JPH08290907A - 層間化合物及びその製造法 - Google Patents

層間化合物及びその製造法

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JPH08290907A
JPH08290907A JP11774095A JP11774095A JPH08290907A JP H08290907 A JPH08290907 A JP H08290907A JP 11774095 A JP11774095 A JP 11774095A JP 11774095 A JP11774095 A JP 11774095A JP H08290907 A JPH08290907 A JP H08290907A
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JP
Japan
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intercalation compound
organic
organic cations
compound according
vanadium
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JP11774095A
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English (en)
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Takao Doi
孝夫 土井
Takanori Miyake
孝典 三宅
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒や分離剤としての用途が期待できる新規
な層間化合物及びその製造法を提供する。 【構成】 バナジウム、リン及び酸素を基本組成とする
層状化合物の層間に有機カチオン類がインターカレート
しており、かつバナジウムの原子価が4価であることを
特徴とする層間化合物及びその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、触媒、触媒前駆体、吸
着剤、又は吸着分離剤等として利用できる、層間中に有
機カチオン類がインターカレートし、層間距離が開いた
バナジウム、リン及び酸素を基本組成とする層間化合
物、及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バナジウム、リン及び酸素を基本組成と
する層状化合物としては、リン酸バナジル、リン酸水素
バナジル1/2水和物及びピロリン酸ジバナジル等多く
の化合物が知られている。特に、リン酸水素バナジル1
/2水和物(VOHPO4・1/2H2O)は、ブタン酸
化反応による無水マレイン酸製造用触媒であるピロリン
酸ジバナジル((VO)2P2O7)の前駆体として広く
知られている。
【0003】バナジウム、リン及び酸素を基本組成とし
た層間化合物に有機化合物がインターカレートした物質
としては、例えば、Chem.Lett.,787(1
990)によれば、リン酸バナジル2水和物(VOPO
4・2H2O)を一度エタノールで処理した後、フェロセ
ンを溶解したエタノール溶媒中で攪拌すると、フェロセ
ンが層間中にインターカレートし、層間距離が8から1
0オングストロームに広がった層間化合物が得られるこ
とが記載されている。
【0004】Chem.Lett.,31(1993)
によれば、リン酸バナジル2水和物をピロールが存在す
るアルコール溶媒中で加熱攪拌を行うと、ピロールが層
間にインターカレートし、層間距離が12から14オン
グストロームに広がった層間化合物が得られることが記
載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バナジ
ウム、リン及び酸素を基本組成とする層状化合物であっ
て、その層間に有機カチオン類がインターカレートして
おり、かつバナジウムの原子価が4価である化合物は従
来知られていない。従来公知のフェロセンやピロールが
インターカレートした層間化合物のバナジウムの原子価
はいずれも5価、又は4価と5価の混合体であり、4価
だけの物質は知られていなかった。
【0006】例えば特公平2−62303号公報によれ
ば、5価のバナジウム化合物をリン酸及び/又はリン酸
生成化合物と加熱して反応させ、リン酸バナジル2水和
物を調製し、得られたリン酸バナジル2水和物を、80
〜200℃で、バナジウムの還元能力を有する有機媒体
中で処理することにより、リン酸水素バナジル1/2水
和物を調製する方法が開示されている。
【0007】しかしながら特公平2−62303号公報
において、バナジウム、リン及び酸素を基本組成とする
層状化合物を調製する際、有機カチオン類を共存させて
