JPH10237105A - 多糖類、その製造方法及びこれを配合した化粧品 - Google Patents
多糖類、その製造方法及びこれを配合した化粧品Info
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- JPH10237105A JPH10237105A JP9037368A JP3736897A JPH10237105A JP H10237105 A JPH10237105 A JP H10237105A JP 9037368 A JP9037368 A JP 9037368A JP 3736897 A JP3736897 A JP 3736897A JP H10237105 A JPH10237105 A JP H10237105A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 べたつき感の少ない、吸水、吸湿、保湿、増
粘、乳化安定の各性能を有する多糖類を得る。この多糖
類を成分とした吸水、吸湿、保湿、増粘、乳化安定剤及
びこれを配合した化粧品を得る。 【解決手段】 新規な多糖類は、D−グルコース、L−
フコース、D−ガラクトース、D−マンノース及びD−
グルクロン酸を構成糖とし、酢酸、ピルビン酸及びコハ
ク酸を構成有機酸とし、ゲル濾過クロマトグラフィーで
測定した平均分子量が1200万(プルラン等量)であ
る。この多糖類の構成糖のモル比は、D−グルコース:
L−フコース:D−ガラクトース:D−マンノース:D
−グルクロン酸=(22〜28):(49〜55):
(33〜39):1:(4〜5)であり、構成有機酸の
モル比は、酢酸:ピルビン酸:コハク酸=(20〜2
7):(11〜16):1であることが好ましい。
粘、乳化安定の各性能を有する多糖類を得る。この多糖
類を成分とした吸水、吸湿、保湿、増粘、乳化安定剤及
びこれを配合した化粧品を得る。 【解決手段】 新規な多糖類は、D−グルコース、L−
フコース、D−ガラクトース、D−マンノース及びD−
グルクロン酸を構成糖とし、酢酸、ピルビン酸及びコハ
ク酸を構成有機酸とし、ゲル濾過クロマトグラフィーで
測定した平均分子量が1200万(プルラン等量)であ
る。この多糖類の構成糖のモル比は、D−グルコース:
L−フコース:D−ガラクトース:D−マンノース:D
−グルクロン酸=(22〜28):(49〜55):
(33〜39):1:(4〜5)であり、構成有機酸の
モル比は、酢酸:ピルビン酸:コハク酸=(20〜2
7):(11〜16):1であることが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な多糖類及びそ
の製造方法に関する。更に詳しくは、多糖類生産菌株、
この多糖類を成分とした吸水、吸湿、保湿、増粘、乳化
安定剤及びこれを配合した化粧品に関するものである。
の製造方法に関する。更に詳しくは、多糖類生産菌株、
この多糖類を成分とした吸水、吸湿、保湿、増粘、乳化
安定剤及びこれを配合した化粧品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】消費者の自然派ブームに乗って、さまざ
まな動物や植物成分を配合した化粧品が売り出されるよ
うになった。その化粧品原料の重要な位置を占めている
のが保湿剤である。天然保湿剤にはアロエエキスなどの
ような植物由来の成分やコラーゲン加水分解物のような
動物由来の成分等が知られている。また以前より、ヒア
ルロン酸という多糖の一種が優れた保湿剤として高級化
粧品に配合されていたが、従来の鶏のトサカから抽出す
る方法以外に微生物の一種である乳酸菌を用いて生産す
る方法が確立され(特開昭64ー67196、特開平2ー103204、
特開平2ー103203、特開平2ー58502等)、化粧品原料とし
て多く利用されるようになってきた。微生物は植物や動
物に比較して増殖及び生産能力に優れ、また近年のバイ
オテクノロジーの進歩により、家畜と同様に人間により
管理できるようになった。例えば、ヒアルロン酸も微生
物による生産方法が発見されたことにより、化粧品原料
としての需要も増加した。
まな動物や植物成分を配合した化粧品が売り出されるよ
うになった。その化粧品原料の重要な位置を占めている
のが保湿剤である。天然保湿剤にはアロエエキスなどの
ような植物由来の成分やコラーゲン加水分解物のような
動物由来の成分等が知られている。また以前より、ヒア
ルロン酸という多糖の一種が優れた保湿剤として高級化
粧品に配合されていたが、従来の鶏のトサカから抽出す
る方法以外に微生物の一種である乳酸菌を用いて生産す
る方法が確立され(特開昭64ー67196、特開平2ー103204、
特開平2ー103203、特開平2ー58502等)、化粧品原料とし
て多く利用されるようになってきた。微生物は植物や動
物に比較して増殖及び生産能力に優れ、また近年のバイ
オテクノロジーの進歩により、家畜と同様に人間により
管理できるようになった。例えば、ヒアルロン酸も微生
物による生産方法が発見されたことにより、化粧品原料
としての需要も増加した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記植物や動
物に由来した保湿剤は色や臭いのために化粧品に多く配
合できず、そのような配合濃度では化粧品に十分な保湿
効果を付与することは期待できなかった。また従来の微
生物のつくる多くの天然成分はその存在もその効果も未
知であるものが多く、従って化粧品製造者が利用可能な
優れた保湿剤を得るための天然成分の選択幅が狭い問題
点があった。
物に由来した保湿剤は色や臭いのために化粧品に多く配
合できず、そのような配合濃度では化粧品に十分な保湿
効果を付与することは期待できなかった。また従来の微
生物のつくる多くの天然成分はその存在もその効果も未
知であるものが多く、従って化粧品製造者が利用可能な
優れた保湿剤を得るための天然成分の選択幅が狭い問題
点があった。
【0004】本発明の目的は、べたつき感の少ない多糖
類及びその製造方法を提供することにある。本発明の別
の目的は、べたつき感の少ない多糖類を成分とした吸
水、吸湿、保湿、増粘、乳化安定剤及びこれを配合した
化粧品を提供することにある。
類及びその製造方法を提供することにある。本発明の別
の目的は、べたつき感の少ない多糖類を成分とした吸
水、吸湿、保湿、増粘、乳化安定剤及びこれを配合した
化粧品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
D−グルコース、L−フコース、D−ガラクトース、D
−マンノース及びD−グルクロン酸を構成糖とし、酢
酸、ピルビン酸及びコハク酸を構成有機酸とし、ゲル濾
過クロマトグラフィーで測定した平均分子量が1200
