JPH08290916A - 耐熱性遷移アルミナ及びその製造方法 - Google Patents

耐熱性遷移アルミナ及びその製造方法

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JPH08290916A
JPH08290916A JP8031938A JP3193896A JPH08290916A JP H08290916 A JPH08290916 A JP H08290916A JP 8031938 A JP8031938 A JP 8031938A JP 3193896 A JP3193896 A JP 3193896A JP H08290916 A JPH08290916 A JP H08290916A
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JP
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aluminum sulfate
water
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alumina
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Application number
JP8031938A
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English (en)
Inventor
Osamu Yamanishi
修 山西
Seiichi Hamano
誠一 浜野
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細孔容積が大きく、高い初期比表面積を有
し、かつ耐リン被毒性に優れた内燃機関用触媒担体等に
特に適した耐熱性遷移アルミナを提供する。 【解決手段】 硫酸アルミニウム中のAl分をアルミナ
換算し、該アルミナ100重量部に対してNaをNa2
O換算で0.10重量部以下、ランタン化合物をランタ
ン(元素換算)として1〜12重量部含有してなる硫酸
アルミニウムの結晶水に換算して8水塩を越える水を含
むランタン含有硫酸アルミニウムを、硫酸アルミニウム
〔Al2 (SO4 3 として〕1g当たりからの水の蒸
発速度が0.01mg/sec〜2.0mg/secで
8水塩以下の結晶水に相当する水含有量の硫酸アルミニ
ウムとなるまで乾燥し、該乾燥後の硫酸アルミニウムを
必要に応じて6水塩以下の結晶水に相当する水含有量の
硫酸アルミニウムとなるまで乾燥した後、該乾燥後の6
水塩以下の結晶水に相当する水含有量の硫酸アルミニウ
ムを竪型気流接触式焼成炉に供給し、該焼成炉中で熱分
解することにより、上記課題を満足する耐熱性遷移アル
ミナが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性遷移アルミ
ナ及びその製造方法に係わり、更に詳細には耐リン被毒
性の要求される自動車排気ガス浄化用触媒或いは定置式
エンジン排ガス浄化用等の触媒担体に適した耐熱性遷移
アルミナ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車や自動2輪車等の内燃機関の排ガ
ス除去、更には、ガスタ−ビンやボイラ−等の高温下で
の触媒反応分野での触媒或いは触媒担体は、近年ますま
す多用化の傾向にある。これら分野に用いられる担体は
触媒成分の有効利用の点より比表面積の高い触媒担体、
通常γ−アルミナを主体とする遷移アルミナが多く使用
されている。加えてこれら担体の使用温度は900℃以
上、時には1000℃、さらには1200℃を越える場
合もあり、高温使用に於いても比表面積の低下が少ない
耐熱性に優れた特性を有する触媒担体が要求されてい
る。
【0003】しかしながら遷移アルミナは周知のように
900℃以上の高温下に曝されるとα−アルミナ晶へと
結晶転移を起こし、著しく比表面積が低下する。
【0004】また触媒担体として遷移アルミナをペレッ
ト状もしくは他の形態の成形物に被覆して使用する場合
には、この結晶転移による構造変化が被覆層の脱落ある
いは触媒成分のシンタリングを促進させる原因となる。
【0005】この遷移アルミナにおける比表面積の低下
を防止するなど熱安定性の向上を計る方法として、ラン
タン等の希土類元素あるいは、バリウム等の元素を遷移
アルミナに添加することは公知である。
【0006】例えば粒径が500ミクロン以下のアルミ
ナあるいはアルミナ水和物の粉末を分散させた水溶液と
希土類物質を含む溶液との混合液から上記アルミナ、あ
るいはアルミナ水和物に希土類物質を沈着させる方法
(特開昭62−176542号公報)、アルミニウムア
ルコキシドとランタンアルコキシドの混合溶液を加水分
解してゾルを得た後、ゲル化しこれを焼成する方法(特
開昭63−242917号公報)等が知られているが、
高温における熱処理、例えば1200℃で5時間加熱処
理後のBET比表面積が50m2 /gを越えるものは知
られていない。
【0007】このような事情下に鑑み本発明者は、高い
初期BET比表面積を有し、かつ1000℃以上の高温
下においても比表面積の低下が少ない優れた耐熱性を有
し、また他の低比表面積の触媒担体等の表面に被着せし
めた場合も、大きい細孔容積を発揮する耐熱性遷移アル
ミナを見いだすことを目的として研究した結果、硫酸ア
ルミニウムとランタン化合物を混合し、該混合物を加熱
後、熱分解することにより大きい細孔容積を有し、初期
比表面積が大きく、かつ高温下での耐熱性に優れた遷移
アルミナが得られることを見出し、特開平4−2701
14号として先に出願した。該方法により得られた遷移
アルミナは、細孔容積が0.6cc/g〜2.0cc/
