JPH08284993A - ブッシュ組立体 - Google Patents

ブッシュ組立体

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JPH08284993A
JPH08284993A JP7093463A JP9346395A JPH08284993A JP H08284993 A JPH08284993 A JP H08284993A JP 7093463 A JP7093463 A JP 7093463A JP 9346395 A JP9346395 A JP 9346395A JP H08284993 A JPH08284993 A JP H08284993A
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Kazunari Nakahara
一成 中原
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Kurashiki Kako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 筒軸方向、前後方向及び左右方向の各ばね定
数を互いに独立して設定可能とし、かつ、要求性能に対
する設定の容易化を図る。これにより、左右方向ばね定
数を比較的硬いものとしつつ、円筒形の外筒体をそのま
ま用いても筒軸方向及び前後方向のせん断二方向のばね
定数を一致もしくは可及的に近付けて、操縦安定性上の
要求と、弾性支持性能上及び防振性能上の要求との両立
を図る。 【構成】 内筒体1を、筒軸Zに直交するY方向両側に
延びるゴム弾性体3により円筒形外筒体2と連結する。
内筒体を、本体筒部11と、平面視略四角形にし、筒軸
方向両側位置からY方向両側に張出す張出し部12,1
2と、両張出し部間を筒軸方向連結してX方向両側に突
出する障壁部13,13とで形成する。筒軸方向外力に
対しては、凹溝15内のゴム弾性体部分33を死にゴム
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車の分野で
部品を車体に弾性支持させるために介装させる等の用途
に用いられるブッシュ組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のブッシュ組立体とし
ては、一般に、大小の円筒形の外筒体と内筒体とを同軸
配置にし両筒体を内筒体の筒軸に直交する第1方向に延
ばしたゴム弾性体により連結したものが知られている。
そして、円筒形内筒体の外周囲に他の部材を固着して肉
盛りすることにより横断面形状における外周形状が四角
形になるようにするとともに、円筒形外筒体の内周面の
一部に厚肉部を設け、これにより、上記ゴム弾性体の内
筒体側及び外筒体側の各接合面を円弧面ではなく平面と
するようにしたもの(例えば、特開平2−93134号
公報参照)や、上記円筒形内筒体に角筒を外嵌固定して
この角筒の一平面にゴム弾性体を連結するとともに、そ
の一平面に平行な平面を有する中間板を角筒と円筒形外
筒体との間のゴム弾性体内に介在させたもの(例えば、
実開昭56−45635号公報参照)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ブッシュ組
立体において、大小の円筒形の外筒体と内筒体とを同軸
配置にし両筒体を内筒体の筒軸に直交する第1方向に延
ばしたゴム弾性体により連結したものを用いて、例えば
自動車の操縦安定性及び部品の防振支持の両立を図るた
めに、内筒体の筒軸方向(例えば車体の上下方向)と、
上記第1方向(例えば車体の左右方向)と、筒軸方向及
び第1方向に共に直交する第2方向(例えば車体の前後
方向)とからなる三次元方向に対し弾性支持を可能と
し、かつ、その三次元方向の各ばね定数を個別に独立し
て所望のものに設定可能にしたいという要請がある。
【0004】例えば、フロントエンジン・リヤドライブ
のいわゆるFR車において、リヤサスペンションのサブ
フレームを車体にマウントするためにブッシュ組立体の
筒軸方向を上下方向に、ゴム弾性体が延びる方向(上記
の第1方向)を車体の左右方向に配置して用いる場合、
そのブッシュ組立体には、筒軸方向及び車体の前後方向
(上記の第2方向)の各ばね定数、すなわち、力がゴム
弾性体に対しせん断力として作用する方向の各ばね定数
を、防振性能上、共に軟らかいものにする必要がある。
その一方、上記の左右方向、すなわち、力がゴム弾性体
に対し圧縮・引張力として作用する方向のばね定数を、
自動車の操縦安定性の面からある程度硬いものにする必
要がある。
【0005】ところが、上記筒軸方向のばね定数につい
ては、ゴム弾性体に基づく筒軸方向のばねに基づき上記
のサブフレームを支持しなくてはならないため、その筒
軸方向のばね定数を軟らかいものにするのには限界があ
る。すなわち、上記サブフレームにはデファレンシャル
ギヤが載置されており、加速時にはそのトルクが作用し
て上記サブフレームが倒れようとするため、この倒れや
傾きを抑制した状態で支持する上でも、筒軸方向のばね
定数をある一定値以上に硬いものにする必要があり、上
記の要求性能とは相反する要求を併せ持っている。
【0006】また、上記筒軸方向と前後方向とのせん断
二方向の両ばね定数における互いの関係においては、ゴ
ム弾性体の一端を円筒形の外筒体の内周面に接合させる
関係上、上記筒軸及び前後の各方向のせん断力に抵抗す
るゴム弾性体部分の長さが上記外筒体側の円弧部分の存
在により互いに異なるものになるため、上記前後方向ば
ね定数は上記筒軸方向のそれよりも一般に硬いものにな
る。この点、上記の従来技術における外筒体の内周面に
厚肉部を設けて平面にしたものでは、上記の円弧部分の
影響がなくなり上記せん断二方向の両ばね定数は一致す
るものの、外筒体に対し上記の厚肉部を形成するための
工程が増える上、ゴム弾性体の一体加硫成形時の外筒体
のセッティングにも手間がかかることになる。
【0007】このため、上記せん断二方向に対する筒軸
