JPH08298231A - タンタル固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

タンタル固体電解コンデンサの製造方法

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JPH08298231A
JPH08298231A JP12582095A JP12582095A JPH08298231A JP H08298231 A JPH08298231 A JP H08298231A JP 12582095 A JP12582095 A JP 12582095A JP 12582095 A JP12582095 A JP 12582095A JP H08298231 A JPH08298231 A JP H08298231A
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孝史 富澤
Kenichi Hitosugi
健一 一杉
Noriaki Suzuki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 二酸化マンガン層に対してカーボン層を一体
的に密着させ、同カーボン層に接着銀を介して陰極端子
板を取り付けることにより、陰極引き出し層としての銀
層を不要とする。 【構成】 タンタル焼結ペレット1に化成皮膜2を形成
した後、硝酸マンガン水溶液への浸漬、熱分解を複数回
繰り返して上記化成被膜2上に固体電解質としての二酸
化マンガン層3Aを形成するにあたって、少なくとも最
終段階における硝酸マンガン水溶液にカーボンブラック
を混合し、最外側に形成される二酸化マンガン層3A内
に上記カーボンブラックによる高密着カーボン層4Aを
混在させ、同高密着カーボン層4Aに接着銀6を介して
陰極端子板7を取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はタンタル固体電解コンデ
ンサの製造方法に関し、さらに詳しく言えば、陰極引き
出し層としての銀層を不要としたタンタル固体電解コン
デンサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2にはタンタル固体電解コンデンサ素
子の一部分を拡大した断面図が示されている。これによ
ると、同コンデンサ素子はタンタル粉末を焼結してなる
焼結ペレット1を備え、まず、この焼結ペレット1の表
面にTaよりなる化成皮膜2が形成される。
【0003】そして、この化成皮膜2上に固体電解質と
しての二酸化マンガン層3が形成され、さらに同二酸化
マンガン層3上に陰極引き出し層としてのカーボン層4
と銀層5とが順次形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】カーボン層4は、二酸
化マンガン層3が形成された焼結ペレット1をグラファ
イト懸濁水溶液内に浸漬し、引き上げて所定温度で焼成
することにより形成されるが、二酸化マンガン層3とカ
ーボン層4は、それぞれ異なる性質を有しているため、
ハンダ付け時に加えられる熱ストレスにより、二酸化マ
ンガン層3とカーボン層4との接合面で剥離が生じやす
い。
【0005】特に、二酸化マンガン層3の表面はそのほ
とんどが0.5μm以下の凹凸となっているのに対し、
従来ではそのグラファイトに粒子の大きさが0.3〜2
μm程度の鱗片状のものが使用されているため、このこ
とからも二酸化マンガン層3の表面にカーボン層4を均
一に付着させることは困難とされていた。
【0006】また、従来生産の主体であったディップ型
では、そのコンデンサ素子に陰極リードをハンダ付けす
るようにしているが、二酸化マンガン層3およびカーボ
ン層4はハンダ付け性が悪いため、カーボン層4上に銀
層5を形成し、この銀層5に対して陰極リードをハンダ
付けするようにしている。
【0007】同様な理由により、樹脂モールドによりコ
ンデンサ素子の周りに樹脂外装体を形成してチップ型と
する場合においても、カーボン層4上に銀層5を形成
し、この銀層5に対して導電性接着材(接着銀)6を介
してリードフレームの陰極端子板7を取り付けるように
している。
【0008】しかしながら、上記銀層5は高温高湿下で
電圧が加えられると、エレクトロマイグレーションを生
じ、しばしばLC(漏れ電流)不良およびこれに伴うシ
