JPH08302192A - エアロゲルの製法 - Google Patents

エアロゲルの製法

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JPH08302192A
JPH08302192A JP7105316A JP10531695A JPH08302192A JP H08302192 A JPH08302192 A JP H08302192A JP 7105316 A JP7105316 A JP 7105316A JP 10531695 A JP10531695 A JP 10531695A JP H08302192 A JPH08302192 A JP H08302192A
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gel
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弘 横川
Masaru Yokoyama
勝 横山
Kenji Sonoda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性、断熱性及び疎水性等に優れるエアロ
ゲルの製法を提供する。 【構成】 縮重合性を有するアルコキシシランを加水分
解したゾルを縮重合反応によりゲル化させることによっ
てゲル状化合物とし、このゲル状化合物を疎水化剤との
反応による疎水化処理及び超臨界乾燥を施すエアロゲル
の製法において、前記疎水化処理及び超臨界乾燥を施
し、次いで、アルコキシル基の分解温度以上で、かつ、
疎水化処理により付与された疎水基の分解温度未満で、
加熱処理を施す。前記疎水化剤が有機シラン化合物であ
る。前記超臨界乾燥後の加熱処理の温度が270〜40
0℃である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリカの多孔質骨格か
らなるエアロゲルの製法に関し、詳しくは、例えば、採
光性、光透過性、透明性及び高断熱性等を同時に要求さ
れる、太陽光集熱に有用な光透過性断熱材、住宅用開口
部断熱材、炉等に代表される高温装置用のぞき窓等の様
々な用途に用いることができるエアロゲルの製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、熱伝導率が小さく、かつ、光透過
性を有する材料として、シリカからなるエアロゲルが知
られている。このエアロゲルは、USP4402927
号、同4432956号、同4610863号の各明細
書に開示されているように、アルコキシシラン(シリコ
ンアルコキシド、アルキルシリケート等とも称される)
を加水分解、重合して得られるシリカ骨格からなる湿潤
状態のゲル状化合物を、アルコ−ル、又は液化二酸化炭
素等の溶媒(分散媒)の存在下で、この溶媒の臨界点以
上の超臨界状態で乾燥し、必要に応じてはその後にさら
に500〜750℃程度もしくはそれ以上に加熱処理を
施すことにより製造することができる。また、USP5
137927号、同5124364号のように、ケイ酸
ナトリウムを原料として同様にゲル状化合物を得、この
ゲル状化合物を超臨界乾燥することによっても製造する
ことができる。このような製造方法により得られるエア
ロゲルは、例えば、光透過性を有する断熱材料等として
有用な素材である。
【0003】しかし、この前記のようなエアロゲルは非
常に親水性に優れているため、実用条件では空気中の湿
気によって経時的に性能が劣化する。すなわち、透明性
の低下や、収縮、変形が起こるものであった。このた
め、エアロゲルの実用化には、フィルムなどによる完全
なパッキングや、ガラス板で挟んだ上に完全なシーリン
グを施す等の方法でエアロゲル自身が外気に触れないよ
うな工夫が必要不可欠であった。また、超臨界乾燥して
得られたエアロゲルはそのシリカ表面には超臨界乾燥中
の媒体、アルコールが反応したアルコキシル基が存在す
ることは知られており、得られたエアロゲルの透明性を
より向上させるために500〜750℃で加熱処理を施
し、アルコキシル基を除去している。しかし、この方法
によればアルコキシル基が有する些細な疎水性さえも消
滅させることになり、エアロゲルの親水性はより著しい
ものになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の事実に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、透明
性、断熱性及び疎水性等に優れるエアロゲルの製法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
エアロゲルの製法は、縮重合性を有するアルコキシシラ
ンを加水分解したゾルを縮重合反応によりゲル化させる
ことによってゲル状化合物とし、このゲル状化合物を疎
水化剤との反応による疎水化処理及び超臨界乾燥を施す
エアロゲルの製法において、前記疎水化処理及び超臨界
乾燥を施し、次いで、アルコキシル基の分解温度以上
で、かつ、疎水化処理により付与された疎水基の分解温
度未満で、加熱処理を施すことを特徴とする。
【0006】本発明の請求項2に係るエアロゲルの製法
は、前記疎水化剤が有機シラン化合物であることを特徴
とする。
【0007】本発明の請求項3に係るエアロゲルの製法
は、前記超臨界乾燥後の加熱処理の温度が270〜40
0℃であることを特徴とする。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
用いるアルコキシシランとは、下記の一般式で表され
るアルコキシシランであり、より具体的には、下記の一
般式で表される2官能のアルコキシシラン、下記の一
般式で表される3官能のアルコキシシラン、下記の一
般式で表される4官能のアルコキシシラン及び下記の
一般式で表されるアルコキシシランのオリゴマー等で
ある。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】本発明に係るゲル状化合物(湿潤アルコゲ
ル)は、前記の一般式〜一般式で表されるアルコキ
シシランからなる群から選択される少なくとも1種、又
は前記の一般式〜一般式で表されるアルコキシシラ
ンからなる群から選択される少なくとも1種と前記の一
般式で表されるアルコキシシランとを含有する混合物
を加水分解し、縮重合することによって得られる。
【0015】本発明で用いられる前記の一般式〜一般
式で表されるアルコキシシランの具体例を挙げると、
2官能アルコキシシランとしては、例えば、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メ
チルフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメト
キシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジメ
トキシシラン等があり、3官能アルコキシシランとして
は、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリ
エトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニ
ルトリエトキシシラン等があり、4官能アルコキシシラ
ンとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン等があるが特に、限定されない。
【0016】前記の一般式で表されるアルコキシシラ
ンのオリゴマーとしては、重合度が10(以下重合度が
nのものはn量体と記す。)以下であることが好ましい
が、無色透明な液状であれば、これに限定されない。前
記アルコキシシランのオリゴマーは、この重合度が均一
な化合物である必要はなく、重合度の分布が存在したり
分子構造が鎖状、分岐状及び環状で混在していても構わ
ない。物質としての安定性や、ゲル状化合物を作製する
ための反応時間を考慮すれば、2〜6量体のものが好ま
しい。前記アルコキシシランのオリゴマー内のRはアル
キル基、フェニル基を表し、中でも、メチル基(−CH
3 )、エチル基(−C2 5 )が好ましい。具体的には
メトキシシランのオリゴマーの場合には平均分子量が2
50〜700、エトキシシランのオリゴマーの場合には
平均分子量が300〜900のオリゴマーが好ましい。
【0017】本発明で前記アルコキシシランを効率よく
加水分解し、縮重合を行うためには、このアルコキシシ
ランを含む反応溶液に、予め触媒を添加しておくことが
好ましい。このような触媒としては、酸性触媒、塩基性
触媒等が挙げられる。具体的に述べると、酸性触媒とし
