JPH0826093A - 制動力制御方法 - Google Patents

制動力制御方法

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Publication number
JPH0826093A
JPH0826093A JP6167225A JP16722594A JPH0826093A JP H0826093 A JPH0826093 A JP H0826093A JP 6167225 A JP6167225 A JP 6167225A JP 16722594 A JP16722594 A JP 16722594A JP H0826093 A JPH0826093 A JP H0826093A
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JP
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retarder
braking
temperature
braking force
pressure
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JP6167225A
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English (en)
Inventor
Hideo Ogawa
秀夫 小川
Megumi Eguchi
恵 江口
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Akebono Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の制動にリターダを十分に活用する一方
で、リターダ温度の上昇のためにリターダの作動を途中
で停止させるという不都合な事態の発生を効果的に抑止
する。 【構成】 各補助制動装置の作動状態を制御する制動装
置制御ユニット8には、温度検出センサ81,82によ
ってリターダ温度を監視させ、リターダ温度が基準値よ
りも低いときにはリターダ4を最優先で作動させ、リタ
ーダ温度が基準値よりも高いときにはリターダ以外の補
助制動装置3または補助制動装置9を最優先で作動させ
て、走行状態に応じた制動力を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の制動力制御方法に
関し、特に車両が坂路を下る場合に、坂路の勾配等に応
じた制動力を安定かつ円滑に作用させて安全走行を実現
する制動力制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両が坂路を下る場合には、坂路の勾配
によって加速を受けるため、エンジンブレーキや摩擦ブ
レーキ装置の操作等で適宜制動をかけないと、走行速度
が増加してしまう。しかし、摩擦ブレーキ装置は、長時
間連続運用すると、温度上昇によるフェード現象等で制
動性能が大幅に低下するという問題がある。そこで、近
年では、トラックやバス等の大型車両においては、例え
ばリターダを搭載したものが普及している。このリター
ダには流体式のもの、渦電流を利用したものがあり、ブ
レーキの使用回数を減少させてブレーキドラム等の過熱
を防ぐことで主ブレーキを緊急時に対して良い状態にし
ておいて安全性を高めたり、ライニングの寿命を延ばす
等の利点を有している。
【0003】このリターダは、例えば流体式リターダに
あっては、容器内に満たした作動液体内でロータ回転さ
せ、作動液体の摩擦損失によって制動トルクを得るもの
で、ロータ軸をプロペラシャフト等の車輪と共に回転す
る回転軸に連結するという構造であり、制動特性として
は回転軸の回転数が増大するのに伴って高効率な制動力
を発揮できること、また制動の断続が円滑でありかつ作
動時の騒音が極めてすくない等の利点がある。
【0004】そして、この流体式リターダを補助制動装
置として搭載することによって、従来の摩擦ブレーキ装
置の運用率を低減させ、上述のごとく摩擦ブレーキ装置
の温度上昇によるフェードを防止すると同時に、車両の
安全性および制動用の摩擦材の耐久性を向上させること
ができる。また、流体式リターダでは作動液体の圧力を
変えることによって発揮する制動力を変えることができ
るため、流体式リターダとともに、該流体式リターダに
供給する作動液体の圧力を複数段階に調節し得る圧力切
