JPH08278394A - 中性子モニタ装置及び臨界管理方法 - Google Patents

中性子モニタ装置及び臨界管理方法

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JPH08278394A
JPH08278394A JP7082337A JP8233795A JPH08278394A JP H08278394 A JPH08278394 A JP H08278394A JP 7082337 A JP7082337 A JP 7082337A JP 8233795 A JP8233795 A JP 8233795A JP H08278394 A JPH08278394 A JP H08278394A
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plutonium
neutron
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composition ratio
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研一 吉岡
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    • Y02E30/30—Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】プルトニウム同位体組成比と中性子計数効率を
用いて高精度で迅速にプルトニウム濃度を求めて、精度
良く未臨界を維持をすることにより再処理施設の稼動率
が向上できる中性子モニタ装置及び臨界管理方法を提供
する。 【構成】請求項1記載の中性子モニタ装置は、中性子検
出器2及び計数回路3からなる中性子計数率測定手段
と、γ線検出器4及びγ線スペクトル分析装置5からな
る同位体組成比測定手段と、中性子計数率とプルトニウ
ム同位体組成比を入力してプルトニウム濃度を計算する
プルトニウム濃度計算装置6と、ここで計算されたプル
トニウム濃度を予め設定したプルトニウム濃度上限制限
値12とを比較してプルトニウム濃度が前記上限制限値を
超えたときに警報を発する警報発生装置7を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、使用済核燃料の再処理
施設に係り、特に再処理抽出の共除染工程及び、精製工
程に附属するプルトニウム濃度による臨界管理を行う中
性子モニタ装置及び臨界管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に原子力発電プラントで使用された
使用済燃料は、所定期間冷却された後に輸送容器に収納
されて、中間貯蔵施設または再処理施設へ運ばれる。こ
の中間貯蔵施設に送られた使用済燃料は、数10年の間さ
らに冷却された後に永久処分されるか再処理施設へ送ら
れる。
【0003】再処理施設では、輸送容器から使用済燃料
を取り出して、発電プラントからの輸送データと実物と
の照合、あるいは燃焼度などの非破壊検査により、使用
済燃料が正しく輸送されたことを確認する。そして、こ
の使用済燃料は、適当な期間貯蔵された後に、所定のス
ケジュールに従って再処理される。
【0004】再処理施設における再処理工程について
は、先ず、被覆管の内部に核燃料ペレットを充填した棒
状の使用済燃料棒は、3〜5cm程度の長さに剪断され、
沸騰硝酸にて溶解されて燃料溶液(水相)となる。しか
し、被覆管は溶解されずに溶解残査(ハル)として処理
される。
【0005】燃料溶液は臨界安全性確保の基準に沿って
濃度調節が行われ、その後に核分裂生成物や、超プルト
ニウム元素の除去が行われる。次いで残留したウラン
(U)及びプルトニウム(Pu)がTBP(リン酸トリ
ブチル)有機相で互いに分離精製される。これらの工程
は、多段のプロセスに亘って行われるが、各段において
も多くの処理槽や処理搭が存在する。
【0006】ところで、上記再処理施設の再処理工程に
おいて、プルトニウムやウランなどの核燃料物質を常時
取り扱う装置においては、中性子実効増倍率が1未満と
なるようにして、臨界にならないように臨界安全設計を
行っている。すなわち、これらの各装置においては、供