万(プルラン等量)である多糖類である。この多糖類
は、吸水、吸湿、保湿、増粘、乳化安定効果を有し、べ
たつき感が少ない特徴がある。
D−グルコース、L−フコース、D−ガラクトース、D
−マンノース及びD−グルクロン酸を構成糖とし、酢
酸、ピルビン酸及びコハク酸を構成有機酸とし、ゲル濾
過クロマトグラフィーで測定した平均分子量が1200
万(プルラン等量)である多糖類である。この多糖類
は、吸水、吸湿、保湿、増粘、乳化安定効果を有し、べ
たつき感が少ない特徴がある。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、多糖類を構成する糖のモル比が、D−グル
コース:L−フコース:D−ガラクトース:D−マンノ
ース:D−グルクロン酸=(22〜28):(49〜5
5):(33〜39):1:(4〜5)であり、多糖類
を構成する有機酸のモル比が、酢酸:ピルビン酸:コハ
ク酸=(20〜27):(11〜16):1である多糖
類である。
明であって、多糖類を構成する糖のモル比が、D−グル
コース:L−フコース:D−ガラクトース:D−マンノ
ース:D−グルクロン酸=(22〜28):(49〜5
5):(33〜39):1:(4〜5)であり、多糖類
を構成する有機酸のモル比が、酢酸:ピルビン酸:コハ
ク酸=(20〜27):(11〜16):1である多糖
類である。
【0007】請求項3に係る発明は、エンテロバクター
属に属しかつ請求項1又は2記載のの多糖類を菌体外に
生産する微生物を培養し、その培養液から上記多糖類を
採取することを特徴とする多糖類の製造方法である。こ
の微生物は、発明者らが自然界より広範囲にわたって微
生物の分離を試みた結果得られたもので、請求項1又は
2記載の多糖類を生産し得る。
属に属しかつ請求項1又は2記載のの多糖類を菌体外に
生産する微生物を培養し、その培養液から上記多糖類を
採取することを特徴とする多糖類の製造方法である。こ
の微生物は、発明者らが自然界より広範囲にわたって微
生物の分離を試みた結果得られたもので、請求項1又は
2記載の多糖類を生産し得る。
【0008】請求項4に係る発明は、請求項3に係る多
糖類の製造方法であって、塩化ナトリウムを1〜2%含
有する培地で微生物を培養することを特徴とする多糖類
の製造方法である。これは培地の塩濃度を通常の約0.
5%より高く設定することにより、塩濃度が微生物の生
育環境を悪化させ、微生物は塩による浸透圧から自らを
保護するために、細胞の外に多糖類を多く生産すること
による。
糖類の製造方法であって、塩化ナトリウムを1〜2%含
有する培地で微生物を培養することを特徴とする多糖類
の製造方法である。これは培地の塩濃度を通常の約0.
5%より高く設定することにより、塩濃度が微生物の生
育環境を悪化させ、微生物は塩による浸透圧から自らを
保護するために、細胞の外に多糖類を多く生産すること
による。
【0009】請求項5に係る発明は、請求項3又は4に
係る発明であって、新規な多糖類を生産する微生物の属
種がエンテロバクター・クロアシエである多糖類の製造
方法である。請求項6に係る発明は、請求項5に係る発
明であって、その微生物の株名がエンテロバクター・ク
ロアシエ ECP126株又はその変異株である多糖類
の製造方法である。
係る発明であって、新規な多糖類を生産する微生物の属
種がエンテロバクター・クロアシエである多糖類の製造
方法である。請求項6に係る発明は、請求項5に係る発
明であって、その微生物の株名がエンテロバクター・ク
ロアシエ ECP126株又はその変異株である多糖類
の製造方法である。
【0010】請求項7に係る発明は、エンテロバクター
・クロアシエ ECP126株又はその変異株である。
請求項8に係る発明は、請求項2記載の多糖類を成分と
する吸水剤である。請求項9に係る発明は、請求項2記
載の多糖類を成分とする吸湿剤である。請求項10に係
る発明は、請求項2記載の多糖類を成分とする保湿剤で
ある。請求項11に係る発明は、請求項2記載の多糖類
を成分とする増粘剤である。請求項12に係る発明は、
請求項2記載の多糖類を成分とする乳化安定剤である。
請求項13に係る発明は、請求項8記載の吸水剤、請求
項9記載の吸湿剤、請求項10記載の保湿剤、請求項1
1記載の増粘剤又は請求項12記載の乳化安定剤を配合
した化粧品である。
・クロアシエ ECP126株又はその変異株である。
請求項8に係る発明は、請求項2記載の多糖類を成分と
する吸水剤である。請求項9に係る発明は、請求項2記
載の多糖類を成分とする吸湿剤である。請求項10に係
る発明は、請求項2記載の多糖類を成分とする保湿剤で
ある。請求項11に係る発明は、請求項2記載の多糖類
を成分とする増粘剤である。請求項12に係る発明は、
請求項2記載の多糖類を成分とする乳化安定剤である。
請求項13に係る発明は、請求項8記載の吸水剤、請求
項9記載の吸湿剤、請求項10記載の保湿剤、請求項1
1記載の増粘剤又は請求項12記載の乳化安定剤を配合
した化粧品である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の多糖類は、構成糖のモル
比が、D−グルコース:L−フコース:D−ガラクトー
ス:D−マンノース:D−グルクロン酸=(22〜2
8):(49〜55):(33〜39):1:(4〜
5)であり、構成有機酸のモル比が、酢酸:ピルビン
酸:コハク酸=(20〜27):(11〜16):1
で、ゲル濾過クロマトグラフィーで測定した平均分子量
が1200万(プルラン等量)であることが好ましい。
構成糖の定性には薄層クロマトグラフィー又は高速液体
クロマトグラフィーを用いることができる。この構成糖
の定性分析は、多糖類を2Nの硫酸で105℃、2時間
撹拌するか、又は72%の硫酸で室温、1時間撹拌した
後、4%の硫酸で、121℃、1時間酸分解し、これを
中和、脱塩、濾過したものを検体とし、中性糖、ウロン
酸及びアミノ糖を標品として行う。また構成糖の定量分
析には高速液体クロマトグラフィーを用いることができ
る。具体的には定性の場合と同様に酸分解を行い、標品
との比較によって行う。構成有機酸の定性定量には高速
液体クロマトグラフィー又は酵素法を用いることができ
る。具体的には、多糖類を1Nの塩酸で3時間酸加水分
解したのものを検体とし、各種標品との比較によって行
う。
比が、D−グルコース:L−フコース:D−ガラクトー
ス:D−マンノース:D−グルクロン酸=(22〜2
8):(49〜55):(33〜39):1:(4〜
5)であり、構成有機酸のモル比が、酢酸:ピルビン
酸:コハク酸=(20〜27):(11〜16):1
で、ゲル濾過クロマトグラフィーで測定した平均分子量
が1200万(プルラン等量)であることが好ましい。
