JPH0826107B2 - 高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物 - Google Patents

高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物

Info

Publication number
JPH0826107B2
JPH0826107B2 JP60229858A JP22985885A JPH0826107B2 JP H0826107 B2 JPH0826107 B2 JP H0826107B2 JP 60229858 A JP60229858 A JP 60229858A JP 22985885 A JP22985885 A JP 22985885A JP H0826107 B2 JPH0826107 B2 JP H0826107B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
styrene
block copolymer
conjugated diene
based hydrocarbon
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP60229858A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6291518A (ja
Inventor
育郎 山岡
正生 木村
哲人 河口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd, Nippon Steel Corp filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP60229858A priority Critical patent/JPH0826107B2/ja
Publication of JPS6291518A publication Critical patent/JPS6291518A/ja
Publication of JPH0826107B2 publication Critical patent/JPH0826107B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック
共重合体、またはさらにポリスチレン、α−メチルスチ
レン重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体から選ばれた
一種以上の改質材から構成され、エンジニアリングプラ
スチック並みの高度な耐衝撃性を有しかつエンジニアリ
ングプラスチックよりはるかに安価な熱可塑性樹脂成形
物に関するものである。
従来の技術 スチレン−ブタジエンブロック共重合体で代表される
スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体は、
熱可塑性エラストマーとして、あるいは透明耐衝撃性ポ
リスチレンとして一般に広く用いられている。このスチ
レン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体として
は、放射状枝分かれ型ブロック構造のものや線状ブロッ
ク構造のもの等種々のものが知られており、一般にスチ
レン系炭化水素含有率が多くなるに従いゴム質状から樹
脂状に変化する。この様なスチレン系炭化水素−共役ジ
エンブロック共重合体の成形物は剛性、耐熱性等の実用
物性において他のスチレン系樹脂の成形物よりも一般に
劣るという欠点があり、耐衝撃性も他の高耐衝撃性の熱
可塑性樹脂成形物に比べると低い。
従来は、剛性や耐熱性を改善するために、スチレン系
炭化水素−共役ジエンブロック共重合体に改質材として
ポリスチレン、あるいはα−メチルスチレン重合体、あ
るいはスチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ある
いはスチレン−アクリロニトリル共重合体を配合してド
ライブレンドを行ない、必要に応じて単軸押出機あるい
は二軸押出機で溶融ブレンド後ペレット化し、これをイ
ンラインスクリュー型射出成形機に仕込んで溶融樹脂を
水冷金型内に射出して成形物を得ることが行なわれてい
る。スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体
に改質材を配合する改質法の具体例としては、特公昭60
-26429号公報があり、改質材としてスチレン−メタクリ
ル酸エステル共重合体を用いた場合には剛性や耐熱性の
他に耐衝撃性も改善できるとされている。しかしなが
ら、この場合に得られる成形物の耐衝撃性は実用上なお
不十分であり、更に高度な耐衝撃性が望まれていた。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、上記の様な観点から、スチレン系炭化
水素−共役ジエンブロック共重合体をもとに検討を行な
い、Vノッチ付アイゾット衝撃値が10kg・cm/cm以上、
最高では60kg・cm/cmを越える値を有するエンジニアリ
ングプラスチック並みの高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形
物を製造することを目的とした。
問題点を解決するための手段 本発明の構成は、スチレン系炭化水素重合体の含有率
が50〜85wt.%のスチレン系炭化水素−共役ジエンブロ
ック共重合体で、スチレン系炭化水素よりなる重合体ブ
ロックの凝集層と共役ジエンを主とする重合体ブロック
の凝集層とがそれぞれ0.01〜0.05μmの層厚で交互に規
則正しく直線的に積層した構造で、Vノッチ付アイゾッ
ト衝撃値が10kg・cm/cm以上の高耐衝撃性の熱可塑性樹
脂成形物、および前記スチレン系炭化水素−共役ジエン
ブロック共重合体50wt.%(重量%)以上と、改質材の
ポリスチレン、α−メチルスチレン重合体、スチレン−
メタクリル酸エステル共重合体、またはスチレン−アク
