JPH0827317A - 水膨潤性ゴム用組成物および水膨潤性ゴム - Google Patents

水膨潤性ゴム用組成物および水膨潤性ゴム

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JPH0827317A
JPH0827317A JP10671695A JP10671695A JPH0827317A JP H0827317 A JPH0827317 A JP H0827317A JP 10671695 A JP10671695 A JP 10671695A JP 10671695 A JP10671695 A JP 10671695A JP H0827317 A JPH0827317 A JP H0827317A
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swellable rubber
meth
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尚武 塩路
Kazuhiro Okamura
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 膨潤速度が著しく速く、自己修復性を優れた
水膨潤性ゴムを提供する。 【構成】 この水膨潤性ゴムは、吸水性樹脂とエラスト
マーとを含み、吸水性樹脂が5〜70μmの平均粒子径
と8倍以上の加圧下吸水倍率を有する水膨潤性ゴム用組
成物を加硫する工程を含む方法により得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水膨潤性ゴム用組成物
および水膨潤性ゴムに関するものである。詳しくは、硬
水や海水などの多価金属イオンを含有する水性液体に接
しても、吸水速度が極めて速く、しかも、長期にわたり
安定した吸水性・膨潤性を示し、且つ吸水・膨潤後もゴ
ム弾性及び形状保持性がよく水性液体への溶出分が少な
い、土木工事や建築工事に於ける止水剤などとして有用
な水膨潤性ゴム、および、この水膨潤性ゴムを作るのに
有用な組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂やゴムに吸水性樹脂を分散
させ水膨潤性ゴムを調製し、これを土木工事や建築工事
などの止水剤として使用する技術が特開昭53−143
653号公報、特開昭54−7461号公報、特開昭5
4−110262号公報、特開昭54−3424号公
報、特開昭57−47338号公報、特開昭57−47
339号公報、特開昭57−108143号公報、特開
昭57−135160号公報、特開昭58−16038
5号公報、特開昭59−120653号公報、特開昭5
9−142275号公報、特開昭59−145228号
公報、特開昭59−189180号公報、特開昭60−
35074号公報、特開昭60−55041号公報、特
開昭60−92330号公報、特開昭60−20365
1号公報、特開昭60−210690号公報、特開昭6
0−222078号公報、特開昭61−14279号公
報、特開昭61−31450号公報、特開昭61−62
539号公報、特開昭61−258794号公報、特開
昭62−172044号公報、特開昭62−25688
6号公報、特開昭62−259846号公報、特開昭6
2−280283号公報、特開昭64−60683号公
報、特開平1−141979号公報、特開平1−170
682号公報、特開平3−88835号公報、特開平6
−1886号公報などに数多く提案されている。
【0003】具体的な用途の例として、自己修復性遮水
シートを挙げることができる。このシートは合成ゴムに
吸水性樹脂を分散させて得た水膨潤性ゴムシートの両表
面をナイロン系の編み地と合成ゴムでサンドイッチ状に
成型したものであり、産業排水の遮水のために使用され
ている。吸水性樹脂は、例えばシートの表面(合成ゴム
側)が釘などの異物により、穴があいた場合、速やかに
遮水する目的で使用されるが、通常の吸水性樹脂を用い
た場合、完全に遮水するためには1日以上の長時間を必
要とし、改善が望まれているのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
の水膨潤性ゴムが有していた上記問題点を解消し、著し
く膨潤速度が速く、自己修復性に優れた水膨潤性ゴムを
作るのに有用な組成物を提供することである。本発明の
別の課題は、従来の水膨潤性ゴムが有していた上記問題
点を解消し、著しく膨潤速度が速く、自己修復性に優れ
た水膨潤性ゴムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の水膨潤性ゴム用
組成物は、第1の態様によれば、吸水性樹脂とエラスト
マーとを含む。吸水性樹脂は、5〜70μmの平均粒子
径と8倍以上の加圧下吸水倍率を有する。本発明の水膨
潤性ゴム用組成物は、第2の態様によれば、吸水性樹脂
が、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を25〜70
重量%含む単量体成分を重合することにより得られるこ
と以外は第1の態様の水膨潤性ゴム用組成物と同じ構成
を持つ。(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、一般
式(1):
【0006】
【化2】
【0007】(ただし、Rは水素またはメチル基であ
り;Xは、全オキシアルキレン基に対するオキシエチレ
ン基のモル分率が50モル%以上である炭素数2〜4の
オキシアルキレン基であり;Yは、炭素数1〜5のアル
コキシ基であり;nは平均で3〜50の正数である)で
表される化合物である。
【0008】本発明の水膨潤性ゴム用組成物は、第3の
態様によれば、単量体成分の重合を、前記単量体成分を
含む混合物の曇点未満の温度で開始すること以外は第2
の態様の水膨潤性ゴム用組成物と同じ構成を持つ。本発
明の水膨潤性ゴム用組成物は、第4の態様によれば、前
記混合物が架橋剤を含み、前記架橋剤が、エチレンオキ
サイドのモル分率50%以上である炭素原子数2〜4の
アルキレンオキサイドの平均付加モル数4〜100のポ
リアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートである
こと以外は第3の態様の水膨潤性ゴム用組成物と同じ構
成を持つ。
【0009】本発明の水膨潤性ゴムは、上記第1、第
2、第3、または第4の態様の水膨潤性ゴム用組成物を
加硫する工程を含む方法により得られる。
【0010】
【手段の説明】本発明の水膨潤性ゴム用組成物は、吸水
性樹脂とエラストマーとを含む。本発明に使用される吸
水性樹脂は、5〜70μmの平均粒子径と8倍以上の加
圧下吸水倍率を有する。平均粒子径が5μm未満の吸水
性樹脂を使用した場合、エラストマーへの吸水性樹脂の
均一分散が困難になる。また、70μmを越える吸水性
樹脂を使用した場合、膨潤むらができるため好ましくな
い。更に、加圧下吸水倍率が8倍未満の吸水性樹脂を使
用した場合、膨潤速度が速く、自己修復性に優れた水膨
潤性ゴムは得られない。エラストマーへの吸水性樹脂の
均一分散をより良くしたり、あるいは、水膨潤性ゴムの
膨潤むらをより少なくしたりするという点からは、吸水
性樹脂は、10〜50μmの平均粒子径を有することが
好ましい。水膨潤性ゴムの、自己修復性をより良くした
