JPH08246198A - クロム合金系電気めっきに使用する塩基性硫酸クロム - Google Patents
クロム合金系電気めっきに使用する塩基性硫酸クロムInfo
- Publication number
- JPH08246198A JPH08246198A JP4530995A JP4530995A JPH08246198A JP H08246198 A JPH08246198 A JP H08246198A JP 4530995 A JP4530995 A JP 4530995A JP 4530995 A JP4530995 A JP 4530995A JP H08246198 A JPH08246198 A JP H08246198A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chromium
- less
- basic
- plating
- amount
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】三酸化クロム水溶液を硫酸の存在下で還元剤に
より還元して合金系電気めっきに使用する塩基性硫酸ク
ロムを生成するにあたり、含有するSO4 とCrのモル
比を1.1以上、1.4以下とし、かつ還元後の液中の
残留炭素量を2g/l以下とする。 【効果】クロム合金系電気めっきを製造する際に、容易
にCr源を補給することができ、かつ、長期保存後もめ
っき安定性に優れたクロム系電気めっき用塩基性硫酸ク
ロムが提供される。
より還元して合金系電気めっきに使用する塩基性硫酸ク
ロムを生成するにあたり、含有するSO4 とCrのモル
比を1.1以上、1.4以下とし、かつ還元後の液中の
残留炭素量を2g/l以下とする。 【効果】クロム合金系電気めっきを製造する際に、容易
にCr源を補給することができ、かつ、長期保存後もめ
っき安定性に優れたクロム系電気めっき用塩基性硫酸ク
ロムが提供される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛−クロム合金系電
気めっき等のクロム合金系電気めっき製剤として使用す
る塩基性硫酸クロムに関する。
気めっき等のクロム合金系電気めっき製剤として使用す
る塩基性硫酸クロムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、亜鉛−クロム合金系電気めっき等
のクロム合金系電気めっき鋼板は、耐食性が飛躍的に向
上することから、自動車、家電及び建材用途に使用され
てきている。
のクロム合金系電気めっき鋼板は、耐食性が飛躍的に向
上することから、自動車、家電及び建材用途に使用され
てきている。
【0003】これらのクロム合金系電気めっきは特開平
1−55398号公報、特開平1−191798号公
報、特開平3−120593号公報(以上はSO4 とC
rのモル比が1.5の硫酸クロム)、及び特開平6−1
73099号公報(SO4 とCrのモル比が1.0以
上、1.5以下の硫酸クロム)等が公知である。
1−55398号公報、特開平1−191798号公
報、特開平3−120593号公報(以上はSO4 とC
rのモル比が1.5の硫酸クロム)、及び特開平6−1
73099号公報(SO4 とCrのモル比が1.0以
上、1.5以下の硫酸クロム)等が公知である。
【0004】しかしながら、これらに使用されている硫
酸クロムは長期保管によりゲル化、固化し、めっき製造
する際に連続補給ができないなど工業的に生産する場
合、安定してめっきできない欠点がある。
酸クロムは長期保管によりゲル化、固化し、めっき製造
する際に連続補給ができないなど工業的に生産する場
合、安定してめっきできない欠点がある。
【0005】また、特開平6−158398号公報、特
開平6−173100号公報及び特開平6−17309
8号公報などには、還元剤として、無機系還元剤及び多
価アルコールを用いること及び還元後にCr(VI)を残
存させる方法などが開示されているが、これらによって
得られる硫酸クロムも同様に、長期保管により、ゲル
化、固化し、めっき製造する際に連続補給ができないな
どの欠点が依然として解決されていない。
