JPH0826733A - 磁気カード用バリウムフェライト粒子粉末の製造法 - Google Patents

磁気カード用バリウムフェライト粒子粉末の製造法

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JPH0826733A
JPH0826733A JP6189828A JP18982894A JPH0826733A JP H0826733 A JPH0826733 A JP H0826733A JP 6189828 A JP6189828 A JP 6189828A JP 18982894 A JP18982894 A JP 18982894A JP H0826733 A JPH0826733 A JP H0826733A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分散性に優れ、且つ、塗膜の劣化を惹起させ
ることのない磁気カード用バリウムフェライト粒子粉末
を工業的に製造する。 【構成】 バリウムフェライト粒子粉末を水に懸濁させ
た懸濁液に酢酸を添加することにより該粒子に残存して
いるイオン性不純物を洗浄除去した後、濾別、水洗、乾
燥して得られたバリウムフェライト粒子粉末に溶解性パ
ラメーター(SP値)が8.0〜9.0の有機分散剤又
は有機カップリング剤を添加して乾式圧密処理すること
によって当該粒子表面に前記有機分散剤又は有機カップ
リング剤を被覆して磁気カード用バリウムフェライト粒
子粉末を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気カード用バリウム
フェライト粒子粉末の製造法に関するものであり、分散
性に優れ、且つ、塗膜の劣化を惹起させることのない磁
気カード用バリウムフェライト粒子粉末を提供するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ストライプ付クレジットカー
ド、鉄道用切符、定期券、道路通行券、テレホンカー
ド、オレンジカードなどに代表される磁気カードが広く
実用化されている。
【0003】磁気カードは、強磁性粒子粉末とバインダ
ーとを混練して得られる磁性塗料を、カード基体上に直
接塗布したり、ベースフィルム上に塗布して磁気テープ
を製作し該磁気テープをカード基体上に接着したりする
方法により製造されている。
【0004】磁気カードは、屋内外を問わず日常携帯し
て頻繁に使用され、また、温度や湿度など天候の異なる
全地域で使用される為、過酷な条件下において十分使用
に耐え得る高耐久性を有していることが強く要求されて
いる。
【0005】前記高耐久性の要求を満たす為には、分散
性に優れ、且つ、長期保存しても塗膜の劣化を惹起させ
ることのない強磁性の磁性材料を用いる必要がある。
【0006】通常、磁気カード用の強磁性粒子粉末材料
にはバリウムフェライト粒子粉末が用いられている。
【0007】磁気カード用のバリウムフェライト粒子粉
末は、バリウム化合物と酸化鉄とを所定のモル比になる
よう混合配合し、焼成、粉砕するという製法によって製
造されている。このバリウムフェライト粒子粉末には、
Naイオン、Clイオン及びBaイオン等のイオン性不
純物が多量に残存しており、かかるバリウムフェライト
粒子粉末と塩ビ系樹脂バインダーとを混練して得られる
磁性塗料を用いて塗布して磁気カードを製造した場合に
は、前記イオン性不純物が塩ビ系樹脂バインダーの塩素
と化合して塩化物となり、この塩化物が磁気カードに形
成された磁性層塗膜の劣化を惹起させる要因となってい
ることが知られている。
【0008】また、磁性層塗膜上には装飾等の目的で表
面保護層としてセンダストが設けられる場合が多く、こ
のセンダストはAlを含む合金からなっており、Alは
両性の性質を有しているため酸、アルカリに侵されやす
いもので、NaイオンやBaイオン等のイオン性不純物
が存在するアルカリ性のバリウムフェライト粒子粉末を
使用した場合には、上記表面保護層が腐食されることも
知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、従来から、塗
膜の劣化を惹起させることのないバリウムフェライト粒
子粉末を得る方法として、特開平5−17159号公
