JPH0832351A - 位相変調回路 - Google Patents
位相変調回路Info
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- JPH0832351A JPH0832351A JP16356494A JP16356494A JPH0832351A JP H0832351 A JPH0832351 A JP H0832351A JP 16356494 A JP16356494 A JP 16356494A JP 16356494 A JP16356494 A JP 16356494A JP H0832351 A JPH0832351 A JP H0832351A
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- Measuring Magnetic Variables (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来必要であった抵抗ブリッジ補償回路の調
整作業を一切必要としない、きわめて簡単な回路構成の
位相変調回路を提供する。 【構成】 強磁性体に交流電流を通電して、強磁性体の
両端の間に磁束変化による誘導交流電圧を発生させる。
この誘導交流電圧のうちの主にインダクタンス成分によ
る信号のみを通過させ、オーミック電圧成分による信号
を減衰させるフィルター回路に該誘導交流電圧を通過さ
せる。制御電流を交流電流に重畳して通電すると、抵抗
ブリッジ補償回路を使わずに、誘導交流電圧の発生する
磁界の値を変化でき、制御電流により誘導交流電圧の位
相を変調出来る。
整作業を一切必要としない、きわめて簡単な回路構成の
位相変調回路を提供する。 【構成】 強磁性体に交流電流を通電して、強磁性体の
両端の間に磁束変化による誘導交流電圧を発生させる。
この誘導交流電圧のうちの主にインダクタンス成分によ
る信号のみを通過させ、オーミック電圧成分による信号
を減衰させるフィルター回路に該誘導交流電圧を通過さ
せる。制御電流を交流電流に重畳して通電すると、抵抗
ブリッジ補償回路を使わずに、誘導交流電圧の発生する
磁界の値を変化でき、制御電流により誘導交流電圧の位
相を変調出来る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、搬送波の位相を入力信
号の大きさに対応させて変化させる位相変調回路の構成
に関する。
号の大きさに対応させて変化させる位相変調回路の構成
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在広く一般的に知られている変調回路
には振幅変調回路または周波数変調回路があり、これら
は主に通信の分野で使用される。振幅変調とは、搬送波
の振幅を入力信号によって変化させるものであり、一
方、周波数変調とは、搬送波の周波数を入力信号によっ
て変化させるものである。これらはAMラジオまたはF
Mラジオで広く一般に知られている。変調回路には、上
記の振幅変調回路および周波数変調回路の他に、位相変
調回路が存在する。位相変調は、搬送波の位相を入力信
号によって変化させる方式である。位相変調回路は、特
に無線通信分野、工場内通信などの雑音環境での通信お
よびセキュリティ分野の信号発生デバイスなど、通信お
よび情報分野での広範な利用が考えられる。これらの変
調回路には、その構成素子数、回路の複雑さ、信号対雑
音比、占有帯域幅等において一長一短がある。振幅変調
回路は、ベース変調回路やコレクタ変調回路等に代表さ
れるように、その回路構成が簡単であり、また復調回路
も整流回路を利用して振幅変調を受けた信号の包絡線に
比例した出力を取り出すことによって元の変調信号を取
り出すことができ非常に簡単に構成される。さらに単側
波帯通信方式(SSB)等によって占有帯域幅を小さく
することが出来る長所を有する。しかし、雑音のほとん
が振幅に影響を与えるため、信号対雑音比(S/N比)
が非常に悪い欠点がある。これに対し、周波数変調は、
受信した周波数の瞬時周波数または搬送波からの周波数
の偏移を読み取る方式であるため、雑音に対する影響が
少なく、S/N比は振幅変調波に比べて非常に優れてい
る。しかし、占有帯域幅は、振幅変調波が9kHz程度
であるのに対し、その4〜5倍を必要とする。また、周
波数変調回路は、リアクタンストランジスタ回路に代表
されるように、その回路構成は簡単であるが、復調回路
がフォスターシーリー型回路に代表されるように調整が
面倒である欠点がある。また、振幅変調回路、周波数変
調回路ともに、トランジスタやFETが回路構成素子の
一部となっているため、その耐環境性、特に耐温湿度変
化や耐衝撃性に問題があった。さらに、放射線が問題と
なる宇宙空間や放射能汚染空間などでの使用は不可能で
あった。一方、従来の位相変調回路は、振幅変調回路と
比べると、周波数変調回路と同様にS/N比は非常に優
れている。しかし、位相変調回路の構成は、代表的な位
相変調回路であるアームストロング回路におけるよう
に、非常に複雑である。そのため、位相変調回路は、周
波数変調回路と同等の性能を持ちながら、広く一般に使
われることはなかった。
には振幅変調回路または周波数変調回路があり、これら
は主に通信の分野で使用される。振幅変調とは、搬送波
の振幅を入力信号によって変化させるものであり、一
方、周波数変調とは、搬送波の周波数を入力信号によっ
て変化させるものである。これらはAMラジオまたはF
Mラジオで広く一般に知られている。変調回路には、上
記の振幅変調回路および周波数変調回路の他に、位相変
調回路が存在する。位相変調は、搬送波の位相を入力信
号によって変化させる方式である。位相変調回路は、特
に無線通信分野、工場内通信などの雑音環境での通信お
よびセキュリティ分野の信号発生デバイスなど、通信お
よび情報分野での広範な利用が考えられる。これらの変
調回路には、その構成素子数、回路の複雑さ、信号対雑
音比、占有帯域幅等において一長一短がある。振幅変調
回路は、ベース変調回路やコレクタ変調回路等に代表さ
れるように、その回路構成が簡単であり、また復調回路
も整流回路を利用して振幅変調を受けた信号の包絡線に
比例した出力を取り出すことによって元の変調信号を取
り出すことができ非常に簡単に構成される。さらに単側
波帯通信方式(SSB)等によって占有帯域幅を小さく
することが出来る長所を有する。しかし、雑音のほとん
が振幅に影響を与えるため、信号対雑音比(S/N比)
が非常に悪い欠点がある。これに対し、周波数変調は、
受信した周波数の瞬時周波数または搬送波からの周波数
の偏移を読み取る方式であるため、雑音に対する影響が
少なく、S/N比は振幅変調波に比べて非常に優れてい
る。しかし、占有帯域幅は、振幅変調波が9kHz程度
であるのに対し、その4〜5倍を必要とする。また、周
波数変調回路は、リアクタンストランジスタ回路に代表
されるように、その回路構成は簡単であるが、復調回路
がフォスターシーリー型回路に代表されるように調整が
面倒である欠点がある。また、振幅変調回路、周波数変
調回路ともに、トランジスタやFETが回路構成素子の
一部となっているため、その耐環境性、特に耐温湿度変
化や耐衝撃性に問題があった。さらに、放射線が問題と
なる宇宙空間や放射能汚染空間などでの使用は不可能で
あった。一方、従来の位相変調回路は、振幅変調回路と
比べると、周波数変調回路と同様にS/N比は非常に優
れている。しかし、位相変調回路の構成は、代表的な位
相変調回路であるアームストロング回路におけるよう
に、非常に複雑である。そのため、位相変調回路は、周
波数変調回路と同等の性能を持ちながら、広く一般に使
われることはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図1は、従来の位相変
調回路の1つであるアームストロング変調回路の構成を
示す。この回路では、搬送波発振回路の出力を2つに分
ける。一方は、増幅回路を通して混合回路に入力され
る。他方は、他の入力である変調信号とともに、平衡変
調回路に印加され、両側波帯だけの振幅変調波が出力さ
れる。この出力を移相回路によって90°位相をずらし
て増幅回路で増幅する。次に、増幅回路の出力を混合回
路で搬送波と合成して位相変調出力を得る。本回路は同
時に振幅変調も生じやすいので、出力段には振幅制限回
路が必要となる。このように、回路構成は複雑である。
さらに、本回路の位相変化幅は ±7°以下と小さい。
調回路の1つであるアームストロング変調回路の構成を
示す。この回路では、搬送波発振回路の出力を2つに分
ける。一方は、増幅回路を通して混合回路に入力され