構成糖の定性には薄層クロマトグラフィー又は高速液体
クロマトグラフィーを用いることができる。この構成糖
の定性分析は、多糖類を2Nの硫酸で105℃、2時間
撹拌するか、又は72%の硫酸で室温、1時間撹拌した
後、4%の硫酸で、121℃、1時間酸分解し、これを
中和、脱塩、濾過したものを検体とし、中性糖、ウロン
酸及びアミノ糖を標品として行う。また構成糖の定量分
析には高速液体クロマトグラフィーを用いることができ
る。具体的には定性の場合と同様に酸分解を行い、標品
との比較によって行う。構成有機酸の定性定量には高速
液体クロマトグラフィー又は酵素法を用いることができ
る。具体的には、多糖類を1Nの塩酸で3時間酸加水分
解したのものを検体とし、各種標品との比較によって行
う。
【0012】本発明の分子量の測定は、ゲル濾過クロマ
トグラフィー法を用いることができる。具体的には昭和
電工製『Ionpac KS-806』をカラムとする高速液体クロ
マトグラフィー(日本分光社製)を使用し、0.5Mト
リス−酢酸(pH7.5)溶液を移動層とし、分子量既
知のプルラン(Shodex STANDARD P-82 昭和電工製)を
標準サンプルとして作成した分子量−保持時間標準曲線
を使用して測定することができる。
トグラフィー法を用いることができる。具体的には昭和
電工製『Ionpac KS-806』をカラムとする高速液体クロ
マトグラフィー(日本分光社製)を使用し、0.5Mト
リス−酢酸(pH7.5)溶液を移動層とし、分子量既
知のプルラン(Shodex STANDARD P-82 昭和電工製)を
標準サンプルとして作成した分子量−保持時間標準曲線
を使用して測定することができる。
【0013】本発明の多糖類は次のような物性を有して
いる。 (1)性状:白色粉末 (2)溶解性:水、希酸、希アルカリ、DMSO(ジメ
チルスルホキシド)に対して可溶、メタノールやエタノ
ール等のアルコール、アセトン、酢酸エチル等には不溶
性である。
いる。 (1)性状:白色粉末 (2)溶解性:水、希酸、希アルカリ、DMSO(ジメ
チルスルホキシド)に対して可溶、メタノールやエタノ
ール等のアルコール、アセトン、酢酸エチル等には不溶
性である。
【0014】(3)紫外線吸収スペクトル:タンパク質
に特有な280nm及び核酸に特有な260nmに吸収
は認められない。
に特有な280nm及び核酸に特有な260nmに吸収
は認められない。
【0015】(4)赤外線吸収スペクトル:図1に示す
ように、3400cmー1付近に炭水化物由来の水酸基の
吸収が、また2950cmー1付近には炭水化物由来のC
H、CH2の吸収が、更に1730cmー1及び1620
cmー1付近にウロン酸特有の吸収がそれぞれ認められ
る。
ように、3400cmー1付近に炭水化物由来の水酸基の
吸収が、また2950cmー1付近には炭水化物由来のC
H、CH2の吸収が、更に1730cmー1及び1620
cmー1付近にウロン酸特有の吸収がそれぞれ認められ
る。
【0016】(5)呈色反応 フェノール硫酸法 : 陽性 m−フェニルフェノール法: 微陽性 エルソン−モルガン法: 陰性 フェノール硫酸法が陽性であることから糖の存在が、ま
たm−フェニルフェノール法が微陽性であることから僅
かにウロン酸の存在がそれぞれ認められる。またエルソ
ン−モルガン法が陰性であることからヘキソサミンが含
まれていないと判断できる。これはアミノ糖が含まれて
いないことを意味している。また塩の存在下において第
4級アンモニウム塩により沈殿を生じることからも、本
発明の多糖類はウロン酸を含む酸性多糖であると認めら
れる。
たm−フェニルフェノール法が微陽性であることから僅
かにウロン酸の存在がそれぞれ認められる。またエルソ
ン−モルガン法が陰性であることからヘキソサミンが含
まれていないと判断できる。これはアミノ糖が含まれて
いないことを意味している。また塩の存在下において第
4級アンモニウム塩により沈殿を生じることからも、本
発明の多糖類はウロン酸を含む酸性多糖であると認めら
れる。
【0017】(6)構成糖:本発明の多糖類を72%の
硫酸中で撹拌し抽出した後、4%の硫酸で121℃、1
時間酸加水分解し、中和、脱塩、濾過したものを試料と
して高速液体クロマトグラフ法により構成糖の定性分析
を行った。その結果、D−グルコース、L−フコース、
D−ガラクトース、D−マンノース及びD−グルクロン
酸によって得られる化合物と同一の化合物が検出され
た。また上記と同じ条件下で酸加水分解を行い、高速液
体クロマトグラフ法により構成糖の定量分析を行った。
これらの結果より、本発明の多糖類はD−グルコース、
L−フコース、D−ガラクトース、D−マンノース及び
D−グルクロン酸よりなり、その構成モル比は、D−グ
ルコース:L−フコース:D−ガラクトース:D−マン
ノース:D−グルクロン酸=(22〜28):(49〜
55):(33〜39):1:(4〜5)であることが
認められた。
硫酸中で撹拌し抽出した後、4%の硫酸で121℃、1
時間酸加水分解し、中和、脱塩、濾過したものを試料と
して高速液体クロマトグラフ法により構成糖の定性分析
を行った。その結果、D−グルコース、L−フコース、
D−ガラクトース、D−マンノース及びD−グルクロン
酸によって得られる化合物と同一の化合物が検出され
た。また上記と同じ条件下で酸加水分解を行い、高速液
体クロマトグラフ法により構成糖の定量分析を行った。
これらの結果より、本発明の多糖類はD−グルコース、
L−フコース、D−ガラクトース、D−マンノース及び
D−グルクロン酸よりなり、その構成モル比は、D−グ
ルコース:L−フコース:D−ガラクトース:D−マン
ノース:D−グルクロン酸=(22〜28):(49〜
55):(33〜39):1:(4〜5)であることが
認められた。
【0018】(7)構成有機酸:本発明の多糖類を1N
の塩酸で3時間加熱し、酸加水分解したものを試料とし
てクエン酸、コハク酸、酢酸を高速液体クロマトグラフ
法で、ピルビン酸を酵素法で定性定量分析を行った。そ
の結果、酢酸:ピルビン酸:コハク酸の3種類の有機酸
が検出され、その構成モル比は、酢酸:ピルビン酸:コ
ハク酸=(20〜27):(11〜16):1であるこ
とが認められた。
の塩酸で3時間加熱し、酸加水分解したものを試料とし
てクエン酸、コハク酸、酢酸を高速液体クロマトグラフ
法で、ピルビン酸を酵素法で定性定量分析を行った。そ
の結果、酢酸:ピルビン酸:コハク酸の3種類の有機酸
が検出され、その構成モル比は、酢酸:ピルビン酸:コ
ハク酸=(20〜27):(11〜16):1であるこ
とが認められた。
【0019】(8)分子量:昭和電工製『Ionpac KS-80
6』をカラムとする高速液体クロマトグラフィー(日本
分光社製)を使用し、0.5Mトリス−酢酸(pH7.