使用することについては全く記載は無く、また調整され
たリン酸水素バナジル1/2水和物が、有機カチオン類
を層間にインターカレートさせた層間化合物であるとの
記載も全く見当たらない。
【0008】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、バナジウム、リン及び酸素を基本
組成とする層状化合物の層間に有機カチオン類をインタ
ーカレートさせた層間化合物及びその製造法の提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した。その結果、リン酸バナ
ジル又はリン酸バナジル水和物を、有機カチオン類が溶
解した有機媒体中に懸濁し加熱攪拌すると、バナジウ
ム、リン及び酸素を基本組成とする層状化合物の層間に
有機カチオン類がインターカレートしており、かつバナ
ジウムの原子価が4価である層間化合物が得られること
を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】即ち、本発明はバナジウム、リン及び酸素
を基本組成とする層状化合物の層間に有機カチオン類が
インターカレートしており、かつバナジウムの原子価が
4価である層間化合物及びその製造法である。
【0011】以下に、本発明について詳細に説明する。
【0012】本発明の層間化合物は、バナジウム、リン
及び酸素を基本組成とする層状化合物であって、その層
間に有機カチオン類がインターカレートしており、かつ
バナジウムの原子価が4価である層間化合物であり、通
常その層間距離は6〜40オングストロームである。
【0013】本発明の層間化合物を製造する方法は特に
限定するものではない。例えば、次式(1) VOPO4・nH2O (1) (式中、0≦n≦2)で表される層状化合物リン酸バナ
ジル又は層状化合物リン酸バナジル水和物を、有機カチ
オン類が溶解した有機媒体中で熱処理、例えば加熱攪拌
することでバナジウムを4価に還元しつつ、有機カチオ
ン類を層間にインターカレートさせることにより容易に
調製される。
【0014】本発明で使用されるリン酸バナジル又はリ
ン酸バナジル水和物は、公知の調製法で調製することが
できる。例えば、リン酸バナジル2水和物は五酸化バナ
ジウムとオルトリン酸を水中で加熱攪拌し反応させるこ
とで調製することができる。またリン酸バナジルはリン
酸バナジル2水和物を熱処理することで得ることができ
る。
【0015】本発明で用いられる有機カチオン類として
は特に限定するものではないが、例えば、合計の炭素数
が4〜23である有機アンモニウム塩、合計の炭素数が
4〜23であるスルフォニウム塩、合計の炭素数が4〜
23であるフォスフォニウム塩、合計の炭素数が7〜2
3であるピリジニウム塩等が好ましいものとして挙げら
れ、これらのうち合計の炭素数が4〜23である有機ア
ンモニウム塩が特に好ましい。このような有機アンモニ
ウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム
塩、テトラエチルアンモニウム塩、エチルトリメチルア
ンモニウム塩、プロピルトリメチルアンモニウム塩、ブ
チルトリメチルアンモニウム塩、ペンチルトリメチルア
ンモニウム塩、ヘキシルトリメチルアンモニウム塩、ヘ
プチルトリメチルアンモニウム塩、オクチルトリメチル
アンモニウム塩、ノニルトリメチルアンモニウム塩、デ
シルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルトリメチルア
ンモニウム塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム
塩、フェニルトリメチルアンモニウム塩等のアルキル又
はアリールトリメチルアンモニウム塩、ジオクチルジメ
チルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩
等のジアルキルジメチルアンモニウム塩、又はジアリー
ルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。これらの有
機カチオン類は、単独で用いても又は二種類以上を混合
して使用しても構わない。
【0016】本発明で使用される有機媒体は特に限定す
るものではないが、リン酸バナジルのバナジウム又はリ
ン酸バナジル水和物の5価のバナジウムの還元剤として
の機能、及び反応溶媒としての機能を有するものが好適
である。例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イ
ソブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコー
ル類、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオ
ンアルデヒド等のアルデヒド類、ジメチルケトン、ジエ
チルケトン等のケトン類等が挙げられるが、これらのう