り換え装置を装備し、坂道の勾配等に応じて流体式リタ
ーダによる制動力を切り換えるようにした速度制御装置
も提案されている。また、流体式リターダの代りに、同
様な制動特性を持つ渦電流式リターダを使用するように
した速度制御装置も提案されている。
【0005】但し、流体式リターダにしても、渦電流式
リターダにしても、いずれも、運動エネルギーを熱変換
することによって制動力を得ているため、稼働率(使用
頻度)が高くなるほど、リターダ温度(流体式リターダ
の場合は、作動液体の温度)が上昇する。そして、その
リターダ温度が許容限界値(例えば、流体式リターダの
場合では、作動液体(作動油)の温度が120〜150
℃程度で許容限界値となる)を超えると、制動力の大幅
な低下といった障害が発生し、例えば坂路における定速
度走行を実現する速度制御装置としての十分な機能を果
たせなくなる。そこで、従来では、リターダを使用する
場合には、リターダ温度を検出する温度検出センサを設
けておき、リターダ温度が許容限界値に近付くと、リタ
ーダ温度が許容限界値を超える前にリターダの作動が停
止されるように、リターダの作動停止の指示、あるいは
リターダの作動を停止して主ブレーキによる制動に切り
替える旨の指示が運転者に通知される。
【0006】また、補助制動装置として、例えば、前述
の流体式リターダとは別に、さらに排気ブレーキを装備
するなどして、複数種の補助制動装置を装備した構成に
しておき、坂路の勾配が急で大きな制動力が必要となる
場合には、これらの複数種の補助制動装置を併用できる
ようにした速度制御装置も研究されている。そして、こ
のように複数種の補助制動装置を併用可能に装備した速
度制御装置の場合、従来では、必要とする制動力が小さ
くてよい場合には、例えばリターダのみを作動させ、も
っと大きな制動力が必要になった場合には、リターダと
排気ブレーキとの双方を作動させるというように、常に
リターダを先に作動させるように各補助制動装置の作動
順位を固定設定しておいて、必要となる制動力が大きく
なるに従って、併用する補助制動装置を段階的に増やし
て行く。
【0007】このように、リターダの作動順位を最優先
にして各補助制動装置の作動順位を固定設定した場合に
は、制動処理時には常にリターダから使用されるため、
リターダの特長である、車両のエンジン回転数の上昇
(即ち、走行速度の増大)に伴って発揮する制動力が増
大するという制動特性と、静粛性とを、定速度走行のた
めの制動に最大限に活用することが可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、リターダの
作動順位を最優先にして各補助制動装置の作動順位を固
定設定した場合には、前述したように、リターダの特長
を最大限に活用することが可能になる反面、リターダの
使用頻度が非常に高まることによって、リターダ温度が
許容限界温度まで上昇する回数が頻繁になり、結果的
に、運転者がリターダの作動を停止させたり、あるいは
補助制動装置による速度制御装置による制動処理を停止
させて主ブレーキによる制動に切り替える回数が増える
ことになり、運転者の手を煩わせずに補助制動装置によ
って最適な制動をかけて定速度走行を実現するという本
来の目的が達成できなくなる可能性が高くなっていた。
【0009】そこで、本発明の目的は上記課題を解消す
ることにあり、車両が坂路を下る場合に、車両の制動に
リターダを十分に活用する一方で、リターダ温度の上昇
のためにリターダの作動を途中で停止させるという不都
合な事態の発生を効果的に抑止することができ、したが
って、運転者の手を煩わせずに定速度走行に必要な制動
力を長時間に渡って継続して得ることができる制動力制
御方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、制
動力を付与する補助制動装置としてリターダを含む複数
種のものが装備された車両の制動力制御方法であって、
温度検出センサによって前記リターダの温度を検出し、
前記温度の検出信号が入力される制動装置制御手段によ
って前記各補助制動装置を制御するときに、前記リター
ダの温度が基準値よりも低いときには該リターダを最優
先して作動させ、前記温度が前記基準値よりも高いとき
には前記リターダ以外の補助制動装置を該リターダより
も優先して作動させるように制動を行うことを特徴とす
る制動力制御方法により達成することができる。
【0011】また、上記の制動力制御方法において、制
御対象の全ての補助制動装置が作動状態にあっても車両