給される溶液の酸性度、その中のプルトニウム及びウラ
ンなどの核燃料物質濃度、さらに硝酸水溶液、有機溶媒
中のプルトニウム、ウラン成分濃度の異常時も考慮し、
変動し得る変化に対しても常に未臨界になるように形状
寸法や、容積などを制限した設計をしている。
【0007】一方、上記各機器に附属するプルトニウム
濃度による臨界管理を行う機器は、通常の運転時にはプ
ルトニウム量は少量であるか、または、ほとんど流れ込
まないために、処理効率を考慮して機器の形状寸法、容
積の制限を緩めた設計としている。
【0008】しかし、万一何らかの原因によってプルト
ニウムが漏洩して、臨界となる可能性も考えられること
から、中性子検出器やγ線検出器を各所に設置すること
により、放射線レベルの上昇を検出すると共に警報を発
して、運転員や各所要員に危険を知らせたり、運転員の
判断によって再処理工程の一部を停止するなどの措置が
採られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】再処理工程における臨
界管理上で、特に重要な核種はプルトニウムであり、上
記したように従来は、プルトニウムからの中性子発生数
のレベルを測定して未臨界となるように管理をしている
が、プルトニウムからの中性子発生数とプルトニウムの
濃度は必ずしも比例するものではない。これはプルトニ
ウムからの中性子発生数が、プルトニウム同位体組成比
によって大きく変化し、また、プルトニウムの同位体組
成比は、再処理燃料の初期濃縮度や照射履歴によっても
大きく異なる。
【0010】このために、プルトニウムからの中性子発
生数よりプルトニウム濃度を一意に決定することはでき
ず、想定されるプルトニウム同位体組成比の範囲によ
り、プルトニウム濃度もある一定の幅をもった値とな
る。このことから、一般に臨界安全管理を行う上では最
も保守的な値を採用するため、最も大きなマージンをと
らざるを得ない。
【0011】その結果は、臨界警報設定値に相当する中
性子発生率のレベルは、最も安全側となるレベル、すな
わち、考え得る中性子発生率の最低値に設定しなければ
ならなかった。この設定によると、場合によっては十分
未臨界である状態でも、中性子発生率が警報レベルに達
してしまうことから、その都度再処理施設の運転を停止
するということになり、再処理施設の稼動効率が低下す
る支障があった。
【0012】また、何らかの方法でプルトニウム同位体
組成比の値を得ることができれば、これにより精度良く
プルトニウム濃度を算出して、効率の良い臨界安全管理
が可能となる。
【0013】従来はプルトニウム同位体組成比を考慮し
たプルトニウム濃度の算出方法としては、対象溶液をサ
ンプリングしてマススペクトロメータを用いて同位体分
析を行う方法や、特開平3-237392号公報「プルトニウム
濃度モニタ法」に開示されているように、発電所より得
られる燃焼度及び照射履歴データより算出する方法があ
るが、このサンプリングによる分析では、複雑な操作が
必要で長時間を要する作業となる。
【0014】また、燃焼度及び照射履歴より同位体組成
比を算出する方法は、間接的であることから計算に伴う
誤差を多分に含む可能性があり、精度が低くなる問題が
あった。
【0015】本発明の目的とするところは、プルトニウ
ム同位体組成比と中性子計数効率を用いて高精度で迅速
にプルトニウム濃度を求めて、精度良く未臨界を維持を
することにより再処理施設の稼動率が向上できる中性子
モニタ装置及び臨界管理方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の中性子モニタ装置は、プルトニウムから
の中性子数を測定する中性子計数率測定手段と、プルト
ニウムからのγ線スペクトルを測定してプルトニウムの
同位体組成比を求める同位体組成比測定手段と、前記中
性子計数率と前記プルトニウム同位体組成比を入力して
前記プルトニウム濃度を計算するプルトニウム濃度計算
手段と、前記プルトニウム濃度計算手段により計算され
たプルトニウム濃度を予め設定したプルトニウム濃度上
限制限値と比較してプルトニウム濃度が前記上限制限値
を超えたときに警報を発する警報発生手段とからなるこ
とを特徴とする。
【0017】請求項2記載の中性子モニタ装置は、プル
