JPH08269680A - プレートフィン熱交換器およびその製造方法 - Google Patents

プレートフィン熱交換器およびその製造方法

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JPH08269680A
JPH08269680A JP7099800A JP9980095A JPH08269680A JP H08269680 A JPH08269680 A JP H08269680A JP 7099800 A JP7099800 A JP 7099800A JP 9980095 A JP9980095 A JP 9980095A JP H08269680 A JPH08269680 A JP H08269680A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラント設備の運転休止時においても水銀に
よる腐食を確実に防止する。 【構成】 被冷却流体路および冷媒路を構成する流路部
材のプレートフィン1および平板2がアルミニウム合金
により形成されている。プレートフィン1および平板2
の表面には、アルミニウム合金と酸化性ガス中の酸化成
分との反応により生成された酸化皮膜が形成されていた
り、或いは、アルミニウム合金とアルカリ水溶液中のア
ルカリ成分との反応により生成された水酸化皮膜が形成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水銀を含む原料を熱交
換するアルミニウム合金製のプレートフィン熱交換器お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プレートフィン熱交換器は、低温におい
て優れた機械的強度を有するアルミニウム合金により形
成されていると共に、被冷却流体路と冷媒路とを交互に
配置した簡単な構成にされていることから、特に低温で
の熱交換を要する液化天然ガスプラント等のプラント設
備において多用されている。
【0003】ところで、プラント設備の原料中には、水
銀が含まれていることが多く、プレートフィン熱交換器
には、この原料を熱交換することによって、水銀が滞留
し易い状態となっている。この際、アルミニウム合金
は、水銀と反応して水銀アマルガムを形成する。そし
て、水銀アマルガムは、水分の存在により加水分解を起
こして水酸化アルミを生成すると共に、金属水銀を再生
することになる。従って、プレートフィン熱交換器は、
原料中に水銀および水分が存在すると、原料に接触する
被冷却流体路や冷媒路を構成する流路部材が継続的に腐
食して耐用年数が低下することになる。
【0004】そこで、従来は、腐食の原因物質である水
銀および水分の少なくとも一方を除去するように、プ
ラント設備への水分の侵入を完全に防止する対策や、
水分を固定するように低温に保持する対策、滞留した
水銀を完全に排出可能な構造にする対策が施されること
によって、プレートフィン熱交換器の腐食が防止される
ようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のように、水銀や水分等の原因物質を除去する対策で
は、プラント設備の運転休止時において設備が完全に停
止された状態になると、原因物質の除去が不十分になり
易いため、プレートフィン熱交換器を腐食させる危険性
がある。
【0006】従って、本発明は、プラント設備の運転休
止時においても確実に腐食を防止することができるプレ
ートフィン熱交換器およびその製造方法を提供しようと
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1〜6のプレートフィン熱交換器およびその
製造方法は、プレートフィン熱交換器本体が被冷却流体
路および冷媒路を構成する流路部材がアルミニウム合金
により形成されており、下記の特徴を有している。
【0008】即ち、請求項1のプレートフィン熱交換器
は、上記流路部材の表面に、該流路部材のアルミニウム
合金と酸化性ガス中の酸化成分との反応により生成され
た酸化皮膜が形成されていることを特徴としている。ま
た、請求項2のプレートフィン熱交換器は、上記の酸化
性ガスが、25〜35%の酸素濃度の大気ガスであるこ
とを特徴としている。また、請求項3のプレートフィン
熱交換器の製造方法は、上記被冷却流体路および冷媒路
に25〜35%の酸素濃度の大気ガスを封入してプレー
トフィン熱交換器本体を250〜350℃の加熱雰囲気
