JPH08302247A - 水性生物付着防止用導電性組成物およびそれを用いた防汚方法 - Google Patents

水性生物付着防止用導電性組成物およびそれを用いた防汚方法

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JPH08302247A
JPH08302247A JP12980295A JP12980295A JPH08302247A JP H08302247 A JPH08302247 A JP H08302247A JP 12980295 A JP12980295 A JP 12980295A JP 12980295 A JP12980295 A JP 12980295A JP H08302247 A JPH08302247 A JP H08302247A
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conductive
substance
resin
aquatic organisms
conductive composition
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JP12980295A
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Tsuruo Nakayama
鶴雄 中山
Hitoshi Wake
仁志 和気
Tadashi Matsunaga
是 松永
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Pentel Co Ltd
Original Assignee
Pentel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水性生物の電気化学的な制御において導電性
樹脂層を形成するための導電性組成物およびそれを用い
た防汚方法を提供すること。 【構成】 水性生物の付着を防止するための導電性を有
する樹脂層を形成する導電性組成物であって、少なくと
もバインダ−樹脂と導電性充填剤と抗菌性を有する物質
とからなる水性生物付着防止用導電性組成物。少なくと
も水との接触面に形成された導電性樹脂層が、少なくと
もバインダ−樹脂と導電性充填剤と抗菌性を有する物質
を含み、その導電性樹脂層に正電位もしくは負電位又は
正電位と負電位を交互に印加した水性生物付着防止用導
電性組成物を用いた防汚方法。 【効果】 抗菌剤を含む導電性樹脂に電位を印加するこ
とにより、導電性樹脂表面に付着した海洋付着細菌を殺
菌または脱離することができ、又、導電性樹脂表面の局
部的な非導電性部分に付着した水性生物は抗菌剤の作用
により殺菌されることから、水性生物によるスライム層
や微生物層の形成が阻止でき、更に、大型生物の付着が
防止できるので、長期的に水中構造物の防染を防止する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば発電所の導水
管、パイプライン、船舶、ブイ、港湾施設、橋梁、定置
網や養殖生簀などの養殖網などの水中構造物の表面に導
電性樹脂層を形成し、該導電性樹脂層に正電位もしくは
負電位又は正電位と負電位を周期的に交互に印加し、水
性生物を殺菌もしくは脱離させることにより付着を防止
するために被覆する導電性組成物およびそれを用いた防
汚方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、発電所で海水を冷却水と
して使用するために海水を導入する導水管や、船舶、或
いは海水中で使用されている漁網などへの防汚手段は、
海水中に次亜塩素酸塩などの殺菌性を有する物質を添加
し水性生物を殺菌させる方法や、有機錫系化合物を塗料
に含有させ、船舶や漁網に塗膜を形成し有機錫系化合物
を溶出させることにより防汚する方法が一般に行われて
いた。しかし、次亜塩素酸塩などの殺菌性を有する物質
を添加すると、海水中の有機物などと反応しトリハロメ
タン等の有害物質が発生し、海洋の汚染や有用な海洋生
物への影響が懸念される。又、有機錫系化合物は、海洋
汚染の問題から使用が制限されている。更に、有機錫系
防汚剤の代替えとして非有機錫系化合物が用いられてい
るが、これらの代替え防汚剤は、付着防止効果の維持時
間が短いために、塗料の塗り替えが必要となり、この塗