トニウムからの中性子数を測定する中性子計数率測定手
段と、プルトニウムからのγ線スペクトルを測定してプ
ルトニウムの同位体組成比を求める同位体組成比測定手
段と、前記プルトニウム同位体組成比と予め設定したプ
ルトニウム濃度上限制限値を入力してプルトニウムから
の中性子計数率上限制限値を計算する中性子計数率上限
制限値計算手段と、前記中性子計数率上限制限値計算手
段により計算された中性子計数率上限制限値と前記プル
トニウムからの中性子計数率とを比較して中性子計数率
が前記上限制限値を超えたときに警報を発する警報発生
手段とからなることを特徴とする。
【0018】請求項3記載の中性子モニタ装置は、前記
同位体組成比測定手段においてγ線の検出をするγ線検
出器が、ゲルマニウム検出器、シリコン検出器、テルル
化カドミウム検出器、第2ヨウ化銀検出器などの半導体
検出器であることを特徴とする。請求項4記載の中性子
モニタ装置は、前記同位体組成比測定手段におけるγ線
検出器が、プルトニウムの濃度により臨界管理を行う機
器の側面または燃料溶液入口部配管の側面に配置したこ
とを特徴とする。
【0019】請求項5記載の中性子モニタ装置は、前記
同位体組成比測定手段において求めるプルトニウム同位
体組成比を、プルトニウムの同位体 239Puと同位体
241Puとの比を用いることを特徴とする。請求項6記
載の臨界管理方法は、測定された中性子計数率と、γ線
スペクトルより求めたプルトニウム同位体組成比と、別
途求めた中性子計数効率を用いてプルトニウム濃度を計
算して、当該計算されたプルトニウム濃度を予め設定し
た未臨界のプルトニウム濃度上限制限値と比較して、プ
ルトニウム濃度が前記上限制限値を超えたときに警報を
発することを特徴とする。
【0020】請求項7記載の臨界管理方法は、測定され
たγ線スペクトルより求めたプルトニウム同位体組成比
と、予め設定した未臨界のプルトニウム濃度上限制限値
と、別途求めた中性子計数効率を用いて中性子計数率上
限制限値を計算して、中性子計数率が前記中性子計数率
上限制限値を超えたときに警報を発することを特徴とす
る。
【0021】請求項8記載の臨界管理方法は、プルトニ
ウム濃度及び中性子計数率上限制限値を計算するための
中性子計数効率を、模擬体系による校正試験値を用いて
求めることを特徴とする。
【0022】
【作用】請求項1記載の発明は、プルトニウム濃度計算
装置において、同位体組成比測定手段により求めたプル
トニウムのγ線スペクトルからの同位体組成比と、中性
子計数率測定手段で測定した中性子計数率とからプルト
ニウム濃度を算出すると共に、このプルトニウム濃度を
警報発生手段において、予め設定したプルトニウム濃度
上限制限値と比較して、プルトニウム濃度が前記上限制
限値を超えた場合に警報を発する。
【0023】請求項2記載の発明は、中性子計数率上限
制限値計算手段において、同位体組成比測定手段により
求めたプルトニウムのγ線スペクトルからの同位体組成
比と、予め設定したプルトニウム濃度上限制限値とから
中性子計数率上限制限値を算出して、警報発生手段にお
いて前記中性子計数率上限制限値と、中性子計数率測定
手段で測定した中性子計数率とを比較して、この中性子
計数率が前記中性子計数率上限制限値を超えた場合に警
報を発する。
【0024】請求項3記載の発明は、同位体組成比測定
手段におけるγ線検出器を、γ線測定条件に応じて、エ
ネルギー分解能とγ線検出効率が高いゲルマニウム検出
器、高いエネルギー分解能で熱雑音が低く室温使用が可
能なシリコン検出器、検出効率が高く室温使用が可能な
テルル化カドミウム検出器、あるいは第2ヨウ化銀検出
器などを選択して適用することで、高い測定精度の確保
と信頼性及び保全性が得られる。
【0025】請求項4記載の発明は、同位体組成比測定
手段におけるγ線検出器を、測定したプルトニウムの濃
度により臨界管理を行う機器の側面、または燃料溶液入
口部配管の側面に配置することにより、周囲からのノイ
ズによる影響が少なく正確な測定結果が得られて精度の
良い臨界管理が行われる。請求項5記載の発明は、同位
体組成比測定手段における同位体組成比をプルトニウム
同位体の中でも、γ線強度が高く他のγ線の寄与も少な
い、同位体 239Puと同位体 241Puを採用することに
より、特に精度の高い測定ができる。
