JPH08316017A - 希土類・鉄・ボロン系焼結永久磁石の製造方法と成形材料 - Google Patents

希土類・鉄・ボロン系焼結永久磁石の製造方法と成形材料

Info

Publication number
JPH08316017A
JPH08316017A JP7119795A JP11979595A JPH08316017A JP H08316017 A JPH08316017 A JP H08316017A JP 7119795 A JP7119795 A JP 7119795A JP 11979595 A JP11979595 A JP 11979595A JP H08316017 A JPH08316017 A JP H08316017A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy powder
atomic
permanent magnet
rare earth
ester compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7119795A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Kishimoto
芳久 岸本
Nobushige Hiraishi
信茂 平石
Wataru Takahashi
渉 高橋
Yutaka Matsuura
裕 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Proterial Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd, Sumitomo Special Metals Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP7119795A priority Critical patent/JPH08316017A/ja
Publication of JPH08316017A publication Critical patent/JPH08316017A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
    • H01F1/04Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/047Alloys characterised by their composition
    • H01F1/053Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
    • H01F1/055Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
    • H01F1/057Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B
    • H01F1/0571Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes
    • H01F1/0575Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes pressed, sintered or bonded together
    • H01F1/0576Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes pressed, sintered or bonded together pressed, e.g. hot working

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 R:10〜30原子% (但し、RはYを含む希土
類元素から選ばれた少なくとも1種) 、B:2〜28原子
%、Fe:65〜82原子% (但し、このFe量の50原子%まで
はCoで置換することができる) を主成分とするR−Fe−
B系合金粉末に対して、潤滑剤として少なくとも1種の
ほう酸エステル系化合物 (例、ほう酸トリブチル) 0.01
〜2重量%を、少量のアミン化合物と一緒に混合し、混
合物のプレス成形と焼結により焼結永久磁石を得る。 【効果】 混合物を大気中で放置しても、ほう酸エステ
ル系化合物の優れた潤滑効果が失われず、金型潤滑を行
わずに連続プレス成形が可能。磁気印加下でのプレス成
形時に合金粉末の配向性が向上し、磁石特性、特に残留
磁束密度と最大エネルギー積が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、R (但し、RはYを包
含する希土類元素の少なくとも1種) 、B、Fe(または
FeとCo)を主成分とする、残留磁束密度(Br)、固有保磁
力(iHc) 、最大エネルギー積[(BH)max] といった磁石特
性に優れた高性能の希土類・鉄・ボロン系焼結永久磁石
を粉末冶金法により製造する方法と、この製造方法に用
いる成形材料に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石は、一般家庭の各種電気製品か
ら大型コンピューターの周辺端末機器まで、幅広い分野
で使用される極めて重要な電気・電子材料の一つであ
る。近年の電気・電子機器の小型化、高機能化の要求に
伴い、永久磁石にもますます高性能化が求められるよう
になった。
【0003】現在の代表的な永久磁石材料は、アルニ
コ、ハードフェライト、および希土類コバルト磁石であ
る。近年のコバルトの原料事情の不安定化に伴い、コバ
ルトを20〜30wt%含有するアルニコ磁石の需要は減り、
鉄の酸化物を主成分とする安価なハードフェライトが永
久磁石材料の主流を占めるようになった。
【0004】一方、希土類コバルト磁石は、コバルトを