り、あるいは、耐久性をより優れたものにしたりすると
いう点からは、吸水性樹脂は、10〜16倍の加圧下吸
水倍率を有することが好ましい。加圧下吸水倍率が16
倍を越える吸水性樹脂は、通常、可溶成分を多く含むた
め、溶出成分が多くなり水膨潤性ゴムの耐久性に問題が
生じるおそれがある。
【0011】本発明の、水膨潤性ゴム用組成物および水
膨潤性ゴムでは、 (1) 平均粒子径5〜70μmで、かつ、加圧下吸水倍率
8倍以上の吸水性樹脂; (2) 平均粒子径5〜70μmで、かつ、加圧下吸水倍率
10〜16倍の吸水性樹脂; (3) 平均粒子径10〜50μmで、かつ、加圧下吸水倍
率10〜16倍の吸水性樹脂、 の順に好ましくなる。
【0012】なお、本発明における加圧下吸水倍率は、
人工海水を用い、後述する方法で吸水させた値を言うも
のとする。人工海水は、脱イオン水中に下記の成分を下
記の濃度(人工海水に対する濃度)で含有する水溶液で
ある。 <人工海水の組成> CaSO4 : 1.38(g/kg) MgSO4 : 2.10(g/kg) MgCl2 : 3.32(g/kg) KCl : 0.72(g/kg) NaCl :26.69(g/kg) 本発明に用いられる吸水性樹脂は、上記平均粒子径と上
記加圧下吸水倍率とを有するものであれば、製造方法、
単量体組成などに特に限定はない。吸水性樹脂を製造す
るために、たとえば、単量体、架橋剤、重合開始剤、お
よび重合溶媒の存在下、溶液重合法、懸濁重合法、逆相
懸濁重合法など公知の重合方法が使用される。使用され
る単量体としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、あるいはそれらの一価金属、二価金
属、アンモニア、有機アミンによる部分中和物や完全中
和物などの不飽和モノカルボン酸系単量体;マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸あるいはそれ
らの一価金属、二価金属、アンモニア、有機アミンによ
る部分中和物や完全中和物などの不飽和ジカルボン酸系
単量体;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリ
ルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチル(メ
タ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシスルホプロピル(メタ)アクリレー
トあるいはそれらの一価金属、二価金属、アンモニア、
有機アミンによる部分中和物や完全中和物などの不飽和
スルホン酸系単量体;(メタ)アクリルアミド、t−ブ
チル(メタ)アクリルアミドなどのアミド系単量体;
(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、2−メチルス
チレン、酢酸ビニルなどの疎水性単量体;2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、アリルアルコール、アル
コキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ートなどのノニオン系単量体;ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミドなどのカチオン性単量体;(メタ)
アクリロニトリルなどのニトリル系単量体;(メタ)ア
クリルアミドメタンホスホン酸、(メタ)アクリルアミ
ドメタンホスホン酸メチルエステル、2−(メタ)アク
リルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸などの含燐
単量体;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチ
レン、α−アミレン、2−メチル−1−ブテン、3−メ
チル−1−ブテン(α−イソアミレン)、1−ヘキセ
ン、1−ヘプテンなどのα−オレフィン系単量体などを
挙げることができる。これらの単量体は、それぞれ単独
で使用されたり、あるいは、2種以上併用されたりす
る。
【0013】架橋剤としては、たとえば、ジビニルベン
ゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、N,N−メチレンビスアクリルアミ
ド、イソシアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパ
ンジアリルエーテルなどの1分子中にエチレン系不飽和
基を2個以上有する化合物;エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピ
レングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコ
ール、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタ
ン、グルコース、マンニット、マンニタン、ショ糖、ブ
ドウ糖などの多価アルコール;エチレングリコールジグ
リシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコ
ールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール
ジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリ
シジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジ
ルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなどの
ポリエポキシ化合物があげられ、これらの1種を単独で
使用したり、又は2種以上を併用したりすることができ
る。
【0014】架橋剤として多価アルコールを用いる場合
には150〜250℃で、ポリエポキシ化合物の場合に
は50〜250℃で重合後熱処理することが好ましい。
架橋剤の使用は、得られる吸水性樹脂の架橋密度を自由
自在に制御できるため好ましい。架橋剤の使用量は、前
記単量体に対してモル比で、たとえば0.0005〜
0.02の範囲であり、0.001〜0.01の範囲が
好ましい。この範囲を外れて得られた吸水性樹脂を用い
ても、加圧下吸水倍率が8倍以上、好ましくは10〜1
6倍の吸水性樹脂が得られないおそれがある。
【0015】重合開始剤としては、過酸化水素、ベンゾ
イルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド
などの過酸化物;アゾビスイソブチロニトリルなどのア
ゾ化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの
過硫酸塩などのラジカル発生剤や、これらと亜硫酸水素
ナトリウム、L−アスコルビン酸、第1鉄塩などの還元
剤との組み合わせによるレドックス系開始剤が用いられ
る。
【0016】重合開始剤の量は、単量体の合計量に対し
て、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1
重量%である。また、還元剤を併用するレドックス系開
始剤の場合、還元剤の量は、ラジカル発生剤に対して重
