JPH08301904A - 多糖類を有効成分とする保湿剤およびそれを含有する化粧料 - Google Patents

多糖類を有効成分とする保湿剤およびそれを含有する化粧料

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JPH08301904A
JPH08301904A JP13104095A JP13104095A JPH08301904A JP H08301904 A JPH08301904 A JP H08301904A JP 13104095 A JP13104095 A JP 13104095A JP 13104095 A JP13104095 A JP 13104095A JP H08301904 A JPH08301904 A JP H08301904A
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polysaccharide
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glucose
acid
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JP13104095A
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Yoichi Oiso
洋一 大磯
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Tayca Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 構成糖が、D−グルクロン酸、L−ラムノー
ス、D−ガラクトースおよびD−グルコースの4種から
成り、その構成モル比が、D−グルクロン酸:L−ラム
ノース:D−ガラクトース:D−グルコース=0.8〜
1.2:2.4〜3.6:0.8〜1.2:0.8〜
1.2である多糖類を有効成分とする保湿剤。 【効果】 従来の保湿剤よりも安定で且つ優れた保湿能
に加え、チロシナーゼ阻害活性をも有する保湿剤が提供
される。該保湿剤は両性質を有することにより、特に化
粧料に配合した場合に有利である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多糖類を有効成分とす
る保湿剤、および、それを含有する化粧料に関する。詳
しくは、チロシナーゼ阻害作用を有する多糖類を有効成
分とする保湿剤およびそれを含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ヒアルロン酸やキトサン等は
保湿剤として一般に使われている。例えば、特開昭63
−156707号公報には、保湿剤として分子量が20
0万以上のヒアルロン酸を含有させた化粧料が提案され
ている。この保湿剤は、外界からの刺激や肌荒れを防ぐ
役割を有し、また、化粧料の使用感を向上させる機能を
有する、と記載されている。
【0003】特に、化粧品原料としての保湿剤は、相対
湿度40〜80%の通常の環境条件下において、保湿率
が10〜50%の範囲にあることが望ましいと言われて
いる。また、その保湿能は、相対湿度の変化による影響
を受けにくいという特性も要求される(フレグランス・
ジャーナル臨時増刊No.9「保湿剤の科学」1988
年、第34頁ほか)。
【0004】一方、コウジ酸やアルブチン等にはチロシ
ナーゼ阻害活性があることが知られており、美白剤とし
て化粧料に配合されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヒアル
ロン酸から成る保湿剤は、保湿能が湿度条件によって大
きく変化するため、安定した保湿能を得にくいという重
大な欠点がある。
【0006】また、グリセロールやピロリドンカルボン
酸ナトリウム等の保湿剤にも、上述のヒアルロン酸と同
様な欠点があり、しかも、低湿度条件下での保湿性が低
く、本来、保湿剤がその性能を発揮しなければならない
環境における性能が不十分である。また、ヒアルロン酸
と同様に、高湿度条件下での吸湿性が高すぎるため、べ
たつき感を与えたり、皮膚から逆に水分を奪ったりする
恐れがある。
【0007】キトサンから成る保湿剤については、最も
保湿能が要求される低湿度条件下での保湿性が低いとい
う重大な欠点がある。
【0008】なお、ヒアルロン酸等の従来の保湿剤には
チロシナーゼ阻害活性を有するものは知られていない。
逆に、コウジ酸やアルブチン等の従来の美白剤には保湿
能が認められていない。
【0009】本発明者らは、新規な保湿剤を提供するべ
く鋭意検討した結果、クレブシエラ属細菌が生産する特
定の多糖類が、安定した保湿性に加えチロシナーゼ阻害
活性を有し、特に化粧料に配合するのに適した多糖類で
あることを見い出し、本発明を完成した。すなわち、本