リロニトリル共重合体から選ばれた一種以上が50wt.%
以下からなり、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロッ
ク共重合体の相はスチレン系炭化水素よりなる重合体ブ
ロックの凝集層と共役ジエンを主とする重合体ブロック
の凝集層とがそれぞれ0.01〜0.05μmの層厚で交互に規
則正しく積層した構造で、改質材の25vol.%(体積%)
以上は形状の乱れが少ない直径0.1〜1.0μmの粒状に分
散している構造で、Vノッチ付アイゾット衝撃値が10kg
・cm/cm以上の高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物にあ
る。
以下に本発明の内容を詳細に説明する。
本発明に使用するブロック共重合体は、放射状枝分か
れ型、線状のいずれのものでも使用でき、放射状枝分か
れ型ブロック共重合体の場合一般式XB−S)m、ま
た線状ブロック共重合体の場合一般式SB−Sn
B−SあるいはSB−SnBで示される。
ここで、Sは、スチレン系炭化水素よりなる重合体ブ
ロックである。Bは共役ジエンを主とする重合体ブロッ
クであって、共役ジエン重量体あるいは共役ジエン−ス
チレン系炭化水素ランダム共重合体であっても良い。X
は放射状枝分かれ型重合体の形成に使用される多官能性
カップリング剤からすべての官能基を除いた部分を表わ
し、例えば、ポリエポキシド類、ポリイソシアネート
類、ポリアルデヒド類、ポリケトン類、ポリアミン類、
テトラアリル錫やフッ化第二錫の様な錫化合物、ハロゲ
ン化珪素などの三官能性以上のカップリング剤から誘導
される放射状枝分かれ型ブロック共重合体の中心原子あ
るいは中心原子団である。mはこの多官能性カップリン
グ剤の官能基の数を示し、放射状枝分かれ型ブロック共
重合体が放射状枝分かれ型となるために必要な少なくと
も3以上の整数である。nは連続単位の数を示す整数で
ある。
本発明に使用するブロック共重合体は、固体状態で、
スチレン系炭化水素よりなる重合体ブロックの凝集層と
共役ジエンを主とする重合体ブロックの凝集層とが交互
に秩序良く積層したミクロ相分離構造をとれることが必
要で、そのためには、ブロック共重合体のスチレン系炭
化水素含有量は、Bブロック中に共重合したスチレン系
炭化水素及びスチレン系炭化水素重合体ブロックを含め
て、50〜85wt.%が望ましい。このようにした場合に、
本発明に使用するスチレン系炭化水素−共役ジエンブロ
ック共重合体のミクロ形態が上記のような交互層状にな
りやすく、耐衝撃性の改良効果が十分に得られやすい。
本発明のブロック共重合体は、アニオンリビング重合
法等によって製造することができる。製造条件は、放射
状枝分かれ型ブロック構造、線状ブロック構造のいずれ
の場合についても、従来公知の如何なる条件であっても
よい。
本発明のブロック共重合体を構成するスチレン系炭化
水素は、例えば、スチレン、o−あるいはm−あるいは
p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ジメチルス
チレン等のスチレン誘導体であって、これらの一種ある
いは二種以上の混合物が使用される。
本発明で言う共役ジエンは、例えば、1、3−ブタジ
エン、2−メチル−1、3−ブタジエン(イソプレ
ン)、2、3−ジメチル−1、3−ブタジエン、1、3
−ペンタジエン、1、3−ヘキサジエン等であり1、3
−ブタジエン及びイソプレンが好適に使用される。これ
らは一種だけでなく二種以上の混合物であってもよい。
次に、本発明で改質材として使用するポリスチレン
は、カチオン重合法、あるいはアニオン重合法、あるい
はラジカル重合法によって製造することができるが、こ
れらのうちラジカル重合法が最も一般的である。いずれ
の重合法で行う場合でも、従来公知の如何なる製造条件
を用いてもよいが、ブレンド及び成形の容易な重合物を
得るために、数平均分子量が1万から50万の範囲に入る
よう調節する必要がある。本発明に使用するα−メチル
スチレン重合体もポリスチレンの場合と同様の方法で製
造できるが、実用上数平均分子量が1万から50万の範囲
に入るよう調節する必要がある。
本発明で改質材として使用するスチレン−メタクリル
酸エステル共重合体は、スチレン含有率が40wt.%以上
とメタクリル酸エステル、好ましくはメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルから選ば
れた一種あるいは二種以上60wt.%以下との共重合体
で、カチオン重合法、アニオン重合法、ラジカル重合法
のいずれによっても製造することができる。特公昭60-2
6429号公報に記載されているように、スチレン系炭化水
素−共役ジエンブロック共重合体とスチレン−メタクリ
ル酸エステル共重合体の組合せとして光屈折率の近接し
たもを選ぶことにより、高い透明性を得ることができ
る。しかし、光屈折率が異なった組合せでも、本発明の
改良効果は十分に得ることができる。
本発明で改質材として使用するスチレン−アクリロニ
トリル共重合体は、スチレン含有率が40wt.%以上とア
クリロニトリル60wt.%以下との共重合体で、カチオン
重合法、アニオン重合法、ラジカル重合法のいずれによ
っても製造することができる。
そして、これらの改質材は前記のいずれかの添加によ
り効果を認められるが、併せて添加しても同様の効果を
奏することができる。
本発明において、スチレン系炭化水素−共役ジエンブ
ロック共重合体に改質材をブレンドする方法としては従
来公知のさまざまのブレンド方法が可能であるが、スチ
レン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体の連続相
に改質材の25vol.%以上を直径0.1〜1.0μmの粒状に分
散させる必要からドライブレンドのみでは不可で、溶融
ブレンド(従来の一般的なブレンド方法)、あるいは溶
液ブレンドが好ましい。いずれにせよ、改質材の25vol.
