JPH08260194A - 金めっき材の封孔処理液およびそれを用いる封孔処理方法 - Google Patents

金めっき材の封孔処理液およびそれを用いる封孔処理方法

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JPH08260194A
JPH08260194A JP6576495A JP6576495A JPH08260194A JP H08260194 A JPH08260194 A JP H08260194A JP 6576495 A JP6576495 A JP 6576495A JP 6576495 A JP6576495 A JP 6576495A JP H08260194 A JPH08260194 A JP H08260194A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた封孔処理効果を有する金めっき材の封
孔処理液及びそれによる処理方法を提供する。 【構成】 (1)ベンゾトリアゾールなど特定のインヒ
ビター、特定の脂肪酸からなる潤滑剤、及び特定のアル
キルリン酸エステルからなる乳化剤を含む封孔処理液、
(2)その封孔処理液を金めっき材に塗布することによ
る封孔処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄合金、鉄、ステンレ
ス鋼、高ニッケル合金等の金属材料のニッケルまたはニ
ッケル含有合金めっきを下地として具備する金または金
合金めっき材の封孔処理液および封孔処理方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器用接続部品であるコネクタに
は、黄銅やりん青銅にニッケル下地めっきを施し、さら
にその上に金めっきを施した材料が一般に使用される。
しかし金は高価であるために、コネクタ製造コストを下
げる目的で様々な方法が採られている。その代表的な方
法が金めっきの厚みを下げる方法であるが、金めっき厚
を薄くするとともに、皮膜のピンホールが指数関数的に
増え、耐食性が著しく低下するという問題を抱えてい
る。この問題を解決する方法のひとつに封孔処理があ
る。すなわち、各種の無機あるいは有機性の薬品で金め
っき表面を処理し、ピンホールを塞ぎ、耐食性を向上さ
せようとするものである。封孔処理液には有機系と水系
の2種類がある。有機系では溶媒としてハロゲン系有機
溶剤が一般に使用されているため、オゾン層破壊などの
問題で現在有機系封孔処理液の使用は大きく制限されて
いる。一方水系では溶媒として水を使用するため環境汚
染の点で問題はないが、従来の有機系封孔処理液に使用
されている水に難溶性のパラフィン等の潤滑剤が使用で
きないため、水系で処理しためっきは潤滑性が低く、コ
ネクタの耐久性が溶剤系よりも劣るという問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで環境汚染性に問
題なく、かつ従来と同等もしくはそれ以上の封孔処理効
果を有する封孔処理液および封孔処理方法が必要となっ
ている。本発明は、このような要求を満たすことのでき
る改善された封孔処理液およびそれを用いる封孔処理方
法を提供することを目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明者が研究を行った結果、以下に示す表面処理
液および方法を発明するに至った。すなわち本発明は、 (1)金属材料にニッケルまたはニッケルを含有する合
金を下地めっきとして具備する金または金合金めっき材
の封孔処理液であって、インヒビターとして一般式
(1)で示されるベンゾトリアゾール系化合物、一般式
(2)で示されるメルカプトベンゾチアゾール系化合
物、及び一般式(3)で示されるトリアジン系化合物か
らなる群から選ばれた1種もしくは2種以上合計で0.