発明の目的は、優れた保湿能とチロシナーゼ阻害活性の
両方を有する多糖類を有効成分とする保湿剤、および、
該保湿剤を含有する化粧料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の要旨は、
構成糖が、D−グルクロン酸、L−ラムノース、D−ガ
ラクトースおよびD−グルコースの4種から成り、その
構成モル比が、D−グルクロン酸:L−ラムノース:D
−ガラクトース:D−グルコース=0.8〜1.2:
2.4〜3.6:0.8〜1.2:0.8〜1.2であ
る多糖類を有効成分とする保湿剤に存する。
【0011】本発明の第2の要旨は、上記保湿剤を含有
する化粧料に存する。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用される多糖類は、上記の構成糖から明らかなように
酸性ヘテロ多糖類である。この多糖類は、通常、下記
(1)〜(4)の物性を有する。
【0013】(1)性状:白色繊維状(凍結乾燥物)。
【0014】(2)溶解性:水、希酸、希アルカリに対
して可溶であり、メタノール、エタノール、アセトンに
対して不溶である。
【0015】(3)赤外吸収スペクトル:3400cm-1
付近、1620cm-1付近、1100cm-1、1250cm-1
および2950cm-1付近のそれぞれに吸収が認められ
る。
【0016】(4)呈色反応:フェノール硫酸法、カル
バゾール硫酸法およびm−フェニルフェノール法の何れ
も陽性である。
【0017】本発明で使用される多糖類は、好ましく
は、各構成糖残基の結合様式とその構成モル比が下記の
通りである。
【化2】
【0018】また、好ましくは、ゲルろ過クロマトグラ
フィーを用いて測定した多糖類の分子量が、約1×10
3〜10×106である。
【0019】本発明で使用される多糖類の分子量ならび
に構成糖の種類、構成比および結合様式は、通常のクロ
マトグラフィー分析、メチル化分析、スミス分解法、比
旋光度測定などにより特定が可能である。具体的には、
下記のような特定方法が例示される。
【0020】分子量の測定:例えば、旭化成社製「As
ahipak GFA−7MF」をカラムとし、0.1
M硝酸ナトリウム水溶液を移動相としたGPCモードの
高速液体クロマトグラフィーを使用し、分子量既知のプ
ルランを標準サンプルとして作成した分子量−保持時間
標準曲線を使用して、分子量を測定する。
【0021】構成糖およびその構成比:多糖類、およ
び、その多糖類中のウロン酸残基のカルボキシル基を還
元した多糖類に対し、2Mトリフルオロ酢酸(TFA)
を使用し、100℃で6時間酸加水分解を行い、次い
で、アルジトールアセテートに誘導する。得られた各誘
導体について、3%ECNSS−Mをコートした「Ga
schrom Q」(和光純薬社製)をカラムとするガ
スクロマトグラフィー分析を行う。多糖類と還元多糖類
について得られる分析結果から、多糖類の構成糖および
その構成比を決定する。
【0022】本発明で使用される多糖類は、例えば、多
糖類生産性クレブシエラ・オキシトカTNM3株(FE
RM BP−4669)又はその変異株を培養し、培養
物から多糖類を採取することによって得ることが出来
る。以下、この製造方法について説明する。
【0023】クレブシエラ・オキシトカTNM3株を使
用した製造方法で得られる多糖類は、酸性ヘテロ多糖で
あり、下記式で表される構造の主要繰り返し単位を有す
る。
【0024】
【化3】
【0025】使用されるクレブシエラ・オキシトカTN
M3株の菌学的性質を表1〜3に示す。
【0026】
【表1】 菌学的性質 諸 性 質 形態 桿菌、コロニーはややムコイド状 グラム染色 − ブドウ糖OF F型 運動性 − カタラーゼ + オキシターゼ − グルコースからのガス産生 + KCN培地での生育 + クエン酸塩の利用 + メチルレッド − VP +
【0027】
【表2】 炭水化物からの酸の生成 グルコース + アドニット + アラビノース + ズルシット + ラクトース + マルトース + マンニット + ラムノース + サリシン + ソルビット + スクロース + トレハロース + キシロース + グリセロール + イノシトール + ラフィノース +
【0028】
【表3】 ゼラチン加水分解 − マロン酸塩 + グルコン酸塩 + 硝酸塩還元 + 硝酸塩からのガス産生 − ウレアーゼ + リジン デカルボキシラーゼ + アルギニン ジヒドロラーゼ − オルニチン カルボキシラーゼ − PAA − ONPG + 硫化水素 + エスクリン加水分解 + インドール + 菌体外特定多糖生産能 + (上記の特定の繰り返し単位を有する多糖類の生成能)
【0029】上記に示す菌学的性質と、バージーズ・マ
ニュアル・オブ・システマチック・バクテリオロジー第
1巻(BERGEY’S MANUAL OF Sys