報、特公昭60−15576号公報、及び特開昭61−
99306号公報等に記載されている各方法が提案され
ている。
【0010】特開平5−17159号公報に記載の方法
は、アルカリ成分が溶出するバリウムフェライト粉末に
水を加え硫酸を添加してpH3〜6に調整した後、撥水
性のカップリング剤を添加し、前記アルカリ成分の溶出
を抑止するものであるが、粉末内部に残存するBaイオ
ンや未反応の成分であるBa成分と硫酸とが反応して不
溶性の微細な硫酸バリウムが生成し、この硫酸バリウム
が磁性塗料作製時において塗料粘度の上昇を招き、結果
的にバインダーへの磁性材料の分散性が低下するという
問題点がある。
【0011】また、Baイオン等は不溶性の硫酸塩とす
ることができるが、Naイオン、Clイオン、Kイオ
ン、Mgイオン等は可溶性の硫酸塩となり、これらが存
在する液中で撥水性のカップリング剤で表面処理を行っ
たとき可溶性の硫酸塩が水和イオンの形で表面処理層内
部に残留しており、この可溶性の塩が内部から表面処理
層を腐食させたり、更には表面保護層の腐食や塗膜の劣
化を惹起させる原因になるという問題点がある。
【0012】また、特公昭60−15576号公報に記
載の方法は、水熱合成法もしくは共沈法で得られたBa
−フェライトをCH3 COOH、HNO3 、HCl、H
Brの群から選ばれた少なくとも1種を含む弱酸性溶液
で過剰のBaの抽出処理を施すものであるが、抽出処理
を施したBa−フェライト粒子の表面に有機分散剤又は
有機カップリング剤で被覆処理がなされていないので、
このものを用いても磁気カードに形成された磁性層塗膜
の劣化が惹起するという問題点がある。
【0013】更に、特開昭61−99306号公報に記
載の方法は、マグネトプランバイト型フェライト粉末の
表面を分散剤で被覆させるものであるが、塗料化の際の
バインダーとの馴染みが悪く分散性が低下し、磁気カー
ドの磁気特性である角型比、SFDの向上が期待できな
いという問題点がある。
【0014】本発明は、上記諸問題に鑑み、分散性に優
れ、且つ、塗膜の劣化を惹起させることのない磁気カー
ド用バリウムフェライト粒子粉末を提供するを技術的課
題とするものである。
【0015】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明によって達成できる。即ち、本発明は、バリ
ウムフェライト粒子粉末を水に懸濁させた懸濁液に酢酸
を添加して攪拌することにより該粒子中に残存している
イオン性不純物を洗浄除去した後、濾別、水洗、乾燥し
て得られたバリウムフェライト粒子粉末に溶解性パラメ
ーター(SP値)が8.0〜9.0の有機分散剤又は有
機カツプリング剤を添加して乾式圧密処理することによ
って当該粒子表面に前記有機分散剤又は有機カツプリン
グ剤を被覆することを特徴とする磁気カード用バリウム
フェライト粒子粉末の製造法である。
【0016】次に、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて述べる。本発明においては、バリウムフェライト粒
子粉末を水に懸濁させ、該懸濁液に酢酸を添加し攪拌す
ることによって、該バリウムフェライト粒子中に残存し
ているイオン性不純物を可及的に洗浄除去する。
【0017】酢酸は、バリウムフェライト粒子粉末を水
に懸濁させた懸濁液のpH値が5.0になるまで添加す
る。攪拌した後、常法により濾別、次いで濾液のpH値
が6.5になるまで水洗を行い、乾燥する。
【0018】尚、 酢酸に代えて硫酸を使用した場合に
は、イオン性不純物であるBaイオンや未反応の成分で
あるBa成分と硫酸とが反応して水に不溶性の微細な硫
酸バリウムが生成し、これがバリウムフェライト粒子間
に入り込み、磁性塗料作製時において塗料粘度の上昇を
招き、結果的に分散性が低下するため好ましくない。
【0019】また、塩酸を使用した場合には、塗膜に劣
化が生じ、また、製造工程のタンクや配管等を腐食さ
せ、さらに大気中で塩素ガスに分解する可能性があり環
境上好ましくない。
【0020】本発明において使用する有機分散剤又は有
機カツプリング剤は溶解性パラメーター(SP値)が
8.0〜9.0の範囲のものでなければならない。溶解
性パラメーター(SP値)が8.0未満又は9.0を越
えた場合、即ち、疎水性の強いもの(SP値が8.0未