001〜1wt%含有し、潤滑剤として下記一般式
(4)で示される脂肪酸を1種もしくは2種以上合計で
0.05〜2wt%含有し、乳化剤として一般式(5)
で示されるモノアルキルりん酸エステル、及び一般式
(6)で示されるジアルキルりん酸エステルからなる群
から選ばれた1種もしくは2種合計で0.05〜2wt
%含有することを特徴とする封孔処理液。
【0005】
【化5】
【0006】(式中、R1は水素、アルキル、置換アル
キルを表わし、R2はアルカリ金属、水素、アルキル、
置換アルキルを表わす)
【0007】
【化6】
【0008】(式中、R3はアルカリ金属又は水素を表
わす)
【0009】
【化7】
【0010】〔式中、R4は−SH,アルキル基かアリ
ール基で置換されたアミノ基、又はアルキル置換イミダ
ゾリルアルキル、R5,R6は−NH2,−SH又は−S
M(Mはアルカリ金属を表わす)を表わす〕 潤滑剤として下記一般式(4)で示される脂肪酸を1種
もしくは2種以上合計で0.05〜2wt%含有し、 R7−COOH (4) (式中、R7は炭素数10〜20個の飽和及び不飽和鎖
式炭化水素を表わす) 乳化剤として下記一般式(5)で示されるモノアルキル
りん酸エステル、及び下記一般式(6)で示されるジア
ルキルりん酸エステルからなる群から選ばれた1種もし
くは2種合計で0.05〜2wt%含有することを特徴
とする封孔処理液。
【0011】
【化8】
【0012】(式中、R8はアルキル、置換アルキルを
表わし、Mは水素、アルカリ金属を表わす) (2)金属材料にニッケルまたはニッケルを含有する合
金を下地めっきとして具備する金または金合金めっき材
に、請求項1に記載の封孔処理液を塗布することを特徴
とする封孔処理方法。 (3)金属材料にニッケルまたはニッケルを含有する合
金を下地めっきとして具備する金または金合金めっき材
を加工後、前記(1)に記載の封孔処理液を塗布するこ
とを特徴とする封孔処理方法である。
【0013】本発明の封孔処理液の第一の必須成分であ
るインヒビターは以下に示される化合物、すなわちベン
ゾトリアゾール系化合物、メルカプトベンゾチアゾール
系化合物、トリアジン系化合物の中から1種もしくは2
種以上選択され、処理液に添加される。これらのインヒ
ビターは、金めっきのピンホール内部の下地金属である
ニッケルと反応して錯化合物を生成し、この錯化合物に
よりピンホールが埋められるので、結果的に金めっきの
耐食性は向上する。本発明に使用されるベンゾトリアゾ
ール系化合物は一般式(1)
【0014】
【化9】
【0015】(式中、R1は水素、アルキル、置換アル
キルを表わし、R2はアルカリ金属、水素、アルキル、
置換アルキルを表わす)で表わされる。この一般式
(1)で表わされる化合物のうち好ましいものを挙げる
と、例えば、ベンゾトリアゾール(R1,R2とも水
素)、1−メチルベンゾトリアゾール(R1が水素、R2
がメチル)、トリルトリアゾール(R1がメチル、R2
水素)、1−(N,N−ジオクチルアミノメチル)ベン
ゾトリアゾール(R1が水素、R2がN,N−ジオクチル
アミノメチル)などである。
【0016】本発明に使用されるメルカプトベンゾチア
ゾール系化合物は一般式(2)
【0017】
【化10】
【0018】(式中、R3はアルカリ金属又は水素を表
わす)で表わされる。この一般式(2)で表わされる化
合物のうち好ましいものを挙げると、例えばメルカプト
ベンゾチアゾール、メルカプトベンゾチアゾールのナト
リウム塩、メルカプトベンゾチアゾールのカリウム塩な
どがある。一般式(2)においてR3がアルカリ金属の
場合メルカプトベンゾチアゾール系化合物の水への溶解
が容易となる。トリアジン系化合物は一般式(3)
【0019】
【化11】
【0020】〔式中、R4は−SH、アルキル基かアリ
ール基で置換されたアミノ基、又はアルキル置換イミダ
ゾリルアルキル、R5、R6は−NH2、−SH又は−S
M(Mはアルカリ金属を表わす)を表わす〕で表わされ
る。この一般式(3)で表わされる化合物のうち好まし
いものを挙げると例えば以下のものがある。
【0021】
【化12】
【0022】あるいはこれらのNaまたはKなどのアル
カリ金属塩がある。一般式(3)においてR5,R6が−
SMである場合にはトリアジン系化合物の水への溶解が
