JPH08314465A - 楽音信号発生装置 - Google Patents

楽音信号発生装置

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JPH08314465A
JPH08314465A JP8147809A JP14780996A JPH08314465A JP H08314465 A JPH08314465 A JP H08314465A JP 8147809 A JP8147809 A JP 8147809A JP 14780996 A JP14780996 A JP 14780996A JP H08314465 A JPH08314465 A JP H08314465A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メモリに記憶した波形を繰り返し読み出しす
るとき、周期的ノイズの発生と音色変化の単調さを防
ぐ。 【解決手段】 1波形区間が複数周期の波形から成る複
数の波形区間の波形データをメモリ5に夫々記憶し、読
み出しシーケンス制御手段6により、読み出すべき波形
区間を、所定の複数の波形区間からなる波形区間グルー
プの中からランダムに指定して順次切換え、かつ、ラン
ダム指定の対象となる波形区間グループを楽音発生時の
時間経過に従って変更する。別の読み出しシーケンス制
御手段31では、読み出すべき波形区間の切り換え順序
を複数種類予め記憶したシーケンスメモリ22を含み、
楽音発生の都度、該複数種類の切り換え順序のうちの1
つの切り換え順序を選択指定し、この選択指定した切り
換え順序に従って前記波形メモリから読み出すべき波形
区間を順次切り換えて指定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数周期の波形
を複数組予め記憶しておき、これをランダム性を持たせ
て適当な順序で切換えて読み出すことにより楽音信号を
発生するようにした楽音信号発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭52−121313号には、楽音
の発音開始から終了に至るまでの全波形を波形メモリに
記憶させておき、この波形メモリを読み出すことによ
り、自然楽器に極めて近似した高品質の楽音を発生し得
るようにした楽音信号発生装置が開示されている。その
ように全波形を波形メモリにそっくり記憶する方式では
メモリ容量が膨大となるためこれを縮減するために、同
先行出願においてはアタック部の波形はそっくり記憶し
ておくが、その後の持続部の波形は代表的な1周期波形
又は複数周期波形のみを記憶しておき、これを繰返し読
み出すようにすることも開示されている。しかし、1周
期波形を繰返し読み出す方式では音色が時間的に変化せ
ず、単調であるという問題点があり、複数周期波形を繰
返し読み出す方式ではそのような単調さは多少防げる
が、同じパターンの音色変化が繰返されることによる単
調さは避け難い。また、繰返し周期を相当長くとらない
と、繰返し周期に対応する周期的ノイズが発生するとい
う問題点が生じる。一方、所定の繰返し波形を繰返し読
み出しする際にその繰返し波形における読み出し開始ア
ドレスを1アドレス単位でランダムに切り換えることに
よりランダム性を出そうとすることも行われている(例
えば特開昭59−49597号)。しかし、読み出し開
始アドレスを1アドレス単位でランダムに切り換える程
度では、結局、同じ波形区間の波形を繰り返し使用して
いるにすぎないものであり、十分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上述の点に
鑑みてなされたもので、波形メモリに全波形の波形デー
タを記憶せずに、その一部の複数周期波形を記憶し、こ
の記憶波形を用いて比較的高品質の楽音信号を発生し得
るようにすると共に波形メモリの容量を節約するという
利点を享受する場合において、上述のような繰返し読み
出しによる周期的ノイズの問題及び音色変化の単調さの
問題を解決しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この出願の第1の発明に
係る楽音信号発生装置は、1波形区間が複数周期の波形
から成る複数の波形区間の波形データを夫々記憶した波
