイパスフィ
ルタ51,52は、切り換えによってローパスフィルタ
またはハイパスフィルタになるものであって、切り換え
状態に応じて、それぞれ低域周波数成分または高域周波
数成分を通過させるものである。切り換えは、制御装置
8によって制御される。
【0048】ローパスフィルタとしての通過帯域は、前
記ローパスフィルタ401,402と同じになってお
り、またハイパスフィルタとしての通過帯域は、前記ハ
イパスフィルタ407,408と同じになっている。
【0049】これらローパス/ハイパスフィルタ51,
52も、IIRフィルタまたはFIRフィルタによって
実現するのが好ましい。自己相関装置5は、ローパス/
ハイパスフィルタ51,52を通じてそれぞれ入力され
る同相成分信号Iおよび直交成分信号Qについて自己相
関演算を行い、パワー、分散および速度を示す信号をそ
れぞれ出力する。これらの出力信号は次段のディジタル
・スキャンコンバータ6に出力されとともに、パワーと
速度はルックアップ・テーブル404に入力される。
【0050】ルックアップ・テーブル404は、出力信
号をFIFO装置53に入力する。FIFO装置53
は、入力信号を蓄積するとともに先入れ先出し方式で出
力し、位相偏移装置406に位相偏移量信号として与え
る。
【0051】図5の装置の動作は次のようになる。以下
の動作では、超音波の送受信が被検体の同一個所につい
て複数回繰り返され、同一個所についての受信信号が複
数回得られることを利用している。
【0052】最初の所定回数の信号受信が行なわれる間
はFIFO装置53は0の出力信号を出し続け、かつ、
ローパス/ハイパスフィルタ51,52はローパスフィ
ルタの状態になっている。この状態で入力信号I,Qが
位相偏移装置406に与えられると、これらの信号I,
Qは位相偏移なしにローパスフィルタ51,52に与え
られる。
【0053】ローパスフィルタ51,52は、組織から
の反射波成分だけを通過させて、自己相関装置5に入力
する。自己相関装置5は、組織からの反射波成分につい
てのパワー、分散および速度を出力する。このときの出
力信号は次段のディジタル・スキャンコンバータ6にお
いては無視される。
【0054】ルックアップ・テーブル404パワーを判
定し、速度信号をFIFO装置53に入力する。これに
よってFIFO装置53には組織の速度信号が位相偏移
量信号として蓄積される。
【0055】このような動作が所定回数繰り返される
と、FIFO装置53から先に蓄積した位相偏移量信号
が出力される状態になり、位相偏移装置406にはFI
FO装置53から組織の速度に基づく位相偏移量信号が
与えられる。そして、このとき、ローパス/ハイパスフ
ィルタ51,52はハイパスフィルタの状態に切り変え
られる。
【0056】この状態で入力信号I,Qが位相偏移装置
406に与えられると、これらの信号I,Qは組織の速
度に応じて位相偏移されて、すなわち組織からの反射波
成分がハイパスフィルタの通過阻止帯域まで引き戻され
て、ハイパスフィルタ51,52に与えられる。
【0057】そこでハイパスフィルタ51,52は、組
織からの反射波成分を阻止し、血球からの反射波成分だ
けを通過させて、自己相関装置5に入力する。自己相関
装置5は、血球からの反射波成分についてのパワー、分
散および速度を求めて出力する。このときの出力信号が
次段のディジタル・スキャンコンバータ6において利用
される。
【0058】ルックアップ・テーブル404はパワーを
判定し、組織からの反射波成分が除かれていることによ
り、0をFIFO装置53に入力する。この動作が所定
の信号受信回数だけ繰り返される。
【0059】以上の動作が交互に繰り返される。なお、
上記の実施例において、速度算出手段の具体例とした例
示した自己相関装置は、分散やパワーをも求めることが
できる点で好ましいが、必ずしもそれに限ることなく、
FFT(Fast Fourier Transformation) 装置を用いて構
成しても良い。
【0060】また、ローパスフィルタ手段とハイパスフ
ィルタ手段の具体例として例示したIIRフィルタおよ
びFIRフィルタは、周波数特性が特に優れている点で
好ましいが、必ずしもそれらに限ることなく、それ以外
の一般的なフィルタを用いても良い。
【0061】また、図5に示す実施例において、位相偏
移量信号を位相回転装置に与える手段として用いたFI
FO装置は、タイミング調節が容易な点で好ましいが、
必ずしもそれに限ることなく、通常の記憶装置を用いて
構成しても良い。
【0062】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
反射波受信信号を直交検波した同相成分および直交成分
をローパスフィルタに通し、このローパスフィルタの出
力信号に基づいて速度信号を得るようにしたので、運動
している組織からの反射波成分の除去が血流速度の影響
を受けることなく行なえ、血流を正しく測定できる超音