る。他方は、他の入力である変調信号とともに、平衡変
調回路に印加され、両側波帯だけの振幅変調波が出力さ
れる。この出力を移相回路によって90°位相をずらし
て増幅回路で増幅する。次に、増幅回路の出力を混合回
路で搬送波と合成して位相変調出力を得る。本回路は同
時に振幅変調も生じやすいので、出力段には振幅制限回
路が必要となる。このように、回路構成は複雑である。
さらに、本回路の位相変化幅は ±7°以下と小さい。
【0004】位相変調波は、位相復調回路において基本
波と被変調波との時間差比較によって簡単に元の信号波
を取り出すことが出来る。このため、位相変調回路の構
成の簡素化が位相変調分野の普及に大きく寄与すると考
えられる。本発明者らは、先に非常に簡単な回路構成
で、かつ、信頼性の高い位相変調回路(特願平5−24
4770号)を発明した。しかし、この位相変調回路で
も、磁性体励磁周波数が低い領域では抵抗ブリッジ補償
回路の調整が必要であった。また、位相変調波を復調す
る際に、位相基準となる信号が必要になるため、信号波
とは別に位相基準波を発生させる必要があった。さら
に、この新たに発生される位相基準信号は位相変調波と
の同期を極めて正確にとる必要があり、位相基準信号を
いかに、より正確に発生させるかが、位相変調方式にお
ける大きな技術課題となっていた。この位相変調回路
は、使用する交流電流の周波数が低い場合は、インダク
タンス成分による電圧eLに比べて強磁性体の電気抵抗
による電圧eRが大きくなる。よって、位相変調回路と
して作用させるためには、インダクタンス成分による電
圧のみを取り出す工夫が必要となる。この問題は、強磁
性体の抵抗による電圧を打ち消す抵抗ブリッジ回路を用
いることで解決していた。この抵抗ブリッジ回路は、図
2に示すように、強磁性体2の他に3個の抵抗素子1
0、12、14によって構成される。すなわち、強磁性
体2の接地側の端と交流電源6の間に可変抵抗10を接
続し、可変抵抗10の可変端子とコンデンサ素子4との
間に抵抗12を接続する。さらに、抵抗12のコンデン
サ素子4に接続されている側と、強磁性体2の接地され
ていない側との間に、抵抗14が接続される。抵抗ブリ
ッジの平衡条件は次の通りである。
波と被変調波との時間差比較によって簡単に元の信号波
を取り出すことが出来る。このため、位相変調回路の構
成の簡素化が位相変調分野の普及に大きく寄与すると考
えられる。本発明者らは、先に非常に簡単な回路構成
で、かつ、信頼性の高い位相変調回路(特願平5−24
4770号)を発明した。しかし、この位相変調回路で
も、磁性体励磁周波数が低い領域では抵抗ブリッジ補償
回路の調整が必要であった。また、位相変調波を復調す
る際に、位相基準となる信号が必要になるため、信号波
とは別に位相基準波を発生させる必要があった。さら
に、この新たに発生される位相基準信号は位相変調波と
の同期を極めて正確にとる必要があり、位相基準信号を
いかに、より正確に発生させるかが、位相変調方式にお
ける大きな技術課題となっていた。この位相変調回路
は、使用する交流電流の周波数が低い場合は、インダク
タンス成分による電圧eLに比べて強磁性体の電気抵抗
による電圧eRが大きくなる。よって、位相変調回路と
して作用させるためには、インダクタンス成分による電
圧のみを取り出す工夫が必要となる。この問題は、強磁
性体の抵抗による電圧を打ち消す抵抗ブリッジ回路を用
いることで解決していた。この抵抗ブリッジ回路は、図
2に示すように、強磁性体2の他に3個の抵抗素子1
0、12、14によって構成される。すなわち、強磁性
体2の接地側の端と交流電源6の間に可変抵抗10を接
続し、可変抵抗10の可変端子とコンデンサ素子4との
間に抵抗12を接続する。さらに、抵抗12のコンデン
サ素子4に接続されている側と、強磁性体2の接地され
ていない側との間に、抵抗14が接続される。抵抗ブリ
ッジの平衡条件は次の通りである。
【数1】 Rw/R10 = R14/R12 (1) ここに、Rwは、強磁性体2の抵抗値であり、R10は、
可変抵抗10の可変部分の抵抗値であり、R12とR
14は、それぞれ抵抗12、14の抵抗値である。式
(1)より、誘導交流電圧からインダクタンス成分によ
る電圧のみを取り出すためには、可変抵抗10の抵抗値
R10を調整して平衡条件を実現する作業を必要とする。
この抵抗ブリッジ回路の補償度合いは強磁性体の抵抗値
に依存するため、人手を介した面倒な調整操作が必要で
あった。
可変抵抗10の可変部分の抵抗値であり、R12とR
14は、それぞれ抵抗12、14の抵抗値である。式
(1)より、誘導交流電圧からインダクタンス成分によ
る電圧のみを取り出すためには、可変抵抗10の抵抗値
R10を調整して平衡条件を実現する作業を必要とする。
この抵抗ブリッジ回路の補償度合いは強磁性体の抵抗値
に依存するため、人手を介した面倒な調整操作が必要で
あった。
【0005】本発明の目的は、使用する磁性体励磁電流
の周波数が低い領域において、位相変調回路で必要であ
った抵抗ブリッジ補償回路の調整作業を一切必要としな
い位相変調回路を提供することである。また、本発明の
他の目的は、極めて正確な位相基準信号を位相変調波に
重畳させることが出来、単純でかつ高精度な復調を可能
にする位相変調回路を提供することである。
の周波数が低い領域において、位相変調回路で必要であ
った抵抗ブリッジ補償回路の調整作業を一切必要としな
い位相変調回路を提供することである。また、本発明の
他の目的は、極めて正確な位相基準信号を位相変調波に
重畳させることが出来、単純でかつ高精度な復調を可能
にする位相変調回路を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る位相変調回
路は、位相変調素子として強磁性体を使用する。交流電
源は、交流電流を強磁性体の両端間に供給する。この交
流電流の周波数は、制御電流の周波数より大きい。強磁
性体に交流電流を印加することによって強磁性体に誘導
交流電圧が発生される。一方、信号供給回路は、強磁性
体の両端間に制御電流(変調信号)を供給する。上記の
制御電流と交流電流とにより強磁性体に誘導交流電圧が
発生する。この誘導交流電圧を、この誘導交流電圧のう
ちの主にインダクタンス成分による信号を出力するフィ
ルター回路に通過させ、位相変調出力信号として出力す
る。これにより、抵抗ブリッジ補償回路を使用すること
なく誘導交流電圧から主にインダクタンス成分による信
号を取り出せる。この信号の位相が、強磁性体に通電す
る制御電流の大きさに対応してずれ、制御電流によって
位相が変調される。本発明で使用するフィルター回路
は、要求されるeLとeRの波形分離度合い、磁性体を励
磁する交流電流周波数、または磁性体の磁気特性または
形状からくるeLとeRの波形の差に応じてその種類を選
択することが出来る。たとえば、フィルター回路は、受
動素子のみを使用したフィルター回路であってもよく、
能動素子を含むフィルター回路であってもよい。また、
好ましくはフィルター回路の前段または後段、もしくは
前段と後段に増幅回路を設ける。これにより、後段に続
く回路への十分な信号電圧を供給することが可能にな
る。
路は、位相変調素子として強磁性体を使用する。交流電
源は、交流電流を強磁性体の両端間に供給する。この交
流電流の周波数は、制御電流の周波数より大きい。強磁
性体に交流電流を印加することによって強磁性体に誘導
交流電圧が発生される。一方、信号供給回路は、強磁性
体の両端間に制御電流(変調信号)を供給する。上記の
制御電流と交流電流とにより強磁性体に誘導交流電圧が
発生する。この誘導交流電圧を、この誘導交流電圧のう
ちの主にインダクタンス成分による信号を出力するフィ
ルター回路に通過させ、位相変調出力信号として出力す
る。これにより、抵抗ブリッジ補償回路を使用すること
なく誘導交流電圧から主にインダクタンス成分による信
号を取り出せる。この信号の位相が、強磁性体に通電す
る制御電流の大きさに対応してずれ、制御電流によって
位相が変調される。本発明で使用するフィルター回路
は、要求されるeLとeRの波形分離度合い、磁性体を励
磁する交流電流周波数、または磁性体の磁気特性または
形状からくるeLとeRの波形の差に応じてその種類を選
択することが出来る。たとえば、フィルター回路は、受
動素子のみを使用したフィルター回路であってもよく、
能動素子を含むフィルター回路であってもよい。また、
好ましくはフィルター回路の前段または後段、もしくは
前段と後段に増幅回路を設ける。これにより、後段に続
く回路への十分な信号電圧を供給することが可能にな
る。
【0007】
【作用】強磁性体に交流電源により交流電流を流すと、
強磁性体の両端間には、強磁性体の円周方向磁束の時間