開平6−173100号公報及び特開平6−17309
8号公報などには、還元剤として、無機系還元剤及び多
価アルコールを用いること及び還元後にCr(VI)を残
存させる方法などが開示されているが、これらによって
得られる硫酸クロムも同様に、長期保管により、ゲル
化、固化し、めっき製造する際に連続補給ができないな
どの欠点が依然として解決されていない。
【0006】また、硫酸クロムとしては、皮鞣し用に使
用されている固体の塩基性硫酸クロム(SO4 とCrの
モル比が0.8〜1.0)があるが、この場合、極端な
低硫酸比で還元するため、過剰の有機系還元剤が用いら
れることから、還元剤未反応物、中間分解物が多量に存
在する(皮鞣しの場合は、これらがマスキング剤として
有効に作用するため、その存在はむしろ歓迎されるもの
であった)。また、乾燥して固化する際に、クロムの一
部が不溶性の三酸化二クロム(Cr2 O3 )になること
があり、これらがめっき液中に混入してめっき皮膜に付
着し、安定にめっきすることができないため使用されて
いない。
用されている固体の塩基性硫酸クロム(SO4 とCrの
モル比が0.8〜1.0)があるが、この場合、極端な
低硫酸比で還元するため、過剰の有機系還元剤が用いら
れることから、還元剤未反応物、中間分解物が多量に存
在する(皮鞣しの場合は、これらがマスキング剤として
有効に作用するため、その存在はむしろ歓迎されるもの
であった)。また、乾燥して固化する際に、クロムの一
部が不溶性の三酸化二クロム(Cr2 O3 )になること
があり、これらがめっき液中に混入してめっき皮膜に付
着し、安定にめっきすることができないため使用されて
いない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みてなされたものであって、クロム合金系電気めっき
を製造する際に、容易にCr源を補給することができ、
かつ、長期保存後もめっき安定性に優れたクロム合金系
電気めっき用塩基性硫酸クロムを提供することを目的と
する。
鑑みてなされたものであって、クロム合金系電気めっき
を製造する際に、容易にCr源を補給することができ、
かつ、長期保存後もめっき安定性に優れたクロム合金系
電気めっき用塩基性硫酸クロムを提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために詳細に検討を行った結果、硫酸クロム
のゲル化、固化及びめっきの安定性は、水和錯状態の変
化に起因し、SO4 とCrのモル比および硫酸クロム製
造時に生成される還元剤の未反応物、中間分解物の残存
が影響していることを見出した。そこで、この問題を解
決する手段を鋭意検討した結果、SO4 とCrのモル比
を化学量論比1.4以下と低くした硫酸存在下で、さら
に還元剤の種類、添加順序、速度、熟成条件を制御し、
残存する未反応還元剤、還元剤中間分解物、すなわち塩
基性硫酸クロム中の炭素量を2g/l以下にすることに
より、長期保存してもゲル化、固化がなく、めっきの補
給性、めっき安定性に優れたクロム合金系電気めっき用
塩基性硫酸クロムを提供することが可能であることを見
出した。
を解決するために詳細に検討を行った結果、硫酸クロム
のゲル化、固化及びめっきの安定性は、水和錯状態の変
化に起因し、SO4 とCrのモル比および硫酸クロム製
造時に生成される還元剤の未反応物、中間分解物の残存
が影響していることを見出した。そこで、この問題を解
決する手段を鋭意検討した結果、SO4 とCrのモル比
を化学量論比1.4以下と低くした硫酸存在下で、さら
に還元剤の種類、添加順序、速度、熟成条件を制御し、
残存する未反応還元剤、還元剤中間分解物、すなわち塩
基性硫酸クロム中の炭素量を2g/l以下にすることに
より、長期保存してもゲル化、固化がなく、めっきの補
給性、めっき安定性に優れたクロム合金系電気めっき用
塩基性硫酸クロムを提供することが可能であることを見
出した。
【0009】本発明はこれらの知見に基づいてなされた
もので、三酸化クロム水溶液を硫酸の存在下で還元剤に
より還元して生成された塩基性硫酸クロムにおいて、含
有するSO4 とCrのモル比を1.1以上、1.4以下
とし、かつ還元後の液中の残留炭素量が2g/l以下で
