JPH08277300A - 抗リボヌクレオチドレダクターゼr2サブユニットモノクローナル抗体 - Google Patents

抗リボヌクレオチドレダクターゼr2サブユニットモノクローナル抗体

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JPH08277300A
JPH08277300A JP8019676A JP1967696A JPH08277300A JP H08277300 A JPH08277300 A JP H08277300A JP 8019676 A JP8019676 A JP 8019676A JP 1967696 A JP1967696 A JP 1967696A JP H08277300 A JPH08277300 A JP H08277300A
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rnr
monoclonal antibody
antibody
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cells
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JP8019676A
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English (en)
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Toshiaki Saeki
俊昭 佐伯
Toshiaki Kamei
敏昭 亀井
Akiko Furuya
安希子 古谷
Nobuo Hanai
陳雄 花井
Takeshi Takahashi
高橋  健
Masami Okabe
正実 岡部
Motoo Yamazaki
基生 山▲崎▼
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KH Neochem Co Ltd
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Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リボヌクレオチドレダクターゼ(RNR)R
2サブユニットに特異的に反応し、且つRNRの活性を
阻害する作用を有するモノクローナル抗体及び該抗体を
用いてRNRのR2サブユニットを免疫学的に検出する
方法を提供する。 【解決手段】 本発明のモノクローナル抗体により、組
織診断や細胞診においてセルサイクルマーカーや増殖マ
ーカーとして有用なRNRを免疫学的に検出することが
できるとともにRNR活性を阻害することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、組織診断や細胞診
等において、セルサイクルマーカーや増殖マーカーとし
て有用なリボヌクレオチドレダクターゼR2サブユニッ
トに特異的に反応するモノクローナル抗体及び該抗体を
用いるリボヌクレオチドレダクターゼR2サブユニット
の免疫学的検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リボヌクレオチドレダクターゼ(以下、
RNRと略記する。)は、リボヌクレオシド2リン酸を
還元しDNAの材料となるデオキシリボヌクレオシド2
リン酸を生成する酵素である。RNR活性と細胞増殖速
度に強い相関が見られること、及び細胞内のデオキシリ
ボヌクレオチドのプールは少ないことなどから、RNR
はDNA合成の律速段階を司り、その制御に関わってい
ると考えられている(Annu. Rev. Biochem.,48,133-15
8,1979 )。
【0003】従って、RNRはセルサイクルマーカーや
増殖マーカーとして利用することができると考えられ
る。実際、RNR活性はセルサイクルに依存的に増減
し、G0/G1期に低くS期に最高となることが知られ
ている。RNRは各々単独では全く活性を持たないR1
とR2の2つのサブユニットから構成されているが、R
1サブユニットの発現量は常に一定で十分量あり、RN
R活性はセルサイクル依存的に増減するR2サブユニッ
トの発現量によりコントロールされていることが報告さ
れている〔J.B.C., 256(18),9436-9440,1981〕。また、
RNR活性はヒト腫瘍組織において正常組織より高いこ
とが報告されており(Life Science,28,1007-1014,198
1)、RNRは腫瘍マーカー又は腫瘍の増殖マーカーと
しても利用することができると考えられる。
【0004】しかしながら、従来のRNR活性の測定法
(Analytical Biochemistry,34,123-130,1970)は煩雑で
あり、また組織における局在を調べる等の目的には不向
きであるため、特異的で簡便な検出方法が望まれてい
る。RNRに対するモノクローナル抗体としては、R1
サブユニットに対して反応し、RNR活性を阻害する抗
体が知られている〔Acta Chem.Scand.,B36 (5),343,198
2 〕。R2サブユニットに対して反応するモノクローナ
ル抗体は知られている〔The EMBO Journal, 7 (6),161
5,1988 〕が、当該モノクローナル抗体はRNR活性を
阻害する作用を有していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、セル
サイクルマーカーや増殖マーカーとして有用なRNRの
R2サブユニットに特異的に反応するモノクローナル抗
体であって、RNR活性を阻害する性質を有するモノク
ローナル抗体を提供することにある。本発明のモノクロ
ーナル抗体は、RNRに対する中和活性を有しており、
濃度依存的にRNR活性を阻害することができる。した
がって、本発明のモノクローナル抗体は細胞及び組織中