5)溶液を移動層とし、分子量既知のプルランを標準サ
ンプルとして作成した分子量−保持時間標準曲線を使用
して測定した結果、平均分子量は1200万(プルラン
等量)と非常に高分子量の多糖類であることが認められ
た。
6』をカラムとする高速液体クロマトグラフィー(日本
分光社製)を使用し、0.5Mトリス−酢酸(pH7.
5)溶液を移動層とし、分子量既知のプルランを標準サ
ンプルとして作成した分子量−保持時間標準曲線を使用
して測定した結果、平均分子量は1200万(プルラン
等量)と非常に高分子量の多糖類であることが認められ
た。
【0020】本発明の多糖類の製造方法について説明す
る。本発明の製造方法はエンテロバクター属に属し、平
均分子量が1200万(プルラン等量)であるD−グル
コース、L−フコース、D−ガラクトース、D−マンノ
ース及びD−グルクロン酸、並びに酢酸、ピルビン酸、
コハク酸からなる多糖類を生産する微生物を用いて培養
を行い、その培養物から平均分子量が1200万(プル
ラン等量)であるD−グルコース、L−フコース、D−
ガラクトース、D−マンノース及びD−グルクロン酸、
並びに酢酸、ピルビン酸及びコハク酸からなる多糖類を
抽出することを特徴としている。本発明の製造方法にお
ける好ましい微生物として、エンテロバクター・クロア
シエが使用され、更に好ましくはエンテロバクター・ク
ロアシエECP126株が使用される。
る。本発明の製造方法はエンテロバクター属に属し、平
均分子量が1200万(プルラン等量)であるD−グル
コース、L−フコース、D−ガラクトース、D−マンノ
ース及びD−グルクロン酸、並びに酢酸、ピルビン酸、
コハク酸からなる多糖類を生産する微生物を用いて培養
を行い、その培養物から平均分子量が1200万(プル
ラン等量)であるD−グルコース、L−フコース、D−
ガラクトース、D−マンノース及びD−グルクロン酸、
並びに酢酸、ピルビン酸及びコハク酸からなる多糖類を
抽出することを特徴としている。本発明の製造方法にお
ける好ましい微生物として、エンテロバクター・クロア
シエが使用され、更に好ましくはエンテロバクター・ク
ロアシエECP126株が使用される。
【0021】エンテロバクター・クロアシエECP12
6株は本発明の多糖類を生産する能力があり、茨城県つ
くば市の土壌より、本発明者らによって純粋分離された
ものである。次にこの菌株菌学的性質について述べる。
6株は本発明の多糖類を生産する能力があり、茨城県つ
くば市の土壌より、本発明者らによって純粋分離された
ものである。次にこの菌株菌学的性質について述べる。
【0022】 A.形態的性質 1)細胞の形、大きさ 0.60〜1.0μm×1.2〜3.0μmの桿菌 2)運動性 有り 3)胞子 形成されない 4)グラム染色 陰性 B.生理的性質 1)硝酸塩の還元 + 2)脱窒反応 + 3)MRテスト − 4)VPテスト + 5)インドールの生成 − 6)硫化水素の生成 − 7)デンプンの加水分解 − 8)クエン酸の利用 + 9)蛍光色素の生成 − 10)オキシダーゼ − 11)カタラーゼ + 12)ウレアーゼ − 13)Glucoseからのガス生成 + 14)3%NaClでの生育 + 15)42℃での生育 + 16)フェニルアラニンデアミナーゼ − 17)OFテスト F 18)リジンデカルボキシラーゼ − 19)ゼラチンの液化 − 20)Tween 80の加水分解 − 21)エクスリンの加水分解 + 22)アルギニンデハイドラーゼ + 23)オルニチンデカルボキシラーゼ + 24)糖類からの酸の生成 L−アラビノース + D−アラビノース − D−キシロース + フルクトース + マンノース + D−マンニトール + グルコース + D−ソルビトール + ラクトース + イヌリン − マルトース + デキストリン + シュークロース + ガラクトース + ラフィノース + 以上の菌学的性質から『バージーズ・マニュアル・オブ
・システマティック・バクテリオロジー第1版(BERGEY,
S MANUAL of Systematic Bacteriology Volume1)』よ
り、エンテロバクター・クロアシエと菌学的性質が一致
し、この菌株はエンテロバクター・クロアシエに属する
と見なされた。従って本菌株をエンテロバクター・クロ
アシエ ECP126株と命名し、通産省工業技術院生
命工学工業技術研究所に寄託した。この研究所におい
て、受託番号「FERM P−16035」で受託され
ている。なおこの変異株は紫外線、X線などの放射線又
はN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアジニン
やエチルメタンスルホン酸等の化学的突然変異誘発物質
による誘発方法により、発生させることができる。
・システマティック・バクテリオロジー第1版(BERGEY,
S MANUAL of Systematic Bacteriology Volume1)』よ
り、エンテロバクター・クロアシエと菌学的性質が一致
し、この菌株はエンテロバクター・クロアシエに属する
と見なされた。従って本菌株をエンテロバクター・クロ
アシエ ECP126株と命名し、通産省工業技術院生
命工学工業技術研究所に寄託した。この研究所におい
て、受託番号「FERM P−16035」で受託され
ている。なおこの変異株は紫外線、X線などの放射線又
はN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアジニン
やエチルメタンスルホン酸等の化学的突然変異誘発物質
による誘発方法により、発生させることができる。
【0023】本発明の製造方法において、前記微生物を
培養するための培地としては、エンテロバクター属に属
する微生物が生育でき、本発明の多糖類を生産する炭素
源、窒素源、無機塩類及び微量元素を適量含有するもの
であれば特に制限されない。炭素源としては、グルコー
ス、フラクトース、ガラクトース、シュークロース等の
糖やマンニトールなどの糖アルコール或は糖蜜や廃糖蜜
が利用される。またグリセロールやグルコン酸、コハク
酸、クエン酸などの有機酸を補助炭素源として用いても
生産効果が向上する。窒素源としては硝酸塩、アンモニ
ウム塩等の化合物やペプトンやトリプトン、酵母エキ
ス、コーンスティープリカー、アミノ酸などの天然物が
利用される。無機塩類としては、例えばリン酸塩、マグ
ネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、硫酸塩等が挙
