JPH0891842A - クロム系電気めっきに使用する塩基性硫酸クロムの製造方法 - Google Patents
クロム系電気めっきに使用する塩基性硫酸クロムの製造方法Info
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- JPH0891842A JPH0891842A JP22975594A JP22975594A JPH0891842A JP H0891842 A JPH0891842 A JP H0891842A JP 22975594 A JP22975594 A JP 22975594A JP 22975594 A JP22975594 A JP 22975594A JP H0891842 A JPH0891842 A JP H0891842A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】三酸化クロム水溶液を硫酸の存在下で還元剤に
より還元してクロム系電気めっきに使用する塩基性硫酸
クロムを製造するに際し、含有するSO4 とCrのモル
比を1.1以上、1.4以下とし、前記還元剤としてア
ルコール類、過酸化水素、または糖類を用い、還元後の
液中のCr(VI)濃度が全Cr量の5%以下になるよう
な添加量で添加し、添加後の反応液を100℃以上で1
時間以上保持する。 【効果】長期保存下においてもゲル化せず、このためめ
っき製造する際に連続補給することができ、さらに残存
する酸根量を少なくして廃液処理時のスラッジ量を抑制
することができる、クロム系電気めっきに使用する塩基
性硫酸クロムの製造方法が提供される。
より還元してクロム系電気めっきに使用する塩基性硫酸
クロムを製造するに際し、含有するSO4 とCrのモル
比を1.1以上、1.4以下とし、前記還元剤としてア
ルコール類、過酸化水素、または糖類を用い、還元後の
液中のCr(VI)濃度が全Cr量の5%以下になるよう
な添加量で添加し、添加後の反応液を100℃以上で1
時間以上保持する。 【効果】長期保存下においてもゲル化せず、このためめ
っき製造する際に連続補給することができ、さらに残存
する酸根量を少なくして廃液処理時のスラッジ量を抑制
することができる、クロム系電気めっきに使用する塩基
性硫酸クロムの製造方法が提供される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛−クロム系合金電
気めっき等のクロム系電気めっき製剤として使用する塩
基性硫酸クロムの製造方法に関する。
気めっき等のクロム系電気めっき製剤として使用する塩
基性硫酸クロムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、亜鉛−クロム系合金電気めっき等
のクロム系電気めっき鋼板は、耐蝕性が飛躍的に向上す
ることから、自動車、家電及び建材用途に使用されてき
ている。
のクロム系電気めっき鋼板は、耐蝕性が飛躍的に向上す
ることから、自動車、家電及び建材用途に使用されてき
ている。
【0003】これらクロム系電気めっきは特開平1−5
5398号公報、特開平1−191798号公報、特開
平3−120593号公報(以上はSO4 とCrのモル
比が1.5の硫酸クロム)、及び特開平6−17309
号公報(SO4 とCrのモル比が1.0以上、1.5未
満の硫酸クロム)等が公知である。
5398号公報、特開平1−191798号公報、特開
平3−120593号公報(以上はSO4 とCrのモル
比が1.5の硫酸クロム)、及び特開平6−17309
号公報(SO4 とCrのモル比が1.0以上、1.5未
満の硫酸クロム)等が公知である。
【0004】しかしながら、これらに使用されている硫
酸クロムは長期保管により、ゲル化、固化し、めっき製
造する際に連続補給ができないなど工業的に生産する場
合、安定してめっきできない欠点がある。
酸クロムは長期保管により、ゲル化、固化し、めっき製
造する際に連続補給ができないなど工業的に生産する場
合、安定してめっきできない欠点がある。
【0005】また、特開平6−158398号公報、特
開平6−173100号公報及び特開平6−17309
8号公報などには還元剤として無機系還元剤及び多価ア
ルコールを用いること及び還元後にCr(VI)を残存さ
せる方法などが開示されているが、これらによって得ら
れる硫酸クロムも同様に、長期保管により、ゲル化、固
化し、めっき製造する際に連続補給ができないなどの欠
点が依然として解決されていない。
開平6−173100号公報及び特開平6−17309
8号公報などには還元剤として無機系還元剤及び多価ア
ルコールを用いること及び還元後にCr(VI)を残存さ
せる方法などが開示されているが、これらによって得ら
れる硫酸クロムも同様に、長期保管により、ゲル化、固
化し、めっき製造する際に連続補給ができないなどの欠
点が依然として解決されていない。
【0006】また、硫酸クロムとしては、皮鞣し用に使
用されている固体の塩基性硫酸クロム(SO4 とCrの
モル比が0.8〜1.0)があるが、この場合、極端な
低硫酸比で還元するため、過剰の有機系還元剤が用いら
れることから、還元剤未反応物、中間分解物が多量に存
在し(皮鞣しの場合は、これらがマスキング剤として有
効に作用するため、その存在はむしろ歓迎されるもので
あった)、まためっき液中に三酸化二クロム(Cr2 O
3 )の不溶解物を生じ、安定にめっきすることができな
いため使用されていない。