方向ばね定数と前後方向ばね定数との関係においては、
筒軸方向のばね定数をあまり軟らかいものにならない一
定値に抑えると同時に、上記厚肉部の形成を省略して円
筒形の外筒体をそのまま用いたとしても、上記筒軸方向
ばね定数よりも硬くなる傾向にある前後方向ばね定数を
上記筒軸方向ばね定数に一致もしくは極力近付け得るブ
ッシュ組立体の開発が要請されている。
【0008】さらに、このような筒軸方向及び前後方向
に対する両ばね定数についての目標性能を具備した上
で、上記左右方向のばね定数を相対的に硬いものにする
ことは困難なものとなり左右方向ばね定数に対する要求
性能よりも軟らかいものになってしまう。すなわち、上
記左右方向ばね定数を硬いものにするためには、左右方
向からの圧縮力を受けるゴム弾性体の断面積をより増大
させるように形状を設定しなければならない。しかし、
そうすると、上記の筒軸方向及び前後方向の両せん断方
向ばね定数が変化してこれらに対する目標性能について
の要求を満足させることができなくなる。この点、上記
従来技術における中間板を介装させることにより左右方
向のばね定数を増大させる方策を採ることもできるが、
その中間板を介装させるための工程が増加する上に、そ
の中間板の存在により筒軸方向及び前後方向のばね定数
も変化してしまうことになる。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、筒軸方向、前
後方向及び左右方向の各ばね定数を互いに独立して設定
可能とし、かつ、要求性能に対する設定の容易化を図る
ことにある。これにより、左右方向ばね定数を比較的硬
いものとしつつ、円筒形の外筒体をそのまま用いても筒
軸方向ばね定数及び前後方向ばね定数のせん断二方向の
ばね定数を一致もしくは可及的に近付けて、操縦安定性
上の要求と、弾性支持性能上及び防振性能上の要求との
両立を図ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、内筒体と、この内筒体の筒
軸に平行にその内筒体を囲む外筒体と、上記内筒体から
上記筒軸に直交する第1方向の両側に延びてその内筒体
の外面と上記外筒体の内面とを互いに連結するゴム弾性
体とを備えるものを前提とする。このものにおいて、上
記内筒体を、取付け用軸体が挿通される本体筒部と、上
記本体筒部から、上記筒軸方向及び第1方向に対し共に
直交する第2方向の両側にそれぞれ上記ゴム弾性体内に
突出されて上記ゴム弾性体内に介装された一対の障壁部
と、上記ゴム弾性体の筒軸方向形成範囲内であって上記
本体筒部の筒軸方向に互いに離れた両側各位置からそれ
ぞれ上記第1方向の両側に上記ゴム弾性体内に張出した
一対の張出し部と、上記本体筒部を挟んで第1方向両側
の各位置に上記一対張出し部の筒軸方向相対向面間に区
画されてゴム弾性体が配設される一対の凹溝部とを備え
る構成とするものである。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、内筒体の障壁部を、ゴム弾性体の第2方向
に対する全幅にわたり突出するものである。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、内筒体の筒軸方向両側の各張出し部を、ゴ
ム弾性体の第2方向に対する全幅にわたる範囲に形成す
るものである。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、内筒体の筒軸方向両側の各張出し部を、障
壁部の第2方向に対する形成範囲と同じ第2方向範囲に
わたり設け、筒軸方向から見た形状が略四角形になるよ
うに形成するものである。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発
明において、内筒体の障壁部の第1方向に対する肉厚
を、本体筒部の第1方向に対する幅の範囲内に設定する
ものである。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発
明において、内筒体の障壁部を、筒軸方向両側の各張出
し部と互いに一体に連結するものである。
【0016】請求項7記載の発明は、請求項1記載の発
明において、内筒体として、本体筒部と、筒軸方向両側
の各張出し部と、障壁部とを互いに同一材料により一体
に形成して構成するものである。
【0017】また、請求項8記載の発明は、請求項1記
載の発明において、内筒体として、本体筒部に対し、筒
軸方向両側の各張出し部と、障壁部とが上記本体筒部と
を異なる材料により一体に形成して構成するものであ
る。
【0018】さらに、請求項9記載の発明は、請求項1
記載の発明において、外筒体を、円筒形に形成するもの
である。
【0019】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
本体筒部の筒軸方向両側位置から第1方向両側にそれぞ
れ張出し部が突出されているため、内筒体もしくは外筒
体に筒軸方向の外力が入力した場合に、この一対の張出
し部間に挟まれたゴム弾性体部分が上記外力に対し抵抗
要素とはならない、いわゆる死にゴムとなり、上記張出
し部の張出し端から外筒体の内周面までの範囲のゴム弾
性体部分が上記外力に対し有効に抵抗することになる。
このため、本体筒部から外筒体の内周面までの範囲のゴ
ム弾性体が上記筒軸方向外力に抵抗する場合と比べ、そ
の筒軸方向外力に抵抗するゴム弾性体の第1方向長さが
上記張出し部の張出し長さ分短くなり、これに伴い、筒
軸方向ばね定数が硬いものとなる。従って、上記張出し
部の張出し長さを大にする程、筒軸方向ばね定数をより
硬いものにすることが可能になる。
【0020】一方、上記内筒体もしくは外筒体に第2方
向からの外力が入力した場合には、上記筒軸方向両側の
一対の張出し部の間に存在するゴム弾性体部分も上記第
2方向外力に有効に抵抗するため、本体筒部から外筒体
の内周面近傍までの範囲のゴム弾性体が上記第2方向外
力に抵抗する。このため、上記の張出し部間のゴム弾性