【0026】請求項6記載の発明は、中性子計数率と、
γ線スペクトルより求めたプルトニウム同位体組成比、
及び別途求めた中性子計数効率とからプルトニウム濃度
を算出し、このプルトニウム濃度が予め設定した未臨界
のプルトニウム濃度上限制限値を超えた時に警報を発し
て臨界防止の管理をする。
【0027】請求項7記載の発明は、γ線スペクトルよ
り求めたプルトニウム同位体組成比と、別途求めた中性
子計数効率及び予め設定した未臨界のプルトニウム濃度
上限制限値とから中性子計数率上限制限値を計算すると
共に、中性子計数率が前記中性子計数率上限制限値を超
えたときに警報を発して臨界防止の管理をする。請求項
8記載の発明は、プルトニウム濃度あるいは中性子計数
率上限制限値を計算するための中性子計数効率は、模擬
体系による校正試験値を用いて算出する。
【0028】
【実施例】本発明の一実施例について図面を参照して説
明する。先ず、本発明の基礎となるプルトニウムによる
濃度及び中性子計数率算出の理論について説明する。再
処理燃料溶液中で中性子発生源となるのは、主にプルト
ニウムの自発核分裂及び、燃料溶液中に含まれる酸素や
窒素などと、プルトニウムのα崩壊によるα粒子との
(α,n)反応により生ずる中性子である。
【0029】しかし、プルトニウム単位重量当りの中性
子発生率の大きさは、図3の中性子発生率図に示すよう
に、核種であるプルトニウム同位体によって異なること
が知られている。すなわち、同じプルトニウム重量であ
っても、プルトニウムの同位体組成が違うと中性子発生
量が異なることから、中性子の発生量から一意にプルト
ニウム重量を決めることはできない。一方、再処理燃料
中のプルトニウム同位体組成は、再処理燃料の初期濃縮
度及び照射履歴などによって大きく異なっている。
【0030】図4の生成過程説明図はプルトニウムの主
な同位体の生成過程を示すもので、中性子照射量の少な
いとき、すなわち燃焼度の小さいときは、プルトニウム
の同位体は 239Puがほとんどである。しかしながら、
中性子照射量が大きくなると、つまり燃焼度の大きいと
きはプルトニウム同位体 239Puが、さらに中性子を捕
獲して生成されるプルトニウム同位体 240Puや、同位
体 241Pu、及び同位体 242Puの割合が増加する。
【0031】図5の特性図はプルトニウム同位体 240P
uを代表組成として、プルトニウム同位体組成の範囲を
例示したもので、例えば、同位体 240Puが約20w/o
の同位体組成比を占める中性子照射量においては、同位
体 239Puは約70w/o、同位体 241Puが約10w/
o、同位体 238Puと同位体 242Puがそれぞれ数w/
oといった、プルトニウム同位体組成が読み取れる。
【0032】これらを基にして、受け入れ仕様に定めら
れている全ての再処理燃料を包含するプルトニウム同位
体組成の範囲を考慮すると、プルトニウム濃度とプルト
ニウム単位重量当りの中性子発生率Sの関係は図6の特
性図に示すようになる。この図6において横軸にプルト
ニウム(Pu)濃度nを、縦軸をプルトニウム(Pu)
単位当たり中性子発生率Sとすると、図中の斜線部分は
受け入れ仕様に定められているプルトニウム同位体組成
の範囲より想定し得る中性子発生率Sの値である。
【0033】例えば、管理プルトニウム濃度に相当する
中性子発生率は、S1 からS2 までの範囲をもっている
が、最も安全側の評価をすると、中性子発生率S1 の値
を管理プルトニウム濃度に相当するものとして採用しな
ければならない。しかしながら、このように中性子発生
率Sよりプルトニウム濃度nを決定するには、大きな誤
差が伴うことから、安全側に過大なマージンをとらざる
を得ないことがわかる。
【0034】また、例えばゲルマニウム検出器を用い
て、プルトニウムからのγ線スペクトルを測定すること
は容易であり、プルトニウム同位体の中でも同位体 241
Pu、同位体 239Puのγ線スペクトルは、γ線強度が
高く、しかも他のγ線の寄与も少ないので、精度の良い
測定データを得ることが可能である。
【0035】さらに、図4にも示されているように、プ
ルトニウム同位体 240Pu, 238Pu, 242Puといっ
た、他のプルトニウム同位体も独立に生成するわけでは
なく、同位体 241Pu, 239Puの生成と密接につなが