形メモリと、前記波形メモリから読み出すべき波形区間
を、所定の複数の波形区間からなる波形区間グループの
中からランダムに指定して順次切換えるものであり、こ
のランダム指定の対象となる波形区間グループを楽音発
生時の時間経過に従って変更する読み出しシーケンス制
御手段と、この読み出しシーケンス制御手段によって指
定された波形区間の前記複数周期波形の波形データを前
記波形メモリから読み出す読み出し手段とを具えたもの
である。
【0005】これによれば、読み出しシーケンス制御手
段は、波形メモリから読み出すべき波形区間を、所定の
複数の波形区間からなる波形区間グループの中からラン
ダムに指定して順次切換えるものであり、かつ、このラ
ンダム指定の対象となる波形区間グループを楽音発生時
の時間経過に従って変更するようにしているため、楽音
発生時の時間経過に見合った適切な波形区間グループを
ランダム指定の対象とすることができ、不自然さを感じ
させないランダム切り換え制御が可能になる、という優
れた効果を奏するものである。すなわち、この発明のよ
うな工夫をせずに完全にランダムに切り換え制御を行な
ったとすると、例えば、楽音発生開始して間もないの
に、減衰発音状態に対応する波形区間がランダム指定さ
れてしまうようなことが起こるおそれがあり、その場合
は如何にランダム切り換え制御といえども不自然さを感
じさせてしまうことになり、好ましくない。これに対し
て、この発明によれば、ランダム指定の対象となる波形
区間グループを楽音発生時の時間経過に従って変更する
ようにした工夫を講じたことにより、そのような問題を
解決できるのである。
【0006】この出願の第2の発明に係る楽音信号発生
装置は、1波形区間が複数周期の波形から成る複数の波
形区間の波形データを夫々記憶した波形メモリと、前記
波形メモリから読み出すべき波形区間の切り換え順序を
複数種類予め記憶したシーケンスメモリを含み、楽音発
生の都度、該複数種類の切り換え順序のうちの1つの切
り換え順序を選択指定し、この選択指定した切り換え順
序に従って前記波形メモリから読み出すべき波形区間を
順次切り換えて指定する読み出しシーケンス制御手段
と、この読み出しシーケンス制御手段によって指定され
た各波形区間の前記複数周期波形の波形データを前記波
形メモリから読み出す読み出し手段とを具えたものであ
る。
【0007】これによれば、波形メモリから読み出すべ
き波形区間の切り換え順序を複数種類予め記憶したシー
ケンスメモリを含み、楽音発生の都度、該複数種類の切
り換え順序のうちの1つの切り換え順序を選択指定し、
この選択指定した切り換え順序に従って前記波形メモリ
から読み出すべき波形区間を順次切り換えて指定するよ
うにしたので、シーケンスメモリにおいて希望の切換え
順序をプログラムしておくことにより、繰返しによる周
期性を除去した良質の波形信号を得ることができると共
に、楽音発生の都度、その切換え順序が複数種類の切り
換え順序の中から選択指定されることにより、楽音発生
機会によっては選択指定される切り換え順序が異なるこ
とになり、そうすると、同じ波形メモリを使用していな
がら、異なる時間変化態様で音色が変化する楽音を発生
することが可能となる、という優れた効果を奏するもの
となる。なお、この場合は、波形メモリに記憶している
波形データそのものに変わりはないので、全く別異の楽
音が発生されるというわけではなく、基本的音色は同じ
でありながらその時間的変化の態様が微妙に異なる楽音
が発生できることになるものであり、しかも、そのため
に使用する波形メモリの記憶容量は少なくて済む、とい
った種々の効果を奏するものである。なお、楽音発生の
都度、その切換え順序を選択指定するためのパラメータ
としては、例えば、ランダム信号を用いてもよいし、あ
るいは、そのときの発生音の音高を示すデータや鍵タッ
チを示すデータなどを使用してもよい。
【0008】更に、この出願の発明によれば、同じ複数
周期波形が繰返し読み出されることのないようにするこ
とができるので、周期的ノイズを解消することができ
る。また、音色変化も単調な繰返しではなくなり、複雑
となる。しかも、複数周期波形から成る複数の波形区間
を組合わせるので、得られる楽音信号は波形が複雑に変
化する高品質なものとすることができる。しかも波形メ