gと大きく、初期比表面積が90m2 /g以上、普通に
は100m2 /g以上で、1100℃、3時間焼成後の
BET比表面積が90m2 /g以上、普通には100m
2 /g以上であり、かつ1200℃、3時間焼成後のB
ET比表面積が50m2 /g以上の優れた耐熱性を有し
ており、そのままで、或いは各種形状触媒担体や樹脂充
填材として、或いは各種形状触媒担体成形用原料として
好適である。
【0008】しかしながら、上記方法で得られた遷移ア
ルミナをリン化合物を含有する燃焼排ガス処理用の触媒
担体として適用した場合には、上記のような耐熱性が発
揮し得ない場合があること、また上記硫酸アルミニウム
の熱分解をロータリーキルンや瞬間仮焼炉、流動焼成炉
等の生産効率の高い焼成方法を採用する場合には製品収
率が低くい場合があり、リン化合物を含有する燃焼排ガ
スを処理する場合にも優れた耐熱性を発揮する遷移アル
ミナと、コスト削減の観点より収率の高い製造方法の開
発が嘱望されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は大きい
細孔容積と高い初期BET比表面積を有し、かつ高温
下、リン化合物を含有する燃焼排ガスとの接触下にあっ
ても比表面積の低下が少ない優れた耐熱性を有する遷移
アルミナの提供、並びに工業的に生産効率の高い焼成方
法に於いても高い製品収率が得られる耐熱性遷移アルミ
ナの製造方法を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる事情下に鑑み、本
発明者等は更に鋭意検討した結果、熱分解する原料硫酸
アルミニウム中の特定不純物量を特定量以下に調整する
場合には、高温下リン化合物を含有する燃焼排ガスとの
接触下にあっても比表面積の低下が少ない優れた耐熱性
を有する遷移アルミナが得られること、また、工業的に
生産効率の高い竪型気流式接触焼成炉を用い硫酸アルミ
ニウムを熱分解するに際し、該焼成炉に供給する硫酸ア
ルミニウムを特定の含水量までを特定乾燥条件で乾燥す
る場合には、上記目的を全て満足し得る遷移アルミナが
得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明はアルミナ100重量部
に対してランタン(元素換算)を1〜12重量部有し、
Na2 O含量が0.10重量部以下であり、細孔容積が
0.6cc/g〜2.0cc/gで、初期BET比表面
積が90m2 /g 以上、1200℃で5時間加熱処理
後のBET比表面積が60m2 /g 以上の耐熱性を有
する、硫酸アルミニウムの加熱・熱分解法よりなる耐熱
性遷移アルミナを提供するにある。
【0012】さらには、本発明はアルミナ100重量部
に対してNaをNa2 O換算で0.10重量部以下、ラ
ンタン化合物をランタン(元素換算)として1〜12重
量部含有してなる硫酸アルミニウムを加熱後、熱分解す
ることを特徴とする耐熱性遷移アルミナの製造方法を提
供するにある。
【0013】また、本発明は、硫酸アルミニウム中のA
l分をアルミナ換算し、該アルミナ100重量部に対し
てNaをNa2 O換算で0.10重量部以下、ランタン
化合物をランタン(元素換算)として1〜12重量部含
有してなる硫酸アルミニウムの結晶水に換算して8水塩
を越える水を含む硫酸アルミニウムを、硫酸アルミニウ
ム〔Al2 (SO4 3 として〕1g当たりからの水の
蒸発速度が0.01mg/sec〜2.0mg/sec
で8水塩以下の結晶水に相当する水含有量の硫酸アルミ
ニウムとなるまで加熱、乾燥し、該乾燥後の硫酸アルミ
ニウムを必要に応じて6水塩以下の結晶水に相当する水
含有量の硫酸アルミニウムとなるまで乾燥した後、該乾
燥後の6水塩以下の結晶水に相当する水含有量の硫酸ア
ルミニウムを竪型気流接触式焼成炉中で熱分解し遷移ア
ルミナを得ることを特徴とする耐熱性遷移アルミナの製
造方法を提供するにある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の遷移アルミナは、遷移アルミナ中のアルミ
ナ100重量部に対してランタン(元素換算)を1〜1
2重量部有し、Na2 O含量が0.10重量部以下であ
り、遷移アルミナの細孔容積が0.6cc/g〜2.0
cc/gで、初期BET比表面積が90m2 /g 以
上、1200℃で5時間加熱処理後のBET比表面積が
60m2 /g 以上の耐熱性を有する、硫酸アルミニウ
ムの加熱・熱分解法よりなる耐熱性遷移アルミナであ
る。
【0015】かかる遷移アルミナの製造方法としては、
硫酸アルミニウム中のAl分をアルミナ換算し、該アル
ミナ100重量部に対してNaをNa2 O換算で0.1
0重量部以下、ランタン化合物をランタン(元素換算)
として1〜12重量部、含有してなる硫酸アルミニウム
を加熱後、熱分解する方法が挙げられる。
【0016】本発明の原料として使用する硫酸アルミニ
ウムは、加熱分解後遷移アルミナが得られ、かつ遷移ア
ルミナ中のNa量がNa2 Oに換算しアルミナ100重
量部に対し0.10重量部以下で有れば、特に制限され
るものではないが通常、市販の硫酸アルミニウムはバイ
ヤ−法により得られた水酸化アルミニウムを硫酸で溶解
することにより製造されたもので(例えば12394の
化学商品、p56を参照、化学工業日報社発行)、水酸
化アルミニウムからの不純物としてNa2 OをAl2
3 に対して約0.20重量%程度含有する。それゆえ、
本発明に於いては低ソーダ含有量の水酸化アルミニウム
を原料として用い合成した硫酸アルミニウムや、高純度
アルミニウム、高純度水酸化アルミニウム、高純度アル
ミナ等から合成した特定の硫酸アルミニウム、さらには
アルミニウム箔やアルミニウム材を硫酸溶液により処理
することにより副生する硫酸アルミニウムが使用され
る。また、明礬を熱分解して得られる硫酸アルミニウム
