JPH08322477A - グルコマンナン分解物、それを含有するこんにゃく、及びグルコマンナン分解物の製造法 - Google Patents

グルコマンナン分解物、それを含有するこんにゃく、及びグルコマンナン分解物の製造法

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JPH08322477A
JPH08322477A JP7152149A JP15214995A JPH08322477A JP H08322477 A JPH08322477 A JP H08322477A JP 7152149 A JP7152149 A JP 7152149A JP 15214995 A JP15214995 A JP 15214995A JP H08322477 A JPH08322477 A JP H08322477A
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隆 大塚
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 歯ごたえが柔らかく、味のしみ込みがよいこ
んにゃくの原料として、更には食感改良、物性改良、冷
凍・解凍による変性防止等を目的とした食品用添加剤と
しても有用なグルコマンナン分解物を提供する。 【構成】 グルコマンナンを含有する原料に、グルコマ
ンナーゼ、好ましくはグルコマンナーゼを産生する菌の
培養液を添加してグルコマンナンを部分分解させること
により、グルコマンナン分解物を得る。このグルコマン
ナン分解物を原料としてこんにゃく糊を調製し、必要に
応じて豆腐粉砕物、豆乳、魚肉すり身、海草、野菜、牛
乳、粉乳から選ばれた少なくとも1種の副原料を添加し
て、加熱しゲル化させることによりこんにゃくを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グルコマンナン分解
物、それを含有するこんにゃく、及びグルコマンナン分
解物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】こんにゃくは、煮物やおでんなどに利用
され、広く親しまれている日本古来の食品である。こん
にゃくは、こんにゃく粉や、こんにゃく芋をすりおろし
たものを、水で練ってこんにゃく糊にした後、アルカリ
剤を添加し、加熱してゲル化させることにより製造され
ている。
【0003】こんにゃくの原料となるこんにゃく芋に
は、貯蔵性多糖類であるグルコマンナン(こんにゃくマ
ンナン)が約10重量%含まれており、こんにゃくは、こ
のグルコマンナンを主成分としている。
【0004】近年、このグルコマンナンを、アルコール
精製法を利用し、物理的に細かくして、溶解性を向上さ
せたグルコマンナンが製造され、例えばゼリー類に用い
られたり、畜肉製品、麺類等の食品の添加剤として利用
されたりしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こんにゃく
粉や、こんにゃく芋をすりおろしたものを用いて製造し
た一般的なこんにゃくは、弾力性のある強いゲルが形成
されるため、固くギシギシした食感となり、歯の弱い者
には食べずらく、咀嚼するのに時間がかかるという問題
があった。また、煮物やおでんにしたときに、味のしみ
込みが悪く、味つけがしにくいという問題もあった。
【0006】また、アルコール精製法を利用して作られ
たグルコマンナンは、水に対する溶解性に優れ、ゼリー
等の原料として利用しやすくなっているが、アルコール
処理等の製造工程が付加されるため、製造コストが高
く、したがって、こんにゃくの原料として用いるには、
高価すぎるという問題があった。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、こんにゃくの原料として、更には食
品用添加剤として使用することができ、しかも容易に、