の走行速度が上昇するときには、警告手段を作動させて
その旨を運転者に通知する構成にしても、上記目的を達
成することができるものである。また、上記の制動力制
御方法において、前記リターダとして流体式リターダを
用い、その作動液体の温度を検出する構成としても、上
記目的を達成することができる。
【0012】
【作用】本発明の上記構成によれば、リターダ温度が低
い場合には、リターダが最優先で使用される結果、車両
の制動にリターダの優れた制動特性を十分に活用するこ
とができる。そして、使用頻度の増大によってリターダ
温度が基準値まで上昇した場合には、リターダの作動順
位を下げることでリターダの使用頻度を低減させて、リ
ターダ温度の降下を図りつつ、他の補助制動装置を主体
とした制動処理によって車両の走行速度に応じた制動を
行うことができる。
【0013】したがって、リターダの作動順位を繰り下
げるリターダ温度の基準値を、リターダ温度の許容限界
値以下の適宜値に設定しておくことで、リターダ温度が
許容限界値を超えることなく、リターダを利用した制動
処理を継続することが可能になり、リターダ温度の上昇
のためにリターダの作動を途中で停止させるという不都
合な事態の発生を効果的に抑止して、運転者の手を煩わ
せずに安定した制動力を長時間に渡って継続して得るこ
とが可能になる。
【0014】また、制御対象の全ての補助制動装置が作
動状態にあっても車両の走行速度が上昇するときには、
例えば運転者の近傍に配置された警告手段を作動させて
その旨を運転者に通知することで、補助制動装置では十
分に制動できない場合には、速やかに主ブレーキの操作
による制動を実施させることができる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明に係る制動力制御方法によっ
て定速度走行を実現する速度制御装置の一実施例を示し
たものである。この一実施例の速度制御装置1は、車両
が坂路を下る場合に、坂路の勾配に応じた制動力を働か
せて、定速度走行を実現するもので、図示のように、車
両の車輪と共に回転するプロペラシャフト等の回転軸2
に制動力を付与する補助制動装置として機能する排気ブ
レーキ装置3および第3弁方式のエンジンブレーキ補助
システム9および流体式リターダ4と、制動力の制御処
理の開始を指示するためのセットスイッチ5と、車両の
走行速度を検出するスピードセンサ6と、ブレーキペダ
ルやブレーキレバー等のブレーキ操作手段の動作からブ
レーキの作動状態(即ち、on状態か、off状態か)
を検出するブレーキセンサ7と、流体式リターダ4の温
度を検出する温度検出センサ81,82と、セットスイ
ッチ5およびスピードセンサ6およびブレーキセンサ7
およびイグニッションスイッチ10および温度検出セン
サ81,82の検出信号を監視してこれらの検出信号に
基づいて前述の各補助制動装置の動作状態を制御する手
段である制動装置制御ユニット(ECU)8とを装備し
た構成である。
【0016】ここに、回転軸2は、変速機を介してエン
ジン11の出力軸に接続されている。また、排気ブレー
キ装置3は、エンジン11の排気管13に排出される排
気ガス圧を制動力に利用するもので、この実施例では、
第3補助制動装置として利用される。
【0017】第3弁方式のエンジンブレーキ補助システ
ム9は、エンジン11のシリンダヘッド12に装備され
て液圧(通常は、油圧)により燃焼室を開閉する第3の
弁16と、制動装置制御ユニット8からの制御信号に基
づいてこの第3の弁16に作用する油圧を制御すること
によって第3の弁16の動作を制御する制御弁19とを
備えた構成をなし、前記第3の弁16によってエンジン
11のピストンの駆動抵抗を高めることによって制動を
働かせるものである。この実施例では、第2補助制動装
置として利用される。
【0018】流体式リターダ4は、容器15内に満たし
た作動液体(通常は、冷却オイルに兼用される作動油)
内でロータ17を回転させ、作動液体の摩擦損失によっ
て制動トルクを得るものである。この実施例の場合は、
該流体式リターダ4は制動装置制御ユニット8によって
制御されるクラッチユニット20を介して回転軸2に接
続されている。ここに、クラッチユニット20は、クラ
ッチ制御装置21から供給される空気圧で駆動される空
気圧シリンダ装置22によって、ロータ17を回転軸2
に連結した状態、またはロータ17を回転軸2から切り
離した状態に動作切り換えするものである。
