JPH0826215B2 - 難燃化ポリフェニレンエ−テル系樹脂組成物 - Google Patents

難燃化ポリフェニレンエ−テル系樹脂組成物

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JPH0826215B2
JPH0826215B2 JP14134987A JP14134987A JPH0826215B2 JP H0826215 B2 JPH0826215 B2 JP H0826215B2 JP 14134987 A JP14134987 A JP 14134987A JP 14134987 A JP14134987 A JP 14134987A JP H0826215 B2 JPH0826215 B2 JP H0826215B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は難燃化ポリフエニレンエーテル系樹脂組成物
に関し、更に詳しくはポリフエニレンエーテル系樹脂、
ビニル芳香族炭化水素樹脂、リン酸の金属塩、及びホス
フエート化合物を含有する難燃化ポリフエニレンエーテ
ル系樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
ポリフエニレンエーテルは耐熱性、剛性、電気特性等
諸性質で秀でた樹脂であり、有用なエンジニアリングプ
ラスチツクスとして広い用途に使用されている。しかし
ながら、ポリフエニレンエーテルは成形加工性および耐
衝撃性に劣り、さらには難燃性もそれ自体では十分とは
言い難い。
成形加工性や耐衝撃性の改良を目的としてスチレン系
樹脂あるいは、エラストマー補強スチレン系樹脂、さら
には各種エラストマー類を配合する技術が、米国特許第
3,383,435号明細書等種々の文献に開示されている。し
かしながら、スチレン系樹脂やエラストマー類を配合す
ることによつてポリフエニレンエーテルの難燃性を大き
く損うこともよく知られている。
このため、難燃性を要求される用途にポリフエニレン
エーテル、あるいはポリフエニレンエーテルとスチレン
系樹脂および/またはエラストマー類とからなる樹脂組
成物を使用するためには、難燃剤の配合が不可欠である
こともよく知られている。そして、従来有効性の認めら
れている難燃剤は主として含リン化合物と含ハロゲン化
合物である。
例えば、特開昭49−32947号公報、特開昭53−73248号
公報、特開昭55−16081号公報および特開昭57−30737号
公報には芳香族リン酸エステル類の使用が提案されてい
る。
リン酸エステル類は、ポリフエニレンエーテルに難燃
剤として配合した場合、優れた難燃効果を発揮し、さら
に可塑化効果により成形加工性をも改良するが、その反
面、熱変形温度等の耐熱性あるいは引つ張り強度等の機
械的強度が大幅に低下することは避け難く、さらに大き
な問題点は、これらのリン酸エステルが成形加工時に樹
脂相から揮発し、金型を汚染し、ひいては成形品外観を
も損ねる事である。これはポリフエニレンエーテルを含
有する成形材料の成形加工温度が250〜300℃という比較
的高温を必要とすることに起因するものであり、実用面
で深刻な問題を提起している。例をトリフエニルホスフ
エートやトリクレジルホスフエートに取るならば、これ
らは樹脂相に練り込まれた後でさえも、300℃前後に加
熱した場合その20%程度が揮発する場合がある。このよ
うなリン酸エステル類の揮発性の問題を解決する技術と
して、特開昭55−1189557号公報には、芳香族リン酸エ
ステル重合体の使用が提案されている。
一方、含ハロゲン化合物に関しても多数の公知技術が
あり、例えば、特開昭48−7945号公報にはヘキサブロモ
ベンゼンと酸化アンチモンを配合する方法が提案され、
特公昭48−39014号公報および特開昭52−57255号公報に
も類似の芳香族ハロゲン化合物を添加する方法が開示さ
れている。含ハロゲン化合物はポリフエニレンエーテル
に対する可塑化効果をほとんど有しておらず、ポリフエ
ニレンエーテルに配合した場合、その耐熱性をほとんど
損なわない点はリン酸エステル類に見られない優れた特
徴であるが、その反面、成形加工性が改良されないと言
う点は欠点となる。さらには、含ハロゲン化合物を難燃
剤として使用した場合には、含ハロゲン化合物の成形品
表面への移行性によるブルームの発生、含ハロゲン化合