ョートが発生するという問題を抱えている。
【0009】本発明は、上記従来の欠点を解決するため
になされたもので、その目的は、二酸化マンガン層に対
してカーボン層を高密度に密着させるとともに、エレク
トロマイグレーションの発生原因となる銀層を省略し
て、コンデンサ素子のカーボン層に直接的にリードフレ
ームの陰極端子板を取り付けることができるようにした
タンタル固体電解コンデンサの製造方法を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、タンタル焼結ペレットに化成皮膜を形成
した後、硝酸マンガン水溶液への浸漬、熱分解を複数回
繰り返して上記化成被膜上に固体電解質としての二酸化
マンガン層を形成するにあたって、少なくとも最終段階
における硝酸マンガン水溶液にカーボンブラックを混合
し、最外側に形成される二酸化マンガン層内に上記カー
ボンブラックによる高密着カーボン層を混在させ、同高
密着カーボン層に接着銀を介して陰極端子板を取り付け
ることを特徴としている。
【0011】この場合、上記最終段階での硝酸マンガン
水溶液に対する上記カーボンブラック含有量は1〜10
wt%であることが好ましい。1wt%未満であると、
前段階で形成された二酸化マンガン層との密着性が劣
り、その界面抵抗が大きくなるおそれが生ずる。他方、
10wt%を超えると、乾燥収縮時に割れが発生しやす
くなる。
【0012】また、上記カーボンブラックはその粒子径
が0.1〜0.5μmであることが好ましい。これは、
二酸化マンガン層表面の微細な凹凸の大きさがほとんど
0.5μm以下であることを考慮したことによるもので
ある。
【0013】さらに、上記最終段階での硝酸マンガン水
溶液に対してポリビニルアルコール(PVA)などの水
溶性接着剤を0.1〜2wt%の範囲内で混合すること
が望ましい。これによれば、二酸化マンガン層とカーボ
ン層との密着性がより高められる。なお、0.1wt%
未満の場合には、接着効果が認められず、これに対し
て、接着剤を2wt%を超えて添加すると、その分抵抗
値が増えることになり好ましくない。
【0014】一方、上記高密着カーボン層に接着銀を介
して陰極端子板を取り付ける際、前もってその高密着カ
ーボン層上に有機溶剤系のカーボン層を形成することが
好ましい。
【0015】
【作用】上記の構成によると、固体電解質形成工程の最
終段階における硝酸マンガン水溶液にカーボンブラック
が含まれているため、最外側の二酸化マンガン層が形成
されるのと同時に、カーボンブラックによるカーボン層
が形成される。このカーボン層は二酸化マンガン層と渾
然一体に形成されるため、ハンダ付け時の熱ストレスに
よっても剥離するようなことはない。この意味からし
て、このカーボン層を高密着カーボン層という。
【0016】また、これによれば、その後にカーボン層
を改めて形成する必要がなく、したがって従来固体電解
質形成工程の後に用意されていたカーボン層形成工程が
不要となるとともに、高密着カーボン層に接着銀を介し
てリードフレームの陰極端子板を接続することができる
ため、銀層をも不要となる。したがって、接着銀が存在
するにせよ、陰極引き出し層中の銀層のエレクトロマイ
グレーション現象が抑制され、信頼性の高いタンタル固
体電解コンデンサが得られる。
【0017】
【実施例】図1は本発明により製造されたタンタル固体
電解コンデンサの一部拡大断面図であるが、まず、従来
と同様にタンタル焼結ペレット1の表面にTa
らなる化成皮膜2が形成される。
【0018】次に、硝酸マンガン水溶液への浸漬、熱分
解を複数回繰り返すことにより、固体電解質としての二
酸化マンガン層3Aが形成されるのであるが、その最終
段階での硝酸マンガン水溶液にカーボンブラックが混合
され、これにより最外側に形成される二酸化マンガン層
内にそのカーボンブラックによるカーボン層、すなわち
高密着カーボン層4Aが渾然一体に形成される。
【0019】しかる後、従来のカーボン層形成工程およ
び銀層形成工程を省いて、高密着カーボン層4A上に接
着銀6を介してリードフレームの陰極端子板7が電気
的、機械的に接続される。そして、この固体電解コンデ
ンサ素子の周りに樹脂モールドによる樹脂外装体が形成
される。
【0020】なお、この実施例では、固体電解質形成時
の最終段階での硝酸マンガン水溶液内にカーボンブラッ