【0019】詳述すると、クラッチユニット20は、作
動液体中で回転軸2と一体に回転するクラッチプレート
24と、ロータ17と一体に回転するプレッシャープレ
ート25とを交互に配置した湿式の多板クラッチで、空
気圧シリンダ装置22の圧力室26にクラッチ制御装置
21から所定の圧力空気が供給されて、回転軸2に回転
自在に嵌合しているピストン27によってプレート2
4,25相互が密着状態に押圧されると、ロータ17が
回転軸2に連結された状態となる。そして、クラッチ制
御装置21によって圧力室26内の圧力空気が抜かれる
と、プレート24,25が離間した状態となり、ロータ
17が回転軸2から切り離された状態となる。
【0020】クラッチ制御装置21は、減圧弁30と、
方向切り換え弁31と、方向切り換え弁31から圧力室
26に供給する空気圧を監視する圧力センサ321,3
22とを有した構成であり、圧力センサ321,322
の検出信号は前記制動装置制御ユニット8に通知され
る。また、減圧弁30は、圧力空気源29の圧力空気を
減圧して空気圧シリンダ装置22の圧力室26に供給す
る圧力空気を作る。また、方向切り換え弁31は、制動
装置制御ユニット8からの制御信号によって位置切り換
えされる2位置切り換え弁で、減圧弁30によって提供
される圧力空気を圧力室26に供給する圧力供給位置
と、圧力室26内の圧力を抜く圧力排出位置とに位置切
り換え可能になっている。
【0021】また、流体式リターダ4は、作動液圧の切
り換えによって制動力を調整可能にしたもので、この実
施例では、第1補助制動装置として利用されている。こ
の流体式リターダ4の作動液圧を切り換える手段として
は、制動装置制御ユニット8からの制御信号に基づいて
出力空気圧を切り換える圧力制御装置33と、流体式リ
ターダ4に作動液体を循環させるポンプユニット34
と、圧力制御装置33の出力空気圧をポンプユニット3
4内を循環する作動液体の圧力に変換する空液変換装置
35とが備えられている。
【0022】ここに、圧力制御装置33は、圧力空気源
29の圧力空気を減圧して低圧の圧力空気を作る第1減
圧弁37と、圧力空気源29の圧力空気を減圧して第1
減圧弁37よりも高圧の圧力空気を作る第2減圧弁38
と、これらの減圧弁37,38のいずれか一方を選択し
て空液変換装置35への圧力空気の供給を制御する方向
切り換え弁42とを備えた構成とされている。
【0023】方向切り換え弁42は、制動装置制御ユニ
ット8の制御信号によって位置切り換えされる3位置切
り換え弁で、減圧弁37の作った圧力空気を圧力空気路
44を介して空液変換装置35の空気室35aに供給す
る第1の圧力供給位置と、減圧弁38の作った圧力空気
を圧力空気路44を介して空液変換装置35の空気室3
5aに供給する第2の圧力供給位置と、空液変換装置3
5の空気室35aに作用している空気圧を抜く圧力排出
位置とに位置切り換え可能になっている。
【0024】ポンプユニット34は、流体式リターダ4
の容器15内の昇温した作動液体を容器15に形成され
た作動液体出口46から管路47を介して作動液体用ク
ーラ(ラジエータ)48に導いて冷却する。そして、冷
却後の作動液体は、ポンプ49によって、管路50およ
び容器15に設けられた作動液体入口51を介して容器
15内に戻している。そして、このポンプユニット34
による作動液体の循環路の途中には、空液変換装置35
の作動液室35bが常時連通している。また、ポンプユ
ニット34から管路50に吐出された作動液体の一部
は、図示のように、制御弁19を介して第3の弁16の
駆動に利用されている。
【0025】また、作動液体用クーラ48には、該作動
液体用クーラ48内の作動液体温度を監視する温度セン
サ481,482が装備されていて、これら温度センサ
481,482の検出信号が制動装置制御ユニット8に
送られる。即ち、制動装置制御ユニット8は、作動液体
用クーラ48で冷却する作動液体の温度を温度センサ4
81,482によって監視していて、該作動液体用クー
ラ48の冷却動作を制御する。
【0026】空液変換装置35は、気密性を有して変形
容易な可撓膜であるゴム膜35cによって、作動液体を
貯留する作動液室35bと空気室35aとを画成したも
のである。そして、作動液室35bには、手動切り換え
弁53を介して作動液体リザーバ54が接続され、手動
切り換え弁53の切り換え操作によって作動液体リザー
バ54内の作動液体を空液変換装置35の作動液室35
bに補給することができるようになっている。