っている。したがって、( 2 41Pu)/( 239Pu)の
同位体組成比より、他の同位体についても精度良く容易
に算定することが可能である。
【0036】また、( 241Pu)/( 239Pu)同位体
組成比と中性子発生率とは、プルトニウム濃度をパラメ
ータにして図7の特性図に示すようになる。これによ
り、中性子発生率と( 241Pu)/( 239Pu)同位体
組成比を入力値として、高精度でプルトニウム濃度を求
めることができる。
【0037】ここで、燃料溶液であるプルトニウム溶液
単位体積当りの中性子発生率をS0、プルトニウム濃度
をn、プルトニウム単位重量当りの中性子発生率をS、
検出器体系の実効増倍率をkeff 、プルトニウム同位体
組成比をRとすると、中性子計数率Cは中性子計数効率
αを介して次の式(1) で表される。 C=(α・S0 )/(1−keff ) …(1)
【0038】ただし、プルトニウム溶液単位体積当りの
中性子発生率S0 とプルトニウム同位体組成比Rの間に
は次の式(2) で表される関係がある。 S0 =n・S・R …(2)
【0039】さらに、前記式(1) と式(2) により次の式
(3) が得られる。 C=(α・n・S・R)/(1−keff ) …(3)
【0040】ここで、プルトニウム単位重量当りの中性
子発生率Sは、上記の( 241Pu)/( 239Pu)同位
体組成比Rより求めることができる。また、中性子計数
効率α及び検出器体系の実効増倍率keff については、
中性子輸送計算や中性子拡散計算などにより、機器及び
検出器体系について算出できる。
【0041】また、検出器体系を模擬した図示しない校
正試験装置により得られる校正定数により、中性子計数
効率αを決定することもできる。さらに、校正試験装置
の校正定数による値と計算による値を比較することによ
り、中性子計数効率α及び実効増倍率keff の精度を高
く得ることができる。したがって、プルトニウム同位体
組成比Rや、中性子計数率Cという測定値を与えると、
プルトニウム濃度nが求められることになる。
【0042】第1実施例は、同位体組成比からプルトニ
ウム濃度をモニタして臨界管理に供するもので、図1の
ブロック構成図に示すように中性子モニタ装置1は、中
性子検出器2及び計数回路3とからなる中性子計数率測
定手段と、γ線検出器4及びγ線スペクトル分析装置5
とからなる同位体組成比測定手段、さらにプルトニウム
濃度計算装置6と警報発生装置7とから構成されてい
る。
【0043】さらに前記γ線検出器4は、例えば廃液中
の微量のプルトニウムを洗浄除去する補助抽出器(ミキ
サセトラ)8の上部で、抽出廃液のプルトニウム溶液9
部に配置し、中性子検出器2は下部の中性子減速材10
(ポリエチレンなど)に設置している。
【0044】なお、前記γ線検出器4は、前記補助抽出
器8の側面もしくは補助抽出器8にプルトニウム溶液9
が流れ込む、図示しない入口配管の側面に設置しても良
く。また、中性子検出器2にはポリエチレンで囲んだ、
He−3,B−10カウンタなどがある。
【0045】中性子検出器2より得られる信号は、計数
回路3において中性子計数率Cとなり、プルトニウム濃
度計算装置6に入力される。また、γ線スペクトル分析
装置5では、オンラインでγ線検出器4から入力される
プルトニウムが発生するγ線スペクトルのピークから、
例えばプルトニウム同位体 241Puと同位体 239Puの
組成比を得る。
【0046】プルトニウム濃度計算装置6では、前記中
性子計数率Cとプルトニウム同位体組成比、及び中性子
輸送計算11あるいは、中性子拡散計算コードなどを用い
て、中性子計数効率αと中性子の実効増倍率keff か
ら、プルトニウム濃度を算出する。
【0047】なお、前記計数回路3は、図示しない前置
増幅器、線形増幅器、波高分析器、計数器などにより形
成している。さらに、プルトニウム濃度計算装置6に
は、プルトニウム濃度と未臨界管理のためのプルトニウ
ム濃度上限制限値12を入力し、警報13を発する警報発生
装置7が接続されて構成している。
【0048】次に上記構成による作用について説明す
る。一般に原子核より放出されるγ線は、その核種に特
有のエネルギーを有する。したがって、γ線のエネルギ
ー分布を測定すると、その特有のエネルギーに対応する