り替え作業に要する労力が大幅に増大し、人件費など多
額の費用がかかる等の問題があった。
【0003】又、電解反応により海水を分解して塩素を
発生させ、これらの毒性物質で防汚する方法も提案され
ているが、船舶などの金属で形成された構造物では塩素
による腐食が発生する等の問題があり、実用性の点で改
善の余地が残されている。
【0004】他方、塩素などの有害物質を発生させない
で電気化学的に船舶や漁網などに付着する水性生物を制
御する方法が提案されている。この方法は、水性生物の
付着原理を利用した方法であり、具体的方法としては、
クロロプレンゴム、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、アク
リル樹脂などをバイダ−とした塗料などにグラファイト
等の導電性材料を充填して導電性組成物となし、該導電
性組成物を水中構造物表面に塗り、導電性樹脂層を形成
し、この導電性樹脂層に、海水の電解反応により塩素の
発生しない正電位や、正電位と負電位を交互に印加し、
導電性樹脂表面に付着した水性生物を殺菌後脱離するこ
とにより水中構造物を防汚せんとするものである。即
ち、本方法は、一般に、水中構造物に水性生物が付着す
る機構が、付着性のグラム陰性菌が表面に付着して脂質
に由来するスライム状物質を分泌し、このスライム層に
集まって増殖し、微生物皮膜を形成し、更に、この微生
物層上に大型の水性生物である藻類、貝類、フジツボ等
が付着することが原因とされていることに着目し、初期
のグラム陰性菌などの水性生物の付着を制御することに
より大型の水性生物の付着を防止せんとしたものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】水性生物の付着原理を
利用した前記方法は、絶縁体であるクロロプレンゴムや
シリコン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂などのバイ
ンダ−樹脂に導電性材料を充填して形成した導電性樹脂
層は導電性を有するが、導電性材料の分散状態や樹脂層
の形成条件などによって、導電性樹脂表面には部分的に
非導電性の箇所が形成される。この非導電性部分に付着
した水性生物は電気化学的に制御ができず、局部的にス
ライム層が形成されその後微生物層が形成される。更
に、形成された微生物層に大形の水性生物が付着するこ
とから、付着防止効果の維持時間が短くなる等の問題が
あり、改善の余地が残されていた。
【0006】本発明は上記問題に鑑みなされたものであ
って、水性生物の電気化学的な制御において導電性樹脂
層を形成するための導電性組成物およびそれを用いた防
汚方法を提供することを目的とし、水性生物の付着を防
止するための導電性を有する樹脂層を形成する導電性組
成物であって、少なくともバインダ−樹脂と導電性充填
剤と抗菌性を有する物質とからなる水性生物付着防止用
導電性組成物を第1の要旨とし、第1の要旨において、
抗菌性を有する物質が無機物または有機物である水性生
物付着防止用導電性組成物を第2の要旨とし、第1の要
旨において、抗菌性を有する物質が金属単体や金属化合
物や有機物からなり、この抗菌性を有する物質を無機物
に担持させた水性生物付着防止用導電性組成物を第3の
要旨とし、少なくとも水との接触面に形成された導電性
樹脂層が、少なくともバインダ−樹脂と導電性充填剤と
抗菌性を有する物質を含み、その導電性樹脂層に正電位
もしくは負電位又は正電位と負電位を交互に印加するこ
とを特徴とする水性生物付着防止用導電性組成物を用い
た防汚方法を第4の要旨とし、第4の要旨において、抗
菌性を有する物質が無機物または有機物である水性生物
付着防止用導電性組成物を用いた防汚方法を第5の要旨
とし、第4の要旨において、抗菌性を有する物質が金属
単体や金属化合物や有機物からなり、この抗菌性を有す
る物質を無機物に担持させた水性生物付着防止用導電性
組成物を用いた防汚方法を第6の要旨とするものであ
る。
【0007】以下、本発明についてさらに詳述する。本
発明に用いられるバインダ−樹脂としては、熱可塑性樹
脂或いは、常温で乾燥もしくは反応硬化するもの、加熱
して硬化するものであって、有機溶剤型、水溶性型、エ
マルジョン型樹脂であればよい。熱可塑性樹脂或いは常
温で乾燥もしくは反応する硬化樹脂としては、天然ゴ
ム、NBR、SBR、クロロプレンゴム、アクリロニト
リルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリ塩
化ビニル樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレ
ン及びポリエチレンエラストマ−樹脂、ポリプロピレン
及びポリプロピレンエラストマ−樹脂、ウレタン及びウ
レタンエラストマ−樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、酢ビ−
アクリル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂などが挙げられる。
【0008】加熱して硬化する樹脂としては、熱硬化性
アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、タ−ル変
成ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリエステル変成フッ素樹脂、シリコン樹脂、アル
キッド樹脂などが挙げられる。又、水性生物の付着を抑
制する上では疎水性の高い樹脂を用いることがより好ま
しい。
【0009】次に、導電性充填剤について説明する。導
電性充填剤としては、カ−ボンブラック、グラファイ
ト、アセチレンブラック等の炭素材料、金、銀、パラジ
ウム、ニッケル、ステンレス、銅などの金属材料、酸化
錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化鉄、マンガ
ン酸化物の酸化物などが一種もしくは二種以上混合して
用いられる。又、これらの導電性充填剤がマイカ、ナイ
ロン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、シリ
コン樹脂、アクリル樹脂などの樹脂粉体、アルミナ、酸
化チタン、酸化ケイ素などの酸化物の粉体表面を被覆し
た複合粉体であってもよい。これらの導電性充填剤の形
状は無定型、球状、鱗片状、繊維状など種々のもが使用
可能である。又、粒子径は0.01μmから200μm
程度であればよい。尚、導電性充填剤はバインダ−樹脂
固形分に対して20〜60重量%充填することが好まし
い。
【0010】更に、抗菌性を有する物質について説明す
る。抗菌性を有する物質としては、無機物、有機物が挙
げられ、無機物としては、銀、銅、ニッケル、亜鉛、
鉛、ゲルマニウム等の金属であり、これらは酸化物、酸
素酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、有機キレ−
ト化合物などであってもよい。有機物としては、2−
(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾ−ル、4,5,
6,7−テトラクロル−2−トリフルオロメチルベンズ
イミダゾ−ル、10,10’−オキシスフェノキシアル
シン、トリメトキシシリル−プロピリオクタデシルアン
モニウムクロライド、2−N−オクチル−4−イソチア
ゾリン−3−オン、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキ
シド)亜鉛などが挙げられる。
【0011】これらの抗菌性を有する物質は、単独もし
くは2種類以上混合して導電性組成物中の樹脂固形分に
対して0.00001〜10重量%程度充填すればよい
が、好ましくは0.1〜5重量%含まれていればよく、
又、抗菌作用を長時間維持させるためには、イオン交換
能や吸着性を有する無機物に抗菌性を有する物質を担持
させ、導電性組成物に充填すればさらによい。イオン交
換能や吸着性を有する無機物としては、アルミナ、ゼオ
ライト、ヒドロキシアパタイト、活性炭、シリカまたは
シリカゲル、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、
メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、メタ珪酸アルミン酸
カルシウム、珪酸カルシウム、アルミン酸マグネシウ
ム、アルミン酸カルシウム、チタン酸カリウム、チタン
酸カルシウム等が好ましい。これらの無機物の形状は限
定されるものではなく、粒子径は0.1〜200μm程
度であればよい。又、抗菌性を有する物質はこれらの無
機物へ2種類以上混合して担持してもよい。
【0012】又、無機物に抗菌性を有する物質を担持し
たものとしては、抗菌剤として市販されているものを用
いてもよく、その例としては、(株)サンギ製「アパタ
イザ−A」、大日精化工業(株)製「ダイキラ−」、新
東工業(株)製「抗菌セラッミクス」、松下電器産業
(株)製「アメニトップ」、東亜合成(株)製「ノバロ
ン」、触媒化成工業(株)製「アトミ−ボ−ル」、カネ
ボウ化成(株)製「バクテキラ−」、品川燃料(株)製
「ゼオミック」等が挙げられ、これらの抗菌剤はバイン
ダ−樹脂固形分に対して0.1〜10重量%充填すれば
よい。
【0013】更に、電気化学的な水性生物の制御を高め
るために、水性生物と電極との電子移動を促進させる物
質(電子メディエ−タ−)を導電性組成物に充填しても
よい。電子メディエ−タ−の例としては、フェロセン、
フェロセンモノカルボン酸、フェロセンジカルボン酸又
は〔(トリメチルアミン)メチル〕フェロセン等のフェ
ロセン又はその誘導体、H4Fe(CN)6、K4Fe
(CN)6又はNa4Fe(CN)6等のフェロシアン
類、およびその他化合物、例えば、2,6−ジクロロフ
ェノ−ルインド−ル、フェナンジンメトサルフェート、
ベンゾキノン、フタロシアニン、ブリリアントクレジル
ブ−、カロシアニン、レゾルシン、チオニン、N,N−
ジメチル−ジスルフォネイティド・チオニン、ニュ−メ
チレンブル−、トブシンブル−O、サフラニン−O、
2,6−ジクロロフェノ−ルインドフェノール、ベンジ
ルビオロゲン、アリザリンブリリアントブル−、フェノ
シアジノン、フェナジンエトサルフェ−ト等を挙げるこ
とができる。
【0014】以上、導電性組成物について詳述したが、
次に導電性樹脂層の形成方法について説明する。導電性
樹脂層は基材に直接導電性組成物をスプレ−する方法や
刷毛塗り、ロ−ルコ−タ−法で塗布し、必要に応じて加
熱乾燥し形成する場合と、予め、導電性組成物をシ−ト
状にして、基材上に接着剤を介して固定する方法が挙げ
られる。この場合、基材が不導体の場合には、予め無電
解めっき法やイオンプレ−ティング、スパッタリング、
真空蒸着法により基材表面に金属層を形成するか、或い
は導電性樹脂シ−トの基材に対する接着面に金属層を同
様の方法で形成すれば導電性樹脂表面の電位が均一化す
るので好ましい。
【0015】次に導電性樹脂層を用いた防汚方法につい
て説明する。本方法においては、導電性樹脂層を作用極
とし、その作用極に対して導電性を有する材料からなる
対極を設置し、作用極と対極との間に直流電源(整流
器)を用いて電位を印加すればよく、又、参照極を用い
て電位を制御してもよい。作用極への印加電位は正電位
の場合では0〜5Vvs.SCE、負電位の場合では0
〜−5Vvs.SCEであればよく、又、正電位と負電
位を交互に印加する場合でも同様の範囲で電位を変換さ
せればよい。
【0016】本発明では、水性生物を含む水中において
導電性樹脂層に0〜5Vvs.SCEの正電位を印加す
ると、該樹脂層表面に付着した水性生物が殺菌され、
又、局部的な非導電性部分に付着した水性生物は抗菌剤
の作用により殺菌されることから、スライム層の形成や
生物層の形成が阻止でき、大型生物の付着が防止でき
る。
【0017】又、0〜−5Vvs.SCEの負電位を印
加した場合では、導電性樹脂層に接近する水性生物は電
気的な反発により付着できなくなり、更に、付着しても
抗菌剤の作用により殺菌されることからスライム層の形
成や微生物層の形成が阻止でき、大型生物の付着が防止
できる。
【0018】更に、正電位と負電位を交互に印加した場
合では、導電性樹脂層に付着した水性生物は正電位によ
り殺菌され、更に、負電位を印加することにより殺菌さ
れた水性生物が脱離され、又、局部的な非導電性部分に
付着した水性生物は抗菌剤の作用により殺菌されること
からスライム層の形成や生物層の形成が阻止でき、大型
生物の付着が防止できる。
【0019】
【作用】本発明は、導電性樹脂層に正電位もしくは負電
位又は正電位と負電位を周期的に交互に印加し、微生物
を殺菌もしくは殺菌した微生物を脱離させることにより
微生物の付着を防止するための導電性樹脂層に抗菌剤が
含まれていることから、導電性を有する部分では電位印
加により付着した水性生物が殺菌または脱離され、更
に、局部的な非導電性部分に付着した水性生物は抗菌剤
により殺菌されることから、長期間にわたり防汚効果が