%以上を直径0.1〜1.0μmの範囲内の粒状に分散させる
ために、ブレンド条件の制御と最適ブレンド条件の決定
は十分に注意して行なわなければならない。
溶融ブレンドに使用する練り機は、ロール、バンバリ
ミキサー、各種ミル、スクリュー式押出機、そのほかの
ミキサーまたはブレンダーで、付備されたヒーターによ
りスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体と
改質材を可塑化しつつ、機械的に練り合わせればよい。
直接の溶融ブレンドが困難な場合、例えば、溶融、可塑
化温度が数十度以上差のある場合や、溶融粘度が著しく
異なる場合などは溶液ブレンドを用いる。即ち、前もっ
て分散媒中に混合分散してブレンドし、その分散状態を
損うことなくブレンド物を分散媒から分離すればよい。
なお、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重
合体に改質材をブレンドしない場合は、成形の前にあら
かじめ練り機を通さず、練りプロセスを省略してもよ
い。なぜなら、練り機を通さず直接成形加工しても、成
形物の物性にはほとんど差がないからである。
本発明において、スチレン系炭化水素−共役ジエンブ
ロック共重合体に改質材をブレンドした樹脂組成物、あ
るいは改質材を含まないスチレン系炭化水素−共役ジエ
ンブロック共重合体を成形する方法としては、成形時に
溶融樹脂に加わる剪断歪みや成形物の残留内部歪みを低
く抑えることさえできれば、押出成形、射出成形(従来
の一般的成形方法)、圧縮成形、スタンピング・モール
ディングなど樹脂の成形に用いられるすべての成形方法
が可能であるが、成形時の剪断歪みや成形物の残留内部
歪みを非常に少なくするには、圧縮成形法やスタンピン
グ・モールディング法が最も好ましい。
スタンピング・モールディング法は、溶融樹脂を、押
出機のダイから溶融状態のまま1バッチに相当する量だ
けプレス金型内に供給し、金型内で加圧された樹脂が冷
却固化する間に、次の1バッチに相当する量の樹脂を押
出機内で可塑化ブレンドし、金型を開いて成形物を取り
出してから溶融樹脂を再び金型内に供給する、というサ
イクルを繰り返す方法である。
いずれ成形方法を用いる場合でも、スチレン系炭化水
素−共役ジエンブロック共重合体相中の交互積層状態の
乱雑性や交互層の不連続部分の発生、改質材粒子の形状
の乱れを可能な限り低く抑えるために、成形条件の制御
と最適成形条件の決定は十分に注意して行わなければな
らない。
スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体に
改質材を含む場合、本発明で使用するブロック共重合体
の配合割合は50wt.%以上であり、一方改質材として使
用するポリスチレン、α‐メチルスチレン重合体、スチ
レン−メタクリル酸エステル共重合体、あるいはスチレ
ン−アクリロニトリル共重合体から選ばれた一種あるい
は二種以上は50wt.%以下であることが必要である。こ
のように限定した理由は、スチレン系炭化水素−共役ジ
エンブロック共重合体の相が連続相を形成しなければ、
成形物のアイゾット衝撃値が10kg・cm/cm以上とならず
改良効果がほとんど得られないからである。
本発明者らは、改質材で改質したスチレン系炭化水素
−共役ジエンブロック共重合体を使った成形物について
200〜500オングストロームの厚さの超薄切片を作製し、
共役ジエン部分を四酸化オスミウムで黒く染色した後透
過型電子顕微鏡を用いて構造解析を行なった。
その結果、改質した成形物の耐衝撃性が向上するの
は、改質した成形物の構造が以下のとの両方の条件
を満たす場合に起こることを見出した。
スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体
の相は、スチレン系炭化水素よりなる重合体ブロックの
凝集層と共役ジエンを主とする重合体ブロックの凝集層
とがそれぞれ0.01〜0.05μmの層厚で交互に積層した構
造をとっていること。
スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体
の相が連続相を形成し、この連続相に改質材の25vol.%
以上が直径0.1〜1.0μmの粒状に分散していること。
との両方の条件を満たす相構造には、衝撃が加え
られた際、クレーズ発生から破断に通じるクラックの伝
播を阻止する働きがあることがわかった。本発明者ら
は、構造解析した改質物中に見られる上記の交互積層状
態の乱雑性や改質材粒子の形状と分散状態の乱雑性を改
善してより整った形態にすることにより耐衝撃性を更に
引上げることが可能なばかりでなく、スチレン系炭化水
素−共役ジエンブロック共重合体に改質材をブレンドし
ない場合でも、交互積層状態の乱雑性を改善して規則正
しく直線的な積層状態にすれば耐衝撃性が上昇するので
はないかと考え、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロ
ック共重合体に改質材をブレンドしない場合には成形方
法、成形条件の検討と得られた成形物の構造解析を行な
い、さらに改質材を含む場合にはスチレン系炭化水素−
共役ジエンブロック共重合体と改質材のブレンド比率、
ブレンド方法、ブレンド条件、成形方法、成形条件の検
討と、成形前のブレンドペレットや得られた成形物の構
造解析を行った。
構造解析は、ペレットや成形物の一部について200〜5
00オングストロームの厚さの超薄切片を作製し、共役ジ
エン部分を四酸化オスミウムで黒く染色した後透過型電
子顕微鏡を用いて行なった。
その結果、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック
共重合体に改質材をブレンドしない場合には、成形物中
に見られる前記の構造の成否は成形方法と成形条件の
両方に支配され、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロ
ック共重合体の交互積層状態の乱雑性は、成形方法と成
形条件のうち少なくとも一方を工夫すれば規則正しく直
線的な積層状態に改善できることがわかり、スチレン系
炭化水素−共役ジエンブロック共重合体に改質材を含む
場合には、成形物中に見られる前記、の構造の成否
はブレンド比率、ブレンド方法、ブレンド条件、成形方
法、成形条件のいずれにも大きく支配され、スチレン系
炭化水素−共役ジエンブロック共重合体の交互積層状態
の乱雑性や改質材粒子の形状と分散状態の乱雑性は、ブ
レンド方法とブレンド条件のうち少なくとも一方と、成
形方法と成形条件のうち少なくとも一方を工夫すればよ
り整った形態に改善できることがわかった。
スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体に
改質材をブレンドしない場合、本発明者らは成形方法と
成形条件についてさらに検討を続け、成形方法と成形条
件のうち少なくとも一方を工夫して、成形時に溶融樹脂
に加わる剪断歪みや成形物の残留内部歪みを可能な限り
抑えた場合に、成形物は前記の構造を備え、しかも成
形物中に見られるスチレン系炭化水素−共役ジエンブロ
ック共重合体相中の交互積層状態の乱雑性が、従来の加
工プロセスに従い改質した成形物のものに比べ著しく改
善されて規則正しく直線的な積層状態となり、相内の秩
序が非常に良くなることを見出した。
また、スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重