げられ、無機塩培地はこれらを組み合わせて用いる。特
に、塩化ナトリウム濃度を1〜2%とすることにより、
多糖類の生産は著しく向上する。固体培地の場合は寒天
を用いる。
培養するための培地としては、エンテロバクター属に属
する微生物が生育でき、本発明の多糖類を生産する炭素
源、窒素源、無機塩類及び微量元素を適量含有するもの
であれば特に制限されない。炭素源としては、グルコー
ス、フラクトース、ガラクトース、シュークロース等の
糖やマンニトールなどの糖アルコール或は糖蜜や廃糖蜜
が利用される。またグリセロールやグルコン酸、コハク
酸、クエン酸などの有機酸を補助炭素源として用いても
生産効果が向上する。窒素源としては硝酸塩、アンモニ
ウム塩等の化合物やペプトンやトリプトン、酵母エキ
ス、コーンスティープリカー、アミノ酸などの天然物が
利用される。無機塩類としては、例えばリン酸塩、マグ
ネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、硫酸塩等が挙
げられ、無機塩培地はこれらを組み合わせて用いる。特
に、塩化ナトリウム濃度を1〜2%とすることにより、
多糖類の生産は著しく向上する。固体培地の場合は寒天
を用いる。
【0024】本発明の多糖類を多く生産させるために
は、通気を良好にする必要があり、従って振とう培養或
は通気撹拌培養が好ましい。培養時のpHは微生物が生
育し、かつ多糖類を生産する範囲であれば制限されない
が、中性から弱酸性の方が生産性は向上するため、通常
は5から8の範囲のpHが好ましい。培養温度について
は微生物が生育し、かつ多糖類を生産する範囲であれば
制限されないが、25℃から30℃の範囲が多糖類の生
産には良好である。培養期間は培養のpHや温度により
変化するが、通常2日から7日が適切である。
は、通気を良好にする必要があり、従って振とう培養或
は通気撹拌培養が好ましい。培養時のpHは微生物が生
育し、かつ多糖類を生産する範囲であれば制限されない
が、中性から弱酸性の方が生産性は向上するため、通常
は5から8の範囲のpHが好ましい。培養温度について
は微生物が生育し、かつ多糖類を生産する範囲であれば
制限されないが、25℃から30℃の範囲が多糖類の生
産には良好である。培養期間は培養のpHや温度により
変化するが、通常2日から7日が適切である。
【0025】上記製造方法で得られた培養液から本発明
の多糖類を抽出する方法としては、従来より公知の方法
を用いることができる。例えば、培養液をそのまま、或
は高温で殺菌した後で、遠心分離により菌体を除去し、
これをそのまま、或は濃縮してから、2〜3倍量のエタ
ノール、イソプロパノール、或はアセトン等を加え、沈
殿を生じさせる。この沈殿物を再度、水或は1〜15%
塩化ナトリウム溶液に溶解させた後で、アルコール等に
よる沈殿を何度も繰り返すか、水で透析を行い、噴霧乾
燥機や凍結乾燥機等を用いて乾燥させることにより、本
発明の多糖類を得る。これ以外にも限外濾過法も利用す
ることができる。更に精製するためには、イオン交換、
ゲル濾過等の各種クロマトグラフィーや4級アンモニウ
ム塩による沈殿や塩析などを用いることができる。
の多糖類を抽出する方法としては、従来より公知の方法
を用いることができる。例えば、培養液をそのまま、或
は高温で殺菌した後で、遠心分離により菌体を除去し、
これをそのまま、或は濃縮してから、2〜3倍量のエタ
ノール、イソプロパノール、或はアセトン等を加え、沈
殿を生じさせる。この沈殿物を再度、水或は1〜15%
塩化ナトリウム溶液に溶解させた後で、アルコール等に
よる沈殿を何度も繰り返すか、水で透析を行い、噴霧乾
燥機や凍結乾燥機等を用いて乾燥させることにより、本
発明の多糖類を得る。これ以外にも限外濾過法も利用す
ることができる。更に精製するためには、イオン交換、
ゲル濾過等の各種クロマトグラフィーや4級アンモニウ
ム塩による沈殿や塩析などを用いることができる。
【0026】本発明の多糖類は、吸水、吸湿、保湿、増
粘、乳化安定などの性能を有しており、化粧品をはじ
め、さまざまな産業分野で利用可能である。特に平均分
子量は約1200万(プルラン等量)と大きく、このこ
とがべたつかない、さっぱりとした触感を呈するものと
考えられる。
粘、乳化安定などの性能を有しており、化粧品をはじ
め、さまざまな産業分野で利用可能である。特に平均分
子量は約1200万(プルラン等量)と大きく、このこ
とがべたつかない、さっぱりとした触感を呈するものと
考えられる。
【0027】本発明の化粧品は、液体、ゲル状、クリー
ム状などいろいろな形態を有する。この化粧品には本発
明の多糖類が吸水、吸湿、保湿、増粘、乳化安定などの
目的で用いられていることが必要である。例示すれば、
石鹸、洗顔料、ボディーソープ、クレンジング、化粧
水、乳液、ボディーローション、クリーム、ハンドクリ
ーム、美容液、化粧液、パック等の皮膚用化粧品、ファ
ンデーション、口紅等のその他の化粧品、シャンプー、
リンス、トリートメント、ヘアクリーム、ヘアーローシ
ョン等の毛髪用化粧品等が挙げられる。ただし、アルコ
ール濃度が50%より高い場合は多糖類が沈殿するた
め、その濃度以下で用いることが必要である。 本発明
の化粧品には、本発明の多糖類以外にも、通常の化粧品
で用いられている化粧基材を多糖類の機能を損なわない
範囲で配合することが可能である。このような化粧基材
としては油剤、ゲル剤、界面活性剤、低級アルコール、
多価アルコール、香料、色素、顔料、酸化防止剤、紫外
線散乱剤、保湿剤、天然エキス、精製水、美容成分等が
あげられる。
ム状などいろいろな形態を有する。この化粧品には本発
明の多糖類が吸水、吸湿、保湿、増粘、乳化安定などの
目的で用いられていることが必要である。例示すれば、
石鹸、洗顔料、ボディーソープ、クレンジング、化粧
水、乳液、ボディーローション、クリーム、ハンドクリ
ーム、美容液、化粧液、パック等の皮膚用化粧品、ファ
ンデーション、口紅等のその他の化粧品、シャンプー、
リンス、トリートメント、ヘアクリーム、ヘアーローシ
ョン等の毛髪用化粧品等が挙げられる。ただし、アルコ
ール濃度が50%より高い場合は多糖類が沈殿するた
め、その濃度以下で用いることが必要である。 本発明
の化粧品には、本発明の多糖類以外にも、通常の化粧品
で用いられている化粧基材を多糖類の機能を損なわない
範囲で配合することが可能である。このような化粧基材
としては油剤、ゲル剤、界面活性剤、低級アルコール、
多価アルコール、香料、色素、顔料、酸化防止剤、紫外
線散乱剤、保湿剤、天然エキス、精製水、美容成分等が