安価に製造することができるようにしたグルコマンナン
分解物及びその製造法を提供すること、更に上記グルコ
マンナン分解物を原料として、こんにゃく本来の風味を
保持しながら、容易に咀嚼でき、味のしみ込みもよいこ
んにゃくを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のグルコマンナン分解物は、グルコマンナン
をグルコマンナーゼによって部分分解したものであるこ
とを特徴とする。
【0009】また、本発明のこんにゃくは、上記グルコ
マンナン分解物を含有するこんにゃく糊に、アルカリ剤
を添加してゲル化させたものであることを特徴とする。
【0010】更に、本発明のグルコマンナン分解物の製
造法は、グルコマンナンを含有する原料に、グルコマン
ナーゼを産生する菌の培養液を添加して、前記グルコマ
ンナンを部分分解させることを特徴とする。
【0011】以下、本発明について好ましい態様を挙げ
て詳細に説明する。本発明のグルコマンナン分解物の原
料としては、グルコマンナンを含有するものであれば特
に限定されないが、通常、こんにゃく芋をすりおろした
ものや、こんにゃく芋から調製されたこんにゃく粉等を
用いることができる。
【0012】一般的に入手しやすいこんにゃく粉を用い
た例について説明すると、まず、重量比で、こんにゃく
粉1部に対して水30〜40部を加えて膨潤させてこん
にゃく糊を形成した後、このこんにゃく糊にグルコマン
ナーゼを添加して酵素分解させる。
【0013】グルコマンナーゼは、予め精製酵素あるい
は粗酵素として調製されたものを用いることもできる
が、製造コストの点からグルコマンナーゼを産生する菌
の培養液を添加して酵素分解させることが好ましい。
【0014】グルコマンナーゼを産生する菌としては、
バチルス属に属するグルコマンナーゼ生産菌、特には、
好熱性のバチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)
が好ましく用いられる。このような菌の好ましい例とし
ては、本発明者が自然界から分離したバチルス・コアグ
ランス 304(Bacillus coagulans 304)株が挙げられ
る。この菌株はFERM BP−4993として工業技
術院生命工学工業技術研究所に寄託されている。
【0015】なお、バチルス・コアグランス 304株
の培養液を調製するための培地としては、例えば、大豆
10gを一晩水に浸漬し、水を加えて100 gとし、ミキサ
ー等ですりつぶした後、100 ℃に加熱して濾過し、次い
で、120 ℃で、15分間滅菌した豆乳培地が好ましく用い
られる。
【0016】また、バチルス・コアグランス 304株
の培養液は、グルコマンナンを含有する原料、例えばこ
んにゃく粉に水を加えて調製したこんにゃく糊に、約30
〜60℃の温度下で添加するのが好ましく、作用させる時
間によって部分分解の程度を変えることができるが、通
常は20〜120 分間作用させることが好ましい。
【0017】こうして、グルコマンナンをグルコマンナ
ーゼによって部分分解した後、必要に応じて乾燥、粉末
化することにより、本発明のグルコマンナン分解物を得
ることができる。乾燥、粉末化する方法としては、上記
分解物を120 〜130 ℃で加熱乾燥した後、粉砕して粉末
化する方法や、上記分解物を凍結乾燥後、80℃以上に加
熱して酵素を失活させる方法等が好ましく採用される。
【0018】本発明のこんにゃくは、こんにゃく粉、こ
んにゃく芋から調製されたこんにゃく糊に、上記の方法
でグルコマンナーゼを作用させてグルコマンナン分解物
を含有するこんにゃく糊を調製するか、あるいは予め上
記の方法で調製された乾燥、粉末化されたグルコマンナ
ン分解物に水を加えてこんにゃく糊にした後、このこん
にゃく糊にアルカリ剤を添加し、所定形状に成形した
後、加熱してゲル化させることにより製造できる。
【0019】なお、アルカリ剤としては、石灰乳、炭酸