tematic Bacteriology Volu
me 1、1984年) 464頁に記載のデータとの対
比から、タイプカルチャーのクレブシエラ・オキシトカ
(Klebsiella oxytoca)について菌
体外特定多糖生成能に関する記載は認められないもの
の、他の性質は一致していることが判明し、また、クレ
ブシエラ・オキシトカ種において、特定多糖類を産生す
る菌株は知られていないことから、この菌株は、クレブ
シエラ・オキシトカの、特定多糖類生産能を有すること
を特徴とする新菌株であると考えられ、クレブシエラ・
オキシトカ(Klebsiella oxytoca)
TNM3株と命名されたものである。
【0030】上記の菌株は、通商産業省工業技術院生命
工学工業技術研究所において、受託番号「FERM B
P−4669」として、平成6年5月18日から国際寄
託され保管されている。
【0031】クレブシエラ・オキシトカTNM3株(F
ERM BP−4669)の変異株は、紫外線、X線等
の放射線、または、エチルメタンスルホン酸(EM
S)、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニ
ジン(MNNG)等の化学的突然変異誘発物質の様な公
知の突然変異誘発手段により発生させることが出来る。
上記多糖類の生産性の有無は菌株の培養液を分析するこ
とにより容易に判別できる。
【0032】上記の製造方法において、上記微生物を培
養するための培地としては、クレブシエラ(Klebs
iella) 属に属する微生物が生育でき、多糖類を生
産する、炭素源、窒素源、無機塩類及び微量栄養源を適
量含有するものであれば特に制限されない。そして、炭
素源としては、グルコース、ラクトース、マルトース、
キシロース、マンニット、スクロース、ラムノース、ア
ラビノース、トレハロース、ラフィノースなどが使用さ
れる。窒素源としては、硝酸塩、アンモニウム塩、尿素
などの合成化合物、ポリペプトン、コーンスティープリ
カー、酵母エキス、肉エキス、脱脂大豆抽出物、ペプチ
ド、アミノ酸などの天然有機物が使用される。無機塩類
としては、リン酸塩、カリウム塩、硫酸塩、マグネシウ
ム塩などが使用される。培地には、必要に応じ、鉄塩、
カルシウム塩、マンガン塩などを添加することが出来
る。また、微量栄養源としては、酵母エキス、各種ビタ
ミン類などが使用される。
【0033】培地の状態は、固体でも液体でも構わな
い。液体培地を使用する場合には、静置培養でもよい
が、振盪培養、通気撹拌培養の方がより高収量に多糖類
を得ることが出来る。培養時のpHは、微生物が生育で
きて多糖類を生産し得るpHであれば特に制限されない
が、通常は4〜8のpHが適切である。培養温度につい
ても、特に制限されないが、通常は20〜35℃が適切
である。培養時間は、多糖類の生産量が最大に達する期
間が選ばれるが、通常は1〜7日が適切である。
【0034】上記の培養方法で得られた培養物から、多
糖類を採取する方法としては、通常の多糖類に適用され
る従来公知の方法を採用することが出来る。例えば、先
ず、遠心分離や濾過などにより、培養物から菌体を除去
した後、得られた培養液にメタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、アセトン等の有機溶媒を加えて沈澱を
生じさせる。次いで、沈澱物を水に溶解させた後、水に
対して透析を行ない、通風乾燥、熱風乾燥、噴霧乾燥、
ドラム乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥などの方法により、透
析内液を乾燥して多糖類を回収する。
【0035】上記の採取方法の他に、限外濾過により、
上記の培養液から多糖類以外の成分を除去し、得られた
濃縮液を上述の乾燥工程に供する方法を採用してもよ
い。更に、必要に応じ、通常の多糖類の精製法に従って
精製することにより、高純度精製品を得ることも出来
る。精製法としては、イオン交換、ゲル濾過、アフィニ
ティー等の各種のカラムクロマトグラフィー、四級アン
モニウム塩による沈澱や塩析、有機溶媒による沈澱など
が採用される。
【0036】上記の製造方法で得られる多糖類の重合度
は、製造時の培地組成、採取法などの条件を調節するこ
とによって変化させることが出来る。また、TFA、ギ
酸、塩酸などを使用し且つ条件を調節することにより、
採取品や精製品を加水分解することが出来る。従って、
多糖類の分子量は、約1×103 〜10×106 の範囲
で自由に調節することが可能である。
【0037】本発明で使用される多糖類として特に好ま
しいものは、上記のクレブシエラ・オキシトカTNM3
を使用した製造方法で得られる多糖類である。
【0038】本発明で使用される多糖類は、保湿剤の代
表的なものであるヒアルロン酸ナトリウムに比べ、その
保湿能が湿度条件によって影響を受けにくいという優れ