【0027】セットスイッチ5は、例えば押し釦スイッ
チ等を利用したもので、運転者が操作し易いハンドルの
周辺、あるいはフロントパネル等に配置されている。ス
ピードセンサ6は、この一実施例の場合は、車輪の回転
速度を車両の走行速度として検出している。
【0028】温度検出センサ81,82は、リターダ温
度として流体式リターダ4内の作動液体の温度を検出す
るもので、一方の温度検出センサ81は作動液体温度が
120℃に達すると一定の信号を出力し、他方の温度検
出センサ82は作動液体温度が150℃に達すると一定
の信号を出力する。流体式リターダ4の作動液体温度1
50℃は、当該流体式リターダ4が所定の制動力を発揮
するための許容限界温度の上限である。流体式リターダ
4の作動液体温度120℃は、作動液体温度が上昇して
いるとき、許容限界温度の上限である150℃を超えな
いように、流体式リターダ4の使用頻度を低減させて、
作動液体温度の降温を図るための基準値として利用され
る温度である。
【0029】制動装置制御ユニット8は、イグニッショ
ンスイッチ10およびセットスイッチ5がオン(on)
で、かつ、ブレーキが操作中でないことを条件に、補助
制動装置である排気ブレーキ装置3および流体式リター
ダ4およびエンジンブレーキ補助システム9の動作状態
を制御する制御処理を開始して、スピードセンサ6から
の信号に基づいて基準速度と実際の走行速度との差から
求めた加速度を監視し、作動させる補助制動装置の組み
合わせを加速度の大きさに応じて変更することで、加速
度の大きさに見合った制動力を発揮させる。
【0030】ここに、制動装置制御ユニット8は、セッ
トスイッチ5の押下時またはその直後にスピードセンサ
6が検出した走行速度を基準速度として設定し、その後
にスピードセンサ6が検出する速度と前記基準速度との
差から加速度Gを求める。また、補助制動装置は優先順
位マップに規定された優先順位の高いものから順に使用
し、加速度Gの大きさに応じて作動装置数を増やす。
【0031】図4は、制動装置制御ユニット8が保有す
る優先順位マップα,βを示したものである。これらの
優先順位マップα,βは、流体式リターダ4の作動液体
温度が基準値である120℃以下か、以上かによって各
補助制動装置3,4,9の作動順位を設定したもので、
優先順位マップαは作動液体温度が120℃未満の場合
のもの、優先順位マップβは作動液体温度が120℃以
上の場合のものである。即ち、制動装置制御ユニット8
は、図4に示す優先順位マップα,βの規定に基づき、
流体式リターダ4の作動液体温度が基準値(120℃)
よりも低いときには流体式リターダ4を最優先に作動さ
せ、流体式リターダ4の作動液体温度が基準値(120
℃)よりも高くなったときには、排気ブレーキ装置3を
最優先に作動させ、流体式リターダ4の作動順位は最下
位にする。
【0032】この制動装置制御ユニット8は、具体的に
は、図2および図3に示す手順で、制御処理を行う。即
ち、運転者がセットスイッチ5をオンにすると、その時
またはその直後にスピードセンサ6が検出した走行速度
(車輪速度)を記憶し基準速度V0に設定して、制御を
開始する(ステップ101)。そして、まず、温度検出
センサ81,82からの信号によってリターダ温度を検
出し、いずれの優先順位マップα,βを使用すべきかを
決定する(ステップ102)。そして、スピードセンサ
6の検出する走行速度Vの監視を続け、基準速度V0
対する速度増加分(V−V0)が制動を必要とする最小
値γを超えるまでは、そのまま走行速度の監視のみを継
続する(ステップ103)。
【0033】そして、基準速度V0に対する速度増加分
(V−V0)が制動を必要とする最小値を越えた場合に
は、基準速度V0の設定時、又は前回の加速判定時から
の経過時間t1と速度増加分(V−V0)から加速度Gを
求める(ステップ104)。そして、ブレーキセンサ
(この実施例の場合は、ストップランプの点灯を検出す
る)7からブレーキスイッチのオンの信号がなければ
(即ち、運転者がセットスイッチ5をオンにした後にブ
レーキ操作をしていなければ)次のステップ106に進
むが、ブレーキセンサ7からブレーキスイッチのオンの
信号があった場合には、制御開始後のそれまでの設定を
解除して、次に再びセットスイッチ5がオンにされるの
を待つ(ステップ107)。
【0034】ブレーキスイッチがオンでないためステッ
プ105からステップ106に進んだ場合には、加速度
が正であれば、先に選択した優先順位マップとステップ