量比で0.01〜5、特に0.05〜2の範囲が好まし
い。重合溶媒としては、たとえば、水、シクロヘキサ
ン、トルエン、メタノール、エタノール、アセトン、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが単独
で、または混合物として使用することができる。重合溶
媒、単量体成分、および架橋剤を含む混合物において、
単量体成分の濃度(単量体の合計濃度)は、特に制限は
ないが、重合反応の制御の容易さと収率・経済性を考慮
すれば、20〜80重量%、特に30〜60重量%の範
囲にあることが好ましい。
【0017】重合時の温度は用いる重合開始剤の種類に
より異なるが、比較的低温のほうが吸水性樹脂の分子量
が大きくなり好ましい。しかし、重合が完結するために
は20〜100℃の範囲であることが好ましい。重合が
完結することにより生成した含水ゲル状の吸水性樹脂を
そのまま、あるいは必要に応じて洗浄したり解砕したり
してから、乾燥する。乾燥温度は、たとえば50〜18
0℃、好ましくは100〜170℃である。乾燥後、粉
砕などにより細粒化し、必要に応じて細粒化後にふるい
分けなどの分級を行って、平均粒子径5〜70μm、好
ましくは平均粒子径10〜50μmの吸水性樹脂の粒子
を得る。ここで、平均粒子径は、体積平均粒子径であ
る。
【0018】なお、本発明の、水膨潤性ゴム用組成物お
よび水膨潤性ゴムに用いられる吸水性樹脂としては、加
圧下吸水倍率が8倍以上、好ましくは10〜16倍の吸
水性樹脂が容易に得られるという理由により、次に挙げ
る吸水性樹脂(a) が好ましい。なお、吸水性樹脂(a) の
説明において特に説明していない部分は上述の吸水性樹
脂の製造方法と同じである。
【0019】(a) (メタ)アクリル酸エステル系単量体
を25〜70重量%含む単量体成分を重合することによ
り得られる吸水性樹脂。単量体成分は、(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体を25〜70重量%、好ましくは
30〜60重量%含む。単量体成分の残部は、(メタ)
アクリル酸エステル系単量体と共重合可能な単量体であ
る。(メタ)アクリル酸エステル系単量体と前記共重合
可能な単量体の合計量は100重量%である。(メタ)
アクリル酸エステル系単量体は、下記一般式(1):
【0020】
【化3】
【0021】(ただし、Rは水素またはメチル基であ
り;Xは、全オキシアルキレン基に対するオキシエチレ
ン基のモル分率が50モル%以上である炭素数2〜4の
オキシアルキレン基であり;Yは、炭素数1〜5のアル
コキシ基であり;nは平均で3〜50の正数である)で
表される。(メタ)アクリル酸エステル系単量体の量が
前記範囲を外れた場合、上記一般式(1)において、X
が、全オキシアルキレン基に対するオキシエチレン基の
モル分率50モル%以上である炭素数2〜4のオキシア
ルキレン基ではない場合、Yが炭素数1〜5のアルコキ
シ基ではない場合、または、nが平均で3〜50の正数
ではない場合、平均粒子径や加圧下吸水倍率が前記範囲
を外れるという問題がある。
【0022】上記一般式(1)で表される(メタ)アク
リル酸エステル系単量体としては、たとえば、メトキシ
ポリエチレングリコール(エチレングリコールの平均付
加モル数3〜50)モノ(メタ)アクリレート、メトキ
シポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリ
コール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、エトキシポリエチレングリコール・ポリプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキ
シポリエチレングリコール・ポリブチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレートなどを挙げることができ、これ
らの1種または2種以上を用いることができる。
【0023】使用される共重合可能な単量体としては、
たとえば、上述した、不飽和モノカルボン酸系単量体;
不飽和ジカルボン酸系単量体;不飽和スルホン酸系単量
体;アミド系単量体;疎水性単量体;水酸基含有不飽和
単量体;カチオン性単量体;ニトリル系単量体;含燐単
量体;α−オレフィン系単量体などを挙げることができ
る。これらの単量体は、それぞれ単独で使用されたり、
あるいは、2種以上併用されたりする。
【0024】特に好ましい単量体としては、前記不飽和
モノカルボン酸系単量体および不飽和スルホン酸系単量
体を挙げることができる。吸水性樹脂(a) を得るための
単量体成分の重合は、たとえば、架橋剤、重合開始剤、
および重合溶媒の存在下、溶液重合法、懸濁重合法、逆
相懸濁重合法など公知の重合方法が使用される。重合開
始剤を用いるかまたは用いずに、放射線・電子線・紫外
線などを照射することにより、重合する方法も使用され
うる。重合形態としては種々の形態が採用できるが、双
腕型ニーダーの剪断力によりゲル状含水重合体を細分化
しながら重合する方法(特開昭57−34101号公
報)が好ましい。
【0025】重合開始剤としては、上述のラジカル発生
剤や上述のレドックス系開始剤が使用される。吸水性樹
脂(a) を得るための単量体成分の重合は、単量体成分を
含む混合物の曇点未満の温度で開始することが好まし
い。重合を架橋剤の存在下、水性媒体中で行う場合に
は、該混合物は、単量体成分と架橋剤と水性媒体とを含
む。単量体成分の重合は、該曇点未満の温度で、たとえ
ば、単量体成分と架橋剤と水性媒体と重合開始剤とを混
合することにより行うことができる。重合の開始は、た
とえば、重合系からの発熱によりわかる。
【0026】吸水性樹脂(a) を得るための単量体成分の
重合に用いる重合溶媒としては、水単独あるいは水と混
合可能な溶媒と水との混合溶媒などの水性媒体が好まし
い。水性媒体中での重合が好ましい理由は、安全性が高
く、しかもより安価に吸水性樹脂が得られるからであ
る。水性媒体を使用する場合、系の曇点未満の温度で重
合開始することが、組成が均一で耐久性に優れた吸水性
樹脂を得るために好ましいものである。曇点は、単量体
成分を含む混合物、好ましくは、単量体成分、架橋剤、
および水性媒体を含む透明な混合物の温度を上げていっ
たときに混合物が濁り始める温度である。
【0027】曇点は使用する単量体の種類、組成、濃
度、水性媒体の種類などにより変化する。たとえば、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体として、メトキシ
ポリエチレングリコール(エチレンオキサイド(以下、
EOと記す)平均付加モル数9)メタクリレートを、ま
た共重合可能な単量体としてアクリル酸ナトリウムを使
用し、重合溶媒として水単独を用いた場合の曇点は以下
のように条件によって異なる。すなわち、重合系におけ
る単量体成分の濃度((メタ)アクリル酸エステル系単
量体と共重合可能な単量体の合計単量体濃度)が50重
量%で一定の場合、組成比として(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体が40重量%の時(共重合可能な単量体
が60重量%の時)は31℃であり、また(メタ)アク
リル酸エステル系単量体が80重量%の時(共重合可能