体部分が死にゴムとなる場合と比べてその第2方向に対
するばね定数は軟らかいものとなる。これにより、ゴム
弾性体の端部が外筒体の内周面の円周面に結合されてい
ても、上記筒軸方向ばね定数よりも硬くなりがちな第2
方向ばね定数を、上記筒軸方向ばね定数が硬いものとな
り、かつ、第2方向ばね定数が軟らかいものとなること
により、上記筒軸方向ばね定数に一致もしくは近付け得
る。
【0021】しかも、上記内筒体もしくは外筒体に第1
方向から外力が作用した場合には、本体筒部から障壁部
が第2方向両側に突出して形成され、その障壁部の第1
方向厚みの分だけゴム弾性体が上記第1方向外力に抵抗
して圧縮される第1方向長さが短くなり、これにより、
上記第1方向に対するばね定数が硬いものとなる。従っ
て、上記障壁部の第1方向厚みを大とする程、上記第1
方向ばね定数をより硬いものとすることが可能となる
上、この障壁部の第1方向厚みを変更しても、上記の筒
軸方向及び第2方向からの外力に抵抗するゴム弾性体部
分に殆ど影響を与えることがないため、上記筒軸方向及
び第2方向の両ばね定数とは互いに独立して上記第1方
向ばね定数の変更設定が可能になる。
【0022】このように本発明の如く障壁部と張出し部
とを備えた内筒体を用いることにより、筒軸方向、第2
方向、及び、第1方向の各方向に対する3つのばね定数
を互いに独立して設定することが可能になり、第1方向
ばね定数を比較的硬いものにしつつ、筒軸方向及び第2
方向の両ばね定数を互いに一致もしくは近似したものに
する設定が可能になる。
【0023】請求項2記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、内筒体の障壁部がゴム弾
性体の第2方向全幅にわたり突出されているため、上記
の第1方向ばね定数の増大化がより効率的にかつ効果的
に図られる。
【0024】請求項3記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、内筒体の各張出し部がゴ
ム弾性体の第2方向全幅にわたる範囲に形成されている
ため、筒軸方向ばね定数の増大化と、第2方向ばね定数
の低減化とがより効率的にかつ効果的に図られる。
【0025】請求項4記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、内筒体の各張出し部が障
壁部の形成範囲と同じ第2方向範囲にわたり設けられて
筒軸方向から見た形状が略四角形に形成されているた
め、筒軸方向外力に対する死にゴム部分の端面が第2方
向に延びる平面となり、筒軸方向ばね定数の増大化と、
第2方向ばね定数の低減化とが効率よく行われる。
【0026】請求項5記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、内筒体の障壁部の第1方
向肉厚が本体筒部の第1方向幅の範囲内に設定されてい
るため、第2方向ばね定数に影響を与えることのない範
囲で第1方向ばね定数の増大化が図られる。
【0027】請求項6記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、内筒体の障壁部が筒軸方
向両側の各張出し部と互いに一体に連結されているた
め、筒軸方向、第2方向及び第1方向に対する各ばね定
数を発現するゴム弾性体部分を区分、形成もしくは切換
る上記障壁部や各張出し部がそれぞれ確実に作用し、こ
れにより、上記各ゴム弾性体によりそれぞれの方向に対
するばね定数が確実に所定のものが発揮される。
【0028】請求項7記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、内筒体が、本体筒部と、
各張出し部と、障壁部とを互いに同一材料により一体に
形成されているため、内筒体の構造的強度が高まる上、
その形成工程の合理化が図られる。
【0029】また、請求項8記載の発明では、上記請求
項1記載の発明による作用に加えて、本体筒部に対し、
各張出し部と、障壁部とが上記本体筒部とは異なる材料
により内筒体が一体に形成されているため、上記各張出
し部や障壁部の寸法の変更に合わせて所望形状の内筒体
の量産が容易に行い得る。
【0030】さらに、請求項9記載の発明では、円筒形
状の外筒体をそのまま用い、その外筒体の円周面である
内周面にゴム弾性体の端部を接合しても、筒軸方向両側
の両張出し部間ゴム弾性体部分が筒軸方向外力に対して
は死にゴムとなり、第2方向外力に対しては有効な抵抗
要素となり、これにより、筒軸方向ばね定数の増大化
と、第2方向ばね定数の低減化とが図られるという請求
項1記載の発明による作用が確実に得られ、従来の如く
円筒形外筒体の内周面に厚肉部を形成するという面倒な
加工を省略することが可能となる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0032】図1〜図3は、本発明の実施例に係るブッ
シュ組立体を示し、1は内筒体、2はこの内筒体1を囲
むよう内筒体1の筒軸Zと同軸に配置された円筒形状の
外筒体、3は上記内筒体1から上記筒軸Zに直交する第
1方向であるY方向の両側に延びてこれら内筒体1と外
筒体2との間を連結するゴム弾性体である。
【0033】上記内筒体1は、図4にも詳細を示すよう
に、上記筒軸Zに沿って配置された円筒状の本体筒部1
1と、この本体筒部11の筒軸Z方向(図2及び図4の
上下方向)両側位置であって、上記内筒体1へのゴム弾
性体3の形成範囲の筒軸Z方向両側端位置の周囲からそ
れぞれから上記筒軸Zに直交する方向に張出した一対の
張出し部12,12と、上記本体筒部11から上記一対
の張りだし部12,12間を互いに連結するように上記
筒軸Z及びY方向に共に直交する第2方向であるX方向
の両側方に突出された一対の障壁部13とを備えてお
り、これら11,12,12,13,13が同一の金属
材料を用いて一体に形成されている。例えば、焼結金属
により、または、各張出し部12と各障壁部13とを旋
盤加工により別体で形成して本体筒部11に溶着するこ
とにより形成すればよい。