合体に改質材を含む場合には、本発明者らはブレンド比
率、ブレンド方法、ブレンド条件、成形方法、成形条件
についてさらに検討を続け、スチレン系炭化水素−共役
ジエンブロック共重合体50wt.%以上と、改質材のポリ
スチレン、α−メチルスチレン重合体、スチレン−メタ
クリル酸エステル共重合体、またはスチレン−アクリロ
ニトリル共重合体から選ばれた一種以上が50wt.%以下
からなる配合物を用い、スチレン系炭化水素−共役ジエ
ンブロック共重合体の連続相に改質材の25vol.%以上が
直径0.1〜1.0μmの粒状に分散するまでブレンドを行
い、かつ成形時に溶融樹脂に加わる剪断歪みや成形物の
残留内部歪みを可能な限り抑えた場合に、成形物は前記
、の両方の条件を満たす構造を備え、しかも成形物
中に見られるスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック
共重合体相中の交互積層状態の乱雑性や改質材粒子の形
状と分散状態の乱雑性が、従来の加工プロセスに従い改
質した成形物のものに比べ著しく改善されてより整った
形態となり、相構造の秩序が非常に良くなることを見出
した。
次に、本発明者らは、これらの乱雑性の程度とアイゾ
ット衝撃値の高さとの相関について調べ、スチレン系炭
化水素−共役ジエンブロック共重合体に改質材をブレン
ドしないものではブロック共重合体相中の交互層の入り
組みや弯曲が少ないほど成形物のアイゾット衝撃値が高
く、またスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重
合体に改質材を含むものでは、交互層の入り組みや弯曲
が少なく、改質材粒子の介入や成形時の剪断力などで生
じた交互層の不連続部分が少なく、さらに改質材粒子の
形状の乱れが少なく分散状態が良好なほどアイゾット衝
撃値が高いことを見出した。
スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体に
改質材をブレンドしない場合、ブロック共重合体相中の
交互層の入り組みや弯曲が非常に少ない成形物のアイゾ
ット衝撃値は15〜50kg・cm/cmもの高い値を示し、従来
の加工プロセスにより得たブロック共重合体の成形物の
アイゾット衝撃値(2kg・cm/cm前後)の数倍〜20倍以上
にも上昇することから、スチレン系炭化水素−共役ジエ
ンブロック共重合体の交互積層状態の乱雑性を低く抑え
るだけでも耐衝撃性を著しく改善できることが明らかと
なった。
また、本発明者らは、スチレン系炭化水素−共役ジエ
ンブロック共重合体に改質材を含む場合について、成形
物の超薄切片の透過型電子顕微鏡写真から成形物の切断
面に現われた改質材粒子の断面径の分布関数を求め、こ
れらから実粒子の粒径分布を算出した結果、直径が0.1
〜1.0μm、特に0.1〜0.3μmの範囲にある改質材粒子
が単位体積中に多く存在する成形物ほどアイゾット衝撃
値が高いことを見出した。この原因について成形物の衝
撃破断面を透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡で解析
し、成形物が衝撃を受けたとき、直径が前記の範囲内に
ある改質材粒子は、ブロック共重合体相との界面で剥離
して衝撃エネルギーを効果的に吸収することを見出し
た。このことから、スチレン系炭化水素−共役ジエンブ
ロック共重合体に改質材を含む場合、成形物のアイゾッ
ト衝撃値が10kg・cm/cm以上となるための必要条件とし
て、成形物に含まれる改質材の25vol.%以上が直径0.1
〜1.0μmの粒子状となってブロック共重合体の連続相
中に分散していなければならないことがわかった。
以上のように、ミクロ構造の乱雑性を非常に低く抑え
たブロック共重合体の成形物、及びブロック共重合体に
改質材を含む成形物はエンジニアリングプラスチック並
みの極めて優れた耐衝撃性を備えていることを見出し、
本発明を完成した。
本発明では、以上に述べた乱雑性の程度を実測して具
体的な数値で表現することが非常に困難なため、成形物
のアイゾット衝撃値を、乱雑性の程度を間接的に示す尺
度とした。即ち、ASTMのD−256に準拠したVノッチ付
アイゾット衝撃値が10kg・cm/cm以上の成形物を、ブロ
ック共重合体相中の交互積層状態の乱雑性や改質材粒子
の形状と分散状態の乱雑性が低く相構造の秩序が非常に
良いものと規定し、本発明による熱可塑性樹脂成形物と
した。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明す
る。
実施例 以下の実施例1〜5には、スチレン系炭化水素−共役
ジエンブロック共重合体50wt.%未満を含む成形物、及
びスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体を
全く含まない改質材のみの成形物についての結果も比較
例として記載してあるが、これらは本発明の範囲に含ま
ない。
実施例1 スチレン含有率74.5wt.%の放射状枝分かれスチレン
−ブタジエンブロック共重合体であるK−レジンKRO−
5(米フィリップス社製、商品名)とスチレン含有率78
wt.%のスチレン−メタクリル酸メチル共重合体である
エスチレンMS−200(新日鐵化学製、商品名)とを第1
表に示す割合で配合し、これを容量60ccのローラー形ミ
ルを用いて180℃、70rpmでローラーの回転トルクが一定
となるまでブレンドした。
この操作を繰り返して必要量をブレンドのあと、得ら
れたブレンド物を成形金型の表面温度200℃、圧力50〜7
0kg/cm2で約10分間圧縮成形してから数分間で約50℃に
まで冷却し、150mm×150mm×3mm、150mm×150mm×4mm、
150mm×150mm×6mmの平板を得た。K−レジンKRO−5単
独、エスチレンMS−200単独の場合も、上記のK−レジ
ンKRO−5とエスチレンMS−200のブレンド成形品と全く
同じ加工プロセスで平板を得た。
これからそれぞれ引張り試験片、アイゾット衝撃試験
片、曲げ試験片(熱変形温度の試験片と共用)を切出
し、それぞれASTMのD−638、D−256、D−790(熱変
形温度はD−648)に従い各物性を測定した。K−レジ
ン相中の各層の厚みは、成形物の透過型電子顕微鏡写真
(10万倍の倍率で撮影)から実測した。また、MS−200
実粒子の平均直径は、成形物の透過型電子顕微鏡写真
(成形物の切断面)に見られるMS−200粒子の断面径の
分布を画像処理装置と統計計算用ミニコンピューターに
より求め、これらの断面径分布関数にステレオロジー理
論を適用して算出した。
K−レジンを70wt.%以上含む成形物では、改質材粒
子の直径は、0.1〜1.0μmの範囲に、90vol.%以上が入
っていた。ただし、K−レジンが50wt.%の成形物で
は、K−レジン相内に分散したMS−200粒子のうち特に
近接した粒子が一部数珠状に連結しているため、長径と
短径との比が非常に大きく画像処理装置が粒子状と判断
できない細長い形状のドメインは除外して計算した。こ
の場合でも、改質材粒子の直径としては、0.1〜1.0μm
の範囲に約50vol.%が存在していた。
また、比較例のK−レジン25wt.%の成形物ではMS−2
00の相が連続相となるため算出することができなかっ
た。結果を第1表に示す。成形物の透過型電子顕微鏡写
真のうち、K−レジン単独の場合とK−レジンが70wt.