を原料として使用することもできる。生産原価の点から
は市販の低ソーダ水酸化アルミニウムを原料とし硫酸と
合成した硫酸アルミニウムやアルミニウム材を硫酸溶液
により処理することにより副生する硫酸アルミニウム
で、該硫酸アルミニウム中のAl分をアルミナ換算し、
該アルミナ100重量部に対してNa含有量がNa2
換算で0.10重量部以下量よりなる硫酸アルミニウム
の適用が推奨される。低ソーダ含有量の水酸化アルミニ
ウムの結晶形は、特に限定されるものでなくギブサイ
ト、バイヤライト、ベ−マイト、擬ベ−マイト、無定形
水酸化アルミニウム等のAl2 3 ・nH2 Oの化学式
で表される粉末あるいはスラリ−が使用される。原料と
して使用する硫酸アルミニウムの形態はAl2 (S
4 3 ・nH2 O〔式中、n=0〜27である〕で表
される固体状、あるいは液体状の硫酸アルミニウムが使
用される。また硫酸基が一部水酸基で置き換わった塩基
性硫酸アルミニウムAl2 (SO4 3-X (OH)2X
nH2 Oが使用できる。置換量xは、得られる遷移アル
ミナが本発明の性能を有すれば特に限定されないが、通
常はxは0.4以下である。また、一部硫酸を含有する
硫酸アルミニウムも使用できる。また明礬を熱分解して
得られる硫酸アルミニウムを原料として使用する場合、
本発明の性能を有する範囲において未分解のアンモニウ
ム塩を含有することができる。
【0017】また熱分解後の初期BET比表面積が90
2 /g 以上でNa含有量がNa 2 O換算でアルミナ
100重量部に対して0.10重量部以下の遷移アルミ
ナの得られる範囲において原料である硫酸アルミニウム
に他のアルミニウム塩、例えば塩化アルミニウム、硝酸
アルミニウム、蟻酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、
酸化アルミニウムおよび酢酸アルミニウムやアルミナ水
和物あるいはアルミニウムアルコキサイド等を併用して
も良い。
【0018】またBET比表面積が90m2 /g以上で
Na含有量がNa2 O換算でアルミナ100重量部に対
して0.10重量部以下の遷移アルミナの得られる範囲
において、他の金属元素を硫酸アルミニウム中に共存し
ても良い。例えば、カリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、バリウム、ランタニウム、ジルコニウム、銅、鉄、
白金、パラジウム、ロジウム等を共存させても良い。
【0019】本発明において、ランタンは硫酸アルミニ
ウムが加熱、熱分解され遷移アルミナを形成する前に、
硫酸アルミニウムと混合状態にあればよく、ランタン化
合物を含有する硫酸アルミニウムとしては、硫酸アルミ
ニウムを合成する過程で水酸化アルミニウムにランタン
化合物を混合し、これに硫酸を加えて反応せしめる方
法、硫酸アルミニウムにランタン化合物を混合する方法
が挙げられる。
【0020】より具体的には、水に水酸化アルミニウム
とランタン化合物を混合し、その混合溶液に硫酸を添加
してランタン化合物含有硫酸アルミニウムを作っても良
いし、水酸化アルミニウムと水の混合液にランタン化合
物と硫酸の混合物を添加してランタン化合物含有硫酸ア
ルミニウムを作っても良い。また、水に水酸化アルミニ
ウムを混合させ、硫酸を添加した後、ランタン化合物を
添加しても良い。硫酸アルミニウムの製法において水酸
化アルミニウムを焼成した遷移アルミナの利用もでき
る。硫酸アルミニウムの合成過程では、水酸化アルミニ
ウム水溶液に硫酸を添加すると発熱し、温度が上昇する
と伴に、硫酸アルミニウムが生成する。硫酸アルミニウ
ム生成後、冷却すると使用した水の量により液状または
固体状の硫酸アルミニウムが得られる。
【0021】また、前記したもう一方の、硫酸アルミニ
ウムとランタン化合物を混合する方法を採用する場合に
は、硫酸アルミニウムとランタン化合物の混合は両者が
固体の場合には何れか一方を水溶液化しこれに他方を添
加して溶解させても良いし、水中に同時に添加し溶解さ
せても良いし、液体硫酸アルミニウムを用いる場合には
これに固体状或いは液状のランタン化合物を添加し溶解
させても良く、硫酸アルミニウム又はその混合物中に於
いてアルミニウムイオンとランタンイオンを均一に分散
させることが望ましい。それ故混合、溶解操作は溶液を
加温、撹拌することが好ましい。
【0022】本発明で使用されるランタン化合物は、均
一に硫酸アルミニウム中に分散するものがよく、例えば
酸化ランタン、酢酸ランタン、硝酸ランタン、硫酸ラン
タン、炭酸ランタン、塩化ランタン等が適用される。
【0023】ランタン化合物中のNa2 O量は、得られ
た遷移アルミナ中のNa含有量がNa2 O換算でアルミ
ナ100重量部に対して0.10重量部以下で有れば、
特に問題ないがNa2 O量の少ないランタン化合物の使
用が推賞される。
【0024】またBET比表面積が90m2 /g以上で
Na含有量がNa2 O換算でアルミナ100重量部に対
して0.10重量部以下の遷移アルミナの得られる範囲
において、他の希土類金属元素、例えば、セリウム、プ
ラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユ
ウロピウム、ガドリニウム、テルビウム等を共存させて
も良い。
【0025】本発明で得られた遷移アルミナ中のランタ
ン化合物の混合割合は、得られた遷移アルミナ中のアル
ミナ100重量部に対してランタン化合物がランタン元
素換算として約1〜約12重量部、好ましくは約1〜1
0重量部の範囲に調合する。
【0026】アルミナ100重量部に対するランタンの
混合割合が1重量部より少ない場合には高温使用時の比
表面積低下抑制効果が十分でなく、他方混合量が12重
量部より多すぎる場合には1200℃程度での使用時に
比表面積の大幅な低下が起こる。