104で求めた加速度Gの大きさに応じて、補助制動装
置である排気ブレーキ装置3,流体式リターダ4,エン
ジンブレーキ補助システム9の動作を制御して(ステッ
プ108,109,110,111)、走行状態に見合
う制動力を得るようにし、次のステップ113に進む。
【0035】この実施例では、図5に示すように、算出
した加速度Gの値によって、補助制動装置の作動状態の
組み合わせを3通りに分けている。0<G≦Aの場合
は、優先順位マップにおいて優先順位が1位の補助制動
装置のみオン(on)、A<G≦Bの場合は、優先順位
マップにおいて優先順位が1位と2位の補助制動装置の
みオン(on)、B<Gの場合には、優先順位マップに
おいて優先順位が1位〜3位の全ての補助制動装置をオ
ン(on)とする。但し、A,Bは、A<Bの関係にあ
る。流体式リターダ4の作動状態をオン(on)にした
場合には、そのことを、リターダ作動ランプ51(図1
参照)を点灯させることで、運転者に通知する。
【0036】一方、前述のステップ106で加速度Gが
G≦0と判断された場合には、補助制動装置である排気
ブレーキ装置3,流体式リターダ4,エンジンブレーキ
補助システム9の動作は、それまでの状態を維持してス
テップ113に移行する(ステップ112)。ステップ
113では、それ以前のステップで設定した各補助制動
装置による制動作用によって走行速度が基準速度V0
下に減速されたか否かを判断する。そして、走行速度が
基準速度以上の場合(即ち、十分な制動ができなかった
場合で、例えば、加速度の計測区間の後で坂路の勾配が
さらにきつくなった場合なども考えられる)は、既に設
定した補助制動装置の組み合わせが、最強度の制動力を
得る状態(即ち、第1〜第3の補助制動装置の全てがオ
ンの状態)になっているか否かを判断し(ステップ11
4)、最強度の制動力が既に設定されている場合は、そ
れ以上の減速を望めないので、運転者にブレーキ操作等
を促すために運転者の近傍に配置された警告ブザー52
の鳴動や警告ランプ53の点灯によって警告を行い(ス
テップ115)、最強度の制動力を得る状態には至って
いない場合には、再度、補助制動装置の組み合わせの設
定をやり直すために、ステップ102に戻る。
【0037】ステップ113で走行速度が基準速度V0
以下と判断された場合(即ち、最適または、過度の制動
力が得られた場合で、加速度の計測区間の後で坂路の勾
配が緩やかになった場合なども考えられる)は、基準速
度V0との差αが許容範囲内かどうか判断し(例えば、
α≦2km/h)、許容範囲内の場合には、最適な制動
を成しえたものとしてステップ102に戻る(ステップ
116)。
【0038】ステップ116で、基準速度V0との差α
が許容範囲外(即ち、制動のし過ぎ)の場合には、優先
順位の低い補助制動装置から順に作動中か否かを判断し
て、作動中であれば、現在作動中(オン状態)にある補
助制動装置の内の優先順位の一番低い補助制動装置の動
作をオフにすることにより走行速度の回復を図ってか
ら、ステップ102に戻る(ステップ117〜12
1)。なお、補助制動装置を作動させた後にステップ1
02に戻って同様の処理を繰り返す場合には、以後は、
予め定めた一定時間t0毎に加速度Gを算出して、一連
の制動処理を行うようにする。
【0039】以上のごとく本実施例の速度制御装置1に
よる速度制御では、リターダ温度が低い場合には、優先
順位マップαの規定に従って流体式リターダ4が最優先
で使用される結果、車両の制動に流体式リターダ4の優
れた制動特性を十分に活用することができる。そして、
使用頻度の増大によってリターダ温度が基準値まで上昇
した場合には、流体式リターダ4の作動順位を下げた優
先順位マップβの規定に従って各補助制動装置の動作が
制御されることで流体式リターダ4の使用頻度を低減さ
せて、リターダ温度の降下を図りつつ、他の補助制動装
置を主体とした制動処理によって車両の走行速度に応じ
た制動を行うことができる。
【0040】そして、流体式リターダ4の作動順位を下
げる判断基準となるリターダ温度の基準値はリターダ温
度の許容限界値以下に設定されているため、リターダ温
度が許容限界値を超えることなく、流体式リターダ4を
利用した制動処理を継続することが可能になり、リター
ダ温度の上昇のために流体式リターダ4の作動を途中で
停止させるという不都合な事態の発生を効果的に抑止し
て、運転者の手を煩わせずに定速度走行に必要な制動力
を長時間に渡って継続して得ることが可能になる。