な単量体が20重量%の時)は53℃となる。このよう
に曇点は単量体成分の組成比によって異なった値をと
る。また、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、共重
合可能な単量体ともに50重量%の時、重合系における
単量体成分の濃度が30重量%の場合に59℃であり、
単量体成分の濃度が50重量%の場合には34℃であ
り、単量体成分の濃度が60重量%の場合は20℃とな
る。このように曇点は単量体成分の濃度によっても異な
った値をとる。更に、(メタ)アクリル酸エステル系単
量体および共重合可能な単量体の種類を変えた場合や、
水性媒体の種類や組成を変えた場合にも曇点は違ってく
る。このように曇点は種々の条件により変化するが、重
合系が一定であれば一義的に決まるものである。曇点未
満の温度で反応を開始させた後は直ちに重合熱あるいは
加熱により曇点以上の温度で反応を進行させることはも
ちろん可能であるが、全単量体に対して1モル%以上の
単量体を曇点未満の温度で重合せしめておくことが好ま
しい。
【0028】一般式(1)で表される(メタ)アクリル
酸エステル系単量体を含む単量体成分を、曇点未満の温
度で重合を開始させて重合することにより吸水性樹脂を
作るために用いる架橋剤としては、上述の架橋剤が使用
されるが、なかでも、エチレンオキサイドのモル分率が
50%以上である炭素原子数2〜4のアルキレンオキサ
イドの平均付加モル数4〜100のポリアルキレングリ
コールジ(メタ)アクリレートが好ましく、炭素原子数
2〜4のアルキレンオキサイドの平均付加モル数5〜5
0のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート
がより好ましく、炭素原子数2〜3のアルキレンオキサ
イドの平均付加モル数7〜30のポリアルキレングリコ
ールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。アルキレ
ンオキサイドのエチレンオキサイドのモル分率が50%
を下回るかアルキレンオキサイドの炭素原子数が上記範
囲を外れると、ポリアルキレングリコールジ(メタ)ア
クリレートが水性媒体に溶解しにくくなるおそれがあ
る。また、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が上
記範囲を外れると、得られた吸水性樹脂の耐久性が低下
するおそれがある。ポリアルキレングリコールジ(メ
タ)アクリレートとしては、たとえば、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ール・ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
トなどを挙げることができる。ポリアルキレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート以外の架橋剤、たとえばN,
N−メチレンビスアクリルアミドやトリメチロールプロ
パントリアクリレートなどの周知の架橋剤を用いて得ら
れた吸水性樹脂は、可溶成分を多く含むため、溶出成分
が多くなり水膨潤性ゴムの耐久性に問題が生じるおそれ
がある。
【0029】吸水性樹脂として上記吸水性樹脂(a)を用
いる場合には、本発明の、水膨潤性ゴム用組成物および
水膨潤性ゴムでは、 (1) 平均粒子径5〜70μmで、かつ、加圧下吸水倍率
10倍以上の吸水性樹脂(a) ; (2) 平均粒子径5〜70μmで、かつ、加圧下吸水倍率
18倍以上の吸水性樹脂(a) 、 の順に好ましくなる。
【0030】なお、本発明の、第1、第2、第3、また
は第4の態様の水膨潤性ゴム用組成物、および本発明の
水膨潤性ゴムに用いられる吸水性樹脂としては、残留単
量体が少なくなり、また、安定性が更に改善されるとい
う理由から、還元剤で処理されているものが好ましい。
単量体の重合で得られるゲル状重合体またはその乾燥粉
砕物に還元剤を添加して処理する。還元剤としては、亜
硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウ
ム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、チオ
硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素アンモ
ニウム、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、
アンモニア、モノエタノールアミン、グルコースなどが
挙げられる。なかでも亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナ
トリウム、チオ硫酸ナトリウムを添加する方法が特に好
ましい。還元剤の添加量は全単量体に対してモル比で
0.0001〜0.02の範囲、特に0.001〜0.
01の範囲が好ましい。
【0031】本発明に使用されるエラストマーとして
は、特に制限はなく、広い範囲のエラストマーが使用で
きる。例えば、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イ
ソプレン−イソブチレンゴム、エチレン−プロピレン共
重合ゴムなどの合成ゴム;塩素化ポリエチレン、クロロ
スルホン化ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどのゴム弾性
を有する合成樹脂;天然ゴムなどを挙げることができ
る。これらのエラストマーは、それぞれ単独で使用され
たり、あるいは、2種以上併用されたりする。これらの
エラストマーの中でも、吸水性樹脂の添加効果が最も顕
著なエチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPDM)が
特に好ましい。
【0032】吸水性樹脂の量は、吸水性樹脂とエラスト
マーの合計重量に対して、たとえば5〜60重量%(エ
ラストマー95〜40重量%)、好ましくは15〜50
重量%(エラストマー85〜50重量%)である。吸水
性樹脂の量が5重量%未満の場合、水膨潤性ゴムが低い
膨潤速度を有するおそれがある。吸水性樹脂の量が60
重量%を越える場合、水膨潤性ゴムが低い強度を有する
おそれがある。
【0033】本発明の水膨潤性ゴム用組成物は、製造方
法には制限はないが、吸水性樹脂がエラストマーに均一
に分散されているのが好ましい。たとえば、吸水性樹脂
をエラストマーに機械的な方法で均一に分散することに
より本発明の水膨潤性ゴム用組成物が得られる。分散方
法については特に制限はないが、例えばロールやバンバ
リーミキサーなど、ゴム製造時に通常用いられる混合装
置による混合方法が好ましい。
【0034】本発明の水膨潤性ゴム用組成物には、その
目的を損なわない範囲で、吸水性樹脂およびエラストマ
ー(必須成分)以外に、必要に応じ、加硫剤、加硫促進
剤、加硫助剤、無機充填剤、補強剤、軟化剤、可塑剤、
着色剤、紫外線吸収剤などから選ばれる少なくとも1つ
の化合物を添加することができる。このような添加物の
量は、吸水性樹脂とエラストマーの合計重量に対して、
たとえば0〜100重量%、好ましくは0.1〜60重
量%である。添加物の量が前記範囲を越えると、耐久
性、耐光性、および強度に優れた水膨潤性ゴムが得られ