【0027】本発明の実施において、液状または固体状
の硫酸アルミニウムは、次いで加熱し水分を蒸発して乾
固させる。加熱に際し、ランタン化合物を含有してなる
硫酸アルミニウムは少なくとも硫酸アルミニウム6水塩
を越える水を有していることを必要とする。より好まし
くは溶液状或いは硫酸アルミニウムの結晶水に換算して
20水塩以上の水を含有するペースト状混合物がより高
い耐熱性を有する遷移アルミナを得ることができる。硫
酸アルミニウムが6水塩を越える固体状の場合、加熱に
より液状に溶解し、徐々に粘性を増し次に発泡を生じ、
更に加熱を続けると多孔質の塊状品や凝集粒となる。硫
酸アルミニウムが液状の場合、加熱により徐々に粘性を
増し、発泡を生じ、更に加熱を続けると多孔質の塊状品
や凝集粒となる。この時点での多孔質の程度は水の蒸発
速度に左右されるので、より多孔質品を得るためには急
激な水の蒸発を生じせしめればよい。ランタン含有硫酸
アルミニウムが加熱時6水塩を越えるに相当する水を持
たない場合には、ランタンが硫酸アルミニウムに均一に
分散し難いためか加熱、乾燥、固化(以下、加熱乾固と
称する)後、熱分解しても目的とする耐熱性に優れた遷
移アルミナが得られない。かかる加熱乾固は硫酸アルミ
ニウムの結晶水に換算して6水塩以下の水含有量となる
まで加熱乾固すればよく、勿論無水物まで乾燥してもよ
い。
【0028】加熱乾固の方法としてはオ−ブン、オイル
バス、スプレ−ドライ、フラッシュドライ、流動乾燥、
媒体流動乾燥、真空乾燥、ニ−ダ−、ドラムドライヤ
−、リボンドライヤ−、ロ−タリ−キルン、ベルトドラ
イヤ−、パドルドライヤ−、遠赤外線乾燥機、マイクロ
波加熱機、マイクロ波減圧乾燥機、通気乾燥装置等公知
の方法が使用できる。加熱温度は特に制限されないが約
100℃〜硫酸アルミニウムの分解温度未満で行う。
【0029】加熱と熱分解を同一の加熱装置を用いて行
うこともできるが、加熱用原料が液体の場合多量の水を
蒸発させるため、工業規模の生産の場合には経済性の点
より実用的でない。それ故、加熱と熱分解は別個の工程
で実施されることが好ましい。
【0030】加熱品(加熱処理が終了したランタン含有
硫酸アルミニウム乾固品)は、ついで熱分解し遷移アル
ミナを得る。熱分解に供する硫酸アルミニウムは硫酸ア
ルミニウムの結晶水に換算して6水塩以下の水を有する
ものを用いる。本発明において遷移アルミナとは、通常
当該分野において使用される範囲を越える物でなく、水
酸化アルミニウム等を加熱し、αアルミナになる過程の
物を指し、具体的にはアモルファス、擬γ、γ、δ、
η、θ、κ、χ等の結晶形態を有する物であり、就中
γ、δ、η晶の遷移アルミナである。
【0031】硫酸アルミニウムの結晶水に換算して6水
塩以下の水を有する硫酸アルミニウムを熱分解させる温
度は、硫酸アルミニウムの熱分解温度以上で、かつ分解
生成した遷移アルミナのBET比表面積が90m2 /g
以上、細孔容積が0.6cc/g〜2.0cc/gとな
る温度で有ればよく、具体的には大気中で約800℃以
上〜1500℃、0.1秒〜100時間、好ましくは約
900℃以上〜1500℃、0.5秒〜50時間、より
好ましくは900℃以上〜1300℃、10分〜50時
間程度行えばよい。尚、熱分解を還元雰囲気で行う場合
は低温焼成が可能である。
【0032】熱分解方法としては、ロ−タリ−キルン、
瞬間仮焼、竪型気流接触式焼成炉、充填焼成炉、流動焼
成、静置焼成、トンネル炉、バッチ炉、雰囲気炉、真空
炉、加圧炉等公知の方法を使用すれば良い。熱分解後の
遷移アルミナは熱分解条件(熱分解温度、時間)を選ぶ
ことにより所望とする結晶形態の遷移アルミナとなし得
るが、熱分解後、別途焼成する事により所望とする結晶
形態の遷移アルミナとする方法を採用することも可能で
ある。
【0033】得られた遷移アルミナの細孔容積が0.6
cc/g未満の場合は、耐熱性が悪くて触媒の耐被毒性
も悪くなる。一方、2cc/gを越える場合には飛散等
が生じ取り扱い難く、ウォッシュコ−ト用等水に分散し
て用いる場合には、粘度上昇等の問題が生じる。
【0034】また、工業的に生産効率の高い焼成方法に
於いて高い製品収率で耐熱性遷移アルミナを得ようとす
る場合には、硫酸アルミニウム中のAl分をアルミナ換
算、該アルミナ100重量部に対してNaをNa2 O換
算で0.10重量部以下、ランタン化合物をランタン
(元素換算)として1〜12重量部含有してなる硫酸ア
ルミニウムの結晶水に換算して8水塩を越える水を含む
硫酸アルミニウムを、硫酸アルミニウム〔Al2 (SO
4 3 として〕1g当たりからの水の蒸発速度が0.0
1mg/sec〜2.0mg/secで8水塩以下の結
晶水に相当する水含有量の硫酸アルミニウムとなるまで
加熱、乾燥し、次いで該加熱後の硫酸アルミニウムを竪
型気流接触式焼成炉中で熱分解する方法が推奨される。
【0035】加熱、乾固時の結晶水の蒸発速度が2.0
mg/secを越える場合、得られる8水塩以下の結晶
水に相当する水を含有する硫酸アルミニウムは、実質的
に発泡しており、強度が弱いため熱分解時に粉化し、竪
型気流式接触焼成炉での焼成ができないとか、粉化した
粒子が通気ガスにより逸散し、歩留まりが低下する。ま
た、結晶水の蒸発速度が0.01mg/sec未満の場
合には乾燥速度が遅く生産性が劣るため経済的でない。
硫酸アルミニウムの乾燥工程は、上記乾燥速度で乾燥で
きる設備であれば特に制限されないが、例えばオーブ
ン、オイルバス、通気乾燥装置、ベルト乾燥機、ロータ
リー乾燥機、流動乾燥機等の公知の方法が使用できる。
乾燥後の硫酸アルミニウムの含有水が8水塩を越える時
点で上記乾燥条件で乾燥を行わない場合には、焼成工程
において硫酸アルミニウムは徐々に粘性を増し粒子同士
が粘着し、次いで急激な発泡がおこり強度が低下するた
め、通気焼成におけるガスの偏流や粒子の破壊による飛