物の熱分解生成物による成形機や金型等の腐食といつた
問題も生じることはよく知られている。
さらには、特公昭48−38768号公報にはリン酸エステ
ルと芳香族ハロゲン化合物を併用する方法が開示されて
いるが、この方法においても、リン酸エステルと含ハロ
ゲン化合物の使用によりもたらされる本質的な欠点を改
良するに至つていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、従来公知の含リン化合物または含ハロ
ゲン化合物を難燃剤としてポリフエニレンエーテル系樹
脂またはポリフエニレンエーテル系樹脂とポリスチレン
系樹脂との樹脂組成物に配合した場合に見られる前述の
ごとき欠点を公知技術とは異なつた手段で解消すべく検
討を行つた結果、以下のことを見い出し、本発明の樹脂
組成物に到達した。即ち、i)後述のリン酸の金属塩単
独ではポリフエニレンエーテル系樹脂組成物に対する難
燃化効果は認められない、ii)リン酸金属塩とホスフエ
ート化合物を併用すると、相乗的な難燃化効果が現れる
ので、ホスフエート化合物を単独で使用する場合より
も、ホスフエート化合物の使用量を減らせる。iii)リ
ン酸金属塩の加熱重量減少量は通常のホスフエート化合
物の場合より小さいので、併用に依るホスフエート化合
物の使用量の減少と相俣つて、難燃剤全体としての加熱
重量減少量を減らせる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の樹脂組成物は、(a)ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂、(b)ビニル芳香族炭化水素樹脂、(c)下
記一般式(I)で表されるリン酸の金属塩、および
(d)ホスフェート化合物を含有する無燃化ポリフエニ
レンエーテル系樹脂組成物である。
M:Ca,Ba,Al R1,R2,R3,R4:C1〜3のアルキル基 l,m,n,o:0または1〜5の整数 p:MがCa,Baの時は0 MがAlの時は1 本発明の樹脂組成物に(a)成分として用いられるポ
リフエニレンエーテル系樹脂とは、一般式(II)で示さ
れる単環式フエノール (式中、R5は炭素数1〜3の低級アルキル基、R6および
R7は水素原子または炭素数1〜3の低級アルキル基であ
る。) の一種以上を酸化的に重縮合して得られるポリフエニレ
ンエーテル;このポリフエニレンエーテルにビニル芳香
族化合物をグラフト重合して得られる根幹にポリフエニ
レンエーテルを有するグラフト共重合体を包含する。こ
のポリフエニレンエーテルは、単独重合体であつても共
重合体であつてもよい。
前記一般式(II)で示される単環式フエノールとして
は、例えば、2,6−ジメチルフエノール、2,6−ジエチル
フエノール、2,6−ジプロピルフエノール、2−メチル
−6−エチルフエノール、2−メチル−6−プロピルフ
エノール、2−エチル−6−プロピルフエノール、m−
クレゾール、2,3−ジメチルフエノール、2,3−ジエチル
フエノール、2,3−ジプロピルフエノール、2−メチル
−3−エチルフエノール、2−メチル−3−プロピルフ
エノール、2−エチル−3−メチルフエノール、2−エ
チル−3−プロピルフエノール、2−プロピル−3−メ
チルフエノール、2−プロピル−3−エチルフエノー
ル、2,3,6−トリメチルフエノール、2,3,6−トリエチル
フエノール、2,3,6−トリプロピルフエノール、2,6−ジ
メチル−3−エチルフエノール、2,6−ジメチル−3−
プロピルフエノール等が挙げられる。そして、これらの
単環式フエノールの一種以上の重縮合により得られるポ
リフエニレンエーテルとしては、例えば、ポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フエニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ
エチル−1,4−フエニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジプ
ロピル−1,4−フエニレン)エーテル、ポリ(2−メチ
ル−6−エチル−1,4−フエニレン)エーテル、ポリ
(2−メチル−6−プロピル−1,4−フエニレン)エー
テル、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フエニ