満)や親水性の強いもの(SP値が9.0を越える)で
は、磁性塗料化の際のバインダーとの馴染みが悪く分散
性が低下し、磁気カードの磁気特性である角型比、SF
Dが低下する。
【0021】上記有機分散剤としては、アミノ基を有す
るポリエステル系高分子分散剤、酸基を有するポリエス
テル系高分子分散剤が使用でき、有機カップリング剤と
しては、トリデシル亜燐酸基とアリルオキシメチル基を
有するチタネートカップリング剤、アミノプロピル基を
有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシ
ランカップリング剤が使用できる。
【0022】本発明におけるバリウムフェライト粒子粉
末の粒子表面への有機分散剤又は有機カップリング剤の
被覆は乾式圧密処理にて行う。なお、酢酸処理後のバリ
ウムフェライト粒子懸濁液中に有機分散剤又は有機カッ
プリング剤を分散させて被覆するという湿式処理は、処
理効率が悪く、処理後の濾液に多量の処理剤が残存し、
この濾液が排水として排出された場合、河川等の水質汚
濁を引き起こすため環境上避けるべきである。
【0023】
【作用】本発明においては、バリウムフェライト粒子粉
末を水に懸濁させて酢酸を添加し、攪拌することによ
り、粒子中に残存しているイオン性不純物であるBaイ
オン、Clイオン、Naイオン等を可溶化して除去して
いると共に、バリウムフェライト粒子表面を溶解性パラ
メーター(SP値)が8.0〜9.0の有機分散剤又は
有機カツプリング剤で被覆処理しているから、磁性塗料
作製時の塗料粘度の上昇や分散性の低下、可溶塩による
表面保護層の腐食、塗膜の劣化を惹起させることのない
バリウムフェライト粒子粉末が得られる。
【0024】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により、本発明を
説明する。
【0025】尚、以下の実施例並びに比較例における磁
気カードの塗膜の評価は、3cm四方の大きさに切りと
った塗膜を、温度60℃、湿度90%の雰囲気中で10
0日間放置したものを試料片とし、塗膜表面の変化と鉛
筆引っかき試験(JIS K5401)による塗膜強度
で判断した。
【0026】実施例1 保磁力:1800Oe、飽和磁化:58emu/g、平
均粒径:0.6μmであるバリウムフェライト粒子粉末
(Fe/Ba=12mol%、Zn/Fe=3.5mo
l%、Ti/Fe=3.5mol%、不純物としてBa
イオン600ppm、Clイオン50ppm、Naイオ
ン70ppm、粉末のpH=9.8)を用い、該バリウ
ムフェライト粒子粉末5.6Kgを水8.4l中に分散
混合して水懸濁液を作成した。
【0027】上記水懸濁液中に、18.5Nの酢酸を添
加して水懸濁液のpH値が5.0になるように調製し
て、30分間攪拌した後、常法により濾別、続いて濾液
のpH値が6.5になるまで水洗を行い、次いで200
℃で乾燥した。得られたバリウムフェライト粒子粉末
は、Baイオン40ppm、Clイオン10ppm、N
aイオン20ppmであり、粉末のpHは6.8であっ
た。
【0028】続いて、上記得られたバリウムフェライト
粒子粉末5.0Kgにアミノ基を有するポリエステル系
高分子分散剤(Solsperse-24000GR :商品名:アイ・シ
ー・アイ社製)50gを加え、サンドミル(圧力60K
g/cm2 )にて30分間乾式圧密処理を行って、アミ
ノ基を有するポリエステル系高分子分散剤によって被覆
された磁気カード用バリウムフェライト粒子粉末を得
た。
【0029】次いで、上記アミノ基を有するポリエステ
ル系高分子分散剤によって被覆された磁気カード用バリ
ウムフェライト粒子粉末を、下記の処方の塗料構成基材
に配合し、ペイントコンディショナー(媒体として直径
1.5mmのガラスビーズ使用)を用いて2.75時間
混合分散して磁性塗料を得た。 被処理バリウムフェライト粒子粉末 100重量部 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂 10重量部 (VAGH:商品名:ユニオンカーバイト社製) ポリウレタン樹脂 10重量部 (ニッポラン2301:商品名:日本ポリウレタン社製) レシチン 1重量部 溶剤(メチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノン)146重量部