散が生じ、歩留りが低下するので、工業的に安価に通気
焼成できない。通常8水塩を越える結晶水量を有する硫
酸アルミニウムを8水塩以下量の結晶水量に相当する水
を含有する硫酸アルミニウム迄乾燥する場合、より具体
的には10水塩以上の結晶水量に相当する水を含有する
硫酸アルミニウム、より好ましくは20水塩以上の結晶
水量に相当する水を含有する硫酸アルミニウムを8水塩
以下量の結晶水量に相当する水を含有する硫酸アルミニ
ウム、普通には7.5水塩以下量の結晶水量に相当する
水を含有する硫酸アルミニウム、より好ましくは6水塩
以下量の結晶水量に相当する水を含有する硫酸アルミニ
ウム迄上記方法により乾燥する場合には実質的に発泡の
ない、次工程の熱分解工程で粉化のない硫酸アルミニウ
ム粉末が得られる。得られた硫酸アルミニウムが実質的
に発泡してるか否かは目視でも視認可能であるが、2m
m〜6.7mmに整粒した未乾燥品の硫酸アルミニウム
の重量を測定し、該未乾燥品の有する結晶水が完全に除
かれた場合の重量を算出し、これより計算で求めた充填
密度(平均0.50g/ccであった)の値を未発泡の
硫酸アルミニウムの基準充填密度と定め、この基準充填
密度と以下に記載する方法で測定し、補正した試料の充
填密度とを比較する事により、発泡の程度を表す事も可
能である。本発明に於いては充填密度が0.45g/c
c未満のものは実質的に発泡していると判断した。 試料の充填密度測定・補正方法:乾燥後の硫酸アルミニ
ウム100gを200ccメスシリンダ−に入れ、シリ
ンダ−を3cmの高さより100回落下させた後充填密
度(g/cc)を測定し(乾燥品の充填密度)、次い
で、該乾燥品の重量を測定し、更に500℃、2時間加
熱して乾燥品中の結晶水を全部脱水させた後重量を測定
し、以下の式より試料の充填密度を求めた。 試料の充填密度 = 乾燥品の充填密度 ×〔500℃
脱水後の重量/500℃脱水前の乾燥品重量〕
【0036】このようにして得られた実質的に発泡のな
い硫酸アルミニウムは次いで竪型気流接触式焼成炉よ
り、硫酸アルミニウムを熱分解する。熱分解に供する硫
酸アルミニウムは結晶水に換算して6水塩以下に相当す
る水を含有する硫酸アルミニウムである。該、竪型気流
接触式焼成炉は焼成炉中に乾燥後の硫酸アルミニウムを
充填し、充填床内を通過する気流と接触させながら熱分
解するものであり、具体的には、新化学工学講座III −
6 窯炉(功刀雅長著,日刊工業新聞社発行)の第10
5頁〜第106頁に記載の竪窯(シャフトキルン)等の
公知の焼成装置が適用される。 通気ガスと硫酸アルミ
ニウムの接触は向流でも並流でもどちらでも良く、また
バッチでも移動床でも良い。しかし、熱伝達の優れた向
流移動床方式が工業的に有利であり好ましい。
【0037】焼成炉中に充填される硫酸アルミニウム
は、熱分解時充填床内を熱風が通過し易くするために平
均粒径で約0.5mm〜約50mm,好ましくは約1m
m〜約20mmの塊状或いは板状で用いることが好まし
い。このような形状の硫酸アルミニウムは、原料が硫酸
アルミニウム水溶液の場合には硫酸アルミニウム水溶液
を加熱し、該硫酸アルミニウムが流動性を有する間に板
状や塊状に凝固させ、或いは成形し、必要に応じてこれ
を所望形状に粉砕した後、乾燥する事により得ることが
できる。或いは硫酸アルミニウム水溶液を加熱すること
なく凝固温度以下まで冷却し次いでこれを所望形状に粉
砕した後、乾燥し得ることもできる。また原料が固体の
場合には粉砕し、粉状にした後、転動造粒や押出し成形
等の既存の方法で所望形状に成形後、乾燥し得ることが
できる。勿論、原料粒径を整える目的より、必要ならば
乾燥前、或いは乾燥後の成形体を篩別することもでき
る。
【0038】上記竪型気流接触式焼成炉に於ける硫酸ア
ルミニウムの焼成(分解)は、硫酸アルミニウムの熱分
解温度以上で、かつ分解後得られる遷移アルミナの比表
面積が可能な限り高くなる条件、通常、硫酸アルミニウ
ムの温度が大気中で約700℃〜約1000℃になる通
気ガス温度で1時間〜100時間、好ましくは約750
℃〜約950℃になる通気ガス温度で5時間〜20時間
程度焼成すればよい。
【0039】充填床を通過するガスの空塔線速度は約
0.01Nm/s〜約1.0Nm/s、好ましくは約
0.1Nm/s〜約0.5Nm/sの範囲である。原因
は定かでないが風速が1.0Nm/sを越えて大きくな
ると得られた遷移アルミナの細孔容積が小さくなり、耐
熱性が低下する傾向を示す。またガスの空塔線速度が
0.01Nm/s未満では、発生した分解ガスの置換が
速やかに行われないためか焼成に時間がかかり経済的で
ない。
【0040】焼成に用いる通気ガスは上記温度になし得
るものであれば特に限定されるものではなく、通常の燃
料ガスや燃料オイル等の燃焼による加熱空気、電気、熱
媒等による加熱空気、或いはこれらに水蒸気や還元ガ
ス、SOxガス等を添加したガスを用いてもよい。ま
た、水蒸気濃度が、露点で20℃以下に調湿した通気ガ
スを用いる場合には特に比表面積が大きい遷移アルミナ
を得ることができるので推奨される。
【0041】このようにして得られた遷移アルミナは、
細孔容積が0.6cc/g〜2.0cc/gと大きく、
初期BET比表面積が90m2 /g 以上、普通には1
00m2 /g 以上であり、ランタン(元素換算)を1
〜12重量部含むことにより1200℃で5時間加熱後
のBET比表面積も60m2 /g以上である、優れた耐
熱性を有すると伴に、遷移アルミナ中のNa量がNa2
O換算で0.10重量部以下としたことより、リン化合
物存在下700℃、3時間加熱後もBET比表面積が9
0m2 /g以上ある優れた耐リン被毒性を有しており、
そのままで、あるいは粉砕した後触媒担体や樹脂充填剤
として、あるいは各種形状触媒担体成形用原料として使
用される。