変化に対応した誘導交流電圧が発生する。この誘導交流
電圧を、この誘導交流電圧のうちの主にインダクタンス
成分による信号を出力するフィルター回路に通過させ
る。この状態で、制御電源により、強磁性体に制御電流
をさらに流すと、強磁性体円周方向に直流磁界を生じ、
この直流磁界がバイアス磁界となり、フィルター回路通
過後の信号の位相が変化する。すなわち、強磁性体の両
端間に発生した信号の位相は、制御電流により変調され
る。この位相変調回路は、きわめて簡単な構成を備え
る。さらに、誘導交流電圧のうちの主にインダクタンス
成分による信号を出力するフィルター回路を使用するこ
とによって、強磁性体交流励磁波の変曲点において、信
号波形に磁性体交流励磁波の変曲点に対応する信号が発
生し、これを位相基準信号として使用できる。この位相
基準信号は信号波に重畳するので、復調回路を単純化で
きる。さらに、この位相基準信号は磁性体交流励磁波の
変曲点に対応して発生するため、きわめて正確な位相基
準を与える。
強磁性体の両端間には、強磁性体の円周方向磁束の時間
変化に対応した誘導交流電圧が発生する。この誘導交流
電圧を、この誘導交流電圧のうちの主にインダクタンス
成分による信号を出力するフィルター回路に通過させ
る。この状態で、制御電源により、強磁性体に制御電流
をさらに流すと、強磁性体円周方向に直流磁界を生じ、
この直流磁界がバイアス磁界となり、フィルター回路通
過後の信号の位相が変化する。すなわち、強磁性体の両
端間に発生した信号の位相は、制御電流により変調され
る。この位相変調回路は、きわめて簡単な構成を備え
る。さらに、誘導交流電圧のうちの主にインダクタンス
成分による信号を出力するフィルター回路を使用するこ
とによって、強磁性体交流励磁波の変曲点において、信
号波形に磁性体交流励磁波の変曲点に対応する信号が発
生し、これを位相基準信号として使用できる。この位相
基準信号は信号波に重畳するので、復調回路を単純化で
きる。さらに、この位相基準信号は磁性体交流励磁波の
変曲点に対応して発生するため、きわめて正確な位相基
準を与える。
【0008】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明を実施例
により説明する。 実施例1 図3は、実施例1の位相変調回路を示し、本発明の位相
変調回路の基本回路構成を示す。この基本回路は、強磁
性体2、交流電源6および信号電源8、高域を通過する
フィルター回路16からなる。細長い強磁性体2の両端
に交流電源6から交流電流(励磁波)を供給する。ま
た、同時に、強磁性体の両端に、信号電源8から制御電
流(変調信号)を供給する。このとき、強磁性体2に発
生される誘導電圧をフィルター回路16を通して取り出
す。強磁性体2は、強磁性伝導体からなる線であり、円
周方向の磁束の反転が狭い磁界範囲内で起こることが大
きな誘導電圧を得るために望ましい。強磁性体の磁気特
性と形状は、所望の位相変調特性に対応して決められ
る。後で説明するように、制御電流Icのある範囲では
誘導電圧の大きさが変化しない。そこで、この範囲の制
御電流Icを用いると、従来のアームストロング回路に
おいて必要であった振幅制限回路は不要である。図3に
示した位相変調回路と図1に示した従来例(アームスト
ロング位相変調方式)を対比すると明らかなように、本
実施例の位相変調回路は、回路構成がきわめて簡単であ
る。また、抵抗ブリッジ回路を使用しないので、調整作
業を一切必要としない位相変調回路を実現することが出
来る。
により説明する。 実施例1 図3は、実施例1の位相変調回路を示し、本発明の位相
変調回路の基本回路構成を示す。この基本回路は、強磁
性体2、交流電源6および信号電源8、高域を通過する
フィルター回路16からなる。細長い強磁性体2の両端
に交流電源6から交流電流(励磁波)を供給する。ま
た、同時に、強磁性体の両端に、信号電源8から制御電
流(変調信号)を供給する。このとき、強磁性体2に発
生される誘導電圧をフィルター回路16を通して取り出
す。強磁性体2は、強磁性伝導体からなる線であり、円
周方向の磁束の反転が狭い磁界範囲内で起こることが大
きな誘導電圧を得るために望ましい。強磁性体の磁気特
性と形状は、所望の位相変調特性に対応して決められ
る。後で説明するように、制御電流Icのある範囲では
誘導電圧の大きさが変化しない。そこで、この範囲の制
御電流Icを用いると、従来のアームストロング回路に
おいて必要であった振幅制限回路は不要である。図3に
示した位相変調回路と図1に示した従来例(アームスト
ロング位相変調方式)を対比すると明らかなように、本
実施例の位相変調回路は、回路構成がきわめて簡単であ
る。また、抵抗ブリッジ回路を使用しないので、調整作
業を一切必要としない位相変調回路を実現することが出
来る。
【0009】この位相変調回路における位相変調につい
て説明するために、まず、交流電源6により強磁性体2
に交流電流を流したときの信号について説明する。強磁
性体2に交流電流を流したとき、強磁性体の両端間には
誘導交流電圧eWが発生する。この誘導交流電圧eWは、
強磁性体2の円周方向磁束の時間変化による電圧eLと
強磁性体2が有する電気抵抗RWによるオーミック電圧
eRの和である。強磁性体2を励磁する交流電流の周波
数が強磁性体2の表皮効果を考慮しなくてもよい低い励
磁周波数領域では、eRは交流電源電圧の波形となり、
一方、eLは磁束の急激な変化により鋭いパルス波形と
なる。従ってeRとeLの周波数スペクトルは著しく異な
り、eLは大きな高調波成分を有する。従って、eRをほ
とんど減衰させeLの高調波成分のみを通過させる高域
通過フィルター回路などを用いれば、eRは抑制され、
eLのみを検出することが出来る。なお、こうして取り
出された電圧eL'は、誘導交流電圧のうちの主にインダ
クタンス成分による信号であり、抵抗ブリッジ補償回路
を用いた位相変調回路(図2参照)において抵抗ブリッ
ジ補償回路より取り出される信号とは異なる。
て説明するために、まず、交流電源6により強磁性体2
に交流電流を流したときの信号について説明する。強磁
性体2に交流電流を流したとき、強磁性体の両端間には
誘導交流電圧eWが発生する。この誘導交流電圧eWは、
強磁性体2の円周方向磁束の時間変化による電圧eLと
強磁性体2が有する電気抵抗RWによるオーミック電圧
eRの和である。強磁性体2を励磁する交流電流の周波
数が強磁性体2の表皮効果を考慮しなくてもよい低い励
磁周波数領域では、eRは交流電源電圧の波形となり、
一方、eLは磁束の急激な変化により鋭いパルス波形と
なる。従ってeRとeLの周波数スペクトルは著しく異な
り、eLは大きな高調波成分を有する。従って、eRをほ
とんど減衰させeLの高調波成分のみを通過させる高域
通過フィルター回路などを用いれば、eRは抑制され、
eLのみを検出することが出来る。なお、こうして取り
出された電圧eL'は、誘導交流電圧のうちの主にインダ
クタンス成分による信号であり、抵抗ブリッジ補償回路
を用いた位相変調回路(図2参照)において抵抗ブリッ
ジ補償回路より取り出される信号とは異なる。
【0010】ここで、強磁性体2として円形断面をもつ
細長い線を用い、交流電源6が時間tとともに位相ψが
直線的に増加する三角波交流電流を強磁性体の両端間に
流し、強磁性体2を励磁する場合を考える。強磁性体の
円周方向磁束の時間変化による電圧eLを発生する磁界
は、交流励磁によって発生する磁界(H△)と制御電流
(変調信号)によって発生する磁界(Hs)との和(H
△+Hs)がパルス発生磁界(H*)と等しくなった場合
である。このパルス発生磁界(H*)は、たとえばアモ
ルファス強磁性体の逆磁区形成限界磁界に相当する。
細長い線を用い、交流電源6が時間tとともに位相ψが
直線的に増加する三角波交流電流を強磁性体の両端間に
流し、強磁性体2を励磁する場合を考える。強磁性体の
円周方向磁束の時間変化による電圧eLを発生する磁界
は、交流励磁によって発生する磁界(H△)と制御電流
(変調信号)によって発生する磁界(Hs)との和(H
△+Hs)がパルス発生磁界(H*)と等しくなった場合
である。このパルス発生磁界(H*)は、たとえばアモ
ルファス強磁性体の逆磁区形成限界磁界に相当する。
【0011】図4は、2次減衰特性をもつ高域通過フィ
ルター回路を使用した場合の励磁波(三角波交流電
流)、誘導電圧波eLおよび位相基準波(位相基準パル
スref)の関係を示す図である。図4に示すように、励
磁波による磁界の増加にともない円周方向の磁束変化が
きわめて狭い磁界範囲において起こり、パルス状交流電
圧eLを含む誘導交流電圧eWが発生する。この電圧eW
をフィルター回路16に通過させることにより、eRを