のRNRのR2サブユニットを免疫学的に検出するだけ
でなく、RNRの細胞内での役割や生物学的機能の研究
に有効であり、癌の基礎研究に対する新たな知見を得る
ことができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒトRN
RのR2サブユニットのC末ペプチドを免疫原に用いて
ハイブリドーマを作製し、該ペプチドに特異的に反応す
るモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ株を確立し、
該ハイブリドーマを培地中に培養するか動物に投与して
腹水癌化し、培養上清または腹水を採取することにより
モノクローナル抗体を得た。これを用いてウエスタンブ
ロッティングおよび免疫沈降反応を行ったところ、該モ
ノクローナル抗体がRNRのR2サブユニットの分子量
に一致する45Kダルトンの蛋白質に反応すること及び
該モノクローナル抗体がRNR活性を阻害する作用を有
することを見出した。さらに、該モノクローナル抗体を
用いて培養細胞や各種ヒト組織の免疫学的染色を行った
ところ、該抗体が細胞及びヒト組織中のRNRを特異的
に検出しうることを見出し本発明を完成させた。
【0007】本発明は、RNRのR2サブユニットに特
異的に反応し、且つRNR活性を阻害する作用を有する
モノクローナル抗体に関する。本発明のリボヌクレオチ
ドレダクターゼR2サブユニットに特異的に反応するモ
ノクローナル抗体(以下、抗RNR・R2サブユニット
モノクローナル抗体という。)の具体例としては、ハイ
ブリドーマ細胞株KM1054が生産するモノクローナ
ル抗体KM1054をあげることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。 (1)動物の免疫と抗体産生細胞の調製 抗原として用いるペプチドは免疫原性を高める目的で、
キーホールリンペットヘモシアニン(以下、KLHと略
記する。)やウシ血清アルブミン(以下、BSAと略記
する。)などのキャリア蛋白質とグルタールアルデヒド
やN−(m−マレイミドベンゾイルオキシ)スクシンイ
ミド(以下、MBSと略記する。)などの架橋剤を用い
て結合させる。
【0009】3〜20週令のマウスまたはラットに、配
列番号1に示したアミノ酸配列を有するヒトRNRのR
2サブユニットC末ペプチドの上記キャリア蛋白質との
コンジュゲートを免疫して、その動物の脾、リンパ節、
末梢血等より抗体産生細胞を採取する。免疫は、動物の
皮下あるいは静脈内あるいは腹腔内に、適当なアジュバ
ント〔例えば、フロインドの完全アジュバント(Com
plete Freund’s Adjuvant)ま
たは水酸化アルミニウムゲルと百日咳菌ワクチンなど〕
とともに抗原を投与することにより行う。抗原の投与
は、1回目の投与の後1〜2週間おきに5〜10回行
う。各投与後3〜7日目に眼底静脈叢より採血し、その
血清が抗原と反応することを酵素免疫測定法〔酵素免疫
測定法(ELISA法):医学書院刊 1976年〕な
どで調べる。
【0010】免疫に用いたペプチドに対し、その血清が
十分な抗体価を示したマウスまたはラットを抗体産生細
胞の供給源として供する。抗体産生細胞と骨髄腫細胞の
融合に供するに当たっては、例えば、抗体産生細胞とし
て脾細胞を用いる場合は、抗原の最終投与後3〜7日目
に、免疫したマウスより脾臓を摘出し、脾細胞を採取す
る。脾臓をMEM培地(日水製薬社製)中で細断し、ピ
ンセットでほぐし、遠心分離(1,200rpm 、5
分間)した後、上清を捨て、トリス−塩化アンモニウム
緩衝液(pH7.65)で1〜2分間処理して赤血球を
除去し、MEM培地で3回洗浄して融合用脾細胞とす
る。
【0011】(2)骨髄腫細胞の調製 骨髄腫細胞としては、マウスから得られた株化細胞を使
用する。例えば、8−アザグアニン耐性マウス(BAL
B/c由来)骨髄腫細胞株P3−X63Ag8−U1
(P3−U1)〔カレント・トピックス・イン・ミクロ
バイオロジー・アンド・イムノロジー(Current Topics
in Microbiology and Immunology) 81,1-7 (1978)〕、
ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イムノロジー(Euro
pean J. Immunology)6 , 511-519(1976) 〕、SP2/
0−Ag14(SP−2)〔ネイチャー(Nature)276 ,
269-270(1978) 〕、P3−X63−Ag8653(65
3)〔ジャーナル・オブ・イムノロジー(J. Immunolog
y) 123 , 1548-1550 (1979)〕、P3−X63−Ag8
(X63)〔ネイチャー(Nature) 256, 495-497(1975)
〕などが用いられる。これらの細胞株は、8−アザグ
アニン培地〔RPMI−1640培地にグルタミン
(1.5mM)、2−メルカプトエタノール(5×10
-5M)、ジェンタマイシン(10μg/ml)および牛
胎児血清(FCS)(CSL社製、10%)を加えた培
地(以下、正常培地という。)に、さらに8−アザグア
ニン(15μg/ml)を加えた培地〕で継代するが、
細胞融合の3〜4日前に正常培地に継代し、融合当日2
×107 個以上の細胞数を確保する。
【0012】(3)細胞融合 (1)で得られた抗体産生細胞と(2)で得られた骨髄
腫細胞をMEM培地またはPBS(リン酸二ナトリウム
1.83g、リン酸一カリウム0.21g、食塩7.6
5g、蒸留水1リットル、pH7.2)でよく洗浄し、
細胞数が、抗体産生細胞:骨髄腫細胞=5〜10:1に
なるよう混合し、遠心分離(1,200rpm、5分
間)した後、上清を捨て、沈澱した細胞群をよくほぐし
た後、攪拌しながら、37℃で、ポリエチレングリコー
ル−1,000(PEG−1,000)2g、MEM2
mlおよびジメチルスルホキシド0.7mlの混液0.