【0042】さらにセラミック質ハニカム等の既成成形
体表面に被覆するウォッシュコート用原料用アルミナと
して、その大きな細孔容積とBET比表面積より軽量で
かつ優れた活性を示し、耐リン被毒性の高い触媒担体と
して適用が期待される。
【0043】特に自動車排ガスの選択脱硝反応用、非選
択脱硝反応用あるいは完全酸化反応用のハニカム状貴金
属触媒のウォッシュコ−ト用組成物原料として適してい
る。自動車排ガス触媒として、本発明の遷移アルミナを
適用する場合、公知の方法でハニカムにウォッシュコ−
トする前、或いはウォッシュコ−トした後、白金、ロジ
ウム及びパラジウムより選んだ貴金属を担持し触媒とす
ることも可能である。更にウォッシュコ−トに際し本発
明の遷移アルミナとセリアを混合してコ−トすることも
可能である。このようにして得られた触媒は自動車排ガ
スコンバ−タ内に取り付け、最高触媒温度が使用最高温
度で表して約700〜1100℃の条件で使用すること
が可能である。
【0044】尚、白金、パラジウム、ロジウム、セリウ
ム、ジルコニウム、バリウム、ニッケル、銅、鉄等の触
媒成分を加熱分解前の硫酸アルミニウムに添加存在せし
めることも可能である。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したごとく、本発明の耐熱性遷
移アルミナは原料としてNa2 O濃度を調整したランタ
ン化合物を含有する硫酸アルミニウムを用い、(硫酸ア
ルミニウム合成→)溶解→乾燥→熱分解→(含浸)と言
う簡単な操作によって、細孔容積が大きく、高い初期比
表面積を有し、かつリン化合物を含有するガスの処理に
おいても比表面積の低下の少ない耐リン被毒性に優れた
耐熱性遷移アルミナを提供するもので、自動車等の内燃
機関用触媒担体等の分野において、特にその工業的価値
は頗る大なる物である。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが本発明は以下の実施例により制限されるものでは
ない。
【0047】尚、本発明の実施例における物性の測定は
以下の方法で行った。 BET比表面積;窒素吸着法(測定温度77K) S濃度;蛍光X線分析法 Na2 O濃度;フレ−ム原子吸光法
【0048】発泡度;2mm〜6.7mm(JIS篩を
使用)に整粒した未乾燥品のの硫酸アルミニウムの重量
と保有結晶水より、計算で求めた充填密度(0.50g
/cc)を未発泡の硫酸アルミニウムの基準充填密度と
定め、この基準密度と以下に記載する方法で測定し補正
した試料の充填密度を比較することにより、発泡の程度
の尺度とした。 試料の充填密度測定・補正方法:乾燥後の硫酸アルミニ
ウム100gを200ccメスシリンダ−に入れ、シリ
ンダ−を3cmの高さより100回落下させた後充填密
度(g/cc)を測定し(乾燥品の充填密度)、次い
で、該乾燥品の重量を測定し、更に500℃、2時間加
熱して乾燥品中の結晶水を全部脱水させた後重量を測定
し、以下の式より試料の充填密度を求めた。 試料の充填密度 = 乾燥品の充填密度 ×〔500℃
脱水後の重量/500℃脱水前の乾燥品重量〕
【0049】細孔容積(cc/g);直径20mmの鉄
製金型に遷移アルミナを1.5g入れ、上下からシリン
ダで押さえ固定し、一軸プレス機で金型内の遷移アルミ
ナに100kg/cm2 の成形圧が加わるように加圧
し、3分間保持後、取り出し、円盤状のアルミナ成形体
を得る。この成形体を水銀圧入方により細孔分布を求
め、半径32オングストロ−ム〜1000オングストロ
−ムの細孔容積を測定する。
【0050】耐熱性試験;遷移アルミナ2gをムライト
製坩堝に入れシリコニット炉中、露点15℃の含水蒸気
大気1.5リットル/分の気流下、1200℃で5時間
加熱して耐熱試験を行い、加熱後における比表面積を測
定した。
【0051】耐リン被毒試験;遷移アルミナを自動車触
媒として使用する場合、1台の自動車に約100gのア
ルミナが使用され、5万時間でリン化合物(有機リン)
がP換算で約50g燃料及びオイルから供給されると考
えられる。それ故、本実施例ではリン化合物の影響を短
時間で見られるよう、遷移アルミナ1.0gとリン酸ト
リエチル(和光純薬工業製、試薬特級)2.9g(P換
算で0.5g)を蓋付きムライト製坩堝に入れ、シリコ
ニット炉中で700℃で3時間加熱後遷移アルミナの比
表面積を測定し耐リン被毒性を見た。
【0052】実施例1 容積2リットルのフラスコに127gの浄水をいれ、こ
れに最終所望遷移アルミナにおいてランタン元素として
Al2 3 100重量部に対し3.0重量部となるよう
に酢酸ランタンを加え、酢酸ランタンを完全に溶解させ
た。この酢酸ランタン溶液に市販の低Na2 O水酸化ア
ルミニウム(住友化学工業株式会社製CL−303、N
2 O濃度0.03%)156gを加え、混合し均一な
スラリ−とした後、このスラリ−を撹拌しながら硫酸3
00gを突沸しないようにゆっくり加え更に1時間攪拌
処理し、透明な液状硫酸アルミニウムを得た。次いでこ
の液状硫酸アルミニウムをポリプロピレン製の容器に流
し込み、放置冷却して固化させた。この固化硫酸アルミ
ニウムを粉砕し2mm〜6.7mmに篩別した後、18
0℃で10時間乾燥、固化した。得られた乾固品は硫酸
アルミニウム5.5水塩であり、この乾固品の目視状況
は明らかに発泡が認められ、充填密度を測定したところ
0.22g/ccであった。またこの試料の500℃脱
水後の重量と500℃脱水前の乾燥品重量の比は0.7
7であり補正後の試料の充填密度は0.17g/ccで
あった。次いでこの乾固品を箱形電気炉で室温から95
0℃まで250℃/時の昇温速度で昇温後、950℃、
20時間焼成、熱分解し遷移アルミナ(X線回折の結
果、大部分がγAl2 3 であった)を得た。得られた
遷移アルミナの物性を測定したところ、細孔容積は0.