ないおそれがある。
【0035】加硫剤・加硫促進剤・加硫助剤としては特
に制限はなく、ゴムに通常用いられるものが使用でき
る。加硫剤の例として、イオウ、イオウ華、脱酸イオ
ウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、塩化イオウ、過酸化
物、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、セレン、テルル、芳
香族ニトロ化合物などが挙げられ、いずれか1種が単独
で使用されたり、あるいは、2種以上が併用されたりす
る。加硫促進剤の例として、グアニジン類、アルデヒド
アンモニア類、アルデヒドアミン類、ニトロソ化合物、
チアゾール類、チアゾリン類、イミダゾリン類、チオ尿
素類、チオ酸塩類、カルビチオ酸塩類、イソチオ尿素塩
類などが挙げられ、いずれか1種が単独で使用された
り、あるいは、2種以上が併用されたりする。加硫助剤
の例として、水酸化ナトリウム、酸化カルシウム、マグ
ネシア、亜鉛華、酸化鉛(II)などが挙げられ、いずれか
1種が単独で使用されたり、あるいは、2種以上が併用
されたりする。加硫剤の添加量は、加硫を効果的に行う
という点からは、吸水性樹脂とエラストマーの合計重量
100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲が特に
好ましい。加硫促進剤の添加量は、加硫を効果的に行う
という点からは、吸水性樹脂とエラストマーの合計重量
100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲が特に
好ましい。加硫助剤の添加量は、加硫を効果的に行うと
いう点からは、吸水性樹脂とエラストマーの合計重量1
00重量部に対して0.1〜10重量部の範囲が特に好
ましい。エラストマーの種類によっては本発明の水膨潤
性ゴム用組成物を加硫することなく、均一に混練するこ
とにより本発明の水膨潤性ゴムとすることができる。こ
のようなエラストマーとしては、たとえば、エチレン/
α−オレフィン共重合体、エチレン/α−オレフィン/
非共役ジエン共重合体、ポリウレタンなどを挙げること
ができる。
【0036】無機充填剤としては特に制限はなく、種々
の無機物が使用できる。無機物の例として、二酸化チタ
ン、クレー、カオリン、ベントナイト、炭酸カルシウ
ム、シリカ、タルク、亜鉛華、ゼオライト、ホワイトカ
ーボンなどが挙げられ、いずれか1種が単独で使用され
たり、あるいは、2種以上が併用されたりする。無機充
填剤の添加量は、吸水性樹脂とエラストマーの合計重量
100重量部に対して、10〜50重量部の範囲が特に
好ましい。
【0037】上述の添加物は、前記必須成分と同時に混
合してもよいし、また順次混合してもよい。本発明の水
膨潤性ゴム用組成物を加硫することにより、本発明の水
膨潤性ゴムが得られる。加硫の熱処理条件は、たとえ
ば、100〜200℃で1〜30分間の加熱処理であ
る。本発明の水膨潤性ゴム用組成物を必要により押出成
形、プレス成形などの成形を行っている間にまたは成形
後にから加硫してもよい。
【0038】加圧下吸水倍率が8倍以上の吸水性樹脂を
用いた場合、著しく膨潤速度が速く、自己修復性に優れ
た水膨潤性ゴムが得られる理由は明確ではないが、次の
ように推察される。すなわち、水膨潤性ゴムは、通常、
無機充填剤や連続気泡などのいわゆる「みずみち」を通
じて吸水性樹脂と水が接触するが、この際、前記特定の
平均粒子径と加圧下吸水倍率を有する吸水性樹脂を使用
した場合、膨潤規制がないためか又は少ないためであろ
うと推察される。
【0039】
【実施例】以下に、本発明の実施例および本発明の範囲
を外れた比較例を示すが、本発明は下記実施例に限定さ
れない。実施例中、「部」は「重量部」を表し、「%」
は「重量%」を表す。 (参考例1)温度計を備えた容量10リットルの卓上型
ジャケット付ニーダーに、アクリルアミド40%水溶液
2911部、アクリル酸ナトリウム37%水溶液178
6部、ナトリウムスルホエチルメタクリレート43%水
溶液119部、N,N−メチレンビスアクリルアミド1
8.1部およびイオン交換水502部を仕込み、攪拌下
溶解させた。得られた単量体水溶液中の溶存酸素を窒素
ガスを用いて除去した後、20℃に調節した。この20
℃の溶液に攪拌下、過硫酸ナトリウム10%水溶液82
部およびL−アスコルビン酸1%水溶液82部を添加し
た。直ちに重合が開始し、約100分でピーク温度(1
02℃)に到達した。重合開始からピーク温度到達まで
の間、ニーダージャケット温度は、内温と等しくなるよ
うにコントロールした。次いで同温度に5分間保持した
後、重亜硫酸ナトリウム35%水溶液56部とイオン交
換水333部からなる混合液を噴霧して重合を完結せし
め、含水ゲルを得た。
【0040】この含水ゲルをパーフェクトオーブンPH
−100(タバイ社製)を用いて160℃、3時間で乾
燥した。次いで、乾燥物をハンマーミルを用いて粉砕し
た後、更にジェット粉砕機で粉砕することにより平均粒
子径が15μmの吸水性樹脂(1)を得た。吸水性樹脂
(1)の加圧下吸水倍率を図1に示す装置を用いて次の
ようにして測定した。すなわち、ビュレット1の上口2
に栓3をし、測定台4と空気口5を等高位にセットし
た。測定台4中の中央部にある直径70mmのガラスフィ
ルター6上に濾紙7を載せる。直径55mmの支持円筒1
0の下端部に不織布8を固定し、不織布8上に吸水性樹
脂0.2gを均一に散布し、さらに20g/cm2の荷重9
をのせる。この不織布−吸水性樹脂−荷重を支持円筒ご
とにガラスフィルター6の上の濾紙7上にのせ、30分
間にわたって吸水した人工海水の値A(ml)を測定し、
次式により加圧下の吸水倍率(倍:単位はml/gである)
を求めた。
【0041】加圧下の吸水倍率(倍:単位はml/gであ
る)=A(ml)/0.2(g) このようにして、吸水性樹脂(1)の加圧下吸水倍率を
測定した結果、その値は、11.5(ml/g)であった。 (参考例2)参考例1においてN,N−メチレンビスア
クリルアミド18.1部の代わりにN,N−メチレンビ
スアクリルアミド10.8部を用いた他は参考例1と同
様にして平均粒子径が15μmの吸水性樹脂(2)を得
た。吸水性樹脂(2)の加圧下吸水倍率を参考例1と同
様にして測定した結果、その値は8.5(ml/g)であっ
た。 (参考例3)参考例1においてN,N−メチレンビスア
クリルアミド18.1部の代わりにN,N−メチレンビ
スアクリルアミド25.3部を用いた他は参考例1と同
様にして平均粒子径が15μmの吸水性樹脂(3)を得
た。吸水性樹脂(3)の加圧下吸水倍率を参考例1と同
様にして測定した結果、その値は15.5(ml/g)であ
った。 (参考例4)参考例1において、ジェット粉砕機の粉砕
条件をかえて、平均粒子径が60μmの吸水性樹脂
(4)を得た。吸水性樹脂(4)の加圧下吸水倍率を参
考例1と同様にして測定した結果、その値は13.0
(ml/g)であった。 (比較参考例1)参考例1においてN,N−メチレンビ
スアクリルアミド18.1部の代わりにN,N−メチレ
ンビスアクリルアミド7.2部を用いた他は参考例1と
同様にして平均粒子径が15μmの比較用吸水性樹脂
(1)を得た。比較用吸水性樹脂(1)の加圧下吸水倍
率を参考例1と同様にして測定した結果、その値は7.