2〜1ml/108 抗体産生細胞を加え、1〜2分間毎
にMEM培地1〜2mlを数回加えた後、MEM培地を
加えて全量が50mlになるようにする。遠心分離(9
00rpm、5分間)後、上清を捨て、ゆるやかに細胞
をほぐした後、メスピペットによる吸込み、吹出しでゆ
るやかに細胞をHAT培地〔正常培地にヒポキサンチン
(10-4M)、チミジン(1.5×10-5M)およびア
ミノプテリン(4×10-7M )を加えた培地〕100
ml中に懸濁する。この懸濁液を96穴培養用プレート
に100μl/穴ずつ分注し、5%CO2 インキュベー
ター中、37℃で7〜14日間培養する。
【0013】培養後、培養上清の一部をとり、以下に述
べる酵素免疫測定法などにより、ヒトRNRのR2サブ
ユニットのC末ペプチドに特異的に反応する穴を選択す
る。ついで、限界希釈法によりクローニングを2回繰り
返し〔1回目は、HT培地(HAT培地からアミノプテ
リンを除いた培地)、2回目は、正常培地を使用す
る〕、安定して強い抗体価の認められたものを抗RNR
・R2サブユニットモノクローナル抗体産生ハイブリド
ーマ株として選択する。当該ハイブリドーマ株の具体例
としては、ハイブリドーマ株KM1054、KM105
6およびKM1060等が挙げられる。ハイブリドーマ
株KM1054は、平成6年11月8日付で工業技術院
生命工学工業技術研究所に、FERM BP−4875
として寄託されている。
【0014】酵素免疫測定法 抗原として用いるRNRのR2サブユニットのC末ペプ
チドは、免疫に用いたものとは異なる蛋白質をキャリア
蛋白質として用い、グルタールアルデヒドやMBSなど
の架橋剤を用いて結合させる。ヒトRNRのR2サブユ
ニットのC末ペプチドとキャリア蛋白質とのコンジュゲ
ート1〜50μg/mlを10〜100μl/穴ずつ9
6穴プレートに分注し、4℃で一晩放置してプレートに
吸着させる。BSA溶液などでブロッキングした後、ハ
イブリドーマ培養上清を第一抗体として50〜100μ
l/穴ずつ分注し、室温で2時間または4℃で一晩反応
させる。PBSまたはPBSに0.05%Tween−
20を加えた溶液(以下、Tween−PBSと略記す
る)で洗浄した後、第二抗体としてビオチン、酵素、化
学発光物質あるいは放射線化合物等で標識した抗マウス
イムノグロブリン抗体もしくは抗ラットイムノグロブリ
ン抗体1〜50μg/mlを50〜100μl/穴ずつ
分注し、室温1 〜2時間反応させる。よく洗浄した後、
第二抗体の標識物質に応じた反応を行ない、ヒトRNR
のR2サブユニットのC末ペプチドに特異的に反応する
穴を抗RNR・R2サブユニットモノクローナル抗体を
生産するハイブリドーマとして選択する。
【0015】(4)モノクローナル抗体の調製 プリスタン処理〔2,6,10,14−テトラメチルペ
ンタデカン(Pristane)0.5mlを腹腔内投
与し、2週間飼育する〕した8〜10週令のマウスまた
はヌードマウスに、(3)で得られる抗RNR・R2サ
ブユニットモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞
2×107 〜5×106 細胞/匹を腹腔内注射する。1
0〜21日間でハイブリドーマは腹水癌化する。このマ
ウスから腹水を採取し、遠心分離(3,000rpm、
5分間)して固形分を除去後、40〜50%飽和硫酸ア
ンモニウムで塩析し、カプリル酸沈殿法により精製モノ
クローナル抗体とするか、DEAE−セファロースカラ
ム、プロテインAカラム又はセルロファインGSL20
00(生化学工業社製)のカラムに通塔し、IgGまた
はIgM画分を集め、精製モノクローナル抗体とする。
【0016】抗体のサブクラスの決定は、マウスモノク
ローナル抗体タイピングキット(ザイメット社製)又は
ラットモノクローナル抗体タイピングキット(ノルディ
ック・イムノロジー社製)を用いて行う。蛋白量の定量
は、ローリー法および280nmでの吸光度より算出す
る。
【0017】(5)ウエスタンブロッティングを用いる
モノクローナル抗体の特異性の検討 (4)で得られる抗RNR・R2サブユニットモノクロ
ーナル抗体の反応特異性を以下に示すウエスタンブロッ
ティングにより調べた。まず、HelaS3 などのヒト
腫瘍細胞株より以下のようにしてRNR粗精製画分を調
製する。
【0018】ヒト腫瘍細胞よりホモジネートを調製し、
遠心分離して上清を採取する。最終濃度が0.65%
(w/v)になるように硫酸ストレプトマイシン加え、
4℃で30分間攪拌後、遠心分離して上清を採取する。
次に、最終濃度50%飽和の硫酸アンモニウムを加え、
4℃で45分間攪拌後、遠心分離して沈殿を採取する。
トリス−塩酸緩衝液〔50mMトリス−塩酸(Tris-HCl)
(pH7.6),0.1mMフェニルメタンスルホニルフルオリ
ド(PMSF), 2mMジチオスレイトール(DTT)〕に溶解
し、さらに同上の緩衝液で一晩透析したものをRNR粗
精製画分として用いる。
【0019】上記のようにして調製したRNR粗精製画
分をSDSポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE) に
より分画後、ポリビニリデンジフルオリド膜(以下、P
VDF膜と略記する)にブロッティングする。1%ウシ
血清アルブミン(BSA)を含むPBS(以下、BSA
溶液と略記する)でブロッキング後、(4)で得られた
抗RNR・R2サブユニットモノクローナル抗体1〜1
0μg/mlを室温で2時間または4℃で一晩反応させ
る。PBSまたはPBS−Tweenでよく洗浄した
後、第二抗体としてビオチン、酵素、化学発光物質、放
射線化合物等で標識した抗マウスイムノグロブリン抗体
又は抗ラットイムノグロブリン抗体1〜50μg/ml
を50〜100μl/穴ずつ分注し、室温で1〜2時間
反応させる。よく洗浄した後、第二抗体の標識物質に応
じた反応を行ない、抗RNR・R2サブユニットモノク
ローナル抗体がRNRのR2サブユニットの分子量に一
致する45Kダルトンの蛋白質に反応することを確認す
る。
【0020】(6)免疫沈降反応を用いるモノクローナ