容易となる。インヒビターの添加量は0.001〜1w
t%の範囲であり、0.001wt%未満では封孔処理
効果が認められず、1wt%を越えると接触抵抗への悪
影響が認められる。本発明の封孔処理液の第二の必須成
分である潤滑剤は、脂肪酸のなかから1種もしくは2種
以上選択され、処理液に添加され、金めっき材の潤滑性
向上に寄与する。本発明に使用される脂肪酸は一般式
(4) R7−COOH (4) (式中、R7は炭素数10〜20個の飽和及び不飽和鎖
式炭化水素を表わす)で表わされる。この一般式(4)
で表わされる化合物のうち好ましいものを挙げると、例
えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸、リノール酸などである。添加量は
合計で0.05wt%〜2wt%の範囲であり、0.0
5wt%未満では潤滑効果が得られず、2wt%を越え
ると封孔処理後の材料の外観への悪影響が認められる。
【0023】本発明の第三の必須成分である乳化剤は以
下に示される化合物、すなわちモノアルキルりん酸エス
テル、ジアルキルりん酸エステルのなかから1種もしく
は2種以上選択添加され、処理液に添加され、潤滑剤の
乳化剤としての機能をはたす。さらに乳化剤には潤滑作
用もある。本発明に使用されるモノアルキルりん酸エス
テルは、一般式(5)
【0024】
【化13】
【0025】(式中、R8はアルキル、置換アルキルを
表わし、Mは水素、アルカリ金属を表わす)で表わされ
る。一般式(5)で表わされる化合物のうち好ましいも
のを挙げるとラウリル酸性りん酸モノエステルなどがあ
る。
【0026】ジアルキルりん酸エステルは、一般式
(6)
【0027】
【化14】
【0028】(式中、R8はアルキル、置換アルキルを
表わし、Mは水素、アルカリ金属を表わす)で表わされ
る。一般式(6)で表わされる化合物のうち好ましいも
のを挙げると、ラウリル酸性ジりん酸エステルなどがあ
る。乳化剤の添加量は0.05wt〜2wt%の範囲で
あり、0.05wt%未満では乳化効果が得られず、2
wt%を越えるとはんだ付け性への悪影響が認められ
る。封孔処理液は上述の成分を有するが、溶媒としては
水またはエタノール、アセトン、ノルマルパラフィン等
のハロゲンを含まない有機溶剤から適宜選択できる。し
かし経済性や引火性などを考慮すると、溶媒としては水
が最適である。溶媒が水の場合は、溶液の温度を40〜
80℃に加熱すると成分の水への乳化がより速やかにな
り、さらに処理後の材料の乾燥が容易になる。
【0029】処理方法としては、めっき品を処理液中に
浸漬するか、処理液をスプレー、あるいは塗布するな
ど、いずれの方法によることもできる。しかし本発明に
おいて、めっき品の形状が板・条、プレス部品であるを
問わず、めっき直後すなわち連続ラインであれば、その
ラインの中で処理することが、封孔処理の各種機能を高
める効果が高いことを見出した。さらにめっき品をプレ
スなどの加工後に本発明の封孔処理液で封孔処理するこ
とも有効である。めっき後封孔処理した金属材料であっ
ても、その後のプレス加工で付着したプレス油を洗浄す
る工程において、封孔処理の機能の多くは喪失する。そ
こで再度の封孔処理が有効となる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。バネ用りん青銅(C5210)の厚み0.2mmの
冷間圧延材を用い、雄及び雌の連続端子をそれぞれプレ
ス成形した。これらをリール・ツウ・リールの連続めっ
きラインを通して電気めっきを施した。めっきラインに
おいては、脱脂、酸洗後、ワット浴による1μmのニッ
ケルめっき、あるいはアルカリ浴による0.5μmのP
d80%−Ni20%合金めっきを行い。その上に金あ
るいは金−コバルト合金を0.1μmの厚みで接点部に
めっきした。また、連続めっきラインでは金めっき後に
封孔処理工程を設け、連続端子を通入し浸漬させること
により封孔処理を施した。なお封孔処理液の溶媒にはイ
オン交換水を使用し、溶液温度を60℃にした。こうし
て封孔処理をした雄と雌の端子をキャリアー部から切断
しリード線を圧着した後、それぞれを嵌合し評価試験に
供した。
【0031】接触抵抗は直流10mA、開放電圧200
mVで測定した。潤滑性は処理後のコネクタ端子の挿抜