保持されるものである。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。尚、以下の実施例は図1に示した装置を用いた。即
ち、試験槽1にはポリエステル基板2上に形成された導
電性樹脂層電極3が配置されており、該導電性樹脂層電
極3はポテンショスタット4と連結している。このポテ
ンショスタット4は試験槽1に配置された参照極5およ
び対極6と各々連結している。又、ポテンショスタット
4は関数発生器7と連結している。試験槽1には500
mlの滅菌海水が入っており、又、底部には撹拌装置8
および撹拌棒9が配置されている。尚、参照極5には飽
和甘コウ電極(SCE)を、対極6には白金板を用い
た。
【0021】〈実施例1〉 <導電性樹脂層の作製>バインダ−樹脂としてタ−ル変
成ウレタン樹脂((株)吉田製油所製)をキシレンで溶
解し、樹脂固形分を40重量%に調整した。これに粒子
径5μmのグラファイト(日本黒鉛(株)製)を樹脂固
形分に対して30重量%、0.1μmのパラジウム
((株)徳力化学研究所製)を20重量%、抗菌剤(松
下電器産業(株)製アメニトップ)を樹脂固形分に対し
て1.0%をボ−ルミルで分散し充填することにより導
電性組成物を得た。得られた導電性組成物と専用硬化剤
を2:1の重量比で混合し、30mm×60mm、厚さ
1.0mmのポリエステルプレ−ト上にスプレ−法で導
電性樹脂層を形成後、120℃、60分乾燥し、導電性
樹脂層の厚さが50μmで比抵抗値が0.041Ω−c
mの導電性樹脂電極を得た。得られた導電性樹脂電極を
Aとした。
【0022】〈実施例2〉 <導電性樹脂層の作製>バインダ−樹脂としてスチレン
系エラストマ−樹脂(三菱化学(株)製)をキシレンで
溶解し、樹脂固形分を25重量%に調整した。これにパ
ラジウムで被覆された粒子径5μmのナイロンビ−ズ
(ナイロンビ−ズは東レ(株)製SP−500)を樹脂
固形分に対して40重量%と0.016μmのカ−ボン
ブラック(三菱化成(株)製#3600)を10重量
%、抗菌剤(大日精化工業(株)製ダイキラ−)を樹脂
固形分に対して0.5%、電子メディエ−タ−としてフ
ェロセンを3重量%添加し、3本ロ−ルにて分散し充填
しすることにより導電性組成物を得た。尚、パラジウム
で被覆された粒子径5μmのナイロンビ−ズは次の方法
で作製した。ナイロンビ−ズを10%塩酸に分散しエッ
チング処理を行い、その後濾過し水洗後一般公知のセン
シタイザ−、アクチベ−タ−によりパラジウムコロイド
を吸着させた。その後、無電解パラジウムめっき液(石
原産業(株)製)に該ナイロンビ−ズを分散し、50
℃、50分処理することによりパラジウム被覆ナイロン
ビ−ズを得た。得られた導電性組成物を30mm×60
mm、深さ0.2mmの型に流し込み、60℃、10時
間加熱することにより、厚さ0.1mm、比抵抗値0.
74Ω−cmの導電性樹脂シ−トを得た。得られた導電
性樹脂シ−トを実施例1で用いたポリエステルシ−トに
エポキシ系接着剤で固定した。得られた導電性樹脂電極
をBとした。
【0023】実施例で得られた導電性樹脂電極の耐久性
を、耐水性と電位印加による劣化で評価した。耐水性は
90℃のイオン交換水に30分浸漬し、導電性樹脂表面
状態の変化を目視で観察し、密着性はJIS K 54
00に基づき評価した。結果は碁盤目100個中の剥離
しなかった個数で示した。比抵抗値は4端子抵抗測定装
置(KEITHLEY社製)で測定した。また電位印加
による導電性樹脂層の劣化は図1に示した装置を用い、
滅菌海水中に導電性樹脂電極を設置し、+2Vvs.S
CEで30分/−2Vvs.SCEで30分のパルス電
位を連続して30日間印加し、表面状態の変化を目視で
観察し、又、重量変化と比抵抗値を評価した。その結果
を表1(耐水性)と2(電位印加による経時劣化)に示
す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】〈実施例3〉 <殺菌実験>海洋付着細菌ビブリオ・アルギノリチクス
(Vibrio・alginolyticus:ATC
C 17749)を、マリンブロス(Marine b
roth)2216(DIFCO Laborator
y社製)中で25℃、10時間好気的に培養した。培養
後の菌体を遠心集菌し、その後滅菌海水で洗浄後滅菌海
水中に懸濁させ、菌数をヘマタイトメ−タ−にてカウン
