JPH0826828A - 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体の製造方法

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JPH0826828A
JPH0826828A JP6155717A JP15571794A JPH0826828A JP H0826828 A JPH0826828 A JP H0826828A JP 6155717 A JP6155717 A JP 6155717A JP 15571794 A JP15571794 A JP 15571794A JP H0826828 A JPH0826828 A JP H0826828A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】焼結助剤を実質的に含有しない窒化アルミニウ
ム焼結体よりなり且つ隙間が存在する密閉型容器に窒化
アルミニウム被焼結体を収容し、カーボン炉を使用して
窒素雰囲気中で焼成するに際し、上記密閉容器内に易還
元性物質を含む吸収材を、該密閉型容器に存在する隙間
の近傍で且つ上記窒化アルミニウム被焼結体と接触する
ことなく存在させることを特徴とする。 【効果】隙間の存在する密閉型容器に窒化アルミニウム
被焼結体を収容し、カーボン炉を使用して不活性雰囲気
中で焼成する場合においても、カーボン蒸気の影響を受
けることなく安定して焼成を行うことができ、外観、特
性が共に良好な窒化アルミニウム焼結体を得ることが可
能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化アルミニウム焼結
体の新規な製造方法に関する。詳しくは、カーボン炉を
使用して窒素雰囲気中で窒化アルミニウム被焼結体を焼
成する場合、焼成用の密閉型容器に隙間が存在していて
も、窒化アルミニウム焼結体を安定して得ることが可能
な窒化アルミニウム焼結体の焼成方法を提供するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体の高集積化にともない、半
導体実装用の基板として従来のアルミナ基板に比べて十
数倍の熱伝導率を有する窒化アルミニウム基板が注目さ
れている。窒化アルミニウム基板は、窒化アルミニウム
粉末を焼結助剤などと共に有機結合剤によって成形した
グリーン体や、該グリーン体に高融点金属の導体回路を
形成したグリーン体を脱脂して得た窒化アルミニウム被
焼結体を不活性雰囲気中で焼成して製造される。窒化ア
ルミニウムの焼成には高温が必要であり、大型炉が製作
し易くコスト的にも有利なカーボン炉、即ち、カーボン
製のヒーターや断熱材を使用した焼成炉が一般的に使用
される。また、不活性雰囲気を保つためには安価な窒素
ガスの使用が一般的である。
【0003】ところが、焼成時に炉内に存在するカーボ
ン蒸気及び窒素ガスは、窒化アルミニウム被焼結体中の
焼結助剤と反応して、窒化アルミニウム焼結体の表面に
焼結助剤の窒化物を生成して外観不良を生じたり、ひど
い場合には焼結不良を起こすという問題を有する。例え
ば、焼結助剤として酸化イットリウムを使用した場合に
は窒化イットリウムを生成する。上記の窒化イットリウ
ムは体積抵抗が93×10-6Ωcmと低く、用途によっ
ては窒化アルミニウムの絶縁性の低下が問題とされる場
合もある。
【0004】一方、半導体実装用の基板として窒化アル
ミニウム基板を用いる場合には、表面にこのような低抵
抗の生成物が存在しない均質な基板が要求される。
【0005】そこで、窒化アルミニウム被焼結体中の焼
結助剤の窒化を防ぐため、該窒化アルミニウム被焼結体
を密閉型容器に収容し、容器内の雰囲気を保持して焼成
する方法が一般的に行われている。
【0006】上記窒化アルミニウム焼成用の密閉型容器
としては、窒化アルミニウム焼結体や窒化ほう素焼結
体、窒化アルミニウムと窒化ほう素の複合体などの材料
が使用されている。
【0007】しかしながら、タングステン等の高融点金
属の導体回路を有する窒化アルミニウム被焼結体を焼成
