JPH0826470B2 - 銅メッキ液とこれを用いる電解銅箔の製造方法 - Google Patents

銅メッキ液とこれを用いる電解銅箔の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、銅メッキ液とこれを用いる電解銅箔の製造
方法に関し、更に詳述すれば、銅箔粗面側の表面粗さ及
び粗さを構成する連続する凹凸形態を小さくかつ均一に
改善することのできる特定添加物を含有する銅メッキ液
と、これを用いて好適に電解銅箔を製造することのでき
る電解銅箔の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
電解銅箔は主にプリント回路用銅箔として広く使用さ
れている。プリント回路用銅箔は樹脂基材と加熱加圧に
より積層され銅張積層板となり、更にエッチング手段に
より所望する回路網が形成された後、電気素子が搭載さ
れて、テレビ、電算機等のプリント回路となる。
この回路の高密度化と導体巾の狭小化傾向は著しく、
これに用いられる電解銅箔の品質要求も従来に増して厳
しくなっている。電解銅箔の物理的特性の中には抗張
力、伸び率、表面粗さ、硬さ等が挙げられる。とりわけ
銅箔粗面側、すなわち、後述する電解銅箔の製造方法の
中で陰極のドラム面上に銅を所望の厚みに達するまで電
析形成させたときの連続する凹凸を有する側の表面状態
は、例えば樹脂基材との剥離強度、エッチング精度、樹
脂基板との層間絶縁性等の電解銅箔の物理的特性に深く
関わるものである。特に、高周波回路に用いられる場
合、銅箔粗面側の表面粗さやその凹凸が大きかったり不
均一であったりすると、信号の位相のズレを生じて結果
的には波形が変形し、電解銅箔の回路導体としてのイン
ピーダンスが悪化することがある。したがって、特に微
細回路形成においては銅箔粗面側の表面粗さを小さくし
かも粗さを構成するそれぞれの凹凸形態を均一化させる
ことが回路の品質の信頼性を得る上で要望されている。
さて、電解銅箔の製造方法としては、主として、銅イ
オンを含む酸性銅メッキ液を用いて、回転ドラムを陰極
とし、陽極を該ドラムの下方半分に近接させて対向配置
し、その両極の間隙にメッキ液を注入し、限界電流密度
を超えない範囲の電流により電解処理し陰極のドラム面
上に銅を析出させ、この析出した銅の薄膜を剥離し連続
的に巻き取る連続電解処理の方法が採用されている。こ
のときの銅箔の厚みは、ドラムの回転数又は電流密度を
増減することにより、任意の厚みに調整することができ
る。したがって、上記薄膜すなわち銅箔自体のもつ上記
した特性は、主に用いられるメッキ液の濃度(銅濃度、
酸濃度)、液温、液流速、添加物の種類とその濃度及び
電流密度等に依存するところが大きく、これらの個別の
条件を確立し、これらをコントロールすることは電解銅
箔の連続生産においては重要なことである。特にメッキ
液中に添加される添加物は銅箔粗面側の特性に影響を与
える。
従来、銅箔の粗面側に好ましい特性を与えるために、
メッキ液には何らかの特定な添加物を配合させることが
行われている。その添加物としては例えば、ゼラチン、
にかわ、チオ尿素、ポリエチレングリコール、ポリビニ
ルアルコール、でんぷん及び糖類等の有機質のもの、更
に、陰イオンや金属塩類などが知られている。メッキ液
にこれらの添加物の一種類を添加又は二種類以上を併用
添加することにより上記した銅箔の特性は微妙に変動す
るので、これらの添加物もほかの製造条件と同様にそれ
ぞれに管理されている。
従来、上記添加物を微量加えることにより銅箔粗面側
の表面粗さを小さくすることは達成されるものの、その
凹凸形態が均一性を欠いたり、銅の析出が樹枝状や銅粒
状となる異常析出を伴ったり、長期連続操業する場合、
安定した品質が保持されなかったりして、樹脂基材との
剥離強度や電気特性等の品質が損なわれたりする難点が
あった。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで本発明は、プリント配線板に使用したとき微細
回路形成に好適な品質を備えた電解銅箔、すなわち、銅