ほとんど減衰させ、eLによる電圧eL'のみを取り出す
ことが出来る。さらに、2次減衰特性をもつフィルター
を使用することにより、三角波の2回微分によるパルス
波refが励磁波の変曲点の位置で発生する。このパルス
波refは変調後信号に重畳し、復調時において位相基準
パルスrefとして使用できる。ここで、励磁波の正の部
分によって発生する誘導交流電圧のフィルター回路通過
後の大きさをeL'+ と定義し、励磁波の負の部分によっ
て発生する誘導交流電圧のフィルター回路通過後の大き
さをeL'- と定義する。
ルター回路を使用した場合の励磁波(三角波交流電
流)、誘導電圧波eLおよび位相基準波(位相基準パル
スref)の関係を示す図である。図4に示すように、励
磁波による磁界の増加にともない円周方向の磁束変化が
きわめて狭い磁界範囲において起こり、パルス状交流電
圧eLを含む誘導交流電圧eWが発生する。この電圧eW
をフィルター回路16に通過させることにより、eRを
ほとんど減衰させ、eLによる電圧eL'のみを取り出す
ことが出来る。さらに、2次減衰特性をもつフィルター
を使用することにより、三角波の2回微分によるパルス
波refが励磁波の変曲点の位置で発生する。このパルス
波refは変調後信号に重畳し、復調時において位相基準
パルスrefとして使用できる。ここで、励磁波の正の部
分によって発生する誘導交流電圧のフィルター回路通過
後の大きさをeL'+ と定義し、励磁波の負の部分によっ
て発生する誘導交流電圧のフィルター回路通過後の大き
さをeL'- と定義する。
【0012】図5は、さらに、信号電源8により制御電
流(入力信号)Icを強磁性体2に流した場合を示す
が、この場合も、磁界の増加にともない円周方向の磁束
変化がきわめて狭い磁界範囲において起こり、パルス状
交流電圧eLを含む誘導交流電圧eWが発生する。この電
圧eWをフィルター回路16に通過させることにより、
eRをほとんど減衰させeLによる電圧eL'のみを取り出
すことが出来る。円周方向の磁束変化の起こる磁界の値
は、制御電流Icにより変化する。しかし、位相基準信
号refの位置は、強磁性体励磁波に依存し、制御電流に
よって変化しない。
流(入力信号)Icを強磁性体2に流した場合を示す
が、この場合も、磁界の増加にともない円周方向の磁束
変化がきわめて狭い磁界範囲において起こり、パルス状
交流電圧eLを含む誘導交流電圧eWが発生する。この電
圧eWをフィルター回路16に通過させることにより、
eRをほとんど減衰させeLによる電圧eL'のみを取り出
すことが出来る。円周方向の磁束変化の起こる磁界の値
は、制御電流Icにより変化する。しかし、位相基準信
号refの位置は、強磁性体励磁波に依存し、制御電流に
よって変化しない。
【0013】いま、交流電源6により発生される磁界
(三角波励磁波)は、次の数式で表せる。
(三角波励磁波)は、次の数式で表せる。
【数2】 H△ = 2・Hm・ω・t/π = 2・Hm・ψ/π (2) ここに、 -π/2 ≦ ψ ≦π /2 ここに、Hmは磁界の最大値を表し、ωは周波数を表
す。最大磁界Hmは、磁性体2に円周方向の磁束変化を
生じさせるのに必要な磁界Hcより大きくする。位相ψ
は、励磁波とグランドラインとの交点で0とする。この
場合、誘導波電圧eL+、eL-が発生する条件は、次の通
りである。
す。最大磁界Hmは、磁性体2に円周方向の磁束変化を
生じさせるのに必要な磁界Hcより大きくする。位相ψ
は、励磁波とグランドラインとの交点で0とする。この
場合、誘導波電圧eL+、eL-が発生する条件は、次の通
りである。
【数3】 2・Hm・ψ/π = H* (3) したがって、制御電流が0であるときの誘導波電圧
eL+、eL- の位相ψ0は、数式(4)で決定される。
eL+、eL- の位相ψ0は、数式(4)で決定される。
【数4】 ψ0 =(π/(2・Hm))・H* (4)
【0014】一方、制御電流Icより発生する円周方向
磁界Hcは、磁性体2の半径をaとすると、次の数式で
表せる。
磁界Hcは、磁性体2の半径をaとすると、次の数式で
表せる。
【数5】 Hc = Ic/(2・π・a) (5) ここに、励磁波の周波数ωは、制御電流Icの周波数よ
り十分に高い。したがって、制御電流Icは直流として
取り扱える。制御電流Icを励磁三角波に重畳した場合
(図5)、誘導電圧波eL+が発生する条件は、次の通り
である。
り十分に高い。したがって、制御電流Icは直流として
取り扱える。制御電流Icを励磁三角波に重畳した場合
(図5)、誘導電圧波eL+が発生する条件は、次の通り
である。
【数6】 2 ・Hm・ψ+/π + Ic/(2・π・a) = H* (6) ここに、ψ+は、正の傾きをもつ励磁波の部分とグラン
ドラインとの交点を基準に一番近い正の傾きをもつ励磁
波の部分によって発生する誘導交流電圧のフィルター回
路通過後の信号波の位相ψと定義される。
ドラインとの交点を基準に一番近い正の傾きをもつ励磁
波の部分によって発生する誘導交流電圧のフィルター回
路通過後の信号波の位相ψと定義される。
【0015】この場合、誘導電圧波eL+の位相ψ+は、
次の数式で表される。
次の数式で表される。
【数7】 ψ+ = π/(2・Hm)・(H* - (Ic/(2・π・a))) = ψ0 - (1/(4・Hm・a)) ・Ic (7) よって、三角波励磁の場合の位相(ψ+)対制御電流
(Ic)の傾きψ+/Icは、数式(8)で表される。
(Ic)の傾きψ+/Icは、数式(8)で表される。
【数8】 ψ+/Ic = −1/(4・Hm・a) (8) 同様に、負の傾きをもつ励磁波により発生する誘導電圧
波eL-の位相ψ-は、次の数式で表せる。ここに、ψ
-は、負の傾きをもつ励磁波の部分とグランドラインと
の交点を基準に一番近い負の傾きをもつ励磁波の部分に
よって発生する誘導交流電圧のフィルター回路通過後の
信号波の位相ψと定義される。
波eL-の位相ψ-は、次の数式で表せる。ここに、ψ
-は、負の傾きをもつ励磁波の部分とグランドラインと
の交点を基準に一番近い負の傾きをもつ励磁波の部分に
よって発生する誘導交流電圧のフィルター回路通過後の
信号波の位相ψと定義される。
【数9】 ψ- = ψ0+(1/(4・Hm・a))・Ic (9) 従って、三角波励磁の場合の位相(ψ-)対制御電流
(Ic)の傾きψ-/Icは、数式(10)で表される。
(Ic)の傾きψ-/Icは、数式(10)で表される。
【数10】 ψ-/Ic = 1/(4・Hm・a) (10) 従って、強磁性体の磁気特性、形状および印加交流電流
の振幅Hmを、上記の数式(4)、(7)〜(10)を用いて
選択することにより、希望する制御電流対位相特性をも
った位相変調回路を構成することが出来る。
の振幅Hmを、上記の数式(4)、(7)〜(10)を用いて
選択することにより、希望する制御電流対位相特性をも
った位相変調回路を構成することが出来る。
【0016】ここでは、強磁性体に印加する交流電流を
三角波とした。これにより、制御電流印加による位相変
化が制御電流Icに比例するので、位相変調特性の直線
性を向上することが出来る。
三角波とした。これにより、制御電流印加による位相変
化が制御電流Icに比例するので、位相変調特性の直線
性を向上することが出来る。
【0017】さらに、位相変調特性の任意の位相範囲で
の使用を可能にするため、交流電流として直流バイアス
を持つ交流電流を用いることが出来る。この場合、交流
電流により発生される磁界(励磁波)は次の数式で表さ
れる。
の使用を可能にするため、交流電流として直流バイアス
を持つ交流電流を用いることが出来る。この場合、交流
電流により発生される磁界(励磁波)は次の数式で表さ
れる。
【数11】 H△=H0+2・Hm・ω・t/π=H0+2・Hm・ψ/π (11) ここに、 -π/2 ≦ ψ ≦ π/2 ここに、H0は、直流バイアスによるバイアス磁界を表
わす。従って、制御電流Icがない場合の位相ψ0は、数
式(4)の場合からずれてくる。
わす。従って、制御電流Icがない場合の位相ψ0は、数
式(4)の場合からずれてくる。
【数12】 ψ0 =(π/(2・Hm))・(H* - H0) (12)
【0018】位相変調回路で使用されるフィルター回路
16は、要求されるeLとeRの波形分離度合い、磁性体
を励磁する交流電流周波数、または磁性体の磁気特性ま
たは形状からくるeLとeRの波形の差に応じてその種類
を選択することが出来る。たとえば、フィルター回路1
6にパッシブフィルター(CRフィルター、LCフィル
ターなど)を用いれば、トランジスタなどの能動素子を
一切使わない回路構成にすることができるので、振幅変
調回路、周波数変調回路、および、従来の位相変調回路
