JPH08257435A - 強磁性流体選別器 - Google Patents

強磁性流体選別器

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JPH08257435A
JPH08257435A JP7059182A JP5918295A JPH08257435A JP H08257435 A JPH08257435 A JP H08257435A JP 7059182 A JP7059182 A JP 7059182A JP 5918295 A JP5918295 A JP 5918295A JP H08257435 A JPH08257435 A JP H08257435A
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奉儒 楊
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁極により形成された磁場を有効に利用した
強磁性流体選別器を提供する。 【構成】 強磁性流体が充填された水平選別槽20は、
垂直隔板33が等間隔に取付けられ強磁性流体および分
離しようとする非磁性材料を輸送する第一の輸送機構3
0を有する。水平選別槽20の底の一端に設けられた第
二のアウトレット21の下方には、N極とS極との間に
所定の空間を有する電気磁石10が配置されている。電
気磁石10により地球引力の方向に磁場勾配が形成さ
れ、垂直方向に強磁性流体の見かけ密度の勾配が形成さ
れる。非磁性材料のうち、高密度の粒子は強磁性流体の
層の下に沈んで第二のアウトレット21から排出槽50
へと落下して第二の輸送機構40により排出槽50の上
方へと運ばれる。また、低密度の粒子は第一の輸送機構
により水平選別槽20の底の他端に設けられた第一のア
ウトレットに運ばれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性流体を利用して非
磁気物質を密度により選別する装置に関する。
【従来の技術】強磁性流体選別法は、密度により物質を
物理的に選別する方法の一つであり、一般的な方法とは
異なり磁気を利用して選別を行う。かけた磁場の強度に
より利用した強磁性流体の見掛け密度を制御できるの
で、金属などの密度の高い物質も選別できる。したがっ
て、この方法は応用範囲が広いという特徴を有する。
【発明が解決しようとする課題】印加磁場が強磁性流体
中の非磁気物質に与える力は、次の式で表すことができ
る。 F=V[(ρs −ρf )g−(M/4π)▽H] ここで、F;強磁性流体にある非磁気物質が受けた力、
V;非磁気物質の体積、ρs ;非磁気物質の密度、ρf
;強磁性流体の密度、g;重力加速度、M;この物質
が存在する位置における強磁性流体の仮想的磁化の平均
値、▽H;磁場勾配である。平衡状態では、垂直方向
(Z軸方向)に対するFが0になるため、次の式が成立
する。 ρ=ρs =ρf +[M/(4πg)×(dH/dz)] このとき、釣合浮き(Neutral buoyancy-float)の状態
であるため、強磁性流体の見かけ密度(ρ)は、非磁気
物質の粒子密度(ρs )に等しい。上式からも分かるよ
うに、磁性流体の見かけ密度はそこでかけられた磁場勾
配に依存するので、分離される物質の密度に合わせて自
由に変えることができる。これにより、応用範囲が広が
る。R.E.Rosensweigは、垂直方向に磁場
勾配を形成する選別槽を備え、インレットから水平方向
に沿って導入したサンプルがアウトレットを出る途中に
磁場(密度)勾配の影響を受けて垂直方向に選別される
という強磁性流体選別器を提案している(米国特許第
3,788,465号公報、1969年)。上述した磁
場勾配を形成するため、前記選別槽には強磁性流体が充
填され、また前記選別槽の両面には垂直線とある角度に
なる磁極が設置されている。また、G.W.Reime
rsは、上記の強磁性流体選別器と類似の装置を提案し
ている(米国特許第3,788,465号公報、197
4年)。このものは、垂直的分離ではなく、違った方向
に磁場勾配を形成する機構を持つ。分離される物質は、
同一のインレットから導入され、重力と磁気力の合力が
それらをリードし、異なったアウトレットに送出する。
