JPH083027B2 - 摩擦摩耗特性の優れたポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

摩擦摩耗特性の優れたポリアセタール樹脂組成物

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JPH083027B2
JPH083027B2 JP1161814A JP16181489A JPH083027B2 JP H083027 B2 JPH083027 B2 JP H083027B2 JP 1161814 A JP1161814 A JP 1161814A JP 16181489 A JP16181489 A JP 16181489A JP H083027 B2 JPH083027 B2 JP H083027B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリアセタール樹脂組成物に係り、詳しくは
スクリュー食い込み性に優れ、しかも摩擦、摩耗特性の
優れた成形体になるポリアセタール樹脂組成物に関す
る。
(従来技術) 一般にポリアセタールは金属に比較して自己潤滑性に
優れ、低摩擦係数で摩擦、摩耗特性が良く、軽量で駆動
等の騒音が小さいため、軸受、歯車、ローラー、カム、
ガイドレール等の無給油部品として極めて有用である。
ナイロン6、66等と比較して平衡吸水率が極めて小さい
ため、寸法安定性が良く、吸水による機械的物性の低下
が非常に小さいので、その用途は多方面にわたってい
る。
しかしながら摺動部品としてみた場合、限界PV値が比
較的低いため、低負荷の用途に限定されている。
尚、ここでいう限界PV値とは一般に軸受材料が、ある
一定の面圧P(kg/cm2)と周速V(m/min)以上になる
と材料が融けたり、焼け付いたりする負荷の限界を示
す。従って、限界PV値が大きい程、摩擦、摩耗特性は良
好であり高負荷に耐えることを意味する。
このため、従来からポリアセタールの摩擦、摩耗特性
を改善するために二硫化モリブデン、グラファイト、四
フッ化エチレン微粉末、オイル、ワックス等の潤滑剤を
添加することが行なわれている。
また、オイル、ワックスの様な成形中に液状である潤
滑剤を添加する場合にはオイル、ワックス、を予め活性
炭やポリノルボルネン等の給油体に含油させた後、溶融
混合していた。
(発明が解決しようとする課題) しかし、潤滑剤として二硫化モリブデン、グラファイ
トを使用すると樹脂の色が黒色に限定されるばかりでな
く、四フッ化エチレン微粉末やオイル、ワックスを使用
した場合に比べて、摩擦、摩耗特性の向上の効果は小さ
かった。
また、四フッ化エチレン微粉末を使用しても二硫化モ
リブデン、グラファイトよりも滑剤としての効果はある
ものの、オイル、ワックス類よりは劣っており、且つ高
価であるという問題点を有していた。一方、オイル、ワ
ックス類を使用すると摩擦摩耗特性の点で優れている
が、射出成形、押出成形をしようとすると、成形機スク
リューへの樹脂食い込み性が悪く、また得られた成形品
の表面がべとつくという問題があった。
更に、オイル、ワックス類を活性炭やポリノルボルネ
ン等の吸油体に含油させる方法のうち活性炭を吸油体と
して使用すれば、樹脂が黒色に限定されてしまい、また
活性炭が摩擦、摩耗特性の点でマイナス因子になってい
た。他方、ポリノルボルネンを吸油体として使用すれ
ば、ポリノルボルネンが主鎖中に二重結合を有している
ため耐熱性に劣り、且つポリノルボルネン系エラストマ
ー自身が摩擦、摩耗特性の点で活性炭と同様もしくはそ
れ以上にマイナス因子となるという問題点があった。
本発明は上記の課題を解消し、加工時のスクリュー食
い込み性、熱安定性を改善し、しかも摩擦、摩耗特性の
優れた成形体になるポリアセタール樹脂組成物を提供す
ることを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 即ち、本発明の特徴とするところはポリアセタール樹
脂組成物において、ポリアセタール100重量部にエステ
ル系オイルと流動パラフィンを合わせた量が1〜20重量
部になるように含有させ、且つエステル系オイルと流動
パラフィンの重量比が1/50〜20/1であり、前記エステル
系オイルがDOP(ジオクチルフタレート)、DOA(ジオク
チルアジペート)、DOS(ジオクチルセバケート)から
選ばれてなる少なくとも一種であることを特徴とする。
また、上記三種のエステル系オイルはその構造と炭素
数の関係でポリアセタールに対して適度な相溶性を示
し、ポリアセタールと完全に相溶して成形品の表面に潤
滑剤としてでてこないといったこともなく、逆に相溶性
の不足でポリアセタール中に混ぜることができないとい
う問題や成形時のスクリュー食込性の関係で十分な量を
添加できないといった問題もない。
尚、本発明のポリアセタール樹脂組成物は種々の形態
を有するものであり、例えば所定の成分を配合した混合
物を押出機にて溶融混練りして得られたペレットであ
り、また前記ペレットを用いて射出成形機、押出成形機
等にて丸棒、筒状、板状等の所定形状に作成した成形
体、あるいは所定成分を配合した混合物であって、未だ
溶融固化していないものを含む。
本発明で用いるポリアセタールはホモポリマーCH2
−O、コポリマーCH2OCH2−CH2−O
いずれでもよく、数平均分子量20,000〜100,000を有し
ている。
本発明で使用する流動パラフィンは、沸点的には潤滑
油留分に属する極めて純度の高い液状飽和炭化水素の化
合物であり、ポリアセタールに潤滑性を付与する。エス
テル系オイルは、 DOP(ジオクチルフタレート) DOA(ジオクチルアジペート) DOS(ジオクチルセバケート) が、挙げられるがこれらエステル系オイルはポリアセタ