箔粗面側の表面粗さ及び粗さを構成する連続する凹凸形
態を小さくかつ均一に改善した電解銅箔を製造すること
のできる銅メッキ液を提供することを目的とする。
本発明はまた、この銅メッキ液を用いて上記の特性を
有する電解銅箔を好適に製造することのできる電解銅箔
の製造方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、硫酸銅と硫酸を主成分とする酸性銅メッキ
液に酵素分解ゼラチンを5〜50ppm添加してなる銅メッ
キ液を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の銅メッキ液は、硫酸銅と硫酸を主成分とする
銅メッキ液である。先ずこの主成分について説明する
と、硫酸銅(CuSO4・5H2O)の濃度は100〜400g/lの範囲
とすることが好ましい。濃度が100g/l未満の場合は、高
電流密度で銅箔の生産性を高める場合水素ガスを伴うい
わゆるヤケメッキとなり、銅箔自体の特性が改善され
ず、例えば、粗面側の表面粗さが小さくならず粗さを構
成する凹凸形態が粗雑となることがあり、また抗張力、
伸び率等の特性も損なわれることがある。また濃度が40
0g/lを超える場合は、タンク、配管等の電解装置や機器
類に硫酸銅が再結晶化しやすくなり作業上好ましくな
い。
一方、硫酸(H2SO4)の濃度は、30〜150g/lの範囲と
することが好ましい。濃度が30g/l未満の場合は、浴電
圧の上昇を伴い銅箔の製造原価が増大する。また、濃度
が150g/lを超える場合は陽極及び陰極の損耗が顕著とな
りやすく不都合である。
本発明の銅メッキ液は上記主要成分に酵素分解ゼラチ
ンが5〜50ppm添加されている。
この酵素分解ゼラチンについて説明すると、酵素分解
ゼラチンとは、牛皮、牛骨等を酸やアルカリで精製し、
これからコラーゲン又はゼラチンを抽出し、更にこれを
酵素、例えば、ペプシン、トリプシンなどで加水分解し
て得られるペプタイドである。通常のゼラチンの平均分
子量が60,000〜70,000であるのに対して、酵素分解ゼラ
チンは平均分子量が1,000〜20,000であり、低分子量の
ものである。また、その成分はアミノ酸組成を有し、グ
リシン、プロリン、アラニン、ハイドロキシプロリン、
アルギニン、グルタミン酸などからなっている。このよ
うな酵素分解ゼラチンは、更に脱色、脱臭精製やpH、濃
度調整等をされていてもよい。通常、市販されている液
状品、ペースト状品、スプレードライ粉末状品など、い
ずれも好適に使用できる。本発明の銅メッキ液に添加さ
れる酵素分解ゼラチンとしては、分子量が5,000〜20,00
0のものが特に好適である。
銅メッキ液中の酵素分解ゼラチンの濃度は5〜50ppm
とする。濃度が5ppm未満の場合は、銅箔粗面側の凹凸形
態の均一性は得られるものの、表面粗さが大きくなる傾
向を示し、また、50ppmを超える場合は、凹凸形態が不
定形となり異常析出が発生しやすくなり、これが銅箔厚
み精度や電気特性、例えば、伝送損失を大きくさせてい
ずれも銅箔の品質を悪化させるという不都合がある。特
に好ましい範囲は5〜30ppmである。
この酵素分解ゼラチンを含む銅メッキ液を用いて適当
な条件の中で電解処理することにより、本発明の目的と
する電解銅箔、すなわち、銅箔粗面側の表面粗さが小さ
く、しかも粗さを構成する凹凸形態が均一である電解銅
箔を製造することができる。
酵素分解ゼラチンは、メッキ液中の銅イオン、硫酸イ
オン及び液温又は電解処理等により経時的に異質の化学
成分に変質しやすい。この変質による成分は特に銅箔粗
面側の表面粗さやこれを構成する凹凸形態を悪化させる
変動要素として作用することがある。そこで、本発明の
銅メッキ液を使用する際には、この変質による有害成分
を取り除くことが好ましい。
変質による有害成分を取り除く方法としては、特に限
定はないが、例えば、活性炭を用いてこの有害成分を吸
着除去する方法が好適である。
具体的には、前記銅メッキ液を用いて電解処理法によ
り電解銅箔を製造するに際し、電解処理中の該銅メッキ