のいずれに比べても、非常に優れた耐環境性と高信頼性
を実現できる。また、好ましくは強磁性体に交流電流を
供給する交流電源として、強磁性体を含む発振回路を用
いることが出来る。これにより、位相変調回路のさらな
る小型化が図られる。
16は、要求されるeLとeRの波形分離度合い、磁性体
を励磁する交流電流周波数、または磁性体の磁気特性ま
たは形状からくるeLとeRの波形の差に応じてその種類
を選択することが出来る。たとえば、フィルター回路1
6にパッシブフィルター(CRフィルター、LCフィル
ターなど)を用いれば、トランジスタなどの能動素子を
一切使わない回路構成にすることができるので、振幅変
調回路、周波数変調回路、および、従来の位相変調回路
のいずれに比べても、非常に優れた耐環境性と高信頼性
を実現できる。また、好ましくは強磁性体に交流電流を
供給する交流電源として、強磁性体を含む発振回路を用
いることが出来る。これにより、位相変調回路のさらな
る小型化が図られる。
【0019】位相変調回路において使用される強磁性体
2の形状としては、実質的に円形断面をもち、円周方向
透磁率の高い強磁性体が望ましい。強磁性体2の断面が
円形であることにより、円周方向に磁極を発生させるこ
となく、より大きい誘導交流電圧が期待される。強磁性
体2の材料としては、十分な誘導電圧を発生可能とする
ため、円周透磁率の高い材料が望ましい。一例として、
アモルファス磁性体、特に負または零の磁歪を持つアモ
ルファス磁性体があげられる。さらに、パーマロイやセ
ンダスト磁性体、微細結晶粒からなる高透磁率Fe合金
線なども使用可能である。また、希望する位相変調範囲
または希望する制御電流Icの大きさからくる位相変調
特性を満足させるために、張力アニール処理を施したア
モルファス強磁性体を用いることができる。さらに、強
い張力でアニール処理を施すことによって、円周方向に
強い磁気異方性が誘導され、地磁気などの外乱磁界の影
響をうけない位相変調回路を構成することが出来る。
2の形状としては、実質的に円形断面をもち、円周方向
透磁率の高い強磁性体が望ましい。強磁性体2の断面が
円形であることにより、円周方向に磁極を発生させるこ
となく、より大きい誘導交流電圧が期待される。強磁性
体2の材料としては、十分な誘導電圧を発生可能とする
ため、円周透磁率の高い材料が望ましい。一例として、
アモルファス磁性体、特に負または零の磁歪を持つアモ
ルファス磁性体があげられる。さらに、パーマロイやセ
ンダスト磁性体、微細結晶粒からなる高透磁率Fe合金
線なども使用可能である。また、希望する位相変調範囲
または希望する制御電流Icの大きさからくる位相変調
特性を満足させるために、張力アニール処理を施したア
モルファス強磁性体を用いることができる。さらに、強
い張力でアニール処理を施すことによって、円周方向に
強い磁気異方性が誘導され、地磁気などの外乱磁界の影
響をうけない位相変調回路を構成することが出来る。
【0020】以下、本発明をさらに3つの実施例におけ
る4つの制御例によりさらに具体的に説明する。表1
は、例1、例2、例3および例4で使用した強磁性体2
およびその処理条件を示す。強磁性体2は、いずれも
(Fe0.06Co0.94)72.5Si12 .5B15の組成のアモル
ファス強磁性体であり、円断面を有する。
る4つの制御例によりさらに具体的に説明する。表1
は、例1、例2、例3および例4で使用した強磁性体2
およびその処理条件を示す。強磁性体2は、いずれも
(Fe0.06Co0.94)72.5Si12 .5B15の組成のアモル
ファス強磁性体であり、円断面を有する。
【0021】
【表1】
【0022】実施例2 図6は、実施例2で用いた位相変調回路を示す。この位
相変調回路は、図5に示した基本的な位相変調回路に増
幅回路を後段に追加したものである。抵抗18が交流電
源6に直列に接続される。また、フィルター回路16と
して、周波数の1乗に比例して減衰するパッシブ高域通
過フィルターを構成し使用した。この高域通過フィルタ
ー回路の基本構成は、コンデンサ素子(10000p
F)20と抵抗素子(16.8Ω)22からなるCRフ
ィルターであり、その遮断周波数は947kHzであ
る。後段に追加される増幅回路は、十分なeL'を得るた
めに100倍にeL'が増幅される2段増幅回路(1段で
10倍増幅するように設定)であり、各段は、OPアン
プ28および抵抗24、26からなる公知の増幅回路で
ある。
相変調回路は、図5に示した基本的な位相変調回路に増
幅回路を後段に追加したものである。抵抗18が交流電
源6に直列に接続される。また、フィルター回路16と
して、周波数の1乗に比例して減衰するパッシブ高域通
過フィルターを構成し使用した。この高域通過フィルタ
ー回路の基本構成は、コンデンサ素子(10000p
F)20と抵抗素子(16.8Ω)22からなるCRフ
ィルターであり、その遮断周波数は947kHzであ
る。後段に追加される増幅回路は、十分なeL'を得るた
めに100倍にeL'が増幅される2段増幅回路(1段で
10倍増幅するように設定)であり、各段は、OPアン
プ28および抵抗24、26からなる公知の増幅回路で
ある。
【0023】前に図5により説明したように、位相変調
を行なうときには、強磁性体2は、交流電源6によって
強磁性体2に通電される電流によって励磁され、強磁性
体2の両端に交流誘導電圧が誘起される。この誘導交流
電圧は、強磁性体2の抵抗による電圧と、交流電源6に
よって強磁性体2に通電される電流が作用することによ
る強磁性体2の円周磁束の変化によって発生する電圧e
Lとの和であり、この誘導交流電圧をフィルター回路1
6に通すことにより後者のみが取り出される。フィルタ
ー回路通過後の電圧は、eLに起因する非常に鋭いパル
ス状の電圧eL'と、高域通過フィルターの微分作用によ
って励磁波である三角波が微分された結果生じる方形波
とが重畳した波形となる。このパルス状の電圧eL'は、
強磁性体2に直接接続された信号電源8が発生する制御
電流Icによって、その位相ψ+、ψ-が制御される。一
方、高域通過フィルターの微分作用によって三角波が微
分された結果生じる方形波の位相は、強磁性体2に直接
接続された信号電源8側が発生する制御電流Icに無関
係である。よってこの方形波の位相(立ち上がり、また
は、立ち下がり)を位相基準パルスrefとして用いるこ
とにより、従来新たに発生させる必要があった位相基準
信号の発生が不要になり、復調回路を単純化することが
出来る。さらに、この位相基準信号は磁性体交流励磁波
の変曲点に対応して発生するため、きわめて正確な位相
基準を与える。
を行なうときには、強磁性体2は、交流電源6によって
強磁性体2に通電される電流によって励磁され、強磁性
体2の両端に交流誘導電圧が誘起される。この誘導交流
電圧は、強磁性体2の抵抗による電圧と、交流電源6に
よって強磁性体2に通電される電流が作用することによ
る強磁性体2の円周磁束の変化によって発生する電圧e
Lとの和であり、この誘導交流電圧をフィルター回路1
6に通すことにより後者のみが取り出される。フィルタ
ー回路通過後の電圧は、eLに起因する非常に鋭いパル
ス状の電圧eL'と、高域通過フィルターの微分作用によ
って励磁波である三角波が微分された結果生じる方形波
とが重畳した波形となる。このパルス状の電圧eL'は、
強磁性体2に直接接続された信号電源8が発生する制御
電流Icによって、その位相ψ+、ψ-が制御される。一
方、高域通過フィルターの微分作用によって三角波が微
分された結果生じる方形波の位相は、強磁性体2に直接
接続された信号電源8側が発生する制御電流Icに無関
係である。よってこの方形波の位相(立ち上がり、また
は、立ち下がり)を位相基準パルスrefとして用いるこ
とにより、従来新たに発生させる必要があった位相基準
信号の発生が不要になり、復調回路を単純化することが
出来る。さらに、この位相基準信号は磁性体交流励磁波
の変曲点に対応して発生するため、きわめて正確な位相
基準を与える。
【0024】(例1)例1では、強磁性体2として、長
さ5mm、直径30μmのアモルファスワイヤを使用し
た。この強磁性体2は、40kg/mm2での張力熱処
理が450℃で1分施されたものである。また、交流電
源6による励磁波には、周波数10kHzの三角波を用
いた。図7は、この位相変調回路において得られた誘導
電圧波の位相(ψ+、ψ-)対制御電流(Ic)特性を示
す。図7に示す結果から明らかなように、微小な交流電
流(±6mA)によって誘導電圧の位相ψ+、ψ-を直線
的に制御出来る。すなわち、強磁性体2に交流電流を通
電して得られる強磁性体両端間の誘導交流電圧をフィル