ソーダ、水酸化ナトリウムなどの公知のものが用いられ
る。また、上記のような方法で調製されたグルコマンナ
ン分解物に、通常のこんにゃくの原料となるこんにゃく
芋や、こんにゃく粉を混ぜて本発明のこんにゃくの原料
としてもよい。
【0020】本発明のこんにゃくは、グルコマンナン分
解物の分解の程度及び/又はグルコマンナン分解物の含
有割合によって、その固さを変えることができる。
【0021】また、本発明のこんにゃくは、上記方法で
調製したグルコマンナン分解物を含有するこんにゃく糊
に、更に、副原料として、豆腐粉砕物、豆乳、魚肉すり
身、海草、野菜、牛乳、粉乳から選ばれた少なくとも1
種を加えて混合し、アルカリ剤を添加してゲル化させた
ものであってもよい。なお、海草、野菜は、細断したも
の、乾燥粉末化したもの、ペースト状にしたものなど、
各種のものが使用できる。例えばひじきの乾燥粉末、ダ
イコンおろしなどが挙げられる。こうして得られたこん
にゃくは、グルコマンナン分解物と、上記副原料とが均
一に混合されていて、全体がグルコマンナン分解物のゲ
ルで固められたものとなる。
【0022】上記副原料を用いる場合について、その製
造方法を説明すると、まず、前述したような方法で調製
されたグルコマンナン分解物を含有するこんにゃく糊
を、好ましくはチョッパー、カッター、裏ごし器等にか
けてほぐす。また、副原料として豆腐や魚肉すり身を用
いる場合は、上記と同様に、それらの副原料を、チョッ
パー、カッター、裏ごし器等を用いて粉砕する。副原料
として、豆乳、海草、野菜、牛乳、粉乳等を用いる場合
は、上記のような粉砕処理を施すことなく、そのまま用
いることができる。
【0023】こうして調製されたグルコマンナン分解物
を含有するこんにゃく糊と、副原料とを、重量比で好ま
しくは3:7〜9:1、より好ましくは5:5〜7:3
の割合で混合する。混合は、例えばリボンミキサー、ニ
ーダー、エアミキサー等を用いて行うことができ、この
際、撹拌条件を強くして気泡を混入させてもよい。この
場合、グルコマンナン分解物を含有するこんにゃく糊
は、副原料と均一に混合しやすいという利点が得られ
る。
【0024】グルコマンナン分解物を含有するこんにゃ
く糊と副原料との配合割合が、3:7よりこんにゃく糊
が少ない場合、こんにゃくのゲル化が困難となり、9:
1より副原料が少ない場合、副原料の風味が十分に付与
されないので、副原料の添加効果が乏しくなる。
【0025】このようにして、グルコマンナン分解物を
含有するこんにゃく糊と副原料とを混合した後、前記の
ようなアルカリ剤を添加し、所定形状に成形した後、こ
んにゃく糊が内部まで十分にゲル化するまで加熱処理し
て、上記副原料を含有するこんにゃくを得ることができ
る。
【0026】なお、本発明のこんにゃくの形状、あるい
は製品形態は、特に限定されず、例えば板状のもの、し
らたきのような線状のもの、さしみこんにゃくのように
スライスされたものなど、各種の形状、製品形態にする
ことができる。
【0027】本発明のグルコマンナン分解物は、上記の
ようなこんにゃくの原料として有用なだけでなく、食感
改良、物性改良等を目的としてゼリー類、パン類、めん
類等の各種食品の添加剤として用いることもできる。本
発明のグルコマンナン分解物を食品に添加すると、冷凍
・解凍による変性を防止する効果ももたらされる。
【0028】
【作用】本発明のグルコマンナン分解物は、グルコマン
ナンをグルコマンナーゼにより部分分解したものからな
るので、例えばこんにゃくの原料としたとき、従来のこ
んにゃくよりも柔らかいゲルとなり、こんにゃく本来の
風味を保持しながら、歯ごたえが柔らかく、容易に咀嚼
できるこんにゃくが得られる。また、ゲル化が弱められ
ることから保水性が向上し、煮汁等の味のしみ込みも良
好となる。
【0029】また、本発明のグルコマンナン分解物は、
水に膨潤させたときの粘度が低いので加工が容易とな
り、豆腐粉砕物、魚肉すり身等の副原料との混合も容易