クを混合するようにしているが、その前段階もしくは前
々段階からカーボンブラックを混合してもよく、その場
合にはカーボンブラック混合量を徐々に増やすようにす
ることが好ましい。また、陰極端子板7を取り付ける前
に、高密着カーボン層4A上に有機溶剤系のカーボン層
を形成し、同カーボン層に対して接着銀6を介して陰極
端子板7を取り付けるようにしてもよい。
【0021】《実施例1》 〔化成工程〕1mm立方体サイズのタンタル焼結ペレッ
トを0.01wt%のリン酸水溶液中に浸漬し、直流電
圧18Vを4時間印加して化成皮膜を形成した。 〔固体電解質形成工程〕 (1)10wt%の硝酸マンガン水溶液に浸漬した後、
240℃にて熱分解させ二酸化マンガンを形成した。 (2)上記(1)を繰り返し行なった。 (3)0.001wt%のリン酸水溶液中に浸漬し、直
流電圧10Vを10分間印加して再化成を行なった。 (4)20wt%の硝酸マンガン水溶液に浸漬した後、
240℃にて熱分解させ二酸化マンガンを形成した。 (5)40wt%の硝酸マンガン水溶液に浸漬した後、
240℃にて熱分解させ二酸化マンガンを形成した。 (6)0.001wt%のリン酸水溶液中に浸漬し、直
流電圧9Vを10分間印加して再化成を行なった。 (7)70wt%の硝酸マンガン水溶液に浸漬した後、
240℃にて熱分解させ二酸化マンガンを形成した。 (8)上記(7)を繰り返し行なった。 (9)0.001wt%のリン酸水溶液中に浸漬し、直
流電圧8Vを10分間印加して再化成を行なった。 (10)二酸化マンガン形成工程の最終段階としての2
0wt%の硝酸マンガン水溶液に、平均粒子径が約0.
28μmのカーボンブラックを5wt%、また、PVA
(水溶性接着剤)を1wt%を混合したものに浸漬し、
引き上げて240℃にて熱分解させ二酸化マンガンとカ
ーボン(高密着カーボン層)とが混在した層を形成し
た。 (11)しかる後、有機溶剤系のカーボン(例えば、藤
倉化成社製のPC−403など)に浸漬し、引き上げて
180℃にて硬化させた。そして、上記タンタル焼結ペ
レットに植設されている陽極リード棒にリードフレーム
の陽極端子板を溶接するとともに、上記(11)におい
て形成されたカーボン層上に接着銀を介して同リードフ
レームの陰極端子板を取り付け、樹脂モールドにより樹
脂外装体を形成した。
【0022】このようにして、定格4V10μFのタン
タル固体電解コンデンサを100個作製し、温度85
℃、相対湿度85%の雰囲気下で定格電圧の4Vを印加
して2000時間におよぶ耐湿負荷テストを行なったと
ころ、不良品発生数は100個中、0個であった。ま
た、上記製品100個について、温度121℃、圧力2
026hPa(ヘクトパスカル)、相対湿度100%の
雰囲気下で96時間におよぶPCT(プレッシャー・ク
ッカー・テスト)を行なったところ、やはり不良品発生
数は100個中、0個であった。
【0023】〈比較例1〉 〔化成工程〕上記実施例1と同じ。 〔固体電解質形成工程〕(1)〜(9)までは上記実施
例1と同じ。 (10)平均粒子径が約2.0μmのカーボンブラック
3wt%、メチルセルロース(水溶性接着剤)を0.5
wt%、残部を水としたカーボンブラック懸濁水溶液内
に浸漬した後、180℃にて焼成して第1のカーボン層
を形成した。 (11)グラファイト10wt%、メチルセルロース1
wt%、残部を水としたカーボンブラック懸濁水溶液内
に浸漬した後、180℃にて焼成して第2のカーボン層
を形成した。そして、この第2のカーボン層上に銀層を
形成した後、上記タンタル焼結ペレットに植設されてい
る陽極リード棒にリードフレームの陽極端子板を溶接す
るとともに、上記銀層上に接着銀を介して同リードフレ
ームの陰極端子板を取り付け、樹脂モールドにより樹脂
外装体を形成した。
【0024】このようにして、定格4V10μFのタン
タル固体電解コンデンサを100個作製し、温度85
℃、相対湿度85%の雰囲気下で定格電圧の4Vを印加
して2000時間におよぶ耐湿負荷テストを行なったと
ころ、不良品発生数は100個中、3個であった。ま
た、上記製品100個について、温度121℃、圧力2
026hPa、相対湿度100%の雰囲気下で96時間
におよぶPCTを行なったところ、不良品発生数は10
0個中、3個であった。
【0025】《実施例2》 〔化成工程〕1mm立方体サイズのタンタル焼結ペレッ
トを0.01wt%のリン酸水溶液中に浸漬し、直流電
