JPH08269018A - 5−置換ヒダントイン化合物の製造方法 - Google Patents

5−置換ヒダントイン化合物の製造方法

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JPH08269018A
JPH08269018A JP7076264A JP7626495A JPH08269018A JP H08269018 A JPH08269018 A JP H08269018A JP 7076264 A JP7076264 A JP 7076264A JP 7626495 A JP7626495 A JP 7626495A JP H08269018 A JPH08269018 A JP H08269018A
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JP
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compound
reaction
hydantoin
hydantoin compound
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JP7076264A
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Hiroshi Yasuda
浩 安田
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Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は医薬、農薬、キレート剤などに有用
な天然、および非天然アミノ酸などの重要な合成中間原
料の製造方法を提供するものである。 【構成】 5位が無置換のヒダントイン化合物をハロゲ
ン化剤と反応させた後、親電子剤または、フェノール化
合物を除く求核剤とを反応させることを特徴とする5−
置換ヒダントイン化合物の製造方法。 【効果】 5位が無置換のヒダントイン化合物をハロゲ
ン化剤と反応させた後、フェノール化合物を除く求核剤
または親電子剤とを反応させることにより、容易に純度
の高い5−置換ヒダントインを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は5−置換ヒダントイン化
合物の新規な製造方法に関する。5−置換ヒダントイン
化合物は、医薬、農薬、キレート剤などに有用な天然、
および非天然アミノ酸などの重要な合成中間体である。
【0002】
【従来の技術】5−置換ヒダントイン化合物は、古典的
にはブッヘラー・バーグ法により、対応するアルデヒド
と炭酸アンモニウムおよびシアン化ナトリウムの反応に
より合成されることが知られている(J. Prakt. Chem.,
p291 140 [1934])。また、ヒダントインとアルキルハ
ライドを塩基性条件下で反応させる方法など多くの方法
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ブッヘラー・バーグ法
は、危険なシアン化ナトリウムを必要とし、さらに得ら
れる粗製のヒダントインはアルカリ条件下で不飽和性環
の酸化の副反応による副生物を多量に含み、また着色し
てしまう。また、ヒダントインとアルキルハライドとの
塩基性条件下の反応では、ヒダントインの開環やN−ア
ルキル化などの副反応がおこり、生成物の単離精製が困
難であるばかりでなく、収率が低下してしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者はこれらの課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、入手が容易なヒダ
ントイン化合物を原料とする5−置換ヒダントイン化合
物の全く新規な製造方法を見出し、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、5位が無置換のヒダント
イン化合物をハロゲン化剤と反応させた後、親電子剤ま
たはフェノール化合物を除く求核剤とを反応させること
を特徴とする5−置換ヒダントイン化合物の製造方法に
関する。
【0005】本反応におけるハロゲン化剤とは、ヒダン
トイン化合物にハロゲン原子を導入できうる試薬の総称
である。本反応における親電子剤とは、炭素原子が親電
子的にヒダントイン化合物と反応し、ヒダントイン化合
物へ炭素−炭素結合を導入できうる試薬の総称である。
本反応におけるフェノール化合物を除く求核剤(以下、
単に求核剤という。)とは、炭素原子が求核的にヒダン
トイン化合物と反応し、ヒダントイン化合物へ炭素−炭
素結合を導入できうる試薬の総称である。ただし、次の
式(II)で示されるフェノール化合物を除く。
【化2】 (式中R3 は水素原子、または、フェノール性水酸基の
保護基を示し、R4 〜R7 はR3 O基のパラ配向性を実