ちアルコール類がさらに好ましく、中でもイソブチルア
ルコール、ベンジルアルコールが特に好ましい。
【0017】本発明において、リン酸バナジル又はリン
酸バナジル水和物の層間への有機カチオン類のインター
カレーションは、リン酸バナジル又はリン酸バナジル水
和物を有機カチオン類を溶解させた有機媒体中に懸濁さ
せ、20℃〜250℃、好ましくは50℃〜200℃、
さらに好ましくは70℃〜150℃で1時間〜72時間
加熱攪拌することにより行われる。この場合、必要であ
れば還元剤等を添加してもよく、また懸濁液の水素イオ
ン濃度を酸性又は塩基性物質を添加して調節してもよ
い。使用する有機カチオン類の量はバナジウムのモル数
に対し、通常0.1〜10倍モルである。得られた反応
混合物は、ろ別し、固体をアセトン等の低沸点溶媒で洗
浄、乾燥する。
【0018】本発明で得られた化合物は、有機カチオン
類がインターカレートしていることが、以下のように確
認される。
【0019】まずX線回折により、2θが2〜10゜の
間に回折ピークが確認されること、また熱分析より、次
式(2) 2VOHPO4・1/2H2O→(VO)2P2O7+2H2O (2) で示される、リン酸水素バナジル1/2水和物がピロリ
ン酸ジバナジルへ脱水縮合する260〜480℃の温度
領域における重量減少が理論値10.5wt.%より大
きい値を示すこと、さらに電子顕微鏡による観察により
層間距離の拡大が確認されることより、この化合物がリ
ン酸水素バナジルを基本層とし、層間に有機カチオン類
がインターカレートし、層間が6〜40オングストロー
ムに開いた層間化合物になっていることが確認される。
【0020】また本発明で得られた化合物のバナジウム
の原子価が4価であることは、酸化還元滴定により確認
される。
【0021】層間距離を制御することは、使用する有機
カチオン類の炭素鎖の長さを変えることによって行うこ
とができる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明を実施例及び比較例を用いて
説明するが、本発明は下記の実施例のみに限定されるも
のではない。
【0023】実施例1 85wt.%オルトリン酸484.2gを水900ml
に溶解し、ここに五酸化バナジウム54.6gを懸濁さ
せ、リフラックス条件下で6時間加熱攪拌した。この反
応懸濁液を、ろ別し、固体をアセトンで洗浄した後、4
0℃で6時間乾燥させた。得られた黄色の固体は、X線
回折の結果、リン酸バナジル2水和物VOPO4・2H2
Oであることが判った。
【0024】次に10gの黄色固体VOPO4・2H2O
を、フェニルトリメチルアンモニウムクロライド8.6
gをベンジルアルコール100gに溶解させた溶液に懸
濁させ、140℃で72時間加熱攪拌させた。反応後、
室温まで冷却し、ろ別し、得られた褐色固体はベンジル
アルコール、次いでアセトンで洗浄後、40℃で6時間
乾燥を行った。
【0025】X線回折(図1)より、回折ピークが2θ
=3.56゜、28.22゜に存在し、この結果より、
層間距離が24.8オングストロームであることが解っ
た。また、電子顕微鏡による観察(図2)より層間距離
が約20オングストロームに開いた層間化合物であるこ
とが判った。熱分析の結果、フェニルトリメチルアンモ
ニウムが15.3wt.%層間にインターカレートして
いることが判った。また、得られた褐色固体のバナジウ
ムの原子価は4価であった。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】 実施例2 実施例1と同様にして調製した10gの黄色固体VOP
O4・2H2Oを、n−テトラデシルトリメチルアンモニ
ウムクロライド14.6gをベンジルアルコール100
gに溶解させた溶液に懸濁させ、140℃で72時間加
熱攪拌させた。反応後、室温まで冷却し、ろ別し、得ら
れた褐色固体はベンジルアルコール、次いでアセトンで
洗浄後、40℃で6時間乾燥を行った。
【0027】X線回折(図3)より、回折ピークが2θ
=3.24゜、6.28゜、28.38゜に存在し、こ
の結果、層間距離が27.2オングストロームであるこ
とがわかった。また、電子顕微鏡による観察(図4)よ
り、層間距離が約30オングストロームに開いた層間化
合物であることが判った。熱分析の結果、テトラデシル
トリメチルアンモニウムが15.4wt.%層間にイン
ターカレートしていることが判った。また、得られた褐
色固体のバナジウムの原子価は4価であった。結果を表
1に合わせて示す。
【0028】実施例3、実施例4 n−テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライドの
添加量を変えた以外は実施例2と同様の調製法により層
間化合物を調製した。結果を表1に合わせて示す。
【0029】実施例5、実施例6 有機カチオン類をバナジウムに対し5倍モルとし、有機