50〜60wt%も含むうえ、希土類鉱石中にあまり含まれて
いないSmを使用するため非常に高価であるが、他の磁石
に比べ、磁石特性が格段に高いため、主として小型で付
加価値の高い磁気回路に多用されるようになった。
【0005】最近になって、希土類コバルト磁石に匹敵
する高い磁石特性を示す、より安価な永久磁石材料とし
て、高価なSmやCoを必ずしも含有する必要のない、希土
類・鉄・ボロン系合金の磁気異方性焼結体からなる永久
磁石が提案された (特開昭59−46008 号公報) 。また、
この永久磁石の温度特性を改良するために、Feの一部を
Coで置換することにより、生成合金のキュリー点を上昇
させて温度特性を改善した希土類・鉄・ボロン系磁気異
方性焼結体からなる永久磁石も提案された (特開昭59−
64733 号公報) 。
【0006】本発明では、希土類・鉄・ボロン系合金を
R−Fe−B系合金と表記する。ここで、RはYを包含す
る希土類元素の少なくとも1種であり、Feの一部はCoで
置換されていてもよい。
【0007】このR−Fe−B系焼結永久磁石は、一般に
次のような工程により製造される。まず、成分金属また
は合金(例、フェロボロン)を所定組成となるように混
合して溶融させ、得られた溶湯を鋳造して、所定組成の
R−Fe−B系合金の鋳塊 (インゴット) を調製する。こ
の鋳塊を、例えばスタンプミルまたは水素化粉砕法等で
平均粒径20〜500 μm程度まで粗粉砕した後、さらにジ
ェットミル等の微粉砕機で平均粒径1〜20μmまで微粉
砕して、焼結原料となる合金粉末を得る。
【0008】別の方法として、希土類金属酸化物粉末、
鉄粉、フェロボロン粉を粒状Caを用いて還元し、次いで
副生したCa酸化物を水を用いて分離するという還元拡散
法により、R−Fe−B系合金を粉末状で直接得ることが
できる。この場合には、必要によりさらに平均粒径1〜
20μmまで微粉砕する。
【0009】得られた合金粉末に少量の潤滑剤を混合
し、磁気異方性を付与するために磁場中でプレス成形し
た後、得られた成形体 (圧粉体) を所定温度で焼結する
と、R−Fe−B系焼結永久磁石が得られる。通常は、焼
結後に焼結体を時効処理し、さらに焼結体をNiめっき等
の防食膜で被覆して耐食性を付与する。
【0010】潤滑剤は、磁場中でのプレス成形時に合金
粉末の流動性を確保すると同時に、金型からの離型を容
易にするために添加される。成形時に合金粉末の流動性
がないと、成形時に粉末と金型 (ダイス壁面等) との摩
擦によりダイス面や成形体表面に傷、剥がれ、割れ等が
発生することがあり、また配向 (各粉末粒子の磁化容易
方向を磁場方向に合わせて磁気異方性を発現させる) の
ための合金粉末の回転が阻害される。
【0011】この潤滑剤として各種の物質が有用である
ことがこれまでにも提案されている。例えば、オレイン
酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸類およびその塩、ビ
スアマイド (特開昭63−138706号、特開平4−214803号
各公報) 、高級アルコール、ポリエチレングリコール
(特開平4−191302号公報) 、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトー
ル脂肪酸エステル等のポリオキシエチレン誘導体 (特開
平4−124202号公報) 、固形パラフィン、ショウノウ等
(特開平4−214804号公報) 、パラフィン類とソルビタ
ン脂肪酸エステルもしくはグリセリン脂肪酸エステルと
の混合物(特開平4−52203 号公報) などが知られてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の潤滑剤
は、潤滑効果がさほど高くないため、プレス成形時のダ
イス面および成形体表面のきず、剥がれ、割れ等を防止
するには、別に金型に離型剤や離型油等(例、脂肪酸エ
ステル類等)を塗布するか、或いは合金粉末に潤滑剤を
大量に添加することが必要であった。
【0013】金型への離型剤等の塗布 (金型潤滑) は、
成形作業を煩雑にし、連続プレス成形にとって望ましく
ない。また、潤滑剤を大量に添加すると、焼結後の残留
炭素が増加し、得られる磁石の固有保磁力が低下する
上、潤滑剤は凝集性が極めて高く、混合後も凝集粒子と
して存在するため、焼結後に大きな空孔となり、最終の
防食膜の被覆時に膜のピンホール発生の原因となる。さ
らに、潤滑効果が不十分であると、磁場中配向において
良好な配向度が得られず、残留磁束密度が不十分とな
る。
【0014】これらの問題を解決する手段として、本発
明者等は先に、ほう酸エステル系化合物がR−Fe−B系
合金粉末の潤滑剤として最適であることを見出した。R
−Fe−B系合金粉末にほう酸エステル系化合物を添加す
ると、金型潤滑を行わずに連続プレス成形が可能とな
り、しかもプレス成形を磁場印加下で行う際の合金粉末
の配向性が向上することから、磁石特性、特に残留磁束
密度(Br)および最大エネルギー積[(BH)max] が向上した
焼結磁石が得られる。また、ほう酸エステル系化合物は
少量で潤滑効果があり、比較的揮発性が高いため、プレ
ス成形後の焼結時にほぼ完全に揮発し、残留炭素の少な
い磁石を得ることができるので、残留炭素による磁石特
性の低下を避けることができる。
【0015】しかし、潤滑剤として用いるほう酸エステ
ル系化合物は、水分との反応性が高く、水分と反応する
と加水分解を受けて、ほう酸とアルコールになる。従っ
て、例えば、ほう酸エステル系化合物を合金粉末と混合
して長時間放置した場合、ほう酸エステル系化合物が、
大気中の水分や合金粉末の水分が多い場合にはその水分
と反応して徐々に加水分解される結果、この化合物が本
来有している潤滑性が低下し、連続プレス成形作業に支
障をきたし、また磁石特性が劣化することが判明した。
例えば、合金粉末に潤滑剤を混合した後、この混合物を
用いて連続プレス成形を長時間にわたって行うと、最初
のうちは潤滑剤が有効に作用して円滑に連続プレス成形
できるが、次第に混合物中のほう酸エステル系化合物が
加水分解して潤滑性が低下し、成形体に傷などが発生
し、また配向性が低下して磁石特性も次第に低下する。
【0016】このような事情に鑑み、本発明の目的は、
ほう酸エステル系化合物を潤滑剤とするR−Fe−B系焼
結永久磁石の製造において、潤滑剤の加水分解安定性に
優れ、潤滑剤を合金粉末と混合後に大気中に長時間放置
しても、金型潤滑を行わずに円滑に連続プレス成形作業
を実施でき、充分に高い磁石特性を有する焼結磁石を得
ることができるR−Fe−B系焼結永久磁石の製造方法
と、それに用いる成形材料を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ほう酸エ
ステル系化合物にアミン化合物を共存させることによ
り、ほう酸エステル系化合物の加水分解速度が著しく低
下し、上記目的を達成することができることを見出し
た。
【0018】ここに、本発明は、R:10〜30原子% (但
し、RはYを包含する希土類元素の少なくとも1種) 、
B:2〜28原子%、Fe:65〜82原子% (但し、このFe量
の50原子%まではCoで置換することができる) を主成分
とする合金粉末に、少なくとも1種のほう酸エステル系
化合物および少なくとも1種のアミン化合物を混合した
ことを特徴とする、希土類・鉄・ボロン系焼結永久磁石
製造用の成形材料である。
【0019】この成形材料をプレス成形し、得られた成
形体を焼結し、必要により時効処理と防食膜の被覆を行
うと、磁石特性に優れた希土類・鉄・ボロン系焼結永久
磁石が製造される。
【0020】
【作用】本発明で用いるR−Fe−B系合金粉末は、R:
10〜30原子%、B:2〜28原子%、Fe:65〜82原子%
(但し、Feの50原子%まではCoで置換されていてもよい)
を含有する、R2 Fe14B結晶粒を主体とする合金粉末で
ある。
【0021】希土類元素Rは、イットリウム (Y) を包
含し、軽希土類 (セリウム族) と重希土類 (イットリウ
ム族) の両者を含む希土類元素である。Rとしては、軽
希土類だけで充分であり、特にNdおよびPrが好ましい。
通例、Rは1種だけでよいが、原料入手上その他の理由
により、安価な2種以上の希土類元素の混合物 (ミッシ
ュメタル、ジジム等) を使用することもできる。Sm、
Y、La、Ce、Gd等の重希土類は軽希土類、特にNdおよび
/またはPr等との混合物として用いることが好ましい。
Rは純希土類元素である必要はなく、工業上入手可能な
純度のものでよい。即ち、製造上不可避な不純物が混入
していても差し支えない。
【0022】希土類元素Rの割合が10原子%未満では、
α−Fe相が析出し、粉砕に悪影響を与える上、高い磁石
特性、特に高い固有保磁力(iHc) が得られない。Rが30
原子%を越えると残留磁束密度(Br)が低下する。Bの割
合が2原子%未満では高い固有保磁力が得られず、28原
子%を越えると残留磁束密度が低下する。Feの割合が65
原子%未満では残留磁束密度が不足し、82原子%を越え
ると高い固有保磁力得られない。
【0023】Feの一部はCoで置換することができる。そ
れにより、合金のキュリー点が上昇し、永久磁石の温度
特性が向上する。しかし、CoがFeより多くなると高い固
有保磁力(iHc) が得られなくなるので、Feの一部をCoで
置換する場合、CoはFe+Coの合計量の50原子%を上限と
する。従って、Coの上限は41原子%である。Coを添加す
る場合、その添加効果を十分に得るには、5原子%以上
の量で添加することが好ましい。好ましいCoの添加量は
5〜25原子%の範囲である。
【0024】高い残留磁束密度と高い固有保磁力をとも
に有する優れた永久磁石を得るには、合金粉末の組成を
R:10〜25原子%、B:4〜26原子%、Fe:65〜82原子
%の範囲とすることが好ましい。より好ましくは、R:
12〜20原子%、B:4〜24原子%、Fe:65〜82原子%で
ある。
【0025】本発明で用いる合金粉末には、R、B、Fe
(またはFe+Co) の他に、製造工程で不可避的に混入す
る不純物、或いは低価格化、特性改善などの目的で意図
的に混入した元素も少量であれば共存させることができ
る。
【0026】例えば、Bの一部を、4.0 原子%以下の
C、4.0 原子%以下のSi、3.5 原子%以下のP、2.5 原
子%以下のS、3.5 原子%以下のCuのうちの少なくとも
1種、合計量で4.0 原子%以下で置換することにより、
合金粉末の生産性改善、低価格化が可能となる。
【0027】また、9.5 原子%以下のAl、4.5 原子%以
下のTi、9.5 原子%以下のV、8.5原子%以下のCr、8.0
原子%以下のMn、5原子%以下のBi、12.5原子%以下
のNb、10.5原子%以下のTa、9.5 原子%以下のMo、9.5
原子%以下のW、2.5 原子%以下のSb、7原子%以下の
Ge、3.5 原子%以下のSn、5.5 原子%以下のZr、5.5原
子%以下のHf、5.5 原子%以下のMg、5.5 原子%以下の
Ga、のうち少なくとも1種を添加して合金中に含有させ
ることにより、永久磁石の固有保磁力 (iHc)を一層向上
させることが可能となる。
【0028】本発明で用いるR−Fe−B系合金粉末の製
造方法は特に制限されない。例えば、前述した一般的な
方法で合金粉末を製造することができる。この方法によ
れば、高周波炉、アーク炉などを用いて真空または不活
性雰囲気中で所定の合金組成となるように出発原料(成
分金属または合金)を溶解し、得られたR−Fe−B系合
金の溶湯を水冷鋳型に鋳造して合金インゴットを得る。
【0029】次いで、この合金インゴットをスタンプミ
ル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用いて、平
均粒径が20〜500 μm程度になるまで機械的に粗粉砕し
た後、さらにジェットミル、振動ミル、ボールミル等に
より平均粒径が1〜20μmになるように微粉砕して原料
の合金粉末を得る。
【0030】別の方法として、粗粉砕を水素化粉砕法に
より行うこともできる。水素化粉砕法では、上記の合金
インゴットを水素ガス中に保持して、希土類水素化物、
Fe2B、Feに分解させ、次いで水素圧を下げて希土類水素
化物から水素を解離させて、R−Fe−B系合金粉末を得
る。水素化粉砕法により粗粉砕を行うと、その後に行う
微粉砕における破砕性が良好となり、粒度分布が比較的
狭い合金粉末を得ることができる。
【0031】R−Fe−B系合金の別の製造方法として、
特開昭63−317643号公報および特開平5−295490号公報
に記載の単ロールもしくは双ロール法、または特開昭60
−17905 号公報に記載のガスアトマイズ法により、合金
溶湯を急冷凝固させてR−Fe−B系合金を得ることもで
きる。このように合金溶湯を急冷凝固させると、結晶粒
径の小さい組織をもった、粉砕性に優れた合金が生成す
る。そのため、得られた合金を、次いで上記と同様に粗
粉砕および微粉砕すると、粒径分布の狭い、粒径が非常
によく揃った合金粉末が得られる。その結果、プレス成
形時の合金粉末の充填密度が高くなり、磁石特性、中で
も最大エネルギー積[(BH)max] がさらに向上した焼結永
久磁石を製造することができる。
【0032】使用する合金粉末の粒度は、平均粒径(空
気透過法で求めた値)で1〜20μmであればよく、2〜
10μmの範囲がより好ましい。平均粒径が20μmを越え
ると、焼結磁石とした後に優れた磁石特性、とりわけ高
い固有保磁力が得られない。平均粒径が1μm未満で
は、焼結磁石の作製工程 (即ち、プレス成形、焼結、時
効処理工程) における合金の酸化が著しく、優れた磁石
特性が得られない。
【0033】本発明によれば、このR−Fe−B系合金粉
末に、潤滑剤として少なくとも1種のほう酸エステル系
化合物を少なくとも1種のアミン化合物と一緒に混合
し、得られた混合物を焼結永久製造時のプレス成形工程
に成形材料として使用する。これら2種類の添加剤の添
加時期は、R−Fe−B系合金の微粉砕前、微粉砕中、お
よび微粉砕後のいずれであってもよい。
【0034】本発明において、ほう酸エステル系化合物
とは、ほう酸 (オルトほう酸H3BO3とメタほう酸HBO2
含む) または無水ほう酸 (B2O3) を1種もしくは2種以
上の1価または多価アルコールと反応させてエステル化
することにより得られる、ほう酸トリエステル型の化合
物を意味する。
【0035】ほう酸または無水ほう酸のエステル化に使
用できる1価または多価アルコールとしては、下記(1)
〜(4) の化合物が例示される。
【0036】(1) 一般式:R1−OHで示される1価アル
コール、(2) 下記一般式で示されるジオール、
【0037】
【化1】
【0038】(3) グリセリンまたは置換グリセリンとそ
れらのモノまたはジエステル、(4) 上記(2) および(3)
以外の多価アルコールならびにそのエステルもしくはア
ルキレンオキサイド付加物。
【0039】上記一般式において、R1は炭素数3〜22の
脂肪族、芳香族または複素環式の飽和または不飽和有機
基を意味し;R2、R3、R4、R5は、同一でも異なるもので
よく、それぞれHまたは炭素数1〜15の脂肪族または芳
香族の飽和または不飽和1価有機基を意味し、R6は、単
結合、−O−、−S−、−SO2 −、−CO−、または炭素
数1〜20の脂肪族もしくは芳香族の飽和もしくは不飽和
有機2価基を意味する。
【0040】(1) の1価アルコールとしては、例えばn
−ブタノール、 iso−ブタノール、n−ペンタノール、
n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノー
ル、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デカノー
ル、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、
テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノー
ル、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノ
ール等が挙げられ、好ましくは炭素数3〜18のアルコー
ルである。そのほか、アリルアルコール、クロチルアル
コール、プロパルギルアルコール等の脂肪族不飽和アル
コール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等の
脂環式アルコール、ベンジルアルコール、シンナミルア
ルコール等の芳香族アルコール、フルフリルアルコール
等の複素環式アルコールも使用できる。
【0041】炭素数2以下の1価アルコール (メタノー
ル、エタノール) とのほう酸エステル系化合物は沸点が
低く、R−Fe−B系合金粉末と混合した後に揮散する可
能性があるので、好ましくない。また、炭素数22を超え
る1価アルコールとのほう酸エステル系化合物は、融点
が高く、均一混合性にやや劣る上、焼結後に残炭として
残存する可能性がある。
【0042】(2) のジオール (2価アルコール) の例と
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタ
ンジオール、2-メチル-2,4- ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタ
ンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオー
ル、1,10- デカンジオール、その他のα, ω−グリコー
ル、ピナコール、ヘキサン-1,2- ジオール、オクタン-
1,2- ジオール、ブタノイル−α−グリコール、その他
の対称α−グリコールが挙げられる。総炭素数が10以下
で、融点が比較的低いジオールが、合成が容易でコスト
的にも有利であることから好ましい。
【0043】(3) のグリセリン類の例としては、グリセ
リンそれ自体、ならびにグリセリンと炭素数8〜18の脂
肪酸とのモノエステルまたはジエステルが挙げられる。
これらのエステルの代表例はラウリン酸モノおよびジグ
リセライド、オレイン酸モノおよびジグリセライド等で
ある。また、置換グリセリン (例、ブタン-1,2,3- トリ
オール、2-メチルプロパン-1,2,3- トリオール、ペンタ
ン-2,3,4- トリオール、2-メチルブタン-1,2,3- トリオ
ール、ヘキサン-2,3,4- トリオール等) それ自体、なら
びにそれらと炭素数8〜18の脂肪酸とのモノエステルま
たはジエステルも使用できる。
【0044】(4) の多価アルコールの例としては、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリトリット、アラビッ
ト、ソルビット、ソルビタン、マンニット、マンニタン
などが挙げられる。また、これらの多価アルコールと炭
素数8〜18の脂肪酸とのモノエステル、ジエステルまた
はトリエステル等のエステル化物 (但し、少なくとも1
個のOH基が残留) 、ならびにこれらの多価アルコール
にアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド等) を1〜20モル、好ましくは4〜18モ
ル付加させたエーテル型の付加物も使用できる。
【0045】ほう酸または無水ほう酸と上記アルコール
とのエステル化反応は、これらの反応成分を単に一緒に
加熱するだけで容易に進行する。反応温度はアルコール
の種類によっても異なるが、通常は 100〜180 ℃程度で
ある。反応成分は、ほぼ化学量論比で反応させることが
好ましい。得られたほう酸エステル系化合物の室温での
性状は一般に液体もしくは固体である。
【0046】R−Fe−B系合金粉末に潤滑剤として混合
するほう酸エステル系化合物の量は、原料合金粉末の粒
径、ダイスや成形体の形状、寸法および摩擦面積、プレ
ス条件等に応じて適宜選定すればよい。ほう酸エステル
は、従来の潤滑剤とは異なり、少量の添加で成形性改善
効果がある。添加量の増大とともに抜き圧などの成形性
は向上するが、多量に添加するとプレス成形で得られた
成形体の強度が低下し、後続の工程時に、割れ、欠け等
による歩留まりの低下を惹起するのみならず、焼結工程
において焼結体に炭素が残留して磁石特性が低下するよ
うになる。
【0047】このような観点から、ほう酸エステル系化
合物の好ましい配合量は、R−Fe−B系合金粉末100 重
量部に対して0.01〜2重量部、より好ましくは 0.1〜1
重量部の範囲である。
【0048】R−Fe−B系合金粉末に潤滑剤として混合
するほう酸エステル系化合物の加水分解安定性を高める
ために、本発明においては、潤滑剤と一緒にアミン化合
物を合金粉末に混合する。アミン化合物がほう酸エステ
ル系化合物の加水分解を抑制する機構は十分には解明さ
れていないが、アミン化合物からほう酸エステル系化合
物への電子移動がおこり、一種の錯体を形成することに
よりほう酸エステル系化合物が安定化し、水との反応性
が低くなり、加水分解に対して安定化されるものと考え
られる。
【0049】本発明で用いるアミン化合物は、第一アミ
ン、第二アミおよび第三アミンのいずれでもよく、また
窒素原子に結合した炭化水素残基がすべて脂肪族基(脂
環式基も含む)である脂肪族アミンおよび炭化水素残基
の一部または全部が芳香族基である芳香族アミンのいず
れでもよい。さらに、1分子中にアミノ基、イミノ基等
のアミン系窒素を1個持つモノアミン、2個持つジアミ
ン、および3個以上有するポリアミンのいずれも使用で
きる。また、窒素原子に結合した炭化水素残基は、ヒド
ロキシル基などの置換基を有していてもよく、或いは不
飽和基 (例、アリル基) であってもよい。
【0050】本発明で使用できるアミン化合物の例を挙
げると、脂肪族アミンとしてはプロピルアミン、イソプ
ロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシル
アミン、オクチルアミン、モノエタノールアミン、モノ
(イソプロパノール) アミン、モノ(n−ブタノール) ア
ミン、アリルアミン等の第一アミン;ジエチルアミン、
ジ(n−プロピル) アミン、ジイソプロピルアミン、ジエ
タノールアミン、ジプロパノールアミン、ジアリルアミ
ン等の第二アミン;トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、 N,N
−ジメチルエタノールアミン、 N,N−ジエチルエタノー
ルアミン、 N−ブチルエタノールアミン、トリアリルア
ミン等の第三アミンがある。また、シクロプロピルアミ
ン、シクロヘキシルアミン等の脂環式アミン等も使用で
きる。芳香族アミンとしては、アニリン、メチルアニリ
ン、ジメチルアニリン、エチルアニリン、ジエチルアニ
リン、トルイジン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン
等がある。
【0051】アミン化合物の添加量は、潤滑剤として用
いるほう酸エステル系化合物の種類や配合量、アミン化
合物の種類、必要となる加水分解の抑制の程度などの条
件に応じて、ほう酸エステル系化合物の加水分解の抑制
に有効なように適宜選定すればよい。添加量が少なすぎ
ては、ほう酸エステル系化合物の加水分解を十分に抑制
できず、多すぎると後続の焼結工程において焼結体に残
留する炭素が多くなり、磁石特性が低下する。
【0052】このような観点から、アミン化合物の好ま
しい添加量は、アミン化合物中のアミノ基とイミノ基の
合計当量/ほう酸エステル系化合物中のほう酸エステル
当量の比が 0.1〜10.0の範囲、より好ましくは0.2 〜2.
0 の範囲となる量である。
【0053】ほう酸エステル系化合物およびアミン化合
物の合金粉末への混合は、乾式混合と、溶剤を用いての
湿式混合のいずれの方式でもよい。また、添加混合の時
期は、前述したように、合金粉末の微粉砕工程の前か
後、或いは微粉砕工程中のいずれでもよい。
【0054】例えば、合金粉末製造時の微粉砕を湿式粉
砕により行う場合には、湿式粉砕工程中またはその前後
のスラリー状態の合金粉末に、ほう酸エステル系化合物
とアミン化合物を湿式混合してもよく、あるいは湿式粉
砕後の乾燥工程中またはその前後の乾燥状態の合金粉末
に、ほう酸エステル系化合物とアミン化合物を乾式混合
することもできる。ほう酸エステル系化合物とアミン化
合物を異なる時期に混合してもよく、その場合の混合の
順序にも特に制限はない。ほう酸エステル化合物および
アミン化合物の混合時の温度は室温〜50℃が適当であ
る。
【0055】上記のように、微粉砕前または微粉砕中の
合金粉末にほう酸エステル系化合物および/またはアミ
ン化合物を添加して、これら添加剤の混合を微粉砕と同
時に行うことができる。しかし、その場合には、ほう酸
エステル系化合物とアミン化合物のいずれも、微粉砕中
にその一部が揮発する可能性がある。従って、合金粉末
の微粉砕前または微粉砕中にこれら添加剤を添加し、微
粉砕と同時に混合する場合には、微粉砕中の揮発による
損失分を見込んで、これらの添加剤を所定の配合量より
多めに (例、最大で約2倍まで) 添加することが好まし
い。
【0056】ほう酸エステル系化合物および/またはア
ミン化合物を乾式混合する場合、合金粉末への混合の均
一性を高めるために、添加する化合物を適当な溶媒で希
釈ないし溶解して合金粉末に添加することもできる。湿
式混合、あるいは添加化合物の希釈もしくは溶解に用い
る溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、炭素数6〜18の脂肪族炭化水素等が適当である。
【0057】R−Fe−B系合金粉末に、潤滑剤のほう酸
エステル系化合物をアミン系化合物と一緒に混合した本
発明の成形材料から、通常の粉末冶金法に従ってプレス
成形および焼結を行うとR−Fe−B焼結永久磁石が製造
される。潤滑剤として混合したほう酸エステル系化合物
により、充分な成形性 (摩擦低減、離型性) が付与さ
れ、しかもアミン化合物の併用により、大気中に長時間
放置した後でも潤滑剤の効果が低下しないため、従来は
一般に必要であった連続プレス成形における金型への離
型剤の塗布工程(金型潤滑工程)を省略でき、この工程
を省略しても、連続プレス成形中の粉末と金型との摩擦
による傷、割れ、剥がれ等の発生を長時間にわたって防
止できる。そのため工程が簡略化され、連続プレス成形
を工業的に安定して実施することができる。
【0058】なお、プレス成形時に磁場を印加すれば磁
気異方性の、磁場を印加しなければ磁気等方性の永久磁
石となる。通常は、より高い磁石特性を得るために、磁
場中でプレス成形を行う。印加する磁場の強度は8kOe
以上、特に10 kOe以上が好ましく、成形圧力は 0.5〜3
ton/cm2 の範囲が適当である。
【0059】プレス成形後の焼結は、アルゴン等の不活
性雰囲気中または真空中、1000℃〜1100℃で1〜8時間
行うのが普通である。その後、必要に応じて時効処理を
行うと固有保磁力が向上する。時効処理は一般に 500〜
600 ℃で1〜6時間の加熱により行われる。得られた焼
結永久磁石は、必要に応じて腐食から保護するために、
Niめっき等による防食膜で被覆してもよい。
【0060】本発明の成形材料から得た磁気異方性のR
−Fe−B系焼結永久磁石は、固有保磁力(iHc) ≧ 1 kO
e、残留磁束密度(Br)>4kGを示し、最大エネルギー積
[(BH)max]はハードフェライトと同等以上となり、好ま
しい組成範囲内では、(BH)max≧10 MGOe を示す。特
に、合金粉末が、R:12〜20原子%、B:4〜24原子
%、Fe:65〜82原子%であって、Rの50原子%以上を軽
希土類が占める場合には、最もすぐれた磁石特性が得ら
れ、中でも軽希土類金属がNdの場合には、(BH)max は33
MGOe 以上に達する。
【0061】Feの一部 (最大で41原子%) をCoで置換し
た場合には、得られる磁気異方性の焼結永久磁石は、上
記と同等の磁石特性を示すと同時に、残留磁束密度の温
度係数が0.1 %/℃以下となり、温度特性が改善され
る。
【0062】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。実施例中、%および部は特に指定のない限り
重量%および重量部である。なお、実施例で使用したR
−Fe−B系合金粉末の製造原料は、純度99.9%の電解F
e、Bを19.4%含有し残部はFeおよびC等の不純物から
なるフェロボロン合金、純度99.7%以上のNdであった。
【0063】(実施例1)原子%で15%Nd−8%B−77%
Feの組成になるように原料を配合し、Ar雰囲気中で高周
波炉により溶解した後、水冷銅鋳型に鋳造し、合金鋳塊
を得た。この合金鋳塊をスタンプミルにより35メッシュ
以下まで粗粉砕し、次に湿式ボール・ミルにより微粉砕
して、平均粒径3.3 μmのNd−Fe−B合金粉末を得た。
【0064】潤滑剤として、n−ブタノールとほう酸を
3:1のモル比で 110℃において4時間加熱して縮合反
応させることにより得た、下記構造のほう酸エステル系
化合物(a) を使用した。
【0065】
【化2】
【0066】万能混合攪拌機に、上記合金粉末100 部、
ほう酸エステル系化合物(a) 0.1 部、およびモノエタノ
ールアミン0.027 部 (ほう酸エステル/アミン当量比=
1)を装入し、常温で乾式混合して、添加剤を合金粉末
中に均一に分散させることにより成形材料を得た。
【0067】この成形材料を室温で大気中に6時間放置
した後、金型への離型剤の塗布を行わずに、12 kOeの横
磁場 (プレス成形方向と垂直方向の磁場) を印加しなが
ら、1.5 t/cm2 の成形圧力でプレス成形を連続50回行
い、直径29mm×厚さ10mmのディスク型の成形体を得た。
得られた成形体をアルゴン中1070℃で4時間加熱して焼
結させ、次いで550 ℃で2時間加熱の時効処理を行い、
磁気異方性を示すR−Fe−B系焼結永久磁石を得た。
【0068】このときの連続プレス成形性 (成形体の
傷、割れ、剥がれ等の有無、成形時の異音等) 、成形体
密度、焼結・時効処理後の残炭量、磁石特性{残留磁束
密度(Br)、固有保磁力(iHc) 、最大エネルギー積 [(BH)
max]}の試験結果を表1にまとめて示す。
【0069】(参考例1)実施例1において、調製した成
形材料を乾燥窒素中で6時間放置した後、同様にして焼
結永久磁石を得た。試験結果を表1に示す。
【0070】(比較例1)合金粉末にモノエタノールアミ
ンを添加しなかった点を除いて実施例1と同様にして、
成形材料の調製と大気中放置、および焼結永久磁石の作
製を行った。試験結果を表1に示す。
【0071】(参考例2)比較例1において、調製した成
形材料を乾燥窒素中で6時間放置した後、同様にして焼
結永久磁石を得た。試験結果を表1に示す。
【0072】(実施例2)潤滑剤としてネオペンチルグリ
コールとトリデカノールとほう酸とを等モルづつ縮合反
応させて得た、代表的には下記構造で示されるほう酸エ
ステル系化合物(b) を使用した。この潤滑剤0.1 部とジ
ブチルアミン0.041 部とをキシレン1部に溶解した溶液
を合金粉末100 部に添加して、実施例1と同様に成形材
料の調製と大気中放置、および焼結永久磁石の作製を行
った。試験結果を表1に示す。
【0073】
【化3】
【0074】(比較例2)合金粉末にアミン化合物を添加
しなかった点を除いて実施例2と同様にして、成形材料
の調製と大気中放置、および焼結永久磁石の作製を行っ
た。試験結果を表1に示す。
【0075】(実施例3)潤滑剤として、オレイン酸モノ
グリセライドとn−ブタノールとほう酸とを等モルづつ
縮合反応させて得た、代表的には下記構造で示されるほ
う酸エステル系化合物(c) を使用した。この潤滑剤1.0
部とトリプロピルアミン0.33部をキシレン1部に溶解し
た溶液を合金粉末100 部に添加して、実施例1と同様に
成形材料の調製と大気中放置、および焼結永久磁石の作
製を行った。試験結果を表1に示す。
【0076】
【化4】
【0077】(比較例3)合金粉末にアミン化合物を添加
しなかった点を除いて実施例3と同様にして、成形材料
の調製と大気中放置、および焼結永久磁石の作製を行っ
た。試験結果を表1に示す。
【0078】(実施例4)潤滑剤として、ペンタエリトリ
ットジオクチルエステルと2−エチルヘキサノールとほ
う酸とを等モルづつ縮合反応させて得た、代表的には下
記構造で示されるほう酸エステル系化合物(d) を使用し
た。この潤滑剤2.0 部とジエチルアニリン0.039 部をキ
シレン2部に溶解した溶液を合金粉末100 部に添加し
て、実施例1と同様に成形材料の調製と大気中放置、お
よび焼結永久磁石の作製を行った。試験結果を表1に示
す。
【0079】
【化5】
【0080】(比較例4)合金粉末にアミン化合物を添加
しなかった点を除いて実施例4と同様にして、成形材料
の調製と大気中放置、および焼結永久磁石の作製を行っ
た。試験結果を表1に示す。
【0081】(実施例5)ほう酸エステルとして、ネオペ
ンチルグリコールとほう酸とを3:2のモル比で縮合反
応させて得た、代表的には下記構造で示されるほう酸エ
ステル系化合物(e) を使用した。この潤滑剤0.01部とエ
チレンジアミン0.018 部をキシレン1部に溶解した溶液
を合金粉末100 部に添加して、実施例1と同様に成形材
料の調製と大気中放置、および焼結永久磁石の作製を行
った。試験結果を表1に示す。
【0082】
【化6】
【0083】(比較例5)合金粉末にアミン化合物を添加
しなかった点を除いて実施例5と同様にして、成形材料
の調製と大気中放置、および焼結永久磁石の作製を行っ
た。試験結果を表1に示す。
【0084】
【表1】
【0085】表1の結果からわかるように、潤滑剤とし
て少量のほう酸エステル系化合物を合金粉末に混合した
成形材料を、混合後直ちに乾燥窒素中に放置した参考例
2では、連続プレス成形を良好に実施でき、傷のない成
形体を得ることができ、また潤滑剤により磁場配向性が
向上することから磁石特性に優れた焼結永久磁石を得る
ことができた。
【0086】しかし、この成形材料を大気中に放置した
場合には、比較例1〜5に示すように、潤滑剤のほう酸
エステル系化合物が加水分解し、潤滑性が劣化する結
果、連続プレス成形でダイス面と合金粉末との摩擦の増
大により成形体表面に傷がみられるようになった。ま
た、磁場配向性が不十分となるため、得られた焼結永久
磁石の磁石特性についても、特に残留磁束密度(Br)およ
び最大エネルギー積[(BH)max] が参考例2に比べて低下
した。
【0087】これに対し、本発明に従って、潤滑剤のほ
う酸エステル系化合物と一緒にアミン化合物を合金粉末
に混合すると、混合後に得られた成形材料を大気中に放
置しても、乾燥窒素中に放置した参考例1と同様の結果
が得られた。即ち、アミン化合物の併用によりほう酸エ
ステル系化合物の加水分解が抑えられる結果、金型潤滑
を行わずに連続プレス成形が可能な、優れた成形性が合
金粉末に付与され、連続プレス成形中の成形体の傷、割
れ、欠けの発生はほとんどなくなった。また、磁場配向
性が向上し、磁石特性に優れた焼結永久磁石を得ること
ができた。同じほう酸エステル系化合物を用いた実施例
1と参考例2(アミン化合物を含まず)との対比からわ
かるように、アミン化合物を添加しても磁石特性に悪影
響は全くなかった。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、R−Fe−B系合金粉末
に、潤滑剤としてほう酸エステル系化合物を、その加水
分解を抑制するためのアミン化合物と一緒に混合して成
形材料とすることにより、潤滑剤の混合後に得られた成
形材料を大気中に放置しても、ほう酸エステル系化合物
による優れた潤滑効果の加水分解による低下が防止され
る。その結果、この潤滑剤によって、合金粉末とダイス
壁面との摩擦が低減し、金型潤滑を行わずに連続プレス
成形が可能となり、連続プレス成形の作業時間が大幅に
短縮され、また長時間にわたって連続プレス成形作業を
続けることができる。また、この潤滑剤により合金粉末
間の摩擦も低減し、磁場印加下での成形時の配向性が向
上し、磁気異方性の焼結永久磁石の磁石特性が改善され
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/02 H01F 1/04 H (72)発明者 高橋 渉 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 (72)発明者 松浦 裕 大阪府三島郡島本町江川2丁目15−17 住 友特殊金属株式会社山崎製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 R:10〜30原子% (但し、RはYを包含
    する希土類元素の少なくとも1種) 、B:2〜28原子
    %、Fe:65〜82原子% (但し、このFe量の50原子%まで
    はCoで置換することができる) を主成分とする合金粉末
    に、少なくとも1種のほう酸エステル系化合物および少
    なくとも1種のアミン化合物を混合したことを特徴とす
    る、希土類・鉄・ボロン系焼結永久磁石製造用の成形材
    料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の成形材料をプレス成形
    し、得られた成形体を焼結することからなる希土類・鉄
    ・ボロン系焼結永久磁石の製造方法。
JP7119795A 1995-05-18 1995-05-18 希土類・鉄・ボロン系焼結永久磁石の製造方法と成形材料 Withdrawn JPH08316017A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7119795A JPH08316017A (ja) 1995-05-18 1995-05-18 希土類・鉄・ボロン系焼結永久磁石の製造方法と成形材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7119795A JPH08316017A (ja) 1995-05-18 1995-05-18 希土類・鉄・ボロン系焼結永久磁石の製造方法と成形材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08316017A true JPH08316017A (ja) 1996-11-29

Family

ID=14770418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7119795A Withdrawn JPH08316017A (ja) 1995-05-18 1995-05-18 希土類・鉄・ボロン系焼結永久磁石の製造方法と成形材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08316017A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006279026A (ja) * 2005-02-28 2006-10-12 Tdk Corp 希土類焼結磁石の製造方法
CN110997187A (zh) * 2017-08-10 2020-04-10 住友电气工业株式会社 压粉铁心的制造方法以及电磁部件的制造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006279026A (ja) * 2005-02-28 2006-10-12 Tdk Corp 希土類焼結磁石の製造方法
CN110997187A (zh) * 2017-08-10 2020-04-10 住友电气工业株式会社 压粉铁心的制造方法以及电磁部件的制造方法
CN110997187B (zh) * 2017-08-10 2021-09-07 住友电气工业株式会社 压粉铁心的制造方法以及电磁部件的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100187611B1 (ko) 희토류.철계 소결영구자석의 제조방법 및 성형재료
JPWO2004029997A1 (ja) R−t−b系希土類永久磁石及び磁石組成物
JP4548127B2 (ja) R−t−b系焼結磁石
CN108630367B (zh) R-t-b系稀土类磁铁
JP4821128B2 (ja) R−Fe−B系希土類永久磁石
JP2014216341A (ja) R−t−b系焼結磁石
JP3459477B2 (ja) 希土類磁石用原料粉末の製造方法
JP2002299110A (ja) 希土類永久磁石の製造方法
JP4662009B2 (ja) 希土類永久磁石の製造方法
JP2006270087A (ja) 希土類焼結磁石の製造方法
JPH08316017A (ja) 希土類・鉄・ボロン系焼結永久磁石の製造方法と成形材料
JP3498395B2 (ja) 希土類・鉄系焼結永久磁石の製造方法と成形材料
JPH08316016A (ja) 希土類・鉄・ボロン系焼結永久磁石の製造方法と焼結原料
JPH093504A (ja) 希土類・鉄・ボロン系焼結永久磁石製造用の成形材料
JP2915560B2 (ja) 希土類鉄系永久磁石の製造方法
JP4076080B2 (ja) 希土類永久磁石の製造方法
JP5188674B2 (ja) 希土類焼結磁石の製造方法、焼結磁石用原料合金粉の粉砕方法
JP4305927B2 (ja) 潤滑剤の除去方法
JP4753024B2 (ja) R−t−b系焼結磁石用原料合金、r−t−b系焼結磁石及びその製造方法
JP2006100434A (ja) R−t−b系希土類永久磁石の製造方法
KR20210038256A (ko) 소결 자석의 제조 방법
JPH11307330A (ja) R−Fe−B系磁石の製造方法
JP4506981B2 (ja) 希土類焼結磁石の製造方法
JP2005286174A (ja) R−t−b系焼結磁石
JP7315889B2 (ja) R-t-b系永久磁石用合金およびr-t-b系永久磁石の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020806