質的に損なわない基を示す。) 本反応により生成した5−置換ヒダントイン化合物と
は、脂肪族化合物、フェノール化合物を除く芳香族化合
物、複素環化合物のいずれかの一価基がヒダントインの
5位に結合したヒダントイン化合物の総称である。
【0006】5−置換ヒダントインの製造法に係る反応
は、以下の式により表わされる。
【化3】 (式中、R、R’は、脂肪族化合物、フェノール化合物
を除く芳香族化合物、複素環化合物のいずれかの一価基
がでている置換基を示す。) 上記反応において、求核剤および親電子剤は、ヒダント
イン化合物とハロゲン化剤との反応が終了したのち加え
ることが好ましい。ハロゲン化剤存在下で求核剤または
親電子剤を加えてもよいが、求核剤、親電子剤のハロゲ
ン化物が副生し求核剤および親電子剤当たりの収率が低
下することがある。揮発性のハロゲン化剤は、窒素など
の気体を導入することにより除去できるが、不揮発性の
ハロゲン化剤は適当な還元剤等を用いて分解除去しても
よい。
【0007】ヒダントイン化合物1mol当量に対し、
ハロゲン化剤は1mol当量が好適なので、その近傍で
の使用が好ましい。反応温度は0〜120℃程度、好ま
しくは30〜100℃に昇温するのが望ましい。反応時
間としては0.5〜8時間が好ましい。
【0008】仕込みのヒダントイン化合物1mol当量
に対し、親電子剤または求核剤の添加量は反応条件によ
り異なるが、1mol当量近傍で使用できる。仕込みの
ヒダントイン化合物に対する反応生成物の収率を向上さ
せたり、低温下での反応において反応時間を短縮させた
りするには、2〜3mol当量の親電子剤または求核剤
が好適に使用される。反応温度は−10〜180℃程
度、好ましくは0〜110℃に昇温するのが望ましい。
この温度条件よりも反応温度が低いと反応が完結する時
間が著しく長くなり、また反応温度が高いと反応基質が
分解し5−置換ヒダントイン化合物の収率が低くなる。
反応時間としては3〜18時間が好ましい。反応時間は
求核剤、親電子剤の添加量と反応温度に依存し、ヒダン
トイン化合物、求核剤、親電子剤の種類にもよるが、仕
込みのヒダントイン化合物の2〜3倍量の求核剤または
親電子剤を加え、反応温度を0〜100℃にすると反応
は2〜12時間でほぼ完結する。勿論、反応温度、反応
時間は反応原料であるヒダントイン化合物、ハロゲン化
剤、および、求核剤または親電子剤の組み合わせによっ
て適宜選択される。
【0009】本製造法のハロゲン化剤としては、塩素、
臭素、ヨウ素などのハロゲン分子類、塩化臭素(BrC
l)、臭化ヨウ素(IBr)等の混合ハロゲン分子類、
N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミ
ド、N−ブロモアセトアミドなどのハロイミド、ハロア
ミド類、カルシウムハイポクロライト(Ca(ClO)
2 )、t−ブチルハイポクロライト等の過ハロゲン酸
塩、過ハロゲン酸エステル類、スルフリルクロリド、ス
ルフリルブロマイド等の塩化物、臭化物が用いられる
が、本発明に適用できるハロゲン化剤は上記ハロゲン化
剤に限定されるわけではなく、有機合成一般に用いられ
るハロゲン化剤が使用できる。
【0010】本製造法の求核剤としては、ブテン、ヘキ
センなどのモノエン類、ブタジエン、イソプレンなどの
共役ジエン類、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエ
ーテル等のエノールエーテル類、N−ビニルモルホリ
ン、N−ビニルピペリジンなどのエナミン類、エチルビ
ニルスルフィド、フェニルビニルスルフィドなどのビニ
ルスルフィド類、1,1−ジメトキシエテン、1−メト
キシ−1−t−ブチルジメチルシリルオキシ−エテンな
どのケテンアセタール類、などの化合物の他に、アセト
ン、マロン酸ジメチルなどのカルボニル化合物から生じ
るエノール類、アセトアルデヒドジメチルアセタール、
アセトンジエチルアセタールなどのエノールエーテル類
の前駆体、トリメチルオルト酢酸エステル、トリエチル
オルト酢酸エステルなどのオルト酢酸エステル類など反
応中分解することにより求核性を発現するものも含まれ
る。本発明に適用できる求核剤は上記求核剤に限定され
るわけではなく、有機合成一般に用いられる炭素原子が
求核攻撃をおこす求核剤が使用できる。
【0011】本製造法の親電子剤としては、フェニルケ
テン、ジクロロケテン、などのケテン類、フェニルイソ
シアネート、クロロスルホニルイソシアネート、などの
イソシアネート類を示す。ケテン類は一般的に不安定で
あるので、トリクロ酢酸クロライドと亜鉛からジクロロ
ケテンを発生させるように、反応系内でケテンを生じう
る化合物を原料として用いてよい。本発明に適用できる
親電子剤は上記親電子剤に限定されるわけではなく、有
機合成一般に用いられる炭素原子が親電子付加をうける
親電子剤が使用できる。
【0012】本反応の特徴としては、5位が無置換のヒ