ター回路に通過させるとき、その出力電圧eL'の位相
が、強磁性体2に通電する制御電流Icによって変化す
る。図7の例では、位相は、約0.1π〜0.5πの約7
0°の範囲で制御出来る。これはアームストロング回路
の位相変化の約10倍に達する。
さ5mm、直径30μmのアモルファスワイヤを使用し
た。この強磁性体2は、40kg/mm2での張力熱処
理が450℃で1分施されたものである。また、交流電
源6による励磁波には、周波数10kHzの三角波を用
いた。図7は、この位相変調回路において得られた誘導
電圧波の位相(ψ+、ψ-)対制御電流(Ic)特性を示
す。図7に示す結果から明らかなように、微小な交流電
流(±6mA)によって誘導電圧の位相ψ+、ψ-を直線
的に制御出来る。すなわち、強磁性体2に交流電流を通
電して得られる強磁性体両端間の誘導交流電圧をフィル
ター回路に通過させるとき、その出力電圧eL'の位相
が、強磁性体2に通電する制御電流Icによって変化す
る。図7の例では、位相は、約0.1π〜0.5πの約7
0°の範囲で制御出来る。これはアームストロング回路
の位相変化の約10倍に達する。
【0025】図8は、制御電流Icによるパルス高さ
(電圧eL'の最大値)の大きさの変化を示す。この制御
電流特性は、制御電流Icのある範囲で電圧eL'の大き
さが変化しない範囲が存在する。本発明者らによる特願
平5−244770号に開示された位相変調回路によれ
ば、誘導電圧eLの大きさが変化しない領域は、eL+で
は制御電流Icが正の領域のみであり、eL- ではIcが
負の領域のみであったため、誘導電圧eLの変化しない
領域で使用するには、励磁用電源において直流バイアス
を供給する必要があった。しかし、本実施例によれば、
制御電流Icが零を挟んでIcの正負の両側において誘導
電圧の大きさが変化しない領域が広く存在するため、特
に直流バイアスを供給する必要がなくなる。また、この
誘導電圧の大きさが変化しない範囲を使用することによ
って、従来の位相変調回路で最終段に必要であった振幅
制限回路が不要になり、位相変調回路は、さらに単純化
できる。
(電圧eL'の最大値)の大きさの変化を示す。この制御
電流特性は、制御電流Icのある範囲で電圧eL'の大き
さが変化しない範囲が存在する。本発明者らによる特願
平5−244770号に開示された位相変調回路によれ
ば、誘導電圧eLの大きさが変化しない領域は、eL+で
は制御電流Icが正の領域のみであり、eL- ではIcが
負の領域のみであったため、誘導電圧eLの変化しない
領域で使用するには、励磁用電源において直流バイアス
を供給する必要があった。しかし、本実施例によれば、
制御電流Icが零を挟んでIcの正負の両側において誘導
電圧の大きさが変化しない領域が広く存在するため、特
に直流バイアスを供給する必要がなくなる。また、この
誘導電圧の大きさが変化しない範囲を使用することによ
って、従来の位相変調回路で最終段に必要であった振幅
制限回路が不要になり、位相変調回路は、さらに単純化
できる。
【0026】実施例3 図9は、実施例3(例2および例3)で用いた位相変調
回路を示す。この位相変調回路は、図5に示した基本的
な位相変調回路に増幅回路を後段に追加したものであ
る。フィルター回路16には、周波数の1乗に比例して
減衰するパッシブ高域通過フィルターを2段に構成し使
用した。このフィルター回路の基本構成はコンデンサ素
子(10000pF)20と抵抗素子(16.8Ω)2
2からなるCRフィルターの2段からなり、その遮断周
波数は947kHzである。増幅回路としては、図6に
示したのと同じ2段増幅回路を後段に追加している。
回路を示す。この位相変調回路は、図5に示した基本的
な位相変調回路に増幅回路を後段に追加したものであ
る。フィルター回路16には、周波数の1乗に比例して
減衰するパッシブ高域通過フィルターを2段に構成し使
用した。このフィルター回路の基本構成はコンデンサ素
子(10000pF)20と抵抗素子(16.8Ω)2
2からなるCRフィルターの2段からなり、その遮断周
波数は947kHzである。増幅回路としては、図6に
示したのと同じ2段増幅回路を後段に追加している。
【0027】フィルター回路通過後の電圧は、eLに起
因する非常に鋭いパルス状の電圧eL'と、高域通過フィ
ルターの微分作用により励磁波である三角波を2回微分
された結果生じたパルス波とが重畳した波形となる。こ
のパルス状の電圧eL'は、強磁性体2に直接接続された
信号電源8側が発生する制御電流Icによって、その位
相が制御される。一方、高域通過フィルターの微分作用
により三角波を2回微分された結果生じたパルス波の位
相は、磁性体交流励磁波の変曲点に対応し、強磁性体2
に直接接続された信号電源8側が発生する制御電流Ic
に無関係である。よって、磁性体交流励磁波の変曲点に
対応するパルス波の位相は、復調時に必要となる位相基
準パルスrefとなる。この位相基準信号refは信号波に重
畳するので、新たに位相基準信号を発生させる必要がな
くなり、復調回路を単純化することが出来る。さらに、
この位相基準信号refは磁性体交流励磁波の変曲点に対
応して発生するため、きわめて正確な位相基準を与え
る。
因する非常に鋭いパルス状の電圧eL'と、高域通過フィ
ルターの微分作用により励磁波である三角波を2回微分
された結果生じたパルス波とが重畳した波形となる。こ
のパルス状の電圧eL'は、強磁性体2に直接接続された
信号電源8側が発生する制御電流Icによって、その位
相が制御される。一方、高域通過フィルターの微分作用
により三角波を2回微分された結果生じたパルス波の位
相は、磁性体交流励磁波の変曲点に対応し、強磁性体2
に直接接続された信号電源8側が発生する制御電流Ic
に無関係である。よって、磁性体交流励磁波の変曲点に
対応するパルス波の位相は、復調時に必要となる位相基
準パルスrefとなる。この位相基準信号refは信号波に重
畳するので、新たに位相基準信号を発生させる必要がな
くなり、復調回路を単純化することが出来る。さらに、
この位相基準信号refは磁性体交流励磁波の変曲点に対
応して発生するため、きわめて正確な位相基準を与え
る。
【0028】(例2)例2では、強磁性体2として、長
さ5mm、直径30μmのアモルファスワイヤを使用し
た。この磁性体は、40kg/mm2での張力熱処理が
450℃で1分施されたものである。また、交流電源6
による励磁波には、周波数10kHzの三角波を用い
た。図10は、例2の誘導電圧波の位相(ψ+、ψ-)対
制御電流(Ic)特性を示す。図10に示す結果から明
らかなように、微小な交流電流(±6mA)によって誘
導電圧の位相ψ+、ψ-を直線的に制御出来る。すなわ
ち、強磁性体2に交流電流を通電して得られる強磁性体
両端間の誘導交流電圧をフィルター回路に通過させる
と、その出力電圧eL'の位相が、強磁性体2に通電する
制御電流Icによって変化する。例2では、位相は、約
0.1π〜0.5πの範囲で制御出来る。
さ5mm、直径30μmのアモルファスワイヤを使用し
た。この磁性体は、40kg/mm2での張力熱処理が
450℃で1分施されたものである。また、交流電源6
による励磁波には、周波数10kHzの三角波を用い
た。図10は、例2の誘導電圧波の位相(ψ+、ψ-)対
制御電流(Ic)特性を示す。図10に示す結果から明
らかなように、微小な交流電流(±6mA)によって誘
導電圧の位相ψ+、ψ-を直線的に制御出来る。すなわ
ち、強磁性体2に交流電流を通電して得られる強磁性体
両端間の誘導交流電圧をフィルター回路に通過させる
と、その出力電圧eL'の位相が、強磁性体2に通電する
制御電流Icによって変化する。例2では、位相は、約
0.1π〜0.5πの範囲で制御出来る。
【0029】図11は、制御電流Icによるパルス高さ
(電圧eL'の最大値)の大きさの変化を示す。この制御
電流特性は、制御電流Icのある範囲で誘導電圧の大き
さが変化しない範囲が存在する。例1と同様に、制御電
流Icが零を挟んでIcの正負において誘導電圧の大きさ
が変化しない領域が広く存在するため、特に直流バイア
スを供給する必要がなくなる。この誘導電圧の大きさが
変化しない範囲を使用することによって、従来の位相変
調回路で最終段に必要であった振幅制限回路が不要にな
り、位相変調回路は、さらに単純化できる。
(電圧eL'の最大値)の大きさの変化を示す。この制御
電流特性は、制御電流Icのある範囲で誘導電圧の大き
さが変化しない範囲が存在する。例1と同様に、制御電
流Icが零を挟んでIcの正負において誘導電圧の大きさ
が変化しない領域が広く存在するため、特に直流バイア
スを供給する必要がなくなる。この誘導電圧の大きさが
変化しない範囲を使用することによって、従来の位相変