しかし、この装置によると金属の混合物を完全に分離す
ることができず、さらに後処理が必要になる。その後、
米国AVCO社(米国特許第4,052,297号、1
977年)、日本工業技術院(米国特許第4,113,
608号(1978年)および日本東北大学(IEEE
Transactions on Magnetic
s,Vol.Mag−16,No.2、1980年)も
類似した装置を提案している。以上の強磁性流体選別器
は、外観的な相違はあるが、磁極の間で試料の選別を行
うという基本的な共通点を有する。具体的には、図1に
示すように、互いに間隔をおいて設けられたN極とS極
との両磁極の間に強磁性流体を充填した図示しない選別
槽を設置し、強磁性流体と試料側に面した両磁極の表面
は傾斜しており、磁場勾配そして強磁性流体の見かけの
密度勾配を形成することにより非磁気的試料を分離す
る。図1において、Nは磁石のN極を示し、Sは磁石の
S極を示し、●は高密度物種の粒子を示し、○は低密度
物種の粒子を示し、矢印は非磁気物質の移動方向を示
す。しかし、上記の原理に基づいた選別器には、設計上
の共通点から以下の問題がある。 (1) 互いに間隔をおいて設けられたN極とS極との間で
選別が行われるので、磁極の体積が大きくなる。 (2) 垂直方向に磁場勾配を形成するため、この磁場に面
した磁石の表面加工および製造が困難である。 (3) 垂直方向の有効分離範囲が狭い。 本発明の目的は、磁極により形成された磁場を有効に利
用することが可能な強磁性流体選別器を提供することに
ある。本発明の他の目的は、選別空間を確保しながら磁
石体積を縮小した強磁性流体選別器を提供することにあ
る。本発明のまた他の目的は、分離容量を拡張すること
が容易な強磁性流体選別器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の請求項1記載の強磁性流体選別器は、密
度の異なる非磁気物質を分離する強磁性流体選別器であ
って、非磁気物質を導入するインレットと、非磁気物質
を排出可能な第一のアウトレットおよび第二のアウトレ
ットとを有し、強磁性流体が充填された選別槽と、前記
インレットから導入された非磁気物質を前記第二のアウ
トレットを経て第一のアウトレットまで輸送する第一の
輸送機構と、前記第二のアウトレットの下方に配置さ
れ、互いに間隔をおいて設けられた磁極により垂直方向
に形成された磁場勾配により強磁性流体の見かけ密度勾
配を形成する磁場形成機構とを備え、前記磁場形成機構
により形成された強磁性流体の見かけ密度勾配により非
磁性物質を前記第二のアウトレットと前記第一のアウト
レットとに振り分けることを特徴とする。本発明の請求
項2記載の強磁性流体選別器は、請求項1記載の強磁性
流体選別器であって、互いに間隔をおいて設けられた前
記磁極が発生した磁束は、前記第一の輸送機構の物質移
動方向と平行であることを特徴とする。本発明の請求項
3記載の強磁性流体選別器は、請求項1記載の強磁性流
体選別器であって、前記磁場形成機構は非封閉式環状電
気磁石であることを特徴とする。本発明の請求項4記載
の強磁性流体選別器は、請求項1記載の強磁性流体選別
器であって、前記第二のアウトレットと上方に傾斜して
いる排出槽とを連結し、前記第二のアウトレットから前
記排出槽に沿って非磁気物質を上方に排出する第二の輸
送機構を備えることを特徴とする。本発明の請求項5記
載の強磁性流体選別器は、請求項1記載の強磁性流体選
別器であって、前記第一の輸送機構は、前記第一の輸送
機構に平行な輸送ベルトと、前記輸送ベルトを駆動する
二つの回転軸と、前記輸送ベルトに等間隔に設置された
垂直隔板とを備えることを特徴とする。
【作用および発明の効果】本発明の強磁性流体選別器に
よると、磁場形成機構が前記第二のアウトレットの下方
に設けられているので、磁極が造った磁場を有効に利用
することができる。また、この磁極が発生した磁束は物
質の輸送方向と平行になるので、磁極間の距離を変える
ことなく、磁極の幅および選別槽の幅を広げることによ
り強磁性流体選別器の分離容量を容易に拡張することが
できる。
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明の一実施例を図2に示す。強磁性流体選別