液を1時間当たり0.1〜2.0g/lの活性炭で濾過すること
が好ましい。
活性炭による濾過の効用は、メッキ液中の不純物を除
去するものであり、特に前記酵素分解ゼラチンの効果を
十分に発揮させるためのものである。特に、酵素分解ゼ
ラチンの変質により生じる有害成分を吸着除去すること
にあり、銅箔粗面側の表面粗さ及び粗さを構成する凹凸
形態を安定維持させることができる。
活性炭の好ましい使用範囲は、1時間当たり0.1〜2.0
g/lである。0.1g/l未満の場合は前記する効果が得られ
ないばかりか、銅メッキ液特性の経時的変化が現れ安定
した品質の銅箔が得られないことがある。また、2.0g/l
を超える場合は粗面側の表面粗さが大きくなる傾向にあ
り、しかも粗さを構成する凹凸形態に不揃いを与えると
ともに経済的面からも不利となる。特に好ましく使用さ
れる範囲は、1時間当たり0.3〜1.5g/lである。
用いられる活性炭の種類としては、粒状又は粉末状な
どのいずれの活性炭でもよい。粉末状の活性炭を用いた
場合、活性炭の使用量は粒状のものを用いた場合の1/3
程度の少量で同様の効果が得られる。また、いずれの活
性炭を用いる場合にも活性炭中に含まれる塩素が可能な
限り除去されていることが好ましい。換言すればメッキ
液中に塩素イオンが含有されていないことは銅箔粗面側
の表面粗さを小さくするのに有効であり、具体的には、
厚み70μm以下の銅箔の場合、その粗さを中心線平均粗
さRaで0.5μm以下に保つ上で有効である。
活性炭によるメッキ液の濾過の方法としては、例え
ば、複数の濾過装置に所定量の活性炭を充填し、一つの
濾過装置でメッキ液を活性炭中に一定時間通過させて濾
過したのち、順次新規な活性炭濾過装置と切替操作を行
い、連続して濾過する方法が挙げられる。このようにし
てメッキ液を連続的に濾過しながら濾過されたメッキ液
を電解装置に供給し、連続電解処理を行うことが好まし
い。
本発明の目的を達成するためには、前記添加物の濃度
と活性炭濾過量は密接な関係にあり、通常は添加物濃度
を濃くしたときは活性炭濾過量も多くする必要がある。
しかし、電解処理条件、例えば、液温度、液流速等を適
宜に設定することにより、必ずしも添加濃度と活性炭濾
過量の比例関係が成立しない場合もある。
次に、本発明方法の電解処理条件について述べると、
好適な電流密度は限界電流密度以下の電流密度であっ
て、ほかの条件、例えばメッキ液の硫酸銅の濃度、硫酸
の濃度、液温度、液流速等又は生産速度によっても変動
する数値を示し一概には決められないが、通常10〜300A
/dm2の範囲から適宜選択されることが好ましい。
液温度については通常35〜80℃の範囲から、液流速に
ついては通常0.1〜2m/秒の範囲からいずれも適宜選択さ
れることが好ましい。
このような電解処理条件において連続電解処理するこ
とにより所要厚みを有する銅箔膜が前記する陰極回転ド
ラム表面に電着され、これを剥離すれば、本発明の方法
による電解銅箔を製造することができる。
得られた電解銅箔は必要に応じて粗面化処理、更に防
錆処理を施して微細回路形成などに好適な品質を備えた
プリント配線板用の銅箔として用いることができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
実施例1 硫酸銅300g/l、硫酸50g/lを含む酸性銅メッキ液に酵
素分解ゼラチン(商品名・ニッピペプタイドPBH、分子
量10,000、ニッピ(株)製)を30ppm添加してなる銅メ
ッキ液を10000リットル調製した。このメッキ液を、液
温45℃に保持し、試験用製箔装置(直径1,000mm、長さ
1,400mmのチタン製回転ドラムを陰極となし、該ドラム
の下方半分に近接させて半円型の鉛陽極を対向配置し、
この両極の間隙、すなわち極間距離を5mmとした。)を
用い、両極の間に上記メッキ液を液流速0.5m/秒で循環
させながら、濾過装置を用いてメッキ液を1時間当たり
1.0g/lの活性炭で濾過した。
次に銅箔の厚みが30μmになるようにチタン製陰極回
転ドラムを回転させながら電流密度30A/dm2で連続電解