69cc/g、Na2 O量は0.05重量部、初期BE
T比表面積は144m2 /gであった。耐熱試験および
耐リン被毒試験の結果は表1に示す。
【0053】実施例2 容積2リットルのフラスコに硫酸アルミニウム(Al2
3 含量15.6重量%、アルミナに対しNa2 O含量
80ppm、水分は結晶水として17水塩)を653g
をいれ、約120℃まで加温して融解させた。この融解
硫酸アルミニウムに、撹拌しながら最終所望遷移アルミ
ナにおいてランタン元素としてAl2 3 100重量部
に対し4.0重量部となるように酢酸ランタンを加え、
酢酸ランタンを完全に溶解させた後、更に1時間攪拌処
理し、液状硫酸アルミニウムを得た。次いでこの液状硫
酸アルミニウムをポリプロピレン製の容器に流し込み、
放置冷却して固化させた。この固化硫酸アルミニウムを
粉砕し、さらに180℃で10時間乾燥した。得られた
乾固品は硫酸アルミニウム5.5水塩であった。この乾
固品を室温から950℃まで250℃/時の昇温速度で
昇温後、950℃、20時間焼成、熱分解し遷移アルミ
ナ(X線回折の結果、大部分がγAl23 であった)
を得た。得られた遷移アルミナの細孔容積は0.72c
c/g、Na2 O量は100ppm、初期BET比表面
積は148m2 /gであった。また、このようにして得
た遷移アルミナの耐熱試験および耐リン被毒試験をおこ
なった。その結果を表1に示す。
【0054】実施例3 実施例2で用いたと同じ硫酸アルミニウム653gを、
180℃、10時間乾燥させ(硫酸アルミニウム5.5
水塩)、この乾燥品を室温から950℃まで250℃/
時の昇温速度で昇温後、950℃、20時間焼成、熱分
解し遷移アルミナ(X線回折の結果、大部分がγAl2
3 であった)を得た。2リットルビ−カ−に浄水50
0ccをいれ、撹拌しながら最終所望遷移アルミナに於
いてランタン元素としてAl2 3 100重量部に対し
4.0重量部となる量の酢酸ランタンを加え、完全に溶
解させた。このようにして得られた酢酸ランタン水溶液
に上記で得られた遷移アルミナ100gを入れ、1時間
撹拌した。次いでえられたスラリ−をエアバス中で11
0℃、12時間乾燥した後、490℃、2時間焼成する
事で酢酸ランタンを分解させ、ランタンを含有した遷移
アルミナを得た。得られた遷移アルミナの細孔容積は
0.70cc/g、Na2 O量は100ppm、BET
比表面積は149m2 /gであった。このようにして得
た遷移アルミナの耐熱試験および耐リン被毒試験をおこ
なった。その結果を表1に示す。
【0055】実施例4 実施例1に於いてランタンの添加量をAl2 3 100
重量部に対し1.0重量部となるように酢酸ランタンを
用いた他は全く同様にして遷移アルミナを得た。得られ
た遷移アルミナの初期BET比表面積は134m2 /g
であった。また実施例1と同様に耐熱試験および耐リン
被毒試験をおこなった。この結果を表1に示す。
【0056】実施例5 実施例2に於いてランタンの添加量をAl2 3 100
重量部に対し1.0重量部となるように酢酸ランタンを
用いた他は全く同様にして遷移アルミナを得た。 得ら
れた遷移アルミナの初期BET比表面積は120m2
gであった。また実施例1と同様に耐熱試験および耐リ
ン被毒試験をおこなった。その結果を表1に示す。
【0057】実施例6 実施例1の方法で得た遷移アルミナ284g、浄水77
5cc、酢酸3.8ccを2リットルポットに投入し、
ボ−ルミルにて15分間粉砕した。別途、酸化セリウム
(5μ、95m2 /g)244g、浄水370cc、酢
酸23ccを2リットルポットに投入し、ボ−ルミルに
て3時間粉砕し、これを3分割した。アルミナスラリ−
をポットより取り出した後、塩化白金酸水溶液をAl2
3 に対し、Ptが1%となる割合で添加し、1時間撹
拌機で混合した。さらに3分割した内の1つの酸化セリ
ウムスラリ−を添加し、1時間撹拌機で混合してウォッ
シュコ−ト用スラリ−を作成した。このウォッシュコ−
トスラリーにコ−ジェライト製ハニカムを浸漬後、12
0℃で乾燥し、490℃、4時間焼成する事によりウォ
ッシュコ−ト組成物を得た。ウォッシュコ−ト組成物の
コ−ト部分をハニカムより剥がし取り、該組成物のBE
T比表面積を測定したところ120m2 /gであった。
また実施例1と同様に耐熱試験をおこなった。その結果
を表1に示す。
【0058】実施例7 実施例1と同様の方法で固化硫酸アルミニウムを得、1
10℃のエアバスで乾燥した。乾燥中1時間毎に重量を
計ったところ、最大蒸発速度は有する硫酸アルミニウム
をAl2 (SO4 3 に換算して1g当たり、0.3m
g/secで乾燥していた。24時間乾燥すると硫酸ア
ルミニウムの結晶水に換算して7水塩まで乾燥した。こ
の乾燥品は目視では実質的に発泡が見られず、充填密度
を測定したところ0.70cc/gであった。またこの
試料の500℃脱水後の重量と500℃脱水前の乾燥品
重量の比は0.73であり補正後の試料の充填密度は
0.51g/ccであった。次に、内径70mmφ、長
さ1mのアルミナ製炉心管が垂直にセットされている環
状炉中に、15mmφのアルミナボ−ルを50cm敷
き、この上に上記乾燥品(2mm〜6.7mmに篩別し
たもの)100gを仕込んだ。炉コントロ−ル用の熱電
対を乾燥品の充填床中央部に仕込んだ後、乾燥品の上に
15mmφのアルミナを炉心管の上部まで仕込んだ。炉
心管の下部より炉心管内の空塔線速度が0.3Nm/s
ec、露点が50℃になるように調湿した空気を導入
し、硫酸アルミニウムの温度を250℃/Hrで860
℃まで昇温した後、860℃で16時間保持、焼成、熱
分解して遷移アルミナ(X線回折の結果、大部分がγア
ルミナであった)を得た。焼成前後の重量より、遷移ア
ルミナの回収率を求めると、98%であった。 得られ
た遷移アルミナの初期BET比表面積を測定すると16
2m2 /gであった。また実施例1と同様に耐熱試験お
よび耐リン被毒試験をおこなった。その結果を表1に示
す。また比較のため、実施例1の方法で乾燥し得られた
充填密度(補正後)0.17cc/gの硫酸アルミニウ
ム(乾燥時の最大蒸発速度5.2mg/sec)を上記
と同一の方法で焼成、熱分解し遷移アルミナを得、焼成
前後の重量より遷移アルミナの回収率を求めたところ1
0%であった。
【0059】実施例8 アンモニウム明礬AlNH4 (SO4 2 12H2 Oア
ルミナに対しNa2O含量50ppm)を箱形電気炉で室温
から650℃まで250℃/時の昇温速度で昇温後、6