に行うことができる。更に、こんにゃく中におけるグル
コマンナン分解物からなるこんにゃく粉の配合を多くす
ることができ、食物繊維質分の多いこんにゃくを作るこ
ともできる。更にまた、グルコマンナン分解物からなる
こんにゃく粉に、水の代わりに調味液を添加して、最初
から味つけされたこんにゃくを作ることも可能となる。
【0030】また、上記グルコマンナン分解物と上記副
原料とを混合して製造したこんにゃくは、副原料の風味
とこんにゃくの風味とが融合し、より柔らかな歯ごたえ
の製品となる。また、上記製造過程で、グルコマンナン
分解物を含有するこんにゃく糊と副原料とが均一に混合
しやすいという利点が得られる。
【0031】更に、本発明のグルコマンナン分解物は、
グルコマンナンをグルコマンナーゼによって部分分解し
たことにより、各種食品にも添加混合しやすくなり、食
感改良、物性改良、冷凍・解凍による変性防止等を目的
とした食品用添加剤としても有用である。
【0032】更にまた、本発明のグルコマンナン分解物
の製造法によれば、グルコマンナンを含有する原料に、
グルコマンナーゼを産生する菌の培養液を添加して、グ
ルコマンナンを部分分解させるので、精製酵素等を用い
る場合に比べて製品コストが著しく安くなり、生産効率
も高いという利点が得られる。
【0033】
【実施例】
実施例1(グルコマンナン分解物の製造) 大豆10gを、一晩水に浸漬し、水を加えて100 gとし、
ミキサーですりつぶした後、100 ℃に加熱して濾過し、
次いで、120 ℃で、15分間滅菌して豆乳培地を調製し
た。そして、バチルス・コアグランス 304株(FE
RM BP−4993)を、上記豆乳培地に接種し、55
℃で16時間培養して、バチルス・コアグランス 304
株の培養液を得た。
【0034】次に、市販のこんにゃく粉1重量部に水35
重量部を加えて撹拌し、バチルス・コアグランス 30
4株の上記培養液0.36重量部を添加して、55℃にて30分
間作用させた。
【0035】こうして得られた酵素分解液を、125 ℃で
加熱乾燥した後、粉砕して、グルコマンナン分解物の粉
末を得た。
【0036】実施例2(こんにゃくの製造) こんにゃく粉1重量部に、水40重量部を加えて撹拌し、
実施例1と同様にして調製したバチルス・コアグランス
304株の培養液0.4 重量部を添加して、55℃にて30
分間作用させることにより、グルコマンナン分解物を含
有するこんにゃく糊を得た。
【0037】次いで、このこんにゃく糊に、10%濃度の
水酸化ナトリウム水溶液を0.6 重量部添加して、練り込
んだ後、型に流し込んで成形し、80℃の湯中に、20分間
浸漬してこんにゃくを得た。
【0038】比較例1 こんにゃく粉1重量部に水40重量部を加えて撹拌して得
たこんにゃく糊に、10%濃度の水酸化ナトリウム水溶液
を0.6 重量部添加して、練り込んだ後、型に流し込んで
成形し、80℃の湯中に、20分間浸漬してこんにゃくを得
た。
【0039】こうして得られた実施例2、比較例1のこ
んにゃくを、それぞれおでんの煮汁中に入れ、5分間煮
込んだ後、5人のパネラーに試食させたところ、いずれ
もこんにゃく本来の風味を持っているが、実施例2のこ
んにゃくのほうが、比較例1のものより柔らかくて容易
に咀嚼でき、また、煮汁による味のしみ込みがよいとい
う評価を得た。
【0040】実施例3 こんにゃく粉1重量部に水25重量部を添加混合し、実施
例1と同様にして調製したバチルス・コアグランス 3
04株の培養液0.35重量部を添加して、55℃にて30分間
作用させ、グルコマンナン分解物を含有するこんにゃく
糊を得た。
【0041】次いで、このこんにゃく糊を裏ごし器にか
けてほぐした。一方、市販の絹ごし豆腐を同様に裏ごし
器にかけて粉砕し、豆腐粉砕物を得た。
【0042】上記こんにゃく糊と豆腐粉砕物とを重量比
で6:4の割合で混合し、リボンミキサーを用いて撹拌
した。
【0043】次に、卵殻カルシウムを、上記混合物のp