【0034】上記本体筒部11の筒軸Zに沿って貫通す
る貫通孔14には、取付け用軸体として例えばリヤサス
ペンションのサブフレーム取付け軸(図示省略)が挿通
されて内筒体1と接続されるようになっている。
【0035】上記各張出し部12は上記本体筒部11か
らY方向及びX方向にそれぞれ所定量突出して筒軸Z方
向から見て略四角形状となるように形成されている。ま
た、上記各張出し部12のX方向端面は上記各障壁部1
3と同一平面を構成するようにされている。すなわち、
上記各張出し部12は、上記各障壁部13のX方向形成
範囲と同範囲にわたり本体筒部11を挟んでX方向に張
出されたX方向寸法Fを有し、Y方向に対しては筒軸Z
方向及びX方向の各ばね定数の目標設定値に応じてその
張出し寸法Wが定められている。上記X方向寸法Fは、
ゴム弾性体3のX方向幅の範囲内に設定され、好ましく
は、そのゴム弾性体3のX方向幅に等しく設定される。
また、上記各障壁部13のY方向の肉厚tはY方向入力
に対するゴム弾性体のばね定数(以下、Y方向ばね定数
という)の目標設定値に応じて定められるが、その肉厚
tの設定は上記本体筒部11のY方向幅、すなわち、そ
の外径dと同等以下の範囲で定めるのが好ましい。
【0036】そして、上記内筒体1は、筒軸Z方向に延
びる各障壁部13及び本体筒部11と、上記本体筒部1
1からY方向両側に延びる一対の張出し部12,12と
でY方向ら見てエの字状に形成され、上記の一対の張出
し部12,12の間にはX方向に延びる凹溝部15,1
5が本体筒部11を挟んでY方向両側に形成されてい
る。上記一対の張出し部12,12の筒軸Z方向両外側
端間の全体寸法L、すなわち、上記一対張出し部12,
12と一対の障壁部13,13とが形成される部分の筒
軸Z方向全体寸法Lは、上記一対の張出し部12,12
が上記の如く筒軸内筒体1位置におけるゴム弾性体3の
筒軸Z方向両外側端位置に設けられるため、そのゴム弾
性体3の筒軸Z方向幅と略等しくなる。加えて、上記一
対の張出し部12,12の筒軸Z方向相対向面間隔L1
、つまり、上記凹溝部15の筒軸Z方向溝幅L1 は、
筒軸Z方向入力に対するゴム弾性体3のばね定数(以
下、筒軸Z方向ばね定数という)と、X方向入力に対す
るゴム弾性体3のばね定数(以下、X方向ばね定数とい
う)との関係をどのように定めるのかに基づいて定めら
れる。
【0037】上記ゴム弾性体3は、上記の内筒体1のX
方向幅、つまり、一対の張出し部12,12及び一対の
障壁部13,13のX方向幅と略等しく設定された幅を
有し、上記内筒体1からY方向の両側にほぼ一直線状に
延びて、外筒体2の内周面に結合されている。また、図
1及び図2中31,31は、上記外筒体2の上記内筒体
1に対しX方向に相対向する内周面位置に形成されたス
トッパー部である。このようなゴム弾性体3及び各スト
ッパー部31は、上記内筒体1及び外筒体2をインサー
ト材とする一体加硫成形により形成され、これにより、
上記ゴム弾性体3及びストッパー部31は、上記内筒体
1の外面及び外筒体2の内周面と加硫接着されている。
【0038】なお、図2及び図3中、21は外筒体2の
筒軸Z方向一端側が外周方向に拡開されたフランジ部、
32,32,…はそのフランジ部21から筒軸Z方向外
方に突出されたストッパー片部である。
【0039】上記構成のブッシュ組立体において、例え
ばリヤサスペンションのサブフレームを車体にマウント
するために用いる場合には、ストッパー片部32,3
2,…を上側にして筒軸Z方向を上下方向に配置し、Y
方向を上記車体の左右方向(幅方向)に、X方向を上記
車体の前後方向にそれぞれ配置する。そして、上記サブ
フレームの取付け軸体を貫通孔14に挿通して内筒体1
に連結する一方、外筒体2をブラケット等を介して車体
側に連結する。
【0040】この場合、上記筒軸Z方向からの外力に対
し、図5及び図6に示すように、ゴム弾性体3の筒軸Z
方向両側端位置の一対の張出し部12,12により挟ま
れる両凹溝15,15内のゴム弾性体部分33,33は
上記内筒体1と一体に相対変位して、上記外力に対する
抵抗要素とならない死にゴム部分となる。このため、上
記筒軸Z方向外力に対しては、上記各ゴム弾性体部分3
3を除いたゴム弾性体部分34,34が有効に抵抗し、
この両ゴム弾性体部分34,34に基づいて筒軸Z方向
ばね定数が決まることになる。従って、本体筒部11の
外周面から外筒体2の内周面までのゴム弾性体3の全体
が抵抗要素となる場合と比べ、上記死にゴム部分(3
3,33)の存在により筒軸Z方向外力によりせん断力
を受ける長さSz が短くなり、これに対応して筒軸Z方
向ばね定数が相対的に増大化、すなわち、硬いものにな
る。
【0041】一方、X方向(車体前後方向)からの外力
に対しては、図7に示すように、ゴム弾性体3のX方向
に対し連続していない、外筒体2の内周面側の円弧状部
分35,35は有効な抵抗要素とならないが、その円弧
状部分35,35を除いて、上記の両凹溝15,15内
のゴム弾性体部分33,33を含むゴム弾性体3のほぼ
全体部分36,36が有効に抵抗することになる。つま
り、上記筒軸Z方向外力に対する場合と比べ、上記の円
弧状部分35,35は除かれるものの、その代わりに上
記各凹溝15内のゴム弾性体部分33,33が抵抗要素
として加わることになる。このため、X方向外力により
せん断力を受ける長さSx が、上記の筒軸Z方向外力を
ゴム弾性体部分34が受ける場合と比べ長くなり、これ
に対応してX方向ばね定数が相対的に低減化、すなわ
ち、軟らかいものとなる。
【0042】これらの結果、ゴム弾性体3のY方向両側
端が外筒体2の内周面、すなわち、円周面にそのまま接
合されてその接合部位が円弧状になっていても、X方向
ばね定数を筒軸Z方向ばね定数に近付けるもしくは一致
させることができる。すなわち、上記ゴム弾性体3の外
筒体2への接合部位である円弧状部分35,3の存在に
起因して、従来、X方向ばね定数が筒軸Z方向ばね定数
よりも大きく(硬く)なる傾向にあったのを解消するこ