レン)エーテル、2,6−ジメチルフエノール/2,3,6−ト
リメチルフエノール共重合体、2,6−ジメチルフエノー
ル/2,3,6−トリエチルフエノール共重合体、2,6−ジエ
チルフエノール/2,3,6−トリメチルフエノール共重合
体、2,6−ジプロピルフエノール/2,3,6−トリメチルフ
エノール共重合体、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フエニ
レン)エーテルにスチレンをグラフト重合したグラフト
共重合体、2,6−ジメチルフエノール/2,3,6−トリメチ
ルフエノール共重合体にスチレンをグラフト重合したグ
ラフト共重合体等が挙げられる。特に、ポリ(2,6−ジ
メチル−1,4−フエニレン)エーテル、2,6−ジメチルフ
エノール/2,3,6−トリメチルフエノール共重合体、およ
び前二者にそれぞれスチレンをグラフト重合したグラフ
ト共重合体が本発明に用いられるポリフエニレンエーテ
ル系樹脂として好ましいものである。
本発明の樹脂組成物において前記ポリフエニレンエー
テル系樹脂と樹脂組成物を形成する(b)成分のビニル
芳香族炭化水素樹脂とは、下記一般式(III) (式中、R8は水素原子または低級アルキル基、Zはハロ
ゲン原子または低級アルキル基を示し、qは0または1
〜3の正の整数である。) で示される構造単位をその重合体中に少なくとも25重量
%以上含有する樹脂をいう。かかるポリスチレン系樹脂
を例示するならば、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレ
ン(耐衝撃性ポリスチレン)、ポリ−p−メチルスチレ
ン、ゴム変性ポリ−p−メチルスチレン、スチレン−プ
タジエンコポリマー、スチレン−ブタジエン−アクリロ
ニトリルコポリマー、スチレン−アクリル酸ゴム−アク
リロニトリルコポリマー、スチレン−α−メチルスチレ
ンコポリマー、スチレン−ブタジエンブロツクコポリマ
ー、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、ゴム変性ス
チレン−無水マレイン酸コポリマー等が挙げられ、これ
らは2種以上混合して用いてもよい。
本発明の樹脂組成物の(c)成分である前記一般式
(I)で表わされるリン酸の金属塩は特開昭59−145224
号公報に開示されているリン酸エステル部分金属塩の製
造方法に準じて製造される。即ち、まず、フエノール類
をオキシ塩化リンまたは無水リン酸と反応(温度150〜2
00℃、反応時間2〜15時間)させた後、加水分解して
式: で示されるリン酸エステルを得る。次に、通常の脂肪酸
金属塩の合成法に準じて該リン酸エステルを強酸価相当
分の1.0〜1.1倍当量のアルカリ(例えば水酸化ナトリウ
ム等)で中和した後、カルシウム、バリウム、アルミニ
ウムの無機酸金属塩(例えば塩化カルシウム、塩化バリ
ウム、硫酸アルミニウム等)を中和に要した上記アルカ
リの当量もしくはその僅かな過剰分で加え、複分解する
ことにより、前記一般式(I)で表わされる化合物が生
成する。
一般式(I)において、R1、R2、R3およびR4はそれぞ
れ独立してC1〜3のアルキル基、即ち、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基であり、又、l、
m、n、oはそれぞれ独立して0または1〜5の整数で
ある。従つて、一般式(I)で示されるリン酸の金属塩
の製造に使用されるフエノール類としては、具体的に
は、フエノール、クレゾール、キシレノール、トリメチ
ルフエノール、テトラメチルフエノール、ペンタメチル
フエノール、エチルフエノール、プロピルフエノール、
イソプロピルフエノール、ジエチルフエノール、トリイ
ソプロピルフエノール、等が挙げられ、これらは単独ま
たは混合して使用される。
金属塩を形成する金属はカルシウム、バリウム、アル
ミニウムであり、金属がアルミニウムの場合にはエステ
ル化されていない水酸基が1ケ残存していなければなら
ない。
本発明の樹脂組成物の(d)成分であるホスフエート
化合物としては以下の一般式(IV)で示されるものが好
ましい。具体的には、フエニル−ビス (R9、R10、R11は互いに独立してアルキル基、シクロア
ルキル基、アリル基、アルキル置換アリル基、アリル置