ル抗体の特異性の検討 (4)で得られる抗RNR・R2サブユニットモノクロ
ーナル抗体の反応特異性を以下に示す免疫沈降反応によ
り調べた。EIA用プレートに(4)で得られる抗RN
R・R2サブユニットモノクローナル抗体及び対照とな
る抗体の精製抗体5〜50μg/mlを50〜200μ
l/穴となるように加え、4℃で一晩放置しプレートに
吸着させる。PBSで3回洗浄後、BSA溶液を300
μl/穴加えブロッキングする。RNRのR2サブユニ
ットのC末ペプチド(100μg/ml)又はPBSを
50μl/穴で加えて室温で2時間反応させた後、He
laS3 などのヒト腫瘍細胞株より調製したRNRの粗
精製画分を100μl/穴加えて混合し、4℃で一晩反
応させる。Tween−PBSで洗浄後、SDS-PAGE用サ
ンプルバッファー(5倍濃度溶液)を50μl/穴加え
2時間室温で振とうする。PBSで5倍に希釈した後、
20μl/レーンで SDS-PAGE を用いて分画後、常法に
よりPVDF膜にブロッティングする。BSA溶液など
でブロッキング後、抗RNR・R2サブユニットモノク
ローナル抗体の精製抗体1〜10μg/mlを室温で2
時間反応させる。Tween−PBSで洗浄し、第二抗
体としてビオチン、酵素、化学発光物質、放射線化合物
等で標識した抗マウスイムノグロブリン抗体又は抗ラッ
トイムノグロブリン抗体1〜50μg/mlを加え、室
温で1〜2時間反応させる。0.02%Tweenを含
むPBSでよく洗浄した後、第二抗体の標識物質に応じ
た反応を行ない、抗RNR・R2サブユニットモノクロ
ーナル抗体がRNRのR2サブユニットの分子量に一致
する45Kダルトンの蛋白質を沈降させることを確認す
る。
【0021】(7)モノクローナル抗体のRNR活性阻
害の検討 P388細胞由来のRNR粗精製画分によるCDPから
デオキシCDPへの変換量をRNR活性の指標とし、抗
RNR・R2サブユニットモノクローナル抗体がRNR
活性を阻害できるか否かを以下のようにして調べる。
(4)で得られる抗RNR・R2サブユニットモノクロ
ーナル抗体の精製抗体を段階希釈して分注し、(5)と
同様の方法で調製したP388細胞由来のRNR粗精製
画分を混合して4℃で1〜2時間反応させる。そこにト
リチウムラベルしたCDPを含む溶液を加え、37℃で
30分間反応させた後、95℃で2分間煮沸して反応を
停止させる。さらにCrotalus adamanteus 由来のヘビ毒
を加えて37℃で2時間インキュベートし、ヌクレオチ
ドをヌクレオシドに変換した後、遠心分離し上清をポリ
エチレンイミン−ボレート−セルロース[polyethylenei
mine(PEI)-borate-cellulose] シート上にスポットす
る。展開溶液(20mMギ酸アンモニウム:エタノール=
6:4)を用いて展開し、乾燥後、ヌクレオシドとデオ
キシヌクレオシドに相当する部分を切り出し、液体シン
チレーションカウンターを用いて放射活性を測定する。
【0022】(8)モノクローナル抗体を用いた免疫細
胞染色 浮遊細胞についてはそのまま、付着細胞についてはトリ
プシンEDTA(0.1%トリプシン及び0.02%E
DTAを含むPBS)で細胞をはがした後、1×106
個ずつ分注する。PBSで洗浄後、用時調製した4%パ
ラホルムアルデヒドを100〜500μlずつ分注し、
室温で30分間放置し固定する。PBSで洗浄後、細胞
膜の抗体透過性を上げるため、メタノールを100〜5
00μlずつ分注し、−20℃で2分間処理する。PB
Sで洗浄後、10%正常ヒト血清を100〜500μl
ずつ分注し室温で30分間ブロッキングした後、(4)
で得られる抗RNR・R2サブユニットモノクローナル
抗体の精製抗体1〜10μg/mlを加えて室温で30
分間反応させる。PBSで洗浄後、FITCなどの蛍光
色素で標識した抗マウスイムノグロブリン抗体もしくは
抗ラットイムノグロブリン抗体1〜50μg/mlを1
00〜500μlずつ分注し、4℃で30分間遮光して
反応させる。反応後、よくPBSで洗浄した後、セルソ
ーターにより解析する。
【0023】抗体染色とDNA染色との2重染色を行う
場合には、抗体染色を上記のように行った後、0.25
mg/mlのRNase(シグマ社製)及び0.1%N
P40を含むPBSを1×106 細胞あたり0.9ml
加え、37℃で30分間反応させる。さらに500μg
/mlのPI(プロピウムイオダイト)及び1.0%N
P40を含むPBSを1×106 細胞あたり0.1ml
加えて混合し、氷冷中で20分間以上反応させセルソー
ターで解析する。
【0024】(9)モノクローナル抗体を用いた免疫組
織染色 ヒト各種組織のホリマリン固定パラフィン包埋組織を1
〜5ミクロンの厚さに薄切し、卵白アルブミンをコート
したスライドガラス上に固定する。キシレンで脱パラフ
ィン後、アルコール−水で段階的に親水化する。凍結切
片の場合には冷アセトン中で20分間固定する。その
後、0. 3%過酸化水素を含むメタノール中で30分間
処理し、内因性ペルオキシダーゼをブロックする。切片
をPBSで洗浄後、希釈したウマ正常血清中で20分間
ブロッキングし、(4)で得られる抗RNR・R2サブ
ユニットモノクローナル抗体の精製抗体1〜1 0μg/
mlを4℃で12時間反応させる。よく洗浄した後、第
二抗体としてビオチン、酵素、化学発光物質、放射線化
合物等で標識した抗マウスイムノグロブリン抗体又は抗
ラットイムノグロブリン抗体1〜50μg/mlを加え
て室温で30分間反応させ、洗浄した後、第二抗体の標
識物質に応じた反応を行なう。氷冷中で反応を停止させ
た後、ホリマリン固定パラフィン包埋組織の場合にはヘ
マトキシレンで核染色し、アルコール−水およびキシレ
ンで脱水後、カナダバルサムで固定し、顕鏡する。凍結
切片の場合にはグリセリン−PBSで固定し、顕鏡す
る。
【0025】以下に本発明の実施例を示す。
【0026】
【実施例】
実施例1 (1)免疫原の調製 配列番号1に示したアミノ酸配列を有するヒトRNRの
R2サブユニットのC末ペプチドを合成した後、免疫原
性を高める目的で以下のようにしてKLH(カルビオケ