モリの容量は全波形を記憶する場合に比べて縮減するこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してこの発
明の実施の形態を詳細に説明しよう。図1はこの発明を
鍵盤式の電子楽器に応用した一実施例を示し、鍵盤1は
発生すべき楽音の音高指定を行う複数の演奏用鍵を備え
ている。押鍵検出回路2は鍵盤1における押圧鍵を検出
し、押圧鍵に対応するキーコードKCを出力する共に該
鍵の押圧が持続している間中信号“1”を保持するキー
オン信号KONと該鍵の押圧開始時に瞬時に信号“1”
となるキーオンパルスKONPを出力する。なお、説明
の簡単化のためにこの例の電子楽器は単音式であると
し、押鍵検出回路2は単音選択機能を持つものとする。
しかし、公知のキーアサイナを用いて複音仕様にし得る
のは勿論である。ノートクロック発生回路3は押鍵検出
回路2から与えられたキーコードKCに基づき押圧鍵の
音高に対応した周波数のノートクロック信号NCKを発
生する。アドレスカウンタ4はノートクロック信号NC
Kをカウント入力Cに入力し、これをカウントし、波形
メモリ5を読み出すためのアドレス信号ADを形成す
る。詳しくは、このアドレスカウンタ4によって形成さ
れるアドレス信号ADは、1波形区間分の複数周期波形
を読み出すためのアドレス信号である。
【0010】波形メモリ5は、1波形区間が複数周期の
波形からなる複数の波形区間の波形データを夫々記憶し
たもので、そのような複数の(特定数の)波形区間の波
形データを各音色種類毎に夫々記憶している。波形メモ
リ5に記憶すべき1音色分の波形区間について一例を示
すと、図2に示すように、該音色に対応する楽音信号の
発音の立上りから終了に至る全波形の中から複数周期波
形から成る波形区間B0〜B5を分散的に複数組(この
例ではB0〜B5の6組)抜き出す。なお、抜き出しを
行う場合、複数周期波形から成るアタック部の波形区間
B0を少なくとも含むようにするのが好ましい。抜き出
した波形区間B0〜B5の波形を適宜の符号化形式、例
えばPCM(パルスコード変調)方式、で符号化し、符
号化された波形データを波形メモリ5の所定の記憶領域
に記憶する。この記憶フォーマットについて模式的に示
すと図3のようであり、各波形区間B0〜B5の波形デ
ータが連続するアドレスに順次記憶される。1波形区間
として抜き出す波形の周期数は任意であるため、各波形
区間B0〜B5の波形データのデータ長、換言すればサ
ンプル点数、も夫々独自の値を持つ。
【0011】図3においてL0〜L5は各波形区間B0
〜B5のデータ長を示し、A0〜A5は各波形区間B0
〜B5の最初のサンプル点の波形データを記憶したアド
レスすなわちスタートアドレスを示す。このスタートア
ドレスA0〜A5とデータ長L0〜L5によって、波形
メモリ5における各波形区間B0〜B5の記憶領域を特
定することが出来る。以下では、個々の波形区間B0〜
B5の波形データを記憶している波形メモリ5の記憶領
域を「バンク」という。例えば、波形区間B0の波形デ
ータを記憶しているバンクはスタートアドレスA0から
始まるデータ長LOの記憶領域である。図3では1音色
分の記憶フォーマットのみ示したが他の音色の記憶フォ
ーマットも同様である。ただし、各波形区間のデータ長
は各音色毎に任意であり、記憶場所が異なるのでスター
トアドレスの値も各音色毎に異なる。
【0012】読み出しシーケンス制御手段6は、波形メ
モリ5から読み出すべき波形区間を順次切換えて指定す
るためのものであり、読み出すべき1つの波形区間を指
定するためにスタートアドレス指定信号SADを出力す
る。このスタートアドレス指定信号SADは読み出すべ
き波形区間B0〜B5のスタートアドレスA0〜A5を
示すものである。このスタートアドレス指定信号SAD
とアドレスカウンタ4からのアドレス信号ADが加算器
7で加算され、加算出力が波形メモリ5のアドレス入力
に与えられる。この加算出力(SAD+AD)によっ
て、読み出すべき1つの波形区間内の個々のサンプル点
の絶対アドレスが特定され、特定されたアドレスに記憶
されている該サンプル点の波形データが波形メモリ5か
ら読み出される。
【0013】読み出しシーケンス制御手段6は、例えば
1〜5の範囲で乱数を発生するランダム数値発生器8を
含んでおり、このランダム数値発生器8から発生された