5(ml/g)であった。 (比較参考例2)容量500mlの円筒型セパラブルフラ
スコにスルホエチルメタクリレートのナトリウム塩6.
5部、アクリルアミド50.0部、アクリル酸ナトリウ
ム25.4部、N,N−メチレンビスアクリルアミド
0.31部およびイオン交換水140部を仕込み均一に
溶解させた。フラスコ内を窒素置換したのち、湯浴上
で、25℃に加熱し、20%過硫酸ナトリウム水溶液
1.94部および2%L−アスコルビン酸水溶液1.9
4部を加え、攪拌を停止して重合させた。
【0042】得られた重合物を細分化した後、この含水
ゲルを参考例1と同様に処理して平均粒子径が15μm
の比較用吸水性樹脂(2)を得た。比較用吸水性樹脂
(2)の加圧下吸水倍率を参考例1と同様にして測定し
た結果、その値は7.1(ml/g)であった。 (比較参考例3)比較参考例2でジェット粉砕を行わず
に、ハンマーミルのみで粉砕して平均粒子径が100μ
mの比較用吸水性樹脂(3)を得た。比較用吸水性樹脂
(3)の加圧下吸水倍率を参考例1と同様にして測定し
た結果、その値は9.0(ml/g)であった。 (実施例1)エチレン−プロピレン共重合体ゴム(プロ
ピレン含量50%、ENBタイプ、ヨウ素価8)100
部にクレー80部、亜鉛華5部、ステアリン酸1部、界
面活性剤10部、参考例1で得られた吸水性樹脂(1)
100部の配合物をBR型バンバリーを用いて得た後、
この配合物にソクシノールBZ/TT/TRA/M(住
友化学工業社製、加硫促進剤)を各々2/0.5/0.
5/1部およびイオウ0.75部をロールにて添加し、
160℃、10分間加硫して厚さ2mmのシートを得た。
このシートを86mmφに打抜きテストピース2枚を得
た。このテストピースを水中または人工海水中に24時
間浸漬した後、次式に従って体積増加率(%)を算出し
た。その結果を表1に示した。
【0043】 体積増加率(%)=〔(B−A)×100〕/A (ただし、Aは浸漬前のテストピースの体積であり;B
は浸漬後のテストピースの体積である) (実施例2〜4)参考例2〜4で得られた吸水性樹脂
(2)〜(4)を用いた他は実施例1と全く同様にして
シートを作成し、このシートの体積増加率を実施例1と
同様にして測定した。その結果を表1に示した。 (比較例1〜3)比較参考例1〜3で得られた比較用吸
水性樹脂(1)〜(3)を用いた他は実施例1と全く同
様にしてシートを作成し、このシートの体積増加率を実
施例1と同様にして測定した。その結果を表2に示し
た。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】(実施例5)参考例1で得られた吸水性樹
脂(1)50部をクロロプレンゴム(トーソー社製、B
−10)100部、ステアリン酸0.5部、酸化マグネ
シウム4部、亜鉛華(1号)5部、加硫促進剤0.5部
とともに10インチ試験ロールで30分間混練したの
ち、厚さ3.5mmのコンパウンドを得た。このコンパウ
ンドを電熱プレスにより160℃で30分間加硫し、厚
さ3mmのシート状水膨潤製ゴムを得た。該シートを86
mmφに打抜き、テストピース2枚を得た。このようにし
て得たテストピースを実施例1と同様にして体積増加率
を測定した。その結果を表3に示した。 (実施例6〜8)参考例2〜4で得られた吸水性樹脂
(2)〜(4)を用いた他は実施例5と全く同様にして
シートを作成し、このシートの体積増加率を実施例5と
同様にして測定した。その結果を表3に示した。 (比較例4〜6)比較参考例1〜3で得られた比較用吸
水性樹脂(1)〜(3)を用いた他は実施例5と全く同
様にしてシートを作成し、このシートの体積増加率を実
施例5と同様にして測定した。その結果を表4に示し
た。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】実施例1〜4、5〜8の水膨潤性ゴムは、
それぞれ、平均粒子径5〜70μm、かつ加圧下吸水倍
率8倍以上の吸水性樹脂とエラストマーとを含む水膨潤
性ゴム用組成物を使っているので、表1と2、3と4に
みるように、比較例1〜3、4〜6のものに比べてはる
かに大きい体積増加率を有する。実施例2と比較例1・
2とを、実施例6と比較例4・5とをそれぞれ対比する
と、加圧下吸水倍率が8倍以上である吸水性樹脂を用い
た(実施例2および6)か否(比較例1・2および4・
5)かで水膨潤性ゴムの体積増加率にきわめて大きい差
が生じる。また、実施例4と比較例3とを、実施例8と
比較例6とをそれぞれ対比すると、平均粒子径が70μ
m以下である吸水性樹脂を用いた(実施例4および8)
か否(比較例3および6)かで水膨潤性ゴムの体積増加
率にきわめて大きい差が生じる。なお、実施例1・3、
5・7の水膨潤性ゴムは、平均粒子径10〜50μm、
かつ加圧下吸水倍率10〜16倍の吸水性樹脂を使って
いるので、それぞれ、実施例2、6のものに比べて大き
い体積増加率を有する。 (参考例5)温度計を備えた容量2.5リットルの卓上
型ジャケット付き双腕型ニーダー(内面は三弗化エチレ
ン樹脂でライニング処理されている)に37%アクリル
酸ナトリウム水溶液517.5部(単量体成分のアクリ
ル酸ナトリウム含有量は32%である)、メトキシポリ
エチレングリコール(EO平均付加モル数9モル)メタ
クリレート408.5部(単量体成分のメトキシポリエ
チレングリコールメタクリレート含有量は68%であ
る)、イオン交換水272.1部および架橋剤としてポ
リエチレングリコール(EO平均付加モル数8モル)ジ
アクリレート(PEGDA−8)0.68部(対モノマ
ー0.05モル%)を仕込み攪拌混合した。この混合物
中の単量体濃度は50%で、混合物の曇点は42℃であ
った。
【0050】この混合物をN2気流下、攪拌しながらジ
ャケットに40℃の温水を流して内容物を40℃に昇温
した後、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−ア
ミジノプロパン)塩酸塩(和光純薬工業株式会社製V−
50)1.18部(対モノマー0.15モル%)を添加
して10秒間攪拌し溶解した後、攪拌を停止した。直ち
に重合が開始して59分でピーク温度69℃に到達し
た。次いで、ジャケット温度を80℃に上げて、1時間
熟成した。熟成終了後、ブレード回転数36rpmで1
0分間の解砕を行った。ニーダーを反転し、含水ゲルを
ニーダーの重合容器から取り出した。含水ゲルの重合容