ては、塩酸、クエン酸、硝酸、硫酸、フッ化アンモニウ
ム等が用いられ、塩基性触媒としては、アンモニア、ピ
ペリジン等が用いられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0018】アルコキシシランの加水分解、縮重合に用
いられる溶媒としては、通常、原料となるアルコキシシ
ランと水とを均一に溶解混合するために、アルコ−ル、
アセトン等が用いられるが、これらに限定されるわけで
はなく、アルコキシシランと水との両方が溶解しやすい
溶媒であればよい。しかし、ゲル状化合物の生成過程の
加水分解反応でアルコ−ルが生成すること、また、超臨
界乾燥のことを考慮すると、溶媒としては、アルコール
が好ましい。
【0019】また、反応溶液の配合比は限定されず、透
明性、断熱性、比表面積、密度、光屈折率など要求され
る性能によって様々に変化させることが可能である。こ
のエアロゲルの密度は特に限定されないが、0.01〜
0.3g/cm3 であることが好ましく、さらには、
0.04〜0.2g/cm3 であることがより好まし
い。すなわち、このエアロゲルの密度が0.01g/c
3 未満の場合には、ゲル化させるのに多大の時間を要
し、あるいは、超臨界乾燥時の収縮が避けられず、あま
りに軽量な為、作業者の手や容器、部材など接触するも
のに付着して割れる等、現実的には取扱いが困難なもの
となるといった問題が生じ、0.3g/cm 3 を越える
場合には、エアロゲルの熱伝導率もやや大きくなり、断
熱性の点でさほど優れた素材ではなくなり、透光性等の
性能も低下し、さらにはエアロゲルの調製が困難とな
る。したがって、超臨界乾燥後の密度がこの範囲である
ように反応溶液の配合比が決定される。
【0020】得られたゲル状化合物に対しては疎水化処
理を行う。疎水化剤は、ゲル状化合物が有するシラノー
ル基に対して反応する官能基と疎水基とを有しているも
のを用いる。シラノール基に対して反応する官能基とし
ては、例えば、ハロゲン、アミノ基、イミノ基、カルボ
キシル基、アルコキシル基及び水酸基が挙げられる。疎
水基としては、例えば、アルキル基、フェニル基及びそ
れらのフッ化物等が挙げられる。疎水化剤は前記官能基
及び疎水基を、それぞれ1種のみを有してもよいし、2
種以上を有してもよい。具体的には、ヘキサメチルジシ
ラザン、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルクロロ
シラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキ
シシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチルメト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジク
ロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリク
ロロシラン等の有機シラン化合物が挙げらる。
【0021】ここで、疎水化処理は、超臨界乾燥を行う
前に予め、液体を媒体として行うか、後述する超臨界乾
燥中に超臨界流体を媒体として行う。これらの媒体とし
ては、疎水化剤との反応性が低く、かつ、疎水化剤を溶
解するものであればよく、特に限定されない。液体で疎
水化処理を行う場合はアルコールなどの溶媒に前記疎水
化剤を溶解させたものを疎水化溶液として調製し、この
疎水化溶液中にゲル状化合物を浸漬することで行う。ま
た、反応については必要に応じて加熱を行う。
【0022】超臨界乾燥を行う際に用いられる溶媒とし
ては、特に限定されないが、例えば、エタノ−ル、メタ
ノ−ル、イソプロパノール、ジクロロジフルオロメタ
ン、二酸化炭素、水等の単独系または2種以上の混合系
を挙げることができる。混合系ではなく単一の溶媒で超
臨界乾燥を行う場合は、一般的にはオ−トクレ−ブ中に
溶媒と、同一の溶媒に溶媒置換を行ったゲル状化合物を
一緒に入れ、その溶媒の臨界点以上の温度、圧力まで上
昇させた後に溶媒を徐々に除き、最終的に常温常圧の状
態に戻すことによって乾燥を終了する。また、2種以上
の混合系で超臨界乾燥を行う場合は、乾燥容器内でその
混合系での超臨界状態になるよう設定した温度、圧力ま
で上昇させる方法、乾燥容器内でゲル状化合物の第1の