ランダム数値信号RBNはアタック部の波形区間B0を
除く残りの各波形区間B1〜B5の番号にランダムに対
応している。このランダム数値信号RBNはラッチ回路
9に入力される。ラッチ回路9のリセット入力Rにはキ
ーオンパルスKONPが入力されており、鍵の押し始め
で該ラッチ回路9をリセットする。ラッチ回路9の出力
は、指定すべき波形区間B0〜B5の番号を指示するバ
ンクナンバBNとしてデータ長メモリ10及びスタート
アドレスメモリ11のアドレス入力に与えられる。デー
タ長メモリ10は各波形区間B0〜B5のデータ長L0
〜L5を各音色種類毎に予め記憶したものであり、音色
選択回路12から与えられる音色選択情報TCに応じて
1組のデータ長L0〜L5が選択され、選択されたデー
タ長L0〜L5の中からアドレス入力されたバンクナン
バBNに対応する1波形区間のデータ長(L0〜L5の
うち1つ)が選択的に読み出される。読み出されたデー
タ長信号DLは比較器13の一方入力に加わり、他方入
力に加わるアドレス信号ADと比較される。両入力の数
値が一致したとき(AD=DLのとき)、一致出力EQ
から信号“1”が出力され、ラッチ回路9のラッチ制御
入力L及びランダム範囲制御用のカウンタ19に与えら
れると共に、オア回路14を介してアドレスカウンタ4
のリセット入力Rに与えられる。ここで、アドレスカウ
ンタ4のリセット入力Rにはオア回路14を介してキー
オンパルスKONPも入力される。
【0014】スタートアドレスメモリ11は各波形区間
B0〜B5のスタートアドレスA0〜A5を各音色種類
毎に予め記憶したものであり、音色選択情報TCに応じ
て1組のスタートアドレスA0〜A5が選択され、選択
されたスタートアドレスA0〜A5の中からアドレス入
力されたバンクナンバBNに対応する1波形区間のスタ
ートアドレス(A0〜A5のうち1つ)が選択的に読み
出される。読み出されたスタートアドレスはスタートア
ドレス指定信号SADとして加算器7に入力され、アド
レスカウンタ4から出力されたアドレス信号ADに加算
される。キーオンパルスKONPが発生したとき、ラッ
チ回路9がリセットされるため、最初はバンクナンバB
Nは「0」であり、アタック部の複数周期間、波形から
成る波形区間B0を指定する。すなわち、データ長メモ
リ10はデータ長信号DLとして「L0」を読み出し、
スタートアドレスメモリ11はスタートアドレス指定信
号SADとして「A0」を読み出す。一方、アドレスカ
ウンタ4はキーオンパルスKONPによってリセットさ
れた後、ノートクロック信号NCKのカウントを開始
し、アドレス信号ADを「0」から順次増加させる。ア
ドレス信号Aがデータ信号DLの値「L0」に等しくな
ったとき、比較器13の一致出力EQが信号“1”とな
り、バンク切換え(読み出すべき波形区間の切換え)を
指示する。
【0015】ラッチ回路9はラッチ制御入力Lに信号
“1”が与えられたタイミングでランダム数値発生器8
から発生されたランダム数値信号RBNをラッチし、こ
れを新たなバンクナンバBNとして出力する。したがっ
て2番目以降のバンクナンバBNはB1〜B5の波形区
間をランダムに指定するものである。また、アドレスカ
ウンタ4は比較器13の出力信号によって一旦リセット
されるので、波形区間が切換わる毎にアドレス信号AD
を「0」に戻してその増加を繰返す。従って、指定され
た波形区間(B1〜B5のいずれか)のデータ長(L1
〜L5のいずれか)に等しい数だけアドレス信号ADが
変化すると、比較器13の一致条件が成立し、読み出す
べき波形区間が切換えられる。この波形区間B1〜B5
の切換え順序は、ランダム数値発生器8の出力に対応し
たランダム性を持っている。また、ランダム数値発生器
8から発生するランダム数値信号RBNのとりうる数値
範囲は、ランダム範囲指定メモリ20からのデータRL
によって規定され、楽音発生時の時間経過に応じて変更
制御されるようになっている。
【0016】すなわち、ランダム範囲制御用のカウンタ
19に比較器13の一致出力信号が入力され、該カウン
タ19において該比較器13の一致出力信号をカウント
することにより波形区間の切換え回数をカウントする。
このカウンタ19のカウント値CVがランダム範囲指定
メモリ20に入力され、該ランダム範囲指定メモリ20
では、該カウント値CVに応じてランダム範囲指定デー
タRLを読み出す。このカウンタ19はキーオンパルス
KONPによってリセットされる。従って、楽音の発音
開始時に該カウント値CVが「0」にリセットされ、以
後の時間経過に伴い、すなわち波形区間が切換えらる毎
に、該カウント値CVが順次増数する。ランダム範囲指
定メモリ20はカウント値CVに対応してランダム数値
の範囲を指定するデータRLを予め記憶したものであ
り、そのようなデータ群を各音色種類毎に夫々記憶して
おり、音色選択情報TCに応じて読み出すべきデータ群
を選択する。各カウント値CVに対応するランダム範囲
指定データRLの一例は次表のようであり、この表では
便宜上、RLの欄にはランダム数値そのものの範囲では
なくその数値に対応する波形区間の記号B1〜B5が記
されている。
【0017】
【表1】
【0018】ランダム数値発生器8は、メモリ20から
与えられたランダム範囲指定データRLによって指定さ
れた範囲内の数値をランダムに発生する。表1の例によ
れば、波形区間の切換え回数が0〜2回の範囲つまりア
タック部の近くでは数値1と2がランダムに発生され、
これによって、アタック部に比較的近い波形区間B1と
B2がランダムに指定される。また、波形区間の切換え
回数が3〜5回の範囲では、数値2と3がランダムに発
生され、波形区間B2とB3がランダムに指定される。
また、波形区間の切換え回数が6〜8回の範囲では、数
値2,3,4がランダムに発生され、波形区間B2,B
3,B4がランダムに指定される。更に、波形区間の切
換え回数が9回以降つまり鍵が押されてから或る程度時
間が経過した時には数値4と5がランダムに発生され、
サステイン部の中間又は終了近くの波形区間B4とB5
がランダムに指定される。仮に楽音発生時の時間経過に
無関係に全くランダムに波形区間を切換えるようにした
場合は、アタック部の波形区間B0を読み出した直後に
サステイン部の中間又は終わり近くの波形区間B4やB
5が指定されるようなことが起こる可能性があるので、
そのような場合かえって不自然さをもたらしてしまうこ
とがある。しかし、この発明の図1の実施例に示された
ようなランダム範囲指定制御によれば、ランダム数値の
範囲を経時的に限定する、すなわち、楽音発生時の時間
経過に応じて、ランダム指定の対象となる波形区間グル
ープを適宜変更する、ようにすることによって、そのよ
うな不自然さをもたらすことがないようにランダム制御
できる。
【0019】更に図1について説明すると、1つの波形
区間を指定している間、スタートアドレス指定信号SA
Dは変化せず、アドレス信号ADがノートクロック信号
NCKに従って順次変化する。これにより加算器7の出
力(SAD+AD)は指定された波形区間のスタートア
ドレス(A0〜A5のいずれか1つ)を起点として順次
1アドレスずつ増加するものとなり、このアドレス信号
に従って当該波形区間の連続するサンプル点の波形デー
タが波形メモリ5から順次読み出される。波形メモリ5
から読み出された各サンプル点の波形データは乗算器1
5に与えられ、エンベロープ発生器16から与えられる
エンベロープ信号が乗算される。この乗算出力はディジ
タル/アナログ変換器17に与えられて、アナログ信号
に変換され、その後サウンドシステム18に与えられ
る。エンベロープ発生器16は、例えば押鍵中は一定レ
ベルを維持し、離鍵後は所定のディケイ特性で減衰する
エンベロープ信号をキーオン信号KONに応答して発生
する。なお、この場合、エンベロープ発生器16には音
色選択情報TCが入力されており、選択された音色に応
じてエンベロープ信号のディケイ特性等が設定される。
ところで、エンベロープ信号がアタック特性を持たない
理由は、波形メモリ5に記憶した各波形区間の波形デー
タは図2に示すほうに原楽音波形の振幅エンベロープ特
性をそのまま持つものであるため、アタック部の波形区
間B0の波形データには予めアタック特性のエンベロー
プが付与されており、後段でアタック特性のエンベロー
プを特別に付与する操作を行う必要がないからである。
しかし、これに限らず、図2に示すような原楽音波形の
振幅を一定レベルに統一するように規格化処理を予め行
い、振幅レベルを規格化した波形データを波形メモリ5
に記憶するようにしてもよい。その場合、エンベロープ
発生器16からアタック、ディケイ、サステイン、レリ
ース等の特性をすべて持つエンベロープ信号を発生する
ようにする。
【0020】なお、図1の例では、波形区間の切換え回
数(カウント値CV)をパラメータとしてランダム範囲
を経時的に限定しているが、これに限らず、タイマ回路
の出力又はエンベロープ信号におけるアタック、ディケ
イ、サステイン、レリース等の状態などをパラメータと
してランダム範囲を経時的に限定する(すなわちランダ
ム指定の対象となる波形区間グループを変更する)よう
にしてもよい。
【0021】図4は、図1の読み出しシーケンス制御手
段6の部分を、それとは異なる読み出しシーケンス制御
手段21によって変更して、ランダム制御を行わないよ
うにした電子楽器すなわち楽音信号発生装置の一例を参
考のために示すものである。図4において同一の参照番
号が付されたブロックは図1と同じものである。この図
4における読み出しシーケンス制御手段21は、波形区
間B0〜B5の切換え順序を予め記憶したバンクシーケ
ンスメモリ22を含んでおり、このメモリ22に記憶さ
れた切換え順序に従って切換えを制御する。カウンタ2
3は図1のカウンタ19と同様に波形区間の切換え回数
をカウントするものであり、キーオンパルスKONPに
よってリセットされ、カウント入力Cには比較器13の
一致出力EQの信号がゲート24を介して入力される。
カウンタ23のカウント値CVがメモリ22のアドレス
入力に与えられ、このカウント値に対応する順位の波形
区間を示すバンクナンバBNが該メモリ22から読み出
される。このバンクナンバBNは図1の実施例と同様に
データ長メモリ10及びスタートアドレスメモリ11の
アドレス入力に与えられる。バンクシーケンスメモリ2
2の記憶内容の一例を示すと下記の表2のようであり、
各カウント値CV(切換え回数)に対応して読み出され
るべきバンクナンバBN(B0〜B5)が記憶されてい
る。このような切換え順序の記憶は各音色種類毎になさ
れており、音色選択情報TCによって読み出すべき、シ
ーケンスが選択される。
【0022】
【表2】
【0023】メモリ22に記憶すべき波形区間の切換え
順序はなるべく周期性がないようにランダムに設定する
ものとする。その場合も最初はアタック部の波形区間B
0とするのが好ましい。メモリ22に記憶し得る1シー
ケンスは有限長であるため、最終順位の波形区間に到達
した場合適切な処置をする必要がある。そのためにエン
ド検出回路25が設けられており、カウント値CVが所
定の最終値に到達したことを検出し、信号“1”を出力
する。このエンド検出回路25の出力はインバータ26
で反転され、ゲート24の制御入力に与えられる。ゲー
ト24は常時は開放されており、比較器13の一致出力
信号をカウンタ23に与えて、波形区間の切換え回数の
カウントを可能にしているが、カウント値CVが最終値
に到達すると閉じられ、それ以上のカウントを禁止す
る。従って、最終順位の波形区間に到達すると後はその
波形区間が繰返されることになるが、1シーケンス長を
十分長く取る(順位数を多くする)ことにより、通常の
発音時間ではそのようなことが起こらないようにするこ
とができる。
【0024】図5は、第2の発明の一実施例を示すもの
である。図5の読み出しシーケンス制御手段31は、図
4の読み出しシーケンス制御手段21と同様に、データ
長メモリ10,スタートアドレスメモリ11,比較器1
3,バンクシーケンスメモリ22,カウンタ23,ゲー
ト24,エンド検出回路25,インバータ26を含んで
いて、バンクシーケンスメモリ22から読み出したシー
ケンスに従って波形区間の切換えを行うものであるが、
更に、ランダム数値発生器28とラッチ回路27を追加
して具備し、上記シーケンスの選択をランダムに行うよ
うにしたものである。すなわち、バンクシーケンスメモ
リ22から読み出すべきシーケンス(切換え順序)を選
択する場合にランダム性をもたせるようにしているもの
である。図5におけるその他の動作については、図1,
図4について上述したものと同じであるから、図1,図
4についての上記説明を援用する。図5において、同一
の参照番号が付されたブロックは、図1,図4のものと
同じものである。ただし、図5におけるバンクシーケン
スメモリ22では、1音色種類につき1通りのシーケン
スではなく複数通りのシーケンスを記憶しておく。例え
ば、1音色につき3通りのシーケンスを記憶しておくと
すると、その記憶内容の一例を示すと、下記の表3のよ
うである。
【0025】
【表3】
【0026】ランダム数値発生器28は複数通りの数値
(上記表3の例に従う場合は、例えば1〜3の数値)を
ランダムに発生する。ラッチ回路27は発生器28で発
生したランダム数値をキーオンパルスKONPのタイミ
ングでラッチし、その出力データRVをメモリ22に与
える。メモリ22は、音色選択情報TCによって選択さ
れた複数通りのシーケンスのうちラッチ回路27から与
えられる数値データRVに対応する1つのシーケンスを
選択し、そのシーケンスに含まれるバンクナンバBNを
カウンタ23の現在のカウント値CV(切換え回数)に
応じて順次読み出す。こうして、キーオンパルスKON
Pの発生に対応する各押圧鍵毎(すなわち、発生すべき
各楽音毎)にランダムにシーケンスが選択される。
【0027】なお、図4、図5の例ではバンクシーケン
スメモリ22から読み出すべきシーケンスを音色選択情
報TCあるいはランダム信号RVによって選択するよう
にしているが、鍵タッチデータや音高データなどのその
他のデータやこれらの組み合わせによってシーケンスを
選択するようにしてもよい。また、図1乃至図5の実施
例では、各波形区間B0〜B5のデータ長L0〜L5が
夫々任意であったためデータ長メモリ10が設けられて
いる。しかしデータ長L0〜〜L5が等しくなるように
各波形区間を選定すれば、データ長メモリ10が不要で
あり、比較器13に入力するデータ長信号DLは固定値
とすればよい。
【0028】また、隣接する波形区間同士のつながりを
滑らかにするために、波形区間を切換える際に、先行す
る波形区間の所定幅の終端部分と後続する波形区間の所
定幅の始端部分との間で所定の補間関数に従って補間を
行うようにするとよい。そのための補間回路は、この分
野で周知の補間技術を用いて構成することが出来るの
で、ここでは特に詳細は説明しない。波形メモリ5に記
憶する波形データの符号化方式は前述のPCM方式に限
らず、差分PCM方式、デルタ変調(DM)方式、適応
PCM方式、適応デルタ変調(ADM)方式など。その
他適宜の方式を用いてもよい。その場合、波形メモリ5
の出力側には、その符号化方式に応じて波形メモリ読み
出し出力を復調する(PCM化された信号を得る)ため
の復調回路をも具備するものとする。上記各実施例では
鍵盤1で選択された音階音の発生のためにこの発明を適
用した例が示されているが、それに限らず、リズム音
(打楽器音)の発生のためにもこの発明を適用し得るの
は勿論である。
【0029】更に、実施例では、波形メモリ5から各サ
ンプル点の波形データを読み出すためのアドレス信号A
Dは、ノートクロック信号NCKをカウントすることに
より発生するようにしているが、押圧鍵の音高に対応し
た周波数情報数値を累算あるいは加減算することによっ
て発生するようにしてもよい。また、波形メモリの構成
によっては、アドレス信号ADを複数ビットのディジタ
ルコードとせずにノートクロック信号NCKのままでも
よい。更に、波形メモリにおいて各音高毎に別々に波形
データを記憶している場合は、アドレス信号ADをどの
音高でも共通の変化レートで発生することもある。ま
た、上述では、波形メモリ5は物理的に一つのメモリ装
置から成り、その中の部分的記憶領域を各波形区間に割
り当てるようにしたが、各波形区間毎に物理的に別体の
複数の波形メモリを用いても同じことであり、これもこ
の発明の範囲に含まれる。
【0030】
【発明の効果】以上の通り、この出願の発明によれば、
読み出しシーケンス制御手段は、波形メモリから読み出
すべき波形区間を、所定の複数の波形区間からなる波形
区間グループの中からランダムに指定して順次切換える
ものであり、かつ、このランダム指定の対象となる波形
区間グループを楽音発生時の時間経過に従って変更する
ようにしているため、楽音発生時の時間経過に見合った
適切な波形区間グループをランダム指定の対象とするこ
とができ、不自然さを感じさせないランダム切り換え制
御が可能になる、という優れた効果を奏する。
【0031】また、この出願の別の発明によれば、波形
メモリから読み出すべき波形区間の切り換え順序を複数
種類予め記憶したシーケンスメモリを含み、楽音発生の
都度、該複数種類の切り換え順序のうちの1つの切り換
え順序を選択指定し、この選択指定した切り換え順序に
従って前記波形メモリから読み出すべき波形区間を順次
切り換えて指定するようにしたので、シーケンスメモリ
において希望の切換え順序をプログラムしておくことに
より、繰返しによる周期性を除去した良質の波形信号を
得ることができると共に、楽音発生の都度、その切換え
順序が複数種類の切り換え順序の中から選択指定される
ことにより、楽音発生機会によっては選択指定される切
り換え順序が異なることになり、そうすると、同じ波形
メモリを使用していながら、異なる時間変化態様で音色
が変化する楽音を発生することが可能となる、という優
れた効果を奏する。また、この場合は、波形メモリに記
憶している波形データそのものに変わりはないので、全
く別異の楽音が発生されるというわけではなく、基本的
音色は同じでありながらその時間的変化の態様が微妙に
異なる楽音が発生できることになるものであり、しか
も、そのために使用する波形メモリの記憶容量は少なく
て済む、といった種々の効果を奏する。
【0032】更に、この出願の発明によれば、同じ複数
周期波形が繰返し読み出されることのないようにするこ
とができるので、周期的ノイズを解消することができ
る。また、音色変化も単調な繰返しではなくなり、複雑
となる。しかも、複数周期波形から成る複数の波形区間
を組合わせるので、得られる楽音信号は波形が複雑に変
化する高品質なものとすることができる。しかも波形メ
モリの容量は全波形を記憶する場合に比べて縮減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る楽音信号発生装置の一実施例
を示す電子楽器のブロック図。
【図2】 原楽音波形の一例とそこから分散的に抜き出
される複数の波形区間の一例を示す図。
【図3】 図1の波形メモリにおける各波形区間の記憶
マップを模式的に示す図。
【図4】 図1における読み出しシーケンス制御手段の
構成を変更してなる電子楽器を一例を参考のために示す
ブロック図。
【図5】 この出願の第2の発明に係る楽音信号発生装
置の一実施例を示す電子楽器のブロック図。
【符号の説明】
1 鍵盤 2 押鍵検出回路 3 ノートクロック発生回路 4 アドレスカウンタ 5 波形メモリ 6,21,31 読み出しシーケンス制御手段 8,28 ランダム数値発生器 22 バンクシーケンスメモリ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1波形区間が複数周期の波形から成る複
    数の波形区間の波形データを夫々記憶した波形メモリ
    と、 前記波形メモリから読み出すべき波形区間を、所定の複
    数の波形区間からなる波形区間グループの中からランダ
    ムに指定して順次切換えるものであり、このランダム指
    定の対象となる波形区間グループを楽音発生時の時間経
    過に従って変更する読み出しシーケンス制御手段と、 この読み出しシーケンス制御手段によって指定された波
    形区間の前記複数周期波形の波形データを前記波形メモ
    リから読み出す読み出し手段とを具えた楽音信号発生装
    置。
  2. 【請求項2】 前記複数の波形区間は、所望の楽音信号
    の発音の立上りから終了に至るまでの全波形区間から分
    散的に抜き出したものである特許請求の範囲第3項記載
    の楽音信号発生装置。
  3. 【請求項3】 1波形区間が複数周期の波形から成る複
    数の波形区間の波形データを夫々記憶した波形メモリ
    と、 前記波形メモリから読み出すべき波形区間の切り換え順
    序を複数種類予め記憶したシーケンスメモリを含み、楽
    音発生の都度、該複数種類の切り換え順序のうちの1つ
    の切り換え順序を選択指定し、この選択指定した切り換
    え順序に従って前記波形メモリから読み出すべき波形区
    間を順次切り換えて指定する読み出しシーケンス制御手
    段と、 この読み出しシーケンス制御手段によって指定された各
    波形区間の前記複数周期波形の波形データを前記波形メ
    モリから読み出す読み出し手段とを具えた楽音信号発生
    装置。
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