とができる。この結果、外筒体として円筒形のものをそ
のまま用いることができ、従来の如く外筒体の内周面に
厚肉部を形成して平面部を形成するという工程を省略す
ることができる。そして、上記のせん断二方向であるX
方向ばね定数と筒軸Z方向ばね定数との相対関係は、上
記の外力の入力方向により死にゴムとなったり抵抗要素
となったりするゴム弾性体部分33の大きさ、すなわ
ち、一対の張出し部12,12の相対向面間隔L1 等を
変更することにより容易に調整することができる。
【0043】また、Y方向からの外力に対しては、本体
筒部11からY方向に直交するX方向のほぼ全幅の範囲
を横切るように障壁部13,13がゴム弾性体3に埋め
込まれているため、その障壁部13,13のY方向厚み
tの分だけゴム弾性体3が上記Y方向外力に基づく圧縮
されるY方向長さが短くなり、これにより、Y方向ばね
定数が硬いものとなる。従って、上記障壁部のY方向厚
みtを大とする程、上記Y方向ばね定数をより硬いもの
とすることができ、この各障壁部13のY方向厚みtを
変更しても、その変更に係る部分は上記の筒軸Z方向外
力に対しては死にゴムとなる各ゴム弾性体部分33であ
り、X方向外力に対してはその外力に抵抗するゴム弾性
体部分36に殆ど影響を与えることがない部分であるた
め、上記のせん断二方向である筒軸Z方向及びX方向の
両ばね定数とは互いに独立して、Y方向ばね定数を設定
調整することができ、しかも、その変更設定も各障壁部
13の肉厚(Y方向幅t)を変更するだけと容易に行う
ことができる。
【0044】以上の如く、本ブッシュ組立体によれば、
筒軸Z方向、X方向、及び、Y方向の三次元方向の外力
に対しそれぞれ所望のばね定数を発揮させることがで
き、しかも、それらの筒軸Z方向ばね定数、X方向ばね
定数、及び、Y方向ばね定数のそれぞれを、本ブッシュ
組立体が適用されるマウント部位において要求される目
標性能に応じて、互いに独立して設定することができ、
しかも、その設定調整を容易に行うことができる。この
ため、上記のリヤサスペンションのサブフレームの車体
にするマウント部位に適用する場合には、上記の如く筒
軸Z方向ばね定数をあまり硬くならない程度に増大化し
つつX方向ばね定数を上記筒軸Z方向ばね定数に近付け
もしくは一致させて、上記サブフレームの支持剛性を確
保しつつせん断二方向に対する防振性能を満足させ、な
おかつ、これらを満足させた状態でY方向ばね定数を上
記のせん断二方向のばね定数とは独立して硬いものに設
定調整することができ、操縦安定性からの要求性能をも
満足させることができる。
【0045】<解析結果>次に、本発明のブッシュ組立
体について有限要素法を用いて解析した解析結果を説明
する。
【0046】[各部寸法が各ばね定数に及ぼす影響]図
8〜図10は、内筒体1の各部の寸法を種々に変化させ
た場合の筒軸Z方向ばね定数Kz 、X方向ばね定数Kx
、及び、Y方向ばね定数KY に及ぼす影響を示したも
のである。
【0047】−相対向面間隔L1 による影響− まず、図8は、一対の張出し部12,12による凹溝1
5,15の存在、及び、その各凹溝15の大きさが上記
の三次元の各ばね定数Kz 、Kx 、KY に及ぼす影響に
ついて示したものである。本解析では、一対の張出し部
12,12の全体寸法L(図4参照)等を固定値とし、
その相対向面間隔L1 をのみ変化させた場合の上記各ば
ね定数Kz 、Kx 、KY の各値を求めた。
【0048】固定値として、上記全体寸法Lを40m
m、張出し寸法Wを40mm、本体筒部の外径dを30
mm、障壁部13の肉厚tを20mmに設定した。そし
て、上記相対向面間隔L1 を0〜30mmの範囲で変化
させた。図8には、この場合の各ばね定数Kz 、Kx 、
KY の変化を相対向面間隔L1 の実際値、及び、全体寸
法Lに対するそのL1 の比率(L1 /L)をそれぞれ横
軸として示した。
【0049】この結果、L1 =0(L1 /L=0)の場
合、すなわち、凹溝15が存在せず外表面が略角柱の状
態の内筒体を用いた場合には、X方向ばね定数Kx が筒
軸Z方向ばね定数Kz よりもかなり大きく、従って、か
なり硬いものになるのに対し、上記凹溝15を設けた場
合には、その溝幅(相対向面間隔L1 )を大値にする
程、上記X方向ばね定数Kx は筒軸Z方向ばね定数Kz
に近付く傾向にある。また、ここで、上記溝幅L1 を大
値に変更しても、筒軸Z方向ばね定数Kz の値自体は凹
溝15が存在しない場合(L1 =0の場合)と比べ殆ど
変化せず、筒軸Z方向外力に対しては上記凹溝15内の
ゴム弾性体部分33は死にゴムとなっていることを示し
ている。
【0050】一方、Y方向ばね定数Ky は、凹溝15が
存在しない場合(L1 =0の場合)から、凹溝15を設
けその溝幅L1 を大値にする程低減することを示してい
る。これは、Y方向外力に対し、L1 =0の場合にはゴ
ム弾性体の圧縮長さが上記の略角柱の内筒体によりゴム
弾性体の断面全体で短縮されてY方向ばね定数Ky が大
値となるのに対し、凹溝15が設けられて溝幅L1 が大
きくなるに従い、上記圧縮長さが短縮される断面部分が
上記凹溝15の分だけ小さくなり、その結果、Y方向ば
ね定数Ky が低減されるものと考えられる。つまり、各
張出し部12のY方向端面も各障壁部13と同じY方向
ばね定数Ky の増大化に関与しているものと考えられ
る。このように、Y方向ばね定数Ky において、溝幅L
1 が大きくなるに従い、他のせん断二方向のばね定数K
x 及びKz よりも大値であることを保ちつつその値が低
減することは、操縦安定性の面からはできるだけ大値で
ある方がよいもののロードノイズの悪化を招くため防振
面からもう少し値を小さくしたいという性能要求と合致
するものである。
【0051】なお、上記の図8におけるKz1,Kz2、K
x1,Kx2、Ky1,Ky2は上記凹溝15のないもの(L1
/L=0)と、あるもの(L1 /L=0.7)との試験
体を製作し、それぞれ筒軸Z方向、X方向、Y方向の各
ばね定数を実測した値をプロットしたものである。この