【0041】また、制御対象の全ての補助制動装置が作
動状態にあっても車両の走行速度が上昇するときには、
運転者の近傍に配置された警告手段である警告ブザー5
2,警告ランプ53を作動させてその旨を運転者に通知
するため、該速度制御装置1だけで十分に制動できない
場合には、速やかに主ブレーキの操作による制動を実施
させて、走行速度を安全な走行速度範囲に制限させるこ
とができる。
【0042】しかも、車両が坂路を下る場合、坂路の勾
配が急なほど、急激に速度が増大することになる。即
ち、坂路の勾配の大小は、坂路が車両に付与する加速度
の大きさに比例しており、車両の受ける加速度に反映さ
れることになる。しかし、前述の実施例は、その加速度
を監視していて、その加速度の大きさに見合った制動力
が得られるように、排気ブレーキ装置3,流体式リター
ダ4,エンジンブレーキ補助システム9の作動状態を制
御するものであるから、一段ずつ制動力の大きさを順に
切り換えて最適な制動力を設定した従来装置による場合
と比較すると、一挙に、その加速度を付与している坂路
の勾配に応じた最適な制動力を設定することができ、最
適な制動力を設定するまでの所要時間を短縮することが
できる。
【0043】また、その最適な制動力を得るための各排
気ブレーキ装置3,流体式リターダ4,エンジンブレー
キ補助システム9の作動状態の制御は、スピードセンサ
6やブレーキセンサ7や温度検出センサ81,82の検
出信号を受けて、リターダ温度および加速度の監視を行
っている制動装置制御ユニット8が行い、運転者に切り
換え操作等の面倒な操作を強いることもない。従って、
運転者に負担をかけずに短時間で安定した定速度走行を
実現することができる。
【0044】また、加速度を算出する際に用いる基準速
度V0は、セットスイッチ5の押下時またはその直後に
スピードセンサ6が検出した実際の走行速度を使用する
ため、運転者がセットスイッチ5を押下するという単純
な操作を行うだけで、実際の走行中の任意速度を基準速
度V0に設定することができ、優れた使い勝手を得るこ
とができる。
【0045】また、流体式リターダ4に供給する作動液
体の圧力を切り換えする圧力制御装置33を使用したこ
とによって、より細かく制動力を切り換えることがで
き、設定する制動力の最適化を促進して、より高精度な
定速度走行を実現することが可能になる。
【0046】また、流体式リターダ4の作動液圧を切り
換える手段として、制動装置制御ユニット8からの制御
信号に基づいて出力空気圧を切り換える圧力制御装置3
3と、流体式リターダ4に作動液を循環させるポンプユ
ニット34と、圧力制御装置33の出力空気圧を前記ポ
ンプユニット34内を循環する作動液体の圧力に変換す
る空液変換装置35とを備えた構成としているため、例
えば、エンジン特性や車両重量や走行性能等の個々の車
両の仕様に拘らず、圧力制御装置33は汎用的な仕様で
種々の車両に使用できるものを開発する等の利便を図る
こともできる。
【0047】なお、上述の実施例では、リターダとして
は、流体式のものを使用したが、渦電流式のものを使用
するようにしてもよい。また、上記実施例で使用した流
体式リターダは、作動液体の圧力を2段階に切り換えて
使用することで、大きさのことなる2つの制動力を得る
ようにしたが、作動液体の圧力は、3段階以上の多段階
に切り換え可能に装備したり、あるいは、無段階に調整
し得るように構成してもよい。
【0048】また、上記実施例では、排気ブレーキ装置
と流体式リターダとエンジンブレーキ補助システムとの
三つを補助制動装置として装備したが、装備する補助制
動装置の数をもっと増やして、より細かな制動力の設定
を可能にすることも考えられる。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の制動力制御
方法によれば、リターダ温度が低い場合にはリターダが
最優先で使用される結果、車両の制動にリターダの優れ
た制動特性を十分に活用することができる。そして、使
用頻度の増大によってリターダ温度が基準値まで上昇し
た場合には、リターダの作動順位を下げることでリター
ダの使用頻度を低減させて、リターダ温度の降下を図り
つつ、他の補助制動装置を主体とした制動処理によって
車両の走行速度に応じた制動を行う。このように、リタ
ーダの作動順位を繰り下げるリターダ温度の基準値を、
リターダ温度の許容限界値以下の適宜値に設定しておく
ことで、リターダ温度が許容限界値を超えることなく、