する場合、窒化ほう素焼結体または窒化ほう素複合体か
らなる密閉型容器を使用すると、焼成中に該高融点金属
がほう化し、その特性を著しく低下させるので適当では
ない。そのため、一般には焼結助剤を実質的に含有しな
い窒化アルミニウム焼結体が使用される。かかる窒化ア
ルミニウム焼結体は、前記窒化アルミニウム被焼結体の
焼成温度よりも高い温度の不活性雰囲気下で数回空焼成
し、焼結体の粒界あるいは表面から焼結助剤や酸素や不
純物成分を十分に除去した窒化アルミニウム製の容器
や、焼結助剤無添加で焼成して得られる窒化アルミニウ
ム製の容器である。
【0008】上記の密閉型容器に窒化アルミニウム被焼
結体を収容して焼成する際、密閉型容器の密閉が不完全
であると、炉内のカーボン蒸気及び窒素ガスが容器内に
進入し、窒化アルミニウム被焼結体中の焼結助剤が窒化
され、窒化アルミニウム焼結体の表面に焼結助剤の窒化
物を生成する。
【0009】従って、良好な窒化アルミニウム焼結体を
安定して製造するためには、密閉型容器の高い密閉性を
保持することが必要となるが、該容器の密閉性を常に高
く維持することは実質的に困難であり、実用的でない。
【0010】例えば、密閉型容器の形状は、容器が一体
型のものや複数の焼結体の部品を組み合わせてなるもの
等が使われ、そのうちの一体型の容器(以下、箱セッタ
ーと呼ぶ)は、容器本体に窒化アルミニウム被焼結体を
入れ蓋をする構造なので密閉性がとり易く、容器本体と
蓋が重合する部分での密閉性は初期のうち維持される
が、使用回数の増加とともに、焼成中の高温度によって
容器の重合する部分の変形や窒化アルミニウムの結晶粒
の成長、あるいは焼成中に窒化アルミニウム被焼結体よ
り焼結助剤成分や窒化アルミニウムが飛散し、該容器の
重合部分に再付着して隙間が生じ、密閉性が維持できな
くなる。
【0011】また、複数の焼結体ブロックを組み合わせ
てなる容器(以下、組セッターと呼ぶ)は、前記焼結体
の大きさを変えることで被焼結体のいろいろな大きさに
対応できる容器であるが、上記構造の容器は一体型構造
では無いので、それぞれの焼結体ブロックの合せの部分
で密閉性が不完全な上、焼成中に枠板がずれ易く、ずれ
た部分で隙間が大きくなり、箱セッターより密閉性の維
持がより困難である。
【0012】尚、何れのセッターにおいても、密閉性を
回復させるために容器の重合部分の面加工をすることが
できるが、非常にコストがかかることや、加工の都度、
焼結体の寸法が小さくなって行き、やがて使えなくなる
という問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カー
ボン炉を使用し、窒素雰囲気中で、窒化アルミニウム被
焼結体を焼成するに際し、焼結助剤を実質的に含有しな
い窒化アルミニウム焼結体よりなる密閉型容器に隙間が
存在していても、外観、物性値ともに良好な窒化アルミ
ニウム焼結体を得る焼成方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記技術課
題を解決すべく鋭意研究を行ってきた。その結果、密閉
型容器に存在する隙間の近傍に易還元性物質を有効成分
とする吸収材を存在させることによって、容器の隙間か
ら容器内に侵入するカーボン蒸気が該易還元性物質に吸
収され、容器内で焼成される窒化アルミニウム被焼結体
における焼結助剤の窒化物の生成が効果的に抑制され、
外観、特性ともに良好な窒化アルミニウム焼結体が得ら
れることを見い出し、さらに研究を続け、本発明を完成
しここに提案するに至った。
【0015】即ち、本発明は、焼結助剤を実質的に含有
しない窒化アルミニウム焼結体よりなり且つ隙間が存在
する密閉型容器に窒化アルミニウム被焼結体を収容し、
カーボン炉を使用して窒素雰囲気中で焼成するに際し、
上記密閉容器内に易還元性物質を含む吸収材を、該密閉
型容器に存在する隙間の近傍で且つ上記窒化アルミニウ
ム被焼結体と接触することなく存在させたこと特徴とす
る窒化アルミニウムの焼成方法である。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、密閉型容器に収容して焼成される窒化アルミニ