試験体の各部寸法はL=42、t=15、W=40であ
り、ゴム弾性体3のゴム硬度Hs =60°である。上記
の実測は上記解析の有効性について確認するために行っ
たものであり、この結果、上記実測値は、前提の各部寸
法において上記解析のそれとはわずかに相違があるもの
の、解析結果と同傾向を示しほぼ合致するものであっ
た。
【0052】−障壁部13の肉厚tによる影響− 図9は、障壁部13の肉厚tの大小が上記の三次元の各
ばね定数Kz 、Kx 、KY に及ぼす影響について示した
ものである。本解析では、固定値として、全体寸法Lを
40mm、張出し寸法Wを40mm、本体筒部の外径d
を30mm、凹溝の溝幅L1 を30mm(L1 /L=
0.75)にそれぞれ設定し、障壁部13の肉厚tを1
0〜20mmの範囲で変化させて、各ばね定数Kz 、K
x 、KY の値を求めた。
【0053】この結果、障壁部13の肉厚tの値が増大
すると、それに対応してY方向ばね定数Ky は増大して
硬いものに変化するものの、ばね定数Kz 及びX方向ば
ね定数Kx は変化せずほぼ同じ値を維持した。つまり、
このことは、上記障壁部13の肉厚tを変更調整すれ
ば、Kz 及びKx の値を変化させることなく、Ky の値
のみを独立にチューニングすることが可能であることを
示している。従って、Y方向ばね定数Ky のチューニン
グを、何ら特別の機構を設けなくても、障壁部13の肉
厚tの寸法変更という容易な手段により他方向の特性を
変更することなく独立して行うことができることにな
る。
【0054】−張りだし部12の張出し寸法Wによる影
響− 図10は、張出し部12の張出し寸法Wの大小が上記の
三次元の各ばね定数Kz 、Kx 、KY に及ぼす影響につ
いて示したものである。本解析では、固定値として、全
体寸法Lを40mm、凹溝の溝幅L1 を30mm(L1
/L=0.75)、本体筒部の外径dを30mm、障壁
部13の肉厚tを15mmにそれぞれ設定し、上記の張
出し寸法Wを35〜42mmの範囲で変化させて、各ば
ね定数Kz 、Kx 、KY の値を求めた。
【0055】この結果、張出し寸法Wの値が増大する
と、それに対応してKz 、Kx 、及び、Ky の3者共、
増大して硬いものに変化する。つまり、張出し寸法Wの
値を大にすれば、上記の3方向の各ばね定数Kz ,Kx
,Ky を共に同じ傾向で硬くすることが可能であるこ
とを示している。
【0056】[モデルの変形性状]図11〜図14は、
本解析モデルにおいて、外筒体2を固定とし内筒体1に
対し筒軸Z方向,X方向,または,Y方向への外力を与
えた場合のゴム弾性体3の変形後の形状を示すものであ
る。
【0057】−X方向外力による変形− 図11は、図3のC−C線断面における凹溝15内のゴ
ム弾性体部分、すなわち、本体筒部11の外周面及び各
障壁部13の外面と、外筒体2の内周面とに挟まれたゴ
ム弾性体3について、上記内筒体1にX方向外力を作用
させた場合の変形前の形状(破線で示す形状)と、変形
後の形状(実線で示す形状)とを示している。また、図
12は、図3のD−D線断面における張出し部12及び
ゴム弾性体3について、上記内筒体1にX方向外力を作
用させた場合の変形前の形状(破線で示す形状)と、変
形後の形状(実線で示す形状)とを示している。
【0058】これによれば、図11の凹溝15内のゴム
弾性体3は、X方向外力を受けて、外筒体2直近のゴム
弾性体部分(図7の円弧状部分35に相当)を除き、本
体筒部11の外周面から外筒体2までのY方向寸法y1
のほぼ全体が変形を受けている。これに対し、図12の
張出し部12位置のゴム弾性体3では、X方向外力を受
けて変形するY方向寸法が、上記張出し部12の外面位
置から外筒体2までの寸法y2 と短くなる。この図12
の場合は、上記図11の断面位置で凹溝15が存在せ
ず、張出し部12が筒軸Z方向に連続している場合のゴ
ム弾性体の変形に相当する。従って、上記凹溝15のあ
る場合(図11の場合)には、ない場合(図12の場
合)と比べ、より長い範囲のゴム弾性体がせん断方向の
力による曲げを受けてX方向ばね定数Kx がより軟らか
いものとなる。
【0059】−筒軸Z方向外力による変形− 図13は、図3の下半部の断面におけるゴム弾性体3に
ついて、内筒体1に筒軸Z方向外力(図13の上方への
外力)を作用させた場合の変形前の形状(破線で示す形
状)と、変形後の形状(実線で示す形状)とを示してい
る。
【0060】これによれば、凹溝15内のゴム弾性体部
分33(図6参照)は筒軸Z方向外力を受けても殆ど変
形せず、この筒軸Z方向外力を受けて変形する範囲は上
記のゴム弾性体部分33を除くゴム弾性体部分34(図
6参照)に止められる。つまり、上記の上下の両張出し
部12,12により囲まれる凹溝15内のゴム弾性体部
分33は上記筒軸Z方向外力に対しては死にゴムとな
り、実際には凹溝15があっても、張出し部12が筒軸
Z方向に連続して凹溝15が存在しない場合と同じこと
になる。従って、各張出し部12の形成により筒軸Z方
向外力に対するばね定数の増大化を図ることができる。
【0061】−Y方向外力による変形− 図14は、一側の張出し部12と一側の障壁部13との
交差部付近のゴム弾性体3について、内筒体1にY方向
外力を作用させた場合の変形前の形状(破線で示す形
状)と、変形後の形状(実線で示す形状)とを示してい
る。
【0062】これによれば、上記Y方向力を受けて障壁
部13の前面のゴム弾性体部分が側方に、張出し部12
の前面のゴム弾性体部分が上方にそれぞれかなり大きく
膨出変形している。つまり、上記の障壁部13及び張出
し部12の存在によりゴム弾性体3がより圧縮されY方
向外力に対するばね定数Ky が増大することを示してい
る。
【0063】<他の態様>なお、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含す
るものである。すなわち、上記実施例では、内筒体1と
して、本体筒部11と、両張出し部12,12と、両障
壁部13,13とが同一材料により一体に形成されてい