リターダを利用した制動処理を継続することが可能にな
り、リターダ温度の上昇のためにリターダの作動を途中
で停止させるという不都合な事態の発生を効果的に抑止
して、運転者の手を煩わせずに常に安定した制動力を長
時間に渡って継続して得ることが可能になる。また、制
御対象の全ての補助制動装置が作動状態にあっても車両
の走行速度が上昇するときには、運転者の近傍に配置さ
れた警告手段を作動させてその旨を運転者に通知するた
め、補助制動装置では十分に制動できない場合には、速
やかに主ブレーキの操作による制動を実施させて、走行
速度を安全な走行速度範囲に制限させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る速度制御装置の一実施例の構成を
示すブロック図である。
【図2】本発明に係る速度制御装置によって実施される
制動力制御方法の一部を示したフローチャートである。
【図3】本発明に係る速度制御装置によって実施される
制動力制御方法の他の一部を示したフローチャートであ
る。
【図4】本発明の一実施例における優先順位マップの説
明図である。
【図5】本発明の一実施例における各補助制動装置の作
動例の説明図である。
【符号の説明】
1 速度制御装置 2 回転軸 3 排気ブレーキ装置 4 流体式リターダ 5 セットスイッチ 6 スピードセンサ 7 ブレーキセンサ 8 制動装置制御ユニット 9 エンジンブレーキ補助システム 10 イグニッションスイッチ 11 エンジン 12 シリンダヘッド 13 排気管 15 容器 16 第3の弁 17 ロータ 19 制御弁 20 クラッチユニット 21 クラッチ制御装置 22 空気圧シリンダ装置 24 クラッチプレート 25 プレッシャープレート 26 圧力室 27 ピストン 29 圧力空気源 30 減圧弁 31 方向切り換え弁 33 圧力制御装置 34 ポンプユニット 35 空液変換装置 51 リターダ作動ランプ 52 警告ブザー 53 警告ランプ 81,82 温度検出センサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制動力を付与する補助制動装置としてリ
    ターダを含む複数種のものが装備された車両の制動力制
    御方法であって、 温度検出センサによって前記リターダの温度を検出し、
    前記温度の検出信号が入力される制動装置制御手段によ
    って前記各補助制動装置を制御するときに、前記リター
    ダの温度が基準値よりも低いときには該リターダを最優
    先して作動させ、前記温度が前記基準値よりも高いとき
    には前記リターダ以外の補助制動装置を該リターダより
    も優先して作動させるように制動を行うことを特徴とす
    る制動力制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、制御対象の全ての補
    助制動装置が作動状態にあっても車両の走行速度が上昇
    するときには、警告手段を作動させてその旨を運転者に
    通知することを特徴とする制動力制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記リターダとして
    流体式リターダを用い、その作動液体の温度を検出する
    ことを特徴とする制動力制御方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002114141A (ja) * 2000-10-06 2002-04-16 Toyota Industries Corp 産業車両におけるブレーキ制御装置
JP2008279924A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Hino Motors Ltd 補助ブレーキ制御装置
CN116968712A (zh) * 2023-07-27 2023-10-31 东风商用车有限公司 一种车辆的制动方法、装置及设备
CN117212445A (zh) * 2023-09-28 2023-12-12 东风商用车有限公司 一种辅助制动工况的amt换挡方法、存储介质及装置
WO2024202984A1 (ja) * 2023-03-30 2024-10-03 株式会社小松製作所 作業機械、及び、作業機械を制御するための方法

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