中に数時間放置することによって、該流路部材のアルミ
ニウム合金と酸化性ガス中の酸化成分とを反応させて酸
化皮膜を流路部材の表面に形成させることを特徴として
いる。
【0009】また、請求項4のプレートフィン熱交換器
は、上記流路部材の表面に、該流路部材のアルミニウム
合金とアルカリ水溶液中のアルカリ成分との反応により
生成された水酸化皮膜が形成されていることを特徴とし
ている。また、請求項5のプレートフィン熱交換器は、
上記のアルカリ水溶液が、1〜7%濃度の水酸化ナトリ
ウム水溶液であることを特徴としている。また、請求項
6のプレートフィン熱交換器の製造方法は、上記被冷却
流体路および冷媒路に常温の1〜7%濃度の水酸化ナト
リウム水溶液を導入して数十秒保持させることによっ
て、該流路部材のアルミニウム合金とアルカリ水溶液中
のアルカリ成分とを反応させて水酸化皮膜を流路部材の
表面に形成させることを特徴としている。
【0010】
【作用】上記の構成によれば、被冷却流体路および冷媒
路を構成する流路部材の表面に酸化皮膜や水酸化皮膜を
積極的に形成し、これらの皮膜により被冷却流体や冷媒
となる原料中に含まれる水銀と流路部材のアルミニウム
合金との直接的な接触を防止するようになっているた
め、プラント設備の運転休止時においても確実に腐食を
防止することができるようになっている。
【0011】また、未処理のアルミニウム合金表面にも
自然に生成した酸化皮膜が存在しているが、この場合に
は、酸化皮膜の膜厚が十分でないため、流動する被冷却
流体や冷媒により容易に削り取られ、運転時の応力変動
或いは振動によって水銀が皮膜欠陥部に侵入し、水銀腐
食が進行することになる。ところが、上記の構成によれ
ば、酸化皮膜や水酸化皮膜を積極的に形成して容易に削
り取られない程度の十分な膜厚とすることができるた
め、原料による削れや稼働時の応力変動および振動によ
る皮膜の欠損を防止することが可能になり、結果として
プラント設備の運転時および休止時の全期間において水
銀とアルミニウム合金との接触を防止して水銀による腐
食を防止することが可能になっている。
【0012】尚、酸化性ガスとして大気ガスを用いた場
合の酸素濃度を25〜35%の範囲とした理由および酸
化皮膜を形成する際の加熱雰囲気を250〜350℃の
範囲とした理由は、酸素濃度および加熱雰囲気の何れか
一方が下限値(25%、250℃)未満であると、酸素
濃度や加熱温度が低過ぎて酸化物皮膜の生成時間が長く
なると共に、皮膜厚さを増大させることが困難になり、
結果として水銀粒子がアルミ素材面に到達しない程度の
皮膜欠陥を生成することが困難になるからである。一
方、酸素濃度および加熱雰囲気の何れか一方が上限値
(35%、350℃)を越えると、酸化物皮膜が成長し
易くなる反面、酸素濃度や加熱温度が高過ぎて結晶粒が
大粒となるため、水銀粒子がアルミ素材面に到達する程
度の皮膜欠陥が生成されることになるからである。
【0013】また、アルカリ水溶液として水酸化ナトリ
ウム水溶液を用いた場合の濃度を1〜7%とした理由
は、1%未満であると、アルカリ濃度が低過ぎて水酸化
物皮膜の生成時間が長くなると共に、皮膜厚さを増大さ
せることが困難になり、結果として水銀粒子がアルミ素
材面に到達しない程度の皮膜欠陥を生成することが困難
になるからである。一方、7%を越えると、アルカリ濃
度が高過ぎて結晶粒が大粒となるため、水銀粒子がアル
ミ素材面に到達する程度の皮膜欠陥が生成されることに
なるからである。
【0014】
【実施例】本発明に係る一実施例を図1および図2を用
いて説明する。本実施例に係るプレートフィン熱交換器
は、図1に示すように、波状に形成された複数のプレー
トフィン1…と平板2…とを交互に積層させ、被冷却流
体と冷媒とが平板2…を介して接触するように、隣接す
る平板2・2間に被冷却流体路と冷媒路とを交互に配置
した構成のプレートフィン熱交換器本体3(以下、熱交
換器本体3と称する)を有している。
【0015】上記の被冷却流体路および冷媒路を構成す
る流路部材(プレートフィン1…、平板2)には、30
03材や5083材等のアルミニウム合金が用いられて
おり、流路部材の表面には、水銀による腐食を防止する
ように酸化皮膜や水酸化皮膜が形成されている。これら
の皮膜は、流動する被冷却流体や冷媒により容易に削り
取られない程度の20〜170μmの膜厚に設定されて
おり、被冷却流体や冷媒中に存在する水銀と流路部材の
材料であるアルミニウム合金との直接的な接触を防止す
るようになっている。