ム社製)とのコンジュゲートを作製し、免疫原とした。
【0027】KLHをPBSに溶解して10mg/ml
となるようにし、1/10容量の25mg/mlのN−
(m−マレイミドベンゾイルオキシ)スクシンイミド
(MBS;ナカライテスク社製)を滴下して30分間反
応させた。予めPBSで平衡化したセファデックスG−
25カラム(ファルマシア社製)で遊離のMBSを除い
て得られたKLH−MBSの2.5mgを0.1Mリン
酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に溶解したヒトRNRのR
2サブユニットのC末ペプチド1mgと混合し、室温で
3時間、攪拌して反応させた。反応後、0.5M塩化ナ
トリウムを含むPBSで透析したものを免疫原とした。
【0028】(2)動物の免疫と抗体産生細胞の調製 (1)で得られたヒトRNRのR2サブユニットのC末
ペプチド−KLHコンジュゲート100μgをアルミニ
ウムゲル2mgおよび百日咳ワクチン(千葉県血清研究
所製)1×109 細胞とともに5週令SD系雌ラットに
投与し、2週間後より100μgの上記コンジュゲート
を1週間に1回、計4回投与した。眼底静脈叢より採血
し、その血清抗体価を以下に示す酵素免疫測定法で調
べ、十分な抗体価を示したラットから最終免疫3日後に
脾臓を摘出した。
【0029】脾臓をMEM培地(日水製薬社製)中で細
断し、ピンセットでほぐし、遠心分離(1,200rp
m、5分間)した後、上清を捨て、トリス−塩化アンモ
ニウム緩衝液(pH7.65)で1〜2分間処理して赤
血球を除去し、MEM培地で3回洗浄し、細胞融合に用
いた。酵素免疫測定法 グルタールアルデヒド法を用い、酵素免疫測定用の抗原
として、ヒトRNR・R2サブユニットのC末ペプチド
のサイクログロブリン(THY)コンジュゲートを以下
のようにして作製した。
【0030】ヒトRNR・R2サブユニットのC末ペプ
チド1mgを0.1M酢酸アンモニウム緩衝液に溶解
し、同じ緩衝液に溶解したTHY5mgを加え、全量で
1mlにした。攪拌下、0.02Mグルタールアルデヒ
ド540μlを滴下し、室温で5時間攪拌して反応させ
た。反応後、PBSで一晩透析したものを抗原として用
いた。
【0031】96穴のEIA用プレート(グライナー社
製)に、上述のように調製したTHY−ヒトRNR・R
2サブユニットのC末ペプチドコンジュゲート又は対照
抗原としてTHY−SOX47−3(SOX47−3ペ
プチドとTHYのコンジュゲート;配列番号2にSOX
47−3ペプチドのアミノ酸配列を示した。)10μg
/mlを50μl/穴ずつ分注し、4℃で一晩放置して
プレートに吸着させた。PBSで洗浄後、1%BSA−
PBSを100μl/穴加え、室温で1時間反応させて
残っている活性基をブロックした。1%BSA−PBS
を捨て、ハイブリドーマの培養上清または免疫したラッ
トの抗血清を50μl/穴ずつ分注し2時間反応させ
た。Tween−PBSで洗浄後、ペルオキシダーゼ標
識ウサギ抗ラットイムノグロブリン(ダコ社製)を50
μl/穴ずつ加えて室温で1時間反応させ、Tween
−PBSで洗浄後、ABTS基質液〔2.2−アジノビ
ス(3−エチルベンゾチアゾール−6−スルホン酸)ア
ンモニウム〕を用いて発色させOD415nm の吸光度を吸光
度計(NJ2001; 日本インターメッド社製)で測定した。
【0032】(3)マウス骨髄腫細胞の調製 8−アザグアニン耐性マウス骨髄腫細胞株P3−U1を
正常培地で培養し、細胞融合時に2×107 以上の細胞
を確保し、細胞融合に親株として供した。 (4)ハイブリドーマの作製 (2)で得られたマウス脾細胞と(3)で得られた骨髄
腫細胞とを10:1になるよう混合し、遠心分離(1,
200rpm、5分間)した後、上清を捨て、沈澱した
細胞群をよくほぐした後、攪拌しながら、37℃でポリ
エチレングリコール−1,000(PEG−1,00
0)2g、MEM培地2mlおよびジメチルスルホキシ
ド0.7mlの混液を1×108 マウス脾細胞当たり
0.2〜1mlになるように加え、1〜2分間毎にME
M培地1〜2mlを数回加えた後、MEM培地を加えて
全量が50mlになるようにした。遠心分離(900r
pm、5分間)後、上清を捨て、ゆるやかに細胞をほぐ
した後、メスピペットによる吸込み、吸出しでゆるやか
に細胞をHAT培地100ml中に懸濁した。
【0033】この懸濁液を96穴培養用プレートに10
0μl/穴ずつ分注し、5%CO2インキュベーター
中、37℃で10〜14日間CO2 5%下で培養した。
この培養上清を前記酵素免疫測定法で調べ、RNRのR
2サブユニットC末ペプチドに特異的に反応する穴を選
び、さらにHT培地と正常培地に換え、2回クローニン
グを繰り返して、抗RNR・R2サブユニットモノクロ
ーナル抗体を生産するハイブリドーマ株を確立した。そ
の結果、図1に示したようにハイブリドーマ株KM10
54、KM1056及びKM1060が選択された。各
々のハイブリドーマが生産するモノクローナル抗体の抗
体クラスはサブクラスタイピングキットを用いた酵素免
疫測定法により決定した。その結果を第1表に示す。
【0034】
【表1】
【0035】(5)モノクローナル抗体の精製 プリスタン処理した8週令ヌード雌マウス(Balb/c)に
(4)で得られたハイブリドーマを5〜20×106 細
胞/匹それぞれ腹腔内注射した。10〜21日後に、ハ
イブリドーマは腹水癌化した。腹水のたまったマウスか
ら、腹水を採取(1〜8ml/匹)し、遠心分離(3,
000rpm、5分間)して固形分を除去した後、カプ
リル酸沈殿法(Antibodies-A Laboratory Manual,Cold
Spring Harbor Laboratory,1988 )により精製し、精製
モノクローナル抗体とした。
【0036】(6)ウエスタンブロッティングによるモ
ノクローナル抗体の特異性の検討 以下のようにしてHelaS3 細胞よりRNR粗精製画
分を調製した。HelaS3 細胞1×109 個を細胞可
溶化バッファー〔20mM Hepes(pH7.