た保湿性を有しており、しかも、チロシナーゼ阻害性を
も有している。
【0039】次に、本発明の化粧料について説明する。
本発明の化粧料は、保湿剤として上記の多糖類を配合す
ることによって得られる。上記多糖類の配合量は、化粧
料全体に対し、通常、0.0001〜20重量%、好ま
しくは0.001〜10重量%である。配合量が0.0
001重量%未満の場合には、その効果が十分発揮され
ず好ましくない。また、高分子量の多糖類を、20重量
%を超えて配合すると、得られる化粧料の使用感が悪く
なることがある。
【0040】本発明の化粧料は、例えば、水/油型また
は油/水型の乳化化粧料、クリーム、化粧乳液、化粧
水、油性化粧料、口紅、ファウンデーション、ヘアート
ニック、整髪剤、養毛剤、育毛剤など、皮膚・毛髪化粧
料として、種々の形態で用いることができる。
【0041】本発明の化粧料の調製にあたっては、油性
成分として、例えば、流動パラフィン、パラフィンワッ
クス、セレシン、スクワランなどの炭化水素類、蜜ロ
ウ、鯨ロウ、カルバナロウなどのワックス類、オリーブ
油、椿油、ホホバ油、ラノリンなどの天然動植物油脂、
シリコーン油、脂肪酸、高級アルコールおよびこれらを
反応させて得られるエステル油などが好適に使用でき
る。
【0042】また、界面活性剤としては、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油アルキル硫酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキ
ルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸
エステル、脂肪酸アルカリ金属塩、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、グリセロール脂肪酸エステルなどが好適に使用
できる。
【0043】さらに、化粧料の種類や目的に合わせて、
任意成分として、下記の成分を適宜配合することが好ま
しい。
【0044】粘度調整剤:ポリビニルアルコール、カル
ボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、
ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、
メチルセルロースなどの高分子化合物、ゼラチン、タラ
カントガムなどの天然ガム類、エタノール、イソプロパ
ノールなどのアルコール類。
【0045】保湿剤:プロピレングリコール、グリセロ
ール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、ソルビトール、乳酸、乳酸ナトリウム、ピロリ
ドンカルボン酸ナトリウムなど。
【0046】防腐剤:パラオキシ安息香酸エステル、安
息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸
カリウム、フェノキシエタノールなど。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0048】参考例1(多糖類の製造) 500ml容の坂口フラスコ4本のそれぞれに、表4に
示す組成の培地を100ml入れ、121℃で20分間
湿熱滅菌後、表5に示す組成の培地を用いて試験管で2
日間液体振盪培養していたクレブシエラ・オキシトカ
(Klebsiella oxytoca)TNM3株
(FERM BP−4669)を一白金耳分植菌し、振
盪数毎分110ストローク、28℃で1日間レシプロ振
盪培養を行った。
【0049】
【表4】 培地組成(重量%) グルコース 2.0 % ポリペプトン 0.1 % リン酸一水素カリウム 0.15 % 硫酸マグネシウム・7水和物 0.05 % ビタミンB1 0.0005 % ビオチン 0.000006% パントテン酸カルシウム 0.001 % ニコチンアミド 0.0005 % pH 6.5
【0050】
【表5】 培地組成(重量%) グルコース 4 % ポリペプトン 0.2 % リン酸一水素カリウム 0.15 % 硫酸マグネシウム・7水和物 0.05 % ビタミンB1 0.0005 % ビオチン 0.000006% パントテン酸カルシウム 0.001 % ニコチンアミド 0.0005 %
【0051】表5に示す組成の培地8リットルを入れて
前記と同様の滅菌を行った15リットル容のジャーファ
ーメンターに前記で得られた培養液400mlを接種
し、温度28℃、通気量5リットル/分の条件下で、5
M水酸化ナトリウム水溶液を用いて系中のpHを7に保
ちながら、95時間通気攪拌培養を行った。なお、回転
数は、培養24時間目までは200rpm、それ以降3
3時間目までは400rpm、それ以降95時間目まで
は700rpmとした。
【0052】得られた培養物のpHを10%硫酸で4.