る場合を示したが、これに限らず、例えば、金属製の本
体筒部11をインサート材にして、両張出し部12,1
2と両障壁部13,13とを、硬質樹脂、例えばナイロ
ン66にガラス繊維を混入(例えば30%程度混入)し
たものを用いたモールド成形により一体的に形成するよ
うにしてもよい。これにより、ブッシュ組立体に要求さ
れる性能に応じて各部寸法の異なる内筒体の量産が容易
になる。
【0064】また、上記実施例では、内筒体1として、
本体筒部11に対し両張出し部12,12と両障壁部1
3,13とを付設したような形状を示したが、これに限
らず、内筒体を本体筒部が張出し部及び障壁部の内部に
完全に埋め込まれた如き形状にしてもよい。例えば、図
15に示すように、円柱材料の軸Zに沿って貫通孔14
を削孔して本体筒部とし、軸Z方向中間位置の外周面に
凹溝15,15を形成することにより軸Z方向の両側位
置に張出し部12,12を、X方向に障壁部13,13
を形成するようにして内筒体1′を構成してもよい。ま
た、図16に示すように、角柱材料の上下軸Zに沿って
貫通孔14を削孔して本体筒部とし、軸Z方向中間位置
の外周面に凹溝15,15を形成することにより軸Z方
向の両側位置に張出し部12,12を、X方向に障壁部
13,13を形成するようにして内筒体1″を構成して
もよい。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明におけるブッシュ組立体によれば、本体筒部の筒軸方
向両側位置から第1方向両側にそれぞれ張出し部が突出
されているため、この一対の張出し部間に挟まれたゴム
弾性体部分を、筒軸方向からの外力に対しては死にゴム
とさせて、その分、筒軸方向ばね定数の増大化を図るこ
とができる。一方、第2方向からの外力に対しては、そ
の外力を上記ゴム弾性体部分にも負担させて、その分、
第2方向ばね定数を軟らかいものとすることができる。
従って、外筒体として円筒形のものを用い、ゴム弾性体
の端部を円周面である外筒体の内周面に接合する場合に
筒軸方向ばね定数よりも硬くなりがちな第2方向ばね定
数を、上記の筒軸方向ばね定数の増大化と第2方向ばね
定数の低減化とによって、筒軸方向ばね定数に一致もし
くは近付けることができる。しかも、このような筒軸方
向もしくは第2方向のばね特性の変更を上記張出し部の
寸法設定により容易に行うことができる。
【0066】一方、第1方向からの外力に対しては、本
体筒部から第2方向両側に突出した各障壁部の第1方向
厚みの分だけゴム弾性体が圧縮される第1方向長さを短
くなり、かつ、上記各障壁部がゴム弾性体を有効に圧縮
させるため、上記第1方向に対するばね定数を硬いもの
とすることができる。従って、上記障壁部の第1方向厚
みを大とする程、上記第1方向ばね定数をより硬いもの
とすることが可能となる上、この障壁部の第1方向厚み
を変更しても、上記の筒軸方向及び第2方向からの外力
に抵抗するゴム弾性体部分に殆ど影響を与えることがな
いため、上記筒軸方向及び第2方向の両ばね定数とは互
いに独立して上記第1方向ばね定数の変更設定を行うこ
とができる。
【0067】このように本発明の如く障壁部と張出し部
とを備えた内筒体を用いることにより、筒軸方向、第2
方向、及び、第1方向の各方向に対する3つのばね定数
を互いに独立して設定することができ、しかも、要求性
能に応じた設定を上記障壁部もしくは張出し部等の寸法
変更により容易に行うことができる。これにより、例え
ば、ブッシュ組立体について第1方向ばね定数を比較的
硬いものにしつつ、筒軸方向及び第2方向の両ばね定数
を互いに一致もしくは近似したものにするという要求性
能も容易に実現することができる。
【0068】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、内筒体の障壁部がゴ
ム弾性体の第2方向全幅にわたり突出されているため、
上記の第1方向ばね定数の増大化をより効率的にかつ効
果的に図ることができる。
【0069】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、内筒体の各張出し部
がゴム弾性体の第2方向全幅にわたる範囲に形成されて
いるため、筒軸方向ばね定数の増大化と、第2方向ばね
定数の低減化とをより効率的にかつ効果的に図ることが
できる。
【0070】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、内筒体の各張出し部
が各障壁部の形成範囲と同じ第2方向範囲にわたり設け
られて筒軸方向から見た形状が略四角形に形成されてい
るため、筒軸方向外力に対する死にゴム部分の端面を第
2方向に延びる平面とすることができ、筒軸方向ばね定
数の増大化と、第2方向ばね定数の低減化とを効率よく
行うことができる。
【0071】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、内筒体の障壁部の第
1方向幅が本体筒部の第1方向幅の範囲内に設定されて
いるため、第2方向ばね定数に影響を与えることのない
範囲で第1方向ばね定数の増大化を図ることができる。
【0072】請求項6記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、内筒体の各障壁部が
筒軸方向両側の各張出し部と互いに一体に連結されてい
るため、筒軸方向、第2方向及び第1方向に対する各ば
ね定数を発現するゴム弾性体部分を区分、形成もしくは
切換る上記各障壁部や各張出し部がそれぞれ確実に作用
し、これにより、上記各ゴム弾性体部分によりそれぞれ
の方向に対するばね定数をとして確実に所定のものを発
揮させることができる。
【0073】請求項7記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、内筒体が、本体筒部
と、各張出し部と、障壁部とを互いに同一材料により一
体に形成されているため、内筒体の構造的強度が高まる
上、その形成工程の合理化を図ることができる。