6),10mM MgCl2 ,2mM DTT,1mM
PMSF〕30mlに懸濁し、30分間氷冷下静置し
た後ホモジネートを調製した。35,000×gで30
分間遠心分離して上清を採取し、最終濃度が0.65%
(w/v)になるように硫酸ストレプトマイシンを加え
た。4℃で30分間攪拌後、13,000×gで20分
間遠心分離して上清を採取した。得られた上清に最終濃
度が50%飽和になるように硫酸アンモニウムを加え、
4℃で45分間攪拌後、13,000×gで20分間遠
心分離して沈殿を得た。これを4mlのトリス−塩酸緩
衝液[50mMトリス−塩酸(pH7.6),0.1m
M PMSF,2mM DTT]に溶解し、さらに同上
の緩衝液で一晩透析したものをRNR粗精製画分として
用いた。
【0037】このRNR粗精製画分を40μg/レーン
及び8μg/レーンでSDS−PAGEで分画後、常法
によりPVDF膜にブロッティングした。1%BSA−
PBSでブロッキング後、(5)で得られた抗ヒトRN
R・R2サブユニットモノクローナル抗体KM105
4、KM1056、KM1060のそれぞれ10μg/
ml及び対照抗体として正常ラット血清(1%BSA−
PBSで500倍に希釈したもの)を、室温で2時間ま
たは4℃で一晩反応させた。また、それぞれの抗体につ
いて、予めRNRのC末ペプチド(最終濃度10μg/
ml)と室温で1時間反応させたものも同様に反応させ
た。Tween−PBSでよく洗浄した後、ペルオキシ
ダーゼ標識抗ラットイムノグロブリン抗体(ダコ社製)
を室温で1時間反応させた。Tween−PBSでよく
洗浄した後よく液を除き、ECL試薬(Amersham社製)
を加えて1分間反応させた。反応後、余分な試薬を除去
し、フィルムを10秒〜2分間程度感光させ検出を行っ
た。その結果、図2に示すようにKM1054、KM1
056及びKM1060はいずれもRNR・R2サブユ
ニットの分子量に一致する45Kダルトンの蛋白質に反
応したが、予めR2サブユニットのC末ペプチドと反応
させた抗体は、反応しなかった。
【0038】(7)免疫沈降反応を用いるモノクローナ
ル抗体の特異性の検討 EIA用プレートに抗RNR・R2サブユニットモノク
ローナル抗体KM1054、KM1056、KM106
0及び対照抗体としてラットIgG抗体KM1024
(50μg/ml)を200μl/穴加え、4℃で一晩
プレートにコートした。[なお、KM1024について
の記載文献および寄託はないが、KM1024のかわり
に、全く同一の抗体であるKM987を用いることもで
きる。KM987については、(J.B.C.268 (34) 2584
6, 1993)に記載されている。]PBSで3回洗浄後、
1%BSA−PBSを300μl/穴加え、室温で1時
間ブロッキングした。これにRNR・R2サブユニット
のC末ペプチド(100μg/ml)またはPBSを5
0μl/穴加えて室温で2時間反応させた後、RNRの
粗精製画分(7.67mg/ml)を100μl/穴加
えて混合し、4℃で一晩反応させた。Tween−PB
Sで洗浄後、SDS−PAGE用サンプルバッファー
(25% 2−メルカプトエタノール添加、5倍濃度溶
液)を50μl/穴加え、2時間室温で振とうした。P
BSで5倍に希釈した後、各々20μl/レーンでSD
S−PAGEで分画後、常法によりPVDF膜にブロッ
ティングした。1%BSAを含むPBSでブロッキング
後、抗体混合液(モノクローナル抗体KM1054、K
M1056、KM1060及びKM1024を各々10
μg/mlを含む1%BSA−PBS溶液)を室温で2
時間反応させた。Tween−PBSで洗浄し、ペルオ
キシダーゼ標識ウサギ抗ラットイムノグロブリン(ダコ
社製)を加えて室温で1時間反応させた後、(6)と同
様にしてECL試薬を用いた反応を行い、検出を行っ
た。その結果、図3に示すようにモノクローナル抗体K
M1054とKM1056のみがRNR・R2サブユニ
ットの分子量に一致する45Kダルトンの蛋白質を沈降
させたが、予めR2サブユニットC末ペプチドと反応さ
せた抗体は、反応しなかった。
【0039】(8)モノクローナル抗体のRNR活性の
阻害作用 P388細胞由来のRNR粗精製画分によるCDPから
デオキシCDPへの変換量をRNR活性の指標とし、抗
RNR・R2サブユニットモノクローナル抗体がRNR
活性を阻害できるか否かを以下のようにして調べた。
(5)で得られた抗RNR・R2サブユニットモノクロ
ーナル抗体KM1054及びKM1056の精製抗体を
0.1〜100μg/mlに段階希釈した後、50μl
を採り、P388細胞由来のRNR粗精製画分0.75
mg/50μlと混合して4℃で1〜2時間反応させ
た。これにトリチウムラベルしたCDPを含む基質溶液
〔5mM ATP,5mM MgCl2 ,50mM H
epes(pH7.4),5mM DTT,10mM
NaF,0.5mM CDP,3 H−CDP 1.25
μCi〕25μlを加え、37℃で30分間反応させた
後、95℃で2分間煮沸して反応を停止させた。さらに
20mg/mlのCrotalus adamanteus 由来ヘビ毒25
μlを加えて37℃で2時間インキュベートしてヌクレ
オチドをヌクレオシドに変換した後、95℃で2分間煮
沸して反応を停止させた。遠心分離(5000rpm,
2分間)して得た上清10μlをポリエチレンイミン−
ボレート−セルロース〔polyethyleneimine(PEI)-borat
e-cellulose 〕シート上にスポットし、展開バッファー
(20mMギ酸アンモニウム:エタノール=6:4)中
で展開し、乾燥後、ヌクレオシドとデオキシヌクレオシ
ドに相当する部分を切り出し、液体シンチレーションカ
ウンターで放射活性を測定した。その結果、図4に示す
ように、モノクローナル抗体KM1054及びKM10
56はいずれも濃度依存的に、RNR活性を阻害した。
【0040】実施例2 (1)モノクローナル抗体の癌細胞との反応性の検討 実施例1で得られたモノクローナル抗体KM1054及