溶媒から超臨界状態にしたい第2の溶媒に置換し、ほぼ
溶媒置換を完結させてから、第2の溶媒の超臨界状態で
溶媒を除去する方法等がなされている。
【0023】超臨界乾燥中に疎水化処理を行う場合は、
前記乾燥容器内の媒体が超臨界状態を形成した中へその
溶解度に応じた量の疎水化剤を注入し、その温度圧力を
保持することで行う。
【0024】前記のように疎水化処理、超臨界乾燥を施
して得られたエアロゲルは均質なシリカの多孔質骨格か
らなり、高断熱性や高表面積など多孔体の性能を有しな
がら、かつ透明性を有する材料である。本発明に係るエ
アロゲルの製法は、本発明ではこうして得られたエアロ
ゲルをさらに加熱処理する。一般に、超臨界乾燥して得
られたエアロゲルをより透明性に優れたものにするため
に、USP4432956やUSP4327065に述
べられているような1200〜1300℃または500
〜750℃のような高い温度で加熱処理を施す。これ
は、加熱処理によってエアロゲルが含有するアルコキシ
ル基(≡Si―OR、Rはアルキル基)を分解除去し、
純度の高いシリカエアロゲルにすることで透明度を向上
させようとするものである。ところが、この方法による
エアロゲルは別の問題点を有する。すなわち、エアロゲ
ルを構成するシリカはそのシリカ表面にシラノール基
(≡Si―OH)を有するため、親水性を有しており湿
度雰囲気下では性能的に著しい経時劣化を示す。しか
し、特にアルコールの超臨界状態において超臨界乾燥し
て得られたもので前記の加熱処理を施さないものは、シ
リカ表面に多くのアルコキシル基も有しているため疎水
性を示し、この経時劣化程度を和らげる効果がある。に
もかかわらず、前記加熱処理を施してアルコキシル基を
除去してしまうと、エアロゲルの若干の疎水性も全くな
くなり、湿度条件下では激しく経時劣化してしまい、い
くら透明性が優れていても実用的には利用が困難な材料
であった。
【0025】本発明では、加熱処理においてその処理温
度を選択することで、優れた疎水性を損なわずに透明性
を高め、透明性に優れた疎水性のエアロゲルを作製する
ことができる。この処理温度としては、アルコキシル基
を熱分解除去し、かつ前記疎水化剤によって付与された
アルキルシリル基(≡Si―R)は分解されずに残存す
るような温度を選択する。具体的には270〜400℃
程度であることが好ましい。すなわち、図1に示した代
表的な超臨界乾燥後のエアロゲル試料の示差熱分析曲線
から明らかなように、アルコキシル基が分解される発熱
ピーク1は、271℃で、疎水基であるアルキルシリル
基の分解による発熱ピーク2は、478℃である。した
がって、270〜400℃程度であれば、アルコキシル
基を熱分解除去し、かつ前記疎水化剤によって付与され
たアルキルシリル基(≡Si―R)は分解されずに残存
することが分かる。
【0026】この発明のエアロゲルは、非常に微細なシ
リカ粒子からなる構造体で、その粒子径は光の波長より
もはるかに小さく空隙構造も非常に均質であることか
ら、多孔体であるにもかかわらず透明性を有する。ここ
で光透過性とは、例えば、可視光波長領域等に対する視
覚的な透明性や、赤外領域に対する透過性であるが、こ
れに限定されない。しかも疎水性を有するため耐湿性に
優れ、性能や寸法が経時的に安定な材料である。
【0027】
【作用】本発明の請求項1に係るエアロゲルの製法は、
縮重合性を有するアルコキシシランを加水分解したゾル
を縮重合反応によりゲル化させることによってゲル状化
合物とし、このゲル状化合物を疎水化剤との反応による
疎水化処理及び超臨界乾燥を施すエアロゲルの製法にお
いて、前記疎水化処理後に超臨界乾燥を施し、次いで、
アルコキシル基の分解温度以上で、かつ、疎水化処理に
より付与された疎水基の分解温度未満で、加熱処理を施
すので、透明性、断熱性及び疎水性に優れる。
【0028】本発明の請求項2に係るエアロゲルの製法
は、前記疎水化剤が有機シラン化合物であるので、疎水
性に優れる。ことを特徴とする。
【0029】本発明の請求項3に係るエアロゲルの製法
は、前記超臨界乾燥後の加熱処理の温度が270〜40
0℃であるので、透明性、断熱性及び疎水性に優れる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0031】以下に、この発明の具体的な実施例及び比
較例を示すが、この発明は、下記実施例に限定されるも