%の場合の例をそれぞれ第1図、第2図に示す。
比較例1 実施例1で用いたK−レジンKRO−5とエスチレンMS
−200との配合物について、従来の加工プロセス(成形
金型表面温度40℃)により得た成形物の各物性及びK−
レジン相中の各層の厚みを測定した。用いた加工プロセ
スは次のようであった。即ち、K−レジンKRO−5とエ
スチレンMS−200とを第2表に示す割合で配合し、スク
リュー径29mmφ、スクリュー有効長さとスクリュー径の
比(L/D)が17の完全噛合型同方向回転式2軸押出機を
用いて220℃でブレンド、ペレット化の後、3オンスの
インラインスクリュー型射出成形機に仕込んで210℃で
射出して試験片を作成したが、このプロセスではブレン
ド条件、成形条件を特に工夫しなかった。K−レジンKR
O−5単独、エスチレンMS−200単独の場合も同様の加工
プロセスで試験片を作成した。
これらの射出成形試験片を用い、実施例1と同様の試
験方法で各物性を測定した。また、K−レジン相中の各
層の厚みは、成形物の透過型電子顕微鏡写真(10万倍の
倍率で撮影)から実測した。MS−200実粒子の平均直径
は、第2表に示したいずれの成形物の場合でも算出でき
なかった。K−レジン70wt.%のものでは、MS−200粒子
の形状が乱雑で長径と短径との比が非常に大きく細長い
回転楕円体形あるいは不定形となり、またK−レジン50
wt.%、25wt.%のものではもはやMS−200相が分散相と
ならないからである。得られた結果を第2表に示す。ま
た、成形物の透過型電子顕微鏡写真のうち、K−レジン
単独の場合とK−レジンが70wt.%の場合の例をそれぞ
れ第3図、第4図に示す。
なお、第1〜4図の写真は、スチレン系炭化水素−共
役ジエンブロック共重合体を使った成形物の一部から超
薄切片を作成し、共役ジエン部分を四酸化オスミウムに
より選択的に黒く染色した試料の透過型電子顕微鏡写真
である。
実施例2 スチレン含有率70wt.%の線状スチレン−ブタジエン
ブロック共重合体であるアサフレックス810(旭化成
製、商品名)とエスチレンMS−200とを第3表に示す割
合で配合し、実施例1と同様の方法で試験片を製作し、
各物性を測定した。アサフレックス810相中の各層の厚
み、MS−200実粒子の平均直径は、成形物の透過型電子
顕微鏡写真(10万倍の倍率で撮影)から実施例1と同様
にして求めた。
アサフレックス810が50wt.%の成形物では、アサフレ
ックス810相内に分散したMS−200粒子のうち特に近接し
た粒子が一部数珠状に連結しているため、長径と短径と
の比が非常に大きく画像処理装置が粒子状と判断できな
い細長い形状のドメインは除外して平均直径を計算し
た。
また、比較例のアサフレックス810が25wt.%の成形物
ではMS−200の相が連続相となるため平均直径を算出す
ることができなかった。結果を第3表に示す。改質材粒
子の直径は、実施例1と同様の傾向で分布していた。
比較例2 実施例2で用いたアサフレックス810とエスチレンMS
−200との配合物について、比較例1と同様の加工プロ
セスにより得た成形物の各物性値を第4表に示す。アサ
フレックス810が70wt.%、50wt.%の成形物のアイゾッ
ト衝撃値は10kg・cm/cm以上であるが、アサフレックス8
10相中のポリブタジエン凝集層とポリスチレン凝集層は
いずれも層厚が0.01μm未満であり、しかもアサフレッ
クス810相中のポリブタジエン凝集層とポリスチレン凝
集層の間に層厚の数倍〜10倍程度の直径を持つMS−200
粒子が数多く介在しているためアサフレックス810相は
交互積層構造とならず、3次元網目構造となっている。
この様なアサフレックス810の構造は、本発明の範囲に
は含まれない。
アサフレックス810相中の各層の厚みは、成形物の透
過型電子顕微鏡写真(3万倍の倍率で撮影)から実測し
た。MS−200実粒子の平均直径は、第4表に示したいず
れの成形物の場合でも算出できなかった。アサフレック
ス810が70wt.%、50wt.%の成形物ではMS−200粒子の形
状が乱雑で粒子界面とアサフレックス810相の網目構造
とが互いに激しく入り組みあっており、またアサフレッ
クス810が25wt.%のものではもはやMS−200相が分散相
とならないからである。これらの結果も第4表に示す。
実施例3 スチレン含有率76wt.%線上スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体(ブタジエンブロックは単一のポリブタ
ジエンではなく、スチレン−ブタジエンランダム共重合
体)であるクリアレン730−L(電気化学製、商品名)
とエスチレンMS−200とを第5表に示す割合で配合し、
実施例1と同様の方法でアイゾット衝撃試験片を製作
し、アイゾット衝撃値を測定した。クリアレン730−L
相中の各層の厚みとMS−200実粒子の平均直径は、成形
物の透過型電子顕微鏡写真(3万倍の倍率で撮影)から
実施例1と同様にして求めた。結果を第5表に示す。
改質材を30wt.%含んだ場合では、改質材粒子の直径
は、95vol.%以上が0.1〜1.0μmの範囲内であった。
比較例3 実施例3で用いたクリアレン730−LとエスチレンMS
−200との配合物について、比較例1と同様の加工プロ
セスにより得た成形物の各物性値を第6表に示す。クリ
アレン730−L相中のスチレンよりなる重合体ブロック
の凝集層とブタジエンを主とする重合体ブロックの凝集
層は交互積層構造をとるが、両層の不連続部分が非常に
多く交互層の多くは断片状である。各層の厚みは、成形
物の透過型電子顕微鏡写真(3万倍の倍率で撮影)から
実測し、これらの結果も第6表に示す。MS−200実粒子
の平均直径は、第6表に示したいずれの成形物の場合で
も算出できなかった。クリアレン730−Lが70wt.%、50
wt.%の成形物ではMS−200相はクリアレン相内に分散し
ているが両相の界面が不明確なうえに互いに激しく入り
組みあっており、またクリアレン25wt.%のものではも
はやMS−200相が分散相とならないからである。
上記第1表〜第6表から明らかなように、実施例1〜
3で得たスチレン−ブタジエンブロック共重合体、およ