びKM1056の種々の癌細胞との反応性を以下のよう
にして調べた。癌細胞としては、ヒト胃癌細胞株NUG
C−4, ヒト甲状腺癌細胞株TPC−1,ヒト肺癌Ca
lu−1(ATCC HTB54)及びヒト白血病細胞
株U937(ATCC CRL1593)を用いた。浮
遊細胞はそのまま、付着細胞についてはトリプシンED
TAで細胞をはがした後、1×106 個ずつ分注してP
BSで洗浄後、用時調製した4%パラホルムアルデヒド
を500μlずつ分注し、室温で30分間放置して固定
した。PBSで洗浄後、細胞膜の抗体透過性を上げるた
め、メタノールを500μlずつ分注し、−20℃で2
分間処理した。PBSで洗浄後、10%正常ヒト血清を
500μlずつ分注して室温で30分間ブロッキングし
た後、モノクローナル抗体KM1054、KM1056
又はKM1024(10μg/ml)を200μlずつ
加えて室温で30分間反応させた。PBSで洗浄後、F
ITC標識抗ラットイムノグロブリン抗体(ダコ社製)
を200μlずつ分注し、4℃で30分間遮光して反応
させた。反応後、よくPBSで洗浄した後、セルソータ
ー〔エピックス・エリート(コールター社製)〕を用い
て解析した。その結果、図5に示すように、モノクロー
ナル抗体KM1054とKM1056はいずれも全ての
癌細胞株に反応し、癌細胞に幅広く存在するRNRの検
出に利用できることが示された。
【0041】(2)モノクローナル抗体の反応性とセル
サイクルの検討 モノクローナル抗体KM1054及びKM1056の反
応性とセルサイクルとの関係を調べる目的で抗体染色と
DNA染色の二重染色を以下のようにして行った。染色
は、(A)ヒトT細胞リンパ腫細胞株CCRF−CEM
(ATCC CCL119)、(B)ヒト末梢血よりPo
lymorphprep (第一化学社製)を用いた遠心法で採取し
たリンパ球及びそれをOKT−3〔ハイブリドーマOK
T−3(ATCC CRL8001)の培養上清をプロ
テインAカラムを用いて精製したもの〕とIL−2(シ
オノギ製薬社製)とで刺激して得られたリンパ球ブラス
トを用いて行った。
【0042】モノクローナル抗体KM1054及びKM
1024を用いて抗体染色を(1)と同様に行った後、
0.25mg/mlRNase(シグマ社製)及び0.
1%NP40を含むPBSを1×106 細胞あたり0.
9ml加え、37℃で30分間反応させた。さらに50
0μg/mlのプロピウムイオダイト(PI)及び1.
0%NP40を含むPBSを1×106 細胞当たり0.
1ml加えて混合し、氷冷中で20分間以上反応させ、
セルソーター〔エピックス・エリート(コールター社
製)〕を用いて解析した。その結果を図6及び図7に示
す。図6に示したように、ヒトT細胞リンパ腫CCRF
−CEMでは、モノクローナル抗体KM1054はG1
期の一部の細胞からS期、G2期及びM期の細胞に陽性
となった。また、図7に示したように、G0期の細胞集
団である未刺激の末梢血リンパ球にはモノクローナル抗
体KM1054は対照抗体であるKM1024と同様全
く反応しなかった。リンパ球をOKT−3とIL−2と
を用いて同調的に増殖を開始させたリンパ球ブラストで
は、G0/G1期のポピュレーションに加えてS期、G
2期及びM期のポピュレーションの出現が認められる
が、対照抗体であるKM1024はいずれのポピュレー
ションにも反応しなかったが、モノクローナル抗体KM
1054はDNAレベルの高いS期、G2期及びM期の
ポピュレーションに選択的に反応した。
【0043】以上のように、モノクローナル抗体KM1
054の反応性は、G0/G1期に低く、S期からG
2、M期に高いRNR・R2サブユニットのセルサイク
ル依存的な発現と一致し、モノクローナル抗体KM10
54がセルサイクルマーカーや増殖マーカーとして有用
なRNRの検出に利用することができることが示唆され
た。
【0044】(3)モノクローナル抗体を用いた細胞診
の検討 抗RNR・R2サブユニットモノクローナル抗体の細胞
診への応用を検討する目的で、癌性奬膜炎症例3例より
腹水細胞または胸水細胞を5mlずつ採取し、95%ア
ルコールを用いて固定した。固定後、パラホルムアルデ
ヒドの代わりにアルコールを用いる以外は(1)と同様
にしてモノクローナル抗体KM1054による免疫細胞
染色を行った。その結果、第2表に示すように全ての検
体が陽性であった。また(1)の癌細胞株を用いた免疫
細胞染色における結果と同様に、各種細胞の反応性の強
弱については、それぞれ異なっていた。
【0045】
【表2】
【0046】(4)モノクローナル抗体を用いた免疫組
織染色 ヒト各種組織のホリマリン固定パラフィン包埋組織を1
〜5ミクロンの厚さに薄切し、卵白アルブミンをコート
したスライドガラス上に固定した。キシレンで脱パラフ
ィン後、アルコール−水で段階的に親水化した。凍結切
片の場合には冷アセトン中で20分間固定した。その
後、0. 3%過酸化水素を含むメタノール中で30分間
処理し、内因性ペルオキシダーゼをブロックした。切片
をPBSで洗浄後、希釈したウマ正常血清中で20分間
ブロッキングし、抗RNR・R2サブユニットモノクロ
ーナル抗体KM1054の精製抗体10μg/mlを4
℃で12時間反応させた。PBSでよく洗浄した後、第
二抗体として1μg/mlのビオチン標識抗ラットイム
ノグロブリン抗体(Jackson Immunoresearch Lab社製)
を100μl加えて室温で30分間反応させ、PBSで
洗浄した後、アビジン標識ペルオキシダーゼ(ニチレイ
社製)を加えて室温で30分間反応させ、水中で10分
間洗浄した後、0.01%過酸化水素を含む0.05%
ジアミノベンチジンと1分間反応させた。冷水中で反応
を停止させた後、ヘマトキシレンを用いて核染色し、ホ
ルマリン固定パラフィン包埋組織の場合にはアルコール
−水およびキシレンで脱水後カナダバルサムで固定し、
顕鏡した。凍結切片の場合にはグリセリン−PBSで包
埋し、顕鏡した。その結果、第3表に示すように、モノ
クローナル抗体KM1054は乳癌8例中全ての検体に