あげられる。
【0028】
【実施例】次に本発明の実施例を詳しく説明するが、本
発明はこの実施例に限定されるものではない。 <実施例1>5リットルジャーファーメンターに表1に
示す組成の培地を2リットル入れ、オートクレーブによ
り、121℃で20分間滅菌後、前培養しておいたエン
テロバクター・クロアシエ ECP126株を1%移植
し、撹拌を500rpm、通気量を0.25vvm、p
Hを1NのNaOH又は1NのHClで6.5に調整し
ながら28℃で5日間通気撹拌培養を行った。
発明はこの実施例に限定されるものではない。 <実施例1>5リットルジャーファーメンターに表1に
示す組成の培地を2リットル入れ、オートクレーブによ
り、121℃で20分間滅菌後、前培養しておいたエン
テロバクター・クロアシエ ECP126株を1%移植
し、撹拌を500rpm、通気量を0.25vvm、p
Hを1NのNaOH又は1NのHClで6.5に調整し
ながら28℃で5日間通気撹拌培養を行った。
【0029】
【表1】
【0030】得られた培養物を水で2〜4倍に希釈し、
遠心分離により菌体を除去した。得られた培養上精分を
濃縮機にて初期の培養物量以下に濃縮し、2〜3倍量の
アルコールを添加して沈殿物を回収した。この沈殿物を
10%の塩化ナトリウム水溶液に溶解させて再度2〜3
倍量のアルコールを添加し、沈殿物を回収した。この操
作を数回繰り返し、得られた白色の沈殿物を蒸留水に溶
解させて、透析を行い塩などを除去した後、凍結乾燥し
て白色の精製した多糖類を得た。
遠心分離により菌体を除去した。得られた培養上精分を
濃縮機にて初期の培養物量以下に濃縮し、2〜3倍量の
アルコールを添加して沈殿物を回収した。この沈殿物を
10%の塩化ナトリウム水溶液に溶解させて再度2〜3
倍量のアルコールを添加し、沈殿物を回収した。この操
作を数回繰り返し、得られた白色の沈殿物を蒸留水に溶
解させて、透析を行い塩などを除去した後、凍結乾燥し
て白色の精製した多糖類を得た。
【0031】<性能の評価試験> (a) 吸水能試験 給水能力の測定にはティーバッグテスト法を用いた。即
ち、不織布で20ml程度の容積を有する容器を作り、
この容器に実施例1により得られた試料、及びヒアルロ
ン酸ナトリウム(紀文社製)及びカルボキシメチルセル
ロースの比較対照用の試料をそれぞれ約100mg入れ
た。次いで蒸留水に3時間浸した後、1時間静置を行い
余分な水を切った。これらの試料を恒量測定済みの秤量
用ビーカーに入れ吸水後の重量(吸水量+試料量)を正
確に測定した。この後、105℃で約2時間乾燥を行
い、水分を完全に蒸発させてから試料の正確な重量を測
定した。このようにして試料の各重量を測定した後、次
式により試料(乾燥)1g当たりの吸水量(g)を計算
した。 吸水量(g/g)=(吸水後の重量(g)−吸水前の重量(g))
/乾燥試料重量(g) その結果を表2に示す。
ち、不織布で20ml程度の容積を有する容器を作り、
この容器に実施例1により得られた試料、及びヒアルロ
ン酸ナトリウム(紀文社製)及びカルボキシメチルセル
ロースの比較対照用の試料をそれぞれ約100mg入れ
た。次いで蒸留水に3時間浸した後、1時間静置を行い
余分な水を切った。これらの試料を恒量測定済みの秤量
用ビーカーに入れ吸水後の重量(吸水量+試料量)を正
確に測定した。この後、105℃で約2時間乾燥を行
い、水分を完全に蒸発させてから試料の正確な重量を測
定した。このようにして試料の各重量を測定した後、次
式により試料(乾燥)1g当たりの吸水量(g)を計算
した。 吸水量(g/g)=(吸水後の重量(g)−吸水前の重量(g))
/乾燥試料重量(g) その結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】上記の結果から、実施例1で得られた多糖
類の試料はヒアルロン酸ナトリウムの1.7倍、カルボ
キシメチルセルロースの2.5倍という高い吸水力を持
つことが明らかとなった。
類の試料はヒアルロン酸ナトリウムの1.7倍、カルボ
キシメチルセルロースの2.5倍という高い吸水力を持
つことが明らかとなった。
【0034】(b) 保湿能試験 保湿能の評価にはデシケータ法を用いた。即ち、実施例
1で得られた試料、及びヒアルロン酸ナトリウム(紀文
社製)、グリセリン及びD−ソルビトールの比較対照用
の試料を五酸化リンを含む真空デシケーター中で一晩乾
燥し、恒量化した秤量ビンに各々100mgずつ正確に
計り取った。その後、これらの試料を20℃、相対湿度
68%に調整したデシケーター中に蓋を開けて入れ、一
定時間毎に重量を測定した。3日後、20℃、相対湿度
20%に調整したデシケーターにこれらの試料を移して
2日間重量を測定した。各測定量に基づいて次式により
吸湿量を求め、保湿能を評価した。 吸湿量(g/g)=(試料測定重量(g)−乾燥試料重量(g))
/乾燥試料重量(g) その結果を図2に示す。図2の結果から明らかなよう
に、実施例1で得られた多糖類の試料は一般に高級保湿
剤として用いられているヒアルロン酸ナトリウムと同程
度の保湿能を示した。またグリセリンは相対湿度の変化
に伴い保湿率が急激に変化したが、この多糖類はヒアル
ロン酸ナトリウムと同様に保湿能が湿度の変化によって
影響を受けにくいということが示唆された。
1で得られた試料、及びヒアルロン酸ナトリウム(紀文
社製)、グリセリン及びD−ソルビトールの比較対照用
の試料を五酸化リンを含む真空デシケーター中で一晩乾
燥し、恒量化した秤量ビンに各々100mgずつ正確に
計り取った。その後、これらの試料を20℃、相対湿度
68%に調整したデシケーター中に蓋を開けて入れ、一
定時間毎に重量を測定した。3日後、20℃、相対湿度
20%に調整したデシケーターにこれらの試料を移して
2日間重量を測定した。各測定量に基づいて次式により
吸湿量を求め、保湿能を評価した。 吸湿量(g/g)=(試料測定重量(g)−乾燥試料重量(g))
/乾燥試料重量(g) その結果を図2に示す。図2の結果から明らかなよう
に、実施例1で得られた多糖類の試料は一般に高級保湿
剤として用いられているヒアルロン酸ナトリウムと同程
度の保湿能を示した。またグリセリンは相対湿度の変化
に伴い保湿率が急激に変化したが、この多糖類はヒアル
ロン酸ナトリウムと同様に保湿能が湿度の変化によって
影響を受けにくいということが示唆された。
【0035】(c) 乳化安定性試験 実施例1で得られた試料、及び比較対照用の試料である
カラギーナンとヒアルロン酸ナトリウムの1%水溶液を