換アルキル基、水素、等である。) (ドデシル)ホスフエート、フエニル−ビス(ネオペン
チル)ホスフエート、フエニル−エチル−ハイドロジエ
ンホスフエート、フエニル−ビス(3,5,5−トリメチル
ヘキシル)ホスフエート、エチル−ジフエニルホスフエ
ート、ビス(2−エチルヘキシル)−P−トリホスフエ
ート、トリトリルホスフエート、ビス(2−エチルヘキ
シル)−フエニルホスフエート、トリ(ノニルフエニ
ル)ホスフエート、フエニル−メチ−ハイドロジエンホ
スフエート、ジ(ドデシル)−P−トリルホスフエー
ト、トリクレジルホスフエート、トリフエニルホスフエ
ート、トリ(イソプロピルフエニル)ホスフエート、イ
ソプロピルフエノールとフエノールとの混合物から得ら
れるホスフエート、ジブチル−フエニルホスフエート、
P−トリル−ビス(2,5,5−トリメチルヘキシル)ホス
フエート、2−エチルヘキシル−ジフエニルホスフエー
ト、ジフエニル−ハイドロジエンホスフエート、ハロゲ
ン化トリフエニルホスフエート、2−クロロエチル−ジ
フエニルホスフエート、トリス(β−ナフチル)ホスフ
エート、トリス(P−フエニルフエニル)ホスフエー
ト、等である。更に、一般式(IV)で表わされないホス
フエート化合物としてはフエノールとレゾルシンとの混
合物から得られる1分子中に2ケ以上のリン原子を有す
るホスフエート重合体が挙げられる。
本発明の樹脂組成物において、一般式(I)で表わさ
れるリン酸の金属塩およびホスフエート化合物の使用量
は樹脂成分の比率および/または樹脂組成物に要求され
る難燃化度合によつて異なるが、一般的には両者の合計
量が、樹脂成分(エラストマーも含む)100重量部に対
して、1〜50重量部、好ましくは2〜20重量部である。
下限量未満であれば所定の難燃化度が達成され難く、上
限量を超えると、他の性能が損なわれる。また、一般式
(I)で表わされるリン酸の金属塩とホスフエート化合
物との比率(重量比)に関しては、一般的には10/90〜8
0/20、好ましくは20/80〜70/30、更に好ましくは40/60
〜65/35である。一般式(I)で表わされる化合物の割
合が多いと、所定の難燃化度が達成され難く、逆にホス
フエート化合物の割合が多いと、一般には加熱時に於け
る樹脂組成物からの揮発減量が多くなる。
本発明の樹脂組成物におけるポリフエニレンエーテル
系樹脂とビニル芳香族炭化水素樹脂との割合(重量比)
に関しては、一般的には1/99〜99/1、好ましくは10/90
〜90/10、更に好ましくは20/80〜80/20である。
本発明の樹脂組成物には、目的に応じて各種添加剤、
充填材、エラストマー等の他の成分を配合することが可
能である。例えば、立体障害性フエノール、有機ホスフ
アイト、ホスフオナイト、ホスフオナス酸、環状ホスフ
オナイト、ヒドラジン誘導体、アミン誘導体、カーバメ
イト誘導体、チオエーテル、ホスフオリツクトリアミ
ド、ベンゾオキサゾール誘導体、金属の硫化物等の安定
剤;ベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾフエノン誘導
体、サリシレート誘導体、立体障害性アミン、しゆう酸
ジアミド誘導体等の紫外線吸収剤;ポリエチレンワツク
ス、ポリプロピレンワツクス等に代表される滑剤として
のオレフインワツクス;デカブロモビフエニル、ペンタ
ブロモトルエン、デカブロモビフエニルエーテル、臭素
化ポリスチレン等に代表される臭素系難燃剤;酸化チタ
ン、酸化亜鉛、カーボンブラツク等に代表される顔料;
ガラス繊維、ガラスビーズ、アスベスト、ウオラシトナ
イト、マイカ、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、シリ
カ等に代表される無機充填材;銅、ニツケル、アルミニ
ウム、亜鉛等のフレークに代表される金属フレーク;ア
ルミニウム繊維、アルミニウム合金繊維、黄銅繊維、ス
テンレス繊維等に代表される金属繊維、炭素繊維、芳香
族ポリアミド繊維に代表される有機充填材等が挙げられ
る。
また前記エラストマーとは一般的な意味でのエラスト
マーであり、例えば、A.V.Tobolsky著“Properties and
Structures of Polymers"(John WILEY & Sons,Inc.,
1960年)71〜78ページに採用された定義を引用でき、エ
ラストマーとは常温におけるヤング率が105〜109dynes/