装置は、水平選別槽20、N極とS極との間に所定の空
間を有する電気磁石10、第一の輸送機構30、非磁気
材料からなる排出槽50および第二の輸送機構40から
構成される。水平選別槽20は、非磁気材料で製造さ
れ、内部には図示しない磁性流体が充填されており、第
一の輸送機構30を有する。水平選別槽20の底には、
排出槽50に面して高密度物種のアウトレットである第
二のアウトレット21が設けられている。これにより、
排出槽50にも磁性流体が充満され、高密度物種の粒子
が第二のアウトレット21から排出槽50に送出され
る。電気磁石10のN極とS極との間に挟まれた空間
は、第二のアウトレット21の下方であり排出槽50の
上方に位置する。電気磁石10により形成された磁場
は、第二のアウトレット21の上方から強磁性流体まで
達する。この磁場の強度は上方に向かうにつれて垂直的
に減衰するため、磁場強度の勾配が形成される。磁場内
の強磁性流体は、この磁場強度の勾配の影響を受けて垂
直方向に沿った見かけ密度勾配を形成する。電気磁石1
0の両極間距離や電気磁石10にかけられた電気条件を
変えることにより、形成された磁場の強度および方向を
変えることができる。第一の輸送機構30は、伝送ベル
ト32およびこの伝送ベルト32を駆動する回転軸31
を有する。伝送ベルト32には、非磁気物質からなる垂
直隔板33が等間隔に設置されている。垂直隔板33に
は、非磁気物質より大きくかつ強磁性流体より小さい孔
または割れ目が設けられている。この垂直隔板33によ
り非磁気物質が有効に伝送される。第二の輸送機構40
は、第一の輸送機構30と類似した構造であり、上方に
傾斜している排出槽50の底に設置される。第二のアウ
トレット21から排出された高密度物種の粒子は、第二
の輸送機構40により排出槽50の上方まで運ばれる。
強磁性流体も排出層50内に保持され、外に漏れること
はない。上記の構成の強磁性流体選別装置に適当な強磁
性流体を充填し、適当な磁場をかけることにより、密度
の異なる物種からなる物質を高密度と低密度の二つの部
分に分けることができる。操作的には、図2で●で示さ
れる高密度物種と○で示される低密度物種とからなる物
質は、水平選別槽20の上方にあるインレット漏斗60
から連続・定量的に導入されて伝送ベルト32に乗せら
れる。この物質は垂直隔板33によって第二のアウトレ
ット21の上方に運ばれ、そこで磁場勾配の影響を受け
て選別される。すなわち、第二のアウトレット21の上
方において、垂直的な磁場勾配の影響を受けている強磁
性流体は磁場勾配の方向に沿って見かけ密度の勾配を形
成する。これにより、密度の低い非磁気物質は、流体の
浮力を受けるので下に沈まず、インレット漏斗60の下
方にある図示しない第一のアウトレットから垂直隔板3
3により排出される。一方、密度の高い物質は下に沈ん
で第二のアウトレット21から排出されるので、排出槽
50と第二の輸送機構40により上方に運ばれる。上記
の構成に類似した強磁性流体選別装置を用いて、アルミ
ニウム、亜鉛および銅の混合粒子を選別した。使用した
水平選別槽20は、長さ60cm×幅10cm×高さ1
5cmである。充填した強磁性流体は7.0体積%で、
その密度(ρf )は1.2g/cm3 、磁化(M)は3
00ガウスであった。アルミニウム、亜鉛と銅の混合粒
子の組成は、自動車車体断片と似た組成であり、アルミ
ニウム80%、亜鉛10%、銅10%であった。混合粒
子の半径は10〜15mmであった。第一回選別では、
インレット漏斗60から水平選別槽20に混合粒子を定
速的に導入した。磁場範囲を200〜400Oeとし、
高さ2cmの強磁性流体層に3〜4の見かけ密度分布を
形成することにより、排出槽50には銅および亜鉛粒子
が送出された。排出槽50に送出された混合粒子を再び
選別槽に導入し、磁場範囲を600〜800Oeとし、
高さ2cmの強磁性流体層に8〜8.5の見かけ密度分
布を形成することにより、銅粒子のみを排出槽50に送
出した。サンプル導入速度(進料速度)および選別結果
を表1に示す。
【表1】表1の結果から、本発明の一実施例の強磁性流
体選別装置によると、90%以上の高品位アルミニウ
ム、亜鉛および銅粒子を分離・回収できることが判る。