5に調整し、121℃で60分間湿熱滅菌後、遠心分離
により菌体を除去した。得られた培養上清分について、
多糖類以外の成分(残留培地成分など)が除去される
迄、クロスフロー方式の限外濾過を繰り返した。限外濾
過には、東ソー社製、限外濾過システム「UF−LMS
II」(分画分子量:3×106 )を使用した。限外濾過
膜を透過しなかった濃縮液を凍結乾燥し、培地1リット
ル当たり約21gの単一な多糖類を得た。なお、多糖類
の単一性の確認は、GPCモードの高速液体クロマトグ
ラフィーを使用して行った。
【0053】旭化成社製「Asahipak GFA−
7MF」をカラムとし、0.1M硝酸ナトリウム水溶液
を移動相とした高速液体クロマトグラフィーを使用し、
上記の多糖類の分子量を測定した結果、多糖類のクロマ
トグラムのピークトップの保持時間は、分子量既知のプ
ルランを標準サンプルとして作成した分子量−保持時間
標準曲線において、分子量約1.5×106 に相当する
値を示した。
【0054】また、上記の多糖類、および、そのグルク
ロン酸残基のカルボキシル基を還元した多糖類につい
て、各構成糖まで加水分解を行い、アルジトールアセテ
ートに誘導した後、ガスクロマトグラフィー分析を行っ
た。予め作成した検量線と各構成糖のピーク面積とから
各構成糖のモル比を求めたところ、D−グルクロン酸:
L−ラムノース:D−ガラクトース:D−グルコース=
1:3:1:1であった。
【0055】参考例2(多糖類の製造) 参考例1と同様にして得られた培養物のpHを10%硫
酸で4.5に調整し、121℃で100分間湿熱滅菌
後、遠心分離により菌体を除去した。以下、参考例1と
同様な処理を行って、培地1リットル当たり約19gの
単一な多糖類を得た。但し、限外濾過には、東ソー社
製、限外濾過システム「UF−LMSII」(分画分子
量:1×105 )を使用した。得られた多糖類につい
て、参考例1と同様にして構成糖のモル比を求めた結
果、D−グルクロン酸:L−ラムノース:D−ガラクト
ース:D−グルコース=1:2.8:1:1であった。
また、分子量は2×105であった。
【0056】実施例1(低湿度環境下における保湿能の
測定) 参考例1および2で得られた多糖類を各々秤量管に入れ
て完全に真空乾燥した後、酢酸カリウムにより相対湿度
20%に調整したデシケーター中に入れ、3日間放置し
た。上記の操作は、20℃の一定温度下で行った。
【0057】保湿能の比較のため、保湿剤として市販さ
れている鶏冠由来のヒアルロン酸ナトリウム(キューピ
ー社製、分子量:約2×106)、微生物醗酵生産のヒ
アルロン酸ナトリウム(紀文フードケミファ社製、分子
量:約2×106)、キトサン(味の素社製)、グリセ
ロール(和光純薬工業社製)およびピロリドンカルボン
酸ナトリウム、ならびに、市販多糖類であるキサンタン
ガム(ケルコ社製)、カラギーナン(大日本製薬社製)
およびプルラン(林原社製)についても、上記と同様な
操作を行った。
【0058】保湿率は、定期的にサンプル重量を測定
し、下記の数式により算出した。結果を表6に示す。
【数1】保湿率(%)=(A−B)/B×100 (但し、Aは一定になった時のサンプル重量、Bは乾燥
サンプル重量を示す。)
【0059】
【表6】 物質 保湿率 参考例1で得られた多糖類 12.1% 参考例2で得られた多糖類 12.7% 鶏冠由来のヒアルロン酸ナトリウム 12.0% 微生物醗酵生産のヒアルロン酸ナトリウム 12.5% キトサン 10.3% グリセロール 6.9% ピロリドンカルボン酸ナトリウム 8.5% キサンタンガム 10.4% カラギーナン 9.3% プルラン 8.8% ────────────────────────────
【0060】上記の結果から明らかな通り、相対湿度2
0%という低湿度環境下において、本発明で使用される
多糖類の保湿率は、代表的な保湿剤であるヒアルロン酸
と比較しても同等以上であり、また、保湿剤として一般
に用いられているキトサン、グリセロールおよびピロリ
ドンカルボン酸ナトリウムならびに市販多糖類よりも高
い値を示す。したがって、本発明の保湿剤は低湿度環境
下で優れた特性を有することが分かる。
【0061】実施例2(高湿度環境下における保湿能の
測定) 参考例1および2で得られた多糖類を各々秤量管に入れ
て完全に真空乾燥した後、リン酸二水素アンモニウムに
より相対湿度92.9%に調整したデシケーター中に入
れ、3日間放置した。上記の操作は、30℃の一定温度
下で行った。
【0062】また、実施例1で用いた鶏冠由来のヒアル
ロン酸ナトリウム、微生物醗酵生産のヒアルロン酸ナト
リウム、グリセロールおよびピロリドンカルボン酸ナト
リウムについても、上記と同様な操作を行った。
【0063】結果を表7に示す。保湿率の算出方法は実
施例1と同様である。
【0064】