器への付着は全く認められなかった。
【0051】かくして得られた微細な含水ゲルを熱風循
環式乾燥機で120℃、4時間乾燥した。乾燥後、卓上
簡易型粉砕機(共立理工(株)製)を用いて粉砕し、平
均粒子径が70μmの吸水性樹脂微粉末(5)を得た。
吸水性樹脂(5)の加圧下吸水倍率を参考例1と同様に
して測定した。結果を表8に示した。 (参考例6〜17)単量体成分の組成・種類、架橋剤の
種類・量、重合開始剤の種類・量、単量体濃度、または
重合開始温度を表5と6に示すとおりに変えた他は参考
例5と同様にして吸水性樹脂(6)〜(17)を得た。
重合開始剤を添加する直前の内容物の曇点も表5と6に
示した。
【0052】吸水性樹脂(6)〜(17)の平均粒子
径、加圧下吸水倍率を参考例1と同様にして測定し、表
8に示した。 (比較参考例4〜9)単量体成分の組成・種類、架橋剤
の種類・量、重合開始剤の種類・量、単量体濃度、また
は重合開始温度を表7に示すとおりに変えた他は参考例
5と同様にして比較用吸水性樹脂(4)〜(9)を得
た。重合開始剤を添加する直前の内容物の曇点も表7に
示した。
【0053】比較吸水性樹脂(4)〜(9)の平均粒子
径、加圧下吸水倍率を参考例1と同様にして測定し、表
9に示した。
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】
【0057】表5〜7において、VA−044は、2,
2’−〔2−(イミダゾリン−2−イル)プロパン〕2
塩酸塩(和光純薬工業株式会社製)、TMPTAは、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、MBAAは、
N,N’−メチレンビスアクリルアミドである。参考例
5〜11・14〜17と比較参考例4・5・8で使用し
た(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、メトキシポ
リエチレングリコール(EO平均付加モル数9)メタク
リレート、参考例12で使用した(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体は、メトキシポリエチレングリコール
(EO平均付加モル数50)メタクリレート、参考例1
3で使用した(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、
ブトキシポリエチレングリコール(EO平均付加モル数
30)アクリレート、比較参考例6で使用した(メタ)
アクリル酸エステル系単量体は、メトキシポリエチレン
グリコール(EO平均付加モル数60)メタクリレー
ト、比較参考例7で使用した(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体は、フェノキシポリエチレングリコール(E
O平均付加モル数30)メタクリレートであった。 (実施例9〜21)参考例5〜17で得られた吸水性樹
脂(5)〜(17)を用いた他は実施例5と全く同様に
してシートを作成し、このシートの体積増加率を実施例
5と同様にして測定した。その結果を表8に示した。 (実施例22)吸水性樹脂(8)の使用量を20部とし
た他は実施例12と全く同様にしてシートを作成し、こ
のシートの体積増加率を実施例5と同様にして測定し
た。その結果を表8に示した。 (比較例7〜11)比較参考例4〜8で得られた比較用
吸水性樹脂(4)〜(8)を用いた他は実施例5と全く
同様にしてシートを作成し、このシートの体積増加率を
実施例5と同様にして測定した。その結果を表9に示し
た。 (比較例12)吸水性樹脂(5)に代えて、市販のポリ
アクリル酸系吸水性樹脂を用いた他は実施例5と全く同
様にしてシートを作成し、このシートの体積増加率を実
施例5と同様にして測定した。その結果を表9に示し
た。
【0058】なお、比較例12で用いた市販のポリアク
リル酸系吸水性樹脂の平均粒子径、加圧下吸水倍率を参
考例1と同様にして測定し、表9に示した。
【0059】
【表8】
【0060】
【表9】
【0061】実施例9〜22の水膨潤性ゴムは、それぞ
れ、平均粒子径5〜70μm、かつ加圧下吸水倍率8倍
以上の吸水性樹脂とエラストマーとを含む水膨潤性ゴム
用組成物を使っているので、表8と9にみるように、比
較例7〜12のものに比べてはるかに大きい体積増加率
を有する。実施例9〜22の水膨潤性ゴムは、それぞ
れ、該吸水性樹脂として、一般式(1)で表される(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体の量が25〜70重量
%の範囲内である単量体成分から作られたものを使って
いるので、実施例1〜8のものに比べてはるかに大きい
体積増加率を有する。
【0062】比較例7の水膨潤性ゴムは、一般式(1)
で表される(メタ)アクリル酸エステル系単量体の量が
25〜70重量%の範囲外である単量体成分から作ら
れ、平均粒子径70μm超で加圧下吸水倍率8倍未満の
吸水性樹脂を使っているため、体積増加率に劣ってい
る。比較例8の水膨潤性ゴムは、平均粒子径5〜70μ
mの範囲内である吸水性樹脂を使っているにもかかわら
ず、該吸水性樹脂が一般式(1)で表される(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体の量が25〜70重量%の範
囲外である単量体成分から作られ、加圧下吸水倍率8倍
未満であるため、体積増加率に劣っている。
【0063】比較例9の水膨潤性ゴムは、平均粒子径5
〜70μmの範囲内である吸水性樹脂を使っているにも
かかわらず、該吸水性樹脂が一般式(1)におけるn値
が50を越えている(メタ)アクリル酸エステル系単量
体を含む単量体成分から作られ、加圧下吸水倍率8倍未
満であるため、体積増加率に劣っている。比較例10の
水膨潤性ゴムは、平均粒子径5〜70μmの範囲内であ
る吸水性樹脂を使っているにもかかわらず、該吸水性樹
脂が一般式(1)におけるYがフェニル基である(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分から
作られ、加圧下吸水倍率8倍未満であるため、体積増加
率に劣っている。
【0064】比較例11の水膨潤性ゴムは、平均粒子径
5〜70μmの範囲内であり、一般式(1)で表される
(メタ)アクリル酸エステル系単量体の量が25〜70
重量%の範囲内である単量体成分から作られた吸水性樹