あることを特徴とする、クロム合金系電気めっきに使用
する塩基性硫酸クロムにある。
もので、三酸化クロム水溶液を硫酸の存在下で還元剤に
より還元して生成された塩基性硫酸クロムにおいて、含
有するSO4 とCrのモル比を1.1以上、1.4以下
とし、かつ還元後の液中の残留炭素量が2g/l以下で
あることを特徴とする、クロム合金系電気めっきに使用
する塩基性硫酸クロムにある。
【0010】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】本発明における硫酸クロムは、Cr(III)
を主体とした、濃度10%以上50%以下の塩基性硫酸
クロム水溶液である。濃度が10%未満では運搬、貯蔵
に費用がかかり、50%超では保持時に沈殿を生じ、め
っき液への補給には、溶解に時間がかかり、一定濃度の
管理が困難となり得策ではない。
を主体とした、濃度10%以上50%以下の塩基性硫酸
クロム水溶液である。濃度が10%未満では運搬、貯蔵
に費用がかかり、50%超では保持時に沈殿を生じ、め
っき液への補給には、溶解に時間がかかり、一定濃度の
管理が困難となり得策ではない。
【0012】さらに水分を除去した固体の硫酸クロム
は、SO4 とCrのモル比が1.5未満では、一部三酸
化二クロム(Cr2 O3 )となり、めっき液に溶解せ
ず、めっきに使用する硫酸クロムとしては不適当であ
る。
は、SO4 とCrのモル比が1.5未満では、一部三酸
化二クロム(Cr2 O3 )となり、めっき液に溶解せ
ず、めっきに使用する硫酸クロムとしては不適当であ
る。
【0013】なお、クロム合金系電気めっきはCrイオ
ンとしてはCr(III) を主体とするものであるので、C
r源供給用製剤としてはCr(III) を主体としたもので
なければならない。
ンとしてはCr(III) を主体とするものであるので、C
r源供給用製剤としてはCr(III) を主体としたもので
なければならない。
【0014】一般に硫酸クロムはCr2 (SO4 )3 と
いう化学式で表現される。この場合のクロムは3価のイ
オンであるが、3価のクロムは一般にヘキサコクロム
(ヘキサアクオクロム)と言われ、正八面体の中心に位
置するCr原子に対し、6個の水分子を配位した形を持
った錯イオンを形成しており、これを模式的に示すと、
[Cr(H2 O)6 ]3+となる。これが硫酸根とイオン
結合したものがCr2 (SO4 )3 すなわち硫酸クロム
である。
いう化学式で表現される。この場合のクロムは3価のイ
オンであるが、3価のクロムは一般にヘキサコクロム
(ヘキサアクオクロム)と言われ、正八面体の中心に位
置するCr原子に対し、6個の水分子を配位した形を持
った錯イオンを形成しており、これを模式的に示すと、
[Cr(H2 O)6 ]3+となる。これが硫酸根とイオン
結合したものがCr2 (SO4 )3 すなわち硫酸クロム
である。
【0015】ここで、ヘキサコクロム中の水分子は様々
な条件下でH2 O→H+ +OH- のように解離し、プロ
トン(H+ )を放出する。この時の状態は以下に示す
(1)式で表わすことができる。
な条件下でH2 O→H+ +OH- のように解離し、プロ
トン(H+ )を放出する。この時の状態は以下に示す
(1)式で表わすことができる。
【0016】 [Cr(H2 O)6 ]3+ → [Cr(H2 O)5 ・OH]2++H+ ……(1) (1)式に示すような錯イオンが硫酸根とイオン結合す
るとCr(OH)SO4 という化学式で示される塩基性
硫酸クロムとなる。
るとCr(OH)SO4 という化学式で示される塩基性
硫酸クロムとなる。
【0017】この塩基性硫酸クロムの示性式は一般に、
Cr(OH)3-2X(SO4 )X のように表される。ここ
で、XはCrに対するSO4 のモル比を示し、塩基性硫
酸クロムはこのXの値が0を超え1.5未満の範囲をと
る。ちなみにX=0の場合はCr(OH)3 、すなわち
水酸化クロムであり、X=1.5の場合はCr2 (SO
4 )3 、すなわち硫酸クロムである。
Cr(OH)3-2X(SO4 )X のように表される。ここ
で、XはCrに対するSO4 のモル比を示し、塩基性硫
酸クロムはこのXの値が0を超え1.5未満の範囲をと