のではない。
【0032】(実施例1)平均分子量470のテトラメ
トキシシランのオリゴマー〔コルコート株式会社製;商
品名メチルシリケート51〕に、エタノール〔ナカライ
テスク株式会社製;特級試薬〕と水と28重量%のアン
モニア水溶液とを混合したものを室温で徐々に添加する
ことにより、モル比がテトラメトキシシランのオリゴマ
ー:エタノール:水:アンモニア=1:70:20:
0. 6の混合比の反応溶液(以下、ゾルと称する)を得
た。容器内に前記ゾルを流し込んだ後、室温で約10分
静置させて、ゾルがゲル化するのを待った。その後、こ
のゲル状化合物を容器から取り出して、大きさが直径5
1mmで厚み10mmのゲル状化合物を得た。
【0033】次に、高圧容器内にこのゲル状化合物を入
れ、さらにエタノールを満たした。この容器内に18
℃、55kg/cm2 の二酸化炭素を添加し、ゲル内お
よび容器内のエタノ−ルを二酸化炭素に置換する操作を
行った後、容器内を二酸化炭素の超臨界条件である、8
0℃、160kg/cm2 にし、超臨界乾燥(溶媒除
去) を行った。次に、この超臨界状態の雰囲気に、疎水
化剤として高圧容器内での濃度が0.6モル/リットル
になるようにジメチルジメトキシシラン〔トーレダウコ
ーニングシリコーン株式会社製;AY43−004〕を
添加し、1時間かけて疎水化処理剤を超臨界流体中に拡
散させ、この超臨界流体中にゲル状化合物を放置し、疎
水化処理を施した。その後、超臨界状態の二酸化炭素を
流通した後に減圧し、ゲル状化合物に含まれるエタノー
ルと疎水化剤を除去した。その後、高圧容器から試料を
取り出し、エアロゲル試料を得た。最後にこのエアロゲ
ル試料を電気炉に入れ、6時間かけて300℃まで上昇
させ300℃で6時間保持した。放冷後、エアロゲル試
料を取り出した。試料の大きさは、直径51mm、厚み
10mmであった。
【0034】(実施例2)実施例1と同様にして得たゲ
ル状化合物を、予め調合しておいたヘキサメチルジシラ
ザン〔トーレダウコーニングシリコーン株式会社製;S
Z6079〕の1.2モル/リットルのエタノール溶液
中に浸漬した。このまま室温(20℃)にて1昼夜放置
した後、ゲル状化合物を取り出し、さらにエタノールで
洗浄した。
【0035】次に、高圧容器内にこのゲル状化合物を入
れ、さらにエタノールを満たした。この容器内を80
℃、160kg/cm2 にした後、容器内を80℃、1
60kg/cm2 の二酸化炭素に置換し、さらに減圧を
行い、超臨界乾燥(溶媒除去)を行った。その後、高圧
容器から試料を取り出し、エアロゲル試料を得た。最後
にこのエアロゲル試料を電気炉に入れ、6時間かけて3
00℃まで上昇させ300℃で6時間保持した。放冷
後、エアロゲル試料を取り出した。試料の大きさは、直
径51mm、厚み10mmであった。
【0036】(実施例3)実施例2において、疎水化剤
をヘキサメチルジシラザンに代えて、ジメチルジメトキ
シシランジメチルジメトキシシラン〔トーレダウコーニ
ングシリコーン株式会社製;AY43−004〕とした
以外は、実施例2と同様にしてエアロゲル試料を得た。
試料の大きさは同じく、直径51mm、厚み10mmで
あった。
【0037】(実施例4)実施例2において超臨界乾燥
後の加熱処理を350℃で行った以外は、実施例2と同
様にしてエアロゲル試料を得た。試料の大きさは同じ
く、直径51mm、厚み10mmであった。
【0038】(比較例1)実施例2と同様にしてゲル状
化合物を得た後に、実施例1と同様の疎水化、超臨界乾
燥を行いエアロゲル試料を得た。その後の加熱処理は施
さなかった。
【0039】(比較例2)実施例2と同様にしてゲル状
化合物を得た後に、疎水化は施さずに実施例2と同様に
して超臨界乾燥を行い、エアロゲル試料を得た。試料の
大きさは直径49.5mm、厚み9.5mmであった。
【0040】(比較例3)比較例2で得たエアロゲル試
料を電気炉内に入れ、8時間かけて500℃に加熱し、
さらに6時間500℃を保持した後、放冷し、エアロゲ
ル試料を得た。試料の大きさは直径48mm、厚み9m
mであった。
【0041】実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例
3で得たエアロゲルの密度、可視光透過率及び熱伝導率
を測定した。また、エアロゲルの湿度条件下での性能の