【表7】 物質 保湿率 参考例1で得られた多糖類 67.6% 参考例2で得られた多糖類 56.5% 鶏冠由来のヒアルロン酸ナトリウム 94.2% 微生物醗酵生産のヒアルロン酸ナトリウム 96.9% グリセロール 139.1% ピロリドンカルボン酸ナトリウム 218.3% ────────────────────────────
【0065】冷房の普及によりオフィスなどの室内環境
は夏季においても低温低湿になっており、冬季同様、保
湿性のある化粧料が必要とされるが、夏季の屋外環境は
高温多湿であるので、出社・帰宅時や昼食時などの外出
時には、吸湿性の高い保湿剤を用いるとべとつき感を与
えることになる。
【0066】しかしながら、上記の結果から明らかな通
り、本発明で使用される多糖類の、相対湿度92.9%
という高湿度環境下における保湿率すなわち吸湿性は、
従来の保湿剤よりも低い値を示しており、べとつき感を
与えたり、皮膚から水分を吸収してしまったりする恐れ
はない。本発明の保湿剤は、高湿度の環境にさらされる
ような場合にも優れた特性を示すことが分かる。
【0067】実施例3(相対湿度変化による保湿能への
影響の測定) 参考例1および2で得られた多糖類を各々秤量管に入れ
て完全に真空乾燥した後、塩化アンモニウムにより相対
湿度79%に調整したデシケーター中に入れ、3日間放
置した。次に、塩化カルシウム・六水和物により相対湿
度31%に調整したデシケーター中に移し、3日間放置
した。上記の操作は何れも25℃の一定温度下で行っ
た。
【0068】また、実施例1で用いた鶏冠由来のヒアル
ロン酸ナトリウムおよび微生物醗酵生産のヒアルロン酸
ナトリウムについても、上記と同様な操作を行った。
【0069】結果を表8に示す。保湿率の算出方法は実
施例1と同様である。
【0070】
【表8】 各相対湿度における保湿率 物質 79% 31% 差 参考例1で得られた多糖類 37% 25% 12% 参考例2で得られた多糖類 35% 25% 10% 鶏冠由来のヒアルロン酸ナトリウム 46% 27% 19% 微生物醗酵生産のヒアルロン酸ナトリウム 41% 26% 15% ────────────────────────────────────
【0071】上記の結果から明らかな通り、いずれの物
質も、相対湿度40〜80%の通常環境下において10
〜50%の保湿率という一般に要求される特性を有す
る。しかしながら、相対湿度の変化による影響、すなわ
ち、相対湿度が79%である場合と31%である場合と
の間の保湿率の差は、鶏冠由来のヒアルロン酸ナトリウ
ムでは19%、微生物醗酵生産のヒアルロン酸ナトリウ
ムでは15%であるのに対して、本発明で使用される多
糖類では何れも12%ないし10%と小さい。したがっ
て、本発明で使用される多糖類を成分とする保湿剤は、
相対湿度の変化によって影響を受け難い点において、各
種ヒアルロン酸ナトリウムよりも優れていることが分か
る。
【0072】実施例4(チロシナーゼ阻害能の評価) 2.4mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)に、
マッシュルーム由来チロシナーゼを0.05Mリン酸緩
衝液(pH6.5)中に2000U/mlの濃度で溶解
させた液0.1mlと、参考例1で得られた多糖類を
0.05Mリン酸緩衝液(pH6.5)中に300μg
/mlの濃度で溶解させた液0.1mlをそれぞれ加
え、さらに、L−チロシンを0.05Mリン酸緩衝液
(pH6.5)中に1.5mMの濃度で溶解させた液
0.4mlを加えて、反応を開始し、25℃で10分間
インキュベートした。そして、475nmの吸光度を紫
外可視分光光度計により測定した。さらに、上記の操作
を多糖類を加えずに行い、同様に吸光度を測定してブラ
ンク値とした。
【0073】また、参考例2で得られた多糖類について
も、同様の操作を行った。さらに、比較として、コウジ
酸(東京化成工業株式会社製)を用いて同様の操作を行
った。チロシナーゼ阻害率は、下記の式により算出し
た。結果を、コウジ酸が有する値を1.0とした場合の
相対値として表9に示す。
【0074】
【数2】チロシナーゼ阻害率(%)=(OD2−OD1)
/OD2×100 (但し、OD1は試料添加時の475nmにおける吸光
度、OD2は無添加時(ブランク)の475nmにおけ
る吸光度を示す。)
【0075】
【表9】 物質 チロシナーゼ阻害率 参考例1で得られた多糖類 0.2 参考例2で得られた多糖類 0.3 コウジ酸 1.0 ─────────────────────────────
【0076】上記の結果から明らかな通り、コウジ酸と
比較すると活性は弱いものの、本発明で使用される多糖
類にはチロシナーゼ阻害能が認められ、美白剤としての
使用も期待される。
【0077】実施例5(多糖類含有化粧水の調製) 下記の表10に示す処方により化粧水を調製した。すな