おける癌細胞と反応した。しかし、周囲の正常部分およ
び良性疾患4例には反応しなかった。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】本発明により、セルサイクルマーカーや
増殖マーカーとして有用なRNRと特異的に反応し、且
つRNR活性を阻害する作用を有するモノクローナル抗
体を提供される。本発明のモノクローナル抗体は組織診
断や細胞診におけるRNRの免疫学的検出、さらに生物
学的機能の解析等に有用である。
【0049】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:CysAsnSerPheThrLeuAspAlaAspPhe
【0050】配列番号:2 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列:CysLeuSerProGlyGlnLysGlnLysGluGluProLysGluVa
lLys
【図面の簡単な説明】
【図1】 抗RNR・R2サブユニットモノクローナル
抗体KM1054,KM1056及びKM1060の酵
素免疫測定法におけるR2サブユニットのC末ペプチド
に対する結合反応性を示す。
【図2】 抗RNR・R2サブユニットモノクローナル
抗体KM1054,KM1056及びKM1060のウ
エスタンブロッティングにおけるHelaS3 細胞由来
のRNR粗精製画分との反応性を示す。図中、+は、予
めRNR・R2サブユニットのC末ペプチドと反応させ
た後、抗体を加えた場合の反応性を、−は、そのまま抗
体を加えた場合の反応性をそれぞれ示す。
【図3】 抗RNR・R2サブユニットモノクローナル
抗体KM1054,KM1056及びKM1060の免
疫沈降反応におけるHelaS3 細胞由来のRNR粗精
製画分との反応性を示す。図中、+は、予めRNR・R
2サブユニットのC末ペプチドと反応させた後、抗体を
加えた場合の反応性を、−は、そのまま抗体を加えた場
合の反応性をそれぞれ示す。
【図4】 抗RNR・R2サブユニットモノクローナル
抗体KM1054,KM1056のRNR阻害活性を示
す。
【図5】 抗RNR・R2サブユニットモノクローナル
抗体KM1054,KM1056の免疫細胞染色による
種々の癌細胞株との反応性をセルソーターで解析した結
果を示す。
【図6】 ヒトT細胞リンパ腫細胞株CCRF−CEM
を用いて、抗RNR・R2サブユニットモノクローナル
抗体KM1054の反応性とセルサイクルの関係をセル
ソーターで解析した結果を示す。
【図7】 ヒト末梢血リンパ球及びヒト末梢血リンパ球
ブラストを用いて、抗RNR・R2サブユニットモノク
ローナル抗体KM1054の反応性とセルサイクルの関
係をセルソーターで解析した結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/577 9281−4B C12N 5/00 B // A61K 39/395 9162−4B 15/00 ZNAC (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 岡部 正実 静岡県三島市加茂30−5 (72)発明者 山▲崎▼ 基生 東京都町田市中町3−9−13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リボヌクレオチドレダクターゼR2サブ
    ユニットに特異的に反応し、且つリボヌクレオチドレダ
    クターゼの活性を阻害する作用を有するモノクローナル
    抗体。
  2. 【請求項2】 IgG2aサブクラスに属するラットモ
    ノクローナル抗体である請求項1記載のモノクローナル
    抗体KM1054。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のモノクローナル抗体を生
    産するハイブリドーマ。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のモノクローナル抗体を生
    産するハイブリドーマKM1054(FERM BP−
    4875)。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のモノクローナル抗体を用
    いてリボヌクレオチドレダクターゼR2サブユニットを
    免疫学的に検出する方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のモノクローナル抗体を用
    いた免疫細胞染色によるリボヌクレオチドレダクターゼ
    R2サブユニットの検出法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のモノクローナル抗体を用
    いた免疫組織染色によるリボヌクレオチドレダクターゼ
    R2サブユニットの検出法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のモノクローナル抗体を用
    いたヒト各種組織の癌の診断法。
JP8019676A 1995-02-07 1996-02-06 抗リボヌクレオチドレダクターゼr2サブユニットモノクローナル抗体 Withdrawn JPH08277300A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001269184A (ja) * 1999-06-28 2001-10-02 Takeda Chem Ind Ltd 新規タンパク質およびそのdna

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JP2001269184A (ja) * 1999-06-28 2001-10-02 Takeda Chem Ind Ltd 新規タンパク質およびそのdna

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