脂を使っているにもかかわらず、該吸水性樹脂が加圧下
吸水倍率8倍未満であるため、体積増加率に劣ってい
る。
【0065】比較例12の水膨潤性ゴムは、平均粒子径
5〜70μmの範囲内である吸水性樹脂を使っているに
もかかわらず、該吸水性樹脂が加圧下吸水倍率8倍未満
であるため、体積増加率に劣っている。実施例の水膨潤
性ゴムの中でも、実施例9〜12・16〜18・21の
ものは、他の実施例のものに比べて体積増加率に優れて
いる。
【0066】実施例10と、実施例13・14・19・
20との対比から、架橋剤としては上記特定のポリアル
キレングリコールジ(メタ)アクリレートの方が加圧下
吸水倍率のより大きい吸水性樹脂を生成することがわか
る。実施例10と実施例15との対比から、一般式
(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル系単量体
の量が25〜70重量%の範囲内である単量体成分の重
合を曇点未満の温度で開始する方が加圧下吸水倍率のよ
り大きい吸水性樹脂を生成することがわかる。
【0067】
【発明の効果】本発明の水膨潤性ゴム用組成物は、吸水
性樹脂とエラストマーとを含み、吸水性樹脂が5〜70
μmの平均粒子径と8倍以上の加圧下吸水倍率を有する
ので、著しく膨潤速度が速く、自己修復性に優れた水膨
潤性ゴムを作るためのコンパウンドとして有用である。
【0068】下記一般式(1):
【0069】
【化4】
【0070】(ただし、Rは水素またはメチル基であ
り;Xは、全オキシアルキレン基に対するオキシエチレ
ン基のモル分率が50モル%以上である炭素数2〜4の
オキシアルキレン基であり;Yは、炭素数1〜5のアル
コキシ基であり;nは平均で3〜50の正数である)で
表される(メタ)アクリル酸エステル系単量体を25〜
70重量%含む単量体成分を重合することにより得られ
た吸水性樹脂は容易に10倍以上または18倍以上の加
圧下吸水倍率を持ちうるので、本発明の水膨潤性ゴム用
組成物がこの吸水性樹脂を含むときには、膨潤速度がよ
り速くて自己修復性により優れ、耐久性にも優れた水膨
潤性ゴムをつくるのに有用であるという利点をさらに有
する。
【0071】前記単量体成分の重合を、前記単量体成分
を含む混合物の曇点未満の温度で開始して得られた吸水
性樹脂は均一な共重合組成を有し10倍以上または18
倍以上の加圧下吸水倍率を有しうるので、本発明の水膨
潤性ゴム用組成物がこの吸水性樹脂を含むときには、膨
潤速度がより速くて自己修復性により優れ、耐久性にも
優れた水膨潤性ゴムをつくるのに有用であるという利点
をさらに有する。
【0072】前記混合物が架橋剤を含み、前記架橋剤
が、エチレンオキサイドのモル分率50%以上である炭
素原子数2〜4のアルキレンオキサイドの平均付加モル
数4〜100のポリアルキレングリコールジ(メタ)ア
クリレートであるときには、吸水性樹脂が容易に10倍
以上または18倍以上の加圧下吸水倍率を有しうるの
で、本発明の水膨潤性ゴム用組成物がこの吸水性樹脂を
含むときには、膨潤速度がより速くて自己修復性により
優れ、耐久性にも優れた水膨潤性ゴムをつくるのに有用
であるという利点をさらに有する。
【0073】本発明の水膨潤性ゴムは、上記本発明の第
1から第4までのいずれかの態様の水膨潤性ゴム用組成
物を加硫する工程を含む方法により得られるので、著し
く膨潤速度が速く、自己修復性に優れている。本発明の
水膨潤性ゴムは、上記本発明の第2から第4までのいず
れかの態様の水膨潤性ゴム用組成物を用いたときには、
膨潤速度がより速くて自己修復性により優れ、耐久性に
も優れているという利点をさらに有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例・比較例で用いた、加圧下吸水
倍率を測定するための装置を示す断面図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水性樹脂とエラストマーとを含み、前記
    吸水性樹脂が5〜70μmの平均粒子径と8倍以上の加
    圧下吸水倍率を有する水膨潤性ゴム用組成物。
  2. 【請求項2】前記吸水性樹脂が、下記一般式(1): 【化1】 (ただし、Rは水素またはメチル基であり;Xは、全オ
    キシアルキレン基に対するオキシエチレン基のモル分率
    が50モル%以上である炭素数2〜4のオキシアルキレ
    ン基であり;Yは、炭素数1〜5のアルコキシ基であ
    り;nは平均で3〜50の正数である)で表される(メ
    タ)アクリル酸エステル系単量体を25〜70重量%含
    む単量体成分を重合することにより得られる、請求項1
    に記載の水膨潤性ゴム用組成物。
  3. 【請求項3】前記単量体成分の重合を、前記単量体成分
    を含む混合物の曇点未満の温度で開始する、請求項2に
    記載の水膨潤性ゴム用組成物。
  4. 【請求項4】前記混合物が架橋剤を含み、前記架橋剤
    が、エチレンオキサイドのモル分率50%以上である炭
    素原子数2〜4のアルキレンオキサイドの平均付加モル
    数4〜100のポリアルキレングリコールジ(メタ)ア
    クリレートである、請求項3に記載の水膨潤性ゴム用組
    成物。
  5. 【請求項5】請求項1から4までのいずれかに記載の水
    膨潤性ゴム用組成物を加硫する工程を含む方法により得
    られる水膨潤性ゴム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002533555A (ja) * 1998-12-23 2002-10-08 ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン 水膨潤性のホットメルト接着剤
JP2015048386A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 株式会社日本触媒 吸水性樹脂の微粉砕方法及び耐塩性に優れた吸水性樹脂
WO2022172446A1 (ja) * 2021-02-15 2022-08-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 重合性組成物、成形体及び複合部材

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