圧64Vを4時間印加して化成皮膜を形成した。 〔固体電解質形成工程〕 (1)10wt%の硝酸マンガン水溶液に浸漬した後、
240℃にて熱分解させ二酸化マンガンを形成した。 (2)上記(1)を繰り返し行なった。 (3)0.001wt%のリン酸水溶液中に浸漬し、直
流電圧30Vを10分時間印加して再化成を行なった。 (4)20wt%の硝酸マンガン水溶液に浸漬した後、
240℃にて熱分解させ二酸化マンガンを形成した。 (5)40wt%の硝酸マンガン水溶液に浸漬した後、
240℃にて熱分解させ二酸化マンガンを形成した。 (6)0.001wt%のリン酸水溶液中に浸漬し、直
流電圧28Vを10分間印加して再化成を行なった。 (7)70wt%の硝酸マンガン水溶液に浸漬した後、
240℃にて熱分解させ二酸化マンガンを形成した。 (8)上記(7)を繰り返し行なった。 (9)0.001wt%のリン酸水溶液中に浸漬し、直
流電圧26Vを10分間印加して再化成を行なった。 (10)二酸化マンガン形成工程の最終段階としての2
0wt%の硝酸マンガン水溶液に、平均粒子径が約0.
28μmのカーボンブラックを5wt%、また、PVA
(水溶性接着剤)を1wt%を混合したものに浸漬し、
引き上げて240℃にて熱分解させ二酸化マンガンとカ
ーボンとが混在した層を形成した。 (11)しかる後、有機溶剤系のカーボン(例えば、藤
倉化成社製のPC−403など)に浸漬し、引き上げて
180℃にて硬化させた。そして、上記タンタル焼結ペ
レットに植設されている陽極リード棒にリードフレーム
の陽極端子板を溶接するとともに、上記(11)におい
て形成されたカーボン層上に接着銀を介して同リードフ
レームの陰極端子板を取り付け、樹脂モールドにより樹
脂外装体を形成した。
【0026】このようにして、定格16V3.3μFの
タンタル固体電解コンデンサを100個作製し、温度8
5℃、相対湿度85%の雰囲気下で定格電圧の16Vを
印加して2000時間におよぶ耐湿負荷テストを行なっ
たところ、不良品発生数は100個中、0個であった。
また、上記製品100個について、温度121℃、圧力
2026hPa、相対湿度100%の雰囲気下で96時
間におよぶPCTを行なったところ、やはり不良品発生
数は100個中、0個であった。
【0027】〈比較例2〉 〔化成工程〕上記実施例2と同じ。 〔固体電解質形成工程〕(1)〜(9)までは上記実施
例2と同じ。 (10)上記比較例1と同じく、平均粒子径が約2.0
μmのカーボンブラック3wt%、メチルセルロース
(水溶性接着剤)を0.5wt%、残部を水としたカー
ボンブラック懸濁水溶液内に浸漬した後、180℃にて
焼成して第1のカーボン層を形成した。 (11)上記比較例1と同じく、グラファイト10wt
%、メチルセルロース1wt%、残部を水としたカーボ
ンブラック懸濁水溶液内に浸漬した後、180℃にて焼
成して第2のカーボン層を形成した。そして、この第2
のカーボン層上に銀層を形成した後、上記タンタル焼結
ペレットに植設されている陽極リード棒にリードフレー
ムの陽極端子板を溶接するとともに、上記銀層上に接着
銀を介して同リードフレームの陰極端子板を取り付け、
樹脂モールドにより樹脂外装体を形成した。
【0028】このようにして、定格16V3.3μFの
タンタル固体電解コンデンサを100個作製し、温度8
5℃、相対湿度85%の雰囲気下で定格電圧の16Vを
印加して2000時間におよぶ耐湿負荷テストを行なっ
たところ、不良品発生数は100個中、5個であった。
また、上記製品100個について、温度121℃、圧力
2026hPa、相対湿度100%の雰囲気下で96時
間におよぶPCTを行なったところ、不良品発生数は1
00個中、2個であった。
【0029】《実施例3》 〔化成工程〕1mm立方体サイズのタンタル焼結ペレッ
トを0.01wt%のリン酸水溶液中に浸漬し、直流電
圧140Vを4時間印加して化成皮膜を形成した。 〔固体電解質形成工程〕 (1)10wt%の硝酸マンガン水溶液に浸漬した後、
240℃にて熱分解させ二酸化マンガンを形成した。 (2)上記(1)を繰り返し行なった。 (3)0.001wt%のリン酸水溶液中に浸漬し、直
流電圧56Vを10分時間印加して再化成を行なった。 (4)20wt%の硝酸マンガン水溶液に浸漬した後、
240℃にて熱分解させ二酸化マンガンを形成した。 (5)40wt%の硝酸マンガン水溶液に浸漬した後、