50℃2時間焼成、熱分解し硫酸アルミニウム(X線回
折の結果、大部分がAl2 (SO4 3 であった)を得
た。容積2リットルの還流管付きフラスコに浄水311
gを添加し加熱後、上記で得られた硫酸アルミニウム
(水分は結晶水として0水塩)を342gをいれ、約1
20℃まで加温して融解させた。この融解硫酸アルミニ
ウムに、撹拌しながら最終所望遷移アルミナにおいてラ
ンタン元素としてAl2 3 100重量部に対し3.0
重量部となるように酢酸ランタンを加え、酢酸ランタン
を完全に溶解させた後、更に1時間撹拌処理し、液状硫
酸アルミニウムを得た。次いでこの液状硫酸アルミニウ
ムをポリプロピレン製の容器に流し込み、、放置冷却し
て固化させた。この固化硫酸アルミニウムを粉砕し、さ
らに180℃で10時間乾燥した。得られた乾固品は硫
酸アルミニウム5.5 水塩であった。この乾固品を室温か
ら950℃まで250℃/時の昇温速度で昇温後、95
0℃、20時間焼成、熱分解し遷移アルミナ(X線回折
の結果、大部分がγAl2 3 であった)を得た。得ら
れた遷移アルミナの細孔容積は0.72cc/g、Na
2 O量は60ppm、初期BET比表面積は、143m2
/gであった。また実施例1と同様に耐熱試験および耐
リン被毒試験をおこなった。この結果を表1に示す。
【0060】比較例1 実施例1において酢酸ランタンを加えない他は同様の処
理により遷移アルミナを得、BET比表面積を測定する
と134m2 /gであった。また実施例1と同様に耐熱
試験および耐リン被毒試験をおこなった。この結果を表
1に示す。
【0061】比較例2 実施例1と同様の処理により最終所望遷移アルミナにお
いてランタン元素としてAl2 3 100重量部に対し
15重量部となるように酢酸ランタンを用い遷移アルミ
ナを得、BET比表面積を測定すると70m2 /gであ
った。また実施例1と同様に耐熱試験および耐リン被毒
試験をおこなった。この結果を表1に示す。
【0062】比較例3 容積2リットルのフラスコに市販の液体硫酸アルミニウ
ム(住友化学工業株式会社製液ばん、Al2 3 含量
8.0重量%、)1275gをいれ、これに最終所望遷
移アルミナにおいてランタン元素としてAl2 3 に対
し3.0重量部となるように酢酸ランタンを加え、撹拌
しながら完全に溶解させた。この酢酸ランタン含有液体
硫酸アルミニウムを、180℃10時間乾燥させ乾固し
た。この乾固品を実施例1と同様の方法で処理し遷移ア
ルミナを得た。このものの物性を測定したところ、初期
BET比表面積は133m2 /g、細孔容積は0.70
cc/g、Na2 O量は0.23重量部であった。また
実施例1と同様に耐熱試験および耐リン被毒試験をおこ
なった。その結果を表1に示す
【0063】
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ100重量部に対してランタン
    (元素換算)を1〜12重量部有し、Na2 O含量が
    0.10重量部以下であり、細孔容積が0.6cc/g
    〜2.0cc/gで、初期BET比表面積が90m2
    g 以上、1200℃で5時間加熱処理後のBET比表
    面積が60m2 /g 以上の耐熱性を有する、硫酸アル
    ミニウムの加熱・熱分解法よりなる耐熱性遷移アルミ
    ナ。
  2. 【請求項2】 硫酸アルミニウム中のAl分をアルミナ
    換算し、該アルミナ100重量部に対してNaをNa2
    O換算で0.10重量部以下、ランタン化合物をランタ
    ン(元素換算)として1〜12重量部含有してなる硫酸
    アルミニウムを加熱後、熱分解することを特徴とする耐
    熱性遷移アルミナの製造方法。
  3. 【請求項3】 ランタンを含有する硫酸アルミニウム
    が、アルミナ100重量部に対してNaをNa2 O換算
    で0.10重量部以下含有する硫酸アルミニウムと、該
    硫酸アルミニウムをアルミナ換算して、アルミナ100
    重量部に対してランタン化合物をランタン(元素換算)
    として1〜12重量部混合してなる混合物であることを
    特徴とする請求項2記載の耐熱性遷移アルミナの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 ランタンを含有する硫酸アルミニウム
    が、加熱時、少なくとも硫酸アルミニウムの結晶水に換
    算して6水塩を越える水を有することを特徴とする請求
    項2または3記載の耐熱性遷移アルミナの製造方法。
  5. 【請求項5】 硫酸アルミニウム中のAl分をアルミナ
    換算し、該アルミナ100重量部に対してNaをNa2
    O換算で0.10重量部以下、ランタン化合物をランタ
    ン(元素換算)として1〜12重量部含有してなる硫酸
    アルミニウムの結晶水に換算して8水塩を越える水を含
    むランタン含有硫酸アルミニウムを、硫酸アルミニウム
    〔Al2 (SO4 3 として〕1g当たりからの水の蒸
    発速度が0.01mg/sec〜2.0mg/secで
    8水塩以下の結晶水に相当する水含有量の硫酸アルミニ
    ウムとなるまで乾燥し、該乾燥後の硫酸アルミニウムを
    必要に応じて6水塩以下の結晶水に相当する水含有量の
    硫酸アルミニウムとなるまで乾燥した後、該乾燥後の6
    水塩以下の結晶水に相当する水含有量の硫酸アルミニウ
    ムを竪型気流接触式焼成炉に供給し、該焼成炉中で熱分
    解し遷移アルミナを得ることを特徴とする請求項2また
    は3記載の耐熱性遷移アルミナの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004503375A (ja) * 2000-07-13 2004-02-05 ポール・コーポレーション セラミックフィルタエレメント及びその製造方法
JP2008238161A (ja) * 2007-02-27 2008-10-09 Sumitomo Chemical Co Ltd 触媒の製造方法
US10906816B2 (en) 2016-07-29 2021-02-02 Sumitomo Chemical Company, Limited Alumina and method for producing automotive catalyst using same

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