力で評価した。耐食性は以下の条件で亜硫酸ガス腐食試
験を行い、試験後の試料の表面観察と接触抵抗測定によ
り評価した。 ガス組成:SO2 10ppm 温度:40±2℃ 湿度:80±5%RH 時間:240時間 封孔処理液の成分と、封孔処理後のサンプルの試験結果
を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】注1)ただし、表中封孔処理液の略号は以
下のとおりである。 A−1 ベンゾトリアゾール A−2 メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩 A−3 1,3,5−トリアジンチオールのナトリウム
塩 B−1 オレイン酸 C−1 ラウリル酸性りん酸モノエステル(りん酸モノ
ラウリルエステル) C−2 ラウリル酸性りん酸ジエステル(りん酸ジラウ
リルエステル) 注2)試験の判断基準 (1)初期接触抵抗、腐食試験後の接触抵抗 ○:10mΩ以下 △:10〜20mΩ ×:20mΩ以上 (2)腐食試験後の外観 ○:50倍拡大写真の5cm角の範囲において、腐食点
の数が10個以下 △:50倍拡大写真の5cm角の範囲において、腐食点
の数が10〜50個 ×:50倍拡大写真の5cm角の範囲において、腐食点
の数が50個以上 (3)潤滑性(挿抜力) ○:1ピンあたりの挿入力100g以下、抜去力50g
以下 △:1ピンあたりの挿入力100〜150g、抜去力5
0〜100g ×:1ピンあたりの挿入力150g以上、抜去力100
g以上
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の封孔処理
液は環境を汚染する物質を含まず、しかもこの液で処理
された金および金合金めっき材は、優れた耐食性と潤滑
性を有する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料にニッケルまたはニッケルを含
    有する合金を下地めっきとして具備する金または金合金
    めっき材の封孔処理液であって、インヒビターとして下
    記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール系化合
    物、下記一般式(2)で示されるメルカプトベンゾチア
    ゾール系化合物、及び下記一般式(3)で示されるトリ
    アジン系化合物からなる群から選ばれた1種もしくは2
    種以上合計で0.001〜1wt%含有し、 【化1】 (式中、R1は水素、アルキル、置換アルキルを表わ
    し、R2はアルカリ金属、水素、アルキル、置換アルキ
    ルを表わす) 【化2】 (式中、R3はアルカリ金属又は水素を表わす) 【化3】 〔式中、R4は−SH,アルキル基かアリール基で置換
    されたアミノ基、又はアルキル置換イミダゾリルアルキ
    ル、R5,R6は−NH2,−SH又は−SM(Mはアル
    カリ金属を表わす)を表わす〕 潤滑剤として下記一般式(4)で示される脂肪酸を1種
    もしくは2種以上合計で0.05〜2wt%含有し、 R7−COOH (4) (式中、R7は炭素数10〜20個の飽和及び不飽和鎖
    式炭化水素を表わす) 乳化剤として下記一般式(5)で示されるモノアルキル
    りん酸エステル、及び下記一般式(6)で示されるジア
    ルキルりん酸エステルからなる群から選ばれた1種もし
    くは2種合計で0.05〜2wt%含有することを特徴
    とする封孔処理液。 【化4】 (式中、R8はアルキル、置換アルキルを表わし、Mは
    水素、アルカリ金属を表わす)
  2. 【請求項2】 金属材料にニッケルまたはニッケルを含
    有する合金を下地めっきとして具備する金または金合金
    めっき材に、請求項1に記載の封孔処理液を塗布するこ
    とを特徴とする封孔処理方法。
  3. 【請求項3】 金属材料にニッケルまたはニッケルを含
    有する合金を下地めっきとして具備する金または金合金
    めっき材を加工後、請求項1に記載の封孔処理液を塗布
    することを特徴とする封孔処理方法。
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