240℃にて熱分解させ二酸化マンガンを形成した。 (6)0.001wt%のリン酸水溶液中に浸漬し、直
流電圧54Vを10分間印加して再化成を行なった。 (7)70wt%の硝酸マンガン水溶液に浸漬した後、
240℃にて熱分解させ二酸化マンガンを形成した。 (8)上記(7)を繰り返し行なった。 (9)0.001wt%のリン酸水溶液中に浸漬し、直
流電圧52Vを10分間印加して再化成を行なった。 (10)二酸化マンガン形成工程の最終段階としての2
0wt%の硝酸マンガン水溶液に、平均粒子径が約0.
28μmのカーボンブラックを5wt%、また、PVA
(水溶性接着剤)を1wt%を混合したものに浸漬し、
引き上げて240℃にて熱分解させ二酸化マンガンとカ
ーボンとが混在した層を形成した。 (11)しかる後、有機溶剤系のカーボン(例えば、藤
倉化成社製のPC−403など)に浸漬し、引き上げて
180℃にて硬化させた。そして、上記タンタル焼結ペ
レットに植設されている陽極リード棒にリードフレーム
の陽極端子板を溶接するとともに、上記(11)で形成
されたカーボン層上に接着銀を介して同リードフレーム
の陰極端子板を取り付け、樹脂モールドにより樹脂外装
体を形成した。
【0030】このようにして、定格35V1μFのタン
タル固体電解コンデンサを100個作製し、温度85
℃、相対湿度85%の雰囲気下で定格電圧の35Vを印
加して2000時間におよぶ耐湿負荷テストを行なった
ところ、不良品発生数は100個中、0個であった。ま
た、上記製品100個について、温度121℃、圧力2
026hPa、相対湿度100%の雰囲気下で96時間
におよぶPCTを行なったところ、やはり不良品発生数
は100個中、0個であった。
【0031】〈比較例3〉 〔化成工程〕上記実施例3と同じ。 〔固体電解質形成工程〕(1)〜(9)までは上記実施
例3と同じ。 (10)上記比較例1と同じく、平均粒子径が約2.0
μmのカーボンブラック3wt%、メチルセルロース
(水溶性接着剤)を0.5wt%、残部を水としたカー
ボンブラック懸濁水溶液内に浸漬した後、180℃にて
焼成して第1のカーボン層を形成した。 (11)上記比較例1と同じく、グラファイト10wt
%、メチルセルロース1wt%、残部を水としたカーボ
ンブラック懸濁水溶液内に浸漬した後、180℃にて焼
成して第2のカーボン層を形成した。そして、この第2
のカーボン層上に銀層を形成した後、上記タンタル焼結
ペレットに植設されている陽極リード棒にリードフレー
ムの陽極端子板を溶接するとともに、上記銀層上に接着
銀を介して同リードフレームの陰極端子板を取り付け、
樹脂モールドにより樹脂外装体を形成した。
【0032】このようにして、定格35V1μFのタン
タル固体電解コンデンサを100個作製し、温度85
℃、相対湿度85%の雰囲気下で定格電圧の35Vを印
加して2000時間におよぶ耐湿負荷テストを行なった
ところ、不良品発生数は100個中、6個であった。ま
た、上記製品100個について、温度121℃、圧力2
026hPa、相対湿度100%の雰囲気下で96時間
におよぶPCTを行なったところ、不良品発生数は10
0個中、2個であった。
【0033】このように、本発明によれば、陰極引き出
し層としての銀層がないことにより、高温高湿度下にお
いて銀のマイグレーション現象が発生せず、信頼性の高
いタンタル固体電解コンデンサが得られる。また、本発
明によれば、銀層およびカーボン層形成工程が省けるた
め、工程の簡素化も図れる。参考までに、上記実施例1
〜3および比較例1〜3のテスト結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような効果が奏される。すなわち、固体電解質形成
工程の少なくとも最終段階における硝酸マンガン水溶液
にカーボンブラックを混合し、最外側に形成される二酸
化マンガン層内にカーボンブラックによる高密着カーボ
ン層を混在させ、同高密着カーボン層に接着銀を介して
陰極端子板を取り付けるようにした請求項1に記載の発
明によれば、カーボン層形成工程に加えて銀層形成工程
も省略できるばかりでなく、高温高湿度下においても銀
のマイグレーション現象の発生がない、高信頼性のタン
タル固体電解コンデンサが提供される。
【0036】また、二酸化マンガン形成の最終段階での
硝酸マンガン水溶液に対するカーボンブラック含有量を