ダントイン化合物の5位に求核剤および親電子剤のいず
れも反応させることができ、有機合成上重要な炭素−炭
素結合を容易に構築できることである。すなわち本製法
によれば、以下の式に示すように、アミノ酸原料など有
機合成上有用な、脂肪族化合物(式(a)、(b)、
(c)、(d)、(e)、(f))、フェノール化合物
を除く芳香族化合物(式(g))、複素環化合物(式
(h))のいずれかの一価基を有する5−置換ヒダント
イン化合物を原料の5位が無置換のヒダントイン化合物
から事実上一段階で簡便に合成できるのである。
【化4】 本反応では、1位が無置換のヒダントイン化合物と用い
る求核剤または親電子剤によって環化反応をおこし、環
状アミノ酸原料の二環性ヒダントイン化合物が得られ
る。例えば、求核剤としてブタジエンを用いると、二環
性のデヒドロピリジン誘導体(VI)を与える。
【化5】 また、親電子剤としてケテンを用いると、二環性のβ−
ラクタム誘導体(VII)を与える。
【化6】 上記のように、本製造法によれば環状アミノ酸前駆体を
容易に合成できるのである。
【0013】本発明における5位が無置換のヒダントイ
ン化合物とは、ヒダントインの1位の窒素原子上には保
護基、3位の窒素原子上には有機基が置換してもよいヒ
ダントイン化合物の総称である。1位の窒素原子の保護
基とは適切な脱保護条件で窒素−水素結合が再生しうる
置換基である。ここでいう保護基の要件としては、有機
合成化学で一般的に受けいれられている保護基の概念に
準じ、以下の要件を満たすものとする。1)反応中変化
を受けない、2)目的とする反応を阻害しない、3)反
応後、保護基以外の部分を損なうことなく保護基は脱保
護できる。参考文献として、保護基の事実上の標準文献
である Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts の
『 Protective Groups inOrganic Synthesis Second E
dition 』, JOHN WILEY & SONS, INC. をあげておく。
窒素原子の保護基(R1 )としては、メチル基、C3〜
C10のアルケニル基(アリル基など)、C3〜C10
のアルキニル基(プロパルギル基など)、C2〜C10
のアシル基(アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル
基など)、ベンゼン環に置換基がついてもよいアラルキ
ル基(ベンジル基、p−メトキシベンジル基など)、ア
ミノ基の水素原子が置換されてもよいアミノカルボニル
基(N−メチルアミノカルボニル基など)、C3〜C8
のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エ
トキカルボニル基など)、ベンゼン環に置換基がついて
もよいアリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカ
ルボニル基など)、ベンゼン環に置換基がついてもよい
アラルキルオキシカルボニル基(ベンジルオキシカルボ
ニル基など)が該当する。これらの保護基はハロゲン
化、続く求核剤または親電子剤との反応を疎外しなけれ
ばよく、反応後の単離操作中に脱保護されてもよい。3
位の窒素原子上の有機基(R2 )とは、C1〜C8のア
ルキル基(メチル基、エチル基、オクチル基など)、C
3〜C10のアルケニル基(アリル基など)、C3〜C
10のアルキニル基(プロパルギル基など)、C2〜C
10のアシル基(アセチル基、プロピオニル基、ベンゾ
イル基など)、または置換基を有してもよいC6〜C1
0のアリール基(フェニル基、トルイル基など)、C7
〜C16アラルキル基(ベンジル基、p−メトキシベン
ジル基など)、C1〜C10アミノカルボニル基(N−
メチルアミノカルボニル基など)、C2〜C8のアルコ
キシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキカル
ボニル基など)、C7〜C10のアリールオキシカルボ
ニル基(フェニルオキシカルボニル基など)、C8〜C
17のアラルキルオキシカルボニル基(ベンジルオキシ
カルボニル基など)、窒素置換基(アゾ基など)、C1
〜C8のスルフェニル基、C1〜C8のスルフォニル基
などが該当する。ヒダントイン化合物としては、ヒダン
トイン、3−メチルヒダントイン、1−ベンジルヒダン
トイン、1−アセチルヒダントイン、1−1−ベンジル
−3−メチルヒダントインなどが好適に用いられが、本
発明に適用できるヒダントイン化合物は上記ヒダントイ
ン化合物に限定されるわけではない。
【0014】本製造法で用いられる溶媒は、原料のヒダ
ントイン化合物とハロゲン化剤と後に加える求核剤、親
電子剤が痕跡でも溶けるものであればよい。本反応にお
いては、溶媒の効果が著しく、酢酸、ジオキサンが好適
に用いられる。本反応に用いられる溶媒は、単一溶媒も
しくは混合溶媒でもよく、反応に用いる試薬および反応