【0016】上記の皮膜は、酸化皮膜の場合、熱交換器
本体3の内部(被冷却流体路および冷媒路)に酸化性ガ
スを導入し、全流路の出入口を密栓した後、熱交換器本
体3を加熱炉内に載置し、加熱雰囲気中に数時間放置す
ることによって、アルミニウム合金と酸化性ガス中の酸
化成分とを反応させることにより形成されるようになっ
ている。
【0017】尚、酸化性ガスとしては、25〜35%の
酸素濃度の大気ガスやオゾン(O3)、塩素ガス(Cl
2 )、NOx 等を用いることができる。また、酸化性ガ
スとして25〜35%の酸素濃度の大気ガスを用いた場
合には、加熱雰囲気の温度が250〜350℃の範囲で
あることが望ましく、放置時間(処理時間)が5時間程
度であることが望ましい。
【0018】一方、皮膜が水酸化皮膜である場合には、
熱交換器本体3の内部(被冷却流体路および冷媒路)に
常温のアルカリ水溶液を導入し、このアルカリ水溶液を
数十秒保持させることによって、アルミニウム合金とア
ルカリ水溶液中のアルカリ成分とを反応させることによ
り形成されるようになっている。
【0019】尚、アルカリ水溶液としては、水酸化ナト
リウム溶液(NaOH)や水酸化カリウム(KOH)、
水酸化カルシウム(Ca(OH)2 )、水酸化マグネシ
ウム(Mg(OH)2 )等を用いることができる。ま
た、アルカリ水溶液に水酸化ナトリウム溶液を用いた場
合には、水酸化ナトリウム濃度が1〜7%の範囲である
ことが望ましく、放置時間(処理時間)が90秒程度で
あることが望ましい。
【0020】上記の構成において、熱交換器本体3に形
成された皮膜により耐腐食性が向上することを下記の試
験を行うことにより確認した。
【0021】先ず、板厚が3mmの3003材および5
083材からなる2種類のアルミニウム合金板を用意し
た。そして、これらのアルミニウム合金板を10mm×
150mmに切断することによって、3003材の試験
片と5083材の試験片とを得た。そして、表1に示す
ように、成膜形成条件として20%の酸素濃度を有する
200℃の加熱雰囲気中に試験片を放置し、各材質の試
験片について、1時間放置して酸化皮膜を形成したもの
と、10時間放置して酸化皮膜を形成したものとを得
た。この後、成膜形成条件の加熱雰囲気を300℃と4
00℃とに変更し、上記と同様の手順によって、酸化皮
膜が形成された各材質の試験片を得た。
【0022】
【表1】
【0023】次に、各試験片の重量を測定した後、浸漬
腐食試験機(スガ試験機製DW−UD−3型)に試験片
を装着し、図2に示すように、40mm厚の水銀と30
mm厚のイオン交換水とを貯留した水槽に対して試験片
を上下動させることによって、試験片を大気中に存在さ
せた状態(乾燥状態)と、試験片とイオン交換水および
水銀とを接触させた状態(浸漬状態)とを繰り返させ
た。尚、乾燥状態は、30℃で25分とし、浸漬状態
は、30℃で5分とした。
【0024】この後、乾燥と浸漬とを1400回繰り返
した後、各試験片の重量を測定し、腐食による重量増加
を求めた。また、比較用の試験片として、3003材お
よび5083材からなる2種類のアルミニウム合金板を
用意し、酸化皮膜を形成しない(未処理)状態で各試験
片を浸漬腐食試験機に装着し、同様の条件で乾燥と浸漬
とを1400回繰り返して重量増加を求めた。この結
果、表1に示すように、酸素濃度20%、熱処理温度2
00〜400℃、および処理時間1〜10時間の形成条
件下においては、未処理の試験片と比較して腐食による
重量増加が軽減されており、特に、処理温度300℃に
おける効果が著しいことが確認された。
【0025】次に、3003材および5083材からな
る2種類のアルミニウム合金板の試験片について、表2
に示すように、加熱温度(300℃)および処理時間
(5分)を一定として酸素濃度を変化させながら酸化皮
膜を形成した。そして、これらの各試験片と、未処理の
比較用の試験片とを用いてSSRT(Slow Strain RateT
est) 試験を実施し、破断するまでの伸び(mm)を測
定した。
【0026】
【表2】
【0027】この結果、表2に示すように、酸素濃度5
〜40%、熱処理温度300℃、処理時間5時間の形成
条件下のおいて、破断特性は、5083材が25〜35
%で良好な値を示し、3003材が濃度の高い程、良好
な値を示していることから、熱交換器内部の酸素濃度を
25〜35%に保持し、300℃近辺で5時間程度加熱
することによって、熱交換器の耐水銀腐食性を5083
材および3003材の両方の材料について向上させるこ