cm2(0.1〜1020Kg/cm2)である重合体を意味する。エラ
ストマーの具体例としては、A−B−A′型エラストマ
ー状ブロツク共重合体、ポリブタジエン部分の二重結合
が水素添加されたA−B−A′型エラストマー状ブロツ
ク共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ジエン
化合物とビニル化合物との共重合体、ラジアルテレブロ
ツク共重合体、ニトリルゴム、エチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPD
M)、チオコールゴム、ポリスルフイドゴム、アクリル
酸ゴム、ポリウレタンゴム、ブチルゴムとポリエチレン
とのグラフト共重合体、ポリエステルエラストマー、ポ
リアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー等が
挙げられる。とりわけ、A−B−A′型エラストマー状
ブロツク共重合体が望ましい。このブロツク共重合体の
末端ブロツクAおよびA′は重合されたビニル芳香族炭
化水素ブロツクであり、Bは重合された共役ジエンブロ
ツクあるいは二重結合の大部分が水素添加された共役ジ
エンブロツクであり、Bブロツクの分子量はAおよび
A′ブロツクの組み合わされた分子量より大であること
が望ましい。末端ブロツクAおよびA′は同一でも異な
つてもよく、且つ該ブロツクは、芳香族部分が単環でも
多環でもよいビニル芳香族炭化水素から誘導された熱可
塑性単独重合体または共重合体である。かかるビニル芳
香族炭化水素の例はスチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、ビニルキシレン、エチルビニルキシレ
ン、ビニルナフタレンおよびそれらの混合物が挙げられ
る。中央ブロツクBは共役ジエン系炭化水素、例えば、
1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエンおよびそれらの混合物から誘導
されたエラストマー状重合体である。各末端ブロツクA
およびA′の分子量は、好ましくは約2,000〜約100,000
の範囲であり、一方、中央ブロツクBの分子量は、好ま
しくは約25,000〜約1,000,000の範囲である。エラスト
マーの配合量は、ポリフェニレンエーテル系樹脂及びビ
ニル芳香族炭化水素の合計量の0〜20重量%、好ましく
は0.1〜10重量%、より好ましくは3〜5重量%であ
る。
本発明のポリフエニレンエーテル系樹脂組成物を調製
するのに際しては、従来公知の方法が採用されればよ
く、例えば、各成分をターンブルミキサーやヘンシエル
ミキサーで代表される高速ミキサーで混合した後、バン
バリーミキサー等で混合する方法が適宜選択される。
〔実施例〕
以下、参考例、実施例および比較例により本発明の樹
脂組成物を具体的に説明する。尚、部数は、特別のこと
わりがない限り、重量部である。
参考例 先に述べた方法に従つて合成した以下のリン酸の金属
塩についてその加熱重量減少を測定した。
測定条件 装 置:TG−8110(理学電機) 昇 温:10℃/min 雰囲気:加圧空気 室温から300℃に昇温するまでの、上記各物質の重量
減少量は以下の通りであつた。比較の為に、トリフエニ
ルホスフエートの場合の値も示す。
TPP 79 % A) 9.4% B) 6.9% C) 9.4% D) 5.9% 上記の結果から明らかな如く、本発明の樹脂組成物に
使用されるリン酸の金属塩の加熱重量減少は従来公知の
トリフエニルホスフエートの場合よりも遥かに小さい。
実施例 1〜3 固有粘度が0.47dl/g(25℃、クロロホルム中)の2,6
−ジメチルフエノール/2,3,6−トリメチルフエノール共
重合体(2,3,6−トリメチルフエノールの占める割合は
5モル%)50部、耐衝撃性ポリスチレン(25℃でクロロ
ホルムを溶媒として測定されたポリスチレンマトリツク
スの固有粘度0.80dl/g、ベンゼンを溶媒として得られた
ゲル含有量22.4重量%)46部、ポリスチレン−ポリブタ
ジエン−ポリスチレンブロツク共重合体(ポリスチレン
部分とポリブタジエン部分との重量比が30/70であり、
かつ当該共重合体の20%トルエン溶液のブルツクフイー
ルドモデルRVT粘度計を用いて25℃で測定された粘度が1