温度、生成物の単離しやすさから適宜選択される。ま
た、本反応の前段のヒダントイン化合物のハロゲン化反
応と後段の求核剤、親電子剤との反応とに用いられる溶
媒は同一でもよいし、異なっていてもよいし、混合溶媒
を用いてもよいし、溶媒を留去して他の溶媒に置換して
もよい。反応溶媒としては、実質的に水を含まない以下
の溶媒系が好適に用いられるが、本発明はこれらの溶媒
に限定されるわけではない。 エーテル系:ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメト
キシエタン、ジグライム、トリグライム他 アルコール系:エタノール、メタノール、イソプロバノ
ール、ブタノール他 カルボン酸系:酢酸、プロピオン酸他 ニトリル系:アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチ
ロニトリル、アジポニトリル他 ハロゲン系:クロロホルム、ジクロロエタン他 非プロトン極性溶媒:ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド他
【0015】ヒダントイン化合物とハロゲン化剤の反応
においては、酸の存在によって反応が有効に促進され
る。酸としては、以下の酸類が好適に用いられるが、本
発明はこれらの酸類に限定されるわけではない。 無機酸:塩化水素、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸 有機酸:酢酸、プロピオン酸、しゅう酸、こはく酸、ア
ジピン酸、トリフルオロ酢酸、パラトルエンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフル
オロメタンスルホン酸 ルイス酸:四塩化チタン、四塩化ジルコニウム、酸塩化
バナジウム、三塩化鉄、三臭化鉄、塩化アルミニウム、
臭化アルミニウム、三フッ化ホウ素、エーテル錯体、三
塩化ホウ素、三臭化ホウ素、四塩化テルル、三塩化アン
チモン、五塩化アンチモン、四塩化珪素、三塩化ビスマ
ス、三臭化ビスマス、塩化亜鉛、臭化亜鉛、亜鉛トリフ
ルオロメタンスルホン酸塩、塩化第一錫、塩化第二錫、
錫第一トリフルオロメタンスルホン酸塩 固体酸類:シリカゲル、酸性アルミナ、酸性白土、ゼオ
ライト 本反応では反応の進行につれてハロゲン由来のハロゲン
化水素が遊離し、反応を促進するので、初めに加える酸
は極微量でもよい。有機酸、無機酸を用いる場合は仕込
みのヒダントイン化合物に対して1/1000〜1/5
00mol当量が好適に用いられ、ルイス酸、固体酸を
用いる場合には、1/500〜1/100mol当量が
好適に用いられるが、この範囲に限定されずに使用でき
る。
【0016】ヒダントイン化合物とハロゲン化剤の反応
においては、ラジカル反応開始剤の存在によって反応が
有効に促進される。ラジカル反応開始剤としては、以下
のラジカル反応開始剤が好適に用いられるが、本発明は
これらのラジカル反応開始剤に限定されるわけではな
い。 ジアルキルペルオキシド類:ジ−t−ブチルペルオキシ
ド ジアシルペルオキシド類:過酸化ジベンゾイル ペルエステル類:ジ−t−ブチルペルオキサレート アゾ化合物類:アゾビスイソブチリロニトリル、フェニ
ルアゾトリフェニルメタン 本反応は反応の進行につれてハロゲン由来のハロゲン化
水素が遊離し、反応を促進するので、初めに加えるラジ
カル反応開始剤は極微量でもよい。ラジカル反応開始剤
は仕込みのヒダントインに対して1/1000〜1/5
00mol当量が好適に用いられる。
【0017】ヒダントイン化合物とハロゲン化剤により
生成する化合物の構造は非常に不安定であるため単離生
成が困難であるが、以下の実験事実から5−ハロヒダン
トイン化合物と構造推定している。例えば、ジオキサン
溶媒中ヒダントイン1モルと臭素1モルとの反応で得ら
れた化合物と、1)水を反応させると5−ヒドロキシヒ
ダントイン、2)尿素と反応させるとアラントイン、ま
た、3)フェノールと反応させると5−(p−ヒドロキ
シフェニル)ヒダントインがいずれも高収率で得られ
る。また、本反応の反応基質とは異なるが、5−フェニ
ルヒダントインは、酢酸溶媒中で臭素による臭素化反応
をおこし、ヒダントイン環の5位に臭素が導入されるこ
とが知られている(Chem. Rev., p403 (1949) )。これ
らの事実から、ヒダントインと臭素の反応により5−ブ
ロモヒダントインが(一般的には、5−ハロヒダントイ
ン化合物)が生成していると仮定すると実験事実をよく
説明できる。
【0018】
【実施例】以下に実施例を用いてさらに詳しく本発明を
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0019】実施例1 ヒダントイン4.0g、ジオキサン10ml、、および
臭素2.0mlを室温で混合し、120℃で15分激し
く撹拌した。0℃に冷却後、ブチルビニルエーテル6.