わち、(10)に(1)、(2)、(3)、(5)およ
び(6)を加温溶解し、室温に戻した後、(7)に
(4)、(8)および(9)を溶解したものを、ゆっく
り加えて可溶化し、濾過して化粧水を得た。なお、参考
例2で得られた多糖類についても、同様に化粧水を調製
した。
【0078】
【表10】 (1)参考例1で得られた多糖類 0.5重量% (2)1,3−ブチレングリコール 2.5重量% (3)グリセロール(86%) 0.5重量% (4)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.5重量% (5)乳酸 0.05重量% (6)乳酸ナトリウム 0.7重量% (7)エタノール 7.0重量% (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1重量% (9)香料 0.05重量% (10)精製水 88.1重量%
【0079】実施例6(多糖類含有乳液の調製) 下記の表11に示す処方により乳液を調製した。すなわ
ち、先ず(1)〜(8)および(12)を加熱溶解し、
70℃に保った(油相)。そして、(9)〜(11)を
(13)に加熱溶解し、これを上記の油相へ徐々に加え
て乳化し、徐冷して乳液を得た。なお、参考例2で得ら
れた多糖類についても、同様に乳液を調製した。
【0080】
【表11】 (1)流動パラフィン 4.0重量% (2)スクワラン 4.0重量% (3)セタノール 0.5重量% (4)ステアリン酸 1.5重量% (5)モノオレイン酸ソルビタン 1.0重量% (6)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.0重量% (7)モノステアリン酸グリセロール 0.5重量% (8)パラオキシ安息香酸エチル 0.2重量% (9)グリセロール 3.0重量% (10)1,3−ブチレングリコール 5.0重量% (11)参考例1で得られた多糖類 0.3重量% (12)香料 0.05重量% (13)精製水 78.95重量%
【0081】実施例7(多糖類含有クリームの調製) 下記の表12に示す処方によりクリームを調製した。す
なわち、先ず(1)〜(7)および(11)を加熱溶解
し、70℃に保った(油相)。そして、(8)〜(1
0)を(12)に加熱溶解し、これに上記の油相を撹拌
しながら徐々に加え、ホモミキサー処理した後、急冷し
てクリームを得た。なお、参考例2で得られた多糖類に
ついても、同様にクリームを調製した。
【0082】
【表12】 (1)ワセリン 8.0重量% (2)ラノリン 2.0重量% (3)スクワラン 20.0重量% (4)セタノール 5.0重量% (5)モノステアリン酸グリセロール 2.0重量% (6)ポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン(20E.O.) 2.0重量% (7)パラオキシ安息香酸エチル 0.2重量% (8)参考例1で得られた多糖類 0.5重量% (9)グリセロール(86%) 5.0重量% (10)1,3−ブチレングリコール 5.0重量% (11)香料 0.1重量% (12)精製水 50.2重量%
【0083】実施例8(多糖類含有パックの調製) 下記の表13に示す処方によりパックを調製した。すな
わち、(8)に(2)、(3)、(4)および(6)を
加えて撹拌溶解し、次に(1)を加えて加熱溶解した。
さらに、(7)を溶解させた(5)を加え、溶解してパ
ックを得た。なお、参考例2で得られた多糖類について
も、同様にパックを調製した。
【0084】
【表13】 (1)ポリビニルアルコール 18.0重量% (2)ポリエチレングリコール 2.0重量% (3)1,3−ブチレングリコール 5.0重量% (4)参考例1で得られた多糖類 0.5重量% (5)エタノール 8.0重量% (6)パラオキシ安息香酸エチル 0.1重量% (7)香料 0.05重量% (8)精製水 66.35重量%
【0085】実施例9(多糖類含有エッセンスの調製) 下記の表14に示す処方によりエッセンスを調製した。
すなわち、(1)〜(8)を(10)に加熱溶解し、次
いで、(9)を加えて可溶化しエッセンスを得た。な
お、参考例2で得られた多糖類についても、同様にエッ
センスを調製した。
【0086】
【表14】 (1)参考例1で得られた多糖類 1.5重量% (2)1,3−ブチレングリコール 20.0重量% (3)グリセロール(86%) 15.0重量% (4)ポリエチレングリコール 5.0重量% (5)ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル(20E.O.) 0.1重量% (6)クエン酸 0.05重量% (7)クエン酸ナトリウム 0.5重量% (8)パラオキシ安息香酸エチル 0.2重量% (9)香料 0.1重量% (10)精製水 58.05重量%