びスチレン−ブタジエンブロック共重合体50wt.%以上
を含む成形物のアイゾット衝撃値は10kg・cm/cm以上、
最高では60kg・cm/cmを越える非常に高い値を示し、従
来の加工プロセスにより得た比較例1〜3の成形物のア
イゾット衝撃値の数倍から10倍以上に改良されている。
本発明者らは、実施例1〜3、比較例1〜3で得た成
形物の一部について構造解析を行い、従来の加工プロセ
スにより得た成形物と本発明により得た成形物の相構造
を比較した。その結果、スチレン−ブタジエンブロック
共重合体単独の場合では、従来の加工プロセスにより得
た成形物の構造は交互積層状態が乱雑であるのに対し、
本発明により得た成形物の相構造はその乱雑性が大幅に
改善され、整然とした直線的な交互積層状態であった。
また、スチレン−ブタジエンブロック共重合体に改質
材を含む場合には、従来の加工プロセスにより得た成形
物の相構造は、ブロック共重合体相中の交互積層状態や
改質材粒子の形状と分散状態が乱雑であるのに対し、本
発明により得た成形物の相構造はその乱雑性が大幅に改
善され、整然とした交互積層状態や、良好な改質材粒子
の形状と分散状態であった。
アイゾット衝撃値が非常に高い値を示すのは、この様
な相構造の秩序性の上昇がアイゾット衝撃値の上昇に寄
与しているからである。更に、衝撃エネルギーの吸収機
構を解析し、本発明により得た成形物の中で、直径が0.
1〜1.0μm、特に0.1〜0.3μmの範囲にある改質材粒子
が単位体積中に多く存在する成形物ほどアイゾット衝撃
値が高いことを見出した。成形物が衝撃を受けた時、直
径が前記の範囲内にある改質材粒子は、ブロック共重合
体相との界面で剥離して衝撃エネルギーを効果的に吸収
するためである。
剛性(引張り特性、曲げ特性)や耐熱性に関しては、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体とエスチレンMS
−200とのブレンド比率に対応した加成性のみが認めら
れた。
実施例1〜3の成形物の剛性(引張り特性、曲げ特
性)や耐熱性は、従来の加工プロセスにより得た成形物
のものより低下する。これは、次の理由によるものと考
えられる。
(a)従来の加工プロセスにより得た成形物では、スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体のポリブタジエン層
とポリスチレン層とが改質材粒子とともに互いに入組ん
だ乱雑な積層構造をとるため、変形時に、ブロック共重
合体の堅いポリスチレン層が周辺のポリブタジエン層や
改質材粒子の動きを抑制し繋ぎとめる役割を果たす。
層が乱雑な方が高剛性になることは、K−レジンKRO
−5単独の場合でも、従来の加工プロセスにより得た成
形物の方が本発明により得た成形物より高剛性になる事
実(第1表、第2表)から理解できる。
(b)従来の加工プロセスにより得た成形物では、改質
材粒子の多くが適当に連結してその高剛性が外部に良く
反映される。
実施例4 K−レジンKRO−5及びアサフレックス810とエスチレ
ンMS−200とをそれぞれ第7表、第8表に示す割合で配
合し、スクリュー径29mmφ、スクリュー有効長さとスク
リュー径の比(L/D)が17の完全噛合型同方向回転式2
軸押出機を用いて220℃でブレンド後、ペレット化し
た。押出機のL/Dが小さく押出機を1回通しただけでは
ブレンド効果が不十分と考え、K−レジンKRO−5とエ
スチレンMS−200のブレンド系に限り、押出機を1回通
して得たペレットの1部を再度同じ押出機に仕込み、押
出機を2回通して得たペレットも準備した。
これらを実施例1と同様の方法で圧縮成形して平板を
得、試験片を製作し、各物性を測定した。ブロック共重
合体相中の各層の厚みは成形物の透過型電子顕微鏡写真
(10万倍の倍率で撮影)から実測した。MS−200実粒子
の平均直径は、押出機を1回通して圧縮成形したもので
はMS−200粒子の多くがブロック共重合体相中に様々な
形状で分散しているため、画像処理装置が粒子状と判断
できない形状のドメインは除外して計算した。この場合
でも、改質材粒子の直径は、0.1〜1.0μmの範囲内に30
vol.%〜80vol.%が存在していた。
押出機を2回通して圧縮成形したものでは、粒子形状
が実施例1の成形物のものに近いため実施例1と同様に
して求めることができた。後者の場合、ブロック共重合
体が50wt.%の成形物ではMS−200粒子の中で特に近接し
た粒子が一部数珠状に連結しているため、長径と短径と
の比が非常に大きく画像処理装置が粒子状と判断できな
い細長い形状のドメインは除外して平均直径を計算し
た。この場合には、改質材が微細に分散し、K−レジン
を70wt.%以上含む成形物では、改質材粒子の直径が0.1
〜1.0μmの範囲に90vol.%以上が入っていた。なお、
K−レジン50wt.%を含む成形物では改質材粒子の直径
は、0.1〜1.0μmの範囲内に約50vol.%が存在してい
た。
また比較例のブロック共重合体25wt.%の成形物で
は、MS−200の相が連続相となるため平均直径を算出す
ることができなかった。押出機を1回通して得た結果を
第7表、第8表に示す。また、K−レジンKRO−5とエ
スチレンMS−200のブレンド系について、押出機を2回
通して得た結果を第9表に示す。
K−レジンKRO−5とエスチレンMS−200のブレンド系
について第2表、第7表、第9表の各表、アサフレック
ス810とエスチレンMS−200のブレンド系については第4
表と第8表をそれぞれ比較すると明らかなように、アイ
ゾット衝撃値は、従来の加工プロセスにより得た成形物
<押出機を1回通してから表面温度200℃の成形金型に
挿入して圧縮成形したもの<押出機を2回通してから表
面温度200℃の成形金型に挿入して圧縮成形したものの
順に著しく上昇する。
これは、この順に従って相構造の秩序性が上昇すると
いう構造解析の結果と良く対応する。
実施例5 K−レジンKRO−5とスチレン含有率90wt.%のスチレ
ン−メタクリル酸メチル共重合体であるエスチレンMS−
100(新日鐵化学製、商品名)とを第10表に示す割合で
配合し、実施例1と同様の方法で試験片を製作し、各物