【0074】また、請求項8記載の発明によれば、上記
請求項1記載の発明による効果に加えて、本体筒部に対
し、各張出し部と、障壁部とが上記本体筒部とは異なる
材料により内筒体が一体に形成されているため、本ブッ
シュ組立体を適用する部位で要求される性能に応じて変
更される上記各張出し部や障壁部の寸法設定に合わせて
所望の寸法形状の内筒体の量産を容易に製作することが
できる。
【0075】さらに、請求項9記載の発明によれば、円
筒形状の外筒体をそのまま用い、その外筒体の円周面で
ある内周面にゴム弾性体の端部を接合しても、両張出し
部間のゴム弾性体部分が筒軸方向外力に対しては死にゴ
ムとなる一方、第2方向外力に対しては有効な抵抗要素
となるため、筒軸方向ばね定数の増大化と、第2方向ば
ね定数の低減化とが図られるという請求項1記載の発明
による効果を確実に得ることができる。これにより、従
来の場合に必要としていた外筒体の内周面に厚肉部を形
成する等の面倒な工程を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す横断面図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】図1のB−B線における断面図である。
【図4】内筒体の拡大斜視図である。
【図5】筒軸Z方向外力を受けた場合のゴム弾性体を示
す図1対応図である。
【図6】筒軸Z方向外力を受けた場合のゴム弾性体を示
す図3対応図である。
【図7】X方向外力を受けた場合のゴム弾性体を示す図
1対応図である。
【図8】張出し部間隔L1 等と各ばね定数Kz ,Kx ,
Ky との関係図である。
【図9】障壁部肉厚tと各ばね定数Kz ,Kx ,Ky と
の関係図である。
【図10】張出し部寸法Wと各ばね定数Kz ,Kx ,K
y との関係図である。
【図11】X方向外力を受けた場合の凹溝部位置のゴム
弾性体の変形状態を示す解析モデル図である。
【図12】X方向外力を受けた場合の張出し部位置のゴ
ム弾性体の変形状態を示す解析モデル図である。
【図13】筒軸Z方向外力を受けた場合のゴム弾性体の
変形状態を示す解析モデル図である。
【図14】Y方向外力を受けた場合のゴム弾性体の変形
状態を示す解析モデル図である。
【図15】内筒体の他の態様を示す斜視図である。
【図16】内筒体の図15とは異なる他の態様を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1,1′,1″ 内筒体 2 外筒体 3 ゴム弾性体 11 本体筒部 12 張出し部 13 障壁部 14 貫通孔 15 凹溝部 Z 筒軸 X X方向(第2方向) Y Y方向(第1方向)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内筒体と、この内筒体の筒軸に平行にそ
    の内筒体を囲む外筒体と、上記内筒体から上記筒軸に直
    交する第1方向の両側に延びてその内筒体の外面と上記
    外筒体の内面とを互いに連結するゴム弾性体とを備える
    ブッシュ組立体において、 上記内筒体は、取付け用軸体が挿通される本体筒部と、
    上記本体筒部から、上記筒軸方向及び第1方向に対し共
    に直交する第2方向の両側にそれぞれ上記ゴム弾性体内
    に突出されて上記ゴム弾性体内に介装された一対の障壁
    部と、上記ゴム弾性体の筒軸方向形成範囲内であって上
    記本体筒部の筒軸方向に互いに離れた両側各位置からそ
    れぞれ上記第1方向の両側に上記ゴム弾性体内に張出し
    た一対の張出し部と、上記本体筒部を挟んで第1方向両
    側の各位置に上記一対張出し部の筒軸方向相対向面間に
    区画されてゴム弾性体が配設される一対の凹溝部とを備
    えていることを特徴とするブッシュ組立体。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 内筒体の障壁部は、ゴム弾性体の第2方向に対する全幅
    にわたり突出されていることを特徴とするブッシュ組立
    体。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 内筒体の筒軸方向両側の各張出し部は、ゴム弾性体の第
    2方向に対する全幅にわたる範囲に形成されていること
    を特徴とするブッシュ組立体。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 内筒体の筒軸方向両側の各張出し部は、障壁部の第2方
    向に対する形成範囲と同じ第2方向範囲にわたり設けら
    れ、筒軸方向から見た形状が略四角形に形成されている
    ことを特徴とするブッシュ組立体。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 内筒体の障壁部は、第1方向に対する肉厚が本体筒部の
    第1方向に対する幅の範囲内に設定されていることを特
    徴とするブッシュ組立体。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5において、 内筒体の障壁部は、筒軸方向両側の各張出し部と互いに
    一体に連結されていることを特徴とするブッシュ組立
    体。
  7. 【請求項7】 請求項1において、 内筒体は、本体筒部と、筒軸方向両側の各張出し部と、
    障壁部とが互いに同一材料により一体に形成されて構成
    されていることを特徴とするブッシュ組立体。
  8. 【請求項8】 請求項1において、 内筒体は、本体筒部に対し、筒軸方向両側の各張出し部
    と、障壁部とが上記本体筒部とが異なる材料により一体
    に形成されて構成されていることを特徴とするブッシュ
    組立体。
  9. 【請求項9】 請求項1において、 外筒体は、円筒形に形成されていることを特徴とするブ
    ッシュ組立体。
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