Hが11になるまで添加し、合成樹脂フィルムからなる袋
状のケーシングに充填した後、85℃で、20分間蒸煮し、
放冷して豆腐入りのこんにゃくを得た。
【0044】比較例2 こんにゃく粉1重量部に水25重量部を添加混合して得た
こんにゃく糊を、裏ごし器にかけてほぐした。一方、市
販の絹ごし豆腐を同様に裏ごし器にかけて粉砕し、豆腐
粉砕物を得た。
【0045】上記こんにゃく糊と豆腐粉砕物とを重量比
で6:4の割合で混合し、リボンミキサーを用いて撹拌
した。
【0046】次に、卵殻カルシウムを、上記混合物のp
Hが11になるまで添加し、合成樹脂フィルムからなる袋
状のケーシングに充填した後、85℃で、20分間蒸煮し、
放冷して豆腐入りのこんにゃくを得た。
【0047】実施例3、比較例2で得られた豆腐入りこ
んにゃくを、おでんの煮汁中に入れ、5分間煮込んだ
後、5人のパネラーに試食させたところ、いずれもこん
にゃくの風味と豆腐の風味とがミックスされた風味を有
するが、実施例3の豆腐入りこんにゃくのほうが、比較
例2のものよりなめらかで、容易に咀嚼でき、味のしみ
込みもよいという評価を得た。
【0048】なお、実施例3のほうが、比較例2の場合
より、こんにゃく糊と豆腐粉砕物とをリボンミキサーに
かけたときに容易に混合し、短時間で均一な混合物にす
ることができた。
【0049】実施例4(グルコマンナン分解物を添加し
た冷凍かまぼこの製造) スケトウダラの加塩すり身100 重量部、食塩1.5 重量
部、砂糖3重量部、ポリリン酸ソーダ0.05重量部、馬鈴
薯澱粉5重量部、味醂1.5 重量部、実施例1で得られた
グルコマンナン分解物1重量部、水40重量部の配合割合
の原料を混合して魚肉すり身を調製した。
【0050】この魚肉すり身を、平板上に押出して付着
させた後、35℃で、2時間座りを行い、85℃で、25分間
蒸気加熱して固化させて板付きかまぼこを製造した。こ
の板付きかまぼこを、液体窒素により急速冷凍して冷凍
かまぼことした。
【0051】比較例3 実施例4において、実施例1で得られたグルコマンナン
分解物を添加しない他は、実施例4と同様にして冷凍か
まぼこを得た。
【0052】実施例4、比較例3で得られた冷凍かまぼ
こを、−18℃の冷凍庫にて7日間保存した後、常温放置
により解凍して、5人のパネラーに試食させたところ、
実施例4のかまぼこの方が、比較例3のものより、食
感、弾力性に優れており、冷凍・解凍による変性が少な
いという評価を得た。
【0053】実施例5 こんにゃく粉1重量部に水99重量部を添加混合し、実施
例1と同様にして調製したバチルス・コアグランス 3
04株の培養液1重量部を添加して、20℃にて5時間作
用させ、0、1、2、3、4、5時間経過したときのこ
んにゃく糊の粘度を測定した。なお、20℃で行った理由
は、酵素の反応速度を遅くして粘度の測定をしやすくす
るためである。
【0054】また、比較のため、こんにゃく粉1重量部
に水99重量部を添加混合し、バチルス・コアグランス
304株の培養液を添加しないこんにゃく糊について、
上記と同様に0、1、2、3、4、5時間経過したとき
のこんにゃく糊の粘度を測定した。なお、粘度の測定
は、いずれも回転粘度計を用いて行った。
【0055】この結果を図1に示す。図1において、A
はバチルス・コアグランス 304株の培養液1重量部
を添加した場合の粘度の変化を示し、Bはバチルス・コ
アグランス 304株の培養液1重量部を添加しない場
合の粘度の変化を示す。
【0056】このように、Bの培養液を添加しない場合
は、水の添加後、時間の経過と共に膨潤が進んで粘度が
上昇し、最大50,000mPa.S.CPとなることがわかる。これ
に対し、Aの培養液を添加した場合は、水及び培養液を
添加後、2時間までは粘度が上昇するが、それ以降は粘
度が低下していき、2時間経過時の最大の粘度が120mP
a.S.CPであって、Bに比べて全体としての粘度が著しく