この強磁性流体選別装置を用いれば、上記のように選別
操作を二回行うことにより、またはこの装置を二つ連結
して使用することにより、三成分混合粒子を分離・回収
することができる。また、本発明の一実施例の強磁性流
体選別装置によると、N極とS極の磁束方向が選別しよ
うとする物質の輸送方向と平行になるため、磁極の幅を
大きくするという簡単な手段により進料速度を高めるこ
とができるという利点がある。すなわち、従来の装置と
は異なり、進料速度を高めるために磁極の距離や電気条
件を変えるという複雑な手順を必要としない。以上説明
したように、本発明の一実施例の強磁性流体選別装置に
よると、磁極により挟まれた空間の上方で物種の選別を
行うことにより、選別空間の確保と磁石体積の縮小化と
を両立させることができる。また、磁束の方向と混合物
質の輸送方向とが平行であるので、選別に要する距離を
短くすることができる。このため、一定の距離内に多所
の磁極開口を設置すれば、一回の分別操作で多成分の違
った密度の物種を順次的に一気に分離することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の選別器を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
20 水平選別槽(選別槽) 21 第二のアウトレット 30 第一の輸送機構 31 回転軸 32 伝送ベルト 33 垂直隔板 40 第二の輸送機構 50 排出槽
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 強磁性流体選別器
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性流体を利用して非
磁気物質を密度により選別する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】強磁性流体選別法は、密度により物質を
物理的に選別する方法の一つであり、一般的な方法とは
異なり磁気を利用して選別を行う。かけた磁場の強度に
より利用した強磁性流体の見掛け密度を制御できるの
で、金属などの密度の高い物質も選別できる。したがっ
て、この方法は応用範囲が広いという特徴を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】印加磁場が強磁性流体
中の非磁気物質に与える力は、次の式で表すことができ
る。 F=V[(ρs −ρf )g−(M/4π)▽H] ここで、F;強磁性流体にある非磁気物質が受けた力、
V;非磁気物質の体積、ρs ;非磁気物質の密度、ρf
;強磁性流体の密度、g;重力加速度、M;この物質
が存在する位置における強磁性流体の仮想的磁化の平均
値、▽H;磁場勾配である。
【0004】平衡状態では、垂直方向(Z軸方向)に対
するFが0になるため、次の式が成立する。 ρ=ρs =ρf +[M/(4πg)×(dH/dz)] このとき、釣合浮き(Neutral buoyancy-float)の状態
であるため、強磁性流体の見かけ密度(ρ)は、非磁気
物質の粒子密度(ρs )に等しい。上式からも分かるよ
うに、磁性流体の見かけ密度はそこでかけられた磁場勾
配に依存するので、分離される物質の密度に合わせて自
由に変えることができる。これにより、応用範囲が広が
る。
【0005】R.E.Rosensweigは、垂直方
向に磁場勾配を形成する選別槽を備え、インレットから
水平方向に沿って導入したサンプルがアウトレットを出
る途中に磁場(密度)勾配の影響を受けて垂直方向に選
別されるという強磁性流体選別器を提案している(米国
特許第3,788,465号公報、1969年)。上述
した磁場勾配を形成するため、前記選別槽には強磁性流
体が充填され、また前記選別槽の両面には垂直線とある
角度になる磁極が設置されている。
【0006】また、G.W.Reimersは、上記の
強磁性流体選別器と類似の装置を提案している(米国特
許第3,788,465号公報、1974年)。このも
のは、垂直的分離ではなく、違った方向に磁場勾配を形
成する機構を持つ。分離される物質は、同一のインレッ
トから導入され、重力と磁気力の合力がそれらをリード
し、異なったアウトレットに送出する。しかし、この装