トし、1×108cel l/ml濃度の菌体懸濁液を
200ml作製した。次に導電性樹脂層を形成したポリ
エステルシ−トをこの懸濁液に室温で90分間浸漬し導
電性樹脂表面に菌体を付着させ、試験槽1に入っている
500mlの滅菌海水中に浸漬し、200rpmの撹拌
速度で滅菌海水を撹拌しながら殺菌実験を行った。電位
印加条件は、(1)電位印加しない、(2)+1.0V
vs.SCEで12時間、(3)+0.6Vvs.SC
Eで12時間、(4)+2.0Vvs.SCEで12時
間、(5)+1.0Vvs.SCEで30分/−0.6
Vvs.SCEで60分のパルス電位を12時間、
(6)−0.6Vvs.SCEで12時間の6通りで行
った。その後、新しい10mlの滅菌海水中でマイクロ
ピペッタ−を用いて導電性樹脂表面を3分間ピペッティ
ングし、付着した菌を海水中に遊離させた。この海水を
適当な濃度に希釈し、0.7%の寒天を含むマリンブロ
スに混合した。その後、室温で24時間培養し、出現し
たコロニ−を計数することにより、導電性樹脂表面に付
着した生存菌体数を求め、結果は抗菌剤を含まない導電
性樹脂電極に電位を印加しない場合を100とした相対
値で示した。その結果を表3、4に示す。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】〈比較例1〉実施例1と同様の条件で抗菌
剤を含まない導電性樹脂を形成した。殺菌実験は実施例
2と同様の条件で行った。得られた導電性樹脂電極をC
とした。その結果を表5に示す。
【0030】
【表5】
【0031】
【発明の効果】本発明は、実施例、比較例の結果が示す
ように、抗菌剤を含む導電性樹脂に電位を印加すること
により、導電性樹脂表面に付着した海洋付着細菌を殺菌
または脱離することができ、又、導電性樹脂表面の局部
的な非導電性部分に付着した水性生物は抗菌剤の作用に
より殺菌されることから、水性生物によるスライム層や
微生物層の形成が阻止でき、更に、大型生物の付着が防
止できるので、長期的に水中構造物の防染を防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例、比較例に用いた防汚効果確認試験装置
を示す。
【符号の説明】
1 試験層 2 基板 3 導電性樹脂層電極 4 ポテンショスタット 5 参照極 6 対極 7 関数発生器 8 撹拌装置 9 撹拌棒

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性生物の付着を防止するための導電性
    を有する樹脂層を形成する導電性組成物であって、少な
    くともバインダ−樹脂と導電性充填剤と抗菌性を有する
    物質とからなる水性生物付着防止用導電性組成物。
  2. 【請求項2】 抗菌性を有する物質が無機物または有機
    物である請求項1記載の水性生物付着防止用導電性組成
    物。
  3. 【請求項3】 抗菌性を有する物質が金属単体や金属化
    合物や有機物からなり、この抗菌性を有する物質を無機
    物に担持させた請求項1記載の水性生物付着防止用導電
    性組成物。
  4. 【請求項4】 少なくとも水との接触面に形成された導
    電性樹脂層が、少なくともバインダ−樹脂と導電性充填
    剤と抗菌性を有する物質を含み、その導電性樹脂層に正
    電位もしくは負電位又は正電位と負電位を交互に印加し
    た水性生物付着防止用導電性組成物を用いた防汚方法。
  5. 【請求項5】 抗菌性を有する物質が無機物または有機
    物である請求項4記載の水性生物付着防止用導電性組成
    物を用いた防汚方法。
  6. 【請求項6】 抗菌性を有する物質が金属単体や金属化
    合物や有機物からなり、この抗菌性を有する物質を無機
    物に担持させた請求項4記載の水性生物付着防止用導電
    性組成物を用いた防汚方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002143859A (ja) * 2000-11-08 2002-05-21 Nittetsu Corrosion Prevention Co Ltd 水中構造物の防汚方法および防汚装置

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