ウム被焼結体の組成及び形状は特に限定されず、窒化ア
ルミニウム粉末を焼結助剤などと共に有機結合剤によっ
て成形したグリーン成形体を脱脂して得られるものが制
限なく使用できる。
【0017】上記グリーン成形体の例を挙げると、シー
ト成形法で得られるグリーンシート成形体、グリーンシ
ート成形体を複数枚積層した成形体、グリーンシート成
形体に高融点金属のペーストを印刷して回路を形成した
成形体、グリーンシート成形体にビアホールを設け高融
点金属のペーストを充填しさらに高融点金属のペースト
を印刷して回路を形成し複数枚積層した成形体、スプレ
ードライ法等より得られる顆粒をプレス成形して得られ
るプレス成形体、該プレス成形体に高融点金属のペース
トを印刷して回路を成形した成形体などが使用できる。
【0018】また、上記グリーンシート成形体やプレス
成形体の組成の具体例を挙げると、窒化アルミニウム1
00重量部に対して、焼結助剤のイットリウム及びラン
タニド元素よりなる化合物が0.01〜10重量部、有
機結合剤が0.1〜30重量部が一般的である。
【0019】上記グリーン成形体の脱脂は、酸素や空気
等の酸化性ガス、水素や一酸化炭素等の還元性ガス、窒
素などの不活性ガス、及びこれらの混合ガスあるいは水
蒸気を混合した加湿ガス雰囲気中での熱処理によって行
う方法が一般的である。上記脱脂温度は300℃〜12
00℃、また、脱脂時間は1分〜500分の範囲で、上
記グリーン成形体と脱脂方法に準じて適宜選択すれば良
い。
【0020】本発明において、窒化アルミニウム被焼結
体は、実質的に焼結助剤を含有しない窒化アルミニウム
焼結体よりなる密閉型容器に収容し、カーボン炉を使用
して窒素雰囲気中で焼成される。
【0021】上記焼成を行うカーボン炉は、マッフル、
ヒーター、断熱材等の炉内部品の少なくとも一部の部品
がカーボン製の材質よりなる炉を全て対象とする。
【0022】本発明において、密閉型容器に使用する窒
化アルミニウム焼結体は、実質的に焼結助剤を含有しな
ければどのようなものでも使用でき、例えば、窒化アル
ミニウム被焼結体を焼成するより十分高い温度であらか
じめ数回空焼成して焼結助剤を十分に除去した窒化アル
ミニウムの焼結体や、焼結助剤無添加の窒化アルミニウ
ムの焼結体が好適に使用できる。
【0023】上記密閉型容器の形状は、公知のあらゆる
形のものが使用できる。例えば、図1及び図2に本発明
に使用する代表的な密閉型容器の態様を例示するが、容
器の形状についてはこれらに限定されるものではない。
【0024】図1に示す密閉型容器は箱セッターであ
り、容器本体1と蓋2で構成され、通常これを複数段に
重合して使用される。上記容器において、隙間は、初期
には存在しないが、使用回数が増すと目視でわかる程度
の、0.05mm以上の間隙が重合部分に生じる。
【0025】図2に示す密閉型容器の態様は組セッター
であり、窒化アルミニウム焼結体よりなる四角形の底板
3と4枚の枠板4(窒化アルミニウム焼結体ブロック)
で構成され、通常数段積み重ねて使用されるが、箱セッ
ターと同様、重合面において隙間が生成する。また、組
セッターは、底板と枠板を組み合わせて容器内の密閉性
を維持するが、枠板同士の合わさる部分に隙間が生じ
る。
【0026】本発明において、窒化アルミニウム被焼結
体の焼成は、窒素雰囲気中で行う方法であれば、公知の
条件が特に制限なく採用される。一般的な焼成条件を以
下に示す。焼成温度は1400℃〜2100℃、好まし
くは1650℃〜1900℃である。かかる温度への昇
温速度は、1℃/分〜40℃/分である。また、上記温
度の保持時間は、1分〜20時間である。
【0027】本発明において、上記密閉型容器の隙間の
近傍に存在させる易還元性物質を含む吸収材(以下、吸
収材と呼ぶ)は、焼成温度下においてカーボン蒸気によ
って還元され易いもの、即ち、カーボン蒸気を吸収する
機能を有するもので、焼成条件下に分解しないものが制
限なく使用され、特に、窒化アルミニウム被焼結体を変
質させたりその焼結を阻害しないものが好適に使用され
る。