波血流測定方法および装置を実現することができるとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の装置の要部の構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】本発明実施例の装置の全体構成を示すブロック
図である。
【図3】本発明実施例の装置の動作説明図である。
【図4】本発明実施例の装置の動作説明図である。
【図5】本発明の他の実施例の装置の要部の構成を示す
ブロック図である。
【図6】従来例のブロック図である。
【図7】従来例の動作説明図である。
【図8】従来例の動作説明図である。
【符号の説明】
1 超音波プローブ 2 送受信回路 3 直交検波回路 4 フィルタ装置 401,402 ローパスフィルタ 403,5 自己相関装置 404 ルックアップ・テーブル 406 位相偏移装置 407,408 ハイパスフィルタ 6 ディジタル・スキャンコンバータ 7 表示装置 8 制御装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体内で反射した超音波の受信信号を
    直交検波して得られる同相成分と直交成分をローパスフ
    ィルタに通し、 前記ローパスフィルタを経た後の同相成分と直交成分に
    基づいて被検体内の反射体の運動速度を求め、 前記被検体内で反射した超音波の受信信号を直交検波し
    て得られる同相成分と直交成分の位相を前記被検体内の
    反射体の運動速度に相当する位相偏移量分引き戻し、 前記位相引き戻しされた同相成分と直交成分をハイパス
    フィルタに通し、 前記ハイパスフィルタを経た後の同相成分と直交成分に
    基づいて血流速度を求めることを特徴とする超音波血流
    測定方法。
  2. 【請求項2】 被検体内で反射した超音波の受信信号を
    直交検波して同相成分信号と直交成分信号を得る直交検
    波手段と、 前記直交検波手段から出力される同相成分信号と直交成
    分信号についてそれぞれ低域の周波数成分を通過させる
    ローパスフィルタ手段と、 前記ローパスフィルタ手段を経た後の同相成分信号と直
    交成分信号に基づいて被検体内の反射体の運動速度を表
    す信号を求める速度算出手段と、 前記速度算出手段によって得られた被検体内の反射体の
    運動速度を表す信号が位相偏移量信号として与えられ、
    前記直交検波手段から与えられる同相成分信号と直交成
    分信号の位相を前記位相偏移量信号に基づいて引き戻す
    位相偏移手段と、 前記位相偏移手段から出力される同相成分信号および直
    交成分信号についてそれぞれ高域の周波数成分を通過さ
    せるハイパスフィルタ手段と、 前記ハイパスフィルタ手段を経た後の同相成分信号およ
    び直交成分信号に基づいて血流速度を求める速度算出手
    段とを具備することを特徴とする超音波血流測定装置。
  3. 【請求項3】 被検体内で反射した超音波の受信信号を
    直交検波して同相成分信号と直交成分信号を得る直交検
    波手段と、 後記速度算出手段から出力される被検体内の反射体の運
    動速度を表す信号が位相偏移量信号として与えられ、前
    記直交検波手段から与えられる同相成分信号と直交成分
    信号の位相を位相偏移量信号に基づいて引き戻す位相偏
    移手段と、 前記位相偏移手段から出力される同相成分信号と直交成
    分信号について、低域の周波数成分を通過させるローパ
    ス状態と高域の周波数成分を通過させるハイパス状態と
    を交互に繰り返すローパス/ハイパスフィルタ手段と、 前記ローパス/ハイパスフィルタ手段から出力される同
    相成分信号および直交成分信号に基づいて被検体内の反
    射体の運動速度を表す信号を出力する速度算出手段とを
    具備する超音波血流測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005160711A (ja) * 2003-12-02 2005-06-23 Ge Medical Systems Global Technology Co Llc 超音波診断装置および超音波診断方法
JP2010142643A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Medison Co Ltd クラッタ信号をフィルタリングする超音波システムおよび方法
JP2020098622A (ja) * 2015-12-21 2020-06-25 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh 測定信号中の分散を測定するための方法、データフュージョン方法、コンピュータプログラム、機械読み取り可能記憶媒体及び装置

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