各々ホモミキサーで10,000rpmで撹拌しながら
等量のオリーブオイルを徐々に加え、すべて加え終わっ
た後、更に5分間撹拌して静置した。乳化直後では、実
施例1で得られた試料及び比較対照用のカラギーナン、
ヒアルロン酸ともに白色のクリーム状の乳化液であっ
た。しかし、カラギーナンの場合、2時間静置後で水層
の出現が認められ、120時間静置後では、水層が全液
高の約1/3に達した。また、ヒアルロン酸は170時
間静置後に水層の出現が認められた。一方、実施例1で
得られた試料の場合、170時間静置しても全く層分離
は認められなかった。従って、実施例1で得られた多糖
類は、オリーブオイルに対して、比較対照用のカラギー
ナン、ヒアルロン酸よりも優れた乳化安定性を有してい
ることが判明した。
カラギーナンとヒアルロン酸ナトリウムの1%水溶液を
各々ホモミキサーで10,000rpmで撹拌しながら
等量のオリーブオイルを徐々に加え、すべて加え終わっ
た後、更に5分間撹拌して静置した。乳化直後では、実
施例1で得られた試料及び比較対照用のカラギーナン、
ヒアルロン酸ともに白色のクリーム状の乳化液であっ
た。しかし、カラギーナンの場合、2時間静置後で水層
の出現が認められ、120時間静置後では、水層が全液
高の約1/3に達した。また、ヒアルロン酸は170時
間静置後に水層の出現が認められた。一方、実施例1で
得られた試料の場合、170時間静置しても全く層分離
は認められなかった。従って、実施例1で得られた多糖
類は、オリーブオイルに対して、比較対照用のカラギー
ナン、ヒアルロン酸よりも優れた乳化安定性を有してい
ることが判明した。
【0036】(d) pHと粘度の関係確認試験 実施例1で得られた試料をゲル状態の0.5%水溶液と
して水溶液のpHを各々2,4,5,6,7,8,9,
10,12に調整した。粘度はB型粘度計を用い、測定
温度25℃、ローターNo.11、12rpmの条件で
測定した。その結果を図3に示す。図3から明らかなよ
うに、水溶液はpH5〜10において非常に高い粘度安
定性を示した。
して水溶液のpHを各々2,4,5,6,7,8,9,
10,12に調整した。粘度はB型粘度計を用い、測定
温度25℃、ローターNo.11、12rpmの条件で
測定した。その結果を図3に示す。図3から明らかなよ
うに、水溶液はpH5〜10において非常に高い粘度安
定性を示した。
【0037】(e) 温度と粘度の関係確認試験 実施例1で得られた試料をゲル状態の0.5%水溶液と
して水溶液の温度を各々10,20,40,60,80
℃に調整した。粘度はB型粘度計を用い、ローターN
o.11、12rpmの条件で測定した。その結果を図
4に示す。図4から明らかなように、温度の上昇ととも
に水溶液の粘度は低下した。
して水溶液の温度を各々10,20,40,60,80
℃に調整した。粘度はB型粘度計を用い、ローターN
o.11、12rpmの条件で測定した。その結果を図
4に示す。図4から明らかなように、温度の上昇ととも
に水溶液の粘度は低下した。
【0038】(f) 塩濃度と粘度の関係確認試験 実施例1で得られた試料をゲル状態の0.5%水溶液と
した後、塩化ナトリウム及び塩化カルシウムの2種類の
塩をそれぞれ加え、各塩濃度を0,0.05,0.1,
0.25,0.5,1.0%の6段階に調整した。塩濃
度の異なる水溶液の粘度をB型粘度計を用い、測定温度
25℃、ローターNo.11、12rpmの条件で測定
した。その結果を図5に示す。図5から明らかなよう
に、ナトリウム塩、カルシウム塩を水溶液に添加するこ
とによって水溶液の粘度が急激に低下した。ナトリウム
塩は添加量が増加しても粘度の低下はほぼ一定であった
が、カルシウム塩は添加濃度が増加すると若干粘度の回
復が見られた。
した後、塩化ナトリウム及び塩化カルシウムの2種類の
塩をそれぞれ加え、各塩濃度を0,0.05,0.1,
0.25,0.5,1.0%の6段階に調整した。塩濃
度の異なる水溶液の粘度をB型粘度計を用い、測定温度
25℃、ローターNo.11、12rpmの条件で測定
した。その結果を図5に示す。図5から明らかなよう
に、ナトリウム塩、カルシウム塩を水溶液に添加するこ
とによって水溶液の粘度が急激に低下した。ナトリウム
塩は添加量が増加しても粘度の低下はほぼ一定であった
が、カルシウム塩は添加濃度が増加すると若干粘度の回
復が見られた。
【0039】(g) 実施例1で得られた多糖類を用いた化
粧水の評価試験 実施例1で得られた多糖類の試料を表3に示す組成の化
粧水に0.5%添加し、ジェル状にしたものと無添加の
ものを用い、モニタリングを行った。
粧水の評価試験 実施例1で得られた多糖類の試料を表3に示す組成の化
粧水に0.5%添加し、ジェル状にしたものと無添加の
ものを用い、モニタリングを行った。
【0040】
【表3】
【0041】その結果、無添加の化粧水に比べて実施例
1で得られた多糖類を添加したものは、ジェル状である
ため扱いやすく、伸びもよく、べたつきがなく肌がすべ
すべしたという意見が多く得られた。またしっとり感も
あるという意見から保湿性の高さが示された。
1で得られた多糖類を添加したものは、ジェル状である
ため扱いやすく、伸びもよく、べたつきがなく肌がすべ
すべしたという意見が多く得られた。またしっとり感も
あるという意見から保湿性の高さが示された。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、吸
水、吸湿、保湿、増粘、乳化安定の各性能に優れ、べた
つき感が少なく、肌のすべすべ感やしっとり感のある多
糖類が得られる。このため、この多糖類を成分として含
ませれば、べたつき感の少ない吸水剤、吸湿剤、保湿
剤、増粘剤又は乳化安定剤が得られる。これらの吸水剤
等を化粧品に配合すれば、べたつき感が少なく、肌のす
べすべ感やしっとり感のある優れた化粧品が得られる。
水、吸湿、保湿、増粘、乳化安定の各性能に優れ、べた
つき感が少なく、肌のすべすべ感やしっとり感のある多
糖類が得られる。このため、この多糖類を成分として含
ませれば、べたつき感の少ない吸水剤、吸湿剤、保湿
剤、増粘剤又は乳化安定剤が得られる。これらの吸水剤
等を化粧品に配合すれば、べたつき感が少なく、肌のす
べすべ感やしっとり感のある優れた化粧品が得られる。
【図1】本発明の多糖類の赤外吸収スペクトルを示す
図。
図。
【図2】実施例1で得られた多糖類の吸湿及び保湿能力
を示す図。
を示す図。
【図3】実施例1で得られた多糖類の粘度に及ぼすpH
の影響を示す図。
の影響を示す図。