置によると金属の混合物を完全に分離することができ
ず、さらに後処理が必要になる。
【0007】その後、米国AVCO社(米国特許第4,
052,297号、1977年)、日本工業技術院(米
国特許第4,113,608号(1978年)および日
本東北大学(IEEE Transactions o
n Magnetics,Vol.Mag−16,N
o.2、1980年)も類似した装置を提案している。
【0008】以上の強磁性流体選別器は、外観的な相違
はあるが、磁極の間で試料の選別を行うという基本的な
共通点を有する。具体的には、図1に示すように、互い
に間隔をおいて設けられたN極とS極との両磁極の間に
強磁性流体を充填した図示しない選別槽を設置し、強磁
性流体と試料側に面した両磁極の表面は傾斜しており、
磁場勾配そして強磁性流体の見かけの密度勾配を形成す
ることにより非磁気的試料を分離する。図1において、
Nは磁石のN極を示し、Sは磁石のS極を示し、●は高
密度物種の粒子を示し、○は低密度物種の粒子を示し、
矢印は非磁気物質の移動方向を示す。
【0009】しかし、上記の原理に基づいた選別器に
は、設計上の共通点から以下の問題がある。 (1) 互いに間隔をおいて設けられたN極とS極との間で
選別が行われるので、磁極の体積が大きくなる。 (2) 垂直方向に磁場勾配を形成するため、この磁場に面
した磁石の表面加工および製造が困難である。
【0010】(3) 垂直方向の有効分離範囲が狭い。 本発明の目的は、磁極により形成された磁場を有効に利
用することが可能な強磁性流体選別器を提供することに
ある。本発明の他の目的は、選別空間を確保しながら磁
石体積を縮小した強磁性流体選別器を提供することにあ
る。
【0011】本発明のまた他の目的は、分離容量を拡張
することが容易な強磁性流体選別器を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の請求項1記載の強磁性流体選別器は、密
度の異なる非磁気物質を分離する強磁性流体選別器であ
って、非磁気物質を導入するインレットと、非磁気物質
を排出可能な第一のアウトレットおよび第二のアウトレ
ットとを有し、強磁性流体が充填された選別槽と、前記
インレットから導入された非磁気物質を前記第二のアウ
トレットを経て第一のアウトレットまで輸送する第一の
輸送機構と、前記第二のアウトレットの下方に配置さ
れ、互いに間隔をおいて設けられた磁極により垂直方向
に形成された磁場勾配により強磁性流体の見かけ密度勾
配を形成する磁場形成機構とを備え、前記磁場形成機構
により形成された強磁性流体の見かけ密度勾配により非
磁性物質を前記第二のアウトレットと前記第一のアウト
レットとに振り分けることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項2記載の強磁性流体選別器
は、請求項1記載の強磁性流体選別器であって、互いに
間隔をおいて設けられた前記磁極が発生した磁束は、前
記第一の輸送機構の物質移動方向と平行であることを特
徴とする。本発明の請求項3記載の強磁性流体選別器
は、請求項1記載の強磁性流体選別器であって、前記磁
場形成機構は非封閉式環状電気磁石であることを特徴と
する。
【0014】本発明の請求項4記載の強磁性流体選別器
は、請求項1記載の強磁性流体選別器であって、前記第
二のアウトレットと上方に傾斜している排出槽とを連結
し、前記第二のアウトレットから前記排出槽に沿って非
磁気物質を上方に排出する第二の輸送機構を備えること
を特徴とする。本発明の請求項5記載の強磁性流体選別
器は、請求項1記載の強磁性流体選別器であって、前記
第一の輸送機構は、前記第一の輸送機構に平行な輸送ベ
ルトと、前記輸送ベルトを駆動する二つの回転軸と、前
記輸送ベルトに等間隔に設置された垂直隔板とを備える
ことを特徴とする。
【0015】
【作用および発明の効果】本発明の強磁性流体選別器に
よると、磁場形成機構が前記第二のアウトレットの下方
に設けられているので、磁極が造った磁場を有効に利用
することができる。また、この磁極が発生した磁束は物
質の輸送方向と平行になるので、磁極間の距離を変える
ことなく、磁極の幅および選別槽の幅を広げることによ