処理して該陰極上に銅を電解析出させ、これをはがし、
電解銅箔を製造した。
この銅箔をサンプルとして、下記の特性について測定
した。その結果を一括して第1表に示した。
(1)銅箔粗面側表面粗さ〔Ra(μm)、Rmax(μ
m)〕 JIS B 0651(触針式表面粗さ測定器)に準拠して中心
線平均粗さRa(μm)、最大高さRmax(μm)を測定し
た。
(2)抗張力(kg/mm2)及び伸び率(%) JIS Z 2201(金属材料引張試験片)の5号試験片を作
製し、JIS Z 2241(金属材料引張試験方法)に準拠して
測定した。
(3)銅箔粗面側の凹凸の形態及び均一性 走査型電子顕微鏡を用い倍率1000倍により銅箔粗面側
の電析形態を観察した。表面の凹凸形態は円錐形のもの
及び不定形のものが観察された。この中で円錐形のもの
は樹脂基材との剥離強度が優れている。また、表中の均
一性の評価については、○は凹凸の形状が円錐形であっ
て、その底面の直径が2〜5μmのものが視野内の凹凸
のうちの60%以上を占めることを意味し、×は前記のよ
うな凹凸が40%未満であることを意味する。
実施例2〜7、比較例1〜7 添加物濃度及び活性炭濾過量を表示のように変化させ
たほかは、実施例1と同様の製造装置を用い、実施例1
と同様の条件で各種の銅箔を製造した。ただし、実施例
7及び比較例6では、銅箔の厚みを70μmとした。これ
らの銅箔につき実施例1と同様の仕様で各特性を測定し
た。その結果を一括して第1表に示した。
酵素分解ゼラチンを添加してなる本発明の銅メッキ液
を用いて本発明の方法により製造された実施例の電解銅
箔を比較例の電解銅箔と対比すると、第1表の特性結果
から以下のことが明らかとなった。
本発明の電解銅箔は銅箔粗面側の表面粗さ及び粗さを
構成する凹凸形態において中心線平均粗さRaは0.5μm
以下、最大高さRmaxは5μm以下の小さい値を示した。
しかも凹凸形態も円錐形であって均一性を保持してい
た。このことから本発明の銅メッキ液に添加されている
酵素分解ゼラチンが効果的に作用していることが考えら
れ、この添加物を特定量含有させて特定量の活性炭によ
る濾過操作をしながら電解処理することにより、顕著に
優れた電解銅箔が得られることが明らかになった。
一方、比較例1及び2は銅メッキ液中の酵素分解ゼラ
チンの分子量と添加濃度を実施例1又は2と同じにして
活性炭濾過量を本発明の方法の好適範囲から逸脱させた
例であり、このときの表面粗さ、形態及び均一性はいず
れも本発明の方法により製造された電解銅箔より劣るも
のであった。
また、酵素分解ゼラチンに代えて従来の高分子量のゼ
ラチンを用いた場合は、比較例4、5に示されているよ
うに、粗さを構成する凹凸の形態、均一性は良好である
のに対して、表面粗さを小さく改善することに難点があ
ることが明らかであった。
更に、実施例1〜7で得られた本発明の銅箔の抗張
力、伸び率等の特性はいずれもプリント回路用銅箔とし
ての要求を十分満足するものであった。
〔発明の効果〕 本発明の銅メッキ液によると、粗面側の表面粗さが小
さく、粗さを構成する凹凸形態及びその均一性も優れて
おり、これを微細回路を形成するプリント配線板に使用
した場合、また高周波回路に使用した場合等にエッチン
グ精度や電気特性の好適な品質が十分発揮できる電解銅
箔を製造することができる。
また、本発明の電解銅箔の製造方法によると、この銅
メッキ液を用いて上記の特性を有する電解銅箔を好適に
製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫酸銅と硫酸を主成分とする酸性銅メッキ
    液に酵素分解ゼラチンを5〜50ppm添加してなる銅メッ
    キ液。
  2. 【請求項2】請求項1記載の銅メッキ液を用いて電解処
    理法により電解銅箔を製造するに際し、電解処理中の該
    銅メッキ液を1時間当たり0.1〜2.0g/lの活性炭で濾過
    することを特徴とする電解銅箔の製造方法。
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