る。ちなみにX=0の場合はCr(OH)3 、すなわち
水酸化クロムであり、X=1.5の場合はCr2 (SO
4 )3 、すなわち硫酸クロムである。
【0018】まず、本発明における硫酸の三酸化クロム
に対する添加量であるが、SO4 とCrのモル比で表し
て1.1以上1.4以下でなければならない。好ましく
は1.2〜1.3の範囲である。SO4 とCrのモル比
が1.4を超えると製造後3ケ月以内でゲル化が起こ
り、補給配管を閉塞してクロム合金系電気めっき液への
補給が困難となり、さらにはめっき再現性がなくなる。
これは、ゲル化した塩基性硫酸クロムではめっき液での
Cr(III) の錯状態が異なるためと推定される。
に対する添加量であるが、SO4 とCrのモル比で表し
て1.1以上1.4以下でなければならない。好ましく
は1.2〜1.3の範囲である。SO4 とCrのモル比
が1.4を超えると製造後3ケ月以内でゲル化が起こ
り、補給配管を閉塞してクロム合金系電気めっき液への
補給が困難となり、さらにはめっき再現性がなくなる。
これは、ゲル化した塩基性硫酸クロムではめっき液での
Cr(III) の錯状態が異なるためと推定される。
【0019】また、SO4 とCrのモル比が1.1未満
でも製造後3ケ月以内でゲル化が起こり、同時にめっき
液への補給が困難となり、めっき再現性がなくなる。
でも製造後3ケ月以内でゲル化が起こり、同時にめっき
液への補給が困難となり、めっき再現性がなくなる。
【0020】SO4 とCrのモル比が1.1以上1.4
以下では、3ケ月以上ゲル化が起こらず、工業的に塩基
性硫酸クロムを補給する上での支障は無くなる。さら
に、1.2以上1.3以下では12ケ月以上を経てもゲ
ル化は全く起こらない。
以下では、3ケ月以上ゲル化が起こらず、工業的に塩基
性硫酸クロムを補給する上での支障は無くなる。さら
に、1.2以上1.3以下では12ケ月以上を経てもゲ
ル化は全く起こらない。
【0021】SO4 とCrのモル比が1.1以上1.4
以下でゲル化を生じない原因については明らかではない
が、1.4を超えるとSO4 とCr(III) が水溶液中で
規則正しく配位して巨大分子を形成し、1.1未満では
Cr(III) 水和錯体が連続巨大化するのに対し、1.1
以上1.4以下ではこのようなことが生じないためと推
定される。
以下でゲル化を生じない原因については明らかではない
が、1.4を超えるとSO4 とCr(III) が水溶液中で
規則正しく配位して巨大分子を形成し、1.1未満では
Cr(III) 水和錯体が連続巨大化するのに対し、1.1
以上1.4以下ではこのようなことが生じないためと推
定される。
【0022】このように、SO4 とCrのモル比を1.
1以上1.4以下とするには、三酸化クロムの還元時に
予め硫酸量をSO4 とCrのモル比が1.1以上1.4
以下になるように調整し、還元剤と反応せしめて作成し
ても良く、SO4 とCrのモル比が1.4を超える硫酸
クロムに炭酸バリウムなど硫酸と難溶性塩を形成するも
のを添加して硫酸を除去し、SO4 とCrのモル比を
1.1以上1.4以下としても良い。ただし、後者の作
成方法は硫酸クロム作成後に硫酸比調整工程が付加され
るためコスト高となる。
1以上1.4以下とするには、三酸化クロムの還元時に
予め硫酸量をSO4 とCrのモル比が1.1以上1.4
以下になるように調整し、還元剤と反応せしめて作成し
ても良く、SO4 とCrのモル比が1.4を超える硫酸
クロムに炭酸バリウムなど硫酸と難溶性塩を形成するも
のを添加して硫酸を除去し、SO4 とCrのモル比を
1.1以上1.4以下としても良い。ただし、後者の作
成方法は硫酸クロム作成後に硫酸比調整工程が付加され
るためコスト高となる。
【0023】また、先に述べたように、クロム合金系電
気めっきはCr(III) を主体としたものでなければなら
ないから、使用に供する塩基性硫酸クロム中のCr(VI)
の濃度は、全Cr量の5%以下で、かつ0.1ppm以
上が望ましい。Cr(VI)の濃度が5%を超えると、電気
めっきの際に、Cr(VI)の還元に電気が費やされ、めっ
き効率の極端な低下をもたらす。また、塩基性硫酸クロ
ム中のCr(VI)の濃度が0.1ppm以上であれば、後
に述べる還元剤の残分及び分解物の残存する恐れがなく
なるものと考えられ、クロム合金系電気めっき密着性が
一層向上する可能性がある。
気めっきはCr(III) を主体としたものでなければなら
ないから、使用に供する塩基性硫酸クロム中のCr(VI)
の濃度は、全Cr量の5%以下で、かつ0.1ppm以
上が望ましい。Cr(VI)の濃度が5%を超えると、電気
めっきの際に、Cr(VI)の還元に電気が費やされ、めっ
き効率の極端な低下をもたらす。また、塩基性硫酸クロ
ム中のCr(VI)の濃度が0.1ppm以上であれば、後
に述べる還元剤の残分及び分解物の残存する恐れがなく
なるものと考えられ、クロム合金系電気めっき密着性が
一層向上する可能性がある。
【0024】次に、塩基性硫酸クロム中の炭素(C)量
について述べる。
について述べる。
【0025】塩基性硫酸クロム中の炭素量は、上述した
硫酸比の範囲において、2g/l以下でなければならな
い。炭素量が2g/lを超えると硫酸比が1.1以上、
1.4以下であってもゲル化しやすくなる。
硫酸比の範囲において、2g/l以下でなければならな
い。炭素量が2g/lを超えると硫酸比が1.1以上、
1.4以下であってもゲル化しやすくなる。
【0026】塩基性硫酸クロム中の炭素量とゲル化との
関係は、用いた還元剤の種類、量、還元反応条件等によ
って異なるが、分解しやすい還元剤ほど有利となる。そ
の理由は明らかではないが、還元分解物がCr(III) と
強固な錯配位性のカルボン酸類を形成するか、または、
タール系物質となりゲル化を促進するものと推定され
る。
関係は、用いた還元剤の種類、量、還元反応条件等によ
って異なるが、分解しやすい還元剤ほど有利となる。そ
の理由は明らかではないが、還元分解物がCr(III) と
強固な錯配位性のカルボン酸類を形成するか、または、
タール系物質となりゲル化を促進するものと推定され
る。
【0027】ゆえに、炭素量が2g/l以下の場合に
は、硫酸比1.1以上、1.4以下の範囲において、3
カ月以上の長期保管でもゲル化、固化を起こさず安定で
ある。また、炭素量が2g/l以下であることは、クロ
ム合金系電気めっき、例えば亜鉛−クロム合金系電気め
っきの密着性を一層向上する点でも好ましい。
は、硫酸比1.1以上、1.4以下の範囲において、3
カ月以上の長期保管でもゲル化、固化を起こさず安定で
ある。また、炭素量が2g/l以下であることは、クロ
ム合金系電気めっき、例えば亜鉛−クロム合金系電気め
っきの密着性を一層向上する点でも好ましい。
【0028】このように硫酸比1.1以上、1.4以下
の塩基性硫酸クロムの炭素量を2g/l以下とする方法
を簡単に説明する。
の塩基性硫酸クロムの炭素量を2g/l以下とする方法
を簡単に説明する。
【0029】三酸化クロムの還元反応は、下式に示す如
く酸(H+ )の消費を伴うものである。
く酸(H+ )の消費を伴うものである。
【0030】 CrO4 2-+8H+ +3e- → Cr3++4H2 O しかしながら、上述のごとくSO4 とCrのモル比を
1.5より減じて1.1以上1.4以下とする場合、三
酸化クロムを十分還元するには、還元剤を過剰に使用し
なくてはならなくなる。
1.5より減じて1.1以上1.4以下とする場合、三
酸化クロムを十分還元するには、還元剤を過剰に使用し
なくてはならなくなる。
【0031】このため、従来使用されているグルコー
ス、澱粉、リグニン、廃糖蜜等の糖類系の有機還元剤で
は、還元分解物がタール化するなどし、塩基性硫酸クロ
ム中に残存しやすくなる。
ス、澱粉、リグニン、廃糖蜜等の糖類系の有機還元剤で
は、還元分解物がタール化するなどし、塩基性硫酸クロ
ム中に残存しやすくなる。
【0032】ゆえに、例えば、有機系還元剤を用いる場
合は、低硫酸比の難還元性状態で、還元剤残分及び還元
剤分解物の残存を炭素量として2g/l以下とするに
は、還元剤の添加量を理論還元量以下で添加し、かつ1
00℃以上で数時間以上保持することによって、反応を
促進させると共に中間生成物を極力分解させる必要があ
る。また、さらには、還元剤として易分解性のアルコー
ル類(メタノール、エチレングリコール、グリセリン)
等を用いることにより、還元剤分解物の残存をより有効
に低減することができる。
合は、低硫酸比の難還元性状態で、還元剤残分及び還元
剤分解物の残存を炭素量として2g/l以下とするに
は、還元剤の添加量を理論還元量以下で添加し、かつ1
00℃以上で数時間以上保持することによって、反応を
促進させると共に中間生成物を極力分解させる必要があ
る。また、さらには、還元剤として易分解性のアルコー
ル類(メタノール、エチレングリコール、グリセリン)
等を用いることにより、還元剤分解物の残存をより有効
に低減することができる。
【0033】なお、還元反応後の液中のCr(VI)含有
量を、上述した範囲で残存させることにより、液中の還
元剤はほぼ完全に分解され、中間生成物(還元分解物)
の残量を極微量に抑制することができる。
量を、上述した範囲で残存させることにより、液中の還
元剤はほぼ完全に分解され、中間生成物(還元分解物)
の残量を極微量に抑制することができる。
【0034】特に、過酸化水素のような無機系還元剤を
用いると、炭素量を0.1g/l以下とすることが可能
となり、クロム合金系電気めっきには一層好適である。
用いると、炭素量を0.1g/l以下とすることが可能
となり、クロム合金系電気めっきには一層好適である。
【0035】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例とともに挙げ
る。
る。
【0036】表1に示すように、Cr(VI)として180
g/lになるように三酸化クロムを脱イオン水に溶解
し、実施例1〜8では、それに対し硫酸比が1.1以
上、1.4以下になるように所定量の硫酸を添加し、そ
の混合溶液に対して還元剤を所定量添加し、残存するC
r(VI)濃度が全Cr量の5%以下になるように還元及び
熟成を行った。
g/lになるように三酸化クロムを脱イオン水に溶解
し、実施例1〜8では、それに対し硫酸比が1.1以
上、1.4以下になるように所定量の硫酸を添加し、そ
の混合溶液に対して還元剤を所定量添加し、残存するC
r(VI)濃度が全Cr量の5%以下になるように還元及び
熟成を行った。
【0037】これに対して、比較例1〜6は、硫酸比が
1.1以上、1.4以下から外れるように硫酸を添加し
たもの、または硫酸比は1.1以上、1.4以下の範囲
内であるが、Cr(VI)濃度が全Cr量の5%を超える
か、または0.1ppm未満になるように還元剤を添加
したものである。
1.1以上、1.4以下から外れるように硫酸を添加し
たもの、または硫酸比は1.1以上、1.4以下の範囲
内であるが、Cr(VI)濃度が全Cr量の5%を超える
か、または0.1ppm未満になるように還元剤を添加
したものである。
【0038】このようにして得られた塩基性硫酸クロム
の残存炭素量、及びゲル化状態を調査するとともに、め
っき液を建浴して電気めっき鋼板を製造し、それらの品
質を調査した。
の残存炭素量、及びゲル化状態を調査するとともに、め
っき液を建浴して電気めっき鋼板を製造し、それらの品
質を調査した。
【0039】なお、めっき条件は、めっき浴中のC
r3+:55g/l、Zn2+:65g/l、Na:12g
/l、ポリエチレングリコール1500:1.5g/l
でpH1.5、浴温度50℃のめっき浴を用いて、板厚
が0.8mmの鋼板を電流密度150A/dm2 、流速
60m/min、めっき量20g/m2 とした。
r3+:55g/l、Zn2+:65g/l、Na:12g
/l、ポリエチレングリコール1500:1.5g/l
でpH1.5、浴温度50℃のめっき浴を用いて、板厚
が0.8mmの鋼板を電流密度150A/dm2 、流速
60m/min、めっき量20g/m2 とした。
【0040】表1に、このように作成した塩基性硫酸ク
ロムの残留炭素量、作成した塩基性硫酸クロムの品質お
よびめっき鋼板の品質を示す。
ロムの残留炭素量、作成した塩基性硫酸クロムの品質お
よびめっき鋼板の品質を示す。
【0041】表1から明らかなように、本発明の実施例
は全て残留炭素量が2g/l以下であり、また3カ月以
上ゲル化することなく、めっき密着性が良好で、かつ、
めっき液に補給を行っても安定しためっき組成が得られ
た。さらに、SO4 /Crモル比が1.2〜1.3のも
のは1年以上ゲル化せずに安定していた。
は全て残留炭素量が2g/l以下であり、また3カ月以
上ゲル化することなく、めっき密着性が良好で、かつ、
めっき液に補給を行っても安定しためっき組成が得られ
た。さらに、SO4 /Crモル比が1.2〜1.3のも
のは1年以上ゲル化せずに安定していた。
【0042】これに対して比較例は、ゲル化状態、めっ
き密着性のいずれかが劣っており、まためっき安定性が
劣っていた。
き密着性のいずれかが劣っており、まためっき安定性が
劣っていた。
【0043】以上により、本発明の優れた効果を実証す
ることができた。
ることができた。
【0044】
【表1】
【0045】注1) 残留炭素量は、クーロマチックC
(国際電気株式会社、型式VK−1C)を用いて測定し
た。
(国際電気株式会社、型式VK−1C)を用いて測定し
た。
【0046】注2) ゲル化時間は、冷蔵庫(0〜5
℃)で保管し、1カ月以内にゲル化したものを×(実用
不可)、3カ月以内にゲル化したものを△(実用不
可)、3カ月以上1年未満のものを○(実用上問題な
し)、1年以上のものを◎(全く問題なし)とした。
℃)で保管し、1カ月以内にゲル化したものを×(実用
不可)、3カ月以内にゲル化したものを△(実用不
可)、3カ月以上1年未満のものを○(実用上問題な
し)、1年以上のものを◎(全く問題なし)とした。
【0047】注3) めっき密着性は、Cr組成が5%
以上のものについて、白色ビニールテープを貼り付け、
テープ部を内側中心にして、該めっき鋼板を密着折り曲
げした後、開いてテープを剥し、テープ裏面への剥離め
っき層の有無で評価した。全く剥離痕跡のないものを
◎、薄くスジのつくもの(実用上問題なし)を○、めっ
き剥離のあるもの(実用不可)を×とした。
以上のものについて、白色ビニールテープを貼り付け、
テープ部を内側中心にして、該めっき鋼板を密着折り曲
げした後、開いてテープを剥し、テープ裏面への剥離め
っき層の有無で評価した。全く剥離痕跡のないものを
◎、薄くスジのつくもの(実用上問題なし)を○、めっ
き剥離のあるもの(実用不可)を×とした。
【0048】注4) 補給後のめっき安定性は、上記め
っき浴を10%水で希釈した後に、3カ月経過した塩基
性硫酸クロム及び硫酸、炭酸亜鉛、硫酸ナトリウム、ポ
リエチレングリコールを添加して初期めっき浴濃度に戻
し、同一条件でめっきを行い、めっきクロム組成の変化
を化学分析で評価した。Cr組成の差が初期に比較して
5%以下のものを○(良好)、5%以上のものを×(実
用不可)とした。
っき浴を10%水で希釈した後に、3カ月経過した塩基
性硫酸クロム及び硫酸、炭酸亜鉛、硫酸ナトリウム、ポ
リエチレングリコールを添加して初期めっき浴濃度に戻
し、同一条件でめっきを行い、めっきクロム組成の変化
を化学分析で評価した。Cr組成の差が初期に比較して
5%以下のものを○(良好)、5%以上のものを×(実
用不可)とした。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって製
造された塩基性硫酸クロムは液状で極めて安定してお
り、ゲル化、固化がなく長期保存性に優れるため、工業
的にクロム合金系電気めっきを行う際に、取扱いが容易
で補給性に最適である。さらに、めっき密着性も向上す
る。以上のように、本発明は工業上大なる有益性をもた
らすものである。
造された塩基性硫酸クロムは液状で極めて安定してお
り、ゲル化、固化がなく長期保存性に優れるため、工業
的にクロム合金系電気めっきを行う際に、取扱いが容易
で補給性に最適である。さらに、めっき密着性も向上す
る。以上のように、本発明は工業上大なる有益性をもた
らすものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 眞一 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 金丸 辰也 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内
Claims (1)
- 【請求項1】 三酸化クロム水溶液を硫酸の存在下で還
元剤により還元して生成された塩基性硫酸クロムにおい
て、含有するSO4 とCrのモル比を1.1以上、1.
