JPH08309906A - 滑り防止特性を有する容器用シート - Google Patents

滑り防止特性を有する容器用シート

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JPH08309906A
JPH08309906A JP7345433A JP34543395A JPH08309906A JP H08309906 A JPH08309906 A JP H08309906A JP 7345433 A JP7345433 A JP 7345433A JP 34543395 A JP34543395 A JP 34543395A JP H08309906 A JPH08309906 A JP H08309906A
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弘明 三鴨
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昭一 川瀬
Hideaki Tsukada
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 滑り防止効果を有する容器用シートの提供。 【解決手段】 (イ)透明な無機又は有機粒子と合成樹
脂バインダーの混合体、(ロ)軟化点が100℃以上で
ある合成樹脂の発泡性中空粒子、の2成分を含有する塗
工層を、基材の片面に設けた容器用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は滑りを防止した箱、
或いは袋等の容器を製造するためのシートに関し、特に
製函、製袋或いは段ボール貼合の前に、あらかじめ滑り
防止剤を塗工してある容器用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】パレットに積まれた箱、或いは袋の荷く
ずれを防ぐために、滑り防止剤を、或いは袋に塗工する
ことは従来行われている。軟質の樹脂或いはゴムを塗工
し、そのタック製で滑りを防止する方法と、無機粒子を
バインダーと共に塗工する方法が知られている。具体的
には、(1) 軟質の樹脂、ゴムの溶液又は分散液を塗布・
乾燥する方法、(2) 上記に加えて、軟質の合成樹脂から
成る発泡性中空粒子を混合し、塗布・乾燥する方法、
(3) 凹凸の大きな無機粒子をバインダーと共に塗布・乾
燥する方法である。(1) の例としては特開昭48-60090号
公報に、アタクチックポリプロピレン又はエチレン・酢
酸ビニル共重合体を段ボール箱に塗工する方法が開示さ
れている。(2) の例としては実開昭57-29323号公報に、
紙又はシートに発泡性塗料を成層した滑り止め紙が開示
され、更に特開昭60-21419号公報には、バインダー中に
熱可塑性樹脂の中空球体を分散して塗布・乾燥し、その
中空球体の弾性効果により、著しく滑り防止効果をあげ
る技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法では、製函
又は製袋後に塗布・乾燥することが通例であったが、原
紙への印刷工程、或いは抄紙工程などの容器成形(製
函、製袋の工程を総称して容器成形と称する)前の段階
で塗工できれば、工程の簡略化とエネルギー資源の節約
ができることになる。しかしながら、容器成形前の原紙
の段階で塗工すると、(1) 、(2) の方法では製函、製袋
の時、或いは段ボール貼合の時に熱を受けた塗工物が粘
着性となり、ロール或いはベルトなどに付着するトラブ
ルを生じる。また特に(2) の方法においては、軟質ポリ
マーの中空粒子が著しく発泡し、印刷の美粧性を損なう
という欠点がある。また、必ずしも後工程で熱がかから
ない場合でも、例えば袋用のクラフト紙に粘着性のある
樹脂を塗工したものの巻取は、ブロッキングを起こし易
い。(3) の方法では軟質のバインダーを用いれば、上記
と同様の欠点があり、硬質の(比較的軟化点の高い)樹
脂をバインダーとして用い、無機粒子の凹凸の効果で滑
り防止をする場合は、粘着物の付着の問題はなくなる
が、粒子により後工程のロールを傷つけたり、粒子がは
がれ落ちたりする問題がある。バインダーにタック性が
ない場合、滑りを防止するためには凹凸のある粒子を多
量に必要とするので、印刷の美粧性を損なう点も問題と
なる。従って、巻取時にブロッキングせず、後工程で熱
による粘着物の付着の心配がなく、粒子がはがれ落ちた
り、ロールを傷つけたりすることがなく、更には印刷の
美粧性を損なうことのない滑り防止特性を有する容器用
シートの開発が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決するため、鋭意研究を行った結果、本発明を完成
するに至った。本発明の滑り防止特性を有する容器用シ
ートは、基材の片面に、下記の(イ)(ロ)に示す成分
を含有する塗工層を設けて成る。 (イ)粒子径が2μm以下の透明な無機又は有機粒子を
全塗工層中の重量比率20〜40%の範囲に保持した上
で、合成樹脂バインダーと混合し、かつその混合体の流
動開始温度を100℃以上としたもの。 (ロ)重量比率で全塗工層の0.5〜2%を占める軟化
点が100℃以上である合成樹脂の発泡性中空粒子。
【0005】
【発明の実施の形態】中空粒子は、本発明の容器用シー
トの段階では必ずしも発泡していなくても良く、また一
部又は全部が発泡した状態であっても良い。本発明に用
いられる透明な無機粒子としては、各種のシリカがあげ
られる。また透明な有機粒子としては、たとえばポリス
チレンなどの合成樹脂粉末が用いられる。本発明の滑り
防止特性を与える層は、各種コーターによる塗工層が普
通であるが、含浸、スプレーなどにより形成される層で
あってもよい。透明な無機又は有機粒子は、塗工層の表
面に微小の凹凸を多数作り、ブロッキング防止、滑り防
止を行うために、全塗工層中の重量比率で20%以上必
要であり、下層に施される印刷の美粧性を損なわないた
めに、40%以下にする必要がある。高温に於ける塗工
層全体の流動を防ぎ、中空粒子の発泡による凹凸が流れ
てしまわないようにするためにも必要である。合成樹脂
バインダーは、本発明のシートが製造され、使用される
全工程の最も高い温度において流動を起こしてはならな
い。通常、塗工や印刷の乾燥工程は、低くても100℃
程度であり、高い場合は140℃程度である。また、段
ボールのダブルバッカー側の貼合時の紙の表面温度は、
高い場合でも160℃程度である。従って、少なくとも
100℃程度で流動を起こさない塗層が必要である。使
用時の流動は樹脂単独ではなく、粒子と混合したもので
評価する必要がある。熱可塑性樹脂の温度による変化の
状態は、ガラス状領域、ガラス転移領域、ゴム状領域、
流動域の4つに分けられるが、本発明に使用できる樹脂
は、粒子を混合した状態で、100℃以上、好ましくは
100〜160℃の温度で、ゴム状領域にある必要があ
る。4つの領域のどこにあるかは、測定するタイムスケ
ールにより異なるが、通常の作業における粘着性を問題
にしているので、温度を上昇させながら測定する0.1
〜1秒程度のタイムスケールの動的粘弾性測定で、緩和
弾性率が106 〜107 dyn/cm2 の間で、その温
度変化が少なく、流動を起こす前の領域をゴム状領域と
定義する。そして、緩和弾性率が106 dyn/cm2
以下に急激に低下する温度を、本発明の流動開始温度と
する。樹脂そのものの性質として100〜160℃の間
にゴム状領域を持つものは多いが、そのような樹脂は常
温において硬い皮膜であり、滑り防止剤としては好まし
くない。常温においても柔らかいものを選ぶ必要があ
る。従って、ガラス転移温度が、−30℃〜10℃程度
の樹脂をモノマー単位で、50〜100に1個くらいの
割合で架橋させ、高温においても流動を起こさずにゴム
状領域を保つようにしたものでなくてはならない。この
ような例として、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル
酸エチル、スチレン・ブチルアクリレート共重合体(ス
チレン50%以下)、酢酸ビニル・ブチルアクリレート
共重合体(酢酸ビニル80%以下)、メチルメタクリレ
ート・エチルアクリレート共重合体(エチルアクリレー
ト50%以上)などのアクリル系共重合体に、架橋反応
を起こし得る官能基をモノマー比で0.5〜1.5%共
重合させたものがある。前記の官能基の例としては、エ
ポキシド基、酸無水物、アミノ基、カルボキシル基、水
酸基、アミド基、イソシアネート基などがあり、これら
の中で相互に反応し得る1組を選んで使用すれば良い。
その他、上記の反応性モノマーを共重合したポリアクリ
ル酸エステル等の共重合体にシランカップリング剤を用
いてシリカ微粒子の表面と結合させ、シリカ微粒子に架
橋剤としての役割をさせることもできる。また、ガラス
繊維表面をTiCl4 やSnCl4 のようなルイス酸で
処理、活性化すると、ガラス表面のシラノール基とルイ
ス酸とのコンプレックスによってカチオン重合が開始さ
れ、スチレンやエポキシ樹脂がグラフト重合する方法が
あるので、本発明のシリカ微粒子等にこの方法を適用し
てもよい。合成樹脂バインダーの使用量は、塗工層の6
0〜90重量%である。本発明に用いる熱発泡性の合成
樹脂中空粒子は、本発明のシート或いはそれを使用する
時点で発泡を起こさせ、大きな凹凸を作り、滑り防止効
果を出すために必要である。前記した合成樹脂バインダ
ーと微粒子のみでは充分な滑り防止性を得ることができ
ず、例えば滑り傾斜角45°のものを得るためには、合
成樹脂発泡性中空粒子を加える必要がある。合成樹脂発
泡性中空粒子としては、例えば、スチレン、メタクリル
酸エステル、アクリロニトリル・塩化ビニリデン共重合
体などが用いられ、本発明のおいては印刷の乾燥工程な
どで流動して凹凸が小さくならないよう、軟化点が10
0℃以上の樹脂の粒子を用いる必要がある。ここでいう
軟化点は、ASTM-D1525で定義されるリカット軟化点であ
る。中空粒子の粒径は2〜20μmのものが好ましく、
全塗工層中の重量比で0.5〜2%の添加量が必要であ
る。0.5%以下では滑り防止効果が低く、2%以上入
れると、印刷面の白化が目立つので好ましくない。塗工
層全体の塗布量としては、全固形分重量で1〜5g/m
2 が好ましい。なお、本発明に用いる基材は段ボール原
紙、板紙、クラフト紙など直接容器になるものの他、薄
い印刷紙或いはプラスチックフィルムでも良い。本発明
の塗工層を薄いシートに設けたものは、その後厚紙に貼
り合せて用いることができる。なお、本発明者等の研究
によれば、本発明の滑り防止剤を塗布する前に澱粉等の
目止め剤をアンダーコートしておけば、同程度の滑り防
止効果を得るのに滑り防止剤の塗布量が半分ですむとい
う結果を得ており、滑り防止剤のコストダウンに寄与す
る。また、同一塗布量であれば、一層滑り防止効果を高
めることができる。
【0006】
【作用】本発明の滑り防止特性を与える塗工層の作用
は、次のように考えられる。塗布された層が後工程で熱
を受けても流動しないようにするためには、軟化点の高
い樹脂を用いなければならないが、そのような樹脂は滑
り防止効果がないので、高温で流動しないが低温でも軟
らかい樹脂を用いる必要がある。そこで、高分子物質の
粘弾性挙動におけるゴム状領域を広い温度範囲にした樹
脂を用いたのである。さらに微粒子によりミクロな凹凸
を作ると共にそれと相俟って、大きな凹凸を少量発生さ
せることにより、印刷の美観を損なわない塗工が可能に
なったものである。
【0007】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。 実施例1〜5、比較例1〜2 坪量200g/m2 の段ボール原紙(本州製紙(株)
製、PFK 200 ライナー)の表面に、5色フレキ
ソ印刷機により4色印刷を行い、最終印刷部で段ボール
箱の底部及び天部に相当する部分に、下記の表1に示す
配合の滑り防止剤を2g/m2 塗布し、フードドライヤ
ーで120℃、5秒間乾燥した。なお、配合中ポリアク
リル酸エチル系バインダーは、グリシジルアクリレート
を1モル%含有するポリエチルアクリレートと、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート1モル%含有するポリエ
チルメタクリレートのエマルジョン同志を1:1混合し
た共重合体を用いた。
【0008】
【表1】 滑 り 防 止 剤 塗 料 配 合 シリカ ポリアクリル酸エチル系 アクリロニトリル・塩化ビニリデ 重量 バインダー 重量% ン共重合体中空粒子 重量% 実施例1 30 69 1 実施例2 30 69.5 0.5 実施例3 30 68 2 実施例4 20 79 1 実施例5 38 60 2 比較例1 30 70 0 比較例2 10 89 1 得られた滑り防止剤を塗布した段ボール原紙を用いてJ
IS P8147の傾斜法によりシートの塗工面同志の
滑り始める角度を測定した結果を表2に示す。
【0009】
【表2】 段ボール原紙が滑り始める傾斜角度 単位:度 1回目 10回繰返し後 実施例1 60 55 実施例2 53 42 実施例3 60 57 実施例4 50 45 実施例5 60 58 比較例1 45 30 比較例2 42 30 表1〜表2に示すデータから明らかなように、無機粒子
20〜40重量%、中空粒子0.5〜2重量%を、アク
リル酸エステルバインダーに分散した本発明の実施例
は、いずれも滑り防止効果の合格点とされる10回繰り
返し後の傾斜角40°を越えて効果があるが、発泡性中
空粒子を配合しない比較例1、シリカ配合の少ない比較
例2のいずれも滑り防止効果が得られない。
【0010】滑り防止剤は通常、箱の天面、底面に全面
又は部分的に塗布するが、本発明においては他の滑り防
止剤と異なり、粘着性が少ないので、箱を積載、運搬す
る際の振動による隣接箱同志の移動ずれ防止のため、天
面、底面のほか、側面にも全面又は部分的に本発明の滑
り防止剤を塗布しておくことが好ましい。
【0011】
【発明の効果】本発明は上述の通り、従来の容器の滑り
防止剤を容器製造後に、改めて塗布・乾燥する加工工程
を付け加える無駄を省き、原紙抄造時或いは原紙の印刷
の段階で滑り防止特性を有する容器用シートが得られる
という大きなメリットがある。このため、従来の滑り防
止剤が塗布されているために起こっていた巻取状態での
ブロッキング、容器成形工程での粘着物の付着、凹凸を
出すための粒子の脱落或いは粒子によるロール表面傷な
どのトラブルが発生する心配がなくなった。また、未発
泡の中空粒子を多量に用いたものでは発泡して印刷面が
白化する問題があったが、本発明は少量の中空粒子を発
泡させて滑り防止効果を発現させるので、この点のトラ
ブルも解消できた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の片面に、下記(イ)(ロ)に示す
    成分を含む層を設けて成る滑り防止特性を有する容器用
    シート。 (イ)粒子径が2μm以下の透明な無機又は有機粒子を
    全塗工層中の重量比率で20〜40%の範囲に保持した
    上で、合成樹脂バインダーと混合し、かつその混合体の
    流動開始温度を100℃〜160℃としたもの。 (ロ)軟化点が100℃以上である合成樹脂の発泡性中
    空粒子。
  2. 【請求項2】 前記の発泡性中空粒子の量が、重量比で
    全塗工層の0.5〜2%の範囲にある請求項1記載の容
    器用シート。
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