とが可能になることが確認された。
【0028】次に、5083材からなるアルミニウム合
金板の試験片について、表3に示すように、水酸化ナト
リウム濃度が1%および7%の常温の水溶液に90秒浸
漬することにより水酸化皮膜を形成した。そして、これ
らの各試験片と、未処理の比較用の試験片とを用いてS
SRT試験を実施し、破断するまでの伸び(mm)を測
定した。
【0029】
【表3】
【0030】この結果、表3に示すように、上述の形成
条件下で水酸化皮膜が形成された試験片は、未処理の試
験片と比較して水銀腐食環境下における破断特性が向上
しており、本処理を熱交換器内部に施すことによって、
熱交換器の耐水銀腐食特性を向上させることが可能にな
ることが確認された。
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上のように、流路部材の表
面に、該流路部材のアルミニウム合金と酸化性ガス中の
酸化成分とを反応させて酸化皮膜を形成したり、或い
は、流路部材の表面に、該流路部材のアルミニウム合金
とアルカリ水溶液中のアルカリ成分とを反応させて水酸
化皮膜を形成させる構成である。
【0032】これにより、被冷却流体路および冷媒路を
構成する流路部材の表面に酸化皮膜や水酸化皮膜を積極
的に形成することによって、流動する原料等の被冷却流
体や冷媒により削り取られない程度の膜厚とすることが
できるため、プラント設備の運転時および休止時の全期
間において水銀とアルミニウム合金との接触を防止して
水銀による腐食を防止することが可能になるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレートフィン熱交換器の斜視図である。
【図2】浸漬腐食試験の説明図である。
【符号の説明】
1 プレートフィン 2 平板 3 プレートフィン熱交換器本体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被冷却流体路および冷媒路を構成する流
    路部材がアルミニウム合金により形成されたプレートフ
    ィン熱交換器本体を有し、 上記流路部材の表面には、該流路部材のアルミニウム合
    金と酸化性ガス中の酸化成分との反応により生成された
    酸化皮膜が形成されていることを特徴とするプレートフ
    ィン熱交換器。
  2. 【請求項2】 上記酸化性ガスは、25〜35%の酸素
    濃度の大気ガスであることを特徴とする請求項1記載の
    プレートフィン熱交換器。
  3. 【請求項3】 被冷却流体路および冷媒路を構成する流
    路部材がアルミニウム合金により形成されたプレートフ
    ィン熱交換器本体の上記被冷却流体路および冷媒路に2
    5〜35%の酸素濃度の大気ガスを封入し、該プレート
    フィン熱交換器本体を250〜350℃の加熱雰囲気中
    に数時間放置することによって、上記流路部材のアルミ
    ニウム合金と酸化性ガス中の酸化成分とを反応させて酸
    化皮膜を上記流路部材の表面に形成させることを特徴と
    するプレートフィン熱交換器の製造方法。
  4. 【請求項4】 被冷却流体路および冷媒路を構成する流
    路部材がアルミニウム合金により形成されたプレートフ
    ィン熱交換器本体を有し、 上記流路部材の表面には、該流路部材のアルミニウム合
    金とアルカリ水溶液中のアルカリ成分との反応により生
    成された水酸化皮膜が形成されていることを特徴とする
    プレートフィン熱交換器。
  5. 【請求項5】 上記アルカリ水溶液は、1〜7%濃度の
    水酸化ナトリウム水溶液であることを特徴とする請求項
    4記載のプレートフィン熱交換器。
  6. 【請求項6】 被冷却流体路および冷媒路を構成する流
    路部材がアルミニウム合金により形成されたプレートフ
    ィン熱交換器本体の上記被冷却流体路および冷媒路に常
    温の1〜7%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を導入して
    数十秒保持させることによって、該流路部材のアルミニ
    ウム合金とアルカリ水溶液中のアルカリ成分とを反応さ
    せて水酸化皮膜を上記流路部材の表面に形成させること
    を特徴とするプレートフィン熱交換器の製造方法。
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