り強磁性流体選別器の分離容量を容易に拡張することが
できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明の一実施例を図2に示す。強磁性流体選別
装置は、水平選別槽20、N極とS極との間に所定の空
間を有する電気磁石10、第一の輸送機構30、非磁気
材料からなる排出槽50および第二の輸送機構40から
構成される。
【0017】水平選別槽20は、非磁気材料で製造さ
れ、内部には図示しない磁性流体が充填されており、第
一の輸送機構30を有する。水平選別槽20の底には、
排出槽50に面して高密度物種のアウトレットである第
二のアウトレット21が設けられている。これにより、
排出槽50にも磁性流体が充満され、高密度物種の粒子
が第二のアウトレット21から排出槽50に送出され
る。
【0018】電気磁石10のN極とS極との間に挟まれ
た空間は、第二のアウトレット21の下方であり排出槽
50の上方に位置する。電気磁石10により形成された
磁場は、第二のアウトレット21の上方から強磁性流体
まで達する。この磁場の強度は上方に向かうにつれて垂
直的に減衰するため、磁場強度の勾配が形成される。磁
場内の強磁性流体は、この磁場強度の勾配の影響を受け
て垂直方向に沿った見かけ密度勾配を形成する。電気磁
石10の両極間距離や電気磁石10にかけられた電気条
件を変えることにより、形成された磁場の強度および方
向を変えることができる。
【0019】第一の輸送機構30は、伝送ベルト32お
よびこの伝送ベルト32を駆動する回転軸31を有す
る。伝送ベルト32には、非磁気物質からなる垂直隔板
33が等間隔に設置されている。垂直隔板33には、非
磁気物質より大きくかつ強磁性流体より小さい孔または
割れ目が設けられている。この垂直隔板33により非磁
気物質が有効に伝送される。
【0020】第二の輸送機構40は、第一の輸送機構3
0と類似した構造であり、上方に傾斜している排出槽5
0の底に設置される。第二のアウトレット21から排出
された高密度物種の粒子は、第二の輸送機構40により
排出槽50の上方まで運ばれる。強磁性流体も排出層5
0内に保持され、外に漏れることはない。上記の構成の
強磁性流体選別装置に適当な強磁性流体を充填し、適当
な磁場をかけることにより、密度の異なる物種からなる
物質を高密度と低密度の二つの部分に分けることができ
る。操作的には、図2で●で示される高密度物種と○で
示される低密度物種とからなる物質は、水平選別槽20
の上方にあるインレット漏斗60から連続・定量的に導
入されて伝送ベルト32に乗せられる。この物質は垂直
隔板33によって第二のアウトレット21の上方に運ば
れ、そこで磁場勾配の影響を受けて選別される。すなわ
ち、第二のアウトレット21の上方において、垂直的な
磁場勾配の影響を受けている強磁性流体は磁場勾配の方
向に沿って見かけ密度の勾配を形成する。これにより、
密度の低い非磁気物質は、流体の浮力を受けるので下に
沈まず、インレット漏斗60の下方にある図示しない第
一のアウトレットから垂直隔板33により排出される。
一方、密度の高い物質は下に沈んで第二のアウトレット
21から排出されるので、排出槽50と第二の輸送機構
40により上方に運ばれる。
【0021】上記の構成に類似した強磁性流体選別装置
を用いて、アルミニウム、亜鉛および銅の混合粒子を選
別した。使用した水平選別槽20は、長さ60cm×幅
10cm×高さ15cmである。充填した強磁性流体は
7.0体積%で、その密度(ρf )は1.2g/c
3 、磁化(M)は300ガウスであった。アルミニウ
ム、亜鉛と銅の混合粒子の組成は、自動車車体断片と似
た組成であり、アルミニウム80%、亜鉛10%、銅1
0%であった。混合粒子の半径は10〜15mmであっ
た。
【0022】第一回選別では、インレット漏斗60から
水平選別槽20に混合粒子を定速的に導入した。磁場範
囲を200〜400Oeとし、高さ2cmの強磁性流体
層に3〜4の見かけ密度分布を形成することにより、排
出槽50には銅および亜鉛粒子が送出された。排出槽5
0に送出された混合粒子を再び選別槽に導入し、磁場範
囲を600〜800Oeとし、高さ2cmの強磁性流体
層に8〜8.5の見かけ密度分布を形成することによ