ールの潤滑剤としても作用するが、流動パラフィンの相
溶化剤(界面活性剤)としても作用し、流動パラフィン
をポリアセタール中に均一に分散させる機能を有してい
る。そして、この流動パラフィンが摩擦摩耗特性に詳め
て著しい効果を発揮することが認められた。これらエス
テル系オイルは単独または2種以上混合して相溶化剤と
して用いても良い。エステル系オイル/流動パラフィン
の比率は1/50〜20/1が好ましい。1/50以下では、相溶化
が不十分となり、ポリアセタール中からの流動パラフィ
ンのブリードが著しくスクリューへの食い込み性が悪く
なる。20/1以下では流動パラフィンの比率が小さ過ぎて
流動パラフィンの摩擦面への供給が不十分である。
これらオイルは、ポリアセタール100重量部に対して
1〜20重量部添加されるが、1重量部未満では十分な摩
擦、摩耗特性が得られない。また、20重量部を越えると
ポリアセタールが本来有する機械的特性が損なわれて実
用上好ましくない。また、本発明組成物は上記ポリアセ
タール樹脂、オイル及び流動パラフィンを通常の押出機
で混練することによって得ることができる。この押出成
形、射出成形での押出温度は190〜210℃の範囲が好まし
い。190℃より低い温度で押し出すと、樹脂が硬くスク
リューに食い込みにくい。また、210℃より高い温度で
押し出すと、樹脂が焼けたり分解し易くなるので適当と
は言えない。
尚、上記エステル系オイルと流動パラフィン以外にも
目的に応じて、フッ素樹脂微粉末、超高分子量ポリエチ
レン微粉末、二硫化モリブデン、グラファイト、シリコ
ーンオイル等の潤滑剤、また充填剤、補強材、各種添加
材や着色剤を用いて実施することも可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳述するが、これら
の実施例のみに限定するものではない。
実施例1 DOA/流動パラフィンの比率が3/4、になる様に予め混
合オイルを作っておく。2軸押出機にてPOM(ウルトラ
ファルムH2320 BASF(株)製)を溶融混練する際、ベ
ント孔よりポンプにてPOM100重量部に対して上記混合オ
イルが3.5重量部含有する様に調整した。得られたペレ
ットを用いて射出成形機で試験片を作成し、射出成形機
スクリューへの食い込み性と得られた成形対の摩擦摩耗
特性を測定した。
表1にスクリュー食い込み性と結果を示す。
尚、摩擦摩耗特性は松原式スラスト試験より測定した
が、この場合測定条件は次の通りであった。
速度:V−30m/min 相手材:S45C 実施例2 実施例1において、DOA/流動パラフィンの比率を3/2
にし、POM100重量部に対して上記混合オイルを5重量部
含有する以外は実施例1と全く同様にして試験片を作成
し物性を測定した。結果を表1に示す。
比較例1 実施例1において混合オイルの替わりに流動パラフィ
ンを用いた以外は実施例1と全く同様にしてペレットを
得た。得られたペレットを射出成形機にて試験片を作成
しようとしたが、スクリューに食い込まず試験片を得る
事が出来なかった。
比較例2〜3 実施例において混合オイルの替わりにDOAを用いた以
外は実施例と全く同様にしてペレットを得た。得られた
ペレットを射出成形機にて試験片を作成し、物性を測定
した。結果を表1に示す。
比較例4 POM(ウルトラフォルム H2320 BASF(株)製)を2
軸押出機で混練しペレットを得た。射出成形機で試験片
を作成して物性を測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1と比較例3の面圧と動摩擦係数の関係
を図1に示す。
表1より比較例1はエステル系オイルを加えていない
為、射出成形機スクリューへペレットが食い込まず流動
パラフィンがポリアセタールへ均一に分散されていない
ことがわかる。比較例2、3からエステル系オイルのみ
では、摩擦摩耗特性の向上はあまりみられず、実施例と
比べると比較例4とほとんど変わらない。
(効果) 本発明のようにポリアセタールにジオクチルフタレー
ト、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケートから
選ばれてなる少なくとも一種のエステル系オイルと流動
パラフィンを含有させることによって、流動パラフィン
はポリアセタールの摩擦摩耗特性を向上させ、エステル
系オイルは摩擦摩耗特性を向上させるとともに流動パラ
フィンとポリアセタールの相溶剤として働き、射出成形
機スクリューへの食い込み性を損なう事なく摩擦摩耗特
性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1と比較例3の面圧と働摩擦係数の関係
を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアセタール100重量部にエステル系オ
    イルと流動パラフィンを合わせた量が1〜20重量部にな
    るように含有させ、且つエステル系オイルと流動パラフ
    ィンの重量比が1/50〜20/1の範囲であり、前記エステル
    系オイルがジオクチルフタレート、ジオクチルアジペー
    ト、ジオクチルセバケートから選ばれてなる少なくとも
    一種であることを特徴とする摩擦摩耗特性に優れたポリ
    アセタール樹脂組成物。
JP1161814A 1989-06-22 1989-06-22 摩擦摩耗特性の優れたポリアセタール樹脂組成物 Expired - Fee Related JPH083027B2 (ja)

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