カチオン類の種類を変えた以外は実施例2と同様にし層
間化合物を調製した。結果を表1に合わせて示す。
【0030】比較例 実施例1と同様にして調製した10gの黄色固体VOP
O4・2H2Oをベンジルアルコール100gに懸濁さ
せ、120℃で72時間加熱攪拌させた。反応後、室温
まで冷却し、ろ別し、得られた白青色固体はベンジルア
ルコール、次いでアセトンで洗浄後、40℃で6時間乾
燥を行った。
【0031】得られた白青色固体は、X線回折(図5)
より、リン酸水素バナジル1/2水和物であり、バナジ
ウムの原子価は4価であることが確認された。結果を表
1に合わせて示す。
【0032】
【発明の効果】リン酸バナジル、又は、リン酸バナジル
水和物を有機媒体中で還元する工程において、有機媒体
中に有機カチオン類を共存させることで、層間に有機カ
チオン類がインターカレートし、バナジウムの原子価が
4価である新規な層間化合物が得られた。この新規な層
間化合物が合成されたことで、新しい触媒、又は、新し
い触媒原料としての可能性が示唆された。また、層間を
利用した新規な分離剤としての可能性も開かれた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の層間化合物のX線回折図である。
【図2】実施例1の層間化合物の結晶構造を示す電子顕
微鏡写真である。
【図3】実施例2の層間化合物のX線回折図である。
【図4】実施例2の層間化合物の結晶構造を示す電子顕
微鏡写真である。
【図5】比較例の層間化合物のX線回折図である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バナジウム、リン及び酸素を基本組成と
    する層状化合物であって、層間に有機カチオン類がイン
    ターカレートしており、かつバナジウムの原子価が4価
    であることを特徴とする層間化合物。
  2. 【請求項2】 6〜40オングストロームの層間距離を
    有することを特徴とする請求項1に記載の層間化合物。
  3. 【請求項3】 有機カチオン類が合計の炭素数が4〜2
    3である有機アンモニウム塩であることを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の層間化合物。
  4. 【請求項4】 有機カチオン類がフェニルトリメチルア
    ンモニウム塩であることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の層間化合物。
  5. 【請求項5】 有機カチオン類が合計の炭素数が4〜2
    3であるスルフォニウム塩であることを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の層間化合物。
  6. 【請求項6】 有機カチオン類が合計の炭素数が4〜2
    3であるフォスフォニウム塩であることを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の層間化合物。
  7. 【請求項7】 有機カチオン類が合計の炭素数が7〜2
    3であるピリジニウム塩であることを特徴とする請求項
    1又は請求項2に記載の層間化合物。
  8. 【請求項8】 次式(1) VOPO4・nH2O (1) (式中、0≦n≦2)で表されるリン酸バナジル又はリ
    ン酸バナジル水和物を有機カチオン類が共存する有機媒
    体中で熱処理することによりバナジウムを4価に還元し
    つつ、有機カチオン類を層間にインターカレートさせる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記
    載の層間化合物の製造法。
  9. 【請求項9】 有機カチオン類が合計の炭素数が4〜2
    3である有機アンモニウム塩であることを特徴とする請
    求項8に記載の層間化合物。
  10. 【請求項10】 有機カチオン類がフェニルトリメチル
    アンモニウム塩であることを特徴とする請求項8に記載
    の層間化合物の製造法。
  11. 【請求項11】 有機カチオン類が合計の炭素数が4〜
    23であるスルフォニウム塩であることを特徴とする請
    求項8に記載の層間化合物の製造法。
  12. 【請求項12】 有機カチオン類が合計の炭素数が4〜
    23であるフォスフォニウム塩であることを特徴とする
    請求項8に記載の層間化合物の製造法。
  13. 【請求項13】 有機カチオン類が合計の炭素数が7〜
    23であるピリジニウム塩であることを特徴とする請求
    項8に記載の層間化合物の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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