用されている固体の塩基性硫酸クロム(SO4 とCrの
モル比が0.8〜1.0)があるが、この場合、極端な
低硫酸比で還元するため、過剰の有機系還元剤が用いら
れることから、還元剤未反応物、中間分解物が多量に存
在し(皮鞣しの場合は、これらがマスキング剤として有
効に作用するため、その存在はむしろ歓迎されるもので
あった)、まためっき液中に三酸化二クロム(Cr2 O
3 )の不溶解物を生じ、安定にめっきすることができな
いため使用されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みてなされたものであって、クロム系電気めっきを製
造する際に、容易にCr源を補給することができ、か
つ、めっき安定性に優れたクロム系電気めっき用塩基性
硫酸クロムの製造方法を提供することを目的とする。
鑑みてなされたものであって、クロム系電気めっきを製
造する際に、容易にCr源を補給することができ、か
つ、めっき安定性に優れたクロム系電気めっき用塩基性
硫酸クロムの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために詳細に検討を行った結果、硫酸クロム
のゲル化、固化、およびめっきの安定性は、水和錯状態
の変化に起因し、SO4 とCrのモル比および硫酸クロ
ム製造時に生成される還元剤の未反応物、中間分解物の
残存が影響していることを見出した。そこで、この問題
を解決する手段を鋭意検討した結果、SO4 とCrのモ
ル比を化学量論比1.4以下にした硫酸存在下で、還元
剤の種類、添加順序、速度、熟成条件を制御し、未反応
還元剤、還元剤中間分解物の残存をなくすることによ
り、めっきの補給性、めっき安定性に優れたクロム系電
気めっき用塩基性硫酸クロムを製造することが可能であ
ることを見出した。
を解決するために詳細に検討を行った結果、硫酸クロム
のゲル化、固化、およびめっきの安定性は、水和錯状態
の変化に起因し、SO4 とCrのモル比および硫酸クロ
ム製造時に生成される還元剤の未反応物、中間分解物の
残存が影響していることを見出した。そこで、この問題
を解決する手段を鋭意検討した結果、SO4 とCrのモ
ル比を化学量論比1.4以下にした硫酸存在下で、還元
剤の種類、添加順序、速度、熟成条件を制御し、未反応
還元剤、還元剤中間分解物の残存をなくすることによ
り、めっきの補給性、めっき安定性に優れたクロム系電
気めっき用塩基性硫酸クロムを製造することが可能であ
ることを見出した。
【0009】本発明はこれらの知見に基づいてなされた
もので、第1に、三酸化クロム水溶液を硫酸の存在下で
還元剤により還元してクロム系電気めっきに使用する塩
基性硫酸クロムを製造する方法において、含有するSO
4 とCrのモル比を1.1以上、1.4以下とし、前記
還元剤としてアルコール類を用い、その添加量を還元後
の液中のCr(VI)濃度が全Cr量の5%以下になるよ
うに、理論添加量の80%以上、100%以下とするこ
とを特徴とするクロム系電気めっきに使用する塩基性硫
酸クロムの製造方法を提供する。
もので、第1に、三酸化クロム水溶液を硫酸の存在下で
還元剤により還元してクロム系電気めっきに使用する塩
基性硫酸クロムを製造する方法において、含有するSO
4 とCrのモル比を1.1以上、1.4以下とし、前記
還元剤としてアルコール類を用い、その添加量を還元後
の液中のCr(VI)濃度が全Cr量の5%以下になるよ
うに、理論添加量の80%以上、100%以下とするこ
とを特徴とするクロム系電気めっきに使用する塩基性硫
酸クロムの製造方法を提供する。
【0010】第2に、三酸化クロム水溶液を硫酸の存在
下で還元剤により還元してクロム系電気めっきに使用す
る塩基性硫酸クロムを製造する方法において、含有する
SO4 とCrのモル比を1.1以上、1.4以下とし、
前記還元剤として過酸化水素を用い、その濃度を2〜3
5%として、その添加量を還元後の液中のCr(VI)濃
度が全Cr量の5%以下になるように、理論添加量の1
00%以上、250%以下とすることを特徴とするクロ
ム系電気めっきに使用する塩基性硫酸クロムの製造方法
を提供する。
下で還元剤により還元してクロム系電気めっきに使用す
る塩基性硫酸クロムを製造する方法において、含有する
SO4 とCrのモル比を1.1以上、1.4以下とし、
前記還元剤として過酸化水素を用い、その濃度を2〜3
5%として、その添加量を還元後の液中のCr(VI)濃
度が全Cr量の5%以下になるように、理論添加量の1
00%以上、250%以下とすることを特徴とするクロ
ム系電気めっきに使用する塩基性硫酸クロムの製造方法
を提供する。
【0011】第3に、三酸化クロム水溶液を硫酸の存在
下で還元剤により還元してクロム系電気めっきに使用す
る塩基性硫酸クロムを製造する方法において、含有する
SO4 とCrのモル比を1.1以上、1.4以下とし、
前記還元剤として糖類およびアルコール類を含む有機系
還元剤を用いて、三酸化クロムに対する理論添加量の8
0%以下の範囲で還元した後に、過酸化水素を還元後の
液中のCr(VI)の濃度が全Cr量の5%以下になるよ
うな添加量で添加することを特徴とするクロム系電気め
っきに使用する塩基性硫酸クロムの製造方法を提供す
る。
下で還元剤により還元してクロム系電気めっきに使用す
る塩基性硫酸クロムを製造する方法において、含有する
SO4 とCrのモル比を1.1以上、1.4以下とし、
前記還元剤として糖類およびアルコール類を含む有機系
還元剤を用いて、三酸化クロムに対する理論添加量の8
0%以下の範囲で還元した後に、過酸化水素を還元後の
液中のCr(VI)の濃度が全Cr量の5%以下になるよ
うな添加量で添加することを特徴とするクロム系電気め
っきに使用する塩基性硫酸クロムの製造方法を提供す
る。
【0012】第4に、上記第1〜第3の方法において、
還元剤添加後の反応液を100℃以上で1時間以上保持
することを特徴とするクロム系電気めっきに使用する塩
基性硫酸クロムの製造方法を提供する。
還元剤添加後の反応液を100℃以上で1時間以上保持
することを特徴とするクロム系電気めっきに使用する塩
基性硫酸クロムの製造方法を提供する。
【0013】第5に、三酸化クロム水溶液を硫酸の存在
下で還元剤により還元してクロム系電気めっきに使用す
る塩基性硫酸クロムを製造する方法において、含有する
SO4 とCrのモル比を1.1以上、1.4以下とし、
前記還元剤として糖類を用い、その添加量を還元後の液
中のCr(VI)の濃度が全Cr量の5%以下になるよう
に、理論添加量の80%以上、100%以下とし、還元
剤添加後の反応液を100℃以上で1時間以上保持する
ことを特徴とするクロム系電気めっきに使用する塩基性
硫酸クロムの製造方法を提供する。
下で還元剤により還元してクロム系電気めっきに使用す
る塩基性硫酸クロムを製造する方法において、含有する
SO4 とCrのモル比を1.1以上、1.4以下とし、
前記還元剤として糖類を用い、その添加量を還元後の液
中のCr(VI)の濃度が全Cr量の5%以下になるよう
に、理論添加量の80%以上、100%以下とし、還元
剤添加後の反応液を100℃以上で1時間以上保持する
ことを特徴とするクロム系電気めっきに使用する塩基性
硫酸クロムの製造方法を提供する。
【0014】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】本発明における硫酸クロムは、Cr(III)
を主体とした、濃度10%以上50%以下の塩基性硫酸
クロム水溶液である。濃度が10%未満では運搬、貯蔵
に費用がかかり、50%超では保持時に沈殿を生じ、め
っき液への補給には、溶解に時間がかかり、一定濃度の
管理が困難となり得策ではない。
を主体とした、濃度10%以上50%以下の塩基性硫酸
クロム水溶液である。濃度が10%未満では運搬、貯蔵
に費用がかかり、50%超では保持時に沈殿を生じ、め
っき液への補給には、溶解に時間がかかり、一定濃度の
管理が困難となり得策ではない。
【0016】さらに水分を除去した固体の硫酸クロム
は、SO4 とCrのモル比が1.5未満では、一部三酸
化二クロム(Cr2 O3 )となり、めっき液に溶解せ
ず、めっきに使用する硫酸クロムとしては不適である。
は、SO4 とCrのモル比が1.5未満では、一部三酸
化二クロム(Cr2 O3 )となり、めっき液に溶解せ
ず、めっきに使用する硫酸クロムとしては不適である。
【0017】なお、クロム系電気めっきはCrイオンと
してはCr(III) を主体とするものであるので、Cr源
供給用製剤としてはCr(III) を主体としたものでなけ
ればならない。
してはCr(III) を主体とするものであるので、Cr源
供給用製剤としてはCr(III) を主体としたものでなけ
ればならない。
【0018】一般に硫酸クロムはCr2 (SO4 )3 と
いう化学式で表現される。この場合のクロムは3価のイ
オンであるが、3価のクロムは一般にヘキサコクロム
(ヘキサアクオクロム)と言われ、正八面体の中心に位
置するCr原子に対し、6個の水分子を配位した形を持
った錯イオンを形成しており、これを模式的に示すと、
[Cr(H2 O)6 ]3+となる。これが硫酸根とイオン
結合したものがCr2 (SO4 )3 すなわち硫酸クロム
である。
いう化学式で表現される。この場合のクロムは3価のイ
オンであるが、3価のクロムは一般にヘキサコクロム
(ヘキサアクオクロム)と言われ、正八面体の中心に位
置するCr原子に対し、6個の水分子を配位した形を持
った錯イオンを形成しており、これを模式的に示すと、
[Cr(H2 O)6 ]3+となる。これが硫酸根とイオン
結合したものがCr2 (SO4 )3 すなわち硫酸クロム
である。
【0019】ここで、ヘキサコクロム中の水分子は様々
な条件下でH2 O→H+ +OH- のように解離し、プロ
トン(H+ )を放出する。この時の状態は以下に示す
(1)式で表わすことができる。
な条件下でH2 O→H+ +OH- のように解離し、プロ
トン(H+ )を放出する。この時の状態は以下に示す
(1)式で表わすことができる。
【0020】 [Cr(H2 O)6 ]3+ → [Cr(H2 O)5 ・OH]2++H+ ……(1) (1)式に示すような錯イオンが硫酸根とイオン結合す
るとCr(OH)SO4 という化学式で示される塩基性
硫酸クロムとなる。
るとCr(OH)SO4 という化学式で示される塩基性
硫酸クロムとなる。
【0021】この塩基性硫酸クロムの示性式は一般に、
Cr(OH)3-2X(SO4 )X のように表される。ここ
で、XはCrに対するSO4 のモル比を示し、塩基性硫
酸クロムはこのXの値が0を超え1.5未満の範囲をと
る。ちなみにX=0の場合はCr(OH)3 、すなわち
水酸化クロムであり、X=1.5の場合はCr2 (SO
4 )3 、すなわち硫酸クロムである。
Cr(OH)3-2X(SO4 )X のように表される。ここ
で、XはCrに対するSO4 のモル比を示し、塩基性硫
酸クロムはこのXの値が0を超え1.5未満の範囲をと
る。ちなみにX=0の場合はCr(OH)3 、すなわち
水酸化クロムであり、X=1.5の場合はCr2 (SO
4 )3 、すなわち硫酸クロムである。
【0022】まず、本発明における硫酸の三酸化クロム
に対する添加量であるが、SO4 とCrのモル比で表し
て1.1以上1.4以下でなければならない。好ましく
は1.1〜1.3の範囲である。SO4 とCrのモル比
が1.4を超えると製造後3ケ月以内でゲル化が起こ
り、補給配管を閉塞してクロム系電気めっき液への補給
が困難となり、さらにはめっき再現性がなくなる。これ
は、ゲル化した塩基性硫酸クロムではめっき液でのCr
(III) の錯状態が異なるためと推定される。
に対する添加量であるが、SO4 とCrのモル比で表し
て1.1以上1.4以下でなければならない。好ましく
は1.1〜1.3の範囲である。SO4 とCrのモル比
が1.4を超えると製造後3ケ月以内でゲル化が起こ
り、補給配管を閉塞してクロム系電気めっき液への補給
が困難となり、さらにはめっき再現性がなくなる。これ
は、ゲル化した塩基性硫酸クロムではめっき液でのCr
(III) の錯状態が異なるためと推定される。
【0023】また、SO4 とCrのモル比が1.1未満
でも製造後3ケ月以内でゲル化が起こり、同時にめっき
液への補給が困難となり、めっき再現性がなくなる。
でも製造後3ケ月以内でゲル化が起こり、同時にめっき
液への補給が困難となり、めっき再現性がなくなる。
【0024】SO4 とCrのモル比が1.1以上1.4
以下では、3ケ月以上ゲル化が起こらず、工業的に塩基
性硫酸クロムを補給する上での支障は無くなる。さら
に、1.1以上1.3以下では12ケ月以上を経てもゲ
ル化は全く起こらない。
以下では、3ケ月以上ゲル化が起こらず、工業的に塩基
性硫酸クロムを補給する上での支障は無くなる。さら
に、1.1以上1.3以下では12ケ月以上を経てもゲ
ル化は全く起こらない。
【0025】SO4 とCrのモル比が1.1以上1.4
以下でゲル化を生じない原因については明らかではない
が、1.4を超えるとSO4 とCr(III) が水溶液中で
規則正しく配位して巨大分子を形成し、1.1未満では
Cr(III) 水和錯体が連続巨大化するのに対し、1.1
以上1.4以下ではこのようなことが生じないためと推
定される。
以下でゲル化を生じない原因については明らかではない
が、1.4を超えるとSO4 とCr(III) が水溶液中で
規則正しく配位して巨大分子を形成し、1.1未満では
Cr(III) 水和錯体が連続巨大化するのに対し、1.1
以上1.4以下ではこのようなことが生じないためと推
定される。
【0026】このように、SO4 とCrのモル比を1.
1以上1.4以下とするには、SO4 とCrのモル比が
1.4以上の塩基性硫酸クロムに炭酸バリウムなど硫酸
と難溶性塩を形成するものを添加する方法もあるが、塩
基性硫酸クロム作成後に硫酸比調整工程を付加する必要
があるうえ、コスト高となる。
1以上1.4以下とするには、SO4 とCrのモル比が
1.4以上の塩基性硫酸クロムに炭酸バリウムなど硫酸
と難溶性塩を形成するものを添加する方法もあるが、塩
基性硫酸クロム作成後に硫酸比調整工程を付加する必要
があるうえ、コスト高となる。
【0027】従って、本発明では三酸化クロム還元時に
予めSO4 とCrのモル比を1.1以上1.4以下と
し、還元剤と反応せしめて塩基性硫酸クロムを作成する
ものである。
予めSO4 とCrのモル比を1.1以上1.4以下と
し、還元剤と反応せしめて塩基性硫酸クロムを作成する
ものである。
【0028】また、先に述べたように、クロム系電気め
っきはCr(III) を主体としたものでなければならない
から、使用に供する塩基性硫酸クロム中のCr(VI)の濃
度は、全Cr量の5%以下でなければならない。Cr(V
I)の濃度が5%を超えると、電気めっきの際に、Cr(V
I)の還元に電気が費やされ、めっき効率の極端な低下を
もたらす。
っきはCr(III) を主体としたものでなければならない
から、使用に供する塩基性硫酸クロム中のCr(VI)の濃
度は、全Cr量の5%以下でなければならない。Cr(V
I)の濃度が5%を超えると、電気めっきの際に、Cr(V
I)の還元に電気が費やされ、めっき効率の極端な低下を
もたらす。
【0029】なお、塩基性硫酸クロム中のCr(VI)の濃
度が0.1ppm以上であれば、後に述べる還元剤の残
分および分解物の残存する恐れがなくなるものと考えら
れ、クロム系電気めっき密着性が一層向上する可能性が
ある。
度が0.1ppm以上であれば、後に述べる還元剤の残
分および分解物の残存する恐れがなくなるものと考えら
れ、クロム系電気めっき密着性が一層向上する可能性が
ある。
【0030】還元剤については、上述したSO4 とCr
のモル比の範囲において、以下に述べる有機系還元剤お
よび/または無機還元剤を用いることで、ゲル化せず、
補給安定性の良い塩基性硫酸クロムを確保することがで
きる。
のモル比の範囲において、以下に述べる有機系還元剤お
よび/または無機還元剤を用いることで、ゲル化せず、
補給安定性の良い塩基性硫酸クロムを確保することがで
きる。
【0031】三酸化クロムの還元反応は、下式に示す如
く酸(H+ )の消費を伴うものである。
く酸(H+ )の消費を伴うものである。
【0032】 CrO4 2-+8H+ +3e- → Cr3++4H2 O しかしながら、上述の如くSO4 とCrのモル比を1.
5より減じて1.1以上1.4以下とする場合、三酸化
クロムを十分還元するには、還元剤を過剰に使用しなく
てはならなくなる。
5より減じて1.1以上1.4以下とする場合、三酸化
クロムを十分還元するには、還元剤を過剰に使用しなく
てはならなくなる。
【0033】このため、従来使用されているグルコー
ス、澱粉、リグニン、廃糖蜜等の糖類系の有機還元剤で
は、その添加率を高くした場合に還元分解物がCr(II
I) と強固な錯配位性のカルボン酸類を形成するか、ま
たはタール系物質なり、これらが多くなると、原因は明
らかではないが、ゲル化しやすくなる傾向を示す。ま
た、これらの還元分解物は、亜鉛−クロム合金電気めっ
きなどのめっき時には、鋼板に付着してめっき密着性を
損なう場合もある。
ス、澱粉、リグニン、廃糖蜜等の糖類系の有機還元剤で
は、その添加率を高くした場合に還元分解物がCr(II
I) と強固な錯配位性のカルボン酸類を形成するか、ま
たはタール系物質なり、これらが多くなると、原因は明
らかではないが、ゲル化しやすくなる傾向を示す。ま
た、これらの還元分解物は、亜鉛−クロム合金電気めっ
きなどのめっき時には、鋼板に付着してめっき密着性を
損なう場合もある。
【0034】本発明は、低硫酸比(SO4 とCrのモル
比)の難還元性状態で、めっきに障害とならぬよう還元
剤残分および還元剤分解物の低減を図ったものである。
比)の難還元性状態で、めっきに障害とならぬよう還元
剤残分および還元剤分解物の低減を図ったものである。
【0035】以上の観点から、めっき密着性の一層の向
上を図るにあたって、還元剤として有機還元剤を用いる
場合には、還元後の中間生成物を残存させないようにす
るため、分解しやすいアルコール類を用いることが好ま
しい。ここでいうアルコール類とは一価、二価、三価ア
ルコール及びその他の多価アルコールを含むものであ
り、例えばメタノール、ポリエチレングリコール、グリ
セリン等を挙げることができる。また、有機系還元剤の
添加量は、還元反応後に中間生成物を残存させないよう
にする観点から、理論量の80〜100%とすることが
好ましい。従来用いられていた澱粉やグルコースは分解
しにくく、還元反応後に中間生成物を残存させない観点
からは、上記範囲内で添加率を低めに設定する必要があ
るが、上記アルコール類は分解しやすいため、その添加
率を高くすることが可能である。
上を図るにあたって、還元剤として有機還元剤を用いる
場合には、還元後の中間生成物を残存させないようにす
るため、分解しやすいアルコール類を用いることが好ま
しい。ここでいうアルコール類とは一価、二価、三価ア
ルコール及びその他の多価アルコールを含むものであ
り、例えばメタノール、ポリエチレングリコール、グリ
セリン等を挙げることができる。また、有機系還元剤の
添加量は、還元反応後に中間生成物を残存させないよう
にする観点から、理論量の80〜100%とすることが
好ましい。従来用いられていた澱粉やグルコースは分解
しにくく、還元反応後に中間生成物を残存させない観点
からは、上記範囲内で添加率を低めに設定する必要があ
るが、上記アルコール類は分解しやすいため、その添加
率を高くすることが可能である。
【0036】還元反応後の液中のCr(VI)を、前述した
範囲の含有量で残存させることで、液中の還元剤はほぼ
完全に分解され、中間生成物(還元剤分解物)の残量を
極微量に抑制することが可能となる。つまり、還元反応
後の液中のCr(VI)の濃度が全Cr量の5%以下になる
ように有機系還元剤の添加量を80%以上100%以下
にすることにより、還元反応後の中間生成物の残存量を
極めて少なくすることができる。
範囲の含有量で残存させることで、液中の還元剤はほぼ
完全に分解され、中間生成物(還元剤分解物)の残量を
極微量に抑制することが可能となる。つまり、還元反応
後の液中のCr(VI)の濃度が全Cr量の5%以下になる
ように有機系還元剤の添加量を80%以上100%以下
にすることにより、還元反応後の中間生成物の残存量を
極めて少なくすることができる。
【0037】さらに、澱粉、蔗糖、グルコース等の糖類
またはアルコール類の有機系還元剤を用いて三酸化クロ
ムの理論還元量の80%以下の範囲で還元し、しかる後
に、過酸化水素のような無機系還元剤を還元後の液中の
Cr(VI)の濃度が全Cr量の5%以下になるように添
加してもよい。
またはアルコール類の有機系還元剤を用いて三酸化クロ
ムの理論還元量の80%以下の範囲で還元し、しかる後
に、過酸化水素のような無機系還元剤を還元後の液中の
Cr(VI)の濃度が全Cr量の5%以下になるように添
加してもよい。
【0038】無機還元剤としては過酸化水素が好まし
い。これを用いる場合には、反応後の生成物は塩基性硫
酸クロムの他は、水と酸素のみであり、全て系外へ逃散
するため中間生成物は残らない。しかし、有機系還元剤
に比べその反応は激しく、自己分解反応を伴うため、そ
の添加率は原液を用いた場合、理論量の250〜500
%にも達する。このような自己分解反応を抑制するため
には還元剤を希釈することが好ましく、その添加率を理
論量の150〜250%の適当な値にするためには、そ
の濃度を5〜35%にすることが好ましい。さらに好ま
しくは5〜15%である。無機還元剤を用いた場合にも
液中のCr(VI)濃度が全Crの5%以下になるように、
その添加率を理論量の150〜250%の適宜の値に設
定すればよい。
い。これを用いる場合には、反応後の生成物は塩基性硫
酸クロムの他は、水と酸素のみであり、全て系外へ逃散
するため中間生成物は残らない。しかし、有機系還元剤
に比べその反応は激しく、自己分解反応を伴うため、そ
の添加率は原液を用いた場合、理論量の250〜500
%にも達する。このような自己分解反応を抑制するため
には還元剤を希釈することが好ましく、その添加率を理
論量の150〜250%の適当な値にするためには、そ
の濃度を5〜35%にすることが好ましい。さらに好ま
しくは5〜15%である。無機還元剤を用いた場合にも
液中のCr(VI)濃度が全Crの5%以下になるように、
その添加率を理論量の150〜250%の適宜の値に設
定すればよい。
【0039】以上のようにして条件を適切に調整して還
元液を製造した場合には、その中に余分な中間生成物や
ガス体等がほとんど存在しないようにすることは可能で
あるが、これらを確実に除去するためには熟成処理を行
うことが好ましい。従来の塩基性硫酸クロムを製造する
場合にも熟成処理を行っていたが、その目的は生成する
中間生成物の量比の一定化にあったため、その条件は4
0〜60℃で1日〜1週間程度保持という緩やかなもの
であった。これに対して、本発明ではその目的は還元液
中から各種中間体やガス体を完全に除去するところにあ
るため、その条件は従来の条件に比較して過酷なものと
なる。特に、中間生成物が多量に残存しやすい有機物系
の澱粉、蔗糖、グルコース等の糖類を還元剤に用いた場
合には、その還元剤添加量を上述したアルコール類と同
様80%以上100%以下としたうえで、さらに100
℃以上沸騰温度以下で1時間以上、特に好ましくは48
時間以上保持して中間生成物を極力分解することが、ゲ
ル化安定性さらにはめっき密着性を確保するうえで必要
である。
元液を製造した場合には、その中に余分な中間生成物や
ガス体等がほとんど存在しないようにすることは可能で
あるが、これらを確実に除去するためには熟成処理を行
うことが好ましい。従来の塩基性硫酸クロムを製造する
場合にも熟成処理を行っていたが、その目的は生成する
中間生成物の量比の一定化にあったため、その条件は4
0〜60℃で1日〜1週間程度保持という緩やかなもの
であった。これに対して、本発明ではその目的は還元液
中から各種中間体やガス体を完全に除去するところにあ
るため、その条件は従来の条件に比較して過酷なものと
なる。特に、中間生成物が多量に残存しやすい有機物系
の澱粉、蔗糖、グルコース等の糖類を還元剤に用いた場
合には、その還元剤添加量を上述したアルコール類と同
様80%以上100%以下としたうえで、さらに100
℃以上沸騰温度以下で1時間以上、特に好ましくは48
時間以上保持して中間生成物を極力分解することが、ゲ
ル化安定性さらにはめっき密着性を確保するうえで必要
である。
【0040】なお、この100℃以上の沸騰温度以下で
1時間以上の熟成処理は、還元剤としてアルコール類、
過酸化水素を用いる場合、および有機系還元剤を用い最
終的に過酸化水素を用いる場合にも、電気めっきのめっ
き密着性を一層向上させるので好ましい。
1時間以上の熟成処理は、還元剤としてアルコール類、
過酸化水素を用いる場合、および有機系還元剤を用い最
終的に過酸化水素を用いる場合にも、電気めっきのめっ
き密着性を一層向上させるので好ましい。
【0041】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例とともに挙げ
る。
る。
【0042】Cr(VI)として180g/lになるように
三酸化クロムを脱イオン水に溶解し、それに対しSO4
/Crモル比が表1に示す値になるように硫酸を添加し
た。この混合溶液に対し、表1に示すような還元剤を所
定量添加し、残存するCr(VI)濃度が全Cr量の5%以
下になるように還元および熟成を行った。得られた塩基
性硫酸クロムを用い、ゲル化状態を調査するとともに、
めっき液を建浴し、電気めっき鋼板を製造した。
三酸化クロムを脱イオン水に溶解し、それに対しSO4
/Crモル比が表1に示す値になるように硫酸を添加し
た。この混合溶液に対し、表1に示すような還元剤を所
定量添加し、残存するCr(VI)濃度が全Cr量の5%以
下になるように還元および熟成を行った。得られた塩基
性硫酸クロムを用い、ゲル化状態を調査するとともに、
めっき液を建浴し、電気めっき鋼板を製造した。
【0043】また、比較例として、無機系還元剤を用い
てSO4 /Crモル比が1.0および1.5になるよう
に調整したもの、ならびに有機系還元剤を用いて緩やか
な熟成条件で調整した塩基性硫酸クロム、さらには残留
Cr(VI)濃度が全Cr量の5%を超えるものをそれぞれ
作成した。
てSO4 /Crモル比が1.0および1.5になるよう
に調整したもの、ならびに有機系還元剤を用いて緩やか
な熟成条件で調整した塩基性硫酸クロム、さらには残留
Cr(VI)濃度が全Cr量の5%を超えるものをそれぞれ
作成した。
【0044】なお、めっき条件はめっき浴中のCr3+:
55g/l、Zn2+:65g/l、Na:12g/l、
ポリエチレングリコール1500:1.5g/lでpH
1.5、浴温度50℃のめっき浴を用いて、板厚が0.
8mmの鋼板を電流密度160A/dm2 、流速60m
/min、めっき量20g/m2 とした。
55g/l、Zn2+:65g/l、Na:12g/l、
ポリエチレングリコール1500:1.5g/lでpH
1.5、浴温度50℃のめっき浴を用いて、板厚が0.
8mmの鋼板を電流密度160A/dm2 、流速60m
/min、めっき量20g/m2 とした。
【0045】表1に、このように作成した塩基性硫酸ク
ロムの製造条件、ならびに作成した塩基性硫酸クロムの
品質およびめっき鋼板の品質を示す。
ロムの製造条件、ならびに作成した塩基性硫酸クロムの
品質およびめっき鋼板の品質を示す。
【0046】表1から明らかなように、本発明の実施例
は全て3カ月以上ゲル化することなく、かつ、めっき液
に補給を行っても安定しためっき組成が得られた。さら
に、SO4 /Crモル比が1.1〜1.3でかつ還元剤
にアルコール類、過酸化水素を用いたものは1年以上ゲ
ル化せずに安定していた。
は全て3カ月以上ゲル化することなく、かつ、めっき液
に補給を行っても安定しためっき組成が得られた。さら
に、SO4 /Crモル比が1.1〜1.3でかつ還元剤
にアルコール類、過酸化水素を用いたものは1年以上ゲ
ル化せずに安定していた。
【0047】さらに、還元剤にアルコール類、過酸化水
素を用い、熟成処理を100℃以上で1時間以上行った
ものは、めっき鋼板のめっき密着性が一層優れたものに
なった。
素を用い、熟成処理を100℃以上で1時間以上行った
ものは、めっき鋼板のめっき密着性が一層優れたものに
なった。
【0048】以上の実施例により、本発明の優れた効果
を実証することができた。
を実証することができた。
【0049】
【表1】 注1) ゲル化時間は、冷蔵庫(0〜5℃)で保管し、
3カ月経過前にゲル化したものを×(実用不可)、3カ
月以上1年未満のものを○(実用上問題なし)、1年以
上のものを◎(全く問題なし)とした。
3カ月経過前にゲル化したものを×(実用不可)、3カ
月以上1年未満のものを○(実用上問題なし)、1年以
上のものを◎(全く問題なし)とした。
【0050】注2) めっき密着性は、Cr組成が5%
以上のものについて、白色ビニールテープを貼り付け、
テープ部を内側中心にして、該めっき鋼板を密着折り曲
げした後、開いてテープを剥し、テープ裏面への剥離め
っき層の有無で評価した。全く剥離痕跡のないものを
◎、薄くスジのつくもの(実用上問題なし)を○、めっ
き剥離のあるもの(実用不可)を×とした。
以上のものについて、白色ビニールテープを貼り付け、
テープ部を内側中心にして、該めっき鋼板を密着折り曲
げした後、開いてテープを剥し、テープ裏面への剥離め
っき層の有無で評価した。全く剥離痕跡のないものを
◎、薄くスジのつくもの(実用上問題なし)を○、めっ
き剥離のあるもの(実用不可)を×とした。
【0051】注3) 補給後のめっき安定性は、上記め
っき浴を10%水で希釈した後に、3カ月経過した塩基
性硫酸クロムおよび硫酸、炭酸亜鉛、硫酸ナトリウム、
ポリエチレングリコールを添加して初期めっき浴濃度に
戻し、同一条件でめっきを行い、めっきクロム組成の変
化を化学分析で評価した。Cr組成の差が初期に比較し
て5%以下のものを○(良好)、5%以上のものを×
(実用不可)とした。
っき浴を10%水で希釈した後に、3カ月経過した塩基
性硫酸クロムおよび硫酸、炭酸亜鉛、硫酸ナトリウム、
ポリエチレングリコールを添加して初期めっき浴濃度に
戻し、同一条件でめっきを行い、めっきクロム組成の変
化を化学分析で評価した。Cr組成の差が初期に比較し
て5%以下のものを○(良好)、5%以上のものを×
(実用不可)とした。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって製
造された塩基性硫酸クロムは液状で極めて安定してお
り、クロム系電気めっきを行なう際に、クロム錯塩の組
成が安定しているので従来の硫酸クロムに比べめっき液
の変化が少なく、安定した状態でめっき作業を行なうこ
とができる。また、硫酸クロムに比べ組成中の酸根量が
少ないので、めっき液中に蓄積する酸根量が少なく抑え
られ、さらに酸根の除去に際しても沈殿を生成するため
の薬剤量及び沈殿の発生量を従来よりも抑制することが
可能となる。しかも、長期保存下でゲル化を起こさない
ため、取扱いが容易である。さらに、めっき密着性の一
層の向上も可能とする。以上のように、本発明は工業上
大なる有益性をもたらすものである。
造された塩基性硫酸クロムは液状で極めて安定してお
り、クロム系電気めっきを行なう際に、クロム錯塩の組
成が安定しているので従来の硫酸クロムに比べめっき液
の変化が少なく、安定した状態でめっき作業を行なうこ
とができる。また、硫酸クロムに比べ組成中の酸根量が
少ないので、めっき液中に蓄積する酸根量が少なく抑え
られ、さらに酸根の除去に際しても沈殿を生成するため
の薬剤量及び沈殿の発生量を従来よりも抑制することが
可能となる。しかも、長期保存下でゲル化を起こさない
ため、取扱いが容易である。さらに、めっき密着性の一
層の向上も可能とする。以上のように、本発明は工業上
大なる有益性をもたらすものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 眞一 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 金丸 辰也 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内
Claims (5)
- 【請求項1】 三酸化クロム水溶液を硫酸の存在下で還
元剤により還元してクロム系電気めっきに使用する塩基
性硫酸クロムを製造する方法において、含有するSO4
とCrのモル比を1.1以上、1.4以下とし、前記還
元剤としてアルコール類を用い、その添加量を還元後の
液中のCr(VI)濃度が全Cr量の5%以下になるよう
に、理論添加量の80%以上、100%以下とすること
を特徴とするクロム系電気めっきに使用する塩基性硫酸
クロムの製造方法。 - 【請求項2】 三酸化クロム水溶液を硫酸の存在下で還
元剤により還元してクロム系電気めっきに使用する塩基
性硫酸クロムを製造する方法において、含有するSO4
とCrのモル比を1.1以上、1.4以下とし、前記還
元剤として過酸化水素を用い、その濃度を2〜35%と
して、その添加量を還元後の液中のCr(VI)濃度が全
Cr量の5%以下になるように、理論添加量の100%
以上、250%以下とすることを特徴とするクロム系電
気めっきに使用する塩基性硫酸クロムの製造方法。 - 【請求項3】 三酸化クロム水溶液を硫酸の存在下で還
元剤により還元してクロム系電気めっきに使用する塩基
性硫酸クロムを製造する方法において、含有するSO4
とCrのモル比を1.1以上、1.4以下とし、前記還