調回路で最終段に必要であった振幅制限回路が不要にな
り、位相変調回路は、さらに単純化できる。
【0030】(例3)例3では、図9に示した位相変調
回路において、強磁性体2として、長さ5mm、直径1
24μmのアモルファスワイヤを使用した。この磁性体
は、40kg/mm2での張力熱処理が450℃で30
秒施されたものである。また、交流電源6による励磁波
には、周波数10kHzの三角波を用いた。
回路において、強磁性体2として、長さ5mm、直径1
24μmのアモルファスワイヤを使用した。この磁性体
は、40kg/mm2での張力熱処理が450℃で30
秒施されたものである。また、交流電源6による励磁波
には、周波数10kHzの三角波を用いた。
【0031】図12に誘導電圧波の位相対制御電流特性
を示す。図12に示した結果から、微小な交流電流(±
30mA)によって誘導電圧の位相ψ+、ψ-を直線的に
制御出来ることは明らかである。すなわち、強磁性体2
に交流電流を通電して得られる強磁性体両端間の誘導交
流電圧をフィルター回路に通過させるとき、その出力電
圧eL'の位相が、強磁性体2に通電する制御電流Icに
よって変化する。図12の例では、位相は、約−0.1
π〜0.5πの範囲で制御出来る。
を示す。図12に示した結果から、微小な交流電流(±
30mA)によって誘導電圧の位相ψ+、ψ-を直線的に
制御出来ることは明らかである。すなわち、強磁性体2
に交流電流を通電して得られる強磁性体両端間の誘導交
流電圧をフィルター回路に通過させるとき、その出力電
圧eL'の位相が、強磁性体2に通電する制御電流Icに
よって変化する。図12の例では、位相は、約−0.1
π〜0.5πの範囲で制御出来る。
【0032】図13は、制御電流Icによるパルス高さ
(電圧eL'の最大値)の大きさの変化を示す。この制御
電流特性は、制御電流Icのある範囲で誘導電圧の大き
さが変化しない範囲が存在する。他の例と同様に、制御
電流Icが零を挟んでIcの正負の両側において誘導電圧
の大きさが変化しない領域が広く存在するため、特に直
流バイアスを供給する必要がなくなる。この誘導電圧の
大きさが変化しない範囲を使用することによって、従来
の位相変調回路で最終段に必要であった振幅制限回路が
不要になり、位相変調回路は、さらに単純化できる。例
2(図10)と例3(図12)の対比から明らかなよう
に、強磁性体2の形状などを変えることにより、制御電
流Icに対する位相制御範囲を変化することが出来る。
例3の方が位相制御範囲が増加した。これにより、希望
する特性を持った位相変調回路構成の要求に対応するこ
とが出来る。
(電圧eL'の最大値)の大きさの変化を示す。この制御
電流特性は、制御電流Icのある範囲で誘導電圧の大き
さが変化しない範囲が存在する。他の例と同様に、制御
電流Icが零を挟んでIcの正負の両側において誘導電圧
の大きさが変化しない領域が広く存在するため、特に直
流バイアスを供給する必要がなくなる。この誘導電圧の
大きさが変化しない範囲を使用することによって、従来
の位相変調回路で最終段に必要であった振幅制限回路が
不要になり、位相変調回路は、さらに単純化できる。例
2(図10)と例3(図12)の対比から明らかなよう
に、強磁性体2の形状などを変えることにより、制御電
流Icに対する位相制御範囲を変化することが出来る。
例3の方が位相制御範囲が増加した。これにより、希望
する特性を持った位相変調回路構成の要求に対応するこ
とが出来る。
【0033】実施例4 図14は、実施例3で用いた位相変調回路を示す。この
位相変調回路は、図5に示した基本的な位相変調回路に
増幅回路を後段に追加したものである。フィルター回路
16として、周波数の2乗で減衰する特性を持つバタワ
ース型のVCVS(voltage controlled voltage sourc
e)高域通過フィルター(アクティブフィルター)を構成
し使用した。この高域通過フィルター回路の基本構成
は、2個のコンデンサ素子(33pF)30と2個の抵
抗素子(5.1kΩ)32および1個のオペアンプ(L
M6361N)34からなり、その遮断周波数は945
kHzである。増幅回路としては、図6の位相変調回路
に示したのと同じ2段増幅回路を後段に追加している。
位相変調回路は、図5に示した基本的な位相変調回路に
増幅回路を後段に追加したものである。フィルター回路
16として、周波数の2乗で減衰する特性を持つバタワ
ース型のVCVS(voltage controlled voltage sourc
e)高域通過フィルター(アクティブフィルター)を構成
し使用した。この高域通過フィルター回路の基本構成
は、2個のコンデンサ素子(33pF)30と2個の抵
抗素子(5.1kΩ)32および1個のオペアンプ(L
M6361N)34からなり、その遮断周波数は945
kHzである。増幅回路としては、図6の位相変調回路
に示したのと同じ2段増幅回路を後段に追加している。
【0034】(例4)例4では、強磁性体2として、長
さ5mm、直径30μmのアモルファスワイヤを使用し
た。この磁性体は、40kg/mm2での張力熱処理が
450℃で1分施されたものである。また、交流電源6
による励磁波には、周波数10kHzの三角波を用い
た。図15に誘導電圧波の位相(ψ+、ψ-)対制御電流
(Ic)特性を示す。フィルター回路通過後の電圧eL'
は、非常に鋭いパルス状の波形を示した。このパルス状
の電圧eL'は、強磁性体2に直接接続された信号電源8
側が発生する制御電流Icによって、その位相が制御さ
れる。
さ5mm、直径30μmのアモルファスワイヤを使用し
た。この磁性体は、40kg/mm2での張力熱処理が
450℃で1分施されたものである。また、交流電源6
による励磁波には、周波数10kHzの三角波を用い
た。図15に誘導電圧波の位相(ψ+、ψ-)対制御電流
(Ic)特性を示す。フィルター回路通過後の電圧eL'
は、非常に鋭いパルス状の波形を示した。このパルス状
の電圧eL'は、強磁性体2に直接接続された信号電源8
側が発生する制御電流Icによって、その位相が制御さ
れる。
【0035】図15に示した結果から明らかなように、
微小な交流電流(±6mA)によって誘導電圧の位相
ψ+、ψ-を直線的に制御出来る。すなわち、強磁性体2
に交流電流を通電して得られる強磁性体両端間の電圧を
フィルター回路に通過させると、その出力電圧eL'の位
相が、強磁性体2に通電する制御電流Icによって変化
する。図15の例では、位相は、約0.1π〜0.5πの
範囲で制御出来る。図16は、制御電流Icによるパル
ス高さ(電圧eL'の最大値)の大きさの変化を示す。こ
の制御電流特性は、制御電流Icのある範囲で誘導電圧
の大きさが変化しない範囲が存在する。例1〜例3と同
様に、制御電流Icが零を挟んでIcの正負の両側におい
て誘導電圧の大きさが変化しない領域が広く存在するた
め、特に直流バイアスを供給する必要がなくなる。この
誘導電圧の大きさが変化しない範囲を使用することによ
って、従来の位相変調回路で最終段に必要であった振幅
制限回路が不要になり、位相変調回路は、さらに単純化
できる。
微小な交流電流(±6mA)によって誘導電圧の位相
ψ+、ψ-を直線的に制御出来る。すなわち、強磁性体2
に交流電流を通電して得られる強磁性体両端間の電圧を
フィルター回路に通過させると、その出力電圧eL'の位
相が、強磁性体2に通電する制御電流Icによって変化
する。図15の例では、位相は、約0.1π〜0.5πの
範囲で制御出来る。図16は、制御電流Icによるパル
ス高さ(電圧eL'の最大値)の大きさの変化を示す。こ
の制御電流特性は、制御電流Icのある範囲で誘導電圧
の大きさが変化しない範囲が存在する。例1〜例3と同
様に、制御電流Icが零を挟んでIcの正負の両側におい
て誘導電圧の大きさが変化しない領域が広く存在するた
め、特に直流バイアスを供給する必要がなくなる。この
誘導電圧の大きさが変化しない範囲を使用することによ
って、従来の位相変調回路で最終段に必要であった振幅
制限回路が不要になり、位相変調回路は、さらに単純化
できる。
【0036】さらに、誘導交流電圧のうちの主にインダ
クタンス成分による信号を出力するフィルター回路を使
用することによって、磁性体交流励磁波の変曲点におい
て、信号波形に磁性体交流励磁波の変曲点に対応する信
号が発生する(本実施例の場合、他の例と同様に、この
信号はパルス形状をなす)。この位相基準信号は信号波
に重畳するので、新たに位相基準信号を発生させる必要
がなくなり、復調回路を単純化することが出来る。さら
に、この位相基準信号は磁性体交流励磁波の変曲点に対
応して発生するため、きわめて正確な位相基準を与え
る。