劣化を確認するため、耐湿性試験後の密度と可視光透過
率を測定した。
【0042】ここで、熱伝導率は、英弘精機(株) 製の
定常法による熱伝導率測定装置を使用して、ASTM−
C518に準拠した方法で測定した。30℃での熱伝導
率は、設定温度20℃と40℃の条件で測定した。可視
光透過率は、可視光域の光透過率分布を測定し、可視光
透過率をJIS−R3106に基づいて求めた。すべて
厚みを10.0mmに換算し直したものである。耐湿試
験条件は、温度60℃、相対湿度90%とし、試験時間
は48時間とした。試料の主な内容、及び、初期物性の
結果を表1に示した。また、耐湿試験前後の物性の変化
を表2に示した。なお、アルコキシル基、疎水基である
アルキルシリル基の有無の確認については、NMRを用
いて行った。すなわち、実施例1〜実施例4のエアロゲ
ルには、アルコキシル基がなく、疎水基が存在してい
た。比較例3については、アルコキシル基及び疎水基が
ともに存在しなかった。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】表1及び表2の結果、実施例のエアロゲル
は、比較例に比べて、透明性に優れており、かつ疎水性
にも優れているため、寸法や光透過性において経時的に
安定な材料であった。
【0046】本発明によって得られたエアロゲルは、断
熱性等、多孔質材料に特有の機能に優れ、かつ光透過性
に優れている。しかも本発明による製法により得られる
エアロゲルは、疎水性にも優れているため、高湿度条件
下でも性能が経時的に安定なものである。本発明によっ
て作製されるエアロゲルは、例えば、太陽光集熱に有用
な光透過性断熱材、または、音響材料、触媒担体、チェ
レンコフカウンター媒体等の様々な用途に用いることが
できる。
【0047】
【発明の効果】本発明の請求項1に係るエアロゲルの製
法によると、疎水化処理後に超臨界乾燥を施し、次い
で、アルコキシル基の分解温度以上で、かつ、疎水化処
理により付与された疎水基の分解温度未満で、加熱処理
を施すので、透明性、断熱性及び疎水性に優れるため、
高湿度条件下でも性能が経時的に安定なものである。
【0048】本発明の請求項2に係るエアロゲルの製法
によると、疎水化剤が有機シラン化合物であるので、疎
水性に優れるため、高湿度条件下でも性能が経時的に安
定なものである。
【0049】本発明の請求項3に係るエアロゲルの製法
によると、前記超臨界乾燥後の加熱処理の温度が270
〜400℃であるので、透明性、断熱性及び疎水性に優
れるため、高湿度条件下でも性能が経時的に安定なもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】疎水化及び超臨界乾燥を施したエアロゲルで加
熱処理を施す前の試料についての示差熱分析曲線。
【符号の説明】
1 アルコキシル基の分解による発熱ピーク 2 疎水基であるアルキルシリル基の分解による発熱
ピーク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縮重合性を有するアルコキシシランを加
    水分解したゾルを縮重合反応によりゲル化させることに
    よってゲル状化合物とし、このゲル状化合物を疎水化剤
    との反応による疎水化処理及び超臨界乾燥を施すエアロ
    ゲルの製法において、前記疎水化処理及び超臨界乾燥を
    施し、次いで、アルコキシル基の分解温度以上で、か
    つ、疎水化処理により付与された疎水基の分解温度未満
    で、加熱処理を施すことを特徴とするエアロゲルの製
    法。
  2. 【請求項2】 前記疎水化剤が有機シラン化合物である
    ことを特徴とする請求項1記載のエアロゲルの製法。
  3. 【請求項3】 前記超臨界乾燥後の加熱処理の温度が2
    70〜400℃であることを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載の疎水性エアロゲルの製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114804125A (zh) * 2014-10-03 2022-07-29 斯攀气凝胶公司 改良的疏水性气凝胶材料

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