【図4】実施例1で得られた多糖類の粘度に及ぼす温度
の影響を示す図。
の影響を示す図。
【図5】実施例1で得られた多糖類の粘度に及ぼすナト
リウム塩及びカルシウム塩の濃度の影響を示す図。
リウム塩及びカルシウム塩の濃度の影響を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01F 17/56 B01F 17/56 C09K 3/00 C09K 3/00 C12P 19/04 C12P 19/04 C //(C12P 19/04 C12R 1:01)
Claims (13)
- 【請求項1】 D−グルコース、L−フコース、D−ガ
ラクトース、D−マンノース及びD−グルクロン酸を構
成糖とし、酢酸、ピルビン酸及びコハク酸を構成有機酸
とし、ゲル濾過クロマトグラフィーで測定した平均分子
量が1200万(プルラン等量)である多糖類。 - 【請求項2】 構成糖のモル比が、D−グルコース:L
−フコース:D−ガラクトース:D−マンノース:D−
グルクロン酸=(22〜28):(49〜55):(3
3〜39):1:(4〜5)であり、構成有機酸のモル
比が、酢酸:ピルビン酸:コハク酸=(20〜27):
(11〜16):1である請求項1記載の多糖類。 - 【請求項3】 エンテロパクター属に属しかつ請求項1
又は2記載の多糖類を菌体外に生産する微生物を培養
し、その培養液から前記多糖類を採取することを特徴と
する多糖類の製造方法。 - 【請求項4】 塩化ナトリウムを1〜2%含有する培地
で微生物を培養する請求項3記載の多糖類の製造方法。 - 【請求項5】 微生物がエンテロバクター・クロアシエ
である請求項3又は4記載の多糖類の製造方法。 - 【請求項6】 エンテロバクター・クロアシエがエンテ
ロバクター・クロアシエ ECP126株又はその変異
株である請求項5記載の多糖類の製造方法。 - 【請求項7】 エンテロバクター・クロアシエ ECP
126株又はその変異株。 - 【請求項8】 請求項2記載の多糖類を成分とする吸水
剤。 - 【請求項9】 請求項2記載の多糖類を成分とする吸湿
剤。 - 【請求項10】 請求項2記載の多糖類を成分とする保
湿剤。 - 【請求項11】 請求項2記載の多糖類を成分とする増
粘剤。 - 【請求項12】 請求項2記載の多糖類を成分とする乳
化安定剤。 - 【請求項13】 請求項8記載の吸水剤、請求項9記載
の吸湿剤、請求項10記載の保湿剤、請求項11記載の
増粘剤又は請求項12記載の乳化安定剤を配合した化粧
品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9037368A JPH10237105A (ja) | 1997-02-21 | 1997-02-21 | 多糖類、その製造方法及びこれを配合した化粧品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9037368A JPH10237105A (ja) | 1997-02-21 | 1997-02-21 | 多糖類、その製造方法及びこれを配合した化粧品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10237105A true JPH10237105A (ja) | 1998-09-08 |
Family
ID=12495588
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9037368A Pending JPH10237105A (ja) | 1997-02-21 | 1997-02-21 | 多糖類、その製造方法及びこれを配合した化粧品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10237105A (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2792222A1 (fr) * | 1999-04-19 | 2000-10-20 | Lavipharm Lab | Agent emulsifiant, son procede de preparation et son utilisation pour la preparation de compositions cosmetiques, dermatologiques ou pharmacologiques |
| FR2837097A1 (fr) * | 2002-03-15 | 2003-09-19 | Biochimie Appliquee Soc | Composition gelifiable a base de polysaccharides |
| FR2840920A1 (fr) * | 2002-06-18 | 2003-12-19 | Biochimie Appliquee Soc | Nouveau microorganisme de la famille des enterobacteriaceae |
| JP2004204380A (ja) * | 2002-12-25 | 2004-07-22 | Asahi Kasei Corp | 比表面積の大きいセルロース系物質 |
| CN104250309A (zh) * | 2014-10-08 | 2014-12-31 | 浙江工业大学 | 一种裂片石莼多糖及其应用 |
| WO2015080011A1 (ja) | 2013-11-29 | 2015-06-04 | 花王株式会社 | 皮膚外用剤 |
| JP2017112901A (ja) * | 2015-12-24 | 2017-06-29 | キッコーマン株式会社 | 高分子ヒアルロン酸の製造方法 |
| CN112979833A (zh) * | 2021-01-13 | 2021-06-18 | 浙江中医药大学 | 一种具有肿瘤微血管抑制作用的血红栓菌总多糖及其应用 |
| JP2024013167A (ja) * | 2022-07-19 | 2024-01-31 | 国立大学法人 琉球大学 | 多糖の製造方法 |
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1997
- 1997-02-21 JP JP9037368A patent/JPH10237105A/ja active Pending
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