り、銅粒子のみを排出槽50に送出した。
【0023】サンプル導入速度(進料速度)および選別
結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1の結果から、本発明の一実施例の強磁
性流体選別装置によると、90%以上の高品位アルミニ
ウム、亜鉛および銅粒子を分離・回収できることが判
る。この強磁性流体選別装置を用いれば、上記のように
選別操作を二回行うことにより、またはこの装置を二つ
連結して使用することにより、三成分混合粒子を分離・
回収することができる。
【0026】また、本発明の一実施例の強磁性流体選別
装置によると、N極とS極の磁束方向が選別しようとす
る物質の輸送方向と平行になるため、磁極の幅を大きく
するという簡単な手段により進料速度を高めることがで
きるという利点がある。すなわち、従来の装置とは異な
り、進料速度を高めるために磁極の距離や電気条件を変
えるという複雑な手順を必要としない。
【0027】以上説明したように、本発明の一実施例の
強磁性流体選別装置によると、磁極により挟まれた空間
の上方で物種の選別を行うことにより、選別空間の確保
と磁石体積の縮小化とを両立させることができる。ま
た、磁束の方向と混合物質の輸送方向とが平行であるの
で、選別に要する距離を短くすることができる。このた
め、一定の距離内に多所の磁極開口を設置すれば、一回
の分別操作で多成分の違った密度の物種を順次的に一気
に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の選別器を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】 20 水平選別槽(選別槽) 21 第二のアウトレット 30 第一の輸送機構 31 回転軸 32 伝送ベルト 33 垂直隔板 40 第二の輸送機構 50 排出槽

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度の異なる非磁気物質を分離する強磁
    性流体選別器であって、 非磁気物質を導入するインレットと、非磁気物質を排出
    可能な第一のアウトレットおよび第二のアウトレットと
    を有し、強磁性流体が充填された選別槽と、 前記インレットから導入された非磁気物質を前記第二の
    アウトレットを経て第一のアウトレットまで輸送する第
    一の輸送機構と、 前記第二のアウトレットの下方に配置され、互いに間隔
    をおいて設けられた磁極により垂直方向に形成された磁
    場勾配により強磁性流体の見かけ密度勾配を形成する磁
    場形成機構とを備え、 前記磁場形成機構により形成された強磁性流体の見かけ
    密度勾配により非磁性物質を前記第二のアウトレットと
    前記第一のアウトレットとに振り分けることを特徴とす
    る強磁性流体選別器。
  2. 【請求項2】 互いに間隔をおいて設けられた前記磁極
    から発生した磁束は、前記第一の輸送機構の物質移動方
    向と平行であることを特徴とする請求項1記載の強磁性
    流体選別器。
  3. 【請求項3】 前記磁場形成機構は非封閉式環状電気磁
    石であることを特徴とする請求項1記載の強磁性流体選
    別器。
  4. 【請求項4】 前記第二のアウトレットと上方に傾斜し
    ている排出槽とを連結し、前記第二のアウトレットから
    前記排出槽に沿って非磁気物質を上方に排出する第二の
    輸送機構を備えることを特徴とする請求項1記載の強磁
    性流体選別器。
  5. 【請求項5】 前記第一の輸送機構は、前記第一の輸送
    機構に平行な輸送ベルトと、前記輸送ベルトを駆動する
    二つの回転軸と、前記輸送ベルトに等間隔に設置された
    垂直隔板とを備えることを特徴とする請求項1記載の強
    磁性流体選別器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110124852A (zh) * 2019-05-22 2019-08-16 俞伟敏 一种混合垃圾自动分选系统

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