元剤として糖類またはアルコール類の有機系還元剤を用
いて、三酸化クロムの理論添加量に対する80%以下の
範囲で還元した後に、過酸化水素を還元後の液中のCr
(VI)の濃度が全Cr量の5%以下になるような添加量
で添加することを特徴とするクロム系電気めっきに使用
する塩基性硫酸クロムの製造方法。 - 【請求項4】 還元剤添加後の反応液を100℃以上で
1時間以上保持することを特徴とする請求項1〜請求項
3のいずれか1項に記載のクロム系電気めっきに使用す
る塩基性硫酸クロムの製造方法。 - 【請求項5】 三酸化クロム水溶液を硫酸の存在下で還
元剤により還元してクロム系電気めっきに使用する塩基
性硫酸クロムを製造する方法において、含有するSO4
とCrのモル比を1.1以上、1.4以下とし、前記還
元剤として糖類を用い、その添加量を還元後の液中のC
r(VI)の濃度が全Cr量の5%以下になるように、理
論添加量の80%以上、100%以下とし、還元剤添加
後の反応液を100℃以上で1時間以上保持することを
特徴とするクロム系電気めっきに使用する塩基性硫酸ク
ロムの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22975594A JPH0891842A (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | クロム系電気めっきに使用する塩基性硫酸クロムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22975594A JPH0891842A (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | クロム系電気めっきに使用する塩基性硫酸クロムの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0891842A true JPH0891842A (ja) | 1996-04-09 |
Family
ID=16897179
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22975594A Withdrawn JPH0891842A (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | クロム系電気めっきに使用する塩基性硫酸クロムの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0891842A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2010026916A1 (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-11 | 日本化学工業株式会社 | クロム(iii)含有水溶液およびその製造方法 |
| WO2010037532A1 (de) | 2008-10-01 | 2010-04-08 | Voestalpine Stahl Gmbh | Verfahren zum elektrolytischen abscheiden von chrom und chromlegierungen |
| JP5529024B2 (ja) * | 2008-09-05 | 2014-06-25 | 日本化学工業株式会社 | 炭酸クロム(iii)及びその製造方法 |
| CN105734631A (zh) * | 2014-12-10 | 2016-07-06 | 上海宝钢工业技术服务有限公司 | 冷轧轧辊毛化处理的电镀液及电镀方法 |
| CN109399714A (zh) * | 2018-12-29 | 2019-03-01 | 长沙兴嘉生物工程股份有限公司 | 一种用含铬废水制备碱式硫酸铬的方法 |
-
1994
- 1994-09-26 JP JP22975594A patent/JPH0891842A/ja not_active Withdrawn
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2010026916A1 (ja) * | 2008-09-05 | 2010-03-11 | 日本化学工業株式会社 | クロム(iii)含有水溶液およびその製造方法 |
| JP5518718B2 (ja) * | 2008-09-05 | 2014-06-11 | 日本化学工業株式会社 | クロム(iii)含有水溶液の製造方法 |
| JP5529024B2 (ja) * | 2008-09-05 | 2014-06-25 | 日本化学工業株式会社 | 炭酸クロム(iii)及びその製造方法 |
| WO2010037532A1 (de) | 2008-10-01 | 2010-04-08 | Voestalpine Stahl Gmbh | Verfahren zum elektrolytischen abscheiden von chrom und chromlegierungen |
| DE102008050034A1 (de) | 2008-10-01 | 2010-04-15 | Voestalpine Stahl Gmbh | Verfahren zum elektrolytischen Abscheiden von Chrom und Chromlegierungen |
| DE102008050034B4 (de) * | 2008-10-01 | 2013-02-21 | Voestalpine Stahl Gmbh | Verfahren zum elektrolytischen Abscheiden von Chrom und Chromlegierungen |
| CN105734631A (zh) * | 2014-12-10 | 2016-07-06 | 上海宝钢工业技术服务有限公司 | 冷轧轧辊毛化处理的电镀液及电镀方法 |
| CN105734631B (zh) * | 2014-12-10 | 2019-03-19 | 上海宝钢工业技术服务有限公司 | 冷轧轧辊毛化处理的电镀方法 |
| CN109399714A (zh) * | 2018-12-29 | 2019-03-01 | 长沙兴嘉生物工程股份有限公司 | 一种用含铬废水制备碱式硫酸铬的方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020115 |