クタンス成分による信号を出力するフィルター回路を使
用することによって、磁性体交流励磁波の変曲点におい
て、信号波形に磁性体交流励磁波の変曲点に対応する信
号が発生する(本実施例の場合、他の例と同様に、この
信号はパルス形状をなす)。この位相基準信号は信号波
に重畳するので、新たに位相基準信号を発生させる必要
がなくなり、復調回路を単純化することが出来る。さら
に、この位相基準信号は磁性体交流励磁波の変曲点に対
応して発生するため、きわめて正確な位相基準を与え
る。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る位相変調回路は、きわめて
簡単な回路構成で、かつ微小な電流で、抵抗ブリッジ補
償回路を使用することなく、よって何の調整作業も必要
とせずに位相を制御することが出来る。また、制御電流
Icが零を挟んでIcの正負において誘導電圧の大きさが
変化しない領域が広く存在するため、直流バイアスの供
給が必要でなくなる。さらに、この誘導電圧の大きさが
変化しない範囲を使用することによって、従来の位相変
調回路で最終段に必要であった振幅制限回路が不要にな
り、位相変調回路は、さらに単純化できる。
簡単な回路構成で、かつ微小な電流で、抵抗ブリッジ補
償回路を使用することなく、よって何の調整作業も必要
とせずに位相を制御することが出来る。また、制御電流
Icが零を挟んでIcの正負において誘導電圧の大きさが
変化しない領域が広く存在するため、直流バイアスの供
給が必要でなくなる。さらに、この誘導電圧の大きさが
変化しない範囲を使用することによって、従来の位相変
調回路で最終段に必要であった振幅制限回路が不要にな
り、位相変調回路は、さらに単純化できる。
【0038】また、信号波形に磁性体交流励磁波の変曲
点に対応する信号が発生し、この信号は位相基準信号re
fとなって信号波に重畳するので、復調回路の単純化
と、きわめて高精度な復調とを可能にすることが出来
る。また、磁性体の形状または磁気特性の異なる磁性体
を選択すことによって、位相制御範囲または制御電流の
可変範囲を変化させることが出来、様々な特性の要求に
対応出来る。しかも本発明の回路を構成する素子は安価
かつ容易に得られる。また、能動素子を一切使わずに構
成することが出来、よってその信頼性もきわめて高い。
点に対応する信号が発生し、この信号は位相基準信号re
fとなって信号波に重畳するので、復調回路の単純化
と、きわめて高精度な復調とを可能にすることが出来
る。また、磁性体の形状または磁気特性の異なる磁性体
を選択すことによって、位相制御範囲または制御電流の
可変範囲を変化させることが出来、様々な特性の要求に
対応出来る。しかも本発明の回路を構成する素子は安価
かつ容易に得られる。また、能動素子を一切使わずに構
成することが出来、よってその信頼性もきわめて高い。
【図1】 従来の位相変調回路の一例のブロック図であ
る。
る。
【図2】 他の位相変調回路の低周波励磁時の基本構成
を示す回路図である。
を示す回路図である。
【図3】 本発明の位相変調回路の基本構成を示す実施
例1の回路図である。
例1の回路図である。
【図4】 三角励磁波を用いて発生される誘導電圧波を
2次減衰特性をもつフィルターに通過させて得られる信
号波を説明する図である。
2次減衰特性をもつフィルターに通過させて得られる信
号波を説明する図である。
【図5】 三角励磁波に制御電流を重畳したときに発生
される誘導電圧波を2次減衰特性をもつフィルターに通
過させて得られる信号波を説明する図である。
される誘導電圧波を2次減衰特性をもつフィルターに通
過させて得られる信号波を説明する図である。
【図6】 実施例2の位相変調回路の回路図である。
【図7】 例1で得られた制御電流対位相の特性を示す
図である。
図である。
【図8】 例1で得られた制御電流対誘導電圧の特性を
示す図である。
示す図である。
【図9】 実施例3の位相変調回路の回路図である。
【図10】 例2で得られた制御電流対位相の特性を示
す図である。
す図である。
【図11】 例2で得られた制御電流対誘導電圧の特性
を示す図である。
を示す図である。
【図12】 例3で得られた制御電流対位相の特性を示
す図である。
す図である。
【図13】 例3で得られた制御電流対誘導電圧の特性
を示す図である。
を示す図である。
【図14】 実施例4の位相変調回路の回路図である。
【図15】 例4で得られた制御電流対位相の特性を示
す図である。
す図である。
【図16】 例4で得られた制御電流対誘導電圧の特性
を示す図である。
を示す図である。
2…強磁性体、 6…交流電源、8…信号電源、
16…フィルター回路。
16…フィルター回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武士田 健一 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 小笠原 勇 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 強磁性体と、強磁性体の両端間に制御電
流を供給する信号供給回路と、周波数が制御電流の周波
数より高い交流電流を強磁性体に供給する交流電源と、
上記の制御電流と交流電流とにより強磁性体が発生する
誘導交流電圧を入力し、この誘導交流電圧のうちの主に
インダクタンス成分による信号を出力するフィルター回
路とからなることを特徴とする位相変調回路。 - 【請求項2】 請求項1の位相変調回路において、上記
のフィルター回路は、受動素子のみを含むことを特徴と
する位相変調回路。 - 【請求項3】 請求項1に記載した位相変調回路におい
て、上記のフィルター回路は、能動素子を含むことを特
徴とする位相変調回路。 - 【請求項4】 請求項1に記載した位相変調回路におい
て、さらに、上記の強磁性体両端間の誘導交流電圧を、
上記のフィルター回路の少なくとも前又は後で増幅する
増幅器を備えることを特徴とする位相変調回路。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16356494A JPH0832351A (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 位相変調回路 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16356494A JPH0832351A (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 位相変調回路 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0832351A true JPH0832351A (ja) | 1996-02-02 |
Family
ID=15776306
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16356494A Pending JPH0832351A (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 位相変調回路 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0832351A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2024218955A1 (ja) * | 2023-04-21 | 2024-10-24 | 日本電信電話株式会社 | 変調器及び変調方法 |
| WO2024219494A1 (ja) * | 2023-04-20 | 2024-10-24 | 日本電信電話株式会社 | 変調器及び変調方法 |
-
1994
- 1994-07-15 JP JP16356494A patent/JPH0832351A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2024219494A1 (ja) * | 2023-04-20 | 2024-10-24 | 日本電信電話株式会社 | 変調器及び変調方法 |
| WO2024218937A1 (ja) * | 2023-04-20 | 2024-10-24 | 日本電信電話株式会社 | 変調器及び変調方法 |
| WO2024218955A1 (ja) * | 2023-04-21 | 2024-10-24 | 日本電信電話株式会社 | 変調器及び変調方法 |
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