4以下とし、かつ還元後の液中の残留炭素量が2g/l
以下であることを特徴とする、クロム合金系電気めっき
に使用する塩基性硫酸クロム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4530995A JPH08246198A (ja) | 1995-03-06 | 1995-03-06 | クロム合金系電気めっきに使用する塩基性硫酸クロム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4530995A JPH08246198A (ja) | 1995-03-06 | 1995-03-06 | クロム合金系電気めっきに使用する塩基性硫酸クロム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08246198A true JPH08246198A (ja) | 1996-09-24 |
Family
ID=12715721
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4530995A Withdrawn JPH08246198A (ja) | 1995-03-06 | 1995-03-06 | クロム合金系電気めっきに使用する塩基性硫酸クロム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08246198A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102008050034A1 (de) | 2008-10-01 | 2010-04-15 | Voestalpine Stahl Gmbh | Verfahren zum elektrolytischen Abscheiden von Chrom und Chromlegierungen |
-
1995
- 1995-03-06 JP JP4530995A patent/JPH08246198A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102008050034A1 (de) | 2008-10-01 | 2010-04-15 | Voestalpine Stahl Gmbh | Verfahren zum elektrolytischen Abscheiden von Chrom und Chromlegierungen |
| DE102008050034B4 (de) * | 2008-10-01 | 2013-02-21 | Voestalpine Stahl Gmbh | Verfahren zum elektrolytischen Abscheiden von Chrom und Chromlegierungen |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US6004448A (en) | Deposition of chromium oxides from a trivalent chromium solution containing a complexing agent for a buffer | |
| TWI425121B (zh) | 由三價鉻電鍍浴電鍍鉻之方法 | |
| KR910004972B1 (ko) | 주석-코발트, 주석-니켈, 주석-납 2원합금 전기도금조의 제조방법 및 이 방법에 의해 제조된 전기도금조 | |
| US2410844A (en) | Metal plating process | |
| JPH0891842A (ja) | クロム系電気めっきに使用する塩基性硫酸クロムの製造方法 | |
| JPH08246198A (ja) | クロム合金系電気めっきに使用する塩基性硫酸クロム | |
| JPS5887291A (ja) | クロム電気メツキ液 | |
| JPS6344837B2 (ja) | ||
| CN111101179B (zh) | 一种铜箔的电沉积处理方法及复合铜箔材料 | |
| GB1407208A (en) | Treatment of titanium | |
| CN115573015A (zh) | 一种电解磷化液及其制备方法 | |
| JP2631683B2 (ja) | 亜鉛−クロム電気めっき方法 | |
| KR930007924B1 (ko) | 상온형 화성피막제 조성물 | |
| GB2141138A (en) | Trivalent chromium electroplating electrolytes and rejuvenation thereof | |
| US5421988A (en) | Method of manufacturing plated steel sheet with Zn-Cr composite plating | |
| JPH0578882A (ja) | ニツケル−リン合金メツキの形成方法 | |
| JPS5929678B2 (ja) | 電解用陰極 | |
| JPH07207487A (ja) | 電気鉄めっき液 | |
| JPH0681188A (ja) | 電気鉄めっき液 | |
| JPS6230898A (ja) | メツキ浴金属成分補給方法、およびその装置 | |
| JPH10204674A (ja) | 電気鉄めっき液 | |
| JPH0390591A (ja) | 生産性に優れた亜鉛―マンガン合金の電気めつき方法 | |
| JPS58133395A (ja) | 片面亜鉛系電気メツキ鋼板の非メツキ面の後処理方法 | |
| Gaonkar et al. | Oxidation and Corrosion Behaviour of Magnetite Coated Carbon Steel After Chemical Cleaning | |
| JPS5558395A (en) | Production of tinfree steel |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020507 |