位置にピークが表れる。例えば、高純度ゲルマニウム検
出器でプルトニウムを測定すると、148KeVにプルトニウ
ム同位体 241Puのピークと、333KeVに同位体 239Pu
のピークを見つけることができる。
【0049】このピークのカウントを計測すると、各同
位体 241Pu, 239Puから放出されたγ線のみを測定
することが可能となる。それぞれの放射性核種には固有
の崩壊定数があるが、単位質量当りの崩壊数は核種によ
り一定であり、崩壊の際には一定の放出確率に従ってγ
線が放出される。
【0050】放射線検出器は全ての放射線を検出できる
わけではなく、何らかの検出効率を持っているので、上
記のプルトニウム同位体 241Puのカウントを、この検
出効率及び148KeVのγ線に相当する放出確率で割ると同
位体 241Puの崩壊数が求められる。したがって、この
崩壊数と崩壊定数より同位体 241Puの質量を求めるこ
とができる。同様にして同位体 239Puについても質量
を求めることができて、( 2 41Pu)/( 239Pu)同
位体組成比が得られる。
【0051】γ線スペクトル分析装置5には、エネルギ
ー分解能に優れた半導体検出器を用いるのが効果的であ
り、現在市販されているものとしては、高純度ゲルマニ
ウム検出器が最適である。ここで、半導体検出器の性能
として求められる条件としては、エネルギー分解能が高
いことや、検出効率が高いこと、及び雑音(特に熱雑
音)が小さいことが挙げられる。
【0052】しかし、各種半導体検出器にはそれぞれ特
徴がある。前記高純度ゲルマニウム検出器はエネルギー
分解能と、γ線検出効率が共に高く理想的な検出器であ
るが、熱雑音が高いために使用に際して、液体窒素で冷
却しなければならない。また、シリコン検出器は高いエ
ネルギー分解能をもち、高エネルギーγ線に対する検出
効率は低いが、150KeV程度までの低エネルギーγ線に対
しては比較的高い検出効率を示し、熱雑音も低く室温で
使用することが可能である。
【0053】さらに、テルル化カドミウム検出器及び第
2ヨウ化銀検出器は、エネルギー分解能は低いが、検出
効率は高く、また室温での使用が可能である。したがっ
て、測定対象と設置場所などの測定条件により、液体窒
素を必要とする高純度ゲルマニウム検出器が使用できな
い場合は、別の半導体検出器を選定して使用することが
可能であり、これにより、高い測定精度や信頼性及び保
全性が得られる。
【0054】以上のように中性子モニタ装置1において
は、γ線スペクトルピークより、プルトニウム同位体
241Pu、 239Puのカウントを得て、これより( 241
Pu)/( 239Pu)同位体組成比Rを求める。以上の
中性子計数率C、中性子計数効率α、検出器体系の実効
増倍率keff 、プルトニウム同位体組成比Rなどによ
り、プルトニウム濃度計算装置6はプルトニウム濃度を
計算して警報発生装置7に出力する。
【0055】警報発生装置7では、予め設定した機器な
どを未臨界に維持する管理のための、プルトニウム濃度
上限制限値12と比較し、プルトニウム濃度が臨界到達以
前のプルトニウム濃度上限制限値12を超えた場合には警
報13を発する。本第1実施例によれば、抽出廃液中の微
量のプルトニウム濃度を精度良くモニタし、このプルト
ニウム濃度が臨界到達前の制限値を超えた場合に警報13
を発することから、運転員への報知及び必要により再処
理施設における該当部門の運転停止を行うことにより、
再処理施設の運転の安全性と稼動率の向上ができる。
【0056】第2実施例は、上記第1実施例と異なり同
位体組成比から中性子計数率をモニタして臨界管理に供
するもので、図2のブロック構成図に示すように、中性
子モニタ装置14は中性子検出器2及び計数回路3とから
なる中性子計数率測定手段と、γ線検出器4及びγ線ス
ペクトル分析装置5とからなる同位体組成比測定手段、
さらに中性子計数率上限制限計算装置15と警報発生装置
7とから構成されている。
【0057】さらに、中性子検出器2より得られる信号
は、計数回路3において中性子計数率となり、中性子計
数率上限制限計算装置15に入力される。また、γ線スペ
クトル分析装置5では、オンラインでγ線検出器4から
入力されるプルトニウムが発生するγ線スペクトルを得
て、そのピークからプルトニウムの同位体組成比を求め
る。
【0058】中性子計数率上限制限計算装置15では、前
記プルトニウムの同位体組成比と中性子輸送計算11ある
いは中性子拡散計算コード、及び未臨界に管理するため
のプルトニウム濃度上限制限値12など入力して、中性子
計数効率αと中性子の実効増倍率keff から、中性子計
数率上限制限値を算出する。この中性子計数率上限制限
計算装置15には、前記計数回路3からの中性子計数率
と、中性子計数率上限制限値を入力して、警報13を発す
る警報発生装置7を接続して構成されている。
【0059】次に上記構成による作用について説明す
る。中性子計数率上限制限計算装置15においては、上述
の中性子計数効率α、中性子の実効増倍率keff 、プル
トニウム同位体組成比R、プルトニウム濃度上限制限値
12を入力とすることにより、前記の式(3) により中性子
計数率上限制限値を算出して警報発生装置7に出力す
る。
【0060】警報発生装置7においては、計数回路3か
らの中性子計数率と、中性子計数率上限制限計算装置15
からの中性子計数率上限制限値を比較して、中性子計数
率が上限制限値を超えた場合には警報13を発して、運転
員に報知すると共に、必要に応じて再処理施設における
当該部門の運転停止などにより、臨界に至ることを防止
する。
【0061】本第2実施例においては、警報設定値とな
る中性子計数率上限制限値が、プルトニウム同位体組成
比により変化する。このことは、従来、最も安全側に評
価された警報設定値により運転されていた施設を、警報
設定値をより正確な情報をもとに設定し直すことによ
り、不要な施設の停止を抑制して稼動率の高い効率的な
運転をすることが可能となる。
【0062】なお、その他の実施例として、γ線測定の
みによるモニタ方法も原理的には可能である。すなわ
ち、γ線の絶対測定により、プルトニウムの各同位体量
の絶対値を決定することができれば、プルトニウム濃度
は決定できる。しかしながら、プルトニウム同位体 239
Puと同位体 241Puから放出されるγ線は、通常 100
〜300keVの比較的低エネルギーのγ線であり、また、測
定対象としているプルトニウム溶液9は溶液中に均一に
プルトニウムが分布した体積線源である。
【0063】また、低エネルギーのγ線は、プルトニウ
ム溶液9中を透過する間に減衰して、γ線検出器4に表
れるスペクトルは鈍く、したがってエネルギー分解能が
低下する。さらに、半導体検出器は一般に検出効率が小
さいことから、絶対測定に使用するには統計精度を上げ
るために測定時間を多く取らなければならない。
【0064】しかしながら、本発明において使用する中
性子検出器は、透過性の高い中性子を検出し、かつ検出
効率も高いために絶対測定の精度は高く、したがってγ
線スペクトル値は同位体 239Pu, 241Puの絶対値の
みを考慮すればよいので、γ線測定のみによるモニタ方
法よりも高い精度が得られる。
【0065】
【発明の効果】以上本発明によれば、使用済核燃料の再
処理抽出工程における共除染、及び精製工程において取
り扱うプルトニウム濃度を効率的かつ精度良く決定する
ことができるので、プルトニウム濃度の臨界管理ができ
る。また、測定されたプルトニウム濃度が制限値以上で
あると、直ちに警報を発して運転員に報知することから
臨界を未然に防ぐことができる。
【0066】さらに、中性子計数率上限制限値を中性子
計数率と比較して、上限を超えた場合に警報させること
も可能なことから、プルトニウム濃度、あるいは中性子
計数率のいずれにおいても精度良くモニタをすることが
可能であり、施設の臨界管理に過大なマージンを取る必
要がないことから稼動率の高い運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の中性子モニタ装置の
ブロック構成図。
【図2】本発明に係る第2実施例の中性子モニタ装置の
ブロック構成図。
【図3】本発明に係る核種毎の中性子発生率図。
【図4】本発明に係る主なプルトニウム同位体の生成過
程説明図。
【図5】本発明に係るプルトニウム同位体組成比の範囲
を示す特性図。
【図6】本発明に係るプルトニウム濃度と中性子発生率
の特性図。
【図7】本発明に係るプルトニウム同位体組成比と中性
子発生率の特性図。
【符号の説明】
1,14…中性子モニタ装置、2…中性子検出器、3…計
数回路、4…γ線検出器、5…γ線スペクトル分析装
置、6…プルトニウム濃度計算装置、7…警報発生装
置、8…補助抽出器、9…プルトニウム溶液、10…中性
子減速材、11…中性子輸送計算、12…プルトニウム濃度
上限制限値、13…警報、15…中性子計数率上限制限装
置。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プルトニウムからの中性子数を測定する
    中性子計数率測定手段と、プルトニウムからのγ線スペ
    クトルを測定してプルトニウムの同位体組成比を求める
    同位体組成比測定手段と、前記中性子計数率と前記プル
    トニウム同位体組成比を入力してプルトニウム濃度を計
    算するプルトニウム濃度計算手段と、前記プルトニウム
    濃度計算手段により計算されたプルトニウム濃度を予め
    設定したプルトニウム濃度上限制限値と比較してプルト
    ニウム濃度が前記上限制限値を超えたときに警報を発す
    る警報発生手段とからなることを特徴とする中性子モニ
    タ装置。
  2. 【請求項2】 プルトニウムからの中性子数を測定する
    中性子計数率測定手段と、プルトニウムからのγ線スペ
    クトルを測定してプルトニウムの同位体組成比を求める
    同位体組成比測定手段と、前記プルトニウム同位体組成
    比と予め設定したプルトニウム濃度上限制限値を入力し
    てプルトニウムからの中性子計数率上限制限値を計算す
    る中性子計数率上限制限値計算手段と、前記中性子計数
    率上限制限値計算手段により計算された中性子計数率上
    限制限値と前記プルトニウムからの中性子計数率とを比
    較して中性子計数率が前記上限制限値を超えたときに警
    報を発する警報発生手段とからなることを特徴とする中
    性子モニタ装置。
  3. 【請求項3】 前記同位体組成比測定手段において、γ
    線の検出をするγ線検出器が、ゲルマニウム検出器、シ
    リコン検出器、テルル化カドミウム検出器、第2ヨウ化
    銀検出器などの半導体検出器であることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の中性子モニタ装置。
  4. 【請求項4】 前記同位体組成比測定手段におけるγ線
    検出器が、プルトニウムの濃度により臨界管理を行う機
    器の側面または燃料溶液入口部配管の側面に配置したこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の中性子モニ
    タ装置。
  5. 【請求項5】 前記同位体組成比測定手段において求め
    るプルトニウム同位体組成比が、プルトニウムの同位体
    239Puと同位体 241Puとの比を用いることを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の中性子モニタ装置。
  6. 【請求項6】 測定された中性子計数率と、γ線スペク
    トルより求めたプルトニウム同位体組成比と、別途求め
    た中性子計数効率を用いてプルトニウム濃度を計算し
    て、当該計算されたプルトニウム濃度を予め設定した未
    臨界のプルトニウム濃度上限制限値と比較して、プルト
    ニウム濃度が前記上限制限値を超えたときに警報を発す
    ることを特徴とする臨界管理方法。
  7. 【請求項7】 測定されたγ線スペクトルより求めたプ
    ルトニウム同位体組成比と、予め設定した未臨界のプル
    トニウム濃度上限制限値と、別途求めた中性子計数効率
    を用いて中性子計数率上限制限値を計算して、中性子計
    数率が前記中性子計数率上限制限値を超えたときに警報
    を発することを特徴とする臨界管理方法。
  8. 【請求項8】 前記プルトニウム濃度及び中性子計数率
    上限制限値を計算するための中性子計数効率を、模擬体
    系による校正試験値を用いて求めることを特徴とする請
    求項6または請求項7記載の臨界管理方法。
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