【0028】かかる吸収材に含まれる易還元性物質とし
ては、カーボン蒸気によって還元されて還元物質を生成
するものであれば特に制限されないが、カーボン蒸気に
よって還元されると共に共存する窒素によって窒化され
る物質がカーボンの吸収率等が高く、本発明の効果を十
分発揮することができ好ましい。
【0029】上記のカーボン蒸気によって還元されると
共に共存する窒素によって窒化される物質を例示すれ
ば、イットリウム、ランタノイド元素、アルミニウム、
スカンジウム、チタン等が好適に使用される。特に、窒
化アルミニウム被焼結体を変質させたりその焼結を阻害
しない点で、窒化アルミニウム被焼結体に焼結助剤成分
として使用される化合物、即ち、エルビウム、ジスプロ
シウム等のランタノイド元素、イットリウムからなる化
合物より選ばれた少なくとも一種の化合物が好適に使用
される。具体的には、酸化イットリウム、酸化エルビウ
ム、酸化ジスプロシウム等が好適に使用される。
【0030】上記易還元性物質は単体でまたは他の物質
と複合化することにより吸収材を構成することができ
る。かかる複合化の態様を焼結助剤成分を用いる場合を
例に挙げて具体的に示せば、上記焼結助剤と有機結合剤
からなるグリーン成形体(脱脂されたもの)、前記グリ
ーン成形体の焼結体、あるいは、焼結助剤成分を含む窒
化アルミニウム被焼結体と同一の脱脂体や焼結助剤成分
を含む窒化アルミニウム被焼結体を焼成して得られる焼
結体等が好適に使用される。また、上記組成を更に具体
的に示せば酸化イットリウム100重量部に対して、有
機結合剤0.1〜100重量部のグリーン成形体(脱脂
されたもの)や焼結体、窒化アルミニウム100重量部
に対して焼結助剤0.1重量部以上含有する脱脂体や焼
結体である。
【0031】また、吸収材の形状としては、密閉型容器
の隙間近傍に被焼結体と接触することなく配置できるも
のであれば如何なる形状も採り得るが、取扱いの容易さ
や再使用がし易い等の点で、粉末状のものよりブロック
状、薄板状等の成形体が好適に使用される。
【0032】更に、吸収材として前記焼結助剤を含む窒
化アルミニウムの脱脂体や焼結体を使用することは、窒
化アルミニウム焼結体の製造工程において残材や廃材と
して廃棄されていた窒化アルミニウムの脱脂体や焼結体
を利用することができ好ましい。
【0033】本発明において、吸収材は密閉型容器に存
在する隙間の近傍に配置される。これは、該隙間より侵
入してくるカーボン蒸気が密閉型容器内に拡散する前
に、且つ窒化アルミニウム被焼結体より優先して、該カ
ーボン蒸気を吸収材に接触させて吸収するために必要で
ある。尚、吸収材を隙間の近傍に配置する態様は、隙間
と若干の間隔を開けて吸収材を配置する態様及び隙間の
部分に接して吸収材を配置する態様を含むものであり、
密閉型容器の構造、吸収材の形状等に応じて、最適な位
置を適宜決定すればよい。
【0034】また、この場合、吸収材は窒化アルミニウ
ム被焼結体と接触することなく配置することが重要であ
る。即ち、吸収材と窒化アルミニウム被焼結体が焼成中
に接触すると、接触部で吸収材と融着を起こすおそれが
ある。
【0035】吸収材を密閉型容器に存在する隙間の近傍
に配置する態様は、上記条件を満足するものであれば特
に制限されない。
【0036】図3は、箱セッターにおいて容器本体と蓋
との隙間の近傍に位置するように、板状の吸収材5を前
記容器本体の内壁に沿って立てかけて配置した態様を示
す。また、上記態様において、密閉型容器に窒化アルミ
ニウム被焼結体を収容し、これを複数段に重合した状態
を図6に示した。
【0037】図4は、組セッターにおいて、枠板同士が
合わさる部分の隙間の近傍に前記枠板の上面よりも若干
低い高さの三角柱の吸収材5を配置した態様を示す。ま
た、上記容器に窒化アルミニウム被焼結体を収容し、こ
れを複数段に重合した状態を図5に示した。
【0038】吸収材は、一般に焼成に使用するとその表
面に窒化物が生成し、使用回数が増すに連れてその生成
量が増し、容器外から進入してくるガスを吸収する効果
が次第に減少してくる。
【0039】従って、効果を十分維持するためには、か