低いことがわかる。
【0057】Aの培養液を添加した場合において、2時
間経過後のもの(粘度120 mPa.S.CP)、3時間経過後の
もの(粘度90mPa.S.CP)、4時間経過後のもの(粘度55
mPa.S.CP)、5時間経過後のもの(粘度30mPa.S.CP)を
それぞれ取出し、直ちに125℃で加熱乾燥した後、粉砕
して、グルコマンナン分解物の粉末を得た。
【0058】こうして得られたそれぞれのグルコマンナ
ン分解物の粉末1重量部に、水40重量部を加えて撹拌
し、こんにゃく糊を得た。
【0059】次いで、これらのこんにゃく糊に、10%濃
度の水酸化ナトリウム水溶液を0.6重量部添加して、練
り込んだ後、型に流し込んで成形し、80℃の湯中に、20
分間浸漬してこんにゃくを得た。
【0060】その結果、2時間経過のもの、3時間経過
のもの、4時間経過のものは、こんにゃくにすることが
可能であったが、5時間経過のものでは、こんにゃくに
することが困難であった。ただし、5時間経過のもの
は、食品添加物として、各種の食品素材に添加するのに
は混ぜやすく適していた。
【0061】上記のような実験を繰り返した結果、こん
にゃくの原料とする場合、グルコマンナン分解物は、グ
ルコマンナン分解物1重量%水溶液での20℃における
粘度が50〜200 mPa.S.CPとなるように分解することが好
ましいことがわかった。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
こんにゃくの原料として、あるいは食感改良、物性改
良、冷凍・解凍による変性防止等を目的とした食品用添
加剤として有用なグルコマンナン分解物を提供すること
ができる。そして、このグルコマンナン分解物を原料と
することにより、柔らかい歯ごたえを有し、味のしみ込
みが良好なこんにゃくを提供することができる。更に、
グルコマンナンを含有する原料に、グルコマンナーゼを
産生する菌の培養液を添加して、グルコマンナンを部分
分解させることにより、グルコマンナン分解物を容易に
安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】こんにゃく粉に水を添加した後、更にバチルス
・コアグランス 304株の培養液を添加した場合と、
上記培養液を添加しない場合とについて、その後の経過
時間とこんにゃく糊の粘度との関係を測定した結果を示
す図表である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルコマンナンをグルコマンナーゼによ
    って部分分解したものであることを特徴とするグルコマ
    ンナン分解物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のグルコマンナン分解物を
    含有するこんにゃく糊に、アルカリ剤を添加してゲル化
    させたものであることを特徴とするこんにゃく。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のグルコマンナン分解物を
    含有するこんにゃく糊に、更に、豆腐粉砕物、豆乳、魚
    肉すり身、海草、野菜、牛乳、粉乳から選ばれた少なく
    とも1種を加えて混合し、アルカリ剤を添加してゲル化
    させたものである請求項2記載のこんにゃく。
  4. 【請求項4】 グルコマンナンを含有する原料に、グル
    コマンナーゼを産生する菌の培養液を添加して、前記グ
    ルコマンナンを部分分解させることを特徴とするグルコ
    マンナン分解物の製造法。
JP7152149A 1995-05-26 1995-05-26 グルコマンナン分解物、それを含有するこんにゃく、及びグルコマンナン分解物の製造法 Pending JPH08322477A (ja)

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