0gを加えて0℃で12時間反応させた。生成した沈澱
をろ取し、乾燥アセトン20ml×3で洗浄したのち、
水洗後減圧下乾燥して5−(β−ブトキシビニル)ヒダ
ントイン5.8gを収率72%で得た。
【0020】実施例2 DL−ホモセリンの合成 実施例1と同様にして得られた5−(β−ブトキシビニ
ル)ヒダントイン4.0gを0.1規定塩酸水溶液50
ml中で0℃で1時間反応させた。室温に昇温後、水素
化ホウ素ナトリウム4gを加え40℃で4時間反応させ
た。室温に冷却後、氷冷下1規定塩酸を水素が発生しな
くなるまで加えた。20%(w/w)水酸化ナトリウム
水溶液50ml中で24時間加熱還流した。室温に冷却
後、濃塩酸で反応溶液をpH=4にした。反応溶液を減
圧下留去した。粗生物を水−エタノール(9:1)から
再結晶し、DL−ホモセリン2.8gを収率58%で得
た。
【0021】実施例3 ヒダントイン4.0g、酢酸30ml、および臭素2.
0mlを室温で混合し、60℃で2時間激しく撹拌し
た。室温に冷却後、マロン酸ジメチル8gを加えて14
0℃で10時間反応させた。生成した沈澱をろ取し、水
洗後乾燥してヒダントイン−5−マロン酸ジメチル4.
4gを収率47%で得た。
【0022】実施例4 DL−アスパラギン酸の合成 実施例3と同様にして得られたヒダントイン−5−マロ
ン酸ジメチル9.6gを2規定水酸化ナトリウム水溶液
中100℃で24時間反応させた。室温に冷却後、濃塩
酸でpH9にし、50℃で2時間反応させる。反応溶液
を減圧下留去した。粗生物を水−エタノール(1:9)
から再結晶し、DL−アスパラギン酸3.8gを収率7
2%で得た。
【0023】実施例5 ヒダントイン4.0gを酢酸40mlに100℃で溶解
し、塩素をガス導入管で8時間導入した。室温に冷却
後、マロン酸ジメチル8gを加えて140℃で10時間
反応させた。生成した沈澱をろ取し、水洗後乾燥してヒ
ダントイン−5−マロン酸ジメチル3.6gを収率38
%で得た。
【0024】実施例6 ヒダントイン4.0g、ジオキサン50ml、スルフリ
ルクロライド5.4g、アゾビスイソブチリロニトリル
0.01gを混合し90℃で5時間撹拌した。室温に冷
却後、トリメチルオルトアセテート7.2gを加えて8
0℃で5時間反応させた。生成した沈澱をろ取し、水か
ら再結晶し、5−(β−カルボキシエチル)ヒダントイ
ン0.33gを収率5.3%で得た。
【0025】実施例7 ヒダントイン4.0g、ジオキサン50ml、臭化亜鉛
0.1gおよび臭素2.0mlを室温で混合し、60℃
で30分間激しく撹拌した。室温に冷却後、アリルトリ
メチルシラン9.1gを加えて80℃で4時間反応させ
た。生成した沈澱をろ取し、水洗後乾燥して5−アリル
−ヒダントイン3.4gを収率61%で得た。
【0026】実施例8 DL−ノルバリンの合成 実施例7と同様にして得られた5−アリル−ヒダントイ
ン5.6gを20%(w/w)水酸化ナトリウム水溶液
50ml中で24時間加熱還流した。室温に冷却後濃塩
酸で、反応溶液をpH=4にした。生成物をろ別し、水
10ml,アセトン10ml×3で洗浄した。得られた
粗生成物を中圧還元装置に酢酸30mlに溶かして入
れ、5%Pd−C0.5g加え、水素を3気圧導入し、
60℃で激しく震とうさせながら反応させた。Pd−C
をろ過し、減圧下溶媒を留去しDL−ノルバリン3.9
gを収率83%で得た。
【0027】実施例9 100mlオートクレーブに磁気撹拌子を入れ3−メチ
ル−ヒダントイン4.56g、酢酸30ml、および臭
素2.0mlを室温で混合し、80℃で2時間激しく撹
拌した。0℃に冷却後、ブタジエン6.5gを加えて1
80℃で8時間反応させた。生成した沈澱をろ取し、水
洗後乾燥してヒダントイン化合物(VI)2gを収率31
%で得た。
【0028】実施例10 DL−ピペコリン酸の合成 実施例9と同様にして得られたヒダントイン化合物(V
I)3.2gを中圧還元装置に酢酸30mlに溶かして
入れ、5%Pd−C0.5g加え、水素を3気圧導入
し、60℃で激しく震とうさせながら反応させた。Pd