かる状態となった吸収材は適宜交換することが好まし
い。また、吸収材として前記窒化アルミニウム焼結体を
用いた場合には、表面に生成した窒化物を水洗等の手段
で除去し、これを乾燥すれば再び吸収材として使用する
ことも可能である。
【0040】本発明の焼成方法により焼成された窒化ア
ルミニウム焼結体は、カーボン蒸気の影響によって、表
面に助剤成分の窒化物を生成することなく、また、焼結
不足を起こすこともないため、変色、色むら、変形など
のない良好な外観を有する。また熱伝導率、焼結体密
度、その他の焼結体の物性値、並びに焼結体表面及び内
部に形成した高融点金属物性、電気物性も良好である。
【0041】
【発明の効果】本発明により、カーボン炉を使用し、窒
素雰囲気中で、窒化アルミニウム被焼結体を焼成する方
法において、焼結助剤を実質的に含有しない窒化アルミ
ニウム焼結体よりなる密閉型容器に隙間が存在する場合
でも、該隙間の近傍に易還元性物質を含む吸収材を上記
窒化アルミニウム被焼結体と接触しないように存在させ
ることにより、カーボン炉で発生するカーボン蒸気の影
響を受けることなく、外観、物性値ともに良好な窒化ア
ルミニウム焼結体を得ることが可能である。
【0042】
【実施例】以下、本発明の方法を具体的に説明するため
実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。尚、実施例及び比較例において、焼成さ
れた窒化アルミニウムの外観についての評価は、下記の
基準によって行った。
【0043】ランクA:焼結体表面に窒化イットリウム
の生成がなく、また焼結不足の部分もなく、良好であ
る。 ランクB:焼結体の表面に窒化イットリウムの生成が若
干存在するが、焼結不足の部分は無い。 ランクC:焼結体表面に窒化イットリウムの生成が存在
し、また焼結不足の部分も存在する。
【0044】実施例1 焼結助剤として酸化イットリウムを5重量%含む窒化ア
ルミニウムのグリーン体(165mm角(以下、「≪≪
mm角」とは一辺≪≪mmの四角形をいう)、厚さ3m
m)を常法により脱脂した。次いで、図5に示すよう
に、前記脱脂体7を窒化アルミニウム製の186mm角
の底板3に置き、その上に窒化アルミニウム製の押さえ
板8を置いた。次いで底板上の4辺に沿って、長さ18
0mm、幅30mm、肉厚6mmの窒化アルミニウム製
の枠板4を配置した。次いで底面の2辺が15mmの直
角三角形で高さが25mmの三角柱の形をした、酸化イ
ットリウムを焼結助剤成分として5重量部含む窒化アル
ミニウム焼結体からなる吸収材5を枠板の合わせ部分の
すぐ内側に配置した。次いで別の底板3を枠板上面に置
いて組セッター内を密閉した。この組セッターをさらに
カーボン製のマッフルに入れ、カーボンヒーターを有す
る焼成炉内で毎分2リットルの窒素ガスを流しながら、
1830℃、5時間の焼成をおこなった。ここで用いた
組セッターは、1830℃より高い温度で数回空焼成し
た後研削を行い、更に窒化アルミニウム焼成体の焼成に
10回以上使用したため底板と枠板の合わさる部分に目
視でわかる隙間があるものを使用した。焼成後の組セッ
ターは、枠板が若干ズレ、枠板同士の合わせの部分に隙
間が生じていた。吸収材はその表面に窒化イットリウム
が生成していたが、得られた窒化アルミニウム焼結体
は、外観が一様に良好でAランクであった。熱伝導率は
180W/mK以上であった。
【0045】実施例2 実施例1と同一の窒化アルミニウム成形体の脱脂体を、
実施例1と同一の組セッターに収容した。吸収材として
前記窒化アルミニウム被焼結体と共生地の脱脂体で、形
状は実施例1と同じ形状のものを使った。次いで実施例
1と同様にカーボン製のマッフルに入れ、同一条件で焼
成をおこなった。得られた窒化アルミニウム焼結体は、
外観が一様に良好でAランクであり。熱伝導率は180
W/mK以上であった。
【0046】実施例3 焼結助剤として酸化イットリウムを5重量%含む窒化ア
ルミニウムのグリーンシートに(165mm角、厚さ
0.4mm)に直径0.2mmのビアホールを設け、こ
れにタングステンを主成分とするペーストを充填し、次