1〜10wt%とした請求項2に記載の発明によれば、
二酸化マンガン層とカーボン層との密着性がより強固と
なり、請求項1の効果がより高められる。
【0037】硝酸マンガン水溶液に混合されるカーボン
ブラックの粒子径を0.1〜0.5μmとした請求項3
に記載の発明によれば、同カーボンブラックが二酸化マ
ンガン層表面の微細な凹凸の内部にまで入り込むことが
できるため、より緊密な密着状態が得られる。
【0038】さらに、硝酸マンガン水溶液内にポリビニ
ルアルコールなどの水溶性接着剤を0.1〜2wt%混
合した請求項4に記載の発明によれば、乾燥後において
も二酸化マンガン層とカーボン層の密着性がより長期に
わたって維持され、耐熱特性の安定した長寿命のタンタ
ル固体電解コンデンサが提供される。
【0039】同様に、上記高密着カーボン層上に、さら
に有機溶剤系のカーボン層を形成するようにした請求項
5に記載の発明によれば、上記高密着カーボン層と陰極
端子板との電気的接続状態が長期にわたって保証され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造された一実施例としてのタン
タル固体電解コンデンサ素子の一部拡大断面図。
【図2】従来例としてのタンタル固体電解コンデンサ素
子の一部拡大断面図。
【符号の説明】
1 タンタル焼結ペレット 2 化成皮膜 3A 二酸化マンガン層 4A カーボン層 5 銀層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンタル焼結ペレットに化成皮膜を形成
    した後、硝酸マンガン水溶液への浸漬、熱分解を複数回
    繰り返して上記化成被膜上に固体電解質としての二酸化
    マンガン層を形成するにあたって、少なくとも最終段階
    における硝酸マンガン水溶液にカーボンブラックを混合
    し、最外側に形成される二酸化マンガン層内に上記カー
    ボンブラックによる高密着カーボン層を混在させ、同高
    密着カーボン層に接着銀を介して陰極端子板を取り付け
    ることを特徴とするタンタル固体電解コンデンサの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 上記最終段階での硝酸マンガン水溶液に
    対する上記カーボンブラック含有量は1〜10wt%で
    あることを特徴とする請求項1に記載のタンタル固体電
    解コンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記カーボンブラックはその粒子径が
    0.1〜0.5μmであることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のタンタル固体電解コンデンサの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上記最終段階での硝酸マンガン水溶液に
    対してポリビニルアルコール(PVA)などの水溶性接
    着剤が0.1〜2wt%の範囲内で混合されることを特
    徴とする請求項1または2に記載のタンタル固体電解コ
    ンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記高密着カーボン層上に、さらに有機
    溶剤系のカーボン層を形成することを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれか1項に記載のタンタル固体電解コ
    ンデンサの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006310776A (ja) * 2005-03-28 2006-11-09 Sanyo Electric Co Ltd 固体電解コンデンサおよび該固体電解コンデンサの製造方法
JP2011086949A (ja) * 2005-03-28 2011-04-28 Sanyo Electric Co Ltd 固体電解コンデンサ
KR20160140101A (ko) * 2015-05-29 2016-12-07 삼성전기주식회사 고체 전해커패시터, 그 제조방법 및 칩 전자부품

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