−Cをろ過し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成
物を20%(w/w)水酸化ナトリウム水溶液50ml
中で24時間加熱還流した。室温に冷却後濃塩酸で、反
応溶液をpH=4にした。生成物をろ別し、冷メタノー
ル10ml×3で洗浄した。水から再結晶しDL−ピペ
コリン酸1.7gを収率66%で得た。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、5位が無置換のヒダン
トイン化合物をハロゲン化剤と反応させた後、フェノー
ル化合物を除く求核剤または親電子剤とを反応させるこ
とにより、容易に純度の高い5−置換ヒダントインを得
ることができる。すなわち、本発明は医薬、農薬、キレ
ート剤などに有用な天然、および非天然アミノ酸などの
重要な合成中間原料の製造方法を提供するものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5位が無置換のヒダントイン化合物をハ
    ロゲン化剤と反応させた後、親電子剤または、フェノー
    ル化合物を除く求核剤とを反応させることを特徴とする
    5−置換ヒダントイン化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 5位が無置換のヒダントイン化合物をハ
    ロゲン化剤と反応させた後、親電子剤とを反応させるこ
    とを特徴とする5−置換ヒダントイン化合物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 5位が無置換のヒダントイン化合物をハ
    ロゲン化剤と反応させた後、フェノール化合物を除く求
    核剤とを反応させることを特徴とする5−置換ヒダント
    イン化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 5位が無置換のヒダントイン化合物が、
    次の一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は水素原子または窒素原子の保護基を示
    し、R2 は水素原子、C1〜C8のアルキル基、C3〜
    C10のアルケニル基、C3〜C10のアルキニル基、
    C2〜C10のアシル基、置換基を有してもよいアリー
    ル基、ベンゼン環に置換基がついてもよいアラルキル
    基、アミノ基の水素原子が置換されてもよいアミノカル
    ボニル基、C2〜C8のアルコキシカルボニル基、C7
    〜C10のアリールオキシカルボニル基、C8〜C17
    のアラルキルオキシカルボニル基、C1〜C8のスルフ
    ェニル基、C1〜C8のスルフォニル基、を示す。)で
    表わされる化合物である請求項1記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 反応を酸の存在下で行わせる請求項1記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】 反応をラジカル開始剤の存在下で行わせ
    る請求項1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 反応を実質的に水を含まない溶媒でおこ
    なわせる請求項1記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009040752A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Tokuyama Corp アミノ酸の製造方法
US7569701B2 (en) 2002-04-10 2009-08-04 Nippon Zoki Pharmaceutical Co., Ltd. Crystal form of 5-hydroxy-1-methylimidazolidin-2,4-dione

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