【0030】得られた磁性塗料を215μmのポリエチ
レンテレフタレートのベース上にアプリケーターを用い
て塗膜の厚さが50μmとなるように塗布し、次いで磁
場(2800G)で配向させ、乾燥させて磁気カードを
製造した。この磁気カードの角型比Br/Bmは0.9
6、SFDは0.15であつた。また、磁気カードの塗
膜は100日間放置後でも表面には変化が見られず、更
に鉛筆引っかき試験による塗膜強度は5Hと十分な強度
を保持していた。
【0031】実施例2〜4、比較例1 有機分散剤又は有機カップリング剤の種類及び溶解性パ
ラメーター(SP値)を種々変化させた以外は実施例1
と同様にして有機分散剤又は有機カップリング剤によっ
て被覆された磁気カード用バリウムフェライト粒子粉末
を得た。また、得られた有機分散剤又は有機カップリン
グ剤によって被覆された磁気カード用バリウムフェライ
ト粒子粉末を使用し、実施例1と同様にして磁気カード
を得た この時の主要製造条件と諸特性を表1に示す。
【0032】比較例2〜3 酢酸に代えて塩酸又は硫酸を使用した以外は実施例1と
同様にしてアミノ基を有するポリエステル系高分子分散
剤によって被覆された磁気カード用バリウムフェライト
粒子粉末を得た。また、得られたアミノ基を有するポリ
エステル系高分子分散剤によって被覆された磁気カード
用バリウムフェライト粒子粉末を使用し、実施例1と同
様にして磁気カードを得た この時の主要製造条件と諸特性を表1に示す。
【0033】比較例4 酢酸処理をしていないバリウムフェライト粒子粉末を用
いた以外は実施例1と同様にしてアミノ基を有するポリ
エステル系高分子分散剤によって被覆された磁気カード
用バリウムフェライト粒子粉末を得た。また、得られた
アミノ基を有するポリエステル系高分子分散剤によって
被覆された磁気カード用バリウムフェライト粒子粉末を
使用し、実施例1と同様にして磁気カードを得た この時の主要製造条件と諸特性を表1に示す。
【0034】比較例5 酢酸処理してイオン性不純物を洗浄除去したバリウムフ
ェライト粒子粉末を用い、有機分散剤又は有機カップリ
ング剤で被覆処理を省いた以外は実施例1と同様にして
磁気カード用バリウムフェライト粒子粉末を得た。ま
た、得られた磁気カード用バリウムフェライト粒子粉末
を使用し、実施例1と同様にして磁気カードを得た この時の主要製造条件と諸特性を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】以上説明した通りの本発明によれば、前
出実施例にも示した通り、分散性に優れ、且つ、塗膜の
劣化を惹起させることのない磁気カード用バリウムフェ
ライト粒子粉末が提供できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バリウムフェライト粒子粉末を水に懸濁
    させた懸濁液に酢酸を添加して攪拌することにより該粒
    子中に残存しているイオン性不純物を洗浄除去した後、
    濾別、水洗、乾燥して得られたバリウムフェライト粒子
    粉末に溶解性パラメーター(SP値)が8.0〜9.0
    の有機分散剤又は有機カツプリング剤を添加して乾式圧
    密処理することによって当該粒子表面に前記有機分散剤
    又は有機カツプリング剤を被覆することを特徴とする磁
    気カード用バリウムフェライト粒子粉末の製造法。
  2. 【請求項2】 溶解性パラメーター(SP値)が8.0
    〜9.0の有機分散剤が、アミノ基を有するポリエステ
    ル系高分子分散剤又は酸基を有するポリエステル系高分
    子分散剤である請求項1記載の磁気カード用バリウムフ
    ェライト粒子粉末の製造法。
  3. 【請求項3】 溶解性パラメーター(SP値)が8.0
    〜9.0の有機カツプリング剤が、トリデシル亜燐酸基
    とアリルオキシメチル基を有するチタネートカップリン
    グ剤、アミノプロピル基を有するシランカツプリング
    剤、メルカプト基を有するシランカツプリング剤のいず
    れかである請求項1記載の磁気カード用バリウムフェラ
    イト粒子粉末の製造法。
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