いで前記グリーンシートの両面にスクリーン印刷により
タングステンを主成分とするペーストで回路を形成し
た。これを熱プレスによって6枚積層した後、常法によ
り脱脂した。次いで実施例1と同一の方法、条件で焼成
をおこなった。得られた焼結体は外観が一様に良好でA
ランクであり、熱伝導率は180W/mK以上であっ
た。また、表面及び内部配線抵抗、ビア配線抵抗ともに
十分低いものであった。
【0047】実施例4 焼結助剤として酸化イットリウムを5重量%含む窒化ア
ルミニウムのグリーン体(63mm角、厚さ1mm)
を、常法により脱脂した。次いで、図6に示すように、
前記脱脂体7を窒化アルミニウム製の70mm角の敷き
板9上に置き、次いでこれを窒化アルミニウム製の内寸
72mm角、深さ10mmの箱セッター容器本体1に収
容し、さらに該脱脂体の上に敷き板と同形の押さえ板8
を置いた。吸収材として窒化アルミニウム製の長さ70
mm、幅8mm、厚さ0.6mmの板形状をした吸収材
5を箱セッターの内側壁に立て掛けて配置した。次い
で、窒化アルミニウム製の蓋2で容器本体を密閉し、こ
れをカーボン製のマッフルに入れ、カーボンヒーターを
有する焼成炉内で毎分2リットルの窒素ガスを流しなが
ら、1815℃、5時間の焼成をおこなった。前記箱セ
ッターは20回以上窒化アルミニウム焼成体の焼成に使
用したもので、本体容器と蓋の合わせの部分に隙間6が
存在するものである。得られた焼結体は、外観が一様に
良好でAランクであった。熱伝導率は180W/mK以
上であった。
【0048】実施例5 焼結助剤として酸化イットリウムを5重量%含む窒化ア
ルミニウムの顆粒プレス体(15mm角、厚さ1.0m
m)の両面に、スクリーン印刷によりタングステンを主
成分とするペーストで回路を形成し、これを常法により
脱脂した。前記脱脂体を実施例4と同一の敷き板に9個
並べて置き、次いで実施例4と同一の方法、条件で焼成
した。得られた焼結体は外観が一様に良好でAランクで
あり、熱伝導率は180W/mK以上であった。
【0049】比較例1 実施例1の窒化アルミニウム脱脂体を、実施例1の組セ
ッターに吸収材を使わずに収容した。これをカーボン製
のマッフルに入れ、同一条件で焼成をおこなった。焼成
後の組セッターは、枠板が若干ズレ、枠板同士の合わせ
の部分に隙間が生じていた。得られた焼結体は、隙間の
付近で、焼結体表面に窒化イットリウムが生成し、同時
に焼結不足による変形もおこった。評価はCランクであ
った。
【0050】比較例2 実施例4の窒化アルミニウム脱脂体を、実施例4の箱セ
ッターに吸収材を使わずに収容した。これをカーボン製
のマッフルに入れ、実施例4と同一条件で焼成をおこな
った。得られた焼結体は、外周部に窒化イットリウムが
生成していた。評価はBランクであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する代表的な箱セッターの斜視図
【図2】本発明で使用する代表的な組セッターの斜視図
【図3】箱セッターに吸収材を配置した態様の斜視図
【図4】組セッターに吸収材を配置した態様の斜視図
【図5】組セッターに脱脂体と吸収材をセットし重合し
たときの正面透視図
【図6】箱セッターに脱脂体と吸収材をセットし重合し
たときの正面透視図
【符号の説明】
1 容器本体 2 蓋 3 底板 4 枠板 5 吸収材 6 隙間 7 脱脂体 8 押さえ板 9 敷き板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼結助剤を実質的に含有しない窒化アルミ
    ニウム焼結体よりなり且つ隙間が存在する密閉型容器に
    窒化アルミニウム被焼結体を収容し、カーボン炉を使用
    して窒素雰囲気中で焼成するに際し、上記密閉容器内に
    易還元性物質を含む吸収材を、該密閉型容器に存在する
    隙間の近傍で且つ上記窒化アルミニウム被焼結体と接触
    することなく存在させたこと特徴とする窒化アルミニウ
    ムの焼成方法。
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