【0087】
【発明の効果】以上に説明した本発明によれば、従来の
保湿剤よりも安定で且つ優れた保湿能に加え、チロシナ
ーゼ阻害活性をも有する保湿剤が提供される。該保湿剤
は両性質を有することにより、特に化粧料に配合した場
合に有利である。本発明の保湿剤は、吸放湿性の衣類の
製造における処理剤、食品の保湿性改善のための添加
剤、調湿性の建設用副資材などとしても用いることがで
きる。また、本発明に使用される多糖類は、チロシナー
ゼ阻害能を有するので、例えば、食肉の褐変防止や養殖
魚の黒化防止などの化粧品分野以外にも利用可能であ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成糖が、D−グルクロン酸、L−ラム
    ノース、D−ガラクトースおよびD−グルコースの4種
    から成り、その構成モル比が、D−グルクロン酸:L−
    ラムノース:D−ガラクトース:D−グルコース=0.
    8〜1.2:2.4〜3.6:0.8〜1.2:0.8
    〜1.2である多糖類を有効成分とする保湿剤。
  2. 【請求項2】 多糖類の各構成糖残基の結合様式とその
    構成モル比が下記の通りである請求項1に記載の保湿
    剤。 【化1】 (但し、Rha、Gal、GlcおよびGlcUAは、
    それぞれ、ラムノース残基、ガラクトース残基、グルコ
    ース残基およびグルクロン酸残基を示し、数字はグリコ
    シド結合の位置を示す。)
  3. 【請求項3】 ゲルろ過クロマトグラフィーを用いて測
    定した多糖類の分子量が、約1×103〜10×106で
    ある請求項1または2に記載の保湿剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の保
    湿剤を含有する化粧料。
JP13104095A 1995-03-27 1995-05-01 多糖類を有効成分とする保湿剤およびそれを含有する化粧料 Withdrawn JPH08301904A (ja)

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US08/620,285 US5989874A (en) 1995-03-27 1996-03-22 Humectant, antistatic agent, dispersant and film-forming agent having polysaccharide as active principle, preparation process of polysaccharides, and Kliebsiella ocytoca TNM-3 strain
DE69616852T DE69616852D1 (de) 1995-03-27 1996-03-26 Feuchthaltemittel, antistatisches Mittel, Dispergiermittel und filmbildendes Mittel mit Polysaccharid als wirksames Prinzip; Verfahren zur Herstellung von Polysacchariden und Klebsiella Stamm
EP96104795A EP0735049B1 (en) 1995-03-27 1996-03-26 Humectant, antistatic agent, dispersant and film-forming agent having polysaccharide as active principle, preparation process of polysaccharides, and Klebsiella strain

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007016021A (ja) * 2005-06-06 2007-01-25 Meiji Milk Prod Co Ltd 口腔ケア用組成物
WO2009099120A1 (ja) 2008-02-06 2009-08-13 Toray Industries, Inc. 多糖類微粒子状ゲル含有水分散体及びその製造方法
JP2013249275A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Picaso Cosmetic Laboratory Ltd 美白剤
KR101462491B1 (ko) * 2012-06-11 2014-11-19 한국콜마주식회사 입술 보습용 화장료 조성물

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