性を測定した。K−レジン相中の各層の厚み、MS−100
実粒子の平均直径は、成形物の透過型電子顕微鏡写真
(3万倍の倍率で撮影)から実施例1と同様にして求め
た。改質材粒子は、実施例1の場合よりも小さな直径の
ものが多く、K−レジン70wt.%以上の成形物では粒子
直径としては0.1〜1.0μmの範囲にほぼ100vol.%入っ
ていた。
K−レジンが50wt.%の成形物では、K−レジン相内
に分散したMS−100粒子のうち特に近接した粒子が一部
連結しているため、長径と短径との比が非常に大きく画
像処理装置が粒子状と判断できない細長い形状のドメイ
ンや非常に複雑な形のドメインは除外して平均直径を計
算した。この場合でも、改質材粒子の直径としては、0.
1〜1.0μmの範囲に約70vol.%が存在していた。
また比較例のK−レジン25wt.%の成形物ではMS−100
の相が連続相となるため平均直径を算出することができ
なかった。結果を第10表に示す。
発明の効果 以上の実施例及び比較例から明らかなように、低価格
のスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体、
あるいはこれに改質材をブレンドして得られる熱可塑性
樹脂組成物のミクロ構造の制御を行ない、かつそれらの
ミクロ構造の乱雑性を低く抑えれば、成形物の、ASTMの
D−256に準拠したVノッチ付アイゾット衝撃値が少な
くとも10kg・cm/cm以上、最高では60kg・cm/cmを越える
という、高価格のエンジニアリングプラスチック並みの
極めて優れた耐衝撃性を有する成形物が得られ、スチレ
ン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体の用途拡大
に大きく寄与できる。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図は改質材(エスチレンMS−200)の粒子構造
を説明する透過型電子顕微鏡写真である。 第1〜2図は実施例1の説明図、第3〜4図は比較例1
の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 正生 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式會社第1技術研究所内 (72)発明者 河口 哲人 東京都調布市深大寺南町5−16―8 (56)参考文献 特開 昭52−112691(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系炭化水素重合体の含有率が50〜
    85wt.%のスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共
    重合体で、スチレン系炭化水素よりなる重合体ブロック
    の凝集層と共役ジエンを主とする重合体ブロックの凝集
    層とがそれぞれ0.01〜0.05μmの層厚で交互に規則正し
    く直線的に積層した構造で、Vノッチ付アイゾット衝撃
    値が10kg・cm/cm以上であることを特徴とする高耐衝撃
    性の熱可塑性樹脂成形物。
  2. 【請求項2】スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック
    共重合体が、放射状枝分かれ型あるいは線状スチレン系
    炭化水素−共役ジエンブロック共重合体で、放射状枝分
    かれ型ブロック共重合体は一般式XB−S)m、また
    線状ブロック共重合体は一般式SB−Sn B−S
    あるいはSB−SnB(式中、Sは、スチレン系炭
    化水素よりなる重合体ブロック、Bは共役ジエンを主と
    する重合体ブロック、Xは放射状枝分かれ型重合体の形
    成に使用される多官能性カップリング剤からすべての官
    能基を除いた部分即ちカップリング剤の中心原子あるい
    は中心原子団を表わし、mはこの多官能性カップリング
    剤の官能基の数を示す3以上の整数であり、nは連続単
    位の数を示す整数である。)で表わされる特許請求の範
    囲第(1)項記載の高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物。
  3. 【請求項3】スチレン系炭化水素重合体の含有率が50〜
    85wt.%のスチレン系炭化水素−共役ジエンブロック共
    重合体50wt.%以上と、改質材のポリスチレン、α−メ
    チルスチレン重合体、スチレン−メタクリル酸エステル
    共重合体、またはスチレン−アクリロニトリル共重合体
    から選ばれた一種以上が50wt.%以下からなり、スチレ
    ン系炭化水素−共役ジエンブロック共重合体の相はスチ
    レン系炭化水素よりなる重合体ブロックの凝集層と共役
    ジエンを主とする重合体ブロックの凝集層とがそれぞれ
    0.01〜0.05μmの層厚で交互に規則正しく積層した構造
    で、改質材の25vol.%以上が直径0.1〜1.0μmの粒状に
    分散している構造で、Vノッチ付アイゾット衝撃値が10
    kg・cm/cm以上であることを特徴とする高耐衝撃性の熱
    可塑性樹脂成形物。
  4. 【請求項4】スチレン系炭化水素−共役ジエンブロック
    共重合体が、放射状枝分かれ型あるいは線状スチレン系
    炭化水素−共役ジエンブロック共重合体で、放射状枝分
    かれ型ブロック共重合体は一般式XB−S)m、また
    線状ブロック共重合体は一般式SB−Sn B−S
    あるいはSB−SnB(式中、Sは、スチレン系炭
    化水素よりなる重合体ブロック、Bは共役ジエンを主と
    する重合体ブロック、Xは放射状枝分かれ型重合体の形
    成に使用される多官能性カップリング剤からすべての官
    能基を除いた部分即ちカップリング剤の中心原子あるい
    は中心原子団を表わし、mはこの多官能性カップリング
    剤の官能基の数を示す3以上の整数であり、nは連続単
    位の数を示す整数である。)で表わされ、改質材のポリ
    スチレン及びα−メチルスチレン重合体はいずれも数平
    均分子量が1万〜50万のものであり、スチレン−メタク
    リル酸エステル共重合体及びスチレン−アクリロニトリ
    ル共重合体はいずれもスチレン含有率が40wt.%以上の
    ものである特許請求の範囲第(3)項記載の高耐衝撃性
    の熱可塑性樹脂成形物。
JP60229858A 1985-10-17 1985-10-17 高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物 Expired - Fee Related JPH0826107B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60229858A JPH0826107B2 (ja) 1985-10-17 1985-10-17 高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60229858A JPH0826107B2 (ja) 1985-10-17 1985-10-17 高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6291518A JPS6291518A (ja) 1987-04-27
JPH0826107B2 true JPH0826107B2 (ja) 1996-03-13

Family

ID=16898793

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60229858A Expired - Fee Related JPH0826107B2 (ja) 1985-10-17 1985-10-17 高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0826107B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63278952A (ja) * 1987-05-11 1988-11-16 Nippon Steel Corp スチレン系樹脂組成物ペレットの製造方法
JPS6445615A (en) * 1987-08-17 1989-02-20 Nippon Steel Corp Method for injection-molding styrene-conjugated diene block copolymer
CA2055199C (en) * 1991-02-12 2003-10-07 William G. Blasius, Jr. Transparent high impact alloy
US5294677A (en) * 1991-09-12 1994-03-15 Novacor Chemicals (International) S.A. Housewares
KR100425243B1 (ko) 2001-11-14 2004-03-30 주식회사 엘지화학 선형의 블록 공중합체의 제조방법

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5952171B2 (ja) * 1976-03-19 1984-12-18 旭化成株式会社 共重合体混合物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6291518A (ja) 1987-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2120734C (en) Thermoformable, chemical resistant polymer blends
CN105899603B (zh) 树脂组合物、成形体和树脂改质剂
JPH08269296A (ja) モノビニル芳香族ブロックコポリマー含有組成物、並びに該組成物から誘導され、回転成形法や同類の方法での使用に適した微粒子及び粉末
CN112708192B (zh) 一种聚丙烯/热塑性弹性体共混物及其制备方法和应用
EP2254947B1 (de) Zähsteife mischungen aus alpha-methylstyrol-acrylnitril-copolymeren und blockcopolymeren
DE102004059241A1 (de) Schlagzäh-modifizierte thermoplastische Formmassen auf Basis vinylaromatischer Copolymere und Polyamid
JPH09104795A (ja) 耐衝撃性改良シンジオタクチックポリスチレン
JP3525531B2 (ja) ポリプロピレン樹脂複合組成物
JPH0826107B2 (ja) 高耐衝撃性の熱可塑性樹脂成形物
CN110204851B (zh) 用作等向性薄膜、挤压及模塑制品的聚合物组成及其混合物
US5180535A (en) Injection molding of styrene resin
JPS6366862B2 (ja)
JP2003516453A (ja) 自由流動粉末
JP3375697B2 (ja) 耐油性樹脂組成物
JPH09316322A (ja) ポリフェニレンエーテル系樹脂成形体及び樹脂組成物
JP3373310B2 (ja) 高比重樹脂組成物
US5426149A (en) Polymers of styrene
JPH07145281A (ja) ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物
JP3253385B2 (ja) 樹脂組成物
JP3438321B2 (ja) スチレン系樹脂組成物
JPS58180544A (ja) スチレン系樹脂の射出成形方法
JPH06263943A (ja) スチレン系樹脂組成物およびそのシート
JPS6324608B2 (ja)
JPH06145443A (ja) スチレン系樹脂組成物
JP3289986B2 (ja) ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees