JPH08282A - 5−メチルウリジンの製造方法 - Google Patents

5−メチルウリジンの製造方法

Info

Publication number
JPH08282A
JPH08282A JP9286195A JP9286195A JPH08282A JP H08282 A JPH08282 A JP H08282A JP 9286195 A JP9286195 A JP 9286195A JP 9286195 A JP9286195 A JP 9286195A JP H08282 A JPH08282 A JP H08282A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methyluridine
crystals
methyluracil
salt
microorganism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9286195A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3586924B2 (ja
Inventor
Shogo Maruyama
昭吾 丸山
Satoru Kumon
哲 公文
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Priority to JP9286195A priority Critical patent/JP3586924B2/ja
Publication of JPH08282A publication Critical patent/JPH08282A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3586924B2 publication Critical patent/JP3586924B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 核酸を原料とした微生物による5−メチルウ
リジンの製造法において特有の不純物を分離する方法を
開発し、高純度の5−メチルウリジン結晶を取得する。 【構成】 微生物を用い、酵素反応にて5−メチルウリ
ジンを製造する方法において、該微生物を培養した後、
該培地成分の一部または全部を除去し、該微生物により
酵素反応を行わせ、生成した5−メチルウリジンを晶析
し、得られた結晶を沈降速度差をで他の不純物結晶と分
離する。 【効果】 簡便な方法で高純度な5−メチルウリジンの
結晶を取得できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品原料として有用
な5−メチルウリジン(5ーmethyluridine)の製造方法
に関するものである。5−メチルウリジンは、エイズ薬
として市販されているアジドチミジン、また同じく臨床
試験中のd4T(2',3'ーdidehydroxy-2',3'-dideoxythy
midine)の合成中間体として有望視されている。
【0002】
【従来の技術】5−メチルウリジンは従来、化学的合成
法で製造されており、そこでの精製は、主として、メタ
ノール、エタノール等の有機溶剤を用いた結晶化により
行われていた。(J.Am.Chem.Soc.,78,2117(1956);特開
昭63ー63668;Helvetica Chimica Acta、2179(19
80);Synthesis,259(1982))
【0003】これらの技術は、核酸を原料とし、微生物
を用いて変換する方法とは副生する不純物が異なるた
め、精製を含めた5−メチルウリジンの製造方法として
は参考にならない。
【0004】微生物を利用する5−メチルウリジンの製
造方法としては、ヌクレオシド、またはリボースー1ー
リン酸に5ーメチルウラシルを微生物存在下に作用させ
る事により製造する方法が知られている。(特開平2ー
23882)
【0005】しかしながら、この特許には5−メチルウ
リジンの精製法に関する具体的な記述が無く、製品とし
ての5−メチルウリジンを製造するには不十分である。
【0006】とりわけ、5−メチルウリジンの大きな結
晶を晶析により得る事は、結晶の分離性を良くして分離
に必要な装置の規模を小さくする事ができ、また、不純
物との分離も良くなり、高純度の製品を得るには必要不
可欠であるが、それに関するなんらの記述もされていな
い。
【0007】通常、結晶成長には過飽和の大きさと不純
物が大きな影響を与え、とりわけ、不純物の組成は晶析
せんとする系によって全く事なり、この制御が晶析の可
不可を決める重要な鍵であり、与えられた系での特徴的
な制御が必要である場合が多い。
【0008】よって、微生物を利用した5−メチルウリ
ジンの場合、生物化学的生産に必要な情報は公知である
が、反応液よりの精製については、独自に方法を開発す
る必要があった。
【0009】反応液より、若干の前処理を経て濃縮によ
り5−メチルウリジンを晶析した所、20から30マイ
クロメーター(μm)の大きさの結晶しか得られず、こ
れでは分離速度が非常に遅く、分離装置が大きな物にな
る事が判明した。更に、この大きさでは、後述する結晶
の粒度の差を利用した不純物の分離には全く不適切であ
る事が判明した。
【0010】5−メチルウリジンは微生物を用い、核酸
類を原料として、酵素反応により製造することができる
が、そのとき反応生成物中には、未反応物である核酸類
および副生物である核酸類が不純物として含まれてい
る。5−メチルウリジンを製造するのに5ーメチルウラ
シル(チミン)とグアノシンを原料として用いる場合、
反応液中の不純物としては、主としてチミン、グアニ
ン、グアノシン、および、2-Amino-7-β-D-ribofuranos
yl-7H-purine-6(1H)one(シュドグアノシン)が存在す
る。このうち、例えば、チミンは温度、pH等に対する
溶解度変化のパターンが5−メチルウリジンに類似して
いるため、結晶化によって除去する事は難しい。また、
イオン解離パターンも類似しているのでイオン交換樹脂
等の処理による除去も困難である。
【0011】これら核酸系の不純物は、核酸を原料とし
た微生物による製造法に特有のものであり、公知の知識
を活用する事ができない。また、公知文献ではこれらを
分離する方法は記述されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】5−メチルウリジンを
効率よく生産し、かつ、純度の高い物になるよう、微生
物を用いた反応液からの5−メチルウリジン結晶の粒度
を大きくして結晶と母液の分離効率を高め、さらには、
この結晶と他の不純物結晶との分離効率をよくする方法
を開発する。
【0013】
【課題を解決するための手段】発明者は、微生物を培養
し、核酸類を原料として酵素反応にて5−メチルウリジ
ンを製造し、その晶析お呼び分離方法を検討した際、微
生物の培養液の処理方法により、後工程の5−メチルウ
リジンの晶析で得られる結晶の粒度に大きな差のある事
を見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明は、
リボース−1−燐酸若しくはその塩及び5−メチルウラ
シルから5−メチルウリジンを生成する能力を有する微
生物またはヌクレオシド、無期燐酸若しくはその塩及び
5−メチルウラシルから5−メチルウリジンを生成する
能力を有する微生物を用い、酵素反応にて5−メチルウ
リジンを製造する方法において、該微生物を培養した
後、(イ)該培地成分の一部、または全部を除去し、次
いで(ロ)該微生物にリボース−1−燐酸若しくはその
塩及び5−メチルウラシルまたはヌクレオシド、無期燐
酸若しくはその塩及び5−メチルウラシルを作用せし
め、5−メチルウリジンを生成させた後、次いで(ハ)
生成した5−メチルウリジンを晶析し、分離することを
特徴とする5−メチルウリジンの製造方法に関するもの
である。
【0014】本発明に用いられる微生物は、リボース−
1−燐酸若しくはその塩及び5−メチルウラシルから5
−メチルウリジンを生成する能力を有する微生物または
ヌクレオシド、無期燐酸若しくはその塩及び5−メチル
ウラシルから5−メチルウリジンを生成する能力を有す
る微生物であれば、使用可能である。例えば、アクロモ
バクター属、アシネトバクター属、エアロモナス属等、
特許公報特開平2−23882号に記載の微生物を挙げ
ることができる。特に好ましい微生物としては、アース
ロバクター属、セルロモナス属、フラボバクテリウム
属、クレブジェラ属、ミクロバクテリウム属、ミクロコ
ッカス属、サルシナ属に属する微生物を例示することが
できる。その具体例として、下記の微生物が挙げられ
る。アースロハ゛クター シンフ゜レックス(Arthrobacter simplex) FERM P-10
068セルロモナス フラヒ゛ケ゛ナ(Cellulomonas flavigena) ATCC 486フラホ゛ハ゛クテリウム レナナム(Flavobacterium rhenanum) FERM BP-
1862クレフ゛シ゛ェラ ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae) ATCC 8308ミクロハ゛クテリウム ラクチカム(Microbacterium lacticum) ATCC 818
0ミクロコッカス ルテウス(Micrococcus luteus) FERM P-7399サルシナ ルテア(Sarcina lutea) FERM P-7400
【0015】上記微生物の培養は、炭素源、窒素源、
P、S、Fe、Mn等の無機イオン、さらに必要ならば、ビタ
ミン等の微量栄養素または蛋白分解物、酵母エキスのよ
うな有機窒素源を含有する通常の培地を用い、通常の培
養方法で行なえば良い。
【0016】得られた微生物の培養液からの培地成分の
除去方法としては、培養液を自然沈降後の上澄み除去、
遠心分離ないしはろ過等の通常の方法を使用できる。こ
れらの方法により、菌体と母液とに容易にかつ任意の割
合に分ける事ができる。培地成分の除去量の割合は、培
養液の50〜99容量%が好ましく、特に好ましくは7
0〜90容量%である。
【0017】培養液から培地成分を一部ないしは大部分
を除去した後、微生物含有液に直接あるいは微生物含有
液を無機燐酸緩衝液、トリス緩衝液等の緩衝液で希釈し
たものに、反応基質である、リボース−1−燐酸若しく
はその塩及び5−メチルウラシル、または、ヌクレオシ
ド、無期燐酸若しくはその塩及び5−メチルウラシルを
添加し、酵素反応を行い、5−メチルウリジンを生成す
る。反応は、pH範囲は4〜10、好ましくは6〜8、
温度範囲は、20〜70℃、好ましくは50〜70℃の
条件下、静地あるいは攪拌しながら、10分〜10日間
行われる。
【0018】培養液の培地成分を除去する事無く、培養
液にそのまま核酸類の基質を添加した後反応させた場
合、得られる結晶の粒度は長径で20から30μmであ
った。この粒径では、結晶の例えば遠心ろ過を行った場
合の分離速度が非常に遅く、大きな装置が必要である事
が判明した。
【0019】これに対し、培養液の培地成分を一部、ま
たは大部分を除去した後に核酸類の基質を添加し、反応
を行った場合には、50から550μmの粒径の結晶の
得られる事を発見した。この粒径であれば、結晶の分離
速度が速くなり、かつ後述の他の不純物核酸との粒径を
利用した分離が可能になる。
【0020】発明者は5−メチルウリジンの精製を検討
した際、上記の様に、培養液から培地成分を一部ないし
は大部分を除去した後基質を加えて反応させると、後工
程で得られる5−メチルウリジンの結晶が比較的大きく
成る事を発見し、この性質が5−メチルウリジンの精製
に活用できうるとの着想を得た。一般的に言って、工業
的に粒度の揃った結晶を得ようとする場合、被晶析流体
をその流体自体で下方より流動させ、大きな結晶を下部
に、細かい結晶を上部に分級させ、上部の細かい結晶を
系外で溶解、再循環させる方法が取られるが、本発明の
ように、製品結晶と不純物結晶を沈降速度で分ける方法
は数少ない。その理由は、そのような粒度分布を持った
系が無い事、製品結晶中に不純物結晶が取り込まれ、た
とえ分ける事ができたとしても純度が上がらない事、お
よび、たとえ分級する事が可能な粒系、結晶の質であっ
ても、発想がそこに至らない為と考えられる。
【0021】5−メチルウルジンの場合、市販試薬の結
晶粒系は大きくとも50μm程度であったが、発明者が
これを水より再晶析したところ、500μm程の結晶が
得られた。
【0022】一方、不純物を含む実液系から得られた5
−メチルウリジン結晶の粉末X線回折の結果、5−メチ
ルウリジンは他の不純物と”混晶”を作らず、混合した
結晶群の中から5−メチルウリジンの結晶のみを取り出
す事ができれば、高純度の製品の得られる事を見いだし
た。また、実液系での5−メチルウリジンの結晶粒系は
通常、300から600μm、特に小さい場合でも50
から100μmの範囲にあり、この時、不純物側の結晶
粒系は5から50μmであった。さらに、撹判後静置し
た晶析スラリーの観察により、5−メチルウリジン結晶
がガラス容器の下部にあり、上部の液は短時間であれば
濁っている事を見いだし、沈降速度の差を使えば、他の
結晶を分離できる着想を得た。
【0023】具体的に結晶同志を沈降速度で分離する方
法としては、一つにはデカンテーション法がある。結晶
スラリーをよく混合し、しかる後静置し、5−メチルウ
リジンが大方沈降し、他の結晶が浮遊してる間に5−メ
チルウリジン以外の層を容器を傾けて流し去る方法であ
る。流出液を結晶分離し、その母液を元の容器に戻し、
再度上記の操作を繰り返す操作を何回か繰り返す事によ
り、不純物結晶を含まない5−メチルウリジン結晶を取
得できる。また、大きな装置では、容器を傾けるのは難
しいので、機械力に頼らざるを得ない。たとえば、非沈
降層をポンプを用いて吸い出す、あるいは、適当な位置
にオーバーフロー口を設けておいて、沈降後、そこから
上部の液をオーバーフローさせる等の方法が考えられ
る。また、一般的な流動層型連続晶析槽を改良し、清澄
母液を槽の下部から流し、5−メチルウリジンの結晶は
流出させず、不純物結晶のみを流出させる方法、また
は、いわゆるスーパーデカンター、ハイドロサイクロン
等の結晶の分級分離が可能な遠心分離機で一気に、大き
な結晶と小さな結晶を分ける方法が考えられる。
【0024】デカンテーションないしは上記遠心分離器
等を使用する機械的分離を繰り返すことにより、所定の
分離の効率と、所定の製品純度を得ることが可能であ
る。
【0025】これらのいずれの方法も、分離された不純
物結晶を含む流体を遠心分離機、ろ過等で結晶分離し、
その母液を元の装置にもどす操作があれば不純物結晶分
離効率をより高める事が可能になる。
【0026】分離した5−メチルウリジン側の結晶の層
を遠心分離、ろ過等で分離し、さらにこの時、結晶を水
で、可能ならば冷水で洗浄すれば、より純度の高い結晶
が得られる。
【0027】5−メチルウリジンを製造するに当たり、
核酸を原料とし、微生物を用いて変換する方法の代表例
として、ヌクレオシド、無機リン酸および5ーメチルウ
ラシル(チミン)を微生物存在下で作用させる方法があ
る。ここで、ヌクレオシドとしては、アデノシン、グア
ノシン、イノシン、ウリジン、シチジンまたはキサント
シンが例示される(特開平2−23882)。この反応
において、不純物としてそれぞれの残留ヌクレオシド、
5ーメチルウラシル(チミン)、使用したヌクレオシド
から副成した塩基およびリン酸が存在する。これらの不
純物を5−メチルウリジンとの溶解度の差で分離する事
は容易に考えられるが、核酸成分の温度、pHに対する
溶解度変化のパターンはお互いに類似しており、これ以
上分ける事は容易ではない。
【0028】この反応液中で、不純物核酸の除去を検討
する過程で、発明者は5−メチルウリジンの結晶が比較
的大きくなるのに対し、他のものが大きくならない事を
見いだした。さらに、5−メチルウリジンの流体中での
沈降速度が他の結晶に比べ、著しく大きい事を発見し
た。
【0029】特開平2−23882の条件に加え、培養
液から培地成分を一部ないしは大部分を除去した後基質
を加えて反応させた後、反応液を冷却、ろ過、活性炭脱
色、ろ過して得たろ液を濃縮し、3から15℃の範囲に
冷却晶析して、何等他の溶媒を加える事無く析出してく
る結晶のうち、5−メチルウリジン結晶の平均的粒系が
50から550μmであるのに対し、不純物のそれは1
0から30μm程度であった。
【0030】そこで、流体中の5−メチルウリジン結晶
を5分から10分で沈降させておいた後、5−メチルウ
リジン結晶層以外の部分を容器を傾けて流出させ(デカ
ンテーション)、さらに流出液中の結晶を分離後、その
母液を容器に戻し、撹判後、再びデカンテーションする
操作を繰り返したところ、他の結晶をあまり含まない高
純度の5−メチルウリジンが得られた。
【0031】晶析装置の規模または結晶粒径により、5
−メチルウリジンの沈降に要する時間は変化するが、そ
の時の所用時間は、晶泥の一部を抜き取り、メスシリン
ダー等の中で実際に沈降させ、それに要した時間と沈降
距離を計り、これから実際の装置中での所用沈降速度を
計算する事により、容易に沈降時間を設定する事ができ
る。
【0032】一方、不純物の結晶粒径は、常にほぼ一定
であるから、沈降時間は5−メチルウリジン側だけを考
えれば良い。あまり長い時間沈降時間を取ると、不純物
結晶も多少沈降してくる。メスシリンダーのような小さ
な装置では、30分程度で微結晶の沈降層が形成され
た。この場合にも、不純物結晶が沈降してくる時間は、
装置の規模に基づいて容易に計算でき、沈降時間の限度
はこれにより決める事ができる。
【0033】流動層型連続晶析槽を改良、あるいは流動
層分級型晶析缶を設計して用いる場合には、清澄母液を
槽の下部から流し、5−メチルウリジンの結晶は流出さ
せず、不純物結晶のみを流出させるに必要な流体の線速
度を測定する事により、容易に実装置での線速度を決定
する事ができる。
【0034】また同様に、いわゆるスーパーデカンター
を用いる場合、小型機を用い、沈降面積あたりの流体フ
ィード流速と結晶の分離性を測定する事により、容易に
実機でのフィード流量を設定する事ができる。
【0035】ここに、われわれは結晶の沈降速度の差を
利用する方法が、5−メチルウリジンと他の核酸成分と
を分離する有効な方法である事を見いだした。
【0036】上記の方法は、5−メチルウリジンとの分
離が極めて難しいチミンの分離に特に大きな効力を発揮
した。チミンは溶解度の温度、pHに対する変化のパタ
ーンが5−メチルウリジンに相似であり、分離が困難で
あり、また、イオン解離のパターンも似ており、イオン
交換樹脂等でも分離が困難であるため、本発明の方法法
は、非常に有効であった。
【0037】また、共存する他の核酸であるグアノシ
ン、グアニン、シュドグアノシンについても非常に有効
な分離手段であった。
【0038】微生物の培養液中の培地成分の一部ないし
は大部分を除去した場合にのみ、5−メチルウリジンの
大きな粒径の結晶が得られる理由は明確では無いが、酵
素反応中に培地成分中に含まれるアミノ酸と他の成分、
例えば糖が反応して、その生成物が5−メチルウリジン
の結晶の成長を阻害しているのではないかと考えられ
る。本微生物を用いた反応の温度は60℃であり、一般
的な微生物を用いた生産に比べて温度が高く、この事が
前述の副生反応を促進していると考えられ、本特許の培
地成分の除去の必要性をもたらしているものと考えられ
る。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0040】実施例1 特開平2−23882号公報の実施例1に従い、フラボ
バクテリウム レナナム(Flavobacterium rhenanum) FE
RM BP-1862を培養し、菌体培養液を調製した。この菌体
培養液を遠心処理し、培地成分の50%を除去した。こ
れにトリス緩衝液を加えて元の容量に戻し、基質の5−
メチルウラシルとグアノシンを添加し、温度を60℃に
保って反応させた。反応液を冷却、ろ過、活性炭脱色、
ろ過、真空濃縮し、これを5℃迄冷却した。得られた晶
析スラリー中の結晶の大きさは約80μmであった。ま
た、5−メチルウリジンと他の不純物核酸結晶とは自然
沈降で良く二層に分離していた。
【0041】実施例2 特開平2−23882号公報の実施例1に従い、フラボ
バクテリウム レナナム(Flavobacterium rhenanum) FE
RM BP-1862を培養し、菌体培養液を調製した。この菌体
培養液を遠心処理し、培地成分の90%を除去した。こ
れにトリス緩衝液を加えて元の容量に戻し、基質の5−
メチルウラシルとグアノシンを添加し、本発明の実施例
1と同様に反応と後処理を行った。得られた晶析スラリ
ー中の結晶の大きさは約70μmであった。また、5−
メチルウリジンと他の不純物核酸結晶とは自然沈降で良
く二層に分離していた。
【0042】実施例3 特開平2−23882号公報の実施例1に従い、フラボ
バクテリウム レナナム(Flavobacterium rhenanum) FE
RM BP-1862を培養し、菌体培養液を調製した。この菌体
培養液を遠心処理し、培地成分の90%を除去した。こ
れに無機リン酸緩衝液を加えて元の容量に戻し、基質の
5−メチルウラシルとグアノシンを添加し、本発明の実
施例1と同様に反応と後処理を行った。得られた晶析ス
ラリー中の結晶の大きさは約100μmであった。ま
た、5−メチルウリジンと他の不純物核酸結晶とは自然
沈降で良く二層に分離していた。
【0043】実施例4 実施例1から3の上層を下層の5−メチルウリジン層と
上澄み分離し、この下層を遠心分離した所、いずれも速
い速度で分離できた。
【0044】実施例5 特開平2−23882号公報の実施例2に従い、ミクロ
コッカス ルテウス(Micrococcus luteus) FERM P-7399
を培養し、菌体培養液を調製後、常法に従い洗浄菌体を
得た。これにトリス緩衝液を加えて、元の容量に戻し、
基質の5−メチルウラシルとグアノシンを添加し、本発
明の実施例1と同様に酵素反応を実施した。得られた酵
素反応液を冷却、ろ過、活性炭脱色、ろ過、真空濃縮し
て、5−メチルウリジン25.5%、チミン1.95
%、グアノシン0.57%含む濃縮液384.9gを得
た。これをさらに50rpmで撹判しながら徐徐に10
℃まで冷却し、結晶を析出させた。これを10分間静置
し、下部の5−メチルウリジン層以外の上部の微結晶懸
濁部分をデカンテーション分離して流出させ、流出液中
の結晶をろ過分離し、乾重量あたり5−メチルウリジン
を22.6%、チミンを50.7%、グアノシンを1
0.7%含む8.62gの湿結晶を得た。この母液側を
5−メチルウリジン結晶層の残っている元の容器に戻
し、撹判し、再び10℃に冷却した。これを再度、上記
と同様にデカンテーション分離し、再び流出液中の結晶
をろ過分離し、乾重量あたり5−メチルウリジンを4
1.4%、チミンを26.1%、グアノシンを14.4
%、グアニンを0.052%を含む乾燥状態で4.57
gの結晶を得た。この母液側を5−メチルウリジン結晶
層の残っている元の容器に戻し、撹判しながら10℃に
冷却後、バスケット型遠心ろ過機で流体全量を分離し
た。分離時に結晶層を57.8gの冷水で結晶を洗浄し
た。分離結晶を乾燥し、75.21gの含水和物結晶を
得た。濃縮液からの5−メチルウリジンの収率は71.
4%であった。この結晶の純度は93.24%であり、
不純物として、3.33%のチミン、0.342%のグ
アノシンが含まれていた。5−メチルウリジンに対する
チミンの比率は、濃縮液で7.6%、製品で3.6%で
あり、晶析、デカンテーション工程で半減していた。更
に言えば、定性的であるが、シュドグアノシンも大幅に
減少していた。さらに、デカンテーションを繰り返す事
により、不純物核酸は更に減少させ得たであろう。な
お、この晶析での5−メチルウリジンの結晶平均粒径は
約350μm、微結晶の平均粒径は10μmであった。
【0045】実施例6 本発明の実施例5と同様にして、菌体培養液を調製後、
酵素反応を実施した。この酵素反応液を冷却、ろ過、活
性炭脱色、ろ過、真空濃縮して、5−メチルウリジン2
3.0%、チミン1.71%、グアノシン0.45%含
む濃縮液580Lを得た。これを晶析缶中で100rp
mで撹判しながら徐徐に5℃まで冷却し、結晶を析出さ
せた。撹判を停止し、約15分間、5−メチルウリジン
結晶を沈降させた後、微結晶を含んだ上部微結晶懸濁液
をポンプを用いて機械的に分離した。この分離液中の微
結晶をろ過分離し、この母液側を元の晶析缶に戻し、撹
判し、再び5℃に冷却した。上記の撹判、静置、上部微
結晶懸濁液分離、微結晶ろ過分離、再懸濁の一連の操作
を4度繰り返した後、バスケット型遠心ろ過機で懸濁液
全体を分離した。分離時に60Lの水で結晶を洗浄し
た。分離結晶を乾燥し、96Kgの含水和物結晶を得
た。濃縮液からの5−メチルウリジンの収率は72.0
%であった。この結晶の純度は93.8%であり、不純
物として、1.8%のチミン、0.16%のグアノシン
が含まれていた。5−メチルウリジンに対するチミンの
比率は、濃縮液で7.4%、製品で1.9%であり、晶
析、デカンテーション工程で4分の1に減少していた。
また、シュドグアノシンも大幅に減少していた。さら
に、デカンテーションを繰り返す事により、不純物核酸
は更に減少させ得たであろう。なお、この晶析での5−
メチルウリジンの結晶平均粒径は約550μm、微結晶
の平均粒径は15μmであった。
【0046】比較例1 本発明の実施例1と同様にして、フラボバクテリウム
レナナム(Flavobacterium rhenanum) FERM BP-1862の菌
体培養液を調製した。この菌体培養液の培地成分を除去
することなく、基質の5−メチルウラシルとグアノシン
を添加し、本発明の実施例1と同様に温度を60℃に保
って反応させた。反応液を冷却、ろ過、活性炭脱色、ろ
過、真空濃縮し、これを5℃迄冷却した。得られた5−
メチルウリジンの結晶の大きさは20から30μmであ
り、他の不純物核酸結晶との自然沈降による分離現象は
見られなかった。また、遠心分離に非常に長時間要し
た。
【0047】比較例2 本発明の実施例5と同様にして、ミクロコッカス ルテ
ウス(Micrococcus luteus) FERM P-7399の菌体培養液を
調製後、酵素反応を実施した。得られた酵素反応液を冷
却、ろ過、活性炭脱色、ろ過、真空濃縮して、5−メチ
ルウリジン25.2%、チミン1.55%、グアノシン
0.42%含む濃縮液7.05kgを得た。これをさら
に撹判しながら徐徐に5℃まで冷却し、結晶を析出させ
た。この懸濁液を静置することなく、すぐにバスケット
型遠心ろ過機で全量分離し、5−メチルウリジンを4.
5%、チミンを0.26%、グアノシンを0.12%含
む5223gの母液を得た。更に結晶層を814gの冷
水で洗浄した。この洗浄時の母液は、5−メチルウリジ
ンを5.18%、チミンを0.31%、グアノシンを
0.19%含み、1926gあった。分離結晶を乾燥
し、1.52kgの含水和物結晶を得た。濃縮液からの
5−メチルウリジンの収率は76.3%であった。この
結晶の純度は89.28%であり、不純物として、5.
21%のチミン、0.69%のグアノシンが含まれてい
た。5−メチルウリジンに対するチミンの比率は、濃縮
液で6.2%、製品で5.8%であり、晶析工程での減
少は全くなかった。
【0048】
【発明の効果】産業上有用な5−メチルウリジンを、有
機溶剤等特殊な溶媒を用いる事無く、かつ、簡便な方法
で高純度に精製できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リボース−1−燐酸若しくはその塩及び
    5−メチルウラシルから5−メチルウリジンを生成する
    能力を有する微生物またはヌクレオシド、無期燐酸若し
    くはその塩及び5−メチルウラシルから5−メチルウリ
    ジンを生成する能力を有する微生物を用い、酵素反応に
    て5−メチルウリジンを製造する方法において、該微生
    物を培養した後、(イ)該培地成分の一部、または全部
    を除去し、次いで(ロ)該微生物にリボース−1−燐酸
    若しくはその塩及び5−メチルウラシルまたはヌクレオ
    シド、無期燐酸若しくはその塩及び5−メチルウラシル
    を作用せしめ、5−メチルウリジンを生成させた後、次
    いで(ハ)生成した5−メチルウリジンを晶析し、分離
    することを特徴とする5−メチルウリジンの製造方法
  2. 【請求項2】 培地成分の除去率が50%から99%で
    ある請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 5−メチルウリジンを晶析し、分離する
    際に5−メチルウリジンの結晶を沈降速度差で他の不純
    物結晶と分離することを特徴とする、請求項1または請
    求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 分離方法がデカンテーション法または機
    械的分離方法であることを特徴とする、請求項1乃至3
    のいずれか1請求項に記載の方法。
JP9286195A 1994-04-18 1995-04-18 5−メチルウリジンの製造方法 Expired - Fee Related JP3586924B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9286195A JP3586924B2 (ja) 1994-04-18 1995-04-18 5−メチルウリジンの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-78783 1994-04-18
JP7878394 1994-04-18
JP9286195A JP3586924B2 (ja) 1994-04-18 1995-04-18 5−メチルウリジンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08282A true JPH08282A (ja) 1996-01-09
JP3586924B2 JP3586924B2 (ja) 2004-11-10

Family

ID=26419845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9286195A Expired - Fee Related JP3586924B2 (ja) 1994-04-18 1995-04-18 5−メチルウリジンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3586924B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999045917A1 (en) * 1998-03-11 1999-09-16 Zeria Pharmaceutical Co., Ltd. Remedies for aids
JP2010285377A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Tokuyama Corp L−カルノシンの精製方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999045917A1 (en) * 1998-03-11 1999-09-16 Zeria Pharmaceutical Co., Ltd. Remedies for aids
JP2010285377A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Tokuyama Corp L−カルノシンの精製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3586924B2 (ja) 2004-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3553071A1 (en) Method for preparing psicose using recycling
AU2011214268B2 (en) Process for manufacturing succinic acid
EP1765757B1 (en) Process for the preparation of lactic acid or lactate from a medium comprising magnesium lactate
CN106188167B (zh) 一种从氨糖发酵液中分离提取n-乙酰基-d-氨基葡萄糖和d-氨基葡萄糖的方法
WO2008134936A1 (en) Method for extracting threonine from threonine fermentation liquor
US5041377A (en) Subtilisin crystallization process
CN115066395A (zh) 从不纯的氯化锂溶液开始精炼碳酸锂的工艺和方法
RU1774951C (ru) Способ выделени кето-2-L-гулоновой кислоты из ферментационного сусла
JP3586924B2 (ja) 5−メチルウリジンの製造方法
US5547858A (en) Method for purification of amino acids, nucleic acids using a hydrocyclone
JP2022550078A (ja) 5’-グアニル酸二ナトリウム七水和物結晶の製造方法
SU1575946A3 (ru) Способ получени концентрата глюкозоизомеразы
US5547857A (en) Process for producing 5-methyluridine and purification by sedimentation velocity
KR940000810B1 (ko) 결정상태의 글루타민산을 제조하는 방법
JPH06128280A (ja) 高純度5ーメチルウリジンの精製方法
JPS6338B2 (ja)
US3360554A (en) Process for crystallizing out l-glutamic acid
KR100864673B1 (ko) 비용매를 이용하여 쓰레오닌 생산 미생물의 발효액으로부터쓰레오닌을 회수하는 방법
US3793146A (en) Process for the production of citric acid
JP2804005B2 (ja) L−アスパラギン酸の製造方法
JP3088786B2 (ja) エリスリトールの晶析法
US5312977A (en) Method for purifying L-phenylalanine
JPH0956389A (ja) アベルメクチンの精製法
JP2804004B2 (ja) L−アスパラギン酸の製造方法
JPS6135791A (ja) グルタミン酸ナトリウムの晶折法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040601

A521 Written amendment

Effective date: 20040603

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040720

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20040802

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees