JPH08322428A - ホタルの養殖装置 - Google Patents

ホタルの養殖装置

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JPH08322428A
JPH08322428A JP15224795A JP15224795A JPH08322428A JP H08322428 A JPH08322428 A JP H08322428A JP 15224795 A JP15224795 A JP 15224795A JP 15224795 A JP15224795 A JP 15224795A JP H08322428 A JPH08322428 A JP H08322428A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 川、用水路、湖、池、水槽等の浮上させられ
る多量水がありさえすれば、その水面上に浮上させて手
軽に設置することができ、それが電力を供給できない場
所であっても、装置内の水を自然に取替えることがで
き、もって様々な場所におけるホタル養殖及びホタル狩
りの普及に寄与できるホタルの養殖装置を得る。 【構成】 ホタルの養殖装置1は、底板4と側壁3とか
らなる容器2と、浮き5とを備える。容器2の下部には
窓6があけられて金網7が張られ、金網7の多数の網目
が水は通すがホタルの幼虫38は通さない通水孔となっ
ている。ホタルの養殖装置1を多量水31の水面上に浮
上させると、通水孔を通って容器2内に一定水深の水3
2が流入し、この水32は自然に容器2外の多量水31
と循環するので、電力を用いなくても済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工的にホタルを飼育
するためのホタルの養殖装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】6月下旬〜7月中旬の日暮れ時に川辺を
飛び交うホタルは、水面近くのコケ等に卵を生み付けて
その一生を終える。卵から孵化した幼虫は、水中にもぐ
って巻貝のカワニナを食べながら脱皮を繰り返し、7回
目の脱皮の後、陸に上がって土の中で繭に変態し、これ
が羽化して成虫となる。しかし、近年、このホタルの生
息域が少なくなってきている。原因は河川の水質汚染に
もよるが、水質汚染がそれ程進んでいない河川でも、改
修工事によって水中の岩が取り除かれ、石積みの堤防が
コンクリートブロック等に造り変えられている。こうし
て造り変えられた河川では、降雨時の増水によって水流
が激しくなり、水中に生息している生物は流される。ホ
タルの幼虫やその餌になるカワニナも遮るものがないま
まに流される。運良く生き残った幼虫にも、繭を作るべ
き場所を求めて隙間無く敷き詰められたコンクリートブ
ロックを這い上がらねばならないという試練が待ってい
る。
【0003】このように、現代の河川では繁殖が難しく
なってきているホタルを人工的に繁殖させるため、図9
に示すように、大小2つの容器を組み合せてなるホタル
の養殖装置60が開発されている(実公平7−1974
号公報)。このホタルの養殖装置60では、大形容器6
1内に水を溜めてカワニナを入れ、大形容器61内の水
面に浮上させた小形容器62内の周辺に粘土層63を形
成し、その中央部に設けた水室64内にホタルの幼虫を
入れている。水室64には注水管65及び排水管66が
配管され、電動モーター67を駆動することによって大
形容器61内の水と水室64の水とが循環される。大形
容器61内の水が注水管65を介して水室64に供給さ
れる際、この水とともにカワニナも供給される。大形容
器61内の水を取替えるには、蛇口68から排水し、外
部から新しい水を供給する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このホタル
の養殖装置60には次のような問題があった。 (1)大形容器61内の水と水室64の水とは電動モー
ター67によって循環しているために、電力を供給でき
ない場所ではこの循環機構が機能しない。水の循環が停
止すれば、水室64の水が汚れたり、水中の酸素が欠乏
したりするだけでなく、大形容器61からのカワニナの
供給も停止するため、幼虫の養殖は不可能である。 (2)大型容器61や電動モーター67を必要とするた
め、コストが高い。 (3)ホタルの養殖装置60を屋根のない屋外に設置し
た場合、小形容器62内の粘土層63は雨水により水室
64へ溶解流出することがあり、そうした場合、水室6
4の水質は白濁水になり、幼虫及びカワニナに害を与え
る。 これらの問題から、このホタルの養殖装置60は、電力
源、屋根及び大きな設置スペースのある一定の養殖用施
設内に設置する必要があり、手軽に、どこででも使用で
きるというものではなかった。
【0005】本発明の目的は、上記課題を解決し、川、
用水路、湖、池、水槽等の浮上させられる多量水があり
さえすれば、その水面上に浮上させて手軽に設置するこ
とができ、それが電力を供給できない場所であっても、
装置内の水を自然に取替えることができ、もって様々な
場所におけるホタル養殖及びホタル狩りの普及に寄与で
きるホタルの養殖装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第一の発明のホタルの養殖装置は、少なくとも底板
と側壁とからなる容器と、容器の上部を川、用水路、
湖、池、水槽等の多量水の水面上に浮上させるための浮
きとを備え、容器の下部に水は通すがホタルの幼虫は通
さない通水孔が設けられたことを特徴としている。
【0007】ここで、「容器」は少なくとも底板と側壁
とを備えていれば、どのようなものでもよい。例えば底
板の平面形状としては、多角形(三角形、四角形、五角
形等)、円形、長円形、船形等を例示できる。容器の上
面に、孔あき板、透明板等よりなる蓋や網を被せてもよ
い。容器の材質としては、合成樹脂、ガラス、木、金属
等を例示でき、透明な材質であれば外部から観察しやす
いので好ましい。「浮き」は、浮力を生じさせるもので
あれば特に制限されず、合成樹脂、ゴム、金属等よりな
る密閉パイプや球、発泡スチロール、木材等よりなるブ
ロック等を例示できる。浮きは容器の側壁及び/又は底
板に取り付けることができ、また、側壁を空間をおいた
二重構造にして浮きとしてもよい。
【0008】「通水孔」は水は通すがホタルの幼虫は通
さないものであれば、どのようなものでもよく、容器に
あけた窓に張った網や、多数の小さい貫通孔群等を例示
できる。通水孔は、容器の側壁及び/又は底板に設ける
ことができ、また、容器内の水の循環を良くするため
に、容器の下部の少なくとも2箇所に離れて設けられる
ことが好ましい。また、通水孔は、開口面積を任意の大
きさに変化させられたり、開閉できたりすることが好ま
しい。また、容器内には、ホタルの幼虫が這い上がる上
陸棚が設けられることが好ましい。上陸棚は、例えば
石、砂利、砂、土、木材、草、合成樹脂、金属又はこれ
らの組み合わせで形成でき、降雨によって溶解しないよ
うに形成することが好ましい。
【0009】第二の発明のホタルの養殖装置は、少なく
とも底板と側壁とからなる容器と、容器に水道設備又は
井戸水設備から送られる水道水又は井戸水を供給する注
水管とを備え、容器の下部に水は通すがホタルの幼虫は
通さない排水管が接続されたことを特徴としている。
【0010】
【作用】第一の発明のホタルの養殖装置によれば、川、
用水路、湖、池、水槽等の多量水の水面上に浮上させる
だけで、容器内の水は通水孔を通って自然に容器外の多
量水と循環するので、電力を用いなくても容易に取替え
ることができる。また、降雨時にも、容器内の水深は一
定に保たれ、粘土層を用いないため水が白濁することも
ないので、屋外に設置することができる。従って、改修
工事によってホタルの繁殖が難しくなった既存の川、用
水路、湖、池等に浮かべれば、川、用水路、湖、池等の
水を利用できるとともに、増水時にはホタルの幼虫を保
護し、必要時には上陸棚を与えてホタルを羽化させるこ
とができる。
【0011】第二の発明のホタルの養殖装置によれば、
注水管で容器内に新しい水を入れるだけで、一定水深を
超える余分な水が排水管から容器外へ流出するので、容
器内の水を容易に取替えることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体化したホタルの養殖装置
の実施例について、図面を参照して説明する。まず、図
1〜図3に示す第一実施例のホタルの養殖装置1は、透
明な合成樹脂製の側壁3と底板4とにより長さ約70c
m、幅約40cm、高さ約40cmの上面開口箱形に形
成された容器2と、該側壁3の外周に取り付けられた浮
き5とを備えている。
【0013】側壁3の下部であって底板4から約3cm
上方の10箇所には、高さ約5cm、幅約10cmの窓
6が互いに離れてあけられ、各窓6には網目間隔約1m
mの金網7が容器2の内側から張られている。この金網
7の多数の網目が、水は通すがホタルの幼虫38は通さ
ない通水孔となっている。
【0014】浮き5は、側壁3の外周に沿って延びる4
本の直径約10cmの塩化ビニル樹脂製のパイプ9を、
各コーナー部で塩化ビニル樹脂製の継手部材10により
接続するとともに密閉したものである。長辺側の側壁3
に沿った2本のパイプ9はその側壁3に接着剤8で固定
され、短辺側の側壁3に沿った2本のパイプ9はその側
壁3から少し離れている。パイプ9には浮力調整穴11
が設けられ、該浮力調整穴11は栓12によって開閉可
能に閉塞されている。栓12は圧入式でもねじ式でもよ
い。
【0015】この容器2の底板4の上に、図2及び図3
に示すように、約1cmの厚さに砂20を敷き、その中
央付近に石21を置く。この石21の上に砂22を敷
き、砂22の上に草23及びコケ24を植える。これら
積層された石21、砂22、草23及びコケ24によっ
て上陸棚13が構成される。上陸棚13の周囲の砂20
に小石25を置き、水生植物(クレソン)26を植え
て、自然に近い生息環境を作る。
【0016】このホタルの養殖装置1を川、用水路、
湖、池、水槽等の多量水31に静かに浮かべると、容器
2の下部が水中に没して、金網7の網目から容器2の内
部に水32が流入し、浮き5の浮力によって容器2の上
部が水面上に浮上する。このとき、必要な場合には、栓
12を開けて浮力調整穴11から浮き5の内部に少量の
水33を入れることにより、容器2内の水32の水深が
約10cmになるように、浮き5の浮力を調整する。容
器2内にホタルの幼虫38及びカワニナ39を入れ、容
器2の上面にカバー用金網15を被せ、ホタルの養殖装
置1が流されないよう、川岸から延びるロープ16を浮
き5にくくり付ける。
【0017】本実施例のホタルの養殖装置1によれば、
多量水31の水面上に浮上させるだけで、通水孔である
金網7の網目を通って容器2内に一定水深(10cm)
の水32が流入し、この水32は自然に容器2外の多量
水31と循環するので、電力を用いなくても済む。ま
た、容器2内に粘土層を形成していないため、屋外に設
置しても、降雨時に容器2内の水32が白濁することが
ない。従って、例えば、改修工事によってホタルの繁殖
が難しくなった川に浮かべれば、その水を利用できると
ともに、増水時にはホタルの幼虫38を保護し、必要時
には上陸棚13を与えてホタルを羽化させることができ
る。また、個人や旅館業者等が、敷地内の或は身近な
湖、池、水槽等に浮かべても、同様にホタルを羽化させ
ることができる。
【0018】次に、図4〜図6に示す第二実施例のホタ
ルの養殖装置1は、窓6が容器2の側壁3の3箇所に設
けられ、各窓6には容器2の外側から開閉板17が取付
けられた点と、上陸棚18が、容器2の長さ方向に一杯
に配置された傾斜板27と、傾斜板27と側壁3との間
に詰められたグラスウール28と、グラスウール28の
上に敷かれた砂29と、砂29の上に植えられた芝生3
0とによって構成された点とにおいてのみ第一実施例と
相違するものである。従って、第一実施例と共通の部分
については、図4〜図6に第一実施例と同一符号を付し
て説明を省略する。本実施例のホタルの養殖装置1によ
れば、第一実施例と同様の効果に加え、開閉板17を横
方向にスライドさせて窓6を開閉したり窓6の開口面積
を変化させたりできるので、通水孔である金網7の網目
を通過する水量を調節することができる。
【0019】次に、図7及び図8に示す第三実施例のホ
タルの養殖装置41は、透明な合成樹脂製の側壁43と
底板44とにより長さ約70cm、幅約40cm、高さ
約40cmの上面開口箱形に形成された容器42を備え
ている。側壁43の下部であって底板44から約10c
m上方の短辺側の1箇所には、直径約5cmの円形窓4
5があけられ、窓45には、容器42の外側から排水管
46が接続されている。排水管46の端面には網目間隔
約1mmの金網47が張られ、この金網47の多数の網
目が、水は通すがホタルの幼虫38は通さない通水孔と
なっている。容器42の外部から容器42の上面開口内
へは注水管48が配管され、注水管48は既存の水道設
備49(井戸水設備でもよい)に接続されている。この
容器42の内部環境は第一実施例のものと同様であるの
で、第一実施例と共通の部分については、図7及び図8
に第一実施例と同一符号を付して説明を省略する。な
お、本実施例では、積層された石21、砂22、草23
及びコケ24によって上陸棚50が構成される。
【0020】ホタルの養殖装置41に水道設備49から
注水管48を介して水道水34を供給し、容器42内に
水深約10cmの水道水34を溜めた後、容器42内に
ホタルの幼虫38及びカワニナ39を入れる。本実施例
のホタルの養殖装置41によれば、注水管48で容器4
2内に新しい水道水34を入れるだけで、一定水深(1
0cm)を超える余分な水が排水管46から容器42外
へ流出するので、容器42内の水を容易に取替えること
ができる。
【0021】上記各実施例の容器2,42内では、水生
植物26や小石25に付着した水ゴケが生長し、これを
食べるカワニナ39が増殖し、カワニナ39を餌とする
ホタルの幼虫38が脱皮を繰り返しながら成長する。幼
虫38は成長とともに上陸棚13,18,50に這い上
がって砂22,29の中で繭に変態し、7月頃羽化して
成虫となる。メスホタルがホタルの養殖装置1,41内
に卵を産み付ければ、孵化した幼虫は再び容器2,42
内で成長して繁殖することができる。
【0022】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、例えば次のように発明の趣旨から逸
脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。 (1)容器内の生息環境を、使用者が自由に構成するこ
と。 (2)容器内に水温計を取り付けること。 (3)電力の供給できる場所においては、容器に照明具
をつけてホタルの幼虫を観察しやすくしたり、ヒーター
装置をつけたりすること。
【0023】
【発明の効果】本発明のホタルの養殖装置は、上記の通
り構成されているので、川、用水路、湖、池、水槽等の
浮上させられる多量水がありさえすれば、その水面上に
浮上させて手軽に設置することができ、それが電力を供
給できない場所であっても、装置内の水を自然に取替え
ることができ、もって様々な場所におけるホタル養殖及
びホタル狩りの普及に寄与できるという優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例のホタルの養殖装置の斜視
図である。
【図2】同ホタルの養殖装置の使用時の平面図である。
【図3】同ホタルの養殖装置の使用時の断面図である。
【図4】第二実施例のホタルの養殖装置の斜視図であ
る。
【図5】同ホタルの養殖装置の使用時平面図である。
【図6】同ホタルの養殖装置の使用時の断面図である。
【図7】第三実施例のホタルの養殖装置の使用時の平面
図である。
【図8】同ホタルの養殖装置の使用時の断面図である。
【図9】従来のホタルの養殖装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 ホタルの養殖装置 2 容器 3 側壁 4 底板 5 浮き 6 窓 7 金網 13 上陸棚 18 上陸棚 31 多量水 34 水道水 38 ホタルの幼虫 41 ホタルの養殖装置 42 容器 43 側壁 44 底板 45 窓 46 排水管 48 注水管 49 水道設備 50 上陸棚

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも底板と側壁とからなる容器
    と、前記容器の上部を川、用水路、湖、池、水槽等の多
    量水の水面上に浮上させるための浮きとを備え、前記容
    器の下部に水は通すがホタルの幼虫は通さない通水孔が
    設けられたことを特徴とするホタルの養殖装置。
  2. 【請求項2】 前記通水孔が、前記容器の下部の少なく
    とも2箇所に離れて設けられた請求項1記載のホタルの
    養殖装置。
  3. 【請求項3】 前記容器内に、ホタルの幼虫が這い上が
    る上陸棚が設けられた請求項1又は2記載のホタルの養
    殖装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも底板と側壁とからなる容器
    と、前記容器に水道設備又は井戸水設備から送られる水
    道水又は井戸水を供給する注水管とを備え、前記容器の
    下部に水は通すがホタルの幼虫は通さない排水管が接続
    されたことを特徴とするホタルの養殖装置。
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