500cps)3部、エチレン−プロピレン共重合体(デカリ
ンを溶媒として濃度0.1g/100ml、温度135℃で測定され
た還元比粘度2.0、ガラス転移点−49℃)1部、テトラ
キス(2,4−ジ−tert−ブチルフエニル)−4,4′−ビフ
エニレンジオスフオナイト0.4部、2,6−ジ−tert−ブチ
ル−P−クレゾール0.3部、酸化チタン5部、部分酸化
型ポリエチレンワツクス(三洋化成:商品名「E−250
p」)1.5部、及びトリフエニルホスフエート(TPP)と
参考例のリン酸の金属塩をそれぞれ表1に示される重量
部、をラボプラストミル(東洋精機)で混練槽温度270
℃、混練時間7分、ローラー回転数60rpmなる条件下で
混練した。得られる熔融混練物をラボプラストミルより
取り出し、290℃の金型を用いて、圧力200kg/cm2で10分
間プレスして厚さ1/16″のシートを作製した。このシー
トより1/2″×5″の短冊状の試験片を切り出し、これ
を用いてUL94規格に準じた燃焼試験を行なつた。結果を
表1に示す。
比較例 1〜4 実施例1〜3において、トリフエニルホスフエートと
リン酸の金属塩との併用に代えて、トリフエニルホスフ
エート、或いはリン酸の金属塩をそれぞれ単独で表1に
示される重量部使用する以外は実施例1〜3の操作を繰
り返した。結果を表1に示す。
表1の結果から明らかな様に、多量のリン酸の金属塩
のみ(比較例2,3,4)では難燃化効果がないにも拘わら
ず、少量のリン酸の金属塩でも少量のトリフエニルホス
フエートと併用することにより難燃化効果が顕れる。
尚、少量のトリフエニルホスフエートのみ(比較例1)
では難燃化効果が認められない。
実施例 5 実施例1において、リン酸の金属塩として参考例の
A)を5.6重量部、トリフエニルホスフエートを8.4重量
部使用する以外は実施例1の操作を繰り返した。平均燃
焼時間は4.9秒であつた。因みに、トリフエニルホスフ
エートのみを8.4重量部使用した場合の平均燃焼時間は
8.5秒であつた。
実施例 6 実施例3において、リン酸の金属塩として参考例の
C)に代えてD)を8.5重量部、トリフエニルホスフエ
ートを6.0重量部使用する以外は実施例3の操作を繰り
返した。平均燃焼時間は5.8秒であつた。一方、参考例
のD)のみ12.6重量部使用した場合にはドロツプが生じ
た。
〔発明の効果〕
本発明の樹脂組成物の構成成分であるリン酸の金属塩
の加熱重量減少量は小さく、従つてこれと少量のホスフ
エート化合物とを含有する本発明の樹脂組成物からの加
熱に基づくこれらの揮発量は対応するホスフエート化合
物のみを多量に含有する樹脂組成物の場合より少ない。
更に、リン酸の金属塩とホスフエート化合物との併用は
ポリフエニレンエーテル系樹脂組成物に有効な難燃化効
果を付与する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂1〜
    99重量部、 (b)ビニル芳香族炭化水素樹脂99〜1重量部、 樹脂成分100重量部に対して (c)下記一般式(I)で表されるリン酸の金属塩1〜
    50重量部、および、 (d)ホスフェート化合物1〜50重量部からなる 難燃化ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。 M:Ca,BaまたはAl R1,R2,R3,R4:C1〜3のアルキル基 l,m,n,o:0または1〜5の整数 p:MがCa,Baの時は0 MがAlの時は1
  2. 【請求項2】(d)ホスフェート化合物が下記一般式
    (IV)で表されるホスフェート化合物であることを特徴
    とする請求項(1)記載の難燃化ポリフェニレンエーテ
    ル系樹脂組成物。 (R9、R10、R11は互いに独立してアルキル基、シクロア
    ルキル基、アリル基、アルキル置換アリル基、アリル置
    換アルキル基、水素、等である。)
  3. 【請求項3】(c)一般式(I)で表されるリン酸の金
    属塩と(d)ホスフェート化合物との重量比が10/90〜8
    0/20